JP2005161799A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】上質紙やラフ紙のような表面平滑度の低い被記録体に対しても、良好な転写性、印字性を発揮する熱転写記録媒体を提供する。
【解決手段】基材上に、発泡剤を含有する層、剥離可能な熱溶融剥離層および熱溶融着色層をこの順で積層して熱転写記録媒体を構成し、熱転写記録時に、発泡剤を含有する層は該基材上に残り、該熱溶融着色層は被記録体上に転写される。発泡剤は10から100倍の発泡倍率で、発泡剤を含有する層はガラス転移温度が0〜70℃の樹脂を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写記録媒体に関し、詳しくは表面平滑度の低い被記録体に対しても良好な印字性を与える熱転写記録媒体、特に上質紙やラフ紙、あるいはマット処理、エンボス加工処理等されて凹凸を有する紙、フィルム、シート、クロス等の被記録体上への印字に際して優れた転写性、印字性を与える熱転写記録媒体に関するものである。
いわゆる熱転写記録媒体を用いれば、表面平滑度の高い紙等の被記録体に対して良好な印字を行うことができる。しかし、上質紙やラフ紙のような表面平滑度の低い被記録体に対しては、被記録体表面凹凸の凹部内にインクが容易に進入、接着せず、転写されないために、その部分に「かすれ」を生じ、いわゆるベタ黒印字の場合にいわゆる白ヌケが生じたり、印字された画像のエッジ部分が不鮮明になったりして、印字品位が非常に低下するという問題を有していた。しかも、この問題は被記録体の表面平滑度が低くなるほど顕著に現れるため深刻であった。
この問題の解決策として、特許文献1では基材上の熱溶融着色層中に発泡剤を分散させることを、特許文献2では基材と熱溶融着色層との間に発泡剤含有層を設けることをそれぞれ開示しており、いずれの文献も層内での発泡現象を利用して被記録体表面の凹凸を埋めることで転写性を向上させている
特開昭59−201893号公報 特開昭60−82389号公報
しかし、両文献に開示された技術ではいずれも、内部で発泡の起こる層自体が転写されるために、転写された熱溶融着色層は発泡作用により構造上荒らされており、印字濃度の低下や、転写された文字や画像の表面光沢感の不足等、印字品位が著しく損なわれるという問題があった。
さらには、印字の際にサーマルヘッドが発生する熱エネルギーの相当量を発泡自体に消費してしまうために、熱転写記録の感度が不足気味になるという問題も生じていた。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解消し、表面平滑度の低い被記録体に対する記録においても良好な転写性や高い印字品位を与える熱転写記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、基材上に、発泡剤を含有する層、熱溶融剥離層および熱溶融着色層をこの順で積層してなることを特徴とする熱転写記録媒体により達成される。
本発明者は、上述した従来技術の問題点を解消すべく鋭意研究を行った結果、従来技術の基材/発泡剤分散熱溶融着色層あるいは基材/発泡剤含有層/熱溶融着色層の構成に代え、基材/発泡剤含有層/熱溶融剥離層/熱溶融着色層の構成を採用することで、従来のように発泡剤含有層がその発泡・膨張作用により基材を押圧し、自ら基材から剥離して着色剤と共に被記録体上へ転写されるのではなく、熱転写に際し発泡剤含有層自体は剥離せずに基材上に残り、その発泡・膨張作用により熱溶融着色層を被記録体上へ押し付ける働きをすることで、被記録体表面凹凸の凹部内にインクが容易に進入、接着することができ、これにより白ヌケ、かすれ等のない高品位の印字(記録)が得られることを見出すに至った。
また、このように基材上に設けた発泡剤含有層と熱溶融着色層との間にさらに熱溶融剥離層を介在させて発泡/膨張/押出しの機能と剥離(層分離)の機能とを機能分離させ、熱溶融剥離層の融解による熱溶融着色層の良好な層分離作用ならびに発泡剤含有層による該層分離した熱溶融着色層の被記録体上への押し付け作用を同時に発揮させることで、熱溶融着色層の被記録体上への転写を促進して高品位の印字(記録)を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明によれば、表面平滑度の低い被記録体に対する記録においても良好な転写性や高い印字品位を与える熱転写記録媒体を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明の熱転写記録媒体の基本的構成は図1に示すように、基材1上に、発泡剤5を含有する層2、熱溶融剥離層3および熱溶融着色層4をこの順で積層してなるものである。
本発明において使用される基材1としては、従来から基材として用いられている公知の材料をそのまま使用することができる。たとえば、ポリスルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、トリアセテートフィルム、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙等が挙げられるが、これらに限定されない。これらのうち、特にポリエステルフィルムは、価格、機械的強度、寸法安定性、耐熱性等の見地から好ましいものである。これら基材は、通常1〜30μm、好ましくは2〜15μmの厚さのものが使用される。
