JP2005168579A - 消臭剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 緑茶抽出物とグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛とを併用して、アミン臭やアンモニア臭の窒素系悪臭及び硫化水素臭やメルカプタン臭の硫黄系悪臭のいずれに対しても消臭効果を発揮でき、しかも散布対象物が着色されるおそれもなく、人体に対して安全な消臭剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 予め緑茶抽出物を脱色し、脱色した緑茶抽出物にグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛を混合、溶解させて消臭剤とする。脱色した緑茶抽出物を用いることにより、グルコン酸銅やグルコン酸亜鉛との混合時に、沈殿を生成することなく消臭剤溶液を調製できる。得られた消臭剤溶液は、揮発性の低下も認められず、色相が薄く、人体に対する安全性も高いものとなる。
【選択図】 なし
【解決手段】 予め緑茶抽出物を脱色し、脱色した緑茶抽出物にグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛を混合、溶解させて消臭剤とする。脱色した緑茶抽出物を用いることにより、グルコン酸銅やグルコン酸亜鉛との混合時に、沈殿を生成することなく消臭剤溶液を調製できる。得られた消臭剤溶液は、揮発性の低下も認められず、色相が薄く、人体に対する安全性も高いものとなる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、種々の悪臭に対して優れた消臭効果を有し、一般家庭はもちろんトイレ、病室、ゴミ置き場等のあらゆる悪臭発生場所で使用できる、人体に対しても安全性な消臭剤及びその製造方法に関するものである。
一般家庭やトイレ、病室、ゴミ置き場等において発生する悪臭には種々のものがある。代表的なものには、食物が腐敗したとき等に発生するアミン臭や硫化水素臭、トイレで発生する糞尿の臭いであるアンモニア臭やメルカプタン臭等が挙げられる。
従来からこれらの悪臭を消臭するため数多くの消臭剤が提案されている。それらのうちの代表的なものをいくつか挙げると、先ず、悪臭を酸化、還元などにより分解して消臭する化学反応タイプの消臭剤がある。具体的には、二酸化塩素、次亜塩素酸、オゾン等を用いるものであり、例えば、次亜鉛素酸を用いた消臭剤が特許文献1に記載されている。
これらの酸化、還元により消臭する化学反応タイプの消臭剤は、消臭効力に関しては非常に優れているものの、経時的や温度的な安定性が悪く、スプレーにより使用した場合に、誤って人の目に入ったりすると非常に危険であるため、安全性に問題があった。
このため安全性を考慮した消臭剤として、植物から抽出された天然物からなる消臭剤が知られている。それらの中には、昔から消臭に効果があるとされてきた緑茶抽出物を使用した消臭剤があり、例えば特許文献2に開示されている。
しかしながら緑茶抽出物の消臭効果は、アミン臭やアンモニア臭等の窒素系の悪臭には効果があるものの、硫化水素臭やメルカプタン臭等の硫黄系の悪臭に対しては一般に効果が弱い。
さらに、人体に対して安全でかつ、硫化水素臭やメルカプタン臭等の硫黄系の悪臭に消臭効果があるものとして、グルコン酸やその塩を含有する消臭剤が知られている。例えば、グルコン酸を含むものについては特許文献3に、グルコン酸亜鉛やグルコン酸銅を含むものについては特許文献4に開示されている。特に特許文献4には、グルコン酸亜鉛やグルコン酸銅が食品添加物にも指定されており安全性の面で好ましいことが記載されている。
グルコン酸やその塩を含む消臭剤を開示している上記特許文献3及び特許文献4では、アミン臭やアンモニア臭の窒素系悪臭及び硫化水素臭やメルカプタン臭の硫黄系悪臭のいずれに対しても消臭効果がある旨が記載されている。しかしながら、本発明者らの行った試験では、グルコン酸銅やグルコン酸亜鉛の消臭効果は、硫黄系の悪臭に対しては効果があるが、窒素系の悪臭に対しては消臭効果がほとんど認められなかった。
上記した従来技術を考慮すれば、緑茶抽出物とグルコン酸塩とを併用することによって、アミン臭やアンモニア臭の窒素系悪臭及び硫化水素臭やメルカプタン臭の硫黄系悪臭のいずれに対しても消臭効果を備えた消臭剤が得られると考えられる。
しかしながら、実際に緑茶抽出物にグルコン酸塩を添加して消臭剤溶液を調製する場合には、溶液中に沈殿が生成してしまい、さらには溶液の揮発性も低下するため、スプレーしたり揮発させたりする消臭剤の使用形態を採用できなくなってしまう。
さらに、緑茶抽出物は着色しているため、緑茶抽出物を含有する消臭剤溶液を散布したりスプレーして使用する場合には、散布対象物が着色されるおそれがあるため、消臭剤として好ましいものではない。
さらに、緑茶抽出物は着色しているため、緑茶抽出物を含有する消臭剤溶液を散布したりスプレーして使用する場合には、散布対象物が着色されるおそれがあるため、消臭剤として好ましいものではない。
