JP2005169931A - インクジェット印字物の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録画像の安定性向上と画質向上が図れるインクジェット印字物の作製方法を提供する。
【解決手段】吸水性の紙支持体上に熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層が設けられたインクジェット記録媒体を、水溶性有機溶剤の含有比率が25質量%未満の水性インクで印字した後、加熱して前記熱可塑性微粒子を溶融することを特徴とするインクジェット印字物の作製方法。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、インクジェット印字物の作製方法に関するものであり、更に詳しくは印字濃度が高く、表面光沢及び画像保存性に優れた印字物を作製するための方法に関するものである。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像、文字等の記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途において急速に普及している。又、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能であるし、更に、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価であることから、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
インクジェット記録方式で使用される記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細化或はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対してもより高度な特性が要求されるようになった。即ち、当該記録シートとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早くて印字ドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が均一で必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと、経時や環境で画質の変化がないこと例えば、耐光性、耐水性、耐ガス性(耐オゾン性)に優れていること等が要求される。
また、近年の技術進歩により、染料インクによるインクジェットプリントの銀塩写真に迫る高画質化や装置の低価格化が、その普及を加速させている。染料は溶媒に可溶であり、色素分子は分子状態もしくはクラスター状態で着色している。従って各分子の環境が似通っているために、その吸収スペクトルはシャープであり高純度で鮮明は発色を示す。更に粒子性がなく、散乱光、反射光が発生しないので、透明性高く、色相も鮮明である。
しかしその一方、光化学反応や空気中のオゾンなどにより分子が破壊された場合には分子数の減少がそのまま着色濃度に反映するために耐光性や耐ガス性に劣るという問題があり、染料インクを用いたインクジェット記録画像は高画質だが、画像保存性の観点で銀塩写真を凌駕するまでには到っていないのが現状である。
染料インクに対して、光による退色に強い画像を必要とする用途向けのインクとして、耐光性が良好である顔料を着色剤として用いる顔料インクが使用されている。顔料は溶媒に不溶であり、色素分子は粒子を形成して溶媒に分散した状態で着色に寄与している。表面の分子が光化学反応等により破壊されたとしてもその下部に新たな色素分子層があるので見かけ上の着色力低下が小さく、画像保存性に優れるという特長がある。しかしその反面、顔料粒子に起因する散乱光、反射光の影響により高い光沢性が得られにくいという問題、あるいは顔料インクを用いて作製した画像は顔料粒子が画像表面に局在しやすく、画像が金属光沢を発する、いわゆるプロンジングが発生しやすいという問題がある。
従来から、画像保存性や耐水性等を確保するためにいくつかの提案が行われてきた。例えば、屋外用途のインクジェット記録媒体を印字後フィルムでラミネートする加工方法、あるいはインク吸収層の上に設けられた熱可塑性微粒子層を印字後に熱溶融して被膜化する方法が提案されている。前者のフィルムをラミネートする方法は、印字プリンターとは別にラミネーターが必要となること、ラミネートフィルムが画像の上にカバーされるので画像の鮮鋭度が低下すること、また、厚みも厚くなり通常の写真と同様にするためには元々のインクジェット記録媒体の素材を薄くすることが必要でありプリンター印字の際に通紙障害を起こす、等の問題がある。
後者の熱可塑性微粒子層を熱溶融して被膜化する方法としては、特開2000−158830号(特許文献1)、特開2000−203151号(特許文献2)、特開2003−48371号(特許文献3)、特開2002−170650号(特許文献4)が挙げられる。しかしながら、印字した後に熱可塑性微粒子層を熱溶融して被膜化すると、画像にヘイズが掛かり、印字濃度の低下等が起こり、写真印画紙並の高精細な画像が得られなかった。
一方、インクジェット記録に用いられるインクは、前述したように色材としての水溶性染料あるいは顔料を溶媒中に溶解あるいは分散したものが一般的に用いられている。インクの溶媒としては、水と水性有機溶剤の混合溶媒が一般的に用いられているが、水溶性溶剤は、インクジェットノズルが乾燥して目詰まりするのを防止するために、あるいはインクの分散安定性や保存安定性のために用いられている。インク中の水性有機溶剤の含有比率(濃度)は、25〜40質量%の範囲が一般的である。
特開2000−15830号公報 特開2000−203151号公報 特開2003−48371号公報 特開2003−170650号公報
従って、本発明の目的は、印字された画像の耐水性及び保存性を改良するとともに、画像にヘイズが掛かるのを防止して印字濃度が高く色彩が良好な画像を得ることができるインクジェット印字物の作製方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
(1)吸水性の紙支持体上に熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層が設けられたインクジェット記録媒体を、水溶性有機溶剤の含有比率が25質量%未満の水性インクで印字した後、加熱して前記熱可塑性微粒子を溶融することを特徴とするインクジェット印字物の作製方法。
(2)前記紙支持体のベック平滑度が100秒以上である上記1に記載のインクジェット印字物の作製方法。
(3)前記インクジェット記録媒体が、前記紙支持体と前記熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の間に、無機微粒子を主体に含有するインク吸収層を有する上記1または2に記載のインクジェット印字物の作製方法。
(4)前記熱可塑性微粒子が、ポリオレフィン樹脂又はアクリル樹脂である上記1、2または3に記載のインクジェット印字物の作製方法。
本発明のインクジェット印字物の作製方法によれば、印字された画像の耐水性及び保存性が改良されると同時に、画像にヘイズが掛かるのが防止されるので印字濃度が高い高精細な画像を得ることができる。
熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層を支持体上に設けたインクジェット記録媒体に印字した後、加熱溶融して被膜化するときにヘイズがかかるという問題は、水性インク中の水性有機溶剤が影響していることを突き止め、本発明を成すに到った。即ち、水性インク中の水性有機溶剤の含有比率(濃度)を25質量%未満にし、かつ吸水性の紙支持体を用いることによって、熱可塑性微粒子を含有するインク吸収層中に残留する水性有機溶剤の量が減少し、その結果ヘイズの発生が防止できることを見出した。
本発明のインクジェット記録媒体に用いられる吸水性の紙支持体(以降、単に紙支持体と称す)は、特に限定されず、通常の紙や塗工紙が用いられる。印字後に印字画像の表面を溶融被膜化するので支持体の平面性は高い方が好ましい。従って本発明に用いられる紙支持体は、カレンダー処理などを施し平滑性を上げておくのが好ましい。
紙支持体としては、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できる。紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。天然パルプとしては、通常製紙用に使用されるパルプ、即ち、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプ等が、いずれも使用可能である。また、白色度が高いメカニカルパルプであってもよい。更に、藁、エスパルト、バガス、ケナフ等の草類繊維、麻、楮、雁皮、三椏等の靱皮繊維、綿等より製造した非木材パルプでもよい。これらの中では通常工業的に最も多用される針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプが特に好ましい。また、故紙パルプ、ECFパルプ、TCFパルプ、FSC認証パルプ等を用いることもできる。
パルプは抄紙適性、ならびに、強度、平滑性、地合の均一性等、紙の諸特性等を向上させるため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩解されるのが通常である。叩解の程度は、カナディアン スタンダード フリーネス(csf)で通常250ml〜450mlの範囲で目的に応じて選択することが出来る。
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、または、丸網抄紙機等の抄紙機により抄紙されるが、この際、本発明では、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーの分散助剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、サイズ剤、定着剤等の諸添加物は全て必要に応じて添加することが可能である。更に、必要であれはpH調節剤、染料、有色顔料、及び蛍光増白剤等も添加することが可能である。
分散助剤としては例えばポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、とろろあおい等が、紙力増強剤としては例えば植物性ガム、澱粉、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のアニオン性紙力増強剤、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性紙力増強剤が、填料としては例えばクレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が、サイズ剤としては例えば高級脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー、アルケニル或いはアルキルコハク酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、多糖類エステル等が、定着剤としては例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性ポリマー等が、pH調節剤としては塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられる。
また、本発明に用いられる紙支持体は、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液で、タブサイズ、もしくはサイズプレスすることも可能である。
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられ、さらにこの他、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
本発明に用いられる紙支持体のインク吸収層を塗設する面は、平滑であるのが好ましく、ベック平滑度は100秒以上が好ましい。上限は400秒程度である。これらのベック平滑度は、パルプの種類や繊維長、内填剤の種類や量、あるいは原紙密度を調整することによって、あるいはカレンダー処理することによって得られる。紙支持体のインク吸収層の平滑性を上げることによって、熱可塑性微粒子を含有するインク吸収層の加熱溶融化が均一に行われ、その結果、光沢性(写像性)が向上する。
上記したベック平滑度は、JIS−P8119「紙及び板紙のベック試験器による平滑度試験方法」により求めた、10mlの空気が通過するのに要する時間である。この時間が大きいほど平滑性は高くなる。
また本発明における紙支持体としては、紙の上に白色顔料を含有する塗工層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙、バライタ紙等の塗工紙も用いることができる。これらの塗工紙を紙支持体として用いる場合も、上記と同様に紙自体(塗工層を設ける前の紙)のベック平滑度は100秒以上が好ましい。
塗工紙の塗工層に用いられる白色顔料としては、従来公知の各種顔料を用いることができる。例えば、シリカ、アルミナ或はアルミナ水和物、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム、などの無機顔料、更にスチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等を挙げることができる。中でも、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛は高い不透明度と均一な粒子径によって均一な塗工層が形成出来るので好ましい。
本発明に用いられる紙支持体の坪量は30〜300g/m2程度のものが好ましく、特に80〜250g/m2が好ましい。
本発明に用いられるインクジェット記録媒体は、上述した紙支持体上に熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層を有する。熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層は、最表層であるのが好ましい。ここで、熱可塑性微粒子を主体に含有するとは、該インク吸収層を構成する全固形分に対して熱可塑性微粒子を50質量%以上含有することであり、好ましくは60質量%以上含有することであり、更に好ましくは70質量%以上含有することである。
