JP2005162525A - 単結晶ダイヤモンド - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶全体にわたって、250nmまでの紫外域において透明で、かつ結晶欠陥や歪み、不純物の小さいダイヤモンド単結晶の提供。
【解決手段】単結晶ダイヤモンドを、結晶全体にわたり、(400)面X線ロッキングカーブの半値幅が10〜80秒の範囲内にあり、炭素原子に対する水素原子の数が10〜100ppm、炭素原子に対する窒素原子の数が5ppm以下、光散乱トモグラフ法によって評価した結晶欠陥の数を1平方センチメートルあたり1×10個以下であるようにする。
【選択図】 なし

Description

本発明はダイヤモンドの製造方法に関し、特に半導体材料、電子部品、光学部品などに用いられる、大型のダイヤモンド単結晶に関するものである。
ダイヤモンドは高硬度、高熱伝導率、透明度などの数多くの優れた性質を有することから、各種工具、光学部品、半導体、電子部品の材料として幅広く用いられており、この中でも光学部品、半導体にはダイヤモンド単結晶がその良好な光透過性や結晶欠陥の少なさのために必要とされている。今後はさらにダイヤモンド単結晶の重要性が増すものと考えられる。
天然ダイヤモンド単結晶には230nmまでの紫外線を透過するIIa型と呼ばれる品質のものと、紫外線をほとんど透過しないIa型と呼ばれる品質のものとがある。いずれの型のものでも直径10mm以上の単結晶は入手が極めて困難である。天然では希に20mm近い直径の単結晶ダイヤモンドが産出することがあるが、非常に高価で工業用として用いることはできなかった。
それ以外にも天然に産出するIIa型は結晶欠陥や歪が多く、例えばX線ロッキングカーブの半値幅が角度にして500秒以上もあることや、1332cm-1付近に観察されるラマン散乱光のスペクトルの半値幅が2cm-1以上であることなどから、半導体の基板としては不適当であると考えられる。Ia型は300nm以下の紫外線を透過しないので紫外線用の光学材料として用いることができないという問題がある。
ダイヤモンドは過去には天然に産出するものが工業用途に使用されたが、現在では工業用は人工合成されたものが中心である。ダイヤモンド単結晶は現在工業的には、全てそれらが安定である数万気圧以上の圧力下で合成されている。このような圧力を発生する超高圧容器は非常に高価であり、内容積を大きくできず、ダイヤモンドを安価に供給できない原因となっている。
このために大型の単結晶を合成することが出来ない。また高圧法で作られたダイヤモンドは窒素が不純物として混入したIb型と呼ばれる結晶になりやすいが、このIb型ダイヤモンドは400nm以下の波長の光を全く通さない。これらのことから直径が10mm以上で250nm付近の紫外線を透過する人工ダイヤモンド単結晶はこれまで合成できなかった。従来から、気相合成法によって比較的大面積で高純度のダイヤモンドが各種基板上に人工的に製造されていたが、これらは多結晶膜であり単結晶膜は得られていない。
しかしながら、ダイヤモンドの用途の中でも特に平滑な面を必要とする超精密工具や光学部品、半導体などに用いられる場合は、単結晶ダイヤモンドを用いることが必要となる。そこで、気相合成法によって単結晶をエピタキシャル成長させる条件が検討されており、さらには気相合成法により大面積の単結晶を製造する方法が検討されている。これまでのところ、ヘテロエピタキシャル成長によって得られたダイヤモンドの単結晶は結晶欠陥が多く、光学用や半導体基板としては充分な品質ではない。
特許文献1には複数の単結晶ダイヤモンドの方位をそろえて並べ、これの上にダイヤモンドを気相合成法により成長させることによりダイヤモンド単結晶を製造する方法が述べられている。面積を大きくすることのみを求めるのであれば、この方法が現在最も優れていると考えられる。
しかしながら、この方法においては、どうしても隣り合う単結晶基板界面から成長した部分の結晶性が周囲と比べて劣ってしまう。複数の単結晶基板の方位がずれると、単結晶基板の間にできた小傾角粒界が成長した単結晶中に残って光散乱や電気特性劣化の原因となったり、各単結晶基板の間から結晶方位が異なった異常成長粒子が発生しやすいという問題がある。
特許文献2には、上記のような問題を回避して、複数の基板上に単結晶を成長させるために、上記の方法において、複数の単結晶ダイヤモンドの結晶方位、間隔、高さを調節し、成長温度を適当な範囲に制御することによって、ホモピタキシャル成長を所定の厚みまで維持し、気相合成法の高純度性を活かして、波長250nm付近の紫外域でも透明で、X線ロッキングカーブの半値幅が100秒以内またはラマン散乱スペクトルの半値幅が2cm−1という結晶性の良い15mm以上の径を持つ光学用、半導体用の大型ダイヤモンド単結晶を製造することができることが述べられている。
