JP2001105537A - 剥離紙及びその製造方法 - Google Patents

剥離紙及びその製造方法

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JP2001105537A JP28645599A JP28645599A JP2001105537A JP 2001105537 A JP2001105537 A JP 2001105537A JP 28645599 A JP28645599 A JP 28645599A JP 28645599 A JP28645599 A JP 28645599A JP 2001105537 A JP2001105537 A JP 2001105537A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、1
50℃以下では熱可塑性を示さないポリビニルアルコー
ル系樹脂を主成分とし、密着性成分を含有する塗工皮膜
が1g/m2以上の厚さで形成されていると共に、この
塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜が形成されてなるこ
とを特徴とする剥離紙。 【効果】 本発明によれば、表面平滑性、バリア性、リ
サイクル性、シリコーン系剥離剤層との密着性に優れた
剥離紙を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性薄葉基材に
シリコーン系剥離剤層を設けた剥離紙及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーン系剥離皮膜を設けた剥離紙の基材には、従来からグ
ラシン紙、ポリエチレンラミネート紙、各種プラスチッ
クフィルム等が利用されてきた。
【0003】このうち、グラシン紙は高価格で、リサイ
クルの際、離解も難しい。また、紙本来の多孔性が残っ
ているために塗工したシリコーン系剥離剤の浸み込みが
強く、十分な剥離性能を達成するには剥離剤の塗工量を
多くしなければならず、また、浸み込み具合も一様では
ないため剥離性能の再現性や均一性を確保するのに限界
があった。
【0004】一方、バリア性の良いポリエチレンなどを
ラミネートした紙は、シリコーン系剥離剤の浸み込みが
なく、表面がほぼ均一な点で優れているが、ポリエチレ
ンをラミネートするため、シリコーン系剥離剤を十分硬
化するには耐熱性が不足で、加熱温度を上げると表面の
均一性や光沢、滑らかさが損なわれてしまう欠点があっ
た。このことは、剥離紙として粘着面と貼り合わせた場
合に粘着面を荒らして粘着性能に悪影響を与え、特に透
明性の高い表面基材を用いた外観や意匠性が重要視され
る用途においては透明性が低下するという欠点になる。
また、リサイクルにはラミネート層を除去する必要があ
り、難しい面がある。
【0005】この問題点を解決する方法として、耐熱性
に優れるポリビニルアルコール(PVA)を目止め剤と
して塗工する方法が考えられ、水溶性もあることからリ
サイクルが容易になると期待される。従来、この方法
は、剥離紙基材として緻密なグラシン紙に用いられるの
が一般的であり、上質紙等の多孔質な紙類に用いたり、
ポリエチレンラミネート紙のような高光沢性を有する基
材に代用する報告はこれまでに見られない。例えば、特
開昭55−26256号公報にはPVAの造膜性を改良
した剥離紙の記載はあるが、耐熱性や光沢についての記
述は見られない。一方、PVAの水酸基がシリコーン系
剥離皮膜との密着に有利であるとの記載は多く見られる
が、縮合反応硬化型シリコーン系剥離剤層に比較して、
付加反応硬化型のシリコーン系剥離剤層に対する密着性
は十分なものではなかった。
【0006】なお、プラスチックフィルム類は、バリア
性と表面の均一性に優れ、品質の安定性も高い。しか
し、ポリエチレンラミネート紙と同様に耐熱性が低く、
付加反応硬化型シリコーン系剥離剤の硬化反応を阻害す
る場合も多く、密着性も悪いのが一般的である。
【0007】以上に述べたように、シリコーン系剥離皮
膜を設けた剥離紙に必要な、面平滑性(光沢性)、バリ
ア性、耐熱性、シリコーン系剥離剤層との密着性、リサ
イクルの容易さのすべてを満足するのは難しかった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、表面均一性に優れ、高光沢であり、紙としてのリサ
イクルが容易な剥離紙及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下
で熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂を用
い、これにシランカップリング剤等のシリコーン系剥離
剤層との密着性を与える密着性成分を配合したポリビニ
ルアルコール系樹脂組成物を少なくとも1g/m2塗工
し、この場合、好ましくは塗工皮膜の光沢度を80以上
に仕上げること、あるいは上記ポリビニルアルコール系
樹脂を含む組成物を少なくとも1g/m2塗工し、これ
を上記密着性成分にて表面処理し、また好ましくは塗工
皮膜の光沢度を80以上に仕上げることにより、この上
にシリコーン系剥離皮膜、特に付加反応硬化型のシリコ
ーン組成物の剥離皮膜を形成することにより、下記の利
点が得られることを知見した。
【0010】(i)従来のポリエチレン樹脂などの熱可
塑性樹脂を用いたラミネート紙ではシリコーン系剥離皮
膜形成時の加熱処理により、発泡、表面収縮の発生等が
避けられなかったが、ポリビニルアルコール系樹脂(以
下、PVA系樹脂という)の高い耐熱性によって、均一
で滑らかな表面を保持した高光沢な剥離紙を得られる。 (ii)このように、シリコーン系剥離皮膜表面が均一
で滑らかなことは、剥離紙として用いたときに、剥離力
の再現性を高め、接触する粘着面を荒らすなどの悪影響
が減少し、粘着特性も向上する。 (iii)PVA系樹脂塗工層の高い耐熱性に加えて、
付加反応硬化型シリコーン系剥離剤層との密着性に優れ
るという特徴は、シリコーン系剥離皮膜形成時の加熱温
度をより高くでき、硬化時間の短縮が可能になり、密着
不足による剥離性能異常も起こり難く、生産性が上が
る。 (iv)PVA系樹脂層の耐溶剤性と改良された造膜性
は、シリコーン系剥離剤の浸み込みを防ぎ、薄く均一な
塗工が可能になり、良好な性能を維持したまま薄膜化で
きるので経済性が高い。 (v)PVA系樹脂の水溶性は、紙へのリサイクルを容
易にし、環境負荷の小さい製品が可能となる。
【0011】従って、本発明は、(1)多孔性薄葉基材
の少なくとも片面に、150℃以下では熱可塑性を示さ
ないポリビニルアルコール系樹脂を主成分とし、密着性
成分を含有する塗工皮膜が1g/m2以上の厚さで形成
されていると共に、この塗工皮膜上にシリコーン系剥離
皮膜が形成されてなることを特徴とする剥離紙、(2)
多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下では
熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂と密着
性成分とを含むポリビニルアルコール系樹脂組成物を少
なくとも1g/m2塗工した後、上記塗工皮膜上にシリ
コーン系剥離皮膜を形成したことを特徴とする剥離紙の
製造方法、及び、(3)多孔性薄葉基材の少なくとも片
面に、150℃以下では熱可塑性を示さないポリビニル
アルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂組
成物を少なくとも1g/m2塗工し、この塗工皮膜を密
着性成分にて表面処理した後、上記塗工皮膜上にシリコ
ーン系剥離皮膜を形成したことを特徴とする剥離紙の製
造方法を提供する。
【0012】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の剥離紙は、多孔性薄葉基材の片面又は両面に、
まずPVA系樹脂を含むPVA系樹脂組成物を塗工す
る。
【0013】ここで、本発明に使用される多孔性薄葉基
材としては、一般に市販されているものが使用可能で、
例えば、マニラ麻、こうぞ、みつまた等の天然繊維、テ
トロン、ビニロン、アクリル等の合成繊維を主原料とし
たものが利用できる。
【0014】本発明に使用されるPVA系樹脂は、水溶
性で150℃以下では熱可塑性を示さないものであれば
よく、水溶液としてPVA系樹脂組成物の主成分を占め
る。好ましくは、高濃度での塗工性が良い樹脂で、重合
度が1,700以下、更に好ましくは1,000以下の
ものである。好ましいケン化度は80モル%以上で、そ
れ未満では耐溶剤性や水への溶解性が低下する。また、
本発明のPVA系樹脂には、その効果を損なわない範囲
で、公知の重合性モノマーを共重合したものも用いるこ
とができる。重合性モノマーとしては、例えば、メチル
メタアクリレート、プロピルメタアクリレート、アリル
メタアクリレート等のメタアクリル酸エステル、メチル
アクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エス
テル、ブチルビニルエーテル、スチレン、ブテン、ブタ