本発明における熱可塑性微粒子は、熱可塑性樹脂の微粒子である。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン、ポリ四フッ化エチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン単独あるいは共重合体またはこれらの誘導体であるポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリクロルスチレン等のポリスチレン及びその誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロオレフィン類、ポリメタクリレート、ポリクロルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル樹脂が好ましく、特に密度が0.94g/cm3以下の低密度のポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が好ましい。
本発明に用いられる熱可塑性微粒子の最低成膜温度(MFT)は40℃から200℃の範囲にあることが好ましい。さらに、皮膜形成の容易さ、皮膜の均一性、皮膜の強度を最適にするために本発明における熱可塑性微粒子の最低成膜温度(MFT)は60℃から150℃の範囲にあることがより好ましい。
本発明に用いられる熱可塑性微粒子の平均粒径は、高いインク吸収性及び高い光沢性(写像性)を付与するという意味から、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、特に1.5μm以上が好ましい。熱可塑性微粒子の平均粒径の上限は、20μm程度であり、好ましくは15μmであり、より好ましくは10μmである。
本発明において、熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工量は、熱可塑性微粒子の固形分塗工量として、5g/m2以上が好ましく、特に8g/m2以上が好ましく、更に12g/m2以上が好ましい。熱可塑性微粒子の塗工量の上限は40g/m2程度であり、好ましくは30g/m2である。このような熱可塑性微粒子の塗工量とすることによって、加熱溶融して成形された被膜が連続した均一な被膜となり、高い光沢性(写像性)が得られ、かつ耐水性及び耐候性が確実となる。しかし、その反面、熱可塑性微粒の塗工量の増大は、加熱溶融時にヘイズの発生が起こりやすくなり、また、インク吸収性も悪化する方向にある。
従って、本発明の好ましい態様は、上述したような比較的大きな粒径の熱可塑性微粒子を上記した塗工量で紙支持体上に設けたインクジェット記録媒体を、水溶性有機溶剤の含有比率が25質量%未満の水性インクで印字した後、熱可塑性微粒子を加熱溶融することであり、これによって、ヘイズの発生がなく、高い光沢性とインク吸収性が得られ、耐水性と耐候性が改良される。
本発明において、熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層は、バインダーを含有するのが好ましい。かかるバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、でんぷん、ポリビニルピリジン、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の水溶性バインダーが挙げられる。
上記したバインダーの含有比率は、熱可塑性微粒子に対して3〜30質量%の範囲が好ましく、特に5〜20質量%の範囲が好ましい。
熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層には、更に平均二次粒子径が500nm以下の無機超微粒子を含有することができる。かかる無機超微粒子としては、気相法シリカ、コロイダルシリカ、平均二次粒子径が1μm以上の湿式シリカを湿式粉砕した微粒子、アルミナ水和物等が挙げられる。該インク吸収層には、更にその他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、染料定着剤(カチオン性高分子)、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することもできる。
本発明のインクジェット記録媒体において、紙支持体と熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層との間に、無機微粒子を主体に含有するインク吸収層を設けるのが好ましい。ここで無機微粒子を主体に含有するとは、該インク吸収層の全固形分に対して無機微粒子を50質量%以上含有することであり、好ましくは60〜90質量%含有することである。
上記無機微粒子として好ましいものは、平均一次粒子径が100nm以下の無機微粒子で、それらが凝集あるいは連結して二次粒子を形成している場合はその平均二次粒子径が20μm以下のものであり、特に平均二次粒子径が10μm以下のものが好ましい。
上記無機微粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナあるいはアルミナ水和物等が挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ水和物が好ましく用いられる。特に、合成シリカである湿式法シリカあるいは気相法シリカが好ましく、更に平均二次粒子径が1〜10μmの湿式法シリカが好ましい。
無機微粒子を主体に含有するインク吸収層には、バインダーとして水溶性あるいは非水溶性の高分子化合物を含有するのが好ましい。かかるバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、無水マレイン酸重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、でんぷん、ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等である。好ましくは、ポリビニルアルコールである。
これらのバインダーは単独あるいは複数を併用してもよく、無機微粒子に対して5〜50質量%の範囲で含有するのが好ましい。より好ましくは、10〜40質量%の範囲である。
本発明において、無機微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工量は、無機微粒子の固形分塗工量として3〜30g/m2の範囲が好ましく、特に5〜20g/m2の範囲が好ましい。
無機微粒子を主体に含有するインク吸収層は、更に、カチオン性染料定着剤(カチオン性樹脂)を含有するのが好ましい。該インク吸収層は、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調整剤、硬膜剤等の公知の各種添加剤を添加することができる。
上述したインク吸収層を塗工する方法としては、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドコータ、ゲートロールコータ、カーテンコータ、ショートドウェルコータ、グラビアコータ、フレキソグラビアコータ、サイズプレス、フィルムトランスファーロールコータ、スライドホッパー方式等の各種装置をオンマシン或はオフマシンで用いることができる。
又、無機微粒子を主体に含有するインク吸収層を塗工、乾燥後には、マシンカレンダー、熱カレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー処理を施すことができる。
本発明において、紙支持体に対して熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層を設ける反対側の面には、帯電防止性、搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、滑剤、マット化剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて添加せしめることが出来る。
