JP2005162026A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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和義 田川
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Abstract

【課題】 蹴り出し側のブロック側壁を用いて、制動性能をさらに向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 本発明に係る空気入りタイヤは、トレッドの幅方向に延びる横溝13a及び横溝13bと、トレッドの周方向に延びる複数の周方向溝とによって区画形成され、路面と接地するブロック11a〜ブロック11cを備えるとともに、回転方向が指定された空気入りタイヤであって、蹴り出し側ブロック側壁S2が、制動時に路面と接触するジグザグ領域11az及びジグザグ領域11bzを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、トレッドの幅方向に延びる複数の横溝と、トレッドの周方向に延びる複数の周方向溝とによって区画形成され、路面と接地するブロックを備えた空気入りタイヤに関し、特に、回転方向が指定される空気入りタイヤの制動性能に関する。
従来、自動車用の空気入りタイヤは、一般的に、周方向に沿って設けられる周方向溝やトレッドの幅方向に沿って設けられる横溝などと、当該周方向溝や横溝によって区画形成されるブロックとから構成されるトレッドパターンを有している。
このような空気入りタイヤでは、ブロックの踏面端部と、周方向溝や横溝の底面とを結ぶブロック側壁を様々な形状とすることにより、諸性能を向上する技術が実現されている。
例えば、“周方向溝”側のブロック側壁に、微小な溝を複数設けることによって、周方向溝に入り込んだ水の排水性、すなわち、ウェット性能を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、空気入りタイヤの“踏み込み側”、つまり、空気入りタイヤの回転に伴って、先に路面に接地する側に位置する、横溝側のブロック側壁(踏み込み側ブロック側壁)をジグザグ状の形状とすることによって、氷雪路における駆動性能(雪上トラクション性能)を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
実公平1−第37708号公報 特開2001−第63319号公報(第4−5頁、第1図)
ところで、上述したような従来の空気入りタイヤを装着した車両のブレーキング時、つまり、制動時には、ブロックが変形し、ブロックの踏面がめくれ上がるようになることが知られている。
ここで、図4(a)及び(b)は、従来の空気入りタイヤのトレッドに形成されるブロックの周方向断面図を示している。同図(a)は、制動時におけるブロック100の形状を示している。同図(a)に示すように、ブロック100は、路面101との摩擦によって変形し、ブロック100の踏面100aが、めくれ上がるようになる。なお、図中、符号S1は、踏み込み側ブロック側壁を、符号S2は、蹴り出し側ブロック側壁をそれぞれ示している。また、符号“R”は、空気入りタイヤの回転方向を示している。なお、図4(b)は、図4(a)に示した制動時と比較するために、非制動時におけるブロック100の形状を示したものである。
踏面100aがめくれ上がるようになると、空気入りタイヤが路面101に接地する接地面積が減少することによって、接地面積の減少により摩擦力が低下、すなわち、制動性能が低下する。
しかしながら、上述したような従来の空気入りタイヤでは、ブロック側壁、特に、“蹴り出し側”、つまり、空気入りタイヤの回転に伴って、後に路面から離れる側に位置する、蹴り出し側ブロック側壁S2は、図4(a)に示すように、「制動性能」の向上のために有効に利用されていないという問題があった。
また、近年の自動車社会においては、安全性や環境性能に関する要求が、さらに高まっており、自動車の安全性、特に、事故を未然に防ぐための予防安全技術であるアクティブ・セーフティ性能の向上に直接的に寄与する、空気入りタイヤの制動性能のさらなる向上が望まれていた。
そこで、本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、蹴り出し側のブロック側壁を用いて、制動性能をさらに向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、トレッド(トレッドTR)の幅方向に延びる複数の横溝(横溝13a,横溝13b)と、前記トレッドの周方向に延びる複数の周方向溝(周方向溝12)とによって区画形成され、路面と接地するブロック(例えば、ブロック11a〜ブロック11c)を備えるとともに、回転方向が指定された空気入りタイヤ(空気入りタイヤ10)であって、前記空気入りタイヤの回転に伴って後に前記路面から離れる側の前記ブロックの側壁である蹴り出し側ブロック側壁(蹴り出し側ブロック側壁S2)が、制動時に路面と接触するジグザグ領域(ジグザグ領域11az,ジグザグ領域11bz)を有することを要旨とする。
