JP2005166894A - 有機薄膜トランジスタ、その製造方法および製造装置 - Google Patents

有機薄膜トランジスタ、その製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 移動度が良好で、素子のコンタクト性が良好で長期にわたり安定した性能を有する有機薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 第1基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、第2基板によって構成されている有機薄膜トランジスタであって、前記ソース電極およびドレイン電極の第2基板に対する付着力が第1基板に対する付着力よりも強い有機薄膜トランジスタ。第1基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜、ゲート電極、有機半導体膜を形成する工程、第2基板上にソース電極、ドレイン電極、保護膜を形成する工程、前記第1基板に形成された有機半導体膜の面と、第2基板に形成されたソース電極、ドレイン電極および保護膜の面とを重ね合わせる工程を有する有機薄膜トランジスタの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタ、その製造方法および製造装置に関する。特に、有機半導体膜とソース電極及びドレイン電極となる導体膜の形成に関する有機薄膜トランジスタに係る。
近年、有機半導体材料を用いた薄膜トランジスタ(以下、有機薄膜トランジスタを示す)の開発競争が加速している。有機材料を用いることでプロセスの低温化が図れ、低コストで大面積にトランジスタを形成できることが期待される。薄型ディスプレイや電子ペーパーの駆動回路、無線認証(RF−ID)のタグ、ICカードなどの応用展開が想定されている。技術的なレビューが幾つか存在する。(例えば、非特許文献1参照)
有機薄膜トランジスタの構造例を図3に示す。301は基板、302は導体膜からなるゲート電極、303はゲート絶縁膜、304は有機半導体膜、305はソース電極、306はドレイン電極である。
図3において、基板301には、例えばガラスエポキシ樹脂を用いることが出来る。この場合、ゲート電極302は導体膜をゲート電極形状にパターニング後、研磨による平坦化処理を行っている。さらにその上にゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極を形成し有機薄膜トランジスタを構成している。
有機薄膜トランジスタの構造は、基板に対し有機半導体膜の上にソース電極、ドレイン電極を形成するトップ電極構造(以下、TE構造)と、ゲート絶縁膜上にソース電極、ドレイン電極を形成した後に有機半導体膜を形成するボトム電極構造(以下、BE構造)が知られている。TE構造はゲート絶縁膜上にソース電極、ドレイン電極がないために、高品位の有機半導体膜を形成しやすいことから移動度がBE構造よりも高い傾向にある。一方、TE構造をとる事により、有機半導体膜の成膜領域を制限して下側の電極構造との接続を取ることになるため製造工程が複雑になるという欠点がある。
TE構造のソース電極及びドレイン電極を作る手法としてはマスク蒸着が知られている。これは、エッチングなどを利用してパターン形成したメタルマスクを基板近傍に配して、マスク上の開口部だけ選択して蒸着物質を付着させる手法である。しかしながら、真空中で昇華した高温蒸着物質の付着により有機半導体膜が変質する。また、概ね50μmを下回る微細パターンを形成するのが困難である。さらには真空プロセスであるため製造コストは高い。
印刷プロセスによるソース電極、ドレイン電極を使用することでコストダウンが可能である。従来技術としてスクリーン印刷による作成例がある(例えば、特許文献1参照)。また、ソフトコンタクト方式に関する報告がある(例えば、非特許文献2参照)。
薄膜トランジスタを有する集積回路デバイスを作る手法として、基板を分けてプロセスを分離する提案がある。例えば、特許文献2には、相互接続構造を形成する目的から第1基板と第2基板を設けて、第1基板に薄膜トランジスタの一部を形成し、第2基板に残りの部分を形成して、この2枚の基板を積層してTFTを有する集積回路デバイスを形成する提案がある。このように基板ごとにプロセスを分離することは印刷技術を利用してTE構造を作るという課題に対する解となりうる。
特開2002−204012号公報(第9頁) 特開2001−230421号公報(第4頁 C.D.Dimitrakopoulos 他、"Advanced Material"、「Organic Thin Film Transistors for Large Area Electronics」、2002年14、No.2、p.99−117 Jana Zaμmseil 他、"Journal of Applied Physics"、「Contact resistance in organic transistors that use source and drain electorodes formed by soft contact lamination」、Vol.93,No.10、2003年、p.6117−6124
しかしながら、上記の有機薄膜トランジスタでは、有機半導体膜を形成した基板とソース電極及びドレイン電極を形成した基板を貼り合せる製造方法により有機薄膜トランジスタを形成する際に、貼り合わせ圧力を加えすぎると素子が破壊したり、あるいは貼り合わせ圧力が不足するとコンタクト不良により寄生抵抗が増大して実効的な移動度が低下するという問題点がある。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、移動度が良好で、素子のコンタクト性が良好で長期にわたり安定した性能を有する有機薄膜トランジスタを提供するものである。
