JP2005168292A - Ｄｃ／ｄｃコンバータの突入電流防止回路 - Google Patents

Abstract

【課題】電源入力時や再動作時の突入電流を防止するＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路を提供する。
【解決手段】本発明に係るＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路は、スイッチング動作によって入力電圧を昇圧または降圧して出力するスイッチング素子と、前記スイッチング素子によって昇圧または降圧されて出力された電圧をフィルタリングして出力電圧として出力するフィルタと、基準電圧を発生する基準電圧発生器と、前記基準電圧と出力電圧とを比較して誤差信号を出力する誤差増幅器と、前記誤差信号に従って前記スイッチング素子をスイッチング動作させるためのＰＷＭ信号を発生するＰＷＭ信号発生器と、前記ＰＷＭ信号を前記スイッチング素子に伝達したり遮断するオン／オフ回路、及び前記オン／オフ回路を制御する制御ユニットを含んで構成される。
【選択図】図１

Description

本発明はＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路に関し、より詳しくは、２つのバッテリを入出力とする両方向ＤＣ／ＤＣコンバータにおいて、電源入力時や再作動時の突入電流を防止してコンバータ素子の破損を防止するようにしたＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路に関する。

非絶縁スイッチングＤＣ／ＤＣコンバータは入力端に連結された電圧源から電源を供給されて出力電圧が負荷条件に関係なく一定の値に維持されるようにする装置であり、入力電圧に対する出力電圧の極性と大きさによって降圧型と昇圧型とに区分することができる。
上記のような一つの電圧源を使用する従来のＤＣ／ＤＣコンバータにおいては、初期稼動時にＰＷＭスイッチングデューティが徐々に変わるソフトスタート機能を使用することによって突入電流が発生しない（例えば、特許文献１参照）。
特開２００３−１９９３５５号公報

しかし、２つの電圧源を入出力に利用するＤＣ／ＤＣコンバータにおいては、電源投入時や停止モードから運転モードに変わる場合、即ち再作動時にバッテリの電圧によって決まるデューティ比でスイッチング動作が瞬間的になされなければ、２つの電圧源の間の短絡現象の発生によって理論上無限大の電流が流れて、使用される素子の破損が発生し得る問題点がある。

本発明の目的は、電源投入時や停止モードから運転モードに変わる時にソフトスタート機能を最大限抑制し、バッテリの電圧によって決まるデューティ比でスイッチング動作が直ちになされるようにすることによって、電源入力時や再作動時の突入電流を防止するＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路を提供することにある。

上記のような目的を達成するための本発明によるＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路は、スイッチング動作によって入力電圧を昇圧または降圧して出力するスイッチング素子と、前記スイッチング素子によって昇圧または降圧されて出力された電圧をフィルタリングして出力電圧として出力するフィルタと、基準電圧を発生する基準電圧発生器と、前記基準電圧と出力電圧とを比較して誤差信号を出力する誤差増幅器と、前記誤差信号に従って前記スイッチング素子をスイッチング動作させるためのＰＷＭ信号を発生するＰＷＭ信号発生器と、前記ＰＷＭ信号を前記スイッチング素子に伝達したり遮断するオン／オフ回路、及び前記オン／オフ回路を制御する制御ユニットを含んで構成されたことを特徴とする。

前記制御ユニットは、予め設定されているマップテーブルを利用して前記入力電圧と出力電圧による遅延時間を決定し、前記オン／オフ回路を前記遅延時間だけ遅延させた後、オンにすることを特徴とする。
前記制御ユニットは、予め設定されているマップテーブルを利用して入力電圧と出力電圧による基準誤差値を決定し、前記誤差増幅器から入力される誤差信号の誤差値が基準誤差値以上になれば、前記オン／オフ回路をオンにすることを特徴とする。
前記ＰＷＭ信号発生器は、三角波を発生する三角波発生器と、前記三角波と前記誤差信号とを比較してＰＷＭ信号を出力する比較器とを含んで構成されたことを特徴とする。

