JP2013203596A - 単結晶ダイヤモンド基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】実用性に耐え得る単結晶ダイヤモンドからなる大面積の基板を提供する。
【解決手段】それぞれのオフ角とオフ方向とが一致した、5mmx2.5mm角の厚さが0.5mmの種結晶となる単結晶ダイヤモンド(100)基板6枚を並べ、種結晶上に単結晶ダイヤモンド膜を成長させた後、炭素イオンを注入し、再び膜を成長させた後、注入面上の膜を分離し、単結晶ダイヤモンド基板を得る。基板中の結晶性の粗悪な線状領域と基板のオフ方向は0°より大きく90°以下の角度を成す。基板全体でのラマンシフト値の半値幅は0より大きく10cm−1以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、単結晶ダイヤモンド基板に関する。
半導体として優れた特性を有するダイヤモンドは、高周波・高出力デバイス、受光デバイスなど半導体デバイス用の材料として期待されている。特に、ダイヤモンドを半導体材料として実用化するためには、大面積の均質な単結晶ダイヤモンドからなるウェハが必要である。
従来、単結晶ダイヤモンドの成長は、主に高圧合成法、気相合成法などの方法によって行われている。これらの方法の内で、高圧合成法は、1cm角程度の面積を有する基板の製造が限界とされており、これ以上の面積を有する単結晶基板を製造する方法としては期待できない。また、5mm角程度以上の面積を有する単結晶ダイヤモンド基板を入手することは困難であり、その面積を拡大することも容易ではない。
このため、大面積の単結晶ダイヤモンドを作製する方法として、同一表面上に並べた複数のダイヤモンド結晶上に気相法でダイヤモンド結晶を成長させて接合することによって、大型のダイヤモンド結晶とする、いわゆるモザイク状ダイヤモンドの作製技術が開発されている(非特許文献1)。
モザイク状ダイヤモンドを製造する際に、接合すべき基材として単結晶ダイヤモンドのみを用いる場合と、単結晶ダイヤモンドと多結晶ダイヤモンド又はそれ以外の材料を用いる場合があるが、いずれの場合にも、これらの基材の上に気相法によってダイヤモンドを成長させることによって、基材となるダイヤモンドを接合している。
これらの方法の内で、単結晶ダイヤモンド基板のみを用い、これを接合して大型の単結晶ダイヤモンドを得る方法としては、例えば、接合しようとする単結晶ダイヤモンド基板の間隔や高さの差を所定の範囲内に収め、その上に一体のダイヤモンド結晶を気相成長させることによって、基板と基板の境界部に成長する異常成長粒子の発生を抑制して大型ダイヤモンド結晶を製造する方法が報告されている(特許文献1)。
更に、基材とする単結晶ダイヤモンドのオフ角やオフ方向を適切に選択し、この単結晶ダイヤモンドを複数個並べて配置し、その後、気相合成法によって隣り合う単結晶の方向へ優先的にダイヤモンド結晶を拡大し、接合を促す方法も提案されている(特許文献2)。
更に、接合しようとする側面としてヘキ開面を用いる方法、接合しようとする側面に角度を設ける方法等も知られている(特許文献3及び4)。
ところで、気相合成法を用いたホモエピタキシャル成長によってダイヤモンド基板上に単結晶ダイヤモンドを成長させる方法は、例えば、半導体グレードの高品質ダイヤモンドの合成に適用されている。しかしながら、気相合成法によるダイヤモンドのエピタキシャル成長においては、多数の異常成長粒子や成長丘などの欠陥が発生し易く、大面積の単結晶ダイヤモンドの合成は容易ではない。
同様に、基板表面上の欠陥は成長層にも引き継がれ、その位置を基板毎に制御することは不可能であるため、成長層の性質を統一することを妨げる原因の1つとなっている。更に、成長層の性質は、成長前の基板中に存在するひずみにも影響を受けることが知られている(非特許文献2)。