ジエン、アクリロニトリル、アクリルアミド、無水マレ
イン酸、塩化ビニル等が挙げられる。なお、このような
共重合体を使用する場合、ビニルアルコール単位は80
モル%以上であることが好ましい。
【0015】本発明において、PVA系樹脂組成物は、
上記PVA系樹脂を主成分として含有する。この場合、
PVA系樹脂は水に溶解した状態とされるが、その濃度
に特に制限はなく、5重量%以上とすることができる
が、使用する塗工機で可能であれば高濃度の方が好まし
い。かかる点から、組成物中のPVA系樹脂濃度は5〜
40重量%、特に10〜20重量%の範囲とすることが
好ましい。
【0016】本発明のPVA系樹脂組成物の第1の態様
としては、上記PVA系樹脂にシリコーン系剥離皮膜と
の密着性を与える密着性成分を添加したシリコーン系剥
離皮膜との密着性に優れた組成物を使用する。
【0017】即ち、PVA系樹脂は、含有する水酸基に
よりシリコーン系剥離剤と化学的に反応して良好な密着
性を示すとされているが、実際にはポリエチレンラミネ
ート紙よりも密着性が低いものであり、密着性成分の配
合により、シリコーン系剥離皮膜、特に付加反応硬化型
シリコーン組成物による剥離皮膜との良好な密着効果を
与える。
【0018】この場合、上記密着性成分としては、シラ
ンカップリング剤が好ましく、シランカップリング剤と
しては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等
で良好な結果が得られる。中でも、エポキシ基を有する
アルコキシシランカップリング剤が好ましい。以上のよ
うなシランカップリング剤の効果は、親水性PVA系樹
脂層表面を改質して疎水性シリコーン系剥離剤が濡れ易
くし、更には化学反応による結合を促進して密着性を向
上させているものと理解される。
【0019】シランカップリング剤の配合量は、適宜選
定されるが、PVA系樹脂に対して0.5〜10重量%
の添加が適当である。0.5重量%未満では効果が得ら
れず、10重量%を超えると耐熱性が低下するおそれが
ある。
【0020】本発明の塗工液であるPVA系樹脂組成物
を調製する方法に特に限定はないが、例えば、市販のP
VA系樹脂を水に加熱溶解する方法が挙げられる。その
際、必要に応じて消泡剤を添加することもできる。上記
第1の態様では、得られた水溶液にシランカップリング
剤を所定量添加し、0〜50℃で0.5〜10時間撹拌
して、均一な組成物を調製することができる。更に、水
溶液の塗工性を高める目的でセルロース誘導体、デンプ
ン誘導体、界面活性剤等を、また造膜性を高める目的で
スチレン・無水マレイン酸共重合体等の公知の改良剤を
その効果を損なわない範囲で添加しても差し支えない。
【0021】多孔性薄葉基材上にPVA系樹脂組成物を
塗工して均一で滑らかな樹脂層を形成する方法は、塗工
液の粘度、塗工速度等を考慮して、通常行われている塗
工方法を利用することができる。塗工後、スーパーカレ
ンダー等の公知の方法で紙表面の平滑性を高め、光沢度
80以上にすることが好ましい。PVA系樹脂組成物の
塗工量は、固形分として1g/m2以上、好ましくは1
〜10g/m2、更に好ましくは3〜10g/m2の範囲
である。1g/m2未満では、薄葉基材表面の凹凸を覆
い隠して均一で滑らかな表面を形成して高光沢にするこ
とが難しく、10g/m2を超えても、光沢、耐熱性、
耐溶剤性等の性能向上は小さく、コスト上不利な場合が
生じる。
【0022】本発明の第2の態様においては、シランカ
ップリング剤等の密着性成分を含まない又は含むPVA
系樹脂組成物を塗工後、この塗工皮膜を上記密着性成
分、好ましくはシランカップリング剤で表面処理し、塗
工皮膜表面にシランカップリング剤を吸着乃至含有させ
るものである。この処理は、例えばシランカップリング
剤溶液に浸漬したり、スプレーするなどのことによって
行うことができる。なお、この表面処理は、塗工後、光
沢度80以上に鏡面仕上げする前に行っても、後に行っ
てもよい。
【0023】本発明においては、上記塗工皮膜上にシリ
コーン系剥離皮膜を形成する。この場合、シリコーン系
剥離剤は市販されているものを利用することができ、溶
剤型や無溶剤型などの形態にはかかわらない。硬化方法
も縮合反応型、付加反応型、光硬化型のいずれも使用で
きる。シリコーン系剥離剤として、例えば、信越化学工
業(株)製KS705Fなどの縮合反応型シリコーン組
成物、KS776A,KS838,KS839,KS7
78,KS3502,KS774,KS847,KNS
320A,KNS305などの付加反応型シリコーン組