本発明において使用される熱溶融剥離層(以下単に剥離層ともいう)3は、主に、その上に設けられる熱溶融着色層(以下単に着色層ともいう)4と、その下の発泡剤5を含有する層(以下単に発泡層ともいう)2との接着力を調節する役割を果たす。例えばサーマルヘッドなどによる基材1裏面側(剥離層などの層が形成されていない側)からの加熱により、着色層4が後述する発泡層2から剥離し易くするために設ける層である。剥離層3に含まれる材料は、その融点もしくは軟化点が、通常、50〜150℃、特に60〜120℃の範囲内にあるもの、あるいは二種以上の混合によってその範囲内になるものが好適に使用される。その材料として、たとえば、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス、ポリエチレン系共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル系(共)重合体、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明における剥離層3の塗布量は、乾燥後の1m2当たりのg数(以下、塗布量という)で、0.1〜5.0g/m2とすることが好ましい。
剥離層3には、上記成分のほかに、必要に応じて本発明の目的を阻害しない範囲で、他の成分を適宜含有させてもよい。たとえば、有機フィラー、アルミナ等の充填剤、熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド類、ならびに高級アミン類などが挙げられる。これらを使用する場合には、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。剥離層は、上記成分のほかに、さらに、剥離性を調節するため界面活性剤を含んでいてもよい。本発明で用いることのできる代表的な界面活性剤としては、ポリオキシエチレン鎖含有化合物等が挙げられる。さらに、無機あるいは有機微粒子(金属粉、シリカゲル等)あるいは、オイル類(アマニ油、鉱油等)を添加してもよい。
本発明において使用される着色層4は、公知の熱溶融着色層と同じ構成であり、バインダー樹脂、ワックス、着色剤等からなる。バインダー樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ロジン誘導体、スチレン系樹脂等を使用することができる。また、ワックスとしては、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、サゾールワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用することができる。着色剤としては、カーボンブラック、オイルブラックのような黒色着色剤、シアン、マゼンタ、イエロー等の各色の顔料および染料を使用することができる。
着色層4の塗布量は一般に1〜10g/m程度である。
本発明において使用される発泡層2は、熱転写に際し、基材上にあって、内包された発泡剤の発泡・膨張作用により熱溶融着色層を被記録体上へ押し付ける働きをする層で、その構成としては、バインダーとしての樹脂中に発泡剤5を分散させてなる層を好ましいものとして挙げることができる。
かかる発泡剤5としては、公知のものを使用することができ、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'ジニトロソ−N,N'ジメチルテレフタルアミド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンアミド、P−トルエンスルホニルアジド、アセトン−P−スルホニルヒドラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム等の無機系発泡剤;低温揮発性溶媒を内包した熱膨張性マイクロカプセル等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明においては、特にこの熱膨張性マイクロカプセルが、その均一、良好な発泡性、取扱容易性等の観点から好ましく使用される。
かかる熱膨張性マイクロカプセルは市販されており、一般に低沸点炭化水素を樹脂からなる殻壁でマイクロカプセル化した微小球等の構造を有し、特定温度で加熱することで加熱前の数倍から数百倍に体積が膨張する。カプセルに内包させる低沸点炭化水素としては、塩化メチル、臭化メチル、トリクロロエタン、ジクロロエタン、n−ブタン、n−ヘプタン、n−プロパン、n−ヘキサン、n−ペンタン、イソブタン、イソヘプタン、ネオペンタン、石油エーテル、フレオン等のフッ素原子を含有有する脂肪族炭化水素、あるいはこれら炭化水素の混合物等を用いることができる。マイクロカプセルの殻壁の材料としては、塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチルアクリレート、メタクリル酸エチルアクリレート、酢酸ビニル、あるいはこれらの共重合体やブレンド等を用いることができ、さらに必要に応じ架橋剤を添加してもよい。
かかる熱膨張性マイクロカプセルの市販品の例としては、松本油脂製薬株式会社製造のマツモトマイクロスフェアーFシリーズ(商品名)のF−20、F−30、F−30VS、F−40、F−50、F−80S,F−82,F−85,F−80VS,F−100等や、日本フェライト株式会社製造のエクスパンセル(商品名)シリーズを好ましいものとして挙げることができる。