かかる特徴によれば、蹴り出し側ブロック側壁が、制動時に路面と接触するジグザグ領域を有し、制動時にブロックが変形することによって、当該ジグザグ領域が路面と接触するため、制動性能をさらに向上させることができる。
具体的には、制動性能は、以下の理由から向上させることができる。すなわち、ジグザグ領域が路面と接することにより、制動時における空気入りタイヤの接地面積が確保される。また、蹴り出し側ブロック側壁にジグザグ領域を設けたことによって、ブロックの剛性が確保され、ブロックの踏面がめくれ上がるようになることによる接地面積の減少も抑制されるとともに、操縦安定性の向上にも寄与する。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴において、前記ジグザグ領域の前記ブロックの踏面側端部を始点とした前記ジグザグ領域の周方向断面線、及び前記踏面側端部(端部11aeg,端部11beg)を通過し、前記ブロックの周方向の踏面に平行または略平行な平行線によって形成される角度(α)が、5度乃至30度であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、角度(α)が、5度乃至30度に設定されるため、空気入りタイヤのサイズや使用条件に応じて、制動性能を向上させることができる。
つまり、角度(α)を5度未満とした場合には、軽微なブレーキング時にもジグザグ領域が接地してしまい、制動性能を効果的に向上させることができない。また、角度(α)を30度より大きくした場合には、想定し得る空気入りタイヤのサイズや使用条件では、制動時にジグザグ領域が接地せず、制動性能を向上させることができない。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、前記ジグザグ領域が、前記ブロックの周方向断面において、前記横溝の底面に向けて所定の間隔(P)をもって略同一の形状を繰り返し、前記所定の間隔(P)は、前記横溝の溝深さ(D)の15%乃至30%であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、間隔(P)が、ブロックの踏面と横溝の底面との距離である溝深さ(D)の15%乃至30%に設定されるため、空気入りタイヤのサイズや使用条件に応じて、制動性能を向上させることができる。
つまり、間隔(P)を溝深さ(D)の15%未満とした場合には、ジグザグ領域の剛性が低くなり過ぎてしまい、制動性能を効果的に向上させることができない。また、間隔(P)を溝深さ(D)の30%より大きくした場合には、ジグザグ領域の剛性は、充分確保されるものの、ジグザグ領域における突起部分の数が減少するため、ブロックの摩耗が進行すると、制動性能のばらつきが大きくなってしまう。
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴において、前記ジグザグ領域では、前記ブロックの周方向断面線が屈曲する幅である振幅(S)が、前記所定の間隔の40%乃至60%であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、振幅(S)が、間隔(P)の40%乃至60%に設定されるため、空気入りタイヤのサイズや使用条件に応じて、制動性能を向上させることができる。
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至第4の特徴において、前記空気入りタイヤが、周方向に沿って、前記ブロックを複数備え、前記ブロックでは、前記ジグザグ領域の前記踏面側端部の位置が、前記横溝の深さ方向において、他の前記ブロックと異なることを要旨とする。
かかる特徴によれば、空気入りタイヤの周方向に沿って配置されるブロックにおいて、ジグザグ領域の踏面側端部(端部11aeg)の位置が、横溝の深さ方向において他のブロック(例えば、ブロック11b)と異なるため、ブロックの摩耗が進行した場合にも、一定の制動性能を維持することができる。
つまり、あるブロック(例えば、ブロック11a)のジグザグ領域の突起部分が、ブロックの摩耗の進行に応じて摩滅した場合にも、当該ブロックの周方向上に位置する他のブロック(例えば、ブロック11b)においては、ジグザグ領域の突起部分が制動時に接地するようにできるため、一定の制動性能を維持することができる。
本発明によれば、蹴り出し側のブロック側壁を用いて、制動性能をさらに向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
(本実施形態に係る空気入りタイヤの構成)
次に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の一部概略斜視図を示している。
同図に示すように、空気入りタイヤ10には、トレッドTRの幅方向に延びる複数の横溝13と、トレッドTRの周方向に延びる複数の周方向溝12とが設けられている。
また、路面と接地する複数のブロック11が、周方向溝12と横溝13とによって区画形成されている。
