JP2005166609A - キーシートモジュール - Google Patents

Abstract

【課題】 部品点数を少なくしてキーシートモジュールの組込工数を軽減すると共に、ドーム型スイッチを押した時のクリック感が安定して得られるようなキーシートモジュールを提供することである。
【解決手段】 フレキシブル基板２の上面にドーム型スイッチ３を備え、このドーム型スイッチが、第１固定接点１１と、その周囲に配置される第２固定接点１２と、これら各固定接点の上方に配置され、第１固定接点及び第２固定接点間を開閉する可動接点１３と、可動接点を保持するために該可動接点を覆うようにしてフレキシブル基板上に配置されるスイッチ固定用シート９ａとを有するキーシートモジュールであって、前記フレキシブル基板上に絶縁ペーストからなる絶縁皮膜８ａを形成し、この絶縁皮膜８ａに前記可動接点１３の内部空気を逃がすための空気孔７ａを設けると共に、この絶縁皮膜８ａの上に前記スイッチ固定用シート９ａを配置した。
【選択図】 図２

Description

この発明は、携帯電話等の小型電子機器に有用なキーシートモジュールに関する。

従来、携帯電話等の電子機器には、フレキシブルのプリント配線基板（ＦＰＣ基板）に接点スイッチやＬＥＤ等の部品が実装されたキーシートモジュールが採用されており、このキーシートモジュールは複数のキートップが一体に形成されたキーパットの下面に配置されている（特許文献１及び特許文献２を参照）。

このような従来のキーシートモジュールの構成例を図６乃至図８に示す。これらの図において、キーシートモジュール１は、ガラスエポキシ樹脂などで形成された可撓性のあるフレキシブル基板２と、このフレキシブル基板２の上面部に複数配列されたドーム型スイッチ３と、フレキシブル基板２上に形成された微細な配線パターン４と、この配線パターン４間に適宜配置されたキートップのバックライトとして機能する発光ダイオード５及び抵抗６等の電子部品と、フレキシブル基板２の上面に接着固定されるシート材８０とを有する。このシート材８０は、各ドーム型スイッチ３を押す際に良好なクリック感が得られるように、ドーム型スイッチ３の可動接点１３内部の空気を逃がすための空気孔７０が、該可動接点１３に対応して開設された開口７１の間をつなぐように設けられていると共に、前記発光ダイオード５の照射光を上面に反射させる白色の反射板として機能する。また、前記可動接点１３の上方にはシート材８０の上面に接着固定されたスイッチ固定用シート９０が配置される。このスイッチ固定用シート９０は、前記可動接点１３を覆うことによって該可動接点１３を位置決め保持する透明のシートである。さらに、キーシートモジュール１は、該キーシートモジュール１に電源を供給すると共に、信号の授受を行う電源・信号線が設けられたフレキシブルコネクタ１０を備えている。

前記ドーム型スイッチ３は、フレキシブル基板２上に形成された第１固定接点１１と、該第１固定接点１１の周囲を取り囲むように配置された略円環状の第２固定接点１２と、該第２固定接点１２に接続して設けられた略ドーム形状の前記可動接点１３とを有して構成されている。前記第１固定接点１１は、図示外の配線パターンに接続され、第２固定接点１２は配線パターン４ａに接続されている。前記可動接点１３は、例えば、ステンレス等のバネ性を有する薄い金属により形成されている。なお、図８において、符号１４は配線パターン４を保護するためにフレキシブル基板２上に印刷皮膜されたソルダーレジストである。

次に、上記構成からなるドーム型スイッチ３の作用について説明する。ドーム型スイッチ３の可動接点１３は、その周縁下部が常時第２固定接点１２に接する一方、第１固定接点１１とは離れており、ドーム型スイッチ３がオフの状態にある。この状態で、スイッチ固定用シート９０の上から可動接点１３の頂部が下方に押されると、該可動接点１３が弾性的に凹んで第１固定接点１１に接触し、第１固定接点１１と第２固定接点１２とが導通してドーム型スイッチ３がオンになる。その際、可動接点１３の内部空気がシート材８０の空気孔７０から外部に吐き出されることで、ドーム型スイッチ３の良好なクリック感が得られる。そして、可動接点１３を押した状態を解除すると、可動接点１３が自身の反力によって元の状態に復帰し、ドーム型スイッチ３がオフとなる。
特開２００２−１７０４５７号公報 特開２００１−３５３０５号公報