そこで本発明は、緑茶抽出物とグルコン酸塩を併用することにより、アミン臭やアンモニア臭の窒素系悪臭及び硫化水素臭やメルカプタン臭の硫黄系悪臭のいずれにも優れた消臭効果を示すとともに、緑茶抽出物とグルコン酸塩とを混合する場合に沈殿を生成することがなく、散布対象物が着色されるおそれもなく、しかも人体に対して安全性の高い消臭剤及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、緑茶抽出物にグルコン酸銅やグルコン酸亜鉛といったグルコン酸塩を添加する場合に、予め脱色処理を施した緑茶抽出物を使用することによって、沈殿の生成を防止することができ、さらには色相の薄い消臭剤溶液を調製できることを見出し本発明を完成させたものである。
すなわち本発明の請求項1に係る消臭剤は、脱色した緑茶抽出物とグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛とを含有することを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る消臭剤は、請求項1において、脱色した緑茶抽出物を0.01〜10重量%、グルコン酸銅を0.01〜15重量%含有し、前記成分を溶解する溶媒からなることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る消臭剤は、請求項1において、脱色した緑茶抽出物を0.01〜10重量%、グルコン酸亜鉛を0.01〜2.5重量%含有し、前記成分を溶解する溶媒からなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る消臭剤は、請求項1において、脱色した緑茶抽出物を0.01〜10重量%、グルコン酸銅を0.01重量%〜15重量%、グルコン酸亜鉛を0.01重量%〜2.5重量%含有し、前記成分を溶解する溶媒からなることを特徴とするものである。
さらに本発明の請求項5に係る消臭剤の製造方法は、緑茶抽出物をイオン交換樹脂および/または活性炭と接触させて緑茶抽出物を脱色した後、脱色した緑茶抽出物とグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛とを混合して溶解させることを特徴とするものである。
本発明による脱色した緑茶抽出物とグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛とを用いた消臭剤では、以下のような効果を奏することができる。
(1)茶抽出物として予め脱色した緑茶抽出物を使用することにより、グルコン酸銅やグルコン酸亜鉛を混合する際に沈殿が生成することがなく、溶液の揮発性も低下することがない。したがって、スプレーして使用する場合でもスプレー装置が目詰まりするおそれがなく、揮発させて使用する場合でも消臭剤溶液の効果的な揮散を維持することができる。さらには、消臭剤溶液の色相も薄いため、散布対象物に消臭剤の色が付着して着色されるおそれもない。
(1)茶抽出物として予め脱色した緑茶抽出物を使用することにより、グルコン酸銅やグルコン酸亜鉛を混合する際に沈殿が生成することがなく、溶液の揮発性も低下することがない。したがって、スプレーして使用する場合でもスプレー装置が目詰まりするおそれがなく、揮発させて使用する場合でも消臭剤溶液の効果的な揮散を維持することができる。さらには、消臭剤溶液の色相も薄いため、散布対象物に消臭剤の色が付着して着色されるおそれもない。
(2)脱色した緑茶抽出物とグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛とを有効成分として含有させることにより、単に緑茶抽出物のアミン臭やアンモニア臭の窒素系悪臭に対する消臭効果及びグルコン酸銅やグルコン酸亜鉛の硫化水素臭やメルカプタン臭の硫黄系悪臭に対する消臭効果を発揮するに留まらず、緑茶抽出物とグルコン酸銅等を混合して用いることで相乗効果を有し、それぞれの消臭効果が増すものである。
(3)含有されている必須成分がすべて食品添加物であるため、人体に対して無害な安全性の高い消臭剤が得られる。
以下に本発明の実施形態について詳述する。
(1)緑茶抽出物
本発明で使用する緑茶抽出物は、緑茶粉末を溶媒を用いて常温抽出することにより得られる。抽出溶媒としてはエタノール等のアルコール類、プロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、水またはこれらを組合せて用いることができる。
またこれにより得られた緑茶抽出物を濃縮してから、下記処理等を行ってもよい。
(1)緑茶抽出物
本発明で使用する緑茶抽出物は、緑茶粉末を溶媒を用いて常温抽出することにより得られる。抽出溶媒としてはエタノール等のアルコール類、プロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、水またはこれらを組合せて用いることができる。
またこれにより得られた緑茶抽出物を濃縮してから、下記処理等を行ってもよい。
(2)脱色処理