成物、KS5508などの紫外線硬化型シリコーン組成
物が挙げられるが、中でも付加反応型のシリコーン組成
物が有効に使用される。
【0024】なお、この付加反応型のシリコーン組成物
は、ビニル基、アリル基等のアルケニル基を一分子中に
2個以上有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサ
ンを主剤とし、硬化剤としてケイ素原子に結合した水素
原子(SiH基)を一分子中に2個以上有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンと、白金系触媒とを含有
するものであり、上述したように市販品を使用できる。
【0025】シリコーン系剥離皮膜を形成する方法とし
ては、例えば、シリコーン系剥離剤に所定の硬化剤を添
加混合して処理浴を調製し、ロールコーター等の塗工機
を用いて基材上に目標の膜厚で均一に塗工した後、乾燥
機やUV照射装置などを通過させて硬化させる。例え
ば、乾燥機での加熱硬化ならば、100℃以上の温度で
10秒以上の条件が一般的である。UV硬化では、例え
ば出力80Wのランプを用いるならば40m/分以下の
ラインスピードが適当である。
【0026】処理浴は塗工量や粘度の調整を目的として
トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、ヘキサン
等の有機溶剤を加えて希釈してもよい。塗工量に制限は
ないが、塗工量0.1〜1.0g/m2の範囲が剥離性
能とコストのバランスが良い。塗工機には他に、ダイレ
クトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフオー
コーター、より薄膜の塗工には高精度のオフセットコー
ター、多段ロールコーターが使用できる。
【0027】なお、得られた剥離紙は、その光沢度が6
0以上であることが好ましい。
【0028】
【実施例】以下、調製例及び実施例、比較例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。
【0029】A.PVA樹脂組成物の調製PVA組成物調製例1 PVA[C−05(信越化学工業(株)製、重合度60
0、ケン化度98.6モル%)]を熱水に溶解して濃度
20重量%の水溶液を得た。C−05の示差熱分析法に
よる融点は210℃であった。この水溶液100gに3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1gを添加
し、25℃で1時間混合撹拌することで、均一なPVA
樹脂組成物を調製した。
【0030】PVA組成物調製例2 PVA組成物調製例1において、C−05を熱水に溶解
して得た濃度20重量%の水溶液をそのまま使用した。
【0031】B.シリコーン処理浴の調製シリコーン調製例1 シリコーン系剥離剤KS847(信越化学工業(株)
製、溶剤型付加反応硬化品)10重量部、硬化剤CAT
−PL−50T(信越化学工業(株)製、付加反応用触
媒)0.1重量部、トルエン90重量部を混合して処理
浴とした。
【0032】シリコーン調製例2 シリコーン系剥離剤KNS320A(信越化学工業
(株)製、無溶剤型付加反応硬化品)100重量部、硬
化剤CAT−PL−56(信越化学工業(株)製、付加
反応用触媒)2重量部を混合して処理浴とした。
【0033】C.剥離紙の作成 [実施例1]米秤70g/m2の原紙(上質紙)に、P
VA組成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形
分としての塗工量が1g/m2になるようにバーコータ
ーを用いて塗工し、表面が鏡面に仕上げられたドラム乾
燥機を使用して80℃で乾燥した。更に、シリコーン調
製例1で準備したシリコーン処理浴をロールコーターで
シリコーン固形分が0.9g/m2になるように塗工し
た後、乾燥機で100℃×30秒と140℃×30秒の
2条件で加熱硬化して剥離紙を作成した。
【0034】[実施例2]実施例1において、PVA組
成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分とし
ての塗工量が10g/m2になるように塗工した以外は
同様に処理して剥離紙を作成した。
【0035】[比較例1]市販のポリエチレンラミネー
ト紙に、シリコーン調製例1で準備したシリコーン処理
浴をロールコーターでシリコーン固形分が0.9g/m
2になるように塗工した後、乾燥機で100℃×30秒
と140℃×30秒の2条件で加熱硬化して剥離紙を作