空気入りタイヤ10では、複数のブロック11が、周方向に沿って規則的に配置され、ブロック列が形成される。また、空気入りタイヤ10では、タイヤ赤道線CLを中心として分割されたトレッドTR上のそれぞれの領域に、2本ずつブロック列が形成され、計4本のブロック列が形成される。なお、トレッドTR上に形成されるブロック列の本数は、4本以外であってもよい。
また、空気入りタイヤ10は、回転方向が指定されており、車両の前進時に回転方向Rの方向に回転するように、車両に装着される。
図2(a)は、図1に示した領域Aの拡大図を示している。同図(a)に示すように、領域Aでは、ブロック11aと、ブロック11bと、ブロック11cとが、周方向溝12に沿って形成されている。さらに、ブロック11aとブロック11bとの間には、トレッドTR(図2(a)において不図示)の幅方向に沿って延びる横溝13aが設けられるとともに、ブロック11bとブロック11cとの間には、横溝13aと同様な横溝13bが設けられる。
また、ブロック11a〜ブロック11cは、回転方向Rが示す方向に回転させられることによって、車両の前進時には、ブロック11a〜ブロック11b〜ブロック11cの順に、路面に接地する。ここで、踏み込み側ブロック側壁S1は、空気入りタイヤ10の回転に伴って、先に路面に接地する側のブロックの側壁である。また、蹴り出し側ブロック側壁S2は、空気入りタイヤ10の回転に伴って、後に路面から離れる側のブロックの側壁である。
また、図2(b)は、図2(a)に示したブロック11a〜ブロック11cを逆方向、つまり、蹴り出し側ブロック側壁S2側から捉えた斜視図を示している。同図(b)に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ10は、蹴り出し側ブロック側壁S2が、制動時、つまり、空気入りタイヤ10が装着された車両のブレーキング時に路面と接触するジグザグ領域を有していることを特徴とする。
(蹴り出し側ブロック側壁の構成)
次に、図3を参照して、蹴り出し側ブロック側壁S2の形状について説明する。図3は、図2に示したA−A’間におけるブロック11a〜ブロック11cの断面図を示している。
同図に示すように、ブロック11aの蹴り出し側ブロック側壁S2には、ジグザグ領域11azが設けられている。また、ブロック11bの蹴り出し側ブロック側壁S2には、ジグザグ領域11bzが設けられている。
ジグザグ領域11azでは、ジグザグ領域11azのブロック11aの踏面側端部である端部11aegを始点としたジグザグ領域11azの周方向断面線、及び端部11aegを通過し、ブロック11aの周方向の踏面に平行または略平行な平行線によって形成される角度(α)が、5度乃至30度に設定される。
さらに、ジグザグ領域11azと同様に、ジグザグ領域11bzでは、ジグザグ領域11bzのブロック11bの踏面側端部である端部11begを始点としたジグザグ領域11bzの周方向断面線、及び端部11begを通過し、ブロック11bの周方向の踏面に平行または略平行な平行線によって形成される角度(α)が、5度乃至30度に設定される。
なお、角度(α)を5度乃至30度とした理由は、以下のとおりである。つまり、角度(α)を5度未満とした場合には、軽微なブレーキング時にもジグザグ領域が接地してしまい、制動性能を効果的に向上させることができないためである。また、角度(α)を30度より大きくした場合には、想定し得る空気入りタイヤ10のサイズや使用条件では、制動時にジグザグ領域11az(ジグザグ領域11bz)が接地せず、制動性能を向上させることができないためである。
また、ジグザグ領域11azは、ブロック11aの周方向断面において、横溝13aの底面に向けて、所定の間隔(以下、ピッチ(P)という)をもって略同一の形状、本実施形態では、三角形の形状を繰り返している。ここで、ジグザグ領域11azにおけるピッチ(P)の長さは、横溝13aの溝深さ(D)の15%乃至30%に設定される。
さらに、ジグザグ領域11azと同様に、ジグザグ領域11bzは、ブロック11bの周方向断面において、横溝13bの底面に向けて、ピッチ(P)をもって略同一の形状、本実施形態では、三角形の形状を繰り返している。ここで、ジグザグ領域11bzにおけるピッチ(P)の長さは、横溝13bの溝深さ(D)の15%乃至30%に設定される。なお、本実施形態において、横溝13a及び横溝13bの溝深さ(D)は、9.4mmに設定される。
また、ピッチ(P)を横溝13a(横溝13b)の溝深さ(D)の15%乃至30%とした理由は、以下のとおりである。つまり、ピッチ(P)を溝深さ(D)の15%未満とした場合には、ジグザグ領域11az(ジグザグ領域11bz)の剛性が低くなり過ぎてしまい、制動性能を効果的に向上させることができないためである。また、ピッチ(P)を溝深さ(D)の30%より大きくした場合には、ジグザグ領域11az(ジグザグ領域11bz)の剛性は、充分確保されるものの、ジグザグ領域11az(ジグザグ領域11bz)における突起部分11azp(突起部分11bzp)の数が減少するため、ブロック11a(ブロック11b)の摩耗が進行すると、制動性能のばらつきが大きくなってしまうためである。