本発明において、上述した発泡剤5を分散等により含有させて発泡層2を構成するバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂等を好ましいものとして挙げることができる。
なお、上述したように、本発明においては、熱転写に際し発泡層自体は剥離せずに基材上に残り、その発泡・膨張作用により着色層を被記録体上へ押し付けるよう作用するが、この作用を有効、確実に発揮させるためには、基材を構成する材料と発泡層を構成するバインダー樹脂材料との組合せに留意する必要がある。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル樹脂、コンデンサー紙やグラシン紙のような薄葉紙とセルロース樹脂、ポリスチレンフィルムとポリスチレン樹脂の組合せのように、基材の材料と同種、同系統、同主成分、類縁等の関係にある樹脂材料を用いることにより、基材に対する発泡層の接着性が向上し、また発泡層に使用する発泡剤の発泡倍率、含有量の選択の自由度、ひいては本熱転写記録媒体自体の設計の自由度が高まるのでより好ましい。
さらに、本発明において基材1として好ましく用いられるポリエチレンテレフタレートフィルムのようなポリエステルフィルムに対する密着性、混入する発泡剤5の分散性、樹脂自体の延伸性等を考慮するとポリエステル樹脂を使用することが特に好ましい。
さらに、上記の発泡層2を構成するバインダー樹脂は、−5℃〜75℃の範囲内のガラス転移温度を有していることが好ましく、0℃〜70℃の範囲内のガラス転移温度を有していることがより好ましい。実験結果によれば、ガラス転移温度が−5℃より低いと熱転写性に悪影響を及ぼし、一方75℃より高いと発泡剤の発泡が抑制されて適度な膨張効果が得られないことが判っている。特に、5℃〜60℃の範囲内のガラス転移温度を有していることが最も好ましい。
また、上記バインダー樹脂については、熱転写時に、加熱されている樹脂部分はガラス転移温度を超えているため発泡剤の発泡・膨張を大きく妨げることはないが、加熱されていない樹脂部分も加熱部分と共にある程度延伸しないと発泡剤の膨張作用を妨げてしまう。実験結果によれば、かかる延伸性の要件を満たすためには、上記バインダー樹脂は、その引張破断強度(ASTM D638)が61MPa以下で、引張破断伸度(ASTM D638)が4%以上であることが好ましく、また引張破断強度(ASTM D638)が45MPa以下で、引張破断伸度(ASTM D638)が10%以上であることがより好ましく、さらには引張破談強度(ASTM D638)が32MPa以下で、引張破断伸度(ASTM D638)が35%以上であることが最も好ましいことが判っている。
さらに、上記バインダー樹脂中に含有させる上記発泡剤の粒径は、0.1μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜20μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜10μmの範囲内であることが最も好ましい。粒径が大きすぎると必然的に発泡後の粒径も大きくなり、発泡層2の表面が粗面になって均一な力での押出しが困難になるため良好な印字が得られない。一方、粒径が小さすぎると十分な膨張効果が得られず、同様に良好な印字が得られない。
また、上記発泡剤5の発泡温度は150℃以下であることが好ましい。発泡温度が高すぎると、印字の際にサーマルヘッドが発生する熱エネルギーの相当量を発泡自体に消費してしまうために、熱転写記録の感度が不足するおそれがある。
さらに、上記発泡層2における発泡剤5の含有割合については、上記発泡層全体の重量を基準として5〜85重量%の範囲内であることが好ましい。5重量%より少ないと発泡効果が不十分となり、一方85重量%より多いと基材1との密着力が低下して発泡層2ごと転写されてしまうおそれがある。
また、本発明において使用される上記発泡剤5の発泡倍率(体積倍率)としては、約5〜120倍の範囲内が好ましく、10〜100倍の範囲内がより好ましく、さらに20〜70倍の範囲内のものを使用すると最も高い印字性向上効果が得られ大変好ましい。5倍より小さいと発泡効果が不十分となり、一方120倍より大きいと印字表面を荒らしてしまい、印字濃度に悪影響を及ぼすおそれがあるばかりか、発泡層2自体の基材1に対する密着性を低下させるおそれがある。
発泡層2の塗布量は、好ましくは0.3〜3.0g/m、より好ましくは0.5〜1.5g/mである。
なお、本熱転写記録媒体の基材1の熱溶融着色層等が形成される面とは反対側の面、すなわち熱が直接加えられる面上には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等からなる耐熱保護層(不図示)を設けることが好ましい。
さらに、本熱転写記録媒体の表面には、必要に応じ、感熱性の調整または表面汚れの防止等のための表面層(不図示)を設けてもよい。
以下、図1を参照しつつ本発明を実施例に基づき説明するが、これら実施例は例示であり、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材1の一方の面に、下記組成1を有する塗布液を、塗布量が0.3g/mとなるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて耐熱保護層(不図示)を形成した。
