JP2005160850A - 椅子におけるガススプリングの操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 少ない部品点数で、ガススプリングのプッシュロッドを軽快に押動しうるようにする。
【解決手段】 ガススプリング18におけるプッシュロッド37が突出する端部を、背フレーム(可動部)3に連結し、この連結部に、外周面にプッシュロッド37の先端を押圧可能な偏心カム面38を有するカム部材30を、枢軸24により回動自在に枢支して設けるとともに、背フレーム3に操作レバー28を回動可能に枢支し、かつ該操作レバー28の側端部に連設されたほぼクランク状の折曲部における枢軸24と平行をなす先端部を、カム部材30における枢軸24の外方に設けた軸孔35aに回動可能に嵌合する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば椅子の背凭れの傾動角度を調節したり、座体の高さを調節したりするガススプリングの操作装置に関する。
椅子の背凭れを後傾させる際に付勢力を付与するとともに、任意の後傾角度にロックしたり、座体の高さを任意の位置に調節してロックしたりする手段に、ガススプリングを使用したものがある。
このようなガススプリングを使用した際には、それを自由に伸縮させたり、任意の伸縮位置にロックしたりする制御弁のプッシュロッドを押圧するための操作装置を、椅子に設ける必要がある。
従来の操作装置としては、回動操作可能な操作レバーにカム体を取付けるとともに、このカム体とガススプリングのプッシュロッドとの間に、板状の押圧体を、一端を中心として回動可能に設け、操作レバーの回動操作と連動して回動するカム体の外周面により、押圧体を押動し、その回動運動によりプッシュロッドを押動するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
また、回動操作可能な操作レバーに、バルブ操作部(プッシュロッド)を押圧する押圧片の一端部を取付け、操作レバーの回動操作と連動して押圧片を回動させることにより、バルブ操作部を押圧するようにしたものもある(例えば特許文献2参照)。
実公平5−45265号公報 特開2003−245153号公報
上記特許文献1に記載されている従来のガススプリングの操作装置では、カム体とプッシュロッドとの間に押圧体を設けているため、部品点数や組付工数が増える問題がある。
また、カム体の外周面と押圧体とが、面接触しながら摺動するため、摺動抵抗が大きく、操作レバーを軽快に回動操作し得ない問題もある。
さらに、カム体は、操作レバーの回転軸に実質的に一体的に設けられ、回転軸を中心とするカム面の回転半径が小さいため、プッシュロッドの押圧ストロークはそれ程大きくないにも拘らず、操作レバーを上下に大きく回動させる必要があり、操作性が悪いだけでなく、非操作時において操作レバーが邪魔になる。
特許文献2に記載された操作装置においては、板状の押圧片の先端部により、バルブ操作部を押圧するようにしているため、操作レバーの回動操作力が比較的大きくなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、少ない部品点数でプッシュロッドを軽快に押動しうるとともに、操作レバーの回動範囲を小さくし、操作性を向上させうるようにした、椅子におけるガススプリングの操作装置を提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)椅子の固定部と可動部との間に設けたガススプリングにおける制御弁のプッシュロッドを押動することにより、前記可動部の位置を調節するようにした椅子におけるガススプリングの操作装置において、前記ガススプリングにおけるプッシュロッドが突出する端部を、前記可動部に連結し、この連結部に、外周面に前記プッシュロッドの先端を押圧可能な偏心カム面を有するカム部材を、ガススプリングの軸線と直交する枢軸により回動自在に枢支して設けるとともに、前記可動部に、前記枢軸と同方向を向く操作レバーを回動可能に枢支し、かつ該操作レバーの側端部に連設されたほぼクランク状の折曲部における前記枢軸と平行をなす先端部を、前記カム部材における枢軸の外方に設けた軸孔に回動可能に嵌合する。
(2)上記(1)項において、カム部材の軸孔の中心と操作レバーの回動中心とを結ぶ線が、カム部材によるプッシュロッドの押圧時と非押圧時において、カム部材の枢軸を中心としてプッシュロッド側と、それより離れる方向とに変位するようにする。
