JP7336132B2 - 単結晶ダイヤモンド、それを用いた単結晶ダイヤモンド粒および単結晶ダイヤモンド粒を備える工具 - Google Patents
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Description
そして、単結晶ダイヤモンドは、化学気相合成法によって製造され、{100}面における<100>方向の硬度が80GPa以上125GPa以下である。
また、この発明の実施の形態によれば、より大きい硬度を有する単結晶ダイヤモンドを備える単結晶ダイヤモンド粒を提供する。
更に、この発明の実施の形態によれば、より大きい硬度を有する単結晶ダイヤモンド粒を備える工具を提供する。
この発明の実施の形態によれば、単結晶ダイヤモンドは、レーザラマン分光法によって測定したラマンシフトの1332cm-1のピークがスプリットしている単結晶ダイヤモンドである。
構成1において、単結晶ダイヤモンドの厚み方向に垂直な方向において、第1の領域と、第1の領域の位置と異なる位置に配置された第2の領域とを有する。第1の領域は、レーザラマン分光法によって測定されたラマンシフトの1332cm-1のピークのスプリット幅として第1のスプリット幅を有する。第2の領域は、レーザラマン分光法によって測定されたラマンシフトの1332cm-1のピークのスプリット幅として第1のスプリット幅よりも小さい第2のスプリット幅を有する。
構成1または構成2において、点欠陥を含む。
構成3において、タングステン、タンタル、レニウム、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、イリジウムおよびリンのいずれかと、シリコンおよびモリブデンとを含む。
構成1から構成4のいずれかにおいて、13000kg/mm2よりも大きいヌープ硬度を有する。
構成1から構成4のいずれかにおいて、ボロンをドーパントとして含む。
また、この発明の実施の形態によれば、単結晶ダイヤモンド粒は、コアと、被覆層とを備える。コアは、第1の単結晶ダイヤモンドからなる。被覆層は、コアを覆い、第2の単結晶ダイヤモンドからな。第2の単結晶ダイヤモンドは、構成1から構成6のいずれかに記載の単結晶ダイヤモンドからなる。
構成7において、第2の単結晶ダイヤモンドは、第1の単結晶ダイヤモンドよりも大きい硬度を有する。
更に、この発明の実施の形態によれば、工具は、構成7または構成8に記載の単結晶ダイヤモンド粒を備える。
そして、単結晶ダイヤモンド1は、1332cm-1のピークのスプリット幅から導出される歪み量として0.1~20GPaの歪み量を有する。このように、単結晶ダイヤモンド1は、大きな歪み構造を有する結果、ヌープ硬度が130GPaよりも大きく、132~153GPaである。
そして、単結晶ダイヤモンド1は、タングステン、タンタル、レニウム、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、イリジウムおよびリンのいずれかを含む。また、単結晶ダイヤモンド1は、好ましくは、タングステン、タンタル、レニウム、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、イリジウムおよびリンのいずれかと、シリコンおよびモリブデンとを含む。タングステン、タンタル、レニウム、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、イリジウムおよびリンのいずれかの濃度は、1×1019cm-3以上であり、好ましくは、1×1019cm-3~1×1020cm-3である。シリコンおよびモリブデンの濃度は、例えば、1×1016~1×1017cm-3である。なお、不純物元素は、ドーパントと異なる元素である。
単結晶ダイヤモンド1は、ドーパントとしてボロン(B)を含んでいてもよい。Bの濃度は、例えば、1×1020cm-3~1×1022cm-3である。
また、この発明の実施の形態による単結晶ダイヤモンドは、上述した不純物元素を基板との界面に1×1019cm-3以上含み、基板との界面に存在する不純物元素によって転位を減少させた単結晶ダイヤモンドであってもよい。
更に、この発明の実施の形態によるダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンドに限らず、上述した不純物元素を含む多結晶ダイヤモンドであってもよい。そして、多結晶ダイヤモンドは、上述した不純物元素に加え、Bをドーパントとして含んでいてもよい。
なお、この発明の実施の形態によるダイヤモンド粒は、単結晶ダイヤモンド粒10の被覆層2を多結晶ダイヤモンドからなる被覆層に変えたものであってもよい。この場合、多結晶ダイヤモンドは、上述した不純物元素を含む。また、多結晶ダイヤモンドは、上述した不純物元素と、ドーパントとしてのBとを含んでいてもよい。
単結晶ダイヤモンド1の実施例について説明する。
熱フィラメントCVD法を用いて次の条件によって基板上に単結晶ダイヤモンドを形成して実施例1の単結晶ダイヤモンド1-1を作製した。
基板:単結晶ダイヤモンド(CVD法によって作製した単結晶ダイヤモンド)
フィラメント:タングステンフィラメント1
フィラメントの純度:3N(99.9%)
フィラメント温度:2100℃
CH4ガスの流量:30sccm
H2ガスの流量:1000sccm
圧力:1330Pa
基板温度:1100℃
作製した単結晶ダイヤモンド1-1は、20μmの膜厚を有する。