次に、本発明に用いることができる水性インクについて説明する。本発明の水性インクの色材には、水溶性染料(以降、単に染料と称す)あるいは顔料が用いられる。染料及び顔料について以下に例示する。
ブラック用の染料としては、カラーインデックス(COLOR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。例えば、C.I.アシッドブラック1、3、7、24、26、31、48、50、58、60、C.I.ダイレクトブラック17、19、22、32、51、62、108、112、154、C.I.リアクティブブラック1、5、8、13、14、31、34、39、C.I.フードブラック1、2等が例示可能である。
シアン染料としては、カラーインデックスに記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。例えば、C.I.アシッドブルー1、7、9、23、103、132、142、230、239、258、280、C.I.ダイレクトブルー78、86、189、199、225、273、C.I.リアクティブブルー2、14、18、21、25、38、41、63、72、140、207、227、231等が例示可能である。
イエロー染料についてもシアン染料同様、具体的にはC.I.ダイレクトイエロー86、142、144、C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、38、44、49、61、72、110、127、158、176等が例示可能である。
またマゼンタ染料についても同様で、具体的には、C.I.アシッドレッド6、8、35、37、52、92、133、289等のカラーインデックスに記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料等が例示可能である。
ブラック用の無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、若しくはチャネルブラック等のカーボンブラック(C.l.ピグメントブラック7)類を挙げることができる。
イエローインク用の顔料としては、C.l.ピグメントイエロー1(ハンザイエローG),2,3(ハンザイエロー10G),4,5(ハンザイエロー5G),6,7,10,11,12(ジスアゾイエローAAA),13,14,16,17,24(フラバントロンイエロー),55(ジスアゾイエローAAPT),61,61:1,65,73,74(ファストイエロー5GX),75,81,83(ジスアゾイエローHR),93(縮合アゾイエロー3G),94(縮合アゾイエロー6G),95(縮合アゾイエローGR),97(ファストイエローFGL),98,99(アントラキノン),100,108(アントラピリミジンイエロー),109(イソインドリノンイエロー2GLT),110(イソインドリノンイエロー3RLT),113,117,120(ベンズイミダゾロンイエローH2G),123(アントラキノンイエロー),124,128(縮合アゾイエロー8G),129,133,138(キノフタロンイエロー),139(イソインドリノンイエロー),147,151(ベンズイミダゾロンイエローH4G),153(ニッケルニトロソイエロー),154(ベンズイミダゾロンイエローH3G),155,156(ベンズイミダゾロンイエローHLR),167,168,172,173(イソインドリノンイエロー6GL),180(ベンズイミダゾロンイエロー)などを挙げることができる。
マゼンタインク用の顔料としては、C.l.ピグメントレッド1(パラレッド),2,3(トルイジンレッド),4,5(lTR Red),6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38(ピラゾロンレッドB),40,41,42,88(チオインジゴボルドー),112(ナフトールレッドFGR),114(ブリリアントカーミンBS),122(ジメチルキナクリドン),123(ペリレンバーミリオン),144,146,149(ペリレンスカーレッド),150,166,168(アントアントロンオレンジ),170(ナフトールレッドF3RK),171(ベンズイミダゾロンマルーンHFM),175(ベンズイミダゾロンレッドHFT),176(ベンズイミダゾロンカーミンHF3C),177,178(ペリレンレッド),179(ペリレンマルーン),185(ベンズイミダゾロンカーミンHF4C),187,188,189(ペリレンレッド),190(ペリレンレッド),194(ペリノンレッド),202(キナクリドンマゼンタ),209(ジクロロキナクリドンレッド),214(縮合アゾレッド),216,219,220(縮合アゾ),224(ペリレンレッド),242(縮合アゾスカーレット),245(ナフトールレッド),又は、C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリドン),23(ジオキサジンバイオレット),31,32,33,36,38,43,50などを挙げることができる。
シアンインク用の顔料としては、C.l.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6(以上いずれもフタロシアニンブルー),16(無金属フタロシアニンブルー),17:1,18(アルカリブルートナー),19,21,22,25,56,60(スレンブルー),64(ジクロロインダントロンブルー),65(ビオラントロン),66(インジゴ)等を挙げることができる。
また、ブラック用の有機顔料としては、アニリンブラック(C.l.ピグメントブラック1)等の黒色有機顔料を用いることができる。更にまた、イエロー、シアン、又はマゼンタインク以外のカラーインクに用いる有機顔料として、C.I.ピグメントオレンジ1,2,5,7,13,14,15,16(バルカンオレンジ),24,31(縮合アゾオレンジ4R),34,36(ベンズイミダゾロンオレンジHL),38,40(ピラントロンオレンジ),42(イソインドリノンオレンジRLT),43,51,60(ベンズイミダゾロン系不溶性モノアゾ顔料),62(ベンズイミダゾロン系不溶性モノアゾ顔料),63;C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン),10(グリーンゴールド),36(塩臭素化フタロシアニングリーン),37,47(ビオラントロングリーン);あるいはC.I.ピグメントブラウン1,2,3,5,23(縮合アゾブラウン5R),25(ベンズイミダゾロンブラウンHFR),26(ペリレンボルドー),32(ベンズイミダゾロンブラウンHFL)等を挙げることができる。
水性インクにおける上記染料あるいは顔料の含有量については、特に限定されるものではないが、一般的にはインク全体の0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜6質量%がよい。
本発明の水性インクは、上記した染料あるいは顔料の溶媒として用いられる水溶性有機溶剤の含有量を減じたことを特徴とする。即ち、水と混合して用いられる水溶性有機溶剤の水性インク中における含有比率(濃度)を25質量%未満にする。水溶性有機溶剤の含有比率は、好ましくは23質量%未満であり、より好ましくは20質量%未満であり、更に好ましくは18質量%未満である。
