JP2019153653A - 有機半導体装置 - Google Patents

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友英 村瀬
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Abstract

【課題】製造において工数が少なく、装置全体の厚みが抑えられた有機半導体装置を提供することを課題とする。【解決手段】p型有機半導体を用いたpチャンネル型有機薄膜トランジスタと、n型有機半導体を用いたnチャンネル型有機薄膜トランジスタを備え、pチャンネル型有機薄膜トランジスタとnチャンネル型有機薄膜トランジスタが相補型集積回路を構成する有機半導体装置において、前記p型有機半導体とn型有機半導体とが共通のゲート絶縁膜に対して同じ側に位置し、かつ、前記p型有機半導体が有機半導体ポリマーを含有する、有機半導体装置により、課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は有機材料を用いた、相補型集積回路を構成する有機半導体装置に関する。
p型トランジスタとn型トランジスタによって構成されるアナログ回路やディジタル回路といった相補型集積回路は、エネルギー効率が高く小型化に有利なため、現在のエレクトロニクス技術には欠かせないものとなっている。これらの相補型集積回路を安価に製造するために、有機半導体材料を用いた半導体装置によって相補型集積回路を構成することが検討されている。例えばp型トランジスタとn型トランジスタの各チャネルを有機半導体膜によって構成した相補型集積回路が特許文献1および非特許文献1に提案されている。
非特許文献1に示された従来の相補型集積回路の模式図を図1に示す。従来の相補型集積回路の製造方法は、基板1上に下地層2を積層し、その上にソース電極6およびドレイン電極7、バンク8を形成後にn型有機半導体層3を成膜し、アニールした後、ゲート絶縁膜9aを形成してゲート電極4を設け、ゲート絶縁膜9aを再度形成後に、ソース電極6およびドレイン電極7、バンク8を形成し、その後p型有機半導体層5を成膜し、再度アニールを行う。そのため、n型半導体層及びp型半導体層が、ゲート絶縁膜を挟んで、装置の厚さ方向に積層する構成となっている。
特開2005−150641号公報
Advanced Electronic Materials, Volume 4, Issue 1,2018,1700313
有機半導体材料を用いて作製されるアナログ回路やディジタル回路といった有機相補型集積回路においては、p型有機半導体の耐熱性が十分ではないことから、p型有機半導体のアニール温度と、n型有機半導体のアニール温度とが大きく異なっている。そのため、製造の際には、まずアニール温度が高い側(通常はn型であることが一般的である)の半導体を成膜してアニールした後に、もう一方の側の半導体を成膜してアニールすることが行われていた。そのため、図1に示すような構成となり、製造する際の工数が多くなる。また、膜の数が増えることから装置全体の厚みが厚くなる傾向にあった。
本発明は上記問題を解決するものであり、製造において工数が少なく、装置全体の厚みが抑えられた有機半導体装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、p型有機半導体が特定の構造を有する有機半導体ポリマーを含むことで、n型有機半導体とほぼ同様の温度でアニール処理が可能となることから、ゲート電極及びゲート絶縁膜に対して同じ側にp型及びn型の有機半導体層を形成することが可能となり、その結果、製造の際の工数を削減することが可能となり、さらには有機半導体装置の厚みを抑制することが可能となることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下の要旨を含む。
[1]p型有機半導体を用いたpチャンネル型有機薄膜トランジスタと、n型有機半導体を用いたnチャンネル型有機薄膜トランジスタを備え、pチャンネル型有機薄膜トランジスタとnチャンネル型有機薄膜トランジスタが相補型集積回路を構成する有機半導体装置にお
いて、
前記p型有機半導体とn型有機半導体とが共通のゲート絶縁膜に対して同じ側に位置し、かつ、前記p型有機半導体が有機半導体ポリマーを含有する、有機半導体装置。
[2]前記有機半導体ポリマーがドナーアクセプタ型の有機半導体ポリマーを含む、[1]に記載の有機半導体装置。
[3]前記ドナーアクセプタ型の有機半導体ポリマーが、下記のいずれかの構造を含む、[2]に記載の有機半導体装置。
Figure 2019153653