前記ＰＷＭ信号発生器は、前記スイッチング素子から出力される電流値と前記誤差増幅器の誤差信号とを比較して出力する比較器と、ＰＷＭ基準クロックを生成するＰＷＭ基準クロック発生器と、前記ＰＷＭ基準クロックによってセット（ｓｅｔ）され、前記比較器の出力によってリセットされてＰＷＭ信号を出力するフリップフロップとを含んで構成されたことを特徴とする。

本発明のＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路によれば、電源投入直後や再動作時にはオン／オフ回路によってスイッチング素子の駆動をオフさせて一定時間遅延させた後、スイッチング素子を駆動させ、電源投入直後や再作動時の突入電流を防止してＤＣ／ＤＣコンバータの破損を防止することができる効果がある。

以下、本発明の実施例を添付図によって詳述する。

図１は本発明の第１の実施例によるＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路の構成図である。
図１に示すように、スイッチング素子１０はオン／オフ回路６０を通じてＰＷＭ信号発生器５０から入力されたＰＷＭ信号に従ってスイッチング動作して入力電圧を昇圧または降圧してフィルタ２０に出力するようになっており、フィルタ２０はスイッチング素子１０によって昇圧または降圧されて出力された電圧をフィルタリングして出力電圧として出力するようになっている。

基準電圧発生器３０は、基準電圧を発生するようになっており、誤差増幅器４０は基準電圧と出力電圧とを比較して誤差信号を出力するようになっている。
そして、ＰＷＭ信号発生器５０は、誤差信号に従ってスイッチング素子１０をスイッチング動作させるためのＰＷＭ信号を発生する電圧型ＰＷＭ信号発生器であり、三角波を発生する三角波発生器５１と、三角波と誤差信号を比較してＰＷＭ信号を出力する比較器５２とを含んで構成されている。
さらに、オン／オフ回路６０は、制御ユニット７０の制御によってＰＷＭ信号発生器５０で発生したＰＷＭ信号をスイッチング素子１０に伝達してスイッチング動作させたり遮断する。

制御ユニット７０は、予め設定されているマップテーブルを用いて入力電圧と出力電圧による遅延時間を決定し、オン／オフ回路６０を遅延時間だけ遅延させた後でオンにし、ＰＷＭ信号を伝達させる。

例えば、入力電圧が４２Ｖで出力電圧が１４Ｖの場合、デューティ（Ｄ）＝１４／４２＝３３％であり、入力電圧が３６Ｖで出力電圧が１４Ｖの場合、デューティ（Ｄ）＝１４／３６＝３９％である。従って、入力電圧が４２Ｖの場合は、デューティは初期に０から３３％まで、入力電圧が３６Ｖの場合３９％まで上昇しなければならない。このように、降圧型ＤＣ／ＤＣコンバータでは入力電圧が低いと遅延時間が長くなる。さらに、入力電圧が１２Ｖで出力電圧が４２Ｖの場合、デューティ（Ｄ）＝１−（１２／４２）＝７１．４％であるため、遅延時間は、デューティが０から７１．４％まで上昇する時間である。実際には入出力電圧が１２Ｖ、３６Ｖ、４２Ｖに固定されていないため、上で求めた値を基準としてマップテーブルを作成して遅延時間値を求める。

一方、制御ユニット７０は、上記した方法以外の他の方法を使用してオン／オフ回路６０を制御することができる。
即ち、制御ユニット７０は、予め設定されているマップテーブルを用いて入力電圧と出力電圧による基準誤差値を決定し、誤差増幅器４０から入力される誤差信号の誤差値が基準誤差値以上になれば、オン／オフ回路６０をオンにして、ＰＷＭ信号を伝達させることができる。この時、入力電圧と出力電圧によってデューティ決定が可能であり、このデューティによって基準誤差値の決定が可能であるため、入力電圧と出力電圧による基準誤差値をマップテーブルで予め設定しておき、使用することができる。

図２は本発明の第２の実施例によるＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路の構成図である。
図２に示すように、スイッチング素子１５はオン／オフ回路６０を通じてＰＷＭ信号発生器５５から入力されたＰＷＭ信号によってスイッチング動作し、入力電圧を昇圧または降圧してフィルタ２５に出力するようになっており、フィルタ２５はスイッチング素子１５によって昇圧または降圧されて出力された電圧をフィルタリングして出力電圧として出力するようになっている。