(3)上記(1)または(2)項において、カム部材を、プッシュロッドの押圧位置と非押圧位置との最大回動位置で停止させるストッパ手段を設ける。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、カム部材の外周面に、プッシュロッドを最大限押圧したとき、その頂面が嵌合する凹溝を設ける。
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、カム部材を硬質合成樹脂により形成する。
請求項1記載の発明によれば、ガススプリングのプッシュロッドは、操作レバーの操作により回動させられるカム部材の外周面の偏心カム面により直接押圧されるため、少ない部品点数で軽快に押動することができる。
また、カム部材は、その枢軸の外方の軸孔に嵌合した操作レバーにおけるクランク状の折曲部の先端部により回動させられるため、操作レバーを中心としてカム部材を大きく回動させることができ、操作レバーを小さく回動しても、カム面が大きく回動するため、操作レバーの操作性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、操作レバーによりカム部材を押圧位置と非押圧位置とに回動させた際において、該操作レバーが非操作位置と操作位置とに保持されるので、別部材としての保持部材を設ける必要がない。
請求項3記載の発明によれば、操作レバーを無理に回動させても、カム部材が過回動する恐れはなく、その偏心カム面が常にプッシュロッドと対向することにより、プッシュロッドを確実に作動させることができる。
請求項4記載の発明によれば、プッシュロッドを押圧状態に保持しうるとともに、操作レバーに、プッシュロッドが最大限押圧されたことの感触が伝達されるので、操作レバーをそれ以上回動させる必要がなくなる。
請求項5記載の発明によれば、カム部材とプッシュロッドとの摺動抵抗が小さくなるとともに、大きな摺動音も発生しないので、操作レバーをより軽快に回動操作することができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を備える椅子の側面図で、脚体(1)、座体(2)、背フレーム(3)、及び背凭れ(4)を主要部として構成されている。
脚体(1)は、キャスタ(5)が取付けられた放射状の5本の脚(6)と、その中心に立設された脚杆(7)とからなり、脚杆(7)の上端には、平面視概ね矩形をなす支基(8)の後端部が、水平回動自在に、かつ脚杆(7)内に収容されたガススプリング(図示略)により、高さ調節可能として取付けられている。
座体(2)は、平面視ほぼ方形枠状の座受フレーム(9)と、この上部に取付けられた座シェル(10)と、その上面にインナーシェル(図示略)を介して載設されたクッション材(11)とからなり、座受フレーム(9)の前後の端部の中央部は、それぞれ支基(8)の前端上部と、背フレーム(3)における左右1対のL字状をなす側杆(12)(12)の前端部上面とに、回動可能に取付けられている。
背凭れ(4)は、背フレーム(3)の起立部に取付けられた背シェル(13)と、その前面に取付けた背当てクッション(14)とからなっている。
背フレーム(3)の両側杆(12)の前端は、左右方向を向く支軸(15)により連結され、この支軸(15)を支基(8)における脚杆(7)よりもやや前方の上部に枢着することにより、背フレーム(3)及び背凭れ(4)は、支軸(15)を中心として前後に傾動することができる。
(12a)は、側杆(12)の外側面の折曲部付近を覆うカバー部材である。
図2に示すように、背フレーム(3)における両側杆(12)の折曲部付近と上端部との対向面同士は、連結部材(16)(17)により結合されている。
連結部材(16)の裏面と支基(8)の後端との間には、ガススプリング(18)が、次のようにして取付けられている。
図3及び図4にも示すように(図4においては側杆と連結部材は図示略)、連結部材(16)における斜め上下方向を向く傾斜板(16a)の中央部裏面には、正面視ほぼ下向コ字状のブラケット(19)における基片(19a)の前面が、左右の側片(19b)(19b)の後端上部に突設した突片(19c)を、傾斜板(16a)に形成した係合孔(20)(20)に嵌合させて、溶接又はねじにより固着されている。
ブラケット(19)の両側片(19b)間には、ガススプリング(18)のピストンロッド(18a)の上端に取付けられた後向きコ字状の連結金具(21)が、それと、両側片(19b)とに穿設された左右方向を向く通孔(22)(23)に、拡径頭部(24a)を有する枢軸、すなわち枢支ピン(24)を側方より挿通することにより、回動可能に枢着されている。