また、本発明は、プラスチック基板を用いた有機薄膜トランジスタを製造する上で印刷技術を利用して、移動度が良好で、素子のコンタクト性が良好なTE構造の有機薄膜トランジスタの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記の製造方法を実施する有機薄膜トランジスタの製造装置を提供するものである。
すなわち、本発明の第一の発明は、第1基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、第2基板によって構成されている有機薄膜トランジスタであって、前記ソース電極およびドレイン電極の第2基板に対する付着力が第1基板に対する付着力よりも強いことを特徴とする有機薄膜トランジスタである。
前記ソース電極およびドレイン電極の一方の面が第2基板と接しており、他方の面が有機半導体膜と接していることが好ましい。
前記保護膜が半固形物を含有することが好ましい。
また、本発明の第二の発明は、第1基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、第2基板によって構成されている有機薄膜トランジスタの製造方法であって、第1基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜、ゲート電極、有機半導体膜を形成する工程と、第2基板上にソース電極、ドレイン電極、保護膜を形成する工程と、前記第1基板に形成された有機半導体膜の面と、第2基板に形成されたソース電極、ドレイン電極および保護膜の面とを重ね合わせる工程を有することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法である。
前記第1基板に有機半導体膜を形成する成膜工程と、前記第1基板に形成された有機半導体膜の面と、第2基板に形成されたソース電極、ドレイン電極および保護膜の面とを重ね合わせる工程を連続的に行うことが好ましい。
さらに、本発明の第三の発明は、第1基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、第2基板によって構成されている有機薄膜トランジスタの製造装置であって、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ゲート電極が形成されている第1基板に有機半導体膜を形成する手段と、該第1基板と、ソース電極、ドレイン電極、保護膜が形成されている第2基板とを重ね合わせる手段とを有し、かつ前記第1基板への有機半導体膜の成膜と、第1基板と第2基板との重ね合わせを連続的に同一装置内で行うことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造装置である。
本発明は、移動度が良好で、素子のコンタクト性が良好で長期にわたり安定した性能を有する有機薄膜トランジスタを提供することができる。
また、本発明は、プラスチック基板を用いた有機薄膜トランジスタを製造する上で印刷技術を利用して、移動度が良好で、素子のコンタクト性が良好なTE構造の有機薄膜トランジスタの製造方法を提供することができる。
また、本発明は、上記の製造方法を実施する有機薄膜トランジスタの製造装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタは、第1基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、第2基板によって構成されている有機薄膜トランジスタであって、前記ソース電極およびドレイン電極の第2基板に対する付着力が第1基板に対する付着力よりも強いことを特徴とする。
上記の本発明の有機薄膜トランジスタを以下に示す。
ソース電極およびドレイン電極の第2基板に対する付着力が第1基板に対する付着力よりも強いということは、ソース電極とドレイン電極は第2基板をベースに印刷技術を用いて作成したことを意味する。第2基板に対して印刷プロセスを行うことで、第1基板側にある有機半導体膜に対するプロセス損傷を防止することが出来る。
さらには、半固形物からなる保護膜をソース電極とドレイン電極のない領域に選択的に配置し、この保護膜の量を適切に調整することで、密着力が不足して寄生抵抗が増えるようなことがなく、かつプレスによって過大なストレスが掛かることがない状態を実現することが出来る。つまり半固形物からなる保護膜を用いることで印刷技術によるTE構造のトランジスタを形成することができる。
TE構造のトランジスタはBE構造のトランジスタと比べ有機半導体膜の結晶性が良いことから移動度が向上し、ひいては遮断周波数やオン抵抗といったデバイス性能が大幅にアップすることになる。
以下、本発明を図面に基づいて説明する
本発明の有機薄膜トランジスタの構造例を図1に示す。101は第1基板、102は導体膜からなるゲート電極、103はゲート絶縁膜、104は有機半導体膜、105はソース電極、106はドレイン電極、107は保護膜、108は第2基板である。
本発明の有機薄膜トランジスタを製造する上では、第1基板101上に有機半導体膜104までの積層構造を作成し、第2基板108上にソース電極105、ドレイン電極106と保護膜107を形成する。第1基板101の有機半導体膜104の露出面と第2基板108のソース電極105、ドレイン電極106、保護膜107を接触させる形で、重ね合わせることにより本発明の有機薄膜トランジスタは完成する。