特開平3−75298号公報 特開平7−17794号公報
従来の技術により得られるダイヤモンドは、天然でも人工合成でも、結晶全体にわたって、250nmまでの紫外域において透明で、かつ結晶欠陥や歪み、不純物の小さいダイヤモンド単結晶は存在しなかった。具体的には、水素含有量は10〜100ppm、窒素含有量は5ppm以下と少なく、2結晶X線ロッキングカーブの半値幅が10〜80秒と小さいものが存在しなかった。
すなわち、従来のダイヤモンド単結晶は(400)面のX線ロッキングカーブの半値幅が100秒以内であっても、ダイヤモンドの優れた物性を存分に引き出した半導体デバイスを作製するには不十分であった。
本発明は、250nmまでの紫外域において透明で、かつ結晶欠陥や歪み、不純物の小さいダイヤモンド単結晶を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、下記の構成を有する。
(1)結晶全体にわたり、(400)面X線ロッキングカーブの半値幅が10〜80秒の範囲内にあり、かつ炭素原子に対する水素原子の数が、10〜100ppmの範囲内にあり、かつ炭素原子に対する窒素原子の数が5ppm以下であることを特徴とする単結晶ダイヤモンド。
(2)炭素原子に対する水素原子の数が、20〜70ppmの範囲内にあることを特徴とする上記(1)の単結晶ダイヤモンド。
(3)室温における熱伝導率2000W/mK以上であることを特徴とする上記(1)、(2)の単結晶ダイヤモンド。
(4)室温における正孔移動度1500cm/Vsec以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)の単結晶ダイヤモンド。
(5)室温における電子移動度1500cm/Vsec以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)の単結晶ダイヤモンド。
(6)ラマン分光におけるラマンシフト1332cm−1に現れるピークの半値幅2cm−1以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)の単結晶ダイヤモンド。
(7)波長250nmにおける透過率が30%以上であることを特徴とする上記(1)〜(6)の単結晶ダイヤモンド。
(8)水素プラズマ処理により現れる表面エッチピットが1平方センチメートルあたり1×10個以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)のの結晶ダイヤモンド。
(9)光散乱トモグラフ法によって評価した結晶欠陥の数が、1平方センチメートルあたり1×10個以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)の単結晶ダイヤモンド。
(10)ヤング率が5×1011Pa以上であることを特徴とする上記(1)〜(9)の単結晶ダイヤモンド。
(11)差し渡し径10mm以上であることを特徴とする上記(1)〜(10)の単結晶ダイヤモンド。
(12)上記(1)〜(11)の単結晶ダイヤモンドからなる半導体基板。
(13)上記(1)〜(12)の単結晶ダイヤモンドからなる光学窓。
このように大型でかつ高純度、高品質のダイヤモンド単結晶は、天然でも、人工合成でも得られたことが無く、これまで適用が難しかった半導体基板用途や、窓材などの光学部品用途に途を開くものである。
本発明の均質で大型かつ大面積のダイヤモンド単結晶は光学用、半導体基板として使用できので、半導体基材、放熱基板、光学材料の素材として幅広く用いることができる。
複数の単結晶基板の方位がずれると、単結晶基板の間にできた小傾角粒界が成長した単結晶中に残って光散乱や電気特性劣化の原因となったり、各単結晶基板の間から結晶方位が異なった異常成長粒子が発生しやすいという問題がある。このような問題を回避して、複数の基板上に単結晶を成長させるために、特許文献2には、単結晶基板の成長面を(100)面から3度以内の面とすること、各単結晶基板の方位のずれを3度以内に抑えること、隣り合う単結晶基板間の距離を30μm以内にすること、成長温度を1000℃以上の高温とすること、単結晶基板同士の高さを揃えること等の工夫が開示されている。
本発明では、さらに使用するダイヤモンド単結晶基板の、ダイヤモンドを成長させる主面は、その面粗さがRmax0.05μm以下であり、全面が(100)セクタで構成されているものを用いる。このような表面を有するダイヤモンド単結晶基板上に、気相合成法によりダイヤモンドを成長させる。成長させる条件は、炭素源となる炭素含有化合物ガスと水素ガスの比率が、炭素含有化合物中の炭素原子数/水素ガス中の水素原子数で表して、0.025〜0.075であること、基板温度は850℃以上950℃未満であることが好ましいことを見出した。