(式中Arは、置換基を有してもよい、芳香環及び複素芳香環から選択され、Rは置換基を有してもよいアルキル基を表す。Xは炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、窒素(N)及びリン(P)から選択される。)
[4]pチャンネル型有機薄膜トランジスタのソース電極、pチャンネル型有機薄膜トランジスタのドレイン電極、nチャンネル型有機薄膜トランジスタのソース電極、nチャンネル型有機薄膜トランジスタのドレイン電極がボトムコンタクト構造で配置され、上記4つの電極表面が一種類以下の表面修飾物質で修飾されている、[1]〜[3]のいずれかに記載の有機半導体装置。
[5]p型有機半導体を用いたpチャンネル型有機薄膜トランジスタと、n型有機半導体
を用いたnチャンネル型有機薄膜トランジスタを備え、pチャンネル型有機薄膜トランジ
スタとnチャンネル型有機薄膜トランジスタが相補型集積回路を構成する有機半導体装置において、
前記p型有機半導体とn型有機半導体とが、2層のゲート絶縁膜に挟まれ、かつ、該ゲート絶縁膜のうち少なくとも1層のゲート絶縁膜を共有しており、
前記p型有機半導体が有機半導体ポリマーを含有する、有機半導体装置。
[6]p型有機半導体およびn型有機半導体を同一の表面に塗工した後、p型及びn型有機半導体を同時に熱処理するアニール工程、を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の有機半導体装置の製造方法。
本発明によれば、ゲート電極及びゲート絶縁膜に対して同じ側に両有機半導体を形成することが可能となるため、厚さが抑えられた有機半導体装置を提供できる。また、製造工数を削減することが可能な、有機半導体装置の製造方法を提供できる。
従来の方法で製造した有機半導体装置の模式図を示す。 本発明の一実施形態にかかる有機半導体装置の模式図を示す。 本発明の一実施形態にかかる有機半導体装置の模式図を示す。 本発明の一実施形態にかかる有機半導体装置の模式図を示す。 実施例1で製造した有機薄膜トランジスタの評価結果を示す。 実施例1で製造した相補型集積回路の評価結果を示す。 実施例2で製造した有機薄膜トランジスタの評価結果を示す。 実施例2で製造した相補型集積回路の評価結果を示す。
以下、本発明について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
図2に、本発明の一実施形態に係る有機半導体装置である有機薄膜トランジスタ10を示す。
有機薄膜トランジスタ10は、基板11と下地層12との積層体上に、n型有機半導体層13とp型有機半導体層15とが同一表面上に形成され、その後ゲート絶縁膜が積層される。すなわち、n型有機半導体層とp型有機半導体層とが共通のゲート絶縁膜に対して同じ側に位置する構成を有する。
基板11は、典型的には樹脂基板やガラス基板である。樹脂基板としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーン、エポキシ、アクリル、パリレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。基板の形状は特に限定されず、フィルム状、板状、シート状などの形状であってよい。
基板11の厚みは特段限定されず、有機薄膜トランジスタを搭載するデバイスに応じ適宜設定されるが、通常1μm以上であり、3μm以上であってよく、5μm以上であってよく、また通常10mm以下であり、5mm以下であってよく、1mm以下であってよい。
下地層12は絶縁性を有する膜であり得る。基板11が絶縁性能を有し、十分に平坦性が担保できる場合には、下地層は存在しなくてもよい。下地層は絶縁性を有する樹脂であればよく、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、シリコーン樹脂ポリイミド樹脂などの硬化性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノールなどの熱可塑性ポリマー、CYTOP(登録商標)、テフロン(登録商標)などのフッ素系ポリマーなどが挙げられるがこれらに限定されない。
下地層12を設ける場合、その厚さは特段限定されず、通常50nm以上であり、100nm以上であってよく、また通常10μm以下であり、5μm以下であってよい。
n型有機半導体層13は、n型半導体として機能し得る有機半導体から形成され、既知のものを用いることができる。例えば、フラーレン(C60)、PCBMなどのフラーレン誘導体、ペリレンカルボン酸ジイミドおよびその誘導体、フッ素化フタロシアニン、パーフルオロ化ペンタセン、シアノスチルベン、シアノパラフェニレンビニレン、ビスチアゾール系誘導体、チオフェンオリゴマー誘導体、ITICなどの非フラーレン型アクセプタなどが挙げられる。