第2基板108上に作成する保護膜107は半固形物であり、ソース電極とドレイン電極のない領域に選択的に配置してあるため、第1基板の有機半導体膜と接触した際に、ソース電極とドレイン電極による凹凸を埋める形に変形する。このため、重ね合わせする際の加圧力が均等化するため、有機薄膜トランジスタに余分な応力がかかることがない。さらにはTE構造のトランジスタを形成すると同時に保護膜を形成することが出来る。
特許文献2と本発明の違いは、この保護膜107の有り無しである。本発明のように半固形物からなる保護膜107を設けずに貼り合わせによるTE構造を実現すると、積層時のストレスが大きいため十分な信頼性が得られないことになる。
上記の本発明におけるプロセスで形成した有機薄膜トランジスタでは、各層の付着力は第1基板を母材として積層したものと第2基板を母材として積層したもので異なる結果となる。例えば、本発明による有機薄膜トランジスタの第1基板と第2基板を剥離しようとすると、ソース電極及びドレイン電極は第2基板側に残留するようになる。換言すれば、ソース電極とドレイン電極の付着力が第1基板より第2基板の方が強いことになる。
第1基板および第2基板に対するソース電極とドレイン電極の付着力は、剥離による残膜率の多少で容易に比較することが可能である。なお第2基板上に形成した半固形物からなる保護膜は、元来付着力が弱いため、どちらの基板に多く残留するかは定量性がない。
電極形成に用いるペーストは貴金属を含むものを用いることで導電率を向上することが可能である。こうした材料では、粒径が大きく表面が起伏に富むため電極と有機半導体膜との接触面積が実効的に大きくなる。このため、接触抵抗は小さくなり、良好なオーミックコンタクトを得ることが可能になる。
電極形成に用いる貴金属を含むペーストは、インクジェット、スクリーン、オフセットなど向けに粘度を調整したもので出来るだけ粒径が小さいものが良い。さらには樹脂基板のガラス転移温度(Tg)よりも低い焼成温度で硬化する低温焼成型のペーストが良い。例えば、ハリマ化成のナノペースト、東洋紡のAgペーストDP120−H3、太陽インキ製造の導電性ペーストECM−100 AF4810などを用いることが出来る。
本発明におけるソース電極、ドレイン電極の形成に用いることが出来る印刷技術としては、インクジェット、スクリーン、オフセット、フレキソ、グラビアなどの方式を挙げることが出来る。また、近年技術開発が進んでいるソフトリソグラフィ技術やナノプリント技術も用いることが出来る。
有機半導体膜104までの積層構造を作成した第1基板側とソース電極105、ドレイン電極106と保護膜107を形成した第2基板側を貼り合わせる工程は、アライメントをかけながら精密に行うことが重要である。また、貼り合わせの際の雰囲気は特に規定するものではないが有機半導体膜の特性に変化が生じないよう調整したものであることは言うまでもない。従って、有機半導体膜の成膜工程と第2基板側との貼り合わせ工程は、同一の装置内で連続的に順次行う形態であることが望ましい。
ここで述べる「同一の装置内」とは、一連の操作がシーケンスを管理する同一の制御システムの傘下に置かれている状況を指している。つまり、成膜、加熱、ディスペンスなどの工程はそれぞれ専門装置があるため、それぞれが分離していても構わないが、一つのシーケンスに従って連続的に使用する場合には本発明の適応範囲にある。
また、「連続的に順次行う形態」とは、材料劣化を伴わない適切な期限内に生産されたものを順番に処理していくことを表している。本発明の実施例においては、ロール方式の生産装置の例を示しているが、バッチ処理式や枚葉処理式においても適用可能である。
本発明の保護膜では、第2基板上に半固形物からなる保護膜を形成する条件を調整することにより、保護膜がたれて余計な場所に付着したりすることがない。このため、素子作成のハンドリング性が大幅に向上し生産性が高まることになる。
保護膜として使用する半固形物としては、有機半導体膜と化学的に反応を生じない不活性な絶縁材料を用いる。また放出ガスが少なく、水分、大気、酸素に対し封止効果をもつものが良い。グリスやワニス、ゲルを用いることが出来る。具体的には、グリスであれば、シリコーン系グリス、フッ素系グリス(例えばテフロン(登録商標)を増ちょう材としたPTFEグリス)、炭化水素系グリス(例えばアピエゾングリス)などで、真空グリスとして用いられるものである。具体的には、ゲルであれば、ゼラチンやセルロース類、アミド類などが用いられる。
グリスは、それを構成する基材、増ちょう材、添加剤のうち、増ちょう材と添加剤が固体粒子である場合は、粒径が小さく微小な凹凸になじむものが、余分な応力を有機半導体膜に与えないという観点で好ましい。本発明に用いるグリスのちょう度は200から450が望ましく、さらには250から350が望ましい。
半固形物からなる保護膜の形成プロセスは、ディスペンスやインクジェット、スクリーンやオフセットといった各種印刷技術を用いることが出来る。また、近年技術開発が進んでいるソフトリソグラフィ技術やナノプリント技術も用いることが出来る。