通常、複数のダイヤモンド結晶上に気相法でダイヤモンド結晶を成長させてモザイク状ダイヤモンドを作製する方法では、接合しようとするダイヤモンド基板のオフ角を同一とみなす閾値は最低でも1°以上とされている。しかしながら、1°でもオフ角が異なると同一の条件では成長層の品質が異なるものとなり、この方法で接合されたモザイク基板上には、接合された単結晶領域毎に品質の異なる単結晶層が成長することになる。また、前述したオフ角やオフ方向といった結晶面の方向が異なる基板を積極的に利用し、これら同士を接合してモザイク基板を製造する方法(特許文献2)についても同様の問題がある。
前述した通り、ダイヤモンド基板上への気相合成法を用いたホモエピタキシャル成長では、オフ角のみならず、オフ方向、基板中のひずみ及び欠陥といった基板の性質が成長層へ影響するが、従来知られているモザイク基板の製造方法では、接合しようとする基板の性質を一致させる点について、有効な解決方法は提示されていない。
また、ダイヤモンドを半導体デバイス用の材料として用いる際には、通常、不純物を意図的に添加して基板(ダイヤモンドウェハ)上にダイヤモンドを成長させるが、その際の不純物の成長層への取り込み率やそれに伴う結晶性の変化は、基板の性質に依存することが知られている(非特許文献3)。従って、上記した方法を用いて大面積を有するダイヤモンドウェハが得られたとしても、オフ角、オフ方向といった結晶面の方向、ひずみや欠陥の分布等が不均一なウェハであれば、その上に作製されるデバイスは特性が不均一となることが予想される。従って、このような性質の揃っていないモザイクウェハを基板として使用したとしても、実効的に使用に耐えうるデバイスが取り出される率が極めて低いことは明白である。更に、モザイク状ダイヤモンド基板は、デバイス作製のための処理に耐えうる様に強度を持つ必要があるため、接合した後に更にその上へ積みます必要が生ずる場合がある。その際にも接合すべき基材として用いた単結晶ダイヤモンドの性質が異なると、均質に積みますことが困難となる。
しかも、これまでに述べた様な基板の性質が揃った結晶を所望の枚数入手することは困難である。例えば、単結晶ダイヤモンドを加工して所定の条件を満足するダイヤモンド基板を作製する場合にも、ダイヤモンド結晶の精密加工は非常に難しく、多大な作業時間を必要とする上に、正確に加工された単結晶ダイヤモンド基板を作製することは困難である。特に、特定のひずみや欠陥の分布を任意の基板へ付与することは不可能である。
以上の様な困難さから、従来のモザイク状ダイヤモンド基板は、接合境界に沿って異常成長を抑制することが困難で、当該境界が滑らかに接合されておらず、接合された基板がヘキ開によって破壊することが開示されており(非特許文献1)、測定するまでもなく結晶性も粗悪である。
このような問題点を解決することを目的とした、大面積のダイヤモンド基板を製造する方法として、イオン注入を用いた自立膜作製方法を利用した方法が知られている(特許文献5)。この様な方法を用いれば、オフ角・オフ方向が揃った基板同士を容易に接合できると期待される。
しかしながら、本文献には複数の単結晶ダイヤモンド間のオフ方向が一致していることは記載されているものの、各々の単結晶ダイヤモンドのオフ方向と接合する基板との方向の関係については何ら記載されていない。
特開平7−48198号公報 特開2006−306701号公報 特公平6−53638号公報 EP0687747A1 特開2010−150069号公報
目黒、西林、今井、SEIテクニカルレビュー163,53 (2003). P. S. Weiser, S. Prawer, K. W. Nugent, A. A. Bettiol, L. I. Kostidis, D. N. Jamieson, Diamond and Related Materials 5 (1996), 272−275. K. Arima, H. Miyatake, T. Teraji, and T. Ito, Journal of Crystal Growth 309 (2007), 145−152.