上記で得られた緑茶抽出物をイオン交換樹脂、活性炭、又は両者の混合物と接触させることにより脱色処理を施す。脱色処理の方法としては、イオン交換樹脂および/または活性炭をカラムに充填し、緑茶抽出物をこのカラムに通すカラム法、イオン交換樹脂および/または活性炭を緑茶抽出物中に添加して攪拌混合し、一定時間後にイオン交換樹脂および/または活性炭を取り除くバッチ法のどちらでもよい。
上記で得られた緑茶抽出物をイオン交換樹脂、活性炭、又は両者の混合物と接触させることにより脱色処理を施す。脱色処理の方法としては、イオン交換樹脂および/または活性炭をカラムに充填し、緑茶抽出物をこのカラムに通すカラム法、イオン交換樹脂および/または活性炭を緑茶抽出物中に添加して攪拌混合し、一定時間後にイオン交換樹脂および/または活性炭を取り除くバッチ法のどちらでもよい。
イオン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、キレート樹脂、合成吸着樹脂などが使用できるが、緑茶抽出物の脱色には陰イオン交換樹脂が好ましく、市販品として「ダイヤイオンHPA25」や「ダイヤイオンWA30」(いずれも三菱化学(株)製商品名)等を用いることができる。pHを調整する場合には、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂を併用することが望ましい。緑茶抽出物はpHが8以上になると色相が著しく濃くなり、消臭効果が減退する傾向にあるためである。
活性炭としては粉末活性炭又は造粒活性炭のいずれも用いることができるが、緑茶抽出物の脱色には粉末活性炭が好ましく、市販品として「粉末活性炭花F、花D」(大三工業(株)製商品名)や「粉末活性炭梅蜂F、梅蜂HA」(太平化学産業(株)製商品名)等を用いることができる。
(3)脱色した緑茶抽出物とグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛との混合
上記で得られた脱色した緑茶抽出物中に、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛、又はグルコン酸銅とグルコン酸亜鉛の両方を添加して混合撹拌し溶解させることにより、本発明の消臭剤溶液を調製することができる。予め脱色した緑茶抽出物を用いることにより、沈殿を生成することなくグルコン酸銅やグルコン酸亜鉛を緑茶抽出物中に溶解させることができる。
脱色した緑茶抽出物やグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛の消臭剤溶液での混合割合は、これらの成分を溶解し得る溶媒をさらに混合することによって調整することができる。かような溶媒としては、エタノール等のアルコール類、プロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、水またはこれらを組合せて用いることができる。
上記で得られた脱色した緑茶抽出物中に、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛、又はグルコン酸銅とグルコン酸亜鉛の両方を添加して混合撹拌し溶解させることにより、本発明の消臭剤溶液を調製することができる。予め脱色した緑茶抽出物を用いることにより、沈殿を生成することなくグルコン酸銅やグルコン酸亜鉛を緑茶抽出物中に溶解させることができる。
脱色した緑茶抽出物やグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛の消臭剤溶液での混合割合は、これらの成分を溶解し得る溶媒をさらに混合することによって調整することができる。かような溶媒としては、エタノール等のアルコール類、プロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、水またはこれらを組合せて用いることができる。
(4)成分の含有割合
本発明の消臭剤溶液中における脱色した緑茶抽出物の含有量は、消臭剤溶液全量に対して固形分濃度で0.01〜10%(本明細書中で%は全て重量%を示す)、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは1〜3%である。0.01%未満では消臭効果が十分でなく、10%を超えて含有させると、消臭剤溶液の色が濃くなって散布対象物を着色させる問題が生じるだけでなく、価格的にも高価な消臭剤になってしまう。
グルコン酸銅の含有量は、消臭剤溶液全量に対して固形分濃度で0.01〜15%、好ましくは0.05〜2%、より好ましくは0.1〜1%である。0.01%未満では消臭効果が十分でなく、15%を超えて含有させると、溶媒に完全に溶解させ難くなる。
グルコン酸亜鉛の含有量は、消臭剤溶液全量に対して固形分濃度で0.01〜2.5%、好ましくは0.1〜2%、より好ましくは0.5〜2%である。0.01%未満では消臭効果が十分でなく、2.5%を超えて含有させると溶媒に完全に溶解させ難くなる。