本発明の保護膜は、前記の半固形物だけでなく複数の材料からなる積層物であっても良い。例えば、無機あるいは有機絶縁膜と前記の半固形物の組み合わせでも良い。この場合、無機あるいは有機絶縁膜と前記の半固形物を同じ領域に限定して成膜するのが困難である。そのため、半固形物からなる保護膜はソース電極、ドレイン電極のない領域に選択的に設けるが、無機あるいは有機の絶縁膜はソース電極、ドレイン電極と有機半導体膜の接触を妨げない場所に設けることになる。無機絶縁膜としては、例えば酸素透過性が低いSiO2 ,Al23 ,Ta25 などの酸化物や、Si34 などの窒化物を用いることが出来る。また、有機絶縁膜としてはポリビニルフェノール(PVP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンなどの絶縁性有機ポリマーを用いることも出来る。
また、保護膜は複数の材料からなる混合物であっても良い。例えば、吸湿材料と前記の半固形物の組み合わせでも良い。吸湿材料としては、炭酸カルシウム、合成ゼオライト、酸化バリウム、シリカゲル等を用いることが出来る。
また、保護膜は遮光性の高い物質からなる層を設けるか、混入する形としても良い。遮光性の高い物質が導電性である場合や層を設ける場合には、第2基板のソース電極、ドレイン電極がない側に設ける。
保護膜による封止能力を高める観点では、貼り合わせ後に周囲を接着して外気を遮断するのが効果的である。接着手段は特に規定するものではないが、有機半導体膜にダメージを与えないようにするためには、熱ストレスや接着による雰囲気変化などに留意する必要がある。UV硬化樹脂等の各種接着剤を適宜使用すれば良く、当該業者には容易に選定できるものである。
本発明の第1基板としては、シリコンウエハやガラスなどの無機材料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの高分子材料などから選択することが可能である。基板に要求される項目としては、平坦性、強度、耐熱性、熱膨張係数、コストなどの観点から適宜用途に応じて選択することが可能である。
本発明の第2基板としては、各種高分子材料を用いることが出来る。例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、二軸延伸ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどである。また、酸素バリア性を向上させるため塩化ビニリデンを被覆したものや、遮光性を向上させるためアルミニウムを蒸着したものを用いても良い。その際は、有機半導体膜と接する面を絶縁材料とすれば良い。
また本発明の第2基板としては、保護膜との密着力を調整するため、保護膜と接する面に対しては親保護膜性を、保護膜と接しない面に対しては疎保護膜性を付与することが重要である。調整手段としては、プラズマ処理、オゾン処理、UV処理などの各種表面処理を行うことや、接着層などの新たな機能付加を行うことが出来る。
第2基板に対してソース電極、ドレイン電極、保護膜を形成するプロセスの順は、電極が先でも保護膜が先でもよい。保護膜を先に形成する場合には、膜厚や材質を調整することで電極を形成する際の親疎水性塗り分けの効果をもたらすことが可能である。
本発明における第2基板と保護膜の違いは、第2基板が基材として単独で形状を保持しうるのに対し、保護膜は基材の存在なしに形状を保持できないという違いで分離することにする。換言すれば第2基板と保護膜とでは厚さが異なり、材質により異なるが、第2基板は概ね25μmよりも厚いものを、保護膜は25μmより薄いものが好ましい。
また、本発明の第1基板は、2枚の第2基板を用いて挟み込むことが出来る(図11)。この場合、ラミネートとして知られる熱溶着を行うことが可能になる。
本発明の有機半導体膜としては、ペンタセン、テトラセン、アントラセンなどのπ共役電子を持つオリゴマーやポリチオフェン、ポリアセン、ポリアセチレン、ポリアニリン等の有機半導体ポリマーなどから適宜選択することが可能である。
本発明のゲート絶縁膜としてはSiO2 ,Al23 ,Ta25 などの無機酸化物や、Si34 などの窒化物を用いることが出来る。ゲート絶縁膜は、オン抵抗を下げ、ドレイン電流を増大するためには高誘電率材料であることが望ましい。また、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンなどの絶縁性有機ポリマーを用いることも出来る。
本発明のゲート電極、ソース電極、ドレイン電極としては、金、銀、白金などの貴金属や銅、アルミニウムなど導電率が高い材料を含む導電性ペースト材料を用いることが出来る。また、導電性ポリマーを用いてこれらの電極を形成することも出来る。粘度を印刷に適した範囲に調合するために、バインダーとしてポリエステルなどのポリマーや希釈溶剤などを適宜混合することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの動作手順は図3に示した従来のものと同じである。すなわち、ソース電極を接地し、ドレイン電極にドレイン電圧Vddを印加した状態で、ゲート電極にしきい値電圧Vthを超える電圧を印加する。この時、ゲート電極からの電界によって有機半導体膜の導電率が変化し、ソース電極とドレイン電極間に電流が流れる。ゲート電圧によってスイッチのようにソース電極とドレイン電極間の電流をオンオフすることが出来る。
図4から10は、本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法を示す模式図である。図4において、401は基板(第1基板)、402は導体膜である。基板401と導体膜402は、例えばガラスエポキシ基板と銅箔の組み合わせで一体となったものがプリント回路基板として流通しており、今回は基板厚さ0.2mm、導体膜である銅箔の膜厚35μmのものを使用した。また、基板に対し両面に導体膜を配した形態のものが多いが、本発明の説明上不要なため省略している。