例えば、特許文献5に記載される方法は大面積ダイヤモンド基板の製造方法をしては優れているものの、オフ方向と接合する基板との方向の関係が適切で無い場合、得られた単結晶ダイヤモンド基板の接合領域に対応する部分は完全に滑らかに被覆されているとはいい難く、実用性に乏しいという問題点が生じている。例えば、接合領域の被覆の完全性が低い場合、研磨などの加工プロセスを実施することが困難となり、半導体ウェハとして使用することが困難となる。
以上の様な理由から、単結晶ダイヤモンドからなる大面積の基板については、その要望が高いにもかかわらず、実用性に耐え得るものは未だ得られるに至っていない
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、単結晶ダイヤモンド基板であって、該基板中の結晶性の粗悪な線状領域と該基板のオフ方向が特定の範囲の角度を成している基板は、上述した実用性に耐え得るものであることを見出した。
本発明はこの様な知見に基づいて完成されたものであり、下記に示す態様の発明を広く包含するものである。
項1 単結晶ダイヤモンド基板であって、該基板中の結晶性の粗悪な線状領域と、該基板のオフ方向が、0°より大きく以上90°以下の角度を成すことを特徴とする基板。
項2 上記項1に記載の単結晶ダイヤモンド基板であって、基板全体でのラマンシフト値の半値幅が0より大きく10cm−1以下である基板。
項3 上記項1に記載の単結晶ダイヤモンド基板であって、基板全体でのX線ロッキングカーブの半値幅が0より大きく100秒以下である基板。
項4 窒素含有量が0より多く100ppm未満である上記項1に記載の基板。
項5 前記結晶性の粗悪な線状領域と該基板の(110)方向が0°より大きく90°以下の角度を成すことを特徴とする上記項1に記載の基板。
項6 上記項1に記載の単結晶ダイヤモンドであって、基板全体で可視光を透過することを特徴とする基板。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板
本発明の単結晶ダイヤモンド基板は、該基板中の結晶性が粗悪な線状領域と、該基板のオフ方向とが0°より大きく90°以下の角度を成している。すなわち、前記線状領域と前記オフ方向は平行とはならず、少なくとも0°より大きい角度を成している。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域とは、必ずしも直線状である必要はなく、本発明の効果が許容される範囲において曲線となる部位が含まれていてもよい。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板中における結晶性の粗悪な線状領域とは、例えば、後述するような、当該基板を製造する際に載置した複数の単結晶ダイヤモンド基板間の接合領域に起因するものである。
この様な本発明の単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域とは、公知の方法によって決定することができる。例えば、図1に示すように、本発明の単結晶ダイヤモンド基板を偏光顕微鏡にて観察すれば、光学的歪みが線状に凝集して観察される領域を、本発明にて定義する結晶性の粗悪な線状領域と決定することができる。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板における結晶性の粗悪な線状領域の結晶学的性質として、ラマンシフト値の半値幅が0より大きく10cm−1以下であるという特徴を示す。より好ましい半値幅は、5cm−1程度以下である。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板における結晶性の粗悪な線状領域は、該基板の(110)方向との間で、0°より大きく90°以下の角度を成していてもよい。
結晶性の粗悪な線状領域以外の領域は、より結晶性に優れるために、当然に上記半値幅の数値範囲を満たすため、本発明の単結晶ダイヤモンド基板全体におけるラマンシフト値の半値幅に該当する。このような範囲の半値幅を満たす本発明の単結晶ダイヤモンド基板は、均質な結晶学的性質を有する基板となり、優れた効果を発揮する。
また、本発明の単結晶ダイヤモンド基板における結晶性の粗悪な線状領域の結晶学的性質として、X線ロッキングカーブの半値幅が0より大きく150秒以下であるという特徴を示す。より好ましい半値幅は、50程度以下である。