本発明の消臭剤溶液中における脱色した緑茶抽出物の含有量は、消臭剤溶液全量に対して固形分濃度で0.01〜10%(本明細書中で%は全て重量%を示す)、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは1〜3%である。0.01%未満では消臭効果が十分でなく、10%を超えて含有させると、消臭剤溶液の色が濃くなって散布対象物を着色させる問題が生じるだけでなく、価格的にも高価な消臭剤になってしまう。
グルコン酸銅の含有量は、消臭剤溶液全量に対して固形分濃度で0.01〜15%、好ましくは0.05〜2%、より好ましくは0.1〜1%である。0.01%未満では消臭効果が十分でなく、15%を超えて含有させると、溶媒に完全に溶解させ難くなる。
グルコン酸亜鉛の含有量は、消臭剤溶液全量に対して固形分濃度で0.01〜2.5%、好ましくは0.1〜2%、より好ましくは0.5〜2%である。0.01%未満では消臭効果が十分でなく、2.5%を超えて含有させると溶媒に完全に溶解させ難くなる。
(5)任意成分
本発明の消臭剤溶液には、必要に応じて、香料、色素、界面活性剤等の任意の成分を添加することも可能である。例えば、香料としてはリンゴ、ブルーベリー、ブドウなどを基原物質とする香料が挙げられる。色素としてはクチナシ、アントシアニンなどの天然抽出物が挙げられる。界面活性剤としては食品添加物であるショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの任意成分も、食品添加物として認められている物質を使用することにより、人体に対して安全な消臭剤を提供することができる。
本発明の消臭剤溶液には、必要に応じて、香料、色素、界面活性剤等の任意の成分を添加することも可能である。例えば、香料としてはリンゴ、ブルーベリー、ブドウなどを基原物質とする香料が挙げられる。色素としてはクチナシ、アントシアニンなどの天然抽出物が挙げられる。界面活性剤としては食品添加物であるショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの任意成分も、食品添加物として認められている物質を使用することにより、人体に対して安全な消臭剤を提供することができる。
(6)消臭剤としての使用形態
本発明の消臭剤溶液は任意の使用形態で使用できる。具体的には、多孔質の含浸体に消臭剤溶液を含浸させておき、適用場所で含浸体から揮散させる形態、スプレー装置などを用いて消臭剤溶液を散布対象物へ向けてスプレーする形態、容器中に入れた消臭剤溶液に吸い上げ芯の下部を浸漬し、消臭剤溶液を毛細管現象によって吸い上げ芯の上部へ吸い上げて揮発させる形態等が挙げられる。
本発明の消臭剤溶液は任意の使用形態で使用できる。具体的には、多孔質の含浸体に消臭剤溶液を含浸させておき、適用場所で含浸体から揮散させる形態、スプレー装置などを用いて消臭剤溶液を散布対象物へ向けてスプレーする形態、容器中に入れた消臭剤溶液に吸い上げ芯の下部を浸漬し、消臭剤溶液を毛細管現象によって吸い上げ芯の上部へ吸い上げて揮発させる形態等が挙げられる。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに説明する。
〈実施例1〜4〉
緑茶粉末を水・エタノール混合溶媒で室温にて抽出し、緑茶抽出物を得た。この抽出方法は、「食品衛生法に基づく添加物の表示等について:別添一、既存添加物名簿収載品目リスト」(平成8年5月23日、衛化第56号、厚生省生活衛生局長通知、平成14年8月1日最終改正)の“チャ抽出物”の項に記載された方法に準拠したものである。
抽出された緑茶抽出物を、オイルバスを用いて80℃にした条件下でロータリーエバポレーター型式N−1N(東京理科器械(株)製)を用いて減圧、吸引し、濃縮された固形分濃度10%の緑茶抽出物を得た。
〈実施例1〜4〉
緑茶粉末を水・エタノール混合溶媒で室温にて抽出し、緑茶抽出物を得た。この抽出方法は、「食品衛生法に基づく添加物の表示等について:別添一、既存添加物名簿収載品目リスト」(平成8年5月23日、衛化第56号、厚生省生活衛生局長通知、平成14年8月1日最終改正)の“チャ抽出物”の項に記載された方法に準拠したものである。
抽出された緑茶抽出物を、オイルバスを用いて80℃にした条件下でロータリーエバポレーター型式N−1N(東京理科器械(株)製)を用いて減圧、吸引し、濃縮された固形分濃度10%の緑茶抽出物を得た。
得られた緑茶抽出物を以下の方法で脱色処理した。すなわち、円筒形のカラムにイオン交換樹脂(商品名「ダイヤイオンHPA25」、三菱化学(株)製)を350mL(ミリリットル)充填した後、イオン交換水、1Nの水酸化ナトリウム、イオン交換水をこの順にカラムに通してイオン交換樹脂の前処理を行った。この前処理をしたイオン交換樹脂を容器に移し、上記で得られた緑茶抽出物1000gを混合して撹拌し、一時間後にイオン交換樹脂を除去することにより、脱色した緑茶抽出物を得た。
上記で得られた脱色した緑茶抽出物の濃縮物に、所定量のグルコン酸銅(藤沢薬品工業(株)製)、グルコン酸亜鉛(藤沢薬品工業(株)製)またはグルコン酸銅とグルコン酸亜鉛の両者を混合し、表1の実施例1〜4に示した混合割合の本発明の消臭剤溶液を調製した。表1中の各成分の混合割合は、エタノールと水の溶媒以外は、いずれも固形分濃度で表し、水・エタノール混合溶媒を用いて所定の固形分濃度となるように調整した。