なお、本実施形態では、ジグザグ領域11az及びジグザグ領域11bzでは、三角形の形状が、3回または4回繰り返されたような形状となっているが、本発明は、このような形状に限定されるものではない。例えば、ジグザグ領域11az及びジグザグ領域11bzの形状は、三角形以外の多角形を連接した形状であってもよい。また、ジグザグ領域における三角形の形状の繰り返し回数は、上述したピッチ(P)の値として望ましい範囲(溝深さ(D)の15%乃至30%)を満足すれば、3回や4回以外であってもよい。
また、ジグザグ領域11az(ジグザグ領域11bz)では、ブロック11a(ブロック11b)の周方向断面線が屈曲する幅である振幅(S)は、ピッチ(P)の40%乃至60%に設定される。
さらに、空気入りタイヤ10は、上述したように、周方向に沿って、複数のブロックを備えており、ブロック11aでは、ジグザグ領域11azのブロック11aの踏面側端部である端部11aegの位置が、横溝13aの深さ方向において、ブロック11bと異なっている。
具体的には、端部11aegは、横溝13aの深さ方向において、ブロック11aの略踏面付近に位置している。一方、端部11begは、同図に示すように、横溝13bの深さ方向において、ブロック11bの踏面から深さD’ほど落ち込んだ横溝13bの底面側に位置している。
このように、端部11aeg及び端部11begの位置が、横溝13a及び横溝13bの深さ方向において異なるため、ブロック11a及びブロック11bの摩耗が進行した場合にも、一定の制動性能を維持することができる。
例えば、ジグザグ領域11azの突起部分11azpが、ブロック11aの摩耗の進行に応じて摩滅した場合にも、ブロック11aの周方向上に位置するブロック11bにおいては、ジグザグ領域11bzの突起部分11bzpが制動時に接地するようにできるため、一定の制動性能を維持することができる。
(比較評価)
次に、上述した本発明の特徴を満足する、本実施形態に係る空気入りタイヤ(実施例1〜3)と、当該実施例に係る空気入りタイヤの性能を比較評価するために製作した比較例に係る空気入りタイヤ(比較例1〜3)と、従来例に係る空気入りタイヤとの比較評価の試験方法ならびにその結果について説明する。
(1)試験方法
比較評価に係る試験は、上述した各空気入りタイヤを車両に実際に装着して実施した。また、比較評価に係る試験は、路面乾燥(ドライ)時、及び路面湿潤(ウェット)時の制動性能を対象として実施した。なお、試験条件は、以下の通りである。
・使用タイヤサイズ: 205/55R16
・使用リムサイズ: 6.5J
・設定タイヤ内圧: 220kPa
・車両種別: 前輪駆動(FF)乗用車(アンチロックブレーキ装備車)
・装着位置: 4輪全輪
・タイヤ負荷荷重: 前輪−4.82kN、後輪−3.90kN(乗員2名に相当)
・テスト路面: 乾燥状態及び湿潤状態(水深1mm)におけるアスファルト舗装のテストコース
上述した試験条件において、各空気入りタイヤを装着した車両を時速80km/hで走行させ、制動開始から停止までに要した距離(制動距離)を測定した。
(2)試験結果
表1は、実施例1〜3、比較例1〜3、及び従来例に係る空気入りタイヤの特徴と、制動性能の試験結果を示している。
Figure 2005162026
表1に示すように、角度(α)の列に示されている数値は、図3に示した角度(α)の数値を示している。また、ピッチ(P)の列に示されている数値は、図3に示した横溝(横溝13a,横溝13b)の溝深さ(D)に対する割合を示している。さらに、振幅(S)の列に示されている数値は、図3に示したピッチ(P)に対する割合を示している。
ここで、従来例は、ジグザグ領域を有しない空気入りタイヤであり、例えば、図4(a)及び(b)に示したような蹴り出し側ブロック側壁S2を有している。
ここで、比較例1及び比較例2に係る空気入りタイヤでは、角度(α)の数値が、本発明において望ましいとされる5度乃至30度の範囲外となっている。さらに、比較例3に係る空気入りタイヤでは、ピッチ(P)の数値が、本発明において望ましいとされる横溝の溝深さ(D)の15%乃至30%の範囲外となっている。
また、表1に示されている制動指数は、従来例に係る空気入りタイヤ装着時の制動距離を“100”として、比較例1〜3、及び実施例1〜3に係る空気入りタイヤ装着時の制動距離を指数で表示したものであり、数値が小さい程、制動距離が短縮されていることを示している。
表1に示すように、実施例1〜3に係る空気入りタイヤのすべてにおいて、路面乾燥時及び路面湿潤時とも、制動距離が大幅に短縮されている。一方、比較例1〜3に係る空気入りタイヤは、従来例に係る空気入りタイヤと略同様の制動距離であった。これは、角度(α)或いはピッチ(P)が、本発明において望ましい値の範囲内にないことによる。そこで、上述したように、角度(α)は、5度乃至30度の範囲内に、ピッチ(P)は、横溝の溝深さ(D)の15%乃至30%の範囲内とすることが好ましい。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ10によれば、蹴り出し側ブロック側壁S2が、制動時に路面と接触するジグザグ領域11az(ジグザグ領域11bz)を有し、制動時にブロック11a(ブロック11b)が変形することによって、ジグザグ領域11az(ジグザグ領域11bz)が路面と接触するため、制動性能をさらに向上させることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10によれば、角度(α)が、5度乃至30度に設定されるため、空気入りタイヤ10のサイズや使用条件に応じて、制動性能を向上させることができる。