n型有機半導体層13の厚みは特段限定されず、通常5nm以上であり、8nm以上であってよく、10nm以上であってよく、また通常100nm以下であり、50nm以下であってよく、30nm以下であってよい。
p型有機半導体層15は、p型半導体として機能し得る有機半導体から形成され、本実施形態では、ドナーアクセプタ型の有機半導体ポリマーであることが好ましく、以下のいずれかの構造を含むことがより好ましい。なお、同一分子内に電子供与性部位(ドナー)と電子求引性部位(アクセプタ)を有する有機半導体ポリマーをドナー・アクセプタ型有機半導体ポリマーと呼ぶ。
Figure 2019153653
式中Arは置換基を有してもよい、芳香環及び複素芳香環から選択され、好ましくは、炭素数2〜6の芳香環、(N−S−N)構造を含むチアジアゾール誘導環である。Xは炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、窒素(N)、リン(P)などを表す。
式中Rは置換基を有してもよいアルキル基を表し、通常炭素数が3以上、好ましくは6以上、より好ましくは10以上である。また、通常炭素数は30以下であり、好ましくは25以下である。Rが有してもよい置換基はハロゲン、水酸基、アミノ基、スルホニル基
、エーテル結合を有する基であり得る。
本実施形態において有機半導体装置は、n型有機半導体層とp型有機半導体層とが共通のゲート絶縁膜に対して同じ側に位置する構成を有する。好ましくは、n型有機半導体層13とp型有機半導体層15とが同一表面上に形成される。
従来、有機半導体層の製造において、p型有機半導体の耐熱性が十分ではないことから、p型有機半導体のアニール温度と、n型有機半導体のアニール温度とが大きく異なっており、両有機半導体を一度に熱処理することができなかった。本実施形態では、耐熱性に優れた有機半導体ポリマーをp型半導体として用いることで、p型有機半導体とn型有機半導体を一度に熱処理することが可能となり、n型有機半導体層とp型有機半導体層とが共通のゲート絶縁膜に対して同じ側に位置する構成とすることが可能となった。
p型有機半導体として用いるポリマーの分子量は特段限定されないが、通常1,000以上であり、2,000以上であってよい。また、1,000,000以下であり、500,000以下であってよい。p型有機半導体の耐熱性は、n型有機半導体と一度にアニール処理できる程度の耐熱性であれば特段問題ないが、n型有機半導体の耐熱性と同等かそれを上回ることが好ましい。有機半導体の耐熱性は5%質量減少温度で評価出来、p型半導体ポリマーの耐熱性とn型半導体ポリマーの耐熱性との差が±50℃以内であることが好ましく、±30℃以内であることが好ましい。
p型有機半導体層13の厚みは特段限定されず、通常5nm以上であり、8nm以上であってよく、10nm以上であってよく、また通常100nm以下であり、50nm以下であってよく、30nm以下であってよい。また、p型半導体ポリマーを印刷する際のインクには、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーン、エポキシ、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、異なる有機半導体ポリマーなどの他のポリマー成分を含んでよい。添加されるポリマーの成分比率はインク全量に対し通常1質量%以上、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、通常99%質量以下、好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは97質量%以下である。
n型有機半導体層13と、p型有機半導体層15を印刷する領域を囲むように有機半導体層の形成領域を画定するためのバンク18が設けられる。バンク18は通常、疎水性の樹脂材料、例えばCYTOP(登録商標)、テフロン(登録商標)などから形成され得る。
n型有機半導体層13及びp型有機半導体層15には、有機薄膜トランジスタに必要なソース電極16、ドレイン電極17が設けられる。
ソース電極16、ドレイン電極17は、有機半導体装置において用いられる電極材料を適用することができる。例えばAl、Cu、Ag、Ti、Au、Ptなどの金属材料、InO、SnO、ZnO、ITOなどの金属酸化物、グラフェン、カーボンナノチューブなどの炭素材料、PEDOT:PSSなどの導電性高分子材料を用いることができる。
ソース電極16及びドレイン電極17の表面は、表面処理されていてもよい。表面処理は、1種の表面処理剤により処理されてもよく、2種以上の表面処理剤により処理されていてもよいが、1種以下の表面処理剤により表面処理がされていることが好ましい。なお、1種以下とは、表面処理されていない形態も含む概念である。