〈比較例1〜7〉
比較例として、表1に示す混合割合の消臭剤溶液を調製した。比較例1及び比較例2は、緑茶抽出物を用いずに、グルコン酸銅のみ(比較例1)またはグルコン酸亜鉛のみ(比較例2)を用いたものである。比較例3及び比較例4は、グルコン酸銅又はグルコン酸亜鉛を用いずに、脱色した緑茶抽出物のみ(比較例3)又は脱色していない緑茶抽出物のみ(比較例4)を用いたものである。比較例5は、脱色していない緑茶抽出物とグルコン酸銅とを併用したものである。比較例6は、グルコン酸銅やグルコン酸亜鉛と同じくグルコン酸塩であるグルコン酸鉄(和光純薬工業(株)製))を、脱色した緑茶抽出物と併用したものである。比較例7は、実施例よりも少ない混合割合のグルコン酸亜鉛を、脱色した緑茶抽出物と併用したものである。
なお比較例における緑茶抽出物は実施例と同様な抽出方法で抽出したもの、脱色した緑茶抽出物は実施例と同様な脱色方法で脱色処理したものを使用した。
比較例として、表1に示す混合割合の消臭剤溶液を調製した。比較例1及び比較例2は、緑茶抽出物を用いずに、グルコン酸銅のみ(比較例1)またはグルコン酸亜鉛のみ(比較例2)を用いたものである。比較例3及び比較例4は、グルコン酸銅又はグルコン酸亜鉛を用いずに、脱色した緑茶抽出物のみ(比較例3)又は脱色していない緑茶抽出物のみ(比較例4)を用いたものである。比較例5は、脱色していない緑茶抽出物とグルコン酸銅とを併用したものである。比較例6は、グルコン酸銅やグルコン酸亜鉛と同じくグルコン酸塩であるグルコン酸鉄(和光純薬工業(株)製))を、脱色した緑茶抽出物と併用したものである。比較例7は、実施例よりも少ない混合割合のグルコン酸亜鉛を、脱色した緑茶抽出物と併用したものである。
なお比較例における緑茶抽出物は実施例と同様な抽出方法で抽出したもの、脱色した緑茶抽出物は実施例と同様な脱色方法で脱色処理したものを使用した。
〈実験例1〉
(1)沈殿生成の有無
緑茶抽出物とグルコン酸塩(グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛、グルコン酸鉄)とを混合した際の沈殿の有無を調べ、その結果を表2に示した。表2からわかるように、本発明に係る実施例1〜4の溶液および比較例6、7の溶液のように、脱色処理した緑茶抽出物にグルコン酸塩を混合した場合には沈殿が生じていないが、脱色処理していない緑茶抽出物にグルコン酸塩を混合した比較例5では沈殿が生じている。沈殿が生成した溶液は、スプレー式の使用形態の場合にスプレー装置が目詰まりしてしまったり、揮発性が低下するため、消臭剤として好ましいものではない。
(2)溶液の色相
実施例及び比較例で得られた溶液の色相を、ガードナー・カラー・ナンバーを用いて判定し、その結果を表2に示した。ガードナー・カラー・ナンバーの判定は、「基準油脂分析試験法2.3.1.3−71」(社団法人日本油化学協会制定)に記載されたガードナー法に準じて行った。すなわち、ガードナー・ホルト試料管に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液を入れ、標準溶液と平行に並べて、北側自然光線により色を比較した。数字が小さいほど色が薄いことを示す。表2からわかるように、本発明に係る実施例1〜4の溶液及び比較例3、6、7の溶液のように、脱色処理した緑茶抽出物を用いた場合には色相が薄いのに対して、脱色処理していない緑茶抽出物を用いた比較例4と5では色相が濃い。色相が濃い消臭剤を散布したりスプレーした場合には、消臭剤が付着した物が着色されるおそれがあるため、消臭剤として好ましいものではない。
(1)沈殿生成の有無
緑茶抽出物とグルコン酸塩(グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛、グルコン酸鉄)とを混合した際の沈殿の有無を調べ、その結果を表2に示した。表2からわかるように、本発明に係る実施例1〜4の溶液および比較例6、7の溶液のように、脱色処理した緑茶抽出物にグルコン酸塩を混合した場合には沈殿が生じていないが、脱色処理していない緑茶抽出物にグルコン酸塩を混合した比較例5では沈殿が生じている。沈殿が生成した溶液は、スプレー式の使用形態の場合にスプレー装置が目詰まりしてしまったり、揮発性が低下するため、消臭剤として好ましいものではない。
(2)溶液の色相
実施例及び比較例で得られた溶液の色相を、ガードナー・カラー・ナンバーを用いて判定し、その結果を表2に示した。ガードナー・カラー・ナンバーの判定は、「基準油脂分析試験法2.3.1.3−71」(社団法人日本油化学協会制定)に記載されたガードナー法に準じて行った。すなわち、ガードナー・ホルト試料管に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液を入れ、標準溶液と平行に並べて、北側自然光線により色を比較した。数字が小さいほど色が薄いことを示す。表2からわかるように、本発明に係る実施例1〜4の溶液及び比較例3、6、7の溶液のように、脱色処理した緑茶抽出物を用いた場合には色相が薄いのに対して、脱色処理していない緑茶抽出物を用いた比較例4と5では色相が濃い。色相が濃い消臭剤を散布したりスプレーした場合には、消臭剤が付着した物が着色されるおそれがあるため、消臭剤として好ましいものではない。