結晶性の粗悪な線状領域以外の領域は、より結晶性に優れるために、当然に上記半値幅の数値範囲を満たすため、本発明の単結晶ダイヤモンド基板全体におけるX線ロッキングカーブの半値幅に該当する。このような範囲の半値幅を満たす本発明の単結晶ダイヤモンド基板は、均質な結晶学的性質を有する基板となり、優れた効果を発揮する。
以上のことから、本発明の単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域は、特定の位置、且つ特定の性能として高度に制御されている。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板における窒素含有量は、通常0より多く100ppm未満程度とすればよく、より好ましくは、0より多く10ppm以下程度である。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板を作製する方法は、主たる成長面の外周稜線部と該基板のオフ方向とが0°より大きく90°以下の角度を成す、複数の単結晶ダイヤモンド基板を用いて、既に知られた基板側面が互いに接するように載置する方法を採用し、その後、載置した複数の単結晶ダイヤモンド基板をCVD法に供することによって製造すればよい。
なお、得られた単結晶ダイヤモンド基板は、適宜、必要に応じて接合し、イオン注入、レーザーカット、ヘキ開、電子ビーム照射等といった既に知られた手法を用いて自立膜とすればよい。
以下に本発明の単結晶ダイヤモンド基板の効果について詳述する。なお、本発明の結晶ダイヤモンド基板の効果は、以下のすべての効果を有することに限定されないのは言うまでもない。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板は、該基板のオフ方向と、該基板中の結晶性が粗悪な線状領域とが特定の範囲の角度にて交差しているので、当該基板を親基板として追成長する際に、該線状領域上であっても結晶成長が良好に可能である。したがって厚膜化することができ、これを種結晶として使うことも可能である。また、前期線状領域の結晶性能高度に制御されているので、電子デバイス等を作製する際に、その領域を避けることが容易である。また、前記線状領域は、偏光顕微鏡像といった、一般的で、且つ容易な方法で確認できるので、本発明の単結晶ダイヤモンド基板を製造する際の確認作業に大きな負担を必要としない。また、本発明の単結晶ダイヤモンド基板は、基板全体で可視光を透過することを特徴とする。
本発明の単結晶ダイヤモンド基板における結晶性の粗悪な線状領域を偏光顕微鏡によって観察した写真像。矢印に示す部位が、結晶性の粗悪な線状領域であることを示す。 本発明の単結晶ダイヤモンド基板の結晶性の粗悪な線状領域(接合領域)と、該基板のオフ方向の関係を示す模式図((a)及び(b))と、ラマンスペクトル分光測定結果(c)。 本発明の大面積ダイヤモンド基板の写真像。
以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
それぞれのオフ角とオフ方向とが一致した、5mmx2.5mm角の厚さが0.5mmの種結晶となる単結晶ダイヤモンド(100)基板6枚を図2の(a)の様に並べ、市販のマイクロ波プラズマCVD装置を用いて、マイクロ波パワー4.5kW、ガス圧力16kPa、水素ガス流量500sccm、メタンガス流量25sccmで、該種結晶上に単結晶ダイヤモンド膜を成長させた。単結晶ダイヤモンドの成長における成長終了時の基板温度は、1100−1180℃であった。
形成された単結晶ダイヤモンド膜の厚さは1mmであった。該6枚の種結晶ダイヤモンドは、この単結晶ダイヤモンド膜によって互いに接合され、一枚のダイヤモンド板となった。
次いで、該接合されたダイヤモンド板をアルミニウム製支持台に載置し、1.5MVタンデム型加速器を用いて、注入エネルギー3MeV、照射量2×1016ions/cmで、炭素イオンを注入した。注入イオンの注入深さの計算値は約1.6μmであった。この照射により、ダイヤモンド基板の色は透明から黒色に変化し、非ダイヤモンド層が形成されていることが確認できた。
次いで、市販のマイクロ波プラズマCVD装置を用いて、マイクロ波パワー4.2kW、ガス圧力13kPa、水素ガス流量500sccm、メタンガス流量25sccmで、該接合されたダイヤモンド板のイオン注入された面上に単結晶ダイヤモンド膜を成長させた。単結晶ダイヤモンドの成長における成長終了時の基板温度は、1000−1100℃であった。形成された単結晶ダイヤモンド膜の厚さは0.2mmであった。