次に、導体膜に対しパターニングを施し所望のゲート形状に加工する。加工手段としてはドライフィルムを利用したリソグラフィ技術によるマスク形成と、導体膜のウエットエッチングによる形状転写を用いることが出来る。図5は配線形状に加工した後の状態を示す。402がゲート電極となる導体膜である。ウエットエッチ後に、この導体膜部分を化学機械研磨CMPで研磨を行い、本発明を実施する上で必要な表面荒さの調整を行う。
図6は、ゲート電極となる導体膜402上にゲート絶縁膜403を形成した状態を示す。ゲート絶縁膜403の形成にはマグネトロンスパッタを用いた。成膜領域はシャドーマスクで規定する。材料はAl2O3である。膜厚は250nmである。
図7は、ゲート絶縁膜403上に有機半導体膜404を形成した状態を示す。有機半導体膜404の形成には蒸着を用いた。成膜領域はシャドーマスクで規定する。材料は昇華精製したペンタセンである。膜厚は150nmである。
図8は、第2基板408と接するようにソース電極405とドレイン電極406を設けた状態を示す。第2基板408はポリエチレンで厚さは150μmである。ソース電極405およびドレイン電極406の形成にはスクリーン印刷を用いた。材料は銀80%含有のペーストである。膜厚は4000nmである。代表的なゲート長、ゲート幅はそれぞれ400μm、4mmである。スクリーン印刷後にクリーンオーブンで150℃、1時間の熱処理を行い銀ペーストを焼成した。焼成後の比抵抗は2×10-5Ωcmである。
図9は、ソース電極405とドレイン電極406を設けた第2基板408上に保護膜407をソース電極405とドレイン電極406のない領域に塗布した状態を示す。保護膜407はソース電極405とドレイン電極406の間隔を完全に埋め尽くすのではなく隙間を残して塗布されている。保護膜407は信越シリコーンのシリコン真空グリスで、重ね合わせ前の厚さは20μmである。また、保護膜407の塗布にはディスペンサを用いた。
図10は、有機半導体膜404を覆うようにソース電極405、ドレイン電極406および保護膜407および第2基板408を重ね合わせした後の状態を示す。重ね合わせ後は図10に示すように、保護膜407は半固形物であることから変形しながら有機半導体膜404およびソース電極405、ドレイン電極406が形成する起伏を埋める。このため、重ね合わせ時の印加圧力が特定の電極部分に集中することがないため、有機半導体膜に対して低い応力しかかからない。しかも、電極形成に用いる貴金属を含むペーストは粒径が大きく起伏に富むため電極と有機半導体膜との接触面積が実効的に大きい。このため、接触抵抗は小さくなり、良好なオーミックコンタクトが得られる。従って、半導体素子としての特性を損なうことや、素子の破壊をまねくことなくTE構造のトランジスタを形成することが可能になる。TE構造の有機薄膜トランジスタはBE構造のものと比べ有機半導体膜の結晶成長を阻害する要因がゲート絶縁膜上にないため高品位の有機半導体膜が得られ、結果として高い移動度を持つ良好なトランジスタ特性が得られる。さらには保護膜407により封止効果が得られるため雰囲気に敏感な有機半導体膜が外気にさらされることがなくなり、素子の特性が安定化する。
図5の研磨工程まで終了した基板は、カードサイズ(86mm×54mm)に切り出される。この基板を図6以降の工程を行ってトランジスタ素子を完成させた。完成後にトランジスタ素子のDC特性を半導体パラメータアナライザ(HP4155B)で測定した。テストに用いたパターン形状は、同一サイズのトランジスタ素子が切り出した1枚の基板上に120個並ぶものである。
移動度は、下記の式(1)に従って算出した。
Figure 2005166894
ここで、Ciはゲート絶縁膜の1×1cm2 の静電容量である。W、Lはそれぞれ実施例で示したチャネル長およびチャネル幅である。移動度はcm2/Vsで示すことができる。
その結果、移動度が概ね0.7cm2 /Vsの優れたトランジスタ特性が得られた。また、長期にわたり安定したトランジスタ特性が得られたことで有機半導体膜が大気にさらされることなく封止が効いていることを確認できた。
TE構造の実現手段を確認する意図から、出来上がったカードサイズ基板上のトランジスタ素子を第1基板側と第2基板側に引き剥がす実験を行った。ソース電極及びドレイン電極は第2基板上に形成したことから、引き剥がした後も第2基板上にこれらの電極と電極の残骸が多数残ることが確認された。従って,ソース電極およびドレイン電極の第2基板に対する付着力が第1基板に対する付着力よりも強いことを実験的に確認することが出来た。
比較例1
比較例として、ソース電極及びドレイン電極がBE構造である点以外は条件を揃えた素子を作成し、トランジスタ素子のDC特性の評価を行った。BE構造であるトランジスタを作成する場合には,ゲート絶縁膜を成膜後、ソース電極及びドレイン電極をゲート絶縁膜上にスクリーン印刷で作成した。次に有機半導体膜としてペンタセンを成膜した後、第2基板上に保護膜として真空グリスを塗布したものを保護膜と有機半導体膜が接するように重ね合わせて素子を完成させた。
その結果、移動度が概ね0.2cm2 /Vsに揃ったトランジスタ特性が得られた。封止効果によりトランジスタ特性のばらつきは少ないものの、BE構造であるため移動度がTE構造の半分以下となった。トランジスタ特性が現行普及しているアモルファスシリコンよりはるかに劣るため、使用できるアプリケーションが限定されることが予想される。