〈実験例2〉アミン臭及びアンモニア臭の窒素系悪臭に対する消臭効果
(1)トリメチルアミン臭の消臭試験
3Lの密閉ガラス容器に一定量のトリメチルアミンを注入した後、この密閉ガラス容器に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液をそれぞれ2gずつ注入した。溶液注入直前および溶液注入60分後のトリメチルアミン濃度をトリメチルアミン検知管を用いて測定した。結果を表3に示す。
(2)アンモニア臭の消臭試験
3Lの密閉ガラス容器に一定量のアンモニアを注入した後、この密閉ガラス容器に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液をそれぞれ2gずつ注入した。溶液注入直前および溶液注入60分後のアンモニア濃度をアンモニア検知管を用いて測定した。結果を表3に示す。
(1)トリメチルアミン臭の消臭試験
3Lの密閉ガラス容器に一定量のトリメチルアミンを注入した後、この密閉ガラス容器に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液をそれぞれ2gずつ注入した。溶液注入直前および溶液注入60分後のトリメチルアミン濃度をトリメチルアミン検知管を用いて測定した。結果を表3に示す。
(2)アンモニア臭の消臭試験
3Lの密閉ガラス容器に一定量のアンモニアを注入した後、この密閉ガラス容器に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液をそれぞれ2gずつ注入した。溶液注入直前および溶液注入60分後のアンモニア濃度をアンモニア検知管を用いて測定した。結果を表3に示す。
表3からわかるように、本発明に係る実施例1〜4の溶液は窒素系のトリメチルアミン及びアンモニアの悪臭に対して優れた消臭効果を示している。また、グルコン酸銅又はグルコン酸亜鉛のみを含み緑茶抽出物を併用していない比較例1及び比較例2では窒素系の悪臭に対して消臭効果がないことがわかる。
さらに緑茶抽出物とグルコン酸銅を同量含有する実施例1と比較例5では、脱色した緑茶抽出物を用いた実施例1の方が脱色していない緑茶抽出物を用いた比較例5以上にトリメチルアミンの消臭効果を発揮している。このことから脱色した緑茶抽出物と脱色していない緑茶抽出物では、脱色した緑茶抽出物の方が消臭効果を得ることができることを意味する。
そのうえ本発明に係る実施例1〜4の溶液は、緑茶抽出物を含むがグルコン酸銅等を含まない比較例3および比較例4と対比し、トリメチルアミンの消臭効果を発揮している。これにより脱色した緑茶抽出物を単独で用いるよりもグルコン酸銅やグルコン酸亜鉛と併用した方が、相乗効果により窒素系のトリメチルアミンの悪臭に対して優れた消臭効果を発揮することがわかる。
以上のことを踏まえ再度実施例1と比較例5とを対比すると、脱色していない緑茶抽出物よりも脱色した緑茶抽出物の方が、グルコン酸銅等と混合することによって相乗的に消臭効果を向上させるものである。
さらに緑茶抽出物とグルコン酸銅を同量含有する実施例1と比較例5では、脱色した緑茶抽出物を用いた実施例1の方が脱色していない緑茶抽出物を用いた比較例5以上にトリメチルアミンの消臭効果を発揮している。このことから脱色した緑茶抽出物と脱色していない緑茶抽出物では、脱色した緑茶抽出物の方が消臭効果を得ることができることを意味する。
そのうえ本発明に係る実施例1〜4の溶液は、緑茶抽出物を含むがグルコン酸銅等を含まない比較例3および比較例4と対比し、トリメチルアミンの消臭効果を発揮している。これにより脱色した緑茶抽出物を単独で用いるよりもグルコン酸銅やグルコン酸亜鉛と併用した方が、相乗効果により窒素系のトリメチルアミンの悪臭に対して優れた消臭効果を発揮することがわかる。
以上のことを踏まえ再度実施例1と比較例5とを対比すると、脱色していない緑茶抽出物よりも脱色した緑茶抽出物の方が、グルコン酸銅等と混合することによって相乗的に消臭効果を向上させるものである。
〈実験例3〉硫化水素臭及びメチルメルカプタン臭の硫黄系悪臭に対する消臭効果
(1)硫化水素臭の消臭試験
3Lの密閉ガラス容器に一定量の硫化水素を注入した後、この密閉ガラス容器に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液をそれぞれ2gずつ注入した。溶液注入直前および溶液注入60分後の硫化水素濃度を硫化水素検知管を用いて測定した。結果を表4に示す。
(2)メチルメルカプタン臭の消臭試験
3Lの密閉ガラス容器に一定量のメチルメルカプタンを注入した後、この密閉ガラス容器に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液をそれぞれ2gずつ注入した。溶液注入直前および溶液注入60分後のメチルメルカプタン濃度をメチルメルカプタン検知管を用いて測定した。結果を表4に示す。