すなわち、本発明の単結晶は、次の条件を満たすことによって製造することができる。
a.単結晶基板の成長面の全面が(100)セクタで構成されているものを用いる。
b.単結晶基板の成長面を(100)面から3度以内の面とする。
c.各単結晶基板の方位のずれを3度以内に抑える。
d.隣り合う単結晶基板間の距離を30μm以内にする。
e.単結晶基板同士の高さを揃える。
f.ダイヤモンドを成長させる主面の面粗さをRmax0.05μm以下とする。
であり、
g.上記ダイヤモンド単結晶基板上に、炭素源となる炭素含有化合物ガスと水素ガスの比率が、炭素含有化合物中の炭素原子数/水素ガス中の水素原子数で表して、0.025〜0.075であり、基板温度を850℃以上950℃未満である気相合成法によりダイヤモンドを成長させる。
このような条件および基板を用いることによって、得られるダイヤモンド単結晶は、差し渡し径10mm以上で、(400)面におけるX線ロッキングカーブが10〜80秒、水素含有量10〜100ppm、窒素含有量5ppm以下、室温における熱伝導率が2000W/mK以上、正孔移動度1500cm/Vsec以上、電子移動度1500cm/Vsec以上、ラマン分光半値幅2cm−1以下、波長250nmにおける透過率30%以上、水素プラズマ処理により表面に現れるエッチピットの数が1平方センチメートルあたり1×10個以下、光散乱トモグラフ法によって評価した結晶欠陥の数が、1×10cm−2以下、ヤング率が5×1011Pa以上である、これまで天然にもなく、人工でも得ることの出来なかった半導体基板、窓材として非常に優れたものが得られる。
通常、気相合成法によれば、プロセスガス中に水素を大過剰含むために、得られるダイヤモンド中にも水素の混入が避けられず、これが得られるダイヤモンドの光学的、電気的物性を劣化させる原因の一つと考えられてきた。本願発明において開示された成長方法を適用することによって、水素不純物の量を減らすと共に、水素が存在していても、光学用途や半導体デバイス用途に充分な性質を持ったダイヤモンド単結晶が得られることがわかった。
本発明において差し渡し径とは、ある大きさ、形を持つ単結晶内に引くことのできる最大の直線の長さのことである。
本発明におけるダイヤモンド単結晶を成長させる気相合成法は、熱フィラメントCVD法、プラズマCVD法、プラズマジェット法、燃焼炎法、レーザーCVD法などの既知の方法のいずれであっても良い。また、原料ガスとしては、炭化水素などの炭素を含む物質で良く、例えば、メタン、エタン、プロパン、メタノール、エタノール、エチレン、アセチレン、ベンゼン、等が挙げられる。本発明のダイヤモンド単結晶を成長させる際に用いる基板は、高圧合成による人工ダイヤモンド単結晶が最も品質も揃ったものが入手できるので好ましいが、天然単結晶や気相成長させた単結晶を基板として用いることも勿論可能である。
以下、実施例及び比較例によって本願発明を説明する。
各実施例及び比較例によって得られた試料の評価結果を下記表1に示したが、表中の各評価項目の意味するところは次の通りである。
[評価項目]
「差し渡し径」とは、最大の差し渡し長さ[mm]である。
「XRC」とは(400)面のX線ロッキングカーブの半値幅[秒]である。
本発明におけるXRCとは、CuKα1のX線を用いて、第一結晶として高圧合成単結晶ダイヤモンド(400)面平行配置を利用して2結晶法により評価したものをいう。
「H」とは、炭素原子に対する水素原子の数[ppm]である。
「N」とは、炭素原子に対する窒素原子の数[ppm]である。
「250nm」とは、波長250nmにおける透過率[%]である。
「熱伝導率」とは、室温における熱伝導率[W/m・K]である。
「電子移動度」とは室温における電子移動度[cm/V・s]である。
「正孔移動度」とは、室温におけるホール移動度[cm/V・s]である。
「ラマン」とは、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーを励起光として、顕微ラマン分光法により評価したときに、励起光から1332cm−1の位置にシフトして現れるラマン散乱スペクトルの半値幅[cm−1]のことである。分解能0.5cm−1の分光器で測定した。
「水素プラズマ」とは、マイクロ波プラズマCVD法により生成した水素プラズマに、得られたダイヤモンド単結晶を曝して、欠陥に由来するエッチピットを表面に生成させた時に生じるエッチピットの数[個/cm]である。用いた水素プラズマは、圧力9.3kPa、基板温度820℃であった。