成した。
【0036】[比較例2]実施例1において、PVA組
成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分とし
ての塗工量が0.5g/m2になるように塗工した以外
は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0037】[比較例3]実施例1において、PVA組
成物調製例2で調製したPVA樹脂組成物を塗工した以
外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0038】[実施例3]実施例1において、使用した
シリコーン処理浴をシリコーン調製例1からシリコーン
調製例2のものに変更した以外は同様に処理して剥離紙
を作成した。
【0039】[実施例4]実施例3において、PVA組
成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分とし
ての塗工量が10g/m2になるように塗工した以外は
同様に処理して剥離紙を作成した。
【0040】[比較例4]市販のポリエチレンラミネー
ト紙に、シリコーン調製例2で準備したシリコーン処理
浴をロールコーターでシリコーン固形分が0.9g/m
2になるように塗工した後、乾燥機で100℃×30秒
と140℃×30秒の2条件で加熱硬化して剥離紙を作
成した。
【0041】[比較例5]実施例3において、PVA組
成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分とし
ての塗工量が0.5g/m2になるように塗工した以外
は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0042】[比較例6]実施例3において、PVA組
成物調製例2で調製したPVA樹脂組成物を塗工した以
外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0043】[比較例7]実施例1において、PVA組
成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分とし
ての塗工量が1g/m2になるようにバーコーターを用
いて塗工し、80℃の送風乾燥機で乾燥した以外は同様
に処理して剥離紙を作成した。
【0044】D.評価方法剥離力 アクリル溶剤系粘着剤BPS−5127(東洋インキ製
造(株)製)を130μm厚で塗工して100℃×3分
焼付後、上質紙を貼り付けて2kgローラー1往復圧着
し、室温で1日保管後、剥離速度0.3m/分,180
°ピール条件で剥離力を測定した。剥離力の測定は、オ
ートグラフDCS−500(島津製作所(株)製)を使
用した。
【0045】残留接着力 ニットー31Bテープ(日東電工(株)製)2.5cm
幅を貼り付けて、20g/cm2荷重で70℃/20時
間圧着した後、テープをPETフィルムに貼り変えて、
剥離速度0.3m/分,180°ピールで接着力を測定
した。
【0046】密着性 塗工面を指で往復10回こすり、赤マジックをムラなく
塗って表面を観察し、曇りのないものを○、若干曇るも
のを△、曇りが多いか脱落するものを×とした。
【0047】光沢度 光沢度は、光沢計VG−2000(日本電色工業(株)
製)を用いて測定角度60°で測定した。
【0048】水溶性 剥離紙を80℃の温水に1時間浸漬した後、紙基材表面
に塗工層が残存しているかどうかを目視で観察した。残
存の見られない場合を○、残存している場合を×とし
た。
【0049】耐熱性 実施例2と比較例1の剥離紙で、硬化条件を変化させて
光沢度の変化を追跡した。
【0050】E.評価結果 耐熱性以外の結果を表1にまとめた。PVAを塗工した
ものは、ポリエチレンラミネートに比べて光沢度が高
く、水溶性も良好であった。従来のPVAと比較して、
本発明のPVAでは、100℃の低い硬化温度条件でも
十分な密着性が得られ、剥離性能も優れている。また、
PVAの塗工量が1g/m2より低下すると表面均一性
が悪くなり、光沢度が低下するため、1g/m2以上の
塗工量が必要である。
【0051】耐熱性の評価結果を表2にまとめた。ポリ
エチレンラミネート紙に比較して、本発明の基材は光沢
度が2倍以上であり、表面の均一性や滑らかさに優れて
いる。ポリエチレンラミネート紙が120℃の加熱で光
沢度が半分以下に低下するのに対し、本発明の基材は同
温度での光沢低下が小さく、160℃×40秒以上の条