(1)硫化水素臭の消臭試験
3Lの密閉ガラス容器に一定量の硫化水素を注入した後、この密閉ガラス容器に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液をそれぞれ2gずつ注入した。溶液注入直前および溶液注入60分後の硫化水素濃度を硫化水素検知管を用いて測定した。結果を表4に示す。
(2)メチルメルカプタン臭の消臭試験
3Lの密閉ガラス容器に一定量のメチルメルカプタンを注入した後、この密閉ガラス容器に実施例1〜4及び比較例1〜7の溶液をそれぞれ2gずつ注入した。溶液注入直前および溶液注入60分後のメチルメルカプタン濃度をメチルメルカプタン検知管を用いて測定した。結果を表4に示す。
表4からわかるように、本発明に係る実施例1〜4の溶液は硫黄系の硫化水素及びメチルメルカプタンの悪臭に対して優れた消臭効果を示している。緑茶抽出物のみを含みグルコン酸銅又はグルコン酸亜鉛を併用していない比較例3および比較例4は、硫黄系の悪臭に対して消臭効果は認められない。またグルコン酸塩であってもグルコン酸鉄を用いた比較例6は硫黄系の悪臭に対し効果がないことがわかる。
さらに緑茶抽出物とグルコン酸銅を同量含有する実施例1と比較例5では、脱色した緑茶抽出物を用いる実施例1の方が脱色していない緑茶抽出物を用いる比較例5以上にメチルメルカプタンの消臭効果を発揮している。このことから脱色した緑茶抽出物を併用した場合と脱色していない緑茶抽出物を併用した場合では、脱色した緑茶抽出物を併用した方がグルコン酸銅等による消臭効果についても相乗的に得られることを意味する。
また比較例7では、実施例1におけるグルコン酸銅と同量のグルコン酸亜鉛を混合しているが、硫黄系悪臭に対する満足すべき消臭効果が得られていない。このことから、グルコン酸亜鉛は、グルコン酸銅と比べて硫黄系悪臭の消臭効果が弱いことがわかり、グルコン酸銅の混合量よりも多量に混合することが望ましい。
そのうえ本発明に係る実施例1〜4の溶液は、グルコン酸銅等を含むが緑茶抽出物を含まない比較例1および比較例2と対比し、メチルメルカプタンの消臭効果が高い。これによりグルコン酸銅およびグルコン酸亜鉛を単独で用いるよりも脱色した緑茶抽出物と併用した方が、相乗効果により硫黄系のメチルメルカプタンの悪臭に対して優れた消臭効果を発揮することがわかる。
さらに緑茶抽出物とグルコン酸銅を同量含有する実施例1と比較例5では、脱色した緑茶抽出物を用いる実施例1の方が脱色していない緑茶抽出物を用いる比較例5以上にメチルメルカプタンの消臭効果を発揮している。このことから脱色した緑茶抽出物を併用した場合と脱色していない緑茶抽出物を併用した場合では、脱色した緑茶抽出物を併用した方がグルコン酸銅等による消臭効果についても相乗的に得られることを意味する。
また比較例7では、実施例1におけるグルコン酸銅と同量のグルコン酸亜鉛を混合しているが、硫黄系悪臭に対する満足すべき消臭効果が得られていない。このことから、グルコン酸亜鉛は、グルコン酸銅と比べて硫黄系悪臭の消臭効果が弱いことがわかり、グルコン酸銅の混合量よりも多量に混合することが望ましい。
そのうえ本発明に係る実施例1〜4の溶液は、グルコン酸銅等を含むが緑茶抽出物を含まない比較例1および比較例2と対比し、メチルメルカプタンの消臭効果が高い。これによりグルコン酸銅およびグルコン酸亜鉛を単独で用いるよりも脱色した緑茶抽出物と併用した方が、相乗効果により硫黄系のメチルメルカプタンの悪臭に対して優れた消臭効果を発揮することがわかる。
〈実験例4〉消臭剤溶液の色相の経時変化
本発明に係る実施例1の溶液と比較例5の溶液を密閉容器に入れて、56℃の恒温槽中で1週間放置し、色相に変化がないか調べた。色相の判定は実験例1と同様のガードナー法で行ない、溶液調製直後と一週間放置後の色相を調べた。結果を表5に示す。
表5からわかるように、本発明に係る実施例1の溶液は、脱色した緑茶抽出物を用いているため、調製直後から色相が薄く、56℃で1週間経過後も色相に変化がなかった。これに対して、脱色処理を行っていない緑茶抽出物を含む比較例5の溶液は、調製直後から色相が濃く、1週間放置後には、さらに色相が濃くなっていた。
本発明に係る実施例1の溶液と比較例5の溶液を密閉容器に入れて、56℃の恒温槽中で1週間放置し、色相に変化がないか調べた。色相の判定は実験例1と同様のガードナー法で行ない、溶液調製直後と一週間放置後の色相を調べた。結果を表5に示す。
表5からわかるように、本発明に係る実施例1の溶液は、脱色した緑茶抽出物を用いているため、調製直後から色相が薄く、56℃で1週間経過後も色相に変化がなかった。これに対して、脱色処理を行っていない緑茶抽出物を含む比較例5の溶液は、調製直後から色相が濃く、1週間放置後には、さらに色相が濃くなっていた。
〈実験例5〉消臭剤溶液の消臭効果の経時変化