しかしながら、上述した従来のキーシートモジュール１にあっては、シート材８０に設けられた空気孔７０によって可動接点１３の内部空気を逃がす構成であるために別途シート材８０が必要となり、その分部品点数が多くなってキーシートモジュール１の組込工数が増すという問題があった。

一方、特許文献２には、上記のシート材８０の代わりに粘着層を設け、この粘着層に空気孔を形成した例が示されている。

しかしながら、このような構成では空気孔が変形しやすく、空気逃げ量が不安定となり、ドーム型スイッチを押した際のクリック感を損ねるおそれがある。

そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、部品点数を少なくしてキーシートモジュールの組込工数を軽減すると共に、ドーム型スイッチを押した際の良好なクリック感が安定して得られるようなキーシートモジュールを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明のキーシートモジュールは、フレキシブル基板の上面に複数のドーム型スイッチを備え、このドーム型スイッチが、第１固定接点と、この第１固定接点の周囲に配置される第２固定接点と、これら各固定接点の上方に配置され、第１固定接点及び第２固定接点間を開閉する略ドーム状の可動接点と、この可動接点を保持するために該可動接点を覆うようにして前記フレキシブル基板上に配置されるスイッチ固定用シートとを有するキーシートモジュールであって、前記フレキシブル基板上に絶縁ペーストからなる絶縁皮膜を形成し、この絶縁皮膜に前記可動接点の内部空気を逃がすための空気孔を設けると共に、この絶縁皮膜の上に前記スイッチ固定用シートを配置したことを特徴とする。

本発明では、前記絶縁皮膜及びスイッチ固定用シートの少なくとも一方を白色で形成しており、発光ダイオードの照射光の反射板として機能させることができる。

さらに、本発明では、前記絶縁皮膜に設けられた空気孔内に突出する変形防止壁を形成し、前記スイッチ固定用シートが空気孔内に撓み変形するのを防ぐことも可能である。

本発明に係るキーシートモジュールによれば、フレキシブル基板上に絶縁ペーストからなる絶縁皮膜を形成し、この絶縁皮膜に可動接点の内部空気を逃がすために空気孔を設けたので、従来のようなシート材が不要となる。そのために、部品点数が少なくなりキーシートモジュールの組込工数を軽減することができる。また、絶縁皮膜に空気孔を設けたことで空気孔の変形を有効に防止することができ、ドーム型スイッチを押した時のクリック感が安定して得られる。

また、空気孔内に突出する変形防止壁を形成し、前記スイッチ固定用シートが空気孔内に撓み変形するのを防ぐようにしたので、空気孔がスイッチ固定用シートによって塞がれることがない。それにより、空気孔の空間が常に一定に保たれるので、当該空気孔からは常に一定量の空気を逃がすことができる。その結果、ドーム型スイッチを押す際には常に安定したクリック感が得られるという効果を奏する。

さらに、本発明では、フレキシブル基板と絶縁ペーストによる絶縁皮膜とを併用することで、キーシートモジュールに可撓性を持たせることができると共に、キーシートモジュールを薄型化できるという効果もある。

以下、添付図面に基づいて、本発明に係るキーシートモジュールの実施の形態を詳細に説明する。図１は本発明の第１の実施形態を示すキーシートモジュールの平面図であり、図２は図１におけるＡ−Ａ線拡大断面図である。

図１及び図２に示した本発明のキーシートモジュール１は、その基本的構造が従来例とほぼ同様であり、ガラスエポキシ樹脂などで形成された可撓性のあるフレキシブル基板２と、このフレキシブル基板２の上面部に複数設けられたドーム型スイッチ３と、フレキシブル基板２上に形成された微細な配線パターン４と、この配線パターン４間に適宜配置されたキートップのバックライトとして機能する発光ダイオード５及び抵抗６等の電子部品とを備える。そして、前記フレキシブル基板２の上面には、上記従来のシート材８０に代わるものとして、白色の絶縁ペーストがフレキシブル基板２全体に印刷され、この絶縁ペーストによって絶縁皮膜８ａを形成している。この前記絶縁皮膜８ａは、発光ダイオード５の照射光を上面に反射させる反射板としての機能を備えると共に、可動接点１３の配設位置に対応して複数の開口２０が設けられ、またこれら開口２０の間をつなぐようにして、可動接点１３の内部空気を逃がすための空気孔７ａが設けられている。絶縁皮膜８ａの上方には前記可動接点１３に密着して覆う透明のスイッチ固定用シート９ａが配置され、このスイッチ固定用シート９ａを絶縁皮膜８ａの上面に接着固定することによって、前記可動接点１３が位置決め保持される。さらに、キーシートモジュール１は、該キーシートモジュール１に電源を供給すると共に、信号の授受を行う電源・信号線が設けられたフレキシブルコネクタ１０を備えている。