件でないと半分にまで低下はしなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、表面平滑性、バリア
性、リサイクル性、シリコーン系剥離剤層との密着性に
優れた剥離紙を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/30 102 B32B 27/30 102 29/06 29/06 C08J 7/04 CER C08J 7/04 CERF C08K 5/541 C08K 5/541 C08L 29/04 C08L 29/04 A D21H 19/20 D21H 19/20 B 27/00 27/00 A (72)発明者 磯部 憲一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA07 DA04 DB18 EB19 EB42 EC45 4F006 AA01 AA19 AA22 AA35 AB20 AB39 AB67 BA01 BA11 CA00 DA04 4F100 AH02B AH06B AK21B AK52C BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 CC00B DG10A DJ00A EH112 EH462 EJ08 EJ42 EJ642 EJ67B EJ672 EJ86 JB12C JB16B JD01 JK15 JL11B JL14C JL16 YY00B 4J002 BE021 EX016 EX066 FD310 GH00 HA04 4L055 AG38 AG64 AG86 AH48 AJ02 BE09 EA14 EA20 FA11 FA12 FA30 GA43

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、1
    50℃以下では熱可塑性を示さないポリビニルアルコー
    ル系樹脂を主成分とし、密着性成分を含有する塗工皮膜
    が1g/m2以上の厚さで形成されていると共に、この
    塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜が形成されてなるこ
    とを特徴とする剥離紙。
  2. 【請求項2】 密着性成分がシランカップリング剤であ
    る請求項1記載の剥離紙。
  3. 【請求項3】 シランカップリング剤がエポキシ基を有
    するアルコキシシランカップリング剤である請求項2記
    載の剥離紙。
  4. 【請求項4】 シリコーン系剥離剤層が、付加反応硬化
    型シリコーン組成物による層である請求項1乃至3のい
    ずれか1項記載の剥離紙。
  5. 【請求項5】 多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、1
    50℃以下では熱可塑性を示さないポリビニルアルコー
    ル系樹脂と密着性成分とを含むポリビニルアルコール系
    樹脂組成物を少なくとも1g/m2塗工した後、上記塗
    工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜を形成したことを特徴
    とする剥離紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、1
    50℃以下では熱可塑性を示さないポリビニルアルコー
    ル系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂組成物を少
    なくとも1g/m2塗工し、この塗工皮膜を密着性成分
    にて表面処理した後、上記塗工皮膜上にシリコーン系剥
    離皮膜を形成したことを特徴とする剥離紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 密着性成分がシランカップリング剤であ
    る請求項5又は6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 シランカップリング剤がエポキシ基を有
    するアルコキシシランカップリング剤である請求項7記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】 シリコーン系剥離剤層が、付加反応硬化
    型シリコーン組成物による層である請求項5乃至8のい
    ずれか1項記載の製造方法。
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