本発明のインクジェット印字物の作製方法は、上記した水性インクを用いて印字するが、水性インク中の水溶性有機溶剤の濃度は、印字するときに用いられる水性インクの平均値を意味する。即ち、単色で印字する場合は、その1種類の水性インク中の濃度であり、カラー画像のように多色印字の場合は、用いられる全ての水性インクの平均値である。好ましくは、印字に用いられる全ての水性インクがそれぞれ、上記した水溶性有機溶剤の濃度にあることである。具体的には、本発明はカラー画像のプリントに好適であり、カラー画像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の少なくとも4種の水性インクが通常用いられるが、カラー画像を印字する際に用いられる前記少なくとも4種を含む全インクの水溶性有機溶剤濃度の平均値が25質量%未満でなければならず、好ましくは、全インクがそれぞれ25質量%未満にあることである。
本発明の水性インクにおいて、水と混合して使用し得る水溶性有機溶剤としては、多価アルコール及びその誘導体、モノアルコール、ピロリドン類、アミン類、その他の有機溶剤が挙げられる。
多価アルコール及びその誘導体(例えばアルキルエーテル類)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリンモノアリルエーテル、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール300、チオジグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2−シクロヘキサンジオール、1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
モノアルコールとしては、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等が挙げられる。
ピロリドン類としては、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等、アミン類としては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
その他の水溶性有機溶剤として、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
又、本発明のインクセットを構成する水性インクには、以上の成分の他、必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、防腐剤等を添加することが可能である。例えば、界面活性剤をインク中に添加すれば、バブルジェット(R)方式のインクジェット記録装置における発熱ヒーター、吐出ノズル表面への濡れ性の調節等に有益である。この際に使用する材料としては、既存の市販品から適宜に選択することができる。
本発明は、水性染料インクを用いた場合であっても水性顔料インクを用いた場合であっても、ともに高い効果が得られる。水性染料インクは、本来印字濃度と色彩性に優れるので、熱可塑性微粒子の加熱溶融時にヘイズの発生を防止することによって本来の高い印字濃度と色彩性が得られ、かつ水性染料インクの課題である耐水性及び耐候性を大幅に改良することが可能となる。一方、顔料インクは、本来耐水性及び耐候性に優れるので、熱可塑性微粒子を被膜化することによって耐水性と耐候性を一段と向上させることができる。その反面、水性顔料インクは、印字濃度が水性染料インクに比べて劣り、熱可塑性微粒子の加熱溶融化のときに起こるヘイズによって更に低下するので、ヘイズを防止することは極めて重要である。また、水性顔料インクを用いて印字した画像は、その表面に顔料が局在しやすく、画像が金属光沢を発する、いわゆるブロンジングの問題がある。この課題は、前述したように、熱可塑性微粒子を含有するインク吸収層に用いられる熱可塑性微粒子の平均粒径を大きくして、かつ塗工量を増大させることによって改良される。
本発明のインクジェット印字物の作製方法は、上述したインクジェット記録媒体に上述した水性インクで印字した後、速やかにインクジェット記録媒体の熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層を加熱溶融して被膜化する。加熱溶融する手段としては、熱風を当てる方法、加熱ローラを当てる方法等があるが、加熱された鏡面ローラを当てる方法が光沢の高い均一な被膜が得られるので好ましい。加熱温度は、熱可塑性微粒子の最低成膜温度以上とするが、好ましくは80〜200℃である。また、本発明は、印字した後に連続してオンラインで加熱溶融する場合に好適である。即ち、印字した後短時間のうちに加熱溶融する場合に本発明の効果は顕著となる。ここで、印字してから加熱溶融開始するまでの時間は3分以内が好ましく、2分以内がより好ましく、特に1分以内が好ましい。
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中の「%」は特に断りのない限り質量%を示す。
<インクジェット記録媒体Aの作製>
ダブルディスクリファイナーで320ml、csfまで叩解した広葉樹漂白クラフトパルプを75部、及びダブルディスクリファイナーで430ml、csfまで叩解した針葉樹漂白クラフトパルプを25部から成る混合パルプに対し、カチオン化澱粉1.0部、アルキルケテンダイマーサイズ剤0.1部、及び重質炭酸カルシウム填料を7部添加して紙料スラリーを調製した。その紙料スラリーから、長網抄紙機で紙匹を形成しプレスで搾水後、多筒式ドライヤー乾燥工程で乾燥し、乾燥の途中で酸化澱粉の5質量%溶液をサイズプレスし、次いでマシンカレンダー処理して、坪量120g/m2の紙支持体を製造した。得られた紙支持体のベック平滑度は120秒/10mlであった。
この紙支持体に、熱可塑性微粒子(低密度ポリエチレン樹脂微粒子、平均粒径2.5μm;三井化学(株)製のケミパールW500)25部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製)3部、水を加えて合計100部からなる熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工液Aを調製し、カーテンコーター塗布方式により熱可塑性微粒子の固形分塗工量が17g/m2になるように塗布、乾燥した。
上記のようにして作製したインクジェット記録媒体Aに下記の染料インクセット1を用いて後述する印字パターンを印字した後、連続して一対の加熱加圧ローラ(鏡面ローラ)の間に通して熱可塑性微粒子を被膜化してインクジェット印字物を得た。
≪染料インクセット1の調製≫
以下に記載の内容に従って、染料インクセット1を調製した。調製された各インク溶液はろ過器を用いて使用前にろ過した。
<イエローインク1>
C.I.アシッドイエロー23 3%
ジエチレングリコール 24%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 72.99%
<マゼンタインク1>
C.I.ダイレクトレッド227 3%
ジエチレングリコール 24%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 72.99%
<シアンインク1>
C.I.ダイレクトブルー199 3%
ジエチレングリコール 24%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 72.99%
<ブラックインク1>