ドーム型スイッチ３は、上述した従来のものと同様の構成からなり、フレキシブル基板２上に形成された第１固定接点１１と、この第１固定接点１１の周囲を取り囲むように配置された略円環状の第２固定接点１２と、これらの固定接点１１，１２の上部に被さるように配置される略ドーム状の可動接点１３とを有している。そして、第１固定接点１１は図示外の配線パターンに接続され、第２固定接点１２は配線パターン４ａに接続されている。可動接点１３は、例えば、ステンレス等のバネ性を有する薄い金属により構成されている。なお、符号１４は配線パターン４を保護するためにフレキシブル基板２上に印刷皮膜されたソルダーレジストである。

上記構成からなるドーム型スイッチ３は、次のように作用する。通常、ドーム型スイッチ３の可動接点１３は、第２固定接点１２に接しているが、第１固定接点１１とは離れており、ドーム型スイッチ３はオフの状態にある。この状態で、スイッチ固定用シート９ａの上から可動接点１３の頂部が押されると、可動接点１３が弾性的に凹んで第１固定接点１１に接触し、第１固定接点１１と第２固定接点１２とが導通して、ドーム型スイッチ３がオンになる。また、可動接点１３の頂部を押したときに、可動接点１３の内部空気が絶縁皮膜８ａに形成された空気孔７ａから外部に吐き出されるため、ドーム型スイッチ３を押した時に良好なクリック感が得られる。そして、可動接点１３を押した状態が解除されると、可動接点１３が自身の反力によって元の状態に復帰し、ドーム型スイッチ３がオフとなる。

このように、本発明のキーシートモジュール１では、従来のシート材８０に代えて絶縁ペーストの印刷による絶縁皮膜８ａを形成し、この絶縁皮膜８ａに可動接点１３の内部空気を逃がすための空気孔７を設けている。この絶縁皮膜８ａは、白色の絶縁ペーストで印刷されているので、発光ダイオード５の下面から照射される光は透明のスイッチ固定用シート９ａを透過したのち、絶縁皮膜８ａによって反射される。絶縁皮膜８ａの反射効率は、従来のシート材８０と比較しても劣ることはなく良好である。

上記絶縁皮膜８ａを形成するための絶縁ペーストとして、例えばチタン白（酸化チタン）などの白色顔料を使用することができる。このチタン白にオーバーコートクリアーを併用することで光沢を保持する効果がある。このような絶縁ペーストを印刷することで発光ダイオード５からの照射光を効率的に反射させることができる。また、本発明では、絶縁ペーストの印刷によって絶縁被膜８ａを形成しているので、従来のようなシート材８０を削減できると共に、フレキシブル基板２との併用でキーシートモジュールに可撓性を持たせることもでき、装置全体としても薄型化が可能となる。

また、前記絶縁皮膜８ａに形成される空気孔７ａは、絶縁ペーストを印刷する際に同時に形成することができる。一回の印刷で空気孔７ａとして十分な深溝が得られない場合には、絶縁ペーストの印刷を複数回行うことで、所望の深さの空気孔７ａを形成することができる。このように、絶縁皮膜８ａに空気孔７ａを設けることで、空気孔７ａが変形しにくく、所定の溝形状が保たれるので、ドーム型スイッチ３を押した時のクリック感を良好に保つことができる。

さらに、この絶縁ペーストの印刷では、電子部品の搭載スペースを残して印刷することができるので、絶縁ペーストの印刷後でも、発光ダイオード、抵抗、コンデンサ等の電子部品の実装が可能である。