基準電圧発生器３５は、基準電圧を発生するようになっており、誤差増幅器４５は、基準電圧と出力電圧とを比較して誤差信号を出力するようになっている。
そして、ＰＷＭ信号発生器５５は、スイッチング素子１５から出力される電流値と誤差増幅器４５の誤差信号に従ってスイッチング素子１５をスイッチング動作させるためのＰＷＭ信号を発生する電流型ＰＷＭ信号発生器であり、スイッチング素子１５から出力される電流値と誤差増幅器４５の誤差信号とを比較して出力する比較器５６と、ＰＷＭ基準クロックを生成するＰＷＭ基準クロック発生器５７と、ＰＷＭ基準クロックによってセットされ、比較器５６の出力によってリセットされてＰＷＭ信号を出力するフリップフロップ５８とを含んで構成されている。

さらに、オン／オフ回路６５は、制御ユニット７５の制御によってＰＷＭ信号発生器５５から発生したＰＷＭ信号をスイッチング素子１５に伝達してスイッチング動作させたり遮断するようになっている。
制御ユニット７５は、予め設定されているマップテーブルを利用して入力電圧と出力電圧による遅延時間を決定し、オン／オフ回路６５を遅延時間だけ遅延させた後でオンにし、ＰＷＭ信号を伝達させるようになっている。

一方、制御ユニット７５は、上記した方法以外に他の方法を使用してオン／オフ回路６５を制御することができる。即ち、制御ユニット７５は、予め設定されているマップテーブルを利用して入力電圧と出力電圧による基準誤差値を決定し、誤差増幅器４５から入力される誤差信号の誤差値が基準誤差値以上になれば、オン／オフ回路６５をオンにし、ＰＷＭ信号を伝達させることができる。

上記のように構成された本発明によるＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路において、オン／オフ回路６０、６５はトランジスタＴｒを利用したオン／オフ回路であり、制御ユニット７０、７５はマイクロプロセッサーまたは比較器（ｃｏｍｐａｒａｔｏｒ）などによって実現される。

さらに、本発明の第１の実施例及び第２の実施例から分かるように、本発明によるＤＣ／ＤＣコンバータのＰＷＭ信号発生器は、電圧型ＰＷＭ信号発生器５０と電流型ＰＷＭ信号発生器５５との２つの形態がすべて可能である。

さらに、本発明によるＤＣ／ＤＣコンバータでは、昇圧型または降圧型の偏方向駆動だけではなく、昇圧型と降圧型で駆動される両方向駆動がすべて可能であるが、このためには同一の入力、出力電圧であっても変換方向によって必要なデューティが違って来るため、正確なスイッチ駆動時点を決定するためには昇圧型と降圧型とを異なるものと考えなければならない。即ち、制御ユニット７０、７５を昇圧型及び降圧型の２つの種類それぞれに該当する遅延時間または基準誤差値を決定することができるようになっていなければならない。

以下、図３のタイミング図を参照して本発明の第２実施例によるＤＣ／ＤＣコンバータの動作を詳述する。
図２に示すように、本発明の第２実施例ではＰＷＭ信号発生器５５とスイッチング素子１５との間にスイッチング素子１５の駆動を制御するためのオン／オフ回路６５が備えられている。
オン／オフ回路６５は、スイッチング素子１５のスイッチング動作を制御するためのものであり、ＤＣ／ＤＣコンバータへの電源投入時や再作動時にスイッチング素子１５をオフ状態に維持する。

一方、誤差増幅器４５では、出力電圧を基準電圧発生器３５から出力された基準電圧と比べて誤差信号（２）を出力する。誤差信号（２）はＰＷＭ信号発生器５５の比較器５６に入力され、比較器５６は誤差信号（２）とスイッチング素子１５から出力される電流値（１）とを比較してフリップフロップ５８のリセット信号として出力する。さらに、ＰＷＭ基準クロック発生器５７は、ＰＷＭ基準クロック（３）を生成してフリップフロップ５８のセット信号として出力する。フリップフロップ５８は、ＰＷＭ基準クロック（３）によってセットされ、比較器５６の出力によってリセットされてＰＷＭ信号（４）を出力する。