C.I.フードブラック2 3%
ジエチレングリコール 24%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 72.99%
実施例1で作製したインクジェット記録媒体Aに、下記の染料インクセット2を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
≪染料インクセット2の調製≫
以下に記載の内容に従って、染料インクセット2を調製した。調製された各インク溶液はろ過器を用いて使用前にろ過した。
<イエローインク2>
C.I.アシッドイエロー23 3%
ジエチレングリコール 17%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 79.99%
<マゼンタインク2>
C.I.ダイレクトレッド227 3%
ジエチレングリコール 17%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 79.99%
<シアンインク2>
C.I.ダイレクトブルー199 3%
ジエチレングリコール 17%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 79.99%
<ブラックインク2>
C.I.フードブラック2 3%
ジエチレングリコール 17%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 79.99%
(比較例1)
実施例1で作製したインクジェット記録媒体Aに、下記の染料インクセット3を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
≪染料インクセット3の調製≫
以下に記載の内容に従って、染料インクセット3を調製した。調製された各インク溶液はろ過器を用いて使用前にろ過した。
<イエローインク3>
C.I.アシッドイエロー23 3%
ジエチレングリコール 30%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 66.99%
<マゼンタインク3>
C.I.ダイレクトレッド227 3%
ジエチレングリコール 30%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 66.99%
<シアンインク3>
C.I.ダイレクトブルー199 3%
ジエチレングリコール 30%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 66.99%
<ブラックインク3>
C.I.フードブラック2 3%
ジエチレングリコール 30%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01%
イオン交換水 66.99%
<インクジェット記録媒体Bの作製>
実施例1のインクジェット記録媒体Aの作製において、熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工液Aを下記の塗工液Bに変更する以外は同様にしてインクジェット記録媒体Bを作製した。
<熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工液B>
熱可塑性微粒子(低密度ポリエチレン樹脂、平均粒子径6μm;三井化学(株)製のケミパールM200)25部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製)3部、水を加えて100部からなる熱可塑性微粒子を含有する塗工液Bを調製した。
上記のインクジェット記録媒体Bに、実施例1の染料インクセット1を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
実施例3のインクジェット記録媒体Bに、実施例2の染料インクセット2を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
(比較例2)
実施例3のインクジェット記録媒体Bに、比較例1の染料インクセット3を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
<インクジェット記録媒体Cの作製>
実施例1のインクジェット記録媒体Aの作製において、熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工液Aを下記の塗工液Cに変更する以外は同様にしてインクジェット記録媒体Cを作製した。
<熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工液C>
熱可塑性微粒子(アクリル樹脂、平均粒子径3μm;綜研化学(株)製)25部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製)3部、水を加えて100部からなる熱可塑性微粒子を含有する塗工液Cを調製した。
上記のインクジェット記録媒体Cに、実施例1の染料インクセット1を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
実施例5のインクジェット記録媒体Cに、実施例2の染料インクセット2を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
(比較例3)
実施例5のインクジェット記録媒体Cに、比較例1の染料インクセット3を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
<インクジェット記録媒体Dの作製>
実施例1で得られた紙支持体上に、下記に示す無機微粒子を主体に含有するインク吸収層をカーテンコーター塗布方式により、無機微粒子の固形分塗工量が7g/m2になるように塗布、乾燥し、更にカレンダー処理を施した。
<無機微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工液>
1次粒子径約10〜30nm、平均二次粒子径3.7μm、BET比表面積270m2/gの湿式法による合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B:トクヤマ製)100部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ製)30部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学製)20部を混合した水溶性塗工液を調製した。
上記の無機微粒子を主体に含有するインク吸収層の上に、実施例3の熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の塗工液Bをカーテンコーター塗布方式により、熱可塑性微粒子の固形分塗工量が17g/m2になるように塗布、乾燥してインクジェット記録媒体Dを作製した。
上記のインクジェット記録媒体Dに、実施例1の染料インクセット1を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
実施例7のインクジェット記録媒体Dに、実施例2の染料インクセット2を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
(比較例4)
実施例7のインクジェット記録媒体Dに、比較例1の染料インクセット3を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