「トモグラフ」とは、光散乱トモグラフ法により、ダイヤモンド単結晶内部の結晶欠陥の数を評価したもの[個/cm]である。
「ヤング率」は、室温におけるヤング率[Pa]である。
大きさ4.0mm×4.0mm×300±20μmのダイヤモンド{100}基板36枚を、間隔10μm以内になるように、縦横6列ずつに並べた。これらの基板は、全て表面が(100)セクタで構成されているものを選択し、かつ、機械加工により表面の面粗さをRmax0.05μm以下とした。さらに(100)面からのオフ角が、±1.5°以下であるものを選択した。各基板間の方位のずれは、最大2.1°であった。
このように選択、配置した基材上に、マイクロ波プラズマCVD法によりダイヤモンドを成長させた。メタン濃度7%、圧力12.7kPa、基材温度900℃で通算50時間の成長を行うことにより、36枚の基材上に410μmの厚さのダイヤモンドを形成した後、両面を機械研磨した。さらに、反応性イオンエッチング法により基材を除去した。用いた条件はCF1%−O混合ガスを用い、圧力5Pa、高周波周波数13.56MHz、高周波電力240Wである。合計70時間の処理により、基材は全てエッチング除去され、25.1mm×25.0mm×380μmの一体となったダイヤモンド単結晶が得られた(試料A)。最大差し渡し径は34mmであった。
このダイヤモンド単結晶の特性を下記の通り評価したところ、結晶全体にわたり優れた結晶性、電気特性、光学特性を有することが判り、半導体基板、および光学部品として優れた素材であることがわかった。
1)結晶性
(400)面のX線ロッキングカーブの半値幅を評価した。CuKα1のX線を用いて、第一結晶として高圧合成単結晶ダイヤモンド(400)面平行配置を利用して2結晶法により評価した。その結果、半値幅は全面にわたり32〜70秒の範囲内に入り、良好であった。
2)不純物
赤外透過吸収法により結晶中に含まれる水素濃度を定量した。その結果、結晶全面にわたり水素は炭素に対して30〜60ppmの範囲に入り、低濃度であることがわかった。また、紫外光吸収法により、結晶中に含まれる窒素濃度を定量した。その結果、結晶全面にわたり、窒素は炭素に対して3ppm以下と低濃度であることがわかった。また、波長250nmにおける透過率は、試料全面にわたって最低でも60%以上であった。
3)熱伝導率
得られたダイヤモンド単結晶の熱伝導率を、定常比較法により測定した。その結果、熱伝導率は30℃において2100±50W/mKであることがわかった。
4)電気特性
得られたダイヤモンド単結晶の電子移動度、および正孔移動度を、TOF法により評価したところ、それぞれ25℃において1650cm/V・sec,1800cm/V・secとなり、優れた電気特性を有していることが判った。
5)ラマン分光
波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーを励起光として、顕微ラマン分光法により得られたダイヤモンド単結晶を評価した。その結果、励起光から1332cm−1の位置にシフトして現れるラマン散乱スペクトルの半値幅は、分解能0.5cm−1の分光器で測定して1.6cm−1であった。
6)結晶欠陥
結晶中に含まれる欠陥を評価するために、エッチピットを調べた。マイクロ波プラズマCVD法により生成した水素プラズマに、得られたダイヤモンド単結晶を曝して、欠陥に由来するエッチピットを表面に生成させた。用いた水素プラズマは、圧力9.3kPa、基板温度820℃であった。その結果、試料全面にわたって、生成したエッチピットの密度は2×10cm−2以下であった。
また、得られた単結晶ダイヤモンドの外周部をレーザー切断し、切断した1側面を機械研磨した上で、アルゴンイオンレーザーを側面から照射し、表面から、欠陥に起因する光散乱を評価した(光散乱トモグラフ法)。その結果、結晶欠陥の数は1.7×10cm−2であった。エッチピット評価結果とあわせ、非常に良好な結晶であることがわかった。
7)ヤング率
得られた単結晶ダイヤモンドのヤング率を、3点曲げ試験法により評価した。その結果、990GPaであった。
大きさ8mm×8mm×350μmの天然ダイヤモンドIb{100}基板を用意した。この基板は、表面が(100)セクタで構成されているものを選択し、かつ、機械加工により表面の面粗さをRmax 0.03μm以下とした。(100)面からのオフ角は、0.8°であった。