第1基板101を2枚の第2基板108,109で挟み込んでラミネートする以外には実施例1と同じ構成で作成した有機薄膜トランジスタの評価を行った。断面模式図は図11である。第2基板108,109はポリエチレン・ポリエステル・EVAからなる150μm厚のフィルムを用いた。第2基板108は、ソース電極105とドレイン電極106をあらかじめスクリーン印刷で形成し、150℃、1時間のクリーンオーブン加熱を施したものを使用している。半固形物である真空グリス107をディスペンスし、70℃でクリーンオーブン加熱をして第2基板側に対する密着力を上げている。また、周囲にはグリスが付着しない領域を設けてヒートシールが可能な構造としている。
実施例1と同様にして薄膜トランジスタ素子を作成した。ラミネートには市販されているラミネータ(株式会社アスカ製、Asmix)を用いた。静特性を半導体パラメータアナライザで測定した。第2基板108上にソース電極とドレイン電極を形成し貼り合せによってTE構造を実現したトランジスタ素子では、移動度が概ね0.7cm2 /Vsの優れたトランジスタ特性が得られた。
TE構造の実現手段を確認する意図から、出来上がったカードサイズ基板上のトランジスタ素子を第1基板と2枚の第2基板に引き剥がす実験を行った。実施例1と異なり、ヒートシールにより2枚の第2基板を接着していることから、第2基板同士を分離することで、第1基板からの引き剥がしは容易に行うことが出来た。ソース電極及びドレイン電極は第2基板108上に形成したことから、引き剥がした後も第2基板108上にこれらの電極と電極の残骸が多数残ることが確認された。従って,ソース電極およびドレイン電極の第2基板に対する付着力が第1基板に対する付着力よりも強いことを実験的に確認することが出来た。
比較例2
ソース電極及びドレイン電極がBE構造である点以外は実施例2と条件を揃えた素子を作成し、トランジスタのDC特性を比較した。BE構造であるトランジスタを作成する場合には,ゲート絶縁膜を成膜後、ソース電極及びドレイン電極をゲート絶縁膜上にスクリーン印刷で作成した。次に有機半導体膜としてペンタセンを成膜した後、第2基板上に保護膜として真空グリスを塗布したものを保護膜と有機半導体膜が接するように重ね合わせてトランジスタを形成する。さらにラミネート処理を実施例2と同様に行い素子を完成させた。その結果、移動度が概ね0.2cm2 /Vsに揃ったトランジスタ特性が得られた。封止効果によりトランジスタ特性のばらつきは少ないものの、BE構造であるため移動度がTE構造の半分以下となった。トランジスタ特性が現行普及しているアモルファスシリコンよりはるかに劣る結果となった。
保護膜として、絶縁膜と前記半固形物である真空グリスとの組み合わせからなる積層物とした以外には実施例1と同じ構成で作成した有機薄膜トランジスタの評価を行った。絶縁膜は無機酸化物である1μm厚のSiO2 である。第2基板はポリエチレン・ポリエステル・EVAからなるフィルムで厚さは150μmである。この第2基板に対して、マグネトロンスパッタ装置を用いてSiO2 膜をリアクティブスパッタで成膜した。Arに対する酸素の混合比は5%、放電圧力は0.4Paである。さらに第2基板108は、ソース電極105とドレイン電極106をスクリーン印刷で形成し、150℃1時間のクリーンオーブン加熱を施したものを使用している。
実施例1と同様にして薄膜トランジスタ素子を作成した。断面模式図は図12であり、実施例1の図1と比べ酸素バリア膜SiO2 (図12の絶縁膜110)と真空グリス(図12の107)の積層構造となっている。トランジスタの静特性を半導体パラメータアナライザで測定した。第2基板108上にソース電極とドレイン電極を形成し貼り合せによってTE構造を実現したトランジスタ素子では、移動度が概ね0.7cm2 /Vsの優れたトランジスタ特性が得られた。
比較例3
ソース電極及びドレイン電極がBE構造である点以外は実施例3と条件を揃えた素子を作成し、トランジスタのDC特性を比較した。BE構造であるトランジスタを作成する場合には,ゲート絶縁膜を成膜後、ソース電極及びドレイン電極をゲート絶縁膜上にスクリーン印刷で作成した。次に有機半導体膜としてペンタセンを成膜した後、第2基板上に保護膜として真空グリスを塗布したものを保護膜と有機半導体膜が接するように重ね合わせて素子を完成させた。その結果、移動度が概ね0.2cm2 /Vsに揃ったトランジスタ特性が得られた。封止効果によりトランジスタ特性のばらつきは少ないものの、BE構造であるため移動度がTE構造の半分以下となった。トランジスタ特性が現行普及しているアモルファスシリコンよりはるかに劣る結果となった。
保護膜として、複数の異なる材料の混合物とした以外には実施例1と同じ構成で作成した有機薄膜トランジスタについて、保護膜のありなしによる重ね合わせ後のトランジスタ特性の評価を行った。第2基板108は、ソース電極105とドレイン電極106をあらかじめスクリーン印刷で形成し、150℃、1時間のクリーンオーブン加熱を施したものを使用している。混合物は、吸湿材料である炭酸カルシウムと前記半固形物である真空グリスからなる。信越シリコーン製の真空グリス中に炭酸カルシウムを10wt%混入し、充分に攪拌したものをディスペンスし、70℃で窒素雰囲気中で加熱をして第2基板側に対する密着力を上げている。
実施例1と同様にして薄膜トランジスタ素子を作成した。断面模式図は図13であり、実施例1の図1と比べ吸湿材料である炭酸カルシウム(図13の111)が半固形物である真空グリス中に追加されている。トランジスタの静特性を半導体パラメータアナライザで測定した。第2基板108上にソース電極とドレイン電極を形成し貼り合せによってTE構造を実現したトランジスタ素子では、移動度が概ね0.7cm2 /Vsの優れたトランジスタ特性が得られた。