表面処理剤は、特段限定されないが、チオール基を有する化合物、例えば、ヘキサンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール等のアルカンチオール類、ペンタフルオロベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、4−アミノベンゼンチオール等の芳香族チオール類などがあげられる。
有機半導体層は、ゲート絶縁膜19aにより封止され、ゲート絶縁膜19a上にはゲー
ト電極14が形成される。ゲート電極14は、更に絶縁材料より形成される封止層19bで封止されてもよい。ゲート電極14には、ソース電極16、ドレイン電極17と同様の材料を用いることができる。
ゲート絶縁膜19aは、下地層12と同様に絶縁性を有する樹脂を用いることが出来る。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などの硬化性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの熱可塑性ポリマー、CYTOP(登録商標)、テフロン(登録商標)などのフッ素系ポリマーなどが挙げられるがこれらに限定されない。また、ゲート絶縁膜19aには、SiO2
Al23、Ta23などの無機材料も使用可能である。
図3は、本発明の別の実施形態に係る有機薄膜トランジスタ20である。有機薄膜トランジスタ10は、有機半導体よりも上方にゲート電極が位置するトップゲート・ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタであり、有機薄膜トランジスタ20は、有機半導体よりも下方にゲート電極が位置するボトムゲート・ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタである。
また、具体的には図示しないが、ボトムゲート・トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ、トップゲート・トップコンタクト型有機薄膜トランジスタへも適用可能である。トップコンタクト型素子の場合、通常、電極の表面処理は行われない。
本実施形態に係る有機半導体装置は、n型有機半導体層とp型有機半導体層とが共通のゲート絶縁膜に対して同じ側に位置する構成を採用することで、製造工程を大きく省略することができる。以下、製造方法について説明する。
図1に示す、従来技術に係る有機半導体装置の場合、多くの層が積層されている。通常有機半導体装置を製造する際には、電極を成膜する場合、真空蒸着、スパッタリングなどの真空成膜法や、ゾル−ゲル法や、粒子をインク化して印刷するウエット成膜法などが用いられる。また有機半導体膜や絶縁膜は、有機材料を溶解または分散させた溶液をインクとして用いるウエット成膜法などが用いられる。そのため、多くの層を有する図1に示す有機半導体装置を製造する際には、多くの工程が必要となる。
一方で図2及び図3に示す有機半導体装置は、n型有機半導体層とp型有機半導体層とが共通のゲート絶縁膜に対して同じ側に位置し、n型有機半導体層とp型有機半導体層とが同一平面上に形成される。そして、形成されたn型有機半導体層とp型有機半導体層は、耐熱性が向上したp型有機半導体を用いることで、アニール処理温度がほぼ同一となり、同時に熱処理を行うアニール工程に供することができる。そのため、製造工程を大幅に削減することができる。
図4に本発明の別の実施形態に係る有機薄膜トランジスタ30の模式図を示す。有機薄膜トランジスタ10及び20と異なり、n型有機半導体層33と、p型有機半導体層35が2層のゲート絶縁膜39aに挟まれており、且つ上部1層のゲート絶縁膜39aのみが2種の有機半導体層によって共有されている。図4では、上部1層のゲート絶縁膜39aのみが2種の有機半導体層によって共有されているが、2層のゲート絶縁膜が、共に、2種の有機半導体層に共有されている形態もとり得る。本発明は、このようなダブル(デュアル)ゲート・ボトムコンタクト構造を有する有機半導体装置を含み得る。
ダブル(デュアル)ゲート・ボトムコンタクト構造においても本発明の効果は認められ、p型有機半導体ポリマーとn型有機半導体ポリマーが最低一層のゲート絶縁膜を共有し、形成されたn型有機半導体層とp型有機半導体層は、耐熱性が向上したp型有機半導体を用いることで、アニール処理温度がほぼ同一となり、同時に熱処理を行うアニール工程に供することができる。そのため、製造工程を大幅に削減することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲が実施例のみに限定されないことは言うまでもない。以下に実施例で使用した装置、材料を示す。