図３は、本発明に係るキーシートモジュールの第２の実施形態を示したものである。

この実施形態に係るキーシートモジュールにあっても、先の実施形態と同様、フレキシブル基板２の上面に絶縁ペーストを印刷することで絶縁被膜８ｂを形成し、この絶縁皮膜８ｂに可動接点１３の内部空気を逃がすための空気孔７ｂを設けると共に、ドーム型スイッチ３の可動接点１３を、その上方を覆うスイッチ固定用シート９ｂによって固定保持しているが、先の実施形態とは異なって、絶縁皮膜８ｂには反射板としての機能を持たせることなく、それに代わって白色のスイッチ固定用シート９ｂに発光ダイオード５の下面に照射された光を反射させる反射板としての機能を持たせている。なお、その他の構成は、上記第１の実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。

この実施形態では、絶縁皮膜８ｂに反射板としての機能を持たせていないので、絶縁ペーストは、特に白色のものである必要はない。例えば、絶縁材（エポキシ、UV）、顔料、蛍光剤、蓄光剤の１又は２種を組み合わせた任意のものを用いれば良い。また、上記第１の実施形態と同じように、屈曲性・密着性に優れたものを使用することが望ましい。

図４及び図５は、本発明に係るキーシートモジュールの第３の実施形態を示したものである。ここで、図４は絶縁皮膜８ａに設けられた空気孔７ａを示す拡大平面図であり、図５は図４におけるＣ−Ｃ線断面図である。

この実施形態では、第１の実施形態における絶縁皮膜８ａに形成された空気孔７ａの中央部に沿って変形防止壁１５を帯状に印刷形成し、スイッチ固定用シート９ａの撓み変形によって空気孔７ａが塞がれてしまうのを効果的に防止している。

このように、空気孔７ａの中央部に変形防止壁１５を帯状に設けることで、スイッチ固定用シート９ａは空気孔７ａの上方では変形防止壁１５によって撓み変形が防止される。そのため、空気孔７ａがスイッチ固定用シート９ａによって塞がれることがなく、常に一定の空間が保たれるので、ドーム型スイッチ３を押したときに、常に安定したクリック感が得られるという効果を奏するものである。なお、このような構成が第２に実施形態にも適用されることは勿論である。

本発明は電子機器のキーシートモジュールを提供するものであるが、携帯電話に限られることなく、ＤＶＤやオーディオ機器、デジタルカメラ等、広範囲の電子機器に適用可能である。

本発明の第１の実施形態を示すキーシートモジュールの平面図である。 図１におけるＡ−Ａ線拡大断面図である。 本発明の第２の実施形態を示す図２と同様の断面図である。 本発明の第３の実施形態を示す絶縁皮膜の空気孔を示す拡大平面図である。 図４におけるＣ−Ｃ線断面図である。 従来のキーシートモジュールの一例を示す平面図である。 従来のキーシートモジュールに使用されるシート材の平面図である。 図７におけるＢ−Ｂ線拡大断面図である。

符号の説明

１ キーシートモジュール
２ フレキシブル基板
３ ドーム型スイッチ
５ 発光ダイオード
７ａ，７ｂ 空気孔
８ａ，８ｂ 絶縁皮膜
９ａ，９ｂ スイッチ固定用シート
１１ 第１固定接点
１２ 第２固定接点
１３ 可動接点
１５ 変形防止壁

Claims (3)

1. フレキシブル基板の上面に複数のドーム型スイッチを備え、このドーム型スイッチが、第１固定接点と、この第１固定接点の周囲に配置される第２固定接点と、これら各固定接点の上方に配置され、第１固定接点及び第２固定接点間を開閉する略ドーム状の可動接点と、この可動接点を保持するために該可動接点を覆うようにして前記フレキシブル基板上に配置されるスイッチ固定用シートとを有するキーシートモジュールであって、
   前記フレキシブル基板上に絶縁ペーストからなる絶縁皮膜を形成し、この絶縁皮膜に前記可動接点の内部空気を逃がすための空気孔を設けると共に、この絶縁皮膜の上に前記スイッチ固定用シートを配置したことを特徴とするキーシートモジュール。
2. 前記絶縁皮膜及びスイッチ固定用シートの少なくとも一方が白色であり、発光ダイオードの照射光の反射板としても機能する請求項１記載のキーシートモジュール。
3. 前記絶縁皮膜に設けられた空気孔内に突出する変形防止壁を形成し、前記スイッチ固定用シートが空気孔内に撓み変形するのを防ぐようにした請求項１記載のキーシートモジュール。

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