熱フィラメントCVD法を用いて次の条件によって基板上に単結晶ダイヤモンドを形成して比較例1の単結晶ダイヤモンドComp-1を作製した。
基板:単結晶ダイヤモンド(CVD法によって作製した単結晶ダイヤモンド)
フィラメント:タングステンフィラメント2
フィラメントの純度:3N(99.9%)
フィラメント温度:2100℃
CH4ガスの流量:30sccm
H2ガスの流量:1000sccm
圧力:3990Pa
基板温度:1100℃
作製した単結晶ダイヤモンドComp-1は、50μmの膜厚を有する。
グレーティング:1200gr/mm
レンズ倍率:×50
レンズの開口数NA(Numerical Aperture):0.8
レーザエネルギー:30mW
σ=Δω/α・・・(1)
式(1)において、α=1.9(cm-1/GPa)である。
このように、実施例1における単結晶ダイヤモンド1-1は、大きな歪み構造を有することが分かった。
波長:785nm
グレーティング:1200gr/mm
レンズ倍率:×20
レンズの開口数NA(Numerical Aperture):0.45
レーザエネルギー:37.60mW
上述したように、単結晶ダイヤモンド1-1は、1332cm-1のピークのスプリット幅としてスプリット幅Δω1とスプリット幅Δω2とを有する。このことは、1332cm-1のピークが単結晶ダイヤモンド1-1の全領域においてスプリットしていることを意味する。従って、この発明の実施の形態による単結晶ダイヤモンドは、レーザラマン分光法によって測定したラマンシフトの1332cm-1のピークがスプリットしている単結晶ダイヤモンドであればよい。
HK=P/(CPL2)・・・(2)
式(2)において、Pは、荷重であり、CPは、0.070279である。
このように、単結晶ダイヤモンド1-1は、基板に比べ高い硬度を有していることが分かった。
マイクロ波CVD法による単結晶ダイヤモンドの形成条件は、次のとおりである。
CH4ガスの流量:20sccm
H2ガスの流量:500sccm
圧力:15,960Pa
基板温度:1100℃
マイクロ波パワー:2000W
(実施例2)
ダイヤモンドによって研磨して数mmのサイズを有する単結晶ダイヤモンド基板を作製した。そして、作製した単結晶ダイヤモンド基板を混酸(硫酸:硝酸=3:1の混酸)に浸漬し、250℃でボイルして単結晶ダイヤモンド基板を洗浄した。その後、洗浄した単結晶ダイヤモンド基板を熱フィラメントCVD装置に入れ、熱フィラメントCVD法を用いて次の条件によって単結晶ダイヤモンド基板上に単結晶ダイヤモンドからなる被覆層2を形成して実施例2の単結晶ダイヤモンド粒1-2を作製した。
フィラメント:タングステンフィラメント1
フィラメントの純度:3N(99.9%)
フィラメント温度:2200℃
CH4ガスの流量:30sccm
H2ガスの流量:1000sccm
圧力:1330Pa
基板温度:700~1100℃
振動条件:100Hz,15分間インターバルで10秒間の振動を繰り返し
上述した単結晶ダイヤモンド粒10を用いた工具について説明する。図17は、この発明の実施の形態による単結晶ダイヤモンド粒10を用いたブレードの概略図である。図17を参照して、ブレード20は、本体部21と、単結晶ダイヤモンド粒22とを備える。
本体部21は、例えば、円盤形状からなり、ブレード20の回転軸が挿入される貫通孔22-1を有する。
また、単結晶ダイヤモンド粒22は、電着に限らず、メタルボンドまたは溶着によって本体部21に固着されていてもよい。
Claims (9)
- レーザラマン分光法によって測定したラマンシフトの1332cm-1のピークがスプリットしており、
濃度1×10 19 cm -3 以上でタングステンを含み、
歪み量σが3.6GPa以上6.0GPa以下である単結晶ダイヤモンド。 - 前記単結晶ダイヤモンドの厚み方向に垂直な方向において、第1の領域と、前記第1の領域の位置と異なる位置に配置された第2の領域とを有し、
前記第1の領域は、前記レーザラマン分光法によって測定されたラマンシフトの1332cm-1のピークのスプリット幅として第1のスプリット幅を有し、
前記第2の領域は、前記レーザラマン分光法によって測定されたラマンシフトの1332cm-1のピークのスプリット幅として前記第1のスプリット幅よりも小さい第2のスプリット幅を有する、請求項1に記載の単結晶ダイヤモンド。 - 点欠陥を含む、請求項1または請求項2に記載の単結晶ダイヤモンド。
- シリコンおよびモリブデンとを含む、請求項3に記載の単結晶ダイヤモンド。
- 13000kg/mm2よりも大きいヌープ硬度を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド。
- ボロンをドーパントとして含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド。
- 第1の単結晶ダイヤモンドからなるコアと、
前記コアを覆い、第2の単結晶ダイヤモンドからなる被覆層とを備え、
前記第2の単結晶ダイヤモンドは、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンドからなる、単結晶ダイヤモンド粒。 - 前記第2の単結晶ダイヤモンドは、前記第1の単結晶ダイヤモンドよりも大きい硬度を有する、請求項7に記載の単結晶ダイヤモンド粒。
- 請求項7または請求項8に記載の単結晶ダイヤモンド粒を備える工具。
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