(比較例5)
<インクジェット記録媒体Eの作製>
実施例7のインクジェット記録媒体Dの作製において、紙支持体を、原紙の両面にポリエチレン樹脂層を被覆した樹脂被覆紙に変更する以外は同様にしてインクジェット記録媒体Eを作製した。
上記のインクジェット記録媒体Eに、実施例1の染料インクセット1を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
上記の実施例及び比較例で実施した印字パターンの印字について、以下に示す。
<印字パターンの印字>
インクジェットプリンターとして4色対応ヘッドを用い、実施例及び比較例のインクセットをプリンターにセットして各々の画像形成を行った。印字画像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各ウエッジ画像、縦及び横に1cm巾でY、M、C、ブルー(B)、グリーン(G)、レッド(R)、Bkの帯を各々描いた格子状テストチャート、及び人物ポートレート像をプリントした。
<光沢性(写像性)の評価>
それぞれのインクジェット印字物について、写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機械社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値%)を測定し、以下の基準で評価した。尚、4及び3が実用上好ましいランクである。
4:C値%が60以上
3:C値%が50〜60未満
2:C値%が40〜50未満
1:C値%が40未満
<画像濃度の測定>
それぞれのインクジェット印字物について、スペクトロアイ(グレタグマクベス社製)の分光光度計を用いてベタ部分の反射濃度を測定した。濃度は計測で得られる各Y、M、C、Kのベタ濃度の総和で表現し数値の大きいほど濃度が高いことを示す。
<ヘイズの評価>
それぞれのインクジェット印字物について、画像にかかったヘイズの状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○;ヘイズが全くなく、濃度が高くコントラストが良好である。
△;僅かにヘイズがかかるも、濃度及びコントラストの低下は小さい。
×;ヘイズがかかり、濃度が低く、本来の色調が得られない。
Figure 2005169931
上記結果から明らかなように、本発明の方法によれば、ヘイズがなく高い印字濃度と高い光沢性が得られる。
実施例1で作製したインクジェット記録媒体Aに、下記の顔料インクセット1を用いて印字パターンを印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
≪顔料インクセット1の調製≫
以下に記載の内容に従って、顔料インクセット1を調製した。なお、顔料は前もってそれぞれのインク毎にサンドミルにより粉砕微細化して指定の濃度の水性顔料分散体とした。これらの水性顔料分散体には、それぞれジエチレングリコールが10%の割合で含まれる。
<イエローインクの調製>
イエロー顔料分散体1 15%
(C.I.ピグメントイエロー128;20質量%分散体)
エチレングリコール 15%
ジエチレングリコール 7%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 62.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のイエロー顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、23.5%である。
<マゼンタインクの調製>
マゼンタ顔料分散体1 15%
(C.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントバイオレット19の9:1重量比にした混合物の20質量%分散体)
エチレングリコール 15%
ジエチレングリコール 7%
界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 62.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のマゼンタ顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、23.5%である。
<シアンインクの調製>
シアン顔料分散体1 10%
(C.I.ピグメントブルー15:3;25質量%分散体)
エチレングリコール 15%
ジエチレングリコール 7%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 67.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のシアン顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、23%である。
<ブラックインクの調製>
ブラック顔料分散体1 10%
(カーボンブラック;20質量%分散体)
エチレングリコール 15%
ジエチレングリコール 7%
界面活性剤(サーフィノール465;信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 67.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のブラック顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、23%である。
実施例1で作製したインクジェット記録媒体Aに、下記の顔料インクセット2を用いて印字パターンを印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録物を得た。
≪顔料インクセット2の調製≫
以下に記載の内容に従って、顔料インクセット2を調製した。なお、顔料は前もってそれぞれのインク毎にサンドミルにより粉砕微細化して水性顔料分散体とした。これらの水性顔料分散体には、それぞれジエチレングリコールが10%の割合で含まれる。
<イエローインクの調製>
イエロー顔料分散体1 15%
(C.I.ピグメントイエロー128;20質量%分散体)
エチレングリコール 11%
ジエチレングリコール 5%
界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 68.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のイエロー顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、17.5%である。
<マゼンタインクの調製>
マゼンタ顔料分散体1 15%
(C.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントバイオレット19の9:1重量比にした混合物の20質量%分散体)
エチレングリコール 11%
ジエチレングリコール 5%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 68.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のマゼンタ顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、17.5%である。
<シアンインクの調製>