[使用装置]
・インクジェット印刷装置:FUJIFILM Dimatix社 DMP2831
・ディスペンサ装置:武蔵エンジニアリング社製 IMAGE MASTER 350PC
・パリレン成膜装置:パリレン合同会社製 PDS−2010
[使用材料]
・P型半導体:有機半導体ポリマー1(以下に製造方法を記載)
・N型半導体:TU−3(フューチャーインク社製)
・絶縁膜材料/下地層材料:パリレンdiX−SR(KISCO株式会社)
・疎水性バンク材料:AF1600X(デュポン社製)
[使用インク]
・P型半導体インク:有機半導体ポリマー1の溶液(溶媒:メシチレン、濃度:0.01wt%)
・N型半導体インク:TU−3/ポリαメチルスチレン混合溶液(溶媒:1−メチルナフタレン、濃度:TU−3/ポリαメチルスチレン=0.06/0.02wt%)
・電極インク:銀ナノ粒子分散液(ハリマ化成社製NPS−JL)
・疎水性バンク材料インク:AF1600X溶液(溶媒:FC−43 (3M社)、濃度:
1wt%)
・電極表面処理インクA:4−メチルベンゼンチオール溶液(溶媒:テトラリン;濃度:30mM)
[有機半導体ポリマー1の製造]
本実施例で用いた有機半導体ポリマー1の構造を以下に示す。
Figure 2019153653
有機半導体ポリマー1は、Ming Wangら、Chem. Commun., 2016,52, 3207−3210に従い合成した。
<実施例1>
上記図2で示した有機半導体装置を製造した。印刷パターンとして、各層の周囲にアライメントマークを配置したパターンを設計した。本実施例では、基板上の下地層上にソース・ドレイン電極が形成され、ソース・ドレイン電極上にP型半導体とN型半導体で構成される半導体層が形成され、半導体層上にゲート絶縁膜が形成され、ゲート絶縁膜上にゲート電極が形成されるトップゲート・ボトムコンタクト構造を用いた。製造工程は以下のとおりである。
1)洗浄した2cm×2.5cmのガラス基板上(Eagle−XG;厚さ500μm)に基板の濡れ性を制御するために下地層としてパリレン成膜装置を用いてパリレンdiX−SRを厚さ300〜350nmとなるよう成膜した。
2)銀ナノ粒子分散液を、インクジェット印刷装置を用いて印刷し、チャネル長(電極間
隔)約40μm、チャネル幅約1000μmのソース・ドレイン電極を形成した。形成後、120℃で30分間焼成し、厚さ約100〜150nmの銀電極を得た。
3)半導体塗布領域を定義するため、疎水性バンク材料インクを、ディスペンサー装置を用いて印刷し、疎水性バンクを形成した。下地層への疎水性バンクの密着性向上のために基板に100℃、30分間の加熱処理を行った。
4)N型半導体を形成する領域のソースおよびドレイン電極の仕事関数を制御するために表面処理を行った。電極表面処理インクAをディスペンサー装置を用いてN型半導体を形成する領域のソースおよびドレイン電極の上のみに滴下し、5分間保持後にイソプロピルアルコールで基板の全面洗浄処理を行った。
5)N型半導体インクとP型半導体インクをディスペンサー装置を用いて疎水性バンク内に滴下した。まず、N型半導体インクを滴下した。このとき、基板温度を60℃に保持し、インク滴下後は半導体インクの塗布後は溶液が乾燥するまで保持した。次いで、基板温度を60℃に保持したままP型半導体インクを滴下し、半導体インクが乾燥するまで保持した。その後、半導体インクの溶媒除去と加熱処理のため基板をグローブボックス中でホットプレートを用いて150℃、60分で熱アニール処理を行った。
6)ゲート絶縁膜としてパリレン成膜装置にてパリレンdiX−SRを300〜350nmとなるよう成膜した。
7)ゲート電極として、銀ナノ粒子分散液を、インクジェット印刷装置を用いてソース・ドレイン電極の電極間を覆う位置に印刷し、その後、120℃で30分で焼成することで、厚さ約100〜150nmの銀電極を形成した。
上記手順にて作製した素子のpチャンネル型有機薄膜トランジスタおよびnチャンネル型有機薄膜トランジスタの評価を行った。伝達特性および出力特性を図5に示す。pチャンネル型有機薄膜トランジスタおよびnチャンネル型有機薄膜トランジスタの移動度は、それぞれ0.16cm2/Vs、0.26cm2/Vsであった。このとき、ソース電極とドレイン電極間で印加電圧(VDS)の絶対値を10Vとして飽和領域の移動度を算出し
た。すなわち、pチャンネル型有機薄膜トランジスタは、VDS = -10 V、nチャンネル型
有機薄膜トランジスタは、VDS = 10 Vとして、ソース電極とゲート電極間で印加電圧(VGS)を変化させながら評価した。
次いで、このpチャンネル型有機薄膜トランジスタおよびnチャンネル型有機薄膜トランジスタを用いて相補型インバータ回路を構成しその特性を評価した。結果を図6に示す。相補型インバータ回路は、2.5〜10Vで駆動し、駆動電圧10Vでゲイン10を得た。
