JP2005161405A - セグメントロール装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 設置現場までの運搬、そして現場にての設置が簡単で、かつシール効果が確保され、軸受等の損傷を受けないセグメントロールを提供することを目的とする。
【解決手段】 非回転軸体（４）上で軸線方向に離間された位置で軸受（６，７）で支持された複数のロールセグメント（２）を有し、各ロールセグメント（２）がシール手段（８）と協働するスリーブ状のマントル（５）を有しているセグメントロール（１）において、各ロールセグメント（２）は内スリーブ（９）を有する自己保有型ユニットとして形成され、該内スリーブが非回転でその内面にて軸体（４）と接触するように該軸体（４）へ組込まれていること、各ロールセグメント（２）の各端部に、軸受（６，７）とシール手段（８）を収容するために、内スリーブ（９）の内周面から外方に離れた位置に周溝（１０，１１）が形成されている。
【選択図】 図２

Description

本発明は、連続鋳造機に用いられるセグメントロールに関するものである。

連続鋳造機においては、金属スラブが溶融金属から連続的に作られる。この溶融金属は取瓶からタンディッシュへ注がれ、ここから水冷モールドへ搬送されて、連続鋳造金属のスラブの固化が始まる。しかる後、スラブは湾曲せるトラックの間に送られる。このトラックは複数のセグメントロールにより形成されていて、スラブを最終厚さの金属材とするまで形状づけそして冷却を続ける。
発見できず

連続鋳造機のためのセグメントロールは、従来、非回転の軸体を有し、この軸体には複数のロールセグメントが取りつけられ、軸受そしてシールカセットが各ロールセグメントに組み込まれていた。軸受の内輪は軸体に直接組み込まれており、これは軸体にすべてのセグメントを設けた長いロールとする必要があり、さもないと、シールカセットと軸受が輸送中に脱落したり位置がずれたりしてしまうことを意味する。セグメントロールは２ｍ以上の長さになることもあるので、長くそして重いロールは、製造者から連続鋳造機の現場まで輸送時に、特殊な輸送設備を必要とする。これらの従来のロールの組込時には、さらに、軸体上でシールカセットと軸受を有するロールセグメントを押し込むために、大きな組込力と特殊工具が必要であった。

さらには、セグメントの組込後、シールカセットのリップが曲がってしまっていないということ、あるいは軸体が損傷していないということが確実でなく、これはシール機能が損なわれているかも知れないということを意味する。

本発明の一つの目的は、従来経験してきた多くの問題を極力解決する連続鋳造機のための新しいセグメントを提供することである。

本発明の他の目的は、ロール軸体へのセグメントの組込時にシール効果が失われないこと、セグメントを支持する軸受が上記組込時に損傷を受けないことを確実ならしめることにある。

本発明のさらなる目的は、損傷したセグメントマントルのみが交換されればよく、セグメントロール全体についての交換を要求されないような、連続鋳造機のためのセグメントロールを提供することにある。

本発明によれば、上記のすべての目的は、非回転軸体上で軸線方向に離間された位置で軸受で支持された複数のロールセグメントを有し、各ロールセグメントがシール手段と協働するスリーブ状のマントルを有しているセグメントロールにおいて、各ロールセグメントは内スリーブを有する自己保有型ユニットとして形成され、該内スリーブが非回転でその内面にて軸体と接触するように該軸体へ組込まれていること、各ロールセグメントの各端部に、軸受とシール手段を収容するために、内スリーブの内周面から外方に離れた位置に周溝が形成されていることにより達成される。

本発明による自己保持型のセグメントロールは、これが用いられる現場へ軸体とロールセグメントを別々に運搬できて、いくつかの点で有利である。先ず、ロールセグメントと軸体とが、現場にて正しくない組込みによるリスクなしに組み立てられる。これは、換言すれば、通常の標準化された設備で運搬できるということである。又、カプセル化された設計により、一旦潤滑した後は、再潤滑不要であり保守が簡単となる。