この基材上に、マイクロ波プラズマCVD法によりダイヤモンドを成長させた。メタン濃度8%、圧力12kPa、基材温度880℃で通算70時間の成長を行うことにより、基材上に560μmの厚さのダイヤモンドを形成した後、成長表面を機械研磨した。さらに、反応性イオンエッチング法により基材を除去した。用いた条件はCF 1%−O混合ガスを用い、圧力5Pa、高周波周波数13.56MHz、高周波電力240Wである。合計75時間の処理により、基材は全てエッチング除去され、9mm×9mm×450μmのダイヤモンド単結晶(試料B)が得られた。最大差し渡し径は13.5mmであった。
このダイヤモンド単結晶を、実施例1と同様に評価した。得られた結果は表1に示す。光学的、電気的に優れた物性を示す、大型で均一な単結晶であることがわかり、半導体基板、および光学部品として優れた素材であることがわかった。
[比較例]
天然ダイヤモンド単結晶IIa型2個(試料C、D)、Ia型2個(試料E、F)、高圧合成Ib型単結晶3個(G、H、I)、高圧合成IIa型単結晶1個(J)、気相合成ダイヤモンド単結晶1個(K)を、本件発明の実施例と同様に特性を評価して調べたところ表1のようになった。いずれも、上記実施例と同様の条件で評価を行っている。この測定結果から本発明のダイヤモンドはこれまでに得られなかった大型高品質のダイヤモンドであることが判明した。試料C〜Fにおいては、正孔移動度、電子移動度共に非常に低く、測定限界以下であった。
気相合成ダイヤモンド単結晶(試料K)は、下記のように作製した。
大きさ4.0mm×4.0mm×300±20μmのダイヤモンド{100}基板36枚を、間隔10μm以内になるように、縦横6列ずつに並べた。これらの基板は、セクタ表面を特に(100)面とは規定せず選択した。面粗さはRmax=0.1μmであった。さらに、(100)面からのオフ角が、36枚中20枚において、3°以上4°以下であるものを選択した。
Figure 2005162525
本発明のダイヤモンド単結晶は、250nmまでの紫外域において透明で、かつ結晶欠陥や歪みが小さく、不純物濃度も少ないので、半導体基板や、窓材などの光学部品用の材料として用いることができる。

Claims (13)

  1. 結晶全体にわたり、
    (400)面X線ロッキングカーブの半値幅が10〜80秒の範囲内にあり、かつ
    炭素原子に対する水素原子の数が、10〜100ppmの範囲内にあり、かつ
    炭素原子に対する窒素原子の数が 5ppm以下である
    ことを特徴とする単結晶ダイヤモンド。
  2. 炭素原子に対する水素原子の数が、20〜70ppmの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の単結晶ダイヤモンド。
  3. 室温における熱伝導率2000W/mK以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンド。
  4. 室温における正孔移動度1500cm/Vsec以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンド。
  5. 室温における電子移動度1500cm/Vsec以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンド。
  6. ラマン分光におけるラマンシフト1332cm−1に現れるピークの半値幅2cm−1以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンド。
  7. 波長250nmにおける透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンド。
  8. 水素プラズマ処理により現れる表面エッチピットが1平方センチメートルあたり1×10個以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の結晶ダイヤモンド。
  9. 光散乱トモグラフ法によって評価した結晶欠陥の数が、1平方センチメートルあたり1×10個以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンド。
  10. ヤング率が5×1011Pa以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンド。
  11. 差し渡し径10mm以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンド。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンドからなる半導体基板。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンドからなる光学窓。
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