[組成1]
シリコーン樹脂 10重量%
トルエン 45重量%
メチルエチルケトン 45重量%
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材1の他方の面に、表1の実施例1の欄に示す組成(すなわち、樹脂としてのエリーテルUE−3500:5.5重量部;発泡剤:4.5重量部;ならびに溶剤としてのトルエン45重量部およびメチルエチルケトン45重量部)を有する塗布液を、塗布量が0.8g/mとなるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて発泡層2を形成した。
ここで、エリーテルUE−3500はユニチカ株式会社製造の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂の商品名であり、UEの記号の後に続く番号の相違により表2に示すガラス転移点等の種々の異なる物性等を有する。
また、本実施例において用いた上記発泡剤は、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体殻壁熱膨張性マイクロカプセルであり、上述した松本油脂製薬株式会社より「マツモトマイクロスフェアーFシリーズ」F−30VS、F−30、F−50等の商品名で種々の発泡倍率のものが得られる。
この発泡層2上に、下記組成2を有する塗布液を、塗布量が0.5g/mとなるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて剥離層3を形成した。
[組成2]
ポリエチレンワックス 9重量%
エチレン−酢酸ビニル共重合体 1重量%
トルエン 90重量%
この剥離層3上に、下記組成3を有する塗布液を、塗布量が1.0g/mとなるようにダイレクトグラビアコーターを用いて塗布し、乾繰させて着色層4を形成して本発明の熱転写記録媒体を作製した。
[組成3]
ポリエステル樹脂 18重量%
カーボンブラック 12重量%
トルエン 35重量%
メチルエチルケトン 35重量%
[実施例2]〜[実施例14]
実施例1の発泡層2の組成を、表1の各実施例番号に対応する欄に記載した樹脂と発泡剤とを含む組成にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の操作に従って本発明の熱転写記録媒体を作製した。なお、発泡剤については実施例1で使用したものと同一の材料で発泡倍率のみ異なるものを使用したので表1では材料名を省略し、発泡倍率のみを示す。
[比較例1]
実施例1で形成した発泡層2を形成しなかった以外は、実施例1と同様の操作に従って熱転写記録媒体を作製した。
[比較例2]
比較例1の剥離層の組成を下記組成4に変更して発泡剤含有剥離層を形成した以外は、比較例1と同様の操作に従って熱転写記録媒体を作製した。
[組成4]
ポリエチレンワックス 4.9重量%
エチレン−酢酸ビニル共重合体 0.6重量%
マツモトマイクロスフェアーF−30VS 4.5重量%
(松本油脂製薬株式会社製、発泡倍率30倍)
トルエン 90重量%
[評価試験および評価結果]
上記各実施例および各比較例の熱転写記録媒体を、ゼブラ140Xiプリンターにセットして下記の各種項目について評価試験を行った。
(1)細線印字品質評価
1ドット幅の罫線を、被記録体としての上質紙の移送方向に印刷し、線のつながり具合を以下の評価基準に従い評価した。
◎:切れ目がなく、全て鮮明につながっている。
○:若干カスレ気味だが、全てつながっている。
△:切れ目がわずかにあるが実用上問題はない。
×:破線になり、実用上問題がある。
(2)転写性評価
被記録体として上質紙を用いて熱転写記録を行い、転写時の熱転写記録媒体リボンと上質紙の剥離具合を以下の評価基準に従い評価した。
◎:剥離音がしない。
○:印字上問題はないが、リボン剥離時にかすかな剥離音がする。
△:印字上問題はないが、リボン剥離時に剥離音がする。
×:リボンと上質紙との貼り付きが発生し、印字上問題がある。
(3)印字濃度(ベタ印字品質)評価
被記録体としてアートコート紙を用いてベタ黒印字を行い、ベタ印字部分の印字濃度を濃度測定器(マクベス濃度計RD−918)を用いて測定し、測定値を以下の評価基準に従い評価した。
◎:1.8以上
○:1.5以上
△:1.2以上
×:1.2未満
以上の各評価試験の結果をまとめて下記の表2に示す。
表2の結果から明らかなように、実施例1の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価、転写性評価、および印字濃度(ベタ印字品質)評価のすべてにおいて、最高の評価を得た。
また、実施例2の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価において、実施例1の熱転写記録媒体より2段階劣る評価を得た。これは、発泡剤の発泡倍率がかなり低いことに因るものと考えられる。
さらに、実施例3の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価において、実施例1の熱転写記録媒体より1段階劣る評価を得た。これは、発泡剤の発泡倍率がやや低いことに因るものと考えられる。