以下、添付図面を参照しつつ、本発明の非限定的な実施形態にもとづき、本発明をさらに説明する。

図１には、四つのロールセグメント２を有する本発明によるセグメントロール１が平面図で示されており、これら四つのロールセグメントは互いにサポートブロック３により離間しており、各サポートブロック３は上記ロールセグメント２の端部側に位置している。

図１でのII−II断面を示す図２に見られるように、セグメントロール１は、一つの非回転軸体４と、該軸体４上に回転自在に支持されている複数のロールセグメント２とを有している。各ロールセグメント２は実質的にスリーブ状のマントル５により形成され、このマントルは固定側軸受６と自由側軸受７とで支持されており、自由側軸受は、例えば、ロール時の温度変化により生ずる軸方向寸法変動を吸収するための自由特性を与えるトロイダルころ軸受を用いることができる。各ロールセグメント２の端部には、シールカセットが設けられており、該シールカセットは、軸受内へ塵埃そして湿気が侵入するのを防止できる、市場で得られる種々のシールカセットのどの形式のものであってもよい。

サポートブロック３は、軸４を非回転状態で支持するための各ロールセグメント２の各端部に設けられている。二つのロールセグメント２が互いに隣接している部位では、これらの間にある一つのサポートブロック３が、図示のごとく、隣接せるロールセグメントの両方の対向端に対し、勿論、共通であってもよい。

これまで図示されてきた各セグメントロールは、公知のセグメントロールと同様に、ほぼ同じものであった。

しかしながら、公知のセグメントロールとは違い、本発明によるセグメントロール１は軸受とシールカセットが軸体に対して直接配置されているのではなく、各ロールセグメント２が内スリーブ９を有している。各ロールセグメント２はロールマントル５の軸方向端部に内周溝１０（図７参照）が形成されており、各内スリーブ９がその軸方向端部に形成された外周溝１１を有している。対向する上記内周溝１０と外周溝１１は軸受６，７のシールカセット８のための座を形成する。勿論、この座は、ロールセグメント２と内スリーブ９の一方のみによって形成されるようになっていてもよい。

したがって、各ロールセグメント２はロールマントル５、軸受６，７、シールカセット８そして内スリーブ９を有する独立して個々のユニットを形成するようになり、各ユニットは比較的簡単に軸体へ組み込まれるようになる。この組込みの際には、軸受と軸体の間そしてシールと軸体の間でそれぞれ直接的な接触がないので、シールの各要素が損傷されたりシール接触しなくなったりする虞れがなく、又、ロールセグメントの軸体上への組込み中に軸受を損傷する虞れもなくなる。このような、ロールマントル５、軸受６，７、シールカセット８そして内スリーブ９を有するロールセグメントは自己保持型のユニットを形成し、これによって、潤滑剤を保持するようになり、再潤滑が不要となる。

各サポートブロック３には、内スリーブ９の端面と接触することにより隣接するロールセグメント２同士を軸線方向に離間するスペーシングスリーブ１２が配設されている。図示の形態では、このスペーシングスリーブ１２はサポートブロック３を貫通して延び、したがって、軸体４とサポートブロック３の内径との間で位置しており、該サポートブロック３の内径で対向内スリーブ３の端面と接触するように突出している。

本発明によるセグメントロール１の端部を、図１の左方向から見た図が図３に示されている。図示のごとく、サポートブロック３は二分割されたブロックとして形成され、上半部３ａと下半部３ｂがボルト１３により取外し自在に結合されている。

図４は、図２で左端部に位置するサポートブロック３についての図２におけるIV−IV断面を示す。このサポートブロックには軸体４を貫通するバー１４が設けられており、これによって、軸体がロールセグメントのマントル５の回転にひきずられて回転することを防止している。

図５は、中間部に位置するサポートブロック３についての図２におけるV−V断面を示しており、図４における断面と類似しているが、この中間位置のサポートブロックには回転を阻止するバーが無い点で相違している。