比較例4
ソース電極及びドレイン電極がBE構造である点以外は実施例4と条件を揃えた素子を作成し、トランジスタのDC特性を比較した。BE構造であるトランジスタを作成する場合には,ゲート絶縁膜を成膜後、ソース電極及びドレイン電極をゲート絶縁膜上にスクリーン印刷で作成した。次に有機半導体膜としてペンタセンを成膜した後、第2基板上に保護膜として真空グリスを塗布したものを保護膜と有機半導体膜が接するように重ね合わせて素子を完成させた。その結果、移動度が概ね0.2cm2 /Vsに揃ったトランジスタ特性が得られた。封止効果によりトランジスタ特性のばらつきは少ないものの、BE構造であるため移動度がTE構造の半分以下となった。トランジスタ特性が現行普及しているアモルファスシリコンよりはるかに劣る結果となった。
第2基板に対し遮光性を向上するためにAlを成膜した以外には実施例1と同じ構成で作成した有機薄膜トランジスタについて、保護膜のありなしによる重ね合わせ後のトランジスタ特性の評価を行った。第2基板はポリエチレン・ポリエステル・EVAからなるフィルムで厚さは150μmである。この第2基板に対して、保護膜を形成しない面に対して0.3μmのAl膜をマグネトロンスパッタ装置を用いて成膜した。成膜後の第2基板の透過率測定を350−1100nmの波長域で行うと5%以下であり全反射状態であった。第2基板108は、ソース電極105とドレイン電極106をあらかじめスクリーン印刷で形成し、150℃、1時間のクリーンオーブン加熱を施したものを使用している。
実施例1と同様にして薄膜トランジスタ素子を作成した。断面模式図は図14であり、実施例1の図1と比べAl遮光膜(図14の112)が追加されている。トランジスタの静特性を半導体パラメータアナライザで測定した。第2基板108上にソース電極とドレイン電極を形成し貼り合せによってTE構造を実現したトランジスタ素子では、移動度が概ね0.7cm2 /Vsの優れたトランジスタ特性が得られた。
比較例5
ソース電極及びドレイン電極がBE構造である点以外は実施例5と条件を揃えた素子を作成し、トランジスタのDC特性を比較した。BE構造であるトランジスタを作成する場合には,ゲート絶縁膜を成膜後、ソース電極及びドレイン電極をゲート絶縁膜上にスクリーン印刷で作成した。次に有機半導体膜としてペンタセンを成膜した後、第2基板上に保護膜として真空グリスを塗布したものを保護膜と有機半導体膜が接するように重ね合わせて素子を完成させた。その結果、移動度が概ね0.2cm2 /Vsに揃ったトランジスタ特性が得られた。封止効果によりトランジスタ特性のばらつきは少ないものの、BE構造であるため移動度がTE構造の半分以下となった。トランジスタ特性が現行普及しているアモルファスシリコンよりはるかに劣る結果となった。
図2は本発明の保護膜形成プロセスをインラインで行う製造装置の模式図である。この装置ではラミネート用ヒータによりラミネートを行っているが熱溶着は本発明において必須ではない。図2において、500は真空チャンバ、501は巻きだしロール、502は巻き取りロール、503はあいし巻きだしロール、504はあいし巻取りロール、505は図7の工程まで終了した第1基板、506は基板ヒータ、507は膜厚モニタ、508はラミネータ用ヒータ、509は成膜シャッタ、510と511は防着板、512は蒸着ソース、513は第2基板の巻きだしロール、514と515はテンションローラ、516は第2基板用のラミネートローラ、517は第2基板である。本例においては第2基板517は既にソース電極、ドレイン電極、半固形物からなる保護膜が既に形成された状態で巻き取られている。
真空チャンバ500は図示しない真空排気用ポンプおよびバルブを通して、大気圧より低い真空度に保たれており、図7の工程まで終了した第1基板505は巻きだしロール501から巻き取りロール502へ向けて一定速度で搬送される。このとき、テンションローラ514,515が、第1基板の張り具合を調節する。また、基板面へのきず防止のためのあいしはあいし巻きとりローラ503に巻き取られる。
真空チャンバ内500は図示しないゲートバルブを通りぬけて、防着板510,511で覆われた成膜空間へと導かれる。成膜空間の真空度は2×10-4Paに保たれており、そこでは、必要なタイミングに応じてシャッタ509があけられ、蒸着源512から発生した有機半導体粒子が第1基板に付着する。成膜に際しては基板ヒータ506がオンになっており、所望の温度に基板をコントロールする。ペンタセンを用いて成膜をおこなった。蒸着速度は、膜厚モニタで管理されており、蒸着速度は毎秒0.9Å、基板温度は50℃である。成膜したペンタセンの総膜厚は70nmである。
次に有機半導体膜の成膜が終了した基板505はラミネート用ヒータ508の近くを通り、第2基板の巻きだしローラ513から供給された第2基板517とともに密着ローラ516を通り抜け、圧着される。ラミネートヒータによる加熱で2枚の基板は溶着する。溶着後の基板は最終的には巻き取り前にあいし巻きだしローラ504から排出されてラミネートが終了して第1基板と第2基板が合体したものと一緒に巻き取りローラ502に巻き取られて工程が終了する。有機半導体膜は一切大気に触れることがなく、またラミネートの際にエアをかむこともなく本工程を経るとスムーズに実装工程へまわすことが可能になる。
本発明は、図1の構造に基づいて説明がなされているが、この構造のみに適用されるものではない。広く同じ課題に直面するケースに適用可能である。また、フィールド絶縁膜や保護膜やコンタクトビアなど本発明と直接関係ない部分について省略してある。