また、実施例4および実施例5の熱転写記録媒体はいずれも、細線印字評価、転写性評価、および印字濃度(ベタ印字品質)評価のすべてにおいて、実施例1の熱転写記録媒体と同様の最高の評価を得た。
さらに、実施例6の熱転写記録媒体は、印字濃度(ベタ印字品質)評価において、実施例1の熱転写記録媒体より1段階劣る評価を得た。これは、発泡剤の発泡倍率がやや高く、印字表面が粗くなったことに因るものと考えられる。
また、実施例7の熱転写記録媒体は、印字濃度(ベタ印字品質)評価において、実施例1の熱転写記録媒体より2段階劣る評価を得た。これは、発泡剤の発泡倍率が高く、印字表面が粗くなったことに因るものと考えられる。
さらに、実施例8の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価および転写性評価の双方において、実施例1の熱転写記録媒体より2段階劣る評価を得た。これは、発泡層構成樹脂のガラス転移温度が低すぎて転写性が低下し、それに伴い細線印字品質も低下したものと考えられる。
また、実施例9の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価および転写性評価の双方において、実施例1の熱転写記録媒体より1段階劣る評価を得た。これは、発泡層構成樹脂のガラス転移温度が低めであるため転写性も若干低下し、それに伴い細線印字品質も若干低下したものと考えられる。
さらに、実施例10および実施例11の熱転写記録媒体はいずれも、細線印字評価、転写性評価、および印字濃度(ベタ印字品質)評価のすべてにおいて、実施例1の熱転写記録媒体と同様の最高の評価を得た。
また、実施例12の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価において、実施例1の熱転写記録媒体より2段階劣る評価を得た。これは、発泡層構成樹脂のガラス転移温度が高すぎて発泡性が低下したことに因るものと考えられる。
さらに、実施例13の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価において、実施例1の熱転写記録媒体より1段階劣る評価を得た。これは、発泡層構成樹脂の引張破断強度が高めで、かつ引張破断伸度が低めであるため発泡性も若干低下し、それに伴い細線印字品質も若干低下したものと考えられる。
また、実施例14の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価において、実施例1の熱転写記録媒体より2段階劣る評価を得た。これは、発泡層構成樹脂の引張破断強度が高く、かつ引張破断伸度が低いため発泡性も低下し、それに伴い細線印字品質も低下したものと考えられる。
さらに、比較例1の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価において、実施例1の熱転写記録媒体より3段階劣る最低の評価を得た。これは、発泡層が存在しないことに因るものと考えられる。
また、比較例2の熱転写記録媒体は、細線印字品質評価において、実施例1の熱転写記録媒体より2段階劣る評価を得た。これは、剥離機能(層分離機能)と発泡機能(押出し機能)とが機能分離されていないことに因るものと考えられる。さらに、印字濃度(ベタ印字品質)評価において、実施例1の熱転写記録媒体より3段階劣る最低の評価を得た。これは、剥離層中に発泡剤が存在しており、発泡剤を含む剥離層ごと転写されたために、印字表面が粗くなり、印字濃度が低下したものと考えられる。
さらに、上述した各評価結果を以下の評価基準に従い総合評価した。
優:3項目全て◎である。
良:2個以下の◎があり、△も×もない。
可:1個以上の△があり、×はない。
不可:1個以上の×がある。
この総合評価の結果を併せて下記の表2に示す。
Figure 2005161799
Figure 2005161799
Figure 2005161799
本発明に係る熱転写記録媒体の一例の構造を示す厚さ方向模式的断面図である。
符号の説明
1 基材
2 発泡層
3 剥離層
4 着色層
5 発泡剤

Claims (4)

  1. 基材上に、発泡剤を含有する層、熱溶融剥離層および熱溶融着色層をこの順で積層してなることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 基材上に、発泡剤を含有する層、熱溶融剥離層および熱溶融着色層をこの順で積層してなり、熱転写記録の際に、該発泡剤を含有する層を該基材上に残して、該熱溶融着色層が被記録体上に転写されることを特徴とする熱転写記録媒体。
  3. 発泡剤の発泡倍率が10〜100倍であることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写記録媒体。
  4. 発泡剤を含有する層が樹脂を含んでおり、該樹脂のガラス転移温度が0〜70℃であり、引張破断強度(ASTM D638)が45MPa以下であり、かつ引張破断伸度(ASTM D638)が10%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写記録媒体。
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