また、蹴り出し側ブロック側壁S2にジグザグ領域11az(ジグザグ領域11bz)を設けたことによって、ブロック11a(ブロック11b)の剛性が確保され、ブロック11a(ブロック11b)の踏面がめくれ上がるようになることによる接地面積の減少も抑制されるとともに、操縦安定性の向上にも寄与する。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10によれば、ピッチ(P)が、ブロック11a(ブロック11b)の踏面と横溝13a(横溝13b)の底面との距離である溝深さ(D)の15%乃至30%に設定されるため、空気入りタイヤ10のサイズや使用条件に応じて、制動性能を向上させることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10によれば、振幅(S)が、ピッチ(P)の40%乃至60%に設定されるため、空気入りタイヤ10のサイズや使用条件に応じて、制動性能を向上させることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10によれば、空気入りタイヤ10の周方向に沿って配置されるブロックにおいて、ジグザグ領域のブロック踏面側端部の位置が、横溝の深さ方向において他のブロックと異なるため、ブロックの摩耗が進行した場合にも、一定の制動性能を維持することができる。
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本実施形態に係る空気入りタイヤでは、図2(a)及び(b)に示したように、ジグザグ領域(ジグザグ領域11az,ジグザグ領域11bz)における突起部分(突起部分11azp,突起部分11bzp)が、トレッドTRの幅方向に沿って延びる形状としたが、当該突起部分は、トレッドTRの幅方向以外に延びる形状であってもよい。すなわち、当該突起部分は、蹴り出し側ブロック側壁S2において、ブロック11の踏面に対して略垂直に、ブロック11の踏面から横溝13の底面に延びる形状や、垂直ではなく傾斜しつつブロック11の踏面から横溝13の底面に延びる形状であってもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの一部概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドに形成されるブロックの拡大図である。 本発明の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドに形成されるブロックの周方向断面図である。 従来の空気入りタイヤのトレッドに形成されるブロックの周方向断面図である。
符号の説明
10…空気入りタイヤ、11,11a,11b,11c…ブロック、11aeg,11beg…端部、11az,11bz…ジグザグ領域、11azp,11bzp…突起部分、12…周方向溝、13,13a,13b…横溝、100…ブロック、100a…踏面、101…路面、CL…タイヤ赤道線、R…回転方向、S1…踏み込み側ブロック側壁、S2…蹴り出し側ブロック側壁、TR…トレッド

Claims (5)

  1. トレッドの幅方向に延びる複数の横溝と、前記トレッドの周方向に延びる複数の周方向溝とによって区画形成され、路面と接地するブロックを備えるとともに、回転方向が指定された空気入りタイヤであって、
    前記空気入りタイヤの回転に伴って後に前記路面から離れる側の前記ブロックの側壁である蹴り出し側ブロック側壁が、制動時に路面と接触するジグザグ領域を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ジグザグ領域の前記ブロックの踏面側端部を始点とした前記ジグザグ領域の周方向断面線、及び前記踏面側端部を通過し、前記ブロックの周方向の踏面に平行または略平行な平行線によって形成される角度(α)が、5度乃至30度であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ジグザグ領域は、前記ブロックの周方向断面において、前記横溝の底面に向けて所定の間隔(P)をもって略同一の形状を繰り返し、前記所定の間隔(P)は、前記横溝の溝深さ(D)の15%乃至30%であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ジグザグ領域では、前記ブロックの周方向断面線が屈曲する幅である振幅(S)は、前記所定の間隔の40%乃至60%であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記空気入りタイヤは、周方向に沿って、前記ブロックを複数備え、前記ブロックでは、前記ジグザグ領域の前記踏面側端部の位置が、前記横溝の深さ方向において、他の前記ブロックと異なることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
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