シアン顔料分散体1 10%
(C.I.ピグメントブルー15:3;25質量%分散体)
エチレングリコール 11%
ジエチレングリコール 5%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 73.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のシアン顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、17%である。
<ブラックインクの調製>
ブラック顔料分散体1 10%
(カーボンブラック;20質量%分散体)
エチレングリコール 11%
ジエチレングリコール 5%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 73.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のブラック顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、17%である。
(比較例6)
実施例1で作製したインクジェット記録媒体Aに、下記の顔料インクセット3を用いて印字パターンを印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録物を得た。
≪顔料インクセット3の調製≫
以下に記載の内容に従って、顔料インクセット3を調製した。なお、顔料は前もってそれぞれのインク毎にサンドミルにより粉砕微細化して指定濃度の水性顔料分散体とした。これらの水性顔料分散体には、それぞれジエチレングリコールが10%の割合で含まれる。
<イエローインクの調製>
イエロー顔料分散体1 15%
(C.I.ピグメントイエロー128;20質量%分散体)
エチレングリコール 18%
ジエチレングリコール 10%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 56.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のイエロー顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、29.5%である。
<マゼンタインクの調製>
マゼンタ顔料分散体1 15%
(C.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントバイオレット19の9:1重量比にした混合物の20質量%分散体)
エチレングリコール 18%
ジエチレングリコール 10%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 56.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のマゼンタ顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、29.5%である。
<シアンインクの調製>
シアン顔料分散体1 10%
(C.I.ピグメントブルー15:3;25質量%分散体)
エチレングリコール 18%
ジエチレングリコール 10%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 61.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のシアン顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、29%である。
<ブラックインクの調製>
ブラック顔料分散体1 10%
(カーボンブラック;20質量%分散体)
エチレングリコール 18%
ジエチレングリコール 10%
界面活性剤(サーフィノール465;日信化学工業社) 0.1%
イオン交換水 61.9%
以上の各組成物を混合、攪拌し、1μmフィルターでろ過し、水性のブラック顔料インクを調製した。この顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有比率(濃度)は、29%である。
実施例3のインクジェット記録媒体Bに、実施例9の顔料インクセット1を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
実施例3のインクジェット記録媒体Bに、実施例10の顔料インクセット2を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
(比較例7)
実施例3のインクジェット記録媒体Bに、比較例6の顔料インクセット3を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
実施例5のインクジェット記録媒体Cに、実施例9の顔料インクセット1を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
実施例5のインクジェット記録媒体Cに、実施例10の顔料インクセット2を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
(比較例8)
実施例5のインクジェット記録媒体Cに、比較例6の顔料インクセット3を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
実施例7のインクジェット記録媒体Dに、実施例9の顔料インクセット1を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
実施例7のインクジェット記録媒体Dに、実施例10の顔料インクセット2を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
(比較例9)
実施例7のインクジェット記録媒体Dに、比較例6の顔料インクセット3を用いて印字する以外は実施例1と同様にしてインクジェット印字物を得た。
上記のようにして作製したそれぞれのインクジェット印字物について、光沢性(写像性)、画像濃度、画像のヘイズを上記と同様に評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2005169931
上記結果から明らかなように、本発明の方法によれば、ヘイズがなく高い印字濃度と高い光沢性が得られる。また、ブロンジングについては、いずれのインクジェット印字物についても良好であった。

Claims (4)

  1. 吸水性の紙支持体上に熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層が設けられたインクジェット記録媒体を、水溶性有機溶剤の含有比率が25質量%未満の水性インクで印字した後、加熱して前記熱可塑性微粒子を溶融することを特徴とするインクジェット印字物の作製方法。
  2. 前記紙支持体のベック平滑度が100秒以上である請求項1に記載のインクジェット印字物の作製方法。
  3. 前記インクジェット記録媒体が、前記紙支持体と前記熱可塑性微粒子を主体に含有するインク吸収層の間に、無機微粒子を主体に含有するインク吸収層を有する請求項1または2に記載のインクジェット印字物の作製方法。
  4. 前記熱可塑性微粒子が、ポリオレフィン樹脂またはアクリル樹脂である請求項1、2または3に記載のインクジェット印字物の作製方法。

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