図６は図１において右方からセグメントロール１の端面を見た図である。この端面では、軸体に調整ロックナット１５が取りつけられている。

図７において、固定側軸受６は球面ころ軸受として図示されているが、他の形式の軸受を用いてもよいことは明白である。又、シールカセット８に対して軸線方向内方で軸受６が収められている内周溝１０と外周溝１１による空間が、セグメントロールの再潤滑不要な運転のために十分な、潤滑剤１６、好ましくはグリースのための容積を確保しているということも図から判る。

本発明による自己保持型のセグメントロールは、これが用いられる現場へ軸体とロールセグメントを別々に運搬できて、いくつかの点で有利である。先ず、ロールセグメントと軸体とが、現場にて正しくない組込みによるリスクなしに組み立てられる。これは、換言すれば、通常の標準化された設備で運搬できるということである。又、カプセル化された設計により、一旦潤滑した後は、再潤滑不要であり保守が簡単となる。

本発明は、図示され説明された形態に限定されず、従属請求項の記載にもとづいて本発明を逸脱せずに種々変更が可能である。

セグメントロールは軸体４上で支持される４つのロールセグメント２を有している例で説明されてきたが、セグメントロールは他の数のロールセグメントを有してもよいことは明白である。この形式のセグメントロールはトップセグメントロールとしてしばしば例示されるが、これは連続鋳造機のガイドトラックのどの部分にも使えるので、セグメントロールとして説明されてきた。

本発明による連続鋳造機のためのセグメントロールの正面図である。 図１におけるII−II断面図である。 図１において左方から見た図である。 図２におけるサポートブロックのIV−IV断面図である。 図２におけるサポートブロックのV−V断面図である。 図１における右方から見た図である。 図２において円で囲んだ部分の拡大図である。

符号の説明

１ セグメントロール
２ ロールセグメント
３ サポートブロック
４ 軸体
５ マントル
６，７ 軸受
８ シール手段
９ 内スリーブ
１０，１１ 周溝
１２ スペーシングスリーブ
１４ 回転阻止部材（バー）
１６ 潤滑剤

Claims (6)

1. 非回転軸体（４）上で軸線方向に離間された位置で軸受（６，７）で支持された複数のロールセグメント（２）を有し、各ロールセグメント（２）がシール手段（８）と協働するスリーブ状のマントル（５）を有しているセグメントロール（１）において、各ロールセグメント（２）は内スリーブ（９）を有する自己保有型ユニットとして形成され、該内スリーブが非回転でその内面にて軸体（４）と接触するように該軸体（４）へ組込まれていること、各ロールセグメント（２）の各端部に、軸受（６，７）とシール手段（８）を収容するために、内スリーブ（９）の内周面から外方に離れた位置に周溝（１０，１１）が形成されていることを特徴とするセグメントロール装置。
2. 少なくとも一つのロールセグメント（２）が該ロールセグメント（２）の両端部に近接して位置する一つの固定側軸受（６）と自由側軸受（７）とを有していることとする請求項１に記載のセグメントロール装置。
3. 自由側軸受（７）はトロイダルころ軸受であることとする請求項２に記載のセグメントロール装置。
4. 軸体（４）は複数のサポートブロック（３）で非回転に支持されており、該サポートブロック（３）は個々のロールセグメント（２）を軸方向に離間しかつサポートブロック（３）から離間するスペーシングスリーブ（１２）が設けられていることとする請求項１ないし請求項３のうちの一つに記載のセグメントロール装置。
5. 軸体（４）は、少なくとも一つのサポートブロック（３）と軸体とを連結している回転阻止部材（１４）によって回転が阻止されていることとする請求項４に記載のセグメントロール装置。
6. カプセル化されたロールセグメント（２）のシールカセット（８）よりも内側の空間（１０，１１）がセグメントロールの運転を再潤滑不要とするに十分な潤滑剤（１６）のための容積となっていることとする請求項１ないし請求項５のうちの一つに記載のセグメントロール装置。

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