<実施例2>
電極処理インクBとして、4−メチルベンゼンチオール溶液(溶媒:イソプロピルアルコール;濃度:30mM)を準備した。
ソースおよびドレイン電極の仕事関数を制御するために表面処理をする際、電極表面処理インクBに基板全体を5分間浸漬したのちに、イソプロピルアルコールで基板の全面洗浄処理を行った点以外は実施例1と同様にして、有機半導体装置を作製した。この場合は、n型半導体を形成する領域のソースおよびドレイン電極だけではなく、p型半導体を形成する領域のソースおよびドレイン電極表面も4−メチルベンゼンチオールによって表面処理した。
上記手順にて作製した素子のpチャンネル型有機薄膜トランジスタおよびnチャンネル型有機薄膜トランジスタの評価を行った。伝達特性及び出力特性を図7に示す。pチャンネル型有機薄膜トランジスタおよびnチャンネル型有機薄膜トランジスタの移動度は、それぞれ0.11cm2/Vs、0.17cm2/Vsであった。このとき、ソース電極とドレイン電極間で印加電圧(VDS)の絶対値を10Vとして飽和領域の移動度を算出した
。すなわち、pチャンネル型有機薄膜トランジスタは、VDS = -10 V、nチャンネル型有
機薄膜トランジスタは、VDS = 10 Vとして、ソース電極とゲート電極間で印加電圧(VGS
)を変化させながら評価した。
次いで、このpチャンネル型有機薄膜トランジスタおよびnチャンネル型有機薄膜トランジスタを用いて相補型インバータ回路を構成しその特性を評価した。結果を図8に示す。相補型インバータ回路は、2.5〜10Vで駆動し、駆動電圧10Vでゲイン8を得た。
1、11、21、31 基板
2、12 下地層
3、13、23、33 n型有機半導体層
4、14、24、34 ゲート電極
5、15、25、35 p型有機半導体層
6、16、26、36 ソース電極
7、17、27、37 ドレイン電極
8、18、28、38 バンク
9a、19a、29a、39a ゲート絶縁層
9b、19b、29b 封止層
10、20、30 有機薄膜トランジスタ

Claims (6)

  1. p型有機半導体を用いたpチャンネル型有機薄膜トランジスタと、n型有機半導体を用いたnチャンネル型有機薄膜トランジスタを備え、pチャンネル型有機薄膜トランジスタとn
    チャンネル型有機薄膜トランジスタが相補型集積回路を構成する有機半導体装置において、
    前記p型有機半導体とn型有機半導体とが共通のゲート絶縁膜に対して同じ側に位置し、かつ、前記p型有機半導体が有機半導体ポリマーを含有する、有機半導体装置。
  2. 前記有機半導体ポリマーがドナーアクセプタ型の有機半導体ポリマーを含む、請求項1に記載の有機半導体装置。
  3. 前記ドナーアクセプタ型の有機半導体ポリマーが、下記のいずれかの構造を含む、請求項2に記載の有機半導体装置。
    Figure 2019153653
    (式中Arは、置換基を有してもよい、芳香環及び複素芳香環から選択され、Rは置換基を有してもよいアルキル基を表す。Xは炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、窒素(N)及びリン(P)から選択される。)
  4. pチャンネル型有機薄膜トランジスタのソース電極、pチャンネル型有機薄膜トランジスタのドレイン電極、nチャンネル型有機薄膜トランジスタのソース電極、nチャンネル型有機薄膜トランジスタのドレイン電極がボトムコンタクト構造で配置され、上記4つの電極表面が一種類以下の表面修飾物質で修飾されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体装置。
  5. p型有機半導体を用いたpチャンネル型有機薄膜トランジスタと、n型有機半導体を用
    いたnチャンネル型有機薄膜トランジスタを備え、pチャンネル型有機薄膜トランジスタ
    とnチャンネル型有機薄膜トランジスタが相補型集積回路を構成する有機半導体装置において、
    前記p型有機半導体とn型有機半導体とが、2層のゲート絶縁膜に挟まれ、かつ、該ゲート絶縁膜のうち少なくとも1層のゲート絶縁膜を共有しており、
    前記p型有機半導体が有機半導体ポリマーを含有する、有機半導体装置。
  6. p型有機半導体およびn型有機半導体を同一の表面に塗工した後、p型及びn型有機半導体を同時に熱処理するアニール工程、を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体装置の製造方法。
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