そして、制御ユニット７５は、予め設定されているマップテーブルを利用して入力電圧と出力電圧による遅延時間を決定し、オン／オフ回路６５を遅延時間だけ遅延させた後、オンにしてＰＷＭ信号を伝達させるように制御信号（５）を出力する。
さらに、制御ユニット７５は上記した方法以外に、予め設定されているマップテーブルを利用して入力電圧と出力電圧による基準誤差値を決定し、誤差増幅器４５から入力される誤差信号の誤差値が基準誤差値以上になれば、オン／オフ回路６５をオンにして、ＰＷＭ信号を伝達させるように制御信号（５）を出力することができる。
オン／オフ回路６５は、オフの状態から、上記のように制御信号（５）が入力されればオンにされ、ＰＷＭ信号発生部５５から出力されるＰＷＭ信号をスイッチング素子１５に伝達してスイッチング素子１５がオン／オフ回路６５を通じて入力されるＰＷＭ信号（６）によってスイッチング動作するようにする。

上記のように電源入力時や再動作時にスイッチング素子１５のスイッチング動作を一定時間の間遅延させた後になされるようにすることによって突入電流を防止するものである。
以上で好ましい実施例を中心に本発明を説明したが、本発明の技術的思想がここに限定されて解釈されてはならないし、本発明による技術的範囲は特許請求範囲に記載した事項の合理的な解釈によって決定されなければならない。

本発明の第一実施例によるＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路の構成図である。 本発明の第二実施例によるＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路の構成図である。 本発明の第二実施例によるＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路のタイミング図である。

符号の説明

１０ スイッチング素子
２０ フィルタ
３０ 基準電圧発生器
４０ 誤差増幅器
５０ ＰＷＭ信号発生器
６０ オン／オフ回路
７０ 制御ユニット

Claims (5)

1. スイッチング動作によって入力電圧を昇圧または降圧して出力するスイッチング素子と、
   前記スイッチング素子によって昇圧または降圧されて出力された電圧をフィルタリングして出力電圧として出力するフィルタと、
   基準電圧を発生する基準電圧発生器と、
   前記基準電圧と出力電圧とを比較して誤差信号を出力する誤差増幅器と、
   前記誤差信号に従って前記スイッチング素子をスイッチング動作させるためのＰＷＭ信号を発生するＰＷＭ信号発生器と、
   前記ＰＷＭ信号を前記スイッチング素子に伝達したり遮断するオン／オフ回路、及び
   前記オン／オフ回路を制御する制御ユニット、
   を含んで構成されたことを特徴とするＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路。
2. 前記制御ユニットは、予め設定されているマップテーブルを用いて前記入力電圧と出力電圧に対応する遅延時間を決定し、前記オン／オフ回路を前記遅延時間だけ遅延させた後、オンにすることを特徴とする請求項１に記載のＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路。
3. 前記制御ユニットは、予め設定されているマップテーブルを用いて入力電圧と出力電圧に対応する基準誤差値を決定し、前記誤差増幅器から入力される誤差信号の誤差値が基準誤差値以上になれば、前記オン／オフ回路をオンにすることを特徴とする請求項１に記載のＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路。
4. 前記ＰＷＭ信号発生器は、三角波を発生する三角波発生器と、
   前記三角波と前記誤差信号とを比較してＰＷＭ信号を出力する比較器と、
   を含んで構成されたことを特徴とする請求項１に記載のＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路。
5. 前記ＰＷＭ信号発生器は、前記スイッチング素子から出力される電流値と前記誤差増幅器の誤差信号とを比較して出力する比較器と、
   ＰＷＭ基準クロックを生成するＰＷＭ基準クロック発生器と、
   前記ＰＷＭ基準クロックによってセットされ、前記比較器の出力によってリセットされてＰＷＭ信号を出力するフリップフロップと、
   を含んで構成されたことを特徴とする請求項１に記載のＤＣ／ＤＣコンバータの突入電流防止回路。

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