本発明に係る実施例1〜4の溶液を密閉容器に入れて、56℃の恒温槽中に1週間放置した。その後、各溶液のそれぞれ2gずつを用い、実験例2及び実験例3と同様にして、トリメチルアミンとアンモニアの窒素系悪臭及び硫化水素とメチルメルカプタンの硫黄系悪臭に対する消臭効果を調べた。結果を表6に示す。
表6からわかるように、本発明に係る実施例1の溶液は、56℃で1週間経過後も窒素系悪臭及び硫黄系悪臭のいずれにも優れた消臭効果を有し、消臭効果が経時的に安定であった。
本発明に係る実施例1〜4の溶液を密閉容器に入れて、56℃の恒温槽中に1週間放置した。その後、各溶液のそれぞれ2gずつを用い、実験例2及び実験例3と同様にして、トリメチルアミンとアンモニアの窒素系悪臭及び硫化水素とメチルメルカプタンの硫黄系悪臭に対する消臭効果を調べた。結果を表6に示す。
表6からわかるように、本発明に係る実施例1の溶液は、56℃で1週間経過後も窒素系悪臭及び硫黄系悪臭のいずれにも優れた消臭効果を有し、消臭効果が経時的に安定であった。
以上の実験例1〜実験例3から、本発明に係る消臭剤溶液は、緑茶抽出物とグルコン酸塩との混合時に沈殿を生成することがなく、色相も薄いものであることがわかる。また、アミン臭やアンモニア臭といった窒素系の悪臭や、硫化水素臭、メチルメルカプタン臭といった硫黄系の悪臭のいずれに対しても優れた消臭効果があることがわかる。
さらに実験例4と実験例5から、本発明に係る消臭剤溶液は経時的に色相が変化することがなく、窒素系及び硫黄系の悪臭のいずれに対しても経時的に消臭効果が変化しないことがわかる。
さらに実験例4と実験例5から、本発明に係る消臭剤溶液は経時的に色相が変化することがなく、窒素系及び硫黄系の悪臭のいずれに対しても経時的に消臭効果が変化しないことがわかる。
本発明の消臭剤によれば、緑茶抽出物とグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛との混合時に沈殿を生成することがなく、溶液の色相も薄いため、スプレー式の使用形態においても沈殿によりスプレー装置が目詰まりすることがなく、散布対象物に消臭剤の色が付着して着色されるおそれもない。そのため、あらゆる使用形態が可能な消臭剤が提供できる。
さらに、アミン臭やアンモニア臭の窒素系の悪臭及び硫化水素臭やメルカプタン臭の硫黄系の悪臭のいずれに対しても優れた消臭効果を有するため、悪臭の種類を問わない汎用的な消臭剤として使用することが可能である。
さらにまた、含有されている必須成分はすべて食品添加物であるため、人体に対して無害な安全性の高い消臭剤が提供できる。
さらに、アミン臭やアンモニア臭の窒素系の悪臭及び硫化水素臭やメルカプタン臭の硫黄系の悪臭のいずれに対しても優れた消臭効果を有するため、悪臭の種類を問わない汎用的な消臭剤として使用することが可能である。
さらにまた、含有されている必須成分はすべて食品添加物であるため、人体に対して無害な安全性の高い消臭剤が提供できる。
Claims (5)
- 脱色した緑茶抽出物とグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛とを含有することを特徴とする消臭剤。
- 脱色した緑茶抽出物が0.01〜10重量%、グルコン酸銅が0.01〜15重量%および前記成分を溶解する溶媒が含有されることを特徴とする請求項1に記載の消臭剤。
- 脱色した緑茶抽出物が0.01〜10重量%、グルコン酸亜鉛が0.01〜2.5重量%および前記成分を溶解する溶媒が含有されることを特徴とする請求項1に記載の消臭剤。
- 脱色した緑茶抽出物が0.01〜10重量%、グルコン酸銅が0.01重量%〜15重量%、グルコン酸亜鉛が0.01重量%〜2.5重量%および前記成分を溶解する溶媒が含有されることを特徴とする請求項1に記載の消臭剤。
- 緑茶抽出物をイオン交換樹脂および/または活性炭と接触させて緑茶抽出物を脱色した後、脱色した緑茶抽出物にグルコン酸銅および/またはグルコン酸亜鉛を混合して溶解させることを特徴とする消臭剤の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2003409094A JP2005168579A (ja) | 2003-12-08 | 2003-12-08 | 消臭剤及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007130452A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-05-31 | Munekazu Iinuma | 消臭剤 |
JP2020138913A (ja) * | 2019-02-27 | 2020-09-03 | 株式会社 リトル・サイエンティスト | 消臭性化粧料 |
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2003
- 2003-12-08 JP JP2003409094A patent/JP2005168579A/ja active Pending
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