次いで、純水を入れたビーカーの中に2本の離れた白金電極を約1cmの間隔を隔てて設置し、その電極間に、上記した方法で単結晶ダイヤモンド膜を成長させた単結晶ダイヤモンド基板を置いた。電極間に実効値5.6kV、周波数60Hzの交流電圧を印加して放置した。その結果、注入面上に形成されたダイヤモンド膜が単結晶ダイヤモンド基板から分離され、一枚のダイヤモンド基板が得られた。
得られた単結晶ダイヤモンド基板のオフ角とオフ方向を測定したところ、オフ角は3度程度であり、オフ方向は図2の(b)に示す通り、単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域(図中の矢印の部位)の一方向と一致していた。この様な得られた単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域は、図2の(a)に示す、上述した種結晶となる単結晶ダイヤモンド基板間の接合領域(図中の矢印の部位)に一致するものである。
次いで、該CVD法によって形成されたダイヤモンド基板について、図2(b)の丸印(該基板のオフ方向と単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域が非平行)である領域と、三角印(該基板のオフ方向と単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域が平行)である領域について、ラマンスペクトル分光測定を実施した。
図2(c)に示すとおり、単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域と該基板のオフ方向とが平行な領域に比べ、単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域と該基板のオフ方向とが非並行な領域の方が、半値幅が狭く、結晶品質が良いことが明らかとなった。
次いで、該CVD法によって形成されたダイヤモンド基板について、図2(b)の丸印(該基板のオフ方向と単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域が非平行)である領域と、三角印(該基板のオフ方向と単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域が平行)である領域について、X線ロッキングカーブ測定を実施した。
単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域と該基板のオフ方向とが平行な領域ではX線ロッキングカーブの半値幅が200秒程度であったのに対し、単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域と該基板のオフ方向とが非並行な領域の方ではX線ロッキングカーブの半値幅が120秒程度であり、後者の方がX線ロッキングカーブの半値幅が狭く、結晶品質が良いことが明らかとなった。また、境界を含まない領域では、X線ロッキングカーブの半値幅が50秒以下であった。
また、図3に示すとおり、丸印の領域では異常結晶成長が見られなかったものの、三角印の領域では、結晶が異常に成長していることが明らかとなった。
得られた単結晶ダイヤモンド基板は、その全体にわたって可視光を透過することも明らかとなった。
そして、得られた単結晶ダイヤモンドを2次イオン質量分析することによって、含有する窒素の量が10ppm程度であることが明らかとなった。
さらに、この様に作製したダイヤモンド基板を種結晶として、該イオン注入を用いた自立膜作製法、及び該CVD法を用いて、子基板を作製したところ、親基板と同様に、該基板のオフ方向と上述のような接合領域に起因する単結晶ダイヤモンド基板中の結晶性の粗悪な線状領域とが、平行な領域よりも非平行な領域の方が、結晶性がより良好であった。

Claims (4)

  1. 単結晶ダイヤモンド基板であって、該基板中の結晶性の粗悪な領線状域と該基板のオフ方向が1°以上90°以下の角度を成すことを特徴とする基板。
  2. 請求項1に記載の単結晶ダイヤモンド基板であって、基板全体でのラマンシフト値の半値幅が0より大きく10cm−1以下である基板。
  3. 請求項1に記載の単結晶ダイヤモンド基板であって、基板全体でのX線ロッキングカーブの半値幅が0より大きく150秒以下である基板。
  4. 窒素含有量が0より多く100ppm未満である請求項1に記載の基板。
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