本発明の有機薄膜トランジスタは、移動度が良好で、素子のコンタクト性が良好で長期にわたり安定した性能を有するので、薄型ディスプレイや電子ペーパーの駆動回路、無線認証(RF−ID)のタグ、ICカードなどの有機薄膜トランジスタとして利用することができる。
また、本発明の製造方法は、プラスチック基板を用いた有機薄膜トランジスタを製造する上で印刷技術を利用して、移動度が良好で、素子のコンタクト性が良好なTE構造の有機薄膜トランジスタを安価に製造する方法として利用することができる。
また、本発明の製造装置は、上記の製造方法を実施する装置として利用することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。 本発明の実施例6に示す有機薄膜トランジスタの製造装置を示す模式図である。 従来技術の有機薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図である。 本発明の実施例2に示す有機薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。 本発明の実施例3に示す有機薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。 本発明の実施例4に示す有機薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。 本発明の実施例5に示す有機薄膜トランジスタの構造を示す模式図である。
符号の説明
101 基板
102 導体膜からなるゲート電極
103 ゲート絶縁膜
104 有機半導体膜
105 ソース電極
106 ドレイン電極
107 保護膜
108 第2基板
109 第2基板
110 絶縁膜
111 吸湿材料
112 遮光膜
301 基板
302 導体膜からなるゲート電極
303 ゲート絶縁膜
304 有機半導体膜
305 ソース電極
306 ドレイン電極
401 基板
402 ゲート電極となる導体膜
403 ゲート絶縁膜
404 有機半導体膜
405 ソース電極
406 ドレイン電極
407 保護膜
408 第2基板
500 真空チャンバ
501 巻きだしロール
502 巻き取りロール
503 あいし巻取りロール
504 あいし巻だしロール
505 図7の工程まで終了した第1基板
506 基板ヒータ
507 膜厚モニタ
508 ラミネータ用ヒータ
509 成膜シャッタ
510 防着板
511 防着板
512 蒸着ソース
513 第2基板の巻きだしロール
514 テンションローラ
515 テンションローラ
516 第2基板用のラミネートローラ
517 ソース電極、ドレイン電極、保護膜が形成された第2基板

Claims (6)

  1. 第1基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、第2基板によって構成されている有機薄膜トランジスタであって、前記ソース電極およびドレイン電極の第2基板に対する付着力が第1基板に対する付着力よりも強いことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  2. 前記ソース電極およびドレイン電極の一方の面が第2基板と接しており、他方の面が有機半導体膜と接していることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記保護膜が半固形物を含有することを特徴とする請求項1記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 第1基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、第2基板によって構成されている有機薄膜トランジスタの製造方法であって、第1基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜、ゲート電極、有機半導体膜を形成する工程と、第2基板上にソース電極、ドレイン電極、保護膜を形成する工程と、前記第1基板に形成された有機半導体膜の面と、第2基板に形成されたソース電極、ドレイン電極および保護膜の面とを重ね合わせる工程を有することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記第1基板に有機半導体膜を形成する成膜工程と、前記第1基板に形成された有機半導体膜の面と、第2基板に形成されたソース電極、ドレイン電極および保護膜の面とを重ね合わせる工程を連続的に行うことを特徴とする請求項4記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 第1基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極、保護膜、第2基板によって構成されている有機薄膜トランジスタの製造装置であって、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ゲート電極が形成されている第1基板に有機半導体膜を形成する手段と、該第1基板と、ソース電極、ドレイン電極、保護膜が形成されている第2基板とを重ね合わせる手段とを有し、かつ前記第1基板への有機半導体膜の成膜と、第1基板と第2基板との重ね合わせを連続的に同一装置内で行うことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造装置。
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