なお、枢支ピン(24)は、連結金具(21)の両後向片(21a)間に挟入されるカム部材(30)(詳細は後記する)の枢軸も兼ねている。
ガススプリング(18)のシリンダ(18b)の下端は、支基(8)の後端に突設した左右1対の支持片(25)に、左右方向を向く枢軸(26)により枢着されている(図1参照)。
(27)は、ガススプリング(18)の操作装置で、左右方向を向き、かつ左側部に平面視後向きクランク状の折曲部(28a)を有する丸棒状の操作レバー(28)と、その右端に固着された前方を向く把手部(29)と、上記連結金具(21)の両後向片(21a)間において枢支ピン(24)により回動可能に支持されるとともに、操作レバー(28)により回動させられる硬質合成樹脂製のカム部材(30)とを備えている。
操作レバー(28)は、その折曲部(28a)の近傍が、連結部材(16)の水平片(16b)の右端部上面にねじ(31)止めされた(図3参照)側面視ほぼ下向コ字状の保持金具(32)により回動自在に、かつ折曲部(28a)が連結部材(16)に形成した開口(33)を挿通して、その裏面側に位置するように保持されている。
操作レバー(28)は、図4に示すように、その折曲部(28a)における基部の右側面が、保持金具(32)に連設された平面視L字状のストッパ片(32a)に近接又は当接することにより、右方へ移動するのが規制されている。
カム部材(30)は、図5の拡大縦断側面図及び図7にも示すように、左右両側面が開口された非円形断面の筒状をなし、その内部における中心より斜め前上方と後方に偏倚した位置には、それぞれ円形の軸孔(34a)を有する筒部(34)と、楕円形の軸孔(35a)を有する楕円状筒部(35)とが、カム部材(30)の内周面と一体的に連設されている。
筒部(34)の外周面とカム部材部材(30)の内周面、及び両筒部(34)(35)同士は、リブ(36)により結合されている。
筒部(35)における軸孔(35a)の長軸側の軸線は、筒部(34)の軸孔(34a)の中心と整合している。
カム部材(30)は、その円形の軸孔(34a)に、上記枢支ピン(24)を回動自在に嵌合するとともに、楕円形の軸孔(35a)に、上記操作レバー(28)の折曲部(28a)における枢支ピン(24)と平行をなす先端部(左端部)を回動自在に遊嵌することにより、連結金具(21)の両後向片(21a)間に回動可能に取付けられている。
カム部材(30)の外周面における軸孔(34a)の斜め前下方には、ガススプリング(18)側に向かって傾斜することにより、その制御弁作動用のプッシュロッド(37)を押圧する偏心カム面(38)が形成され、またそれと連続する下部には、プッシュロッド(37)の頂面が嵌合する円弧状断面の凹溝(39)と、それと近接する反時計方向側にストッパ段部(40)とが形成されいる。
ストッパ段部(40)は、凹溝(39)がプッシュロッド(37)の頂面に嵌合したとき、ガススプリング(18)におけるピストンロッド(18a)の連結金具(21)よりの突出端部(41)の外周縁と当接とし、カム部材(30)の時計方向の最大回動量が規制されるようになっている(図8参照)。
また、この際、軸孔(35a)の中心と操作レバー(28)の回動中心とを結ぶ線が、枢支ピン(24)の中心よりも内方、すなわちガススプリング(18)側に位置するようになっている。
このようにすると、操作レバー(28)及び把手部(29)が操作位置に保持され、妄りに反対方向に回動することがなくなる。
カム部材(30)の反時計方向の最大回動量は、その外周面が、ブラケット(19)の基片(19a)の後端に連設された斜め後ろ下方を向くストッパ片(42)と当接することにより、規制される。
この状態が、図7に示す非操作状態で、カム部材(30)の偏心カム面(38)の上端部がプッシュロッド(37)の頂端と摺接又は僅かに離間して、これを非押圧状態とする。
この際、軸孔(35a)の中心と操作レバー(28)の回動中心とを結ぶ線は、上記とは反対に、枢支ピン(24)の中心よりも外方、すなわちガススプリング(18)より遠ざかる方向に変位し、操作レバー(28)及び把手部(29)が非操作位置に保持されるようになっている。
図7におけるプッシュロッド(37)の非押圧状態では、ガススプリング(18)が任意の伸縮位置でロックされるため、背フレーム(3)及び背凭れ(4)の傾動は、ガススプリング(18)のロック位置の範囲内で行われる。
図8に示すように、把手部(29)を上向きに回動すると、操作レバー(28)における折曲部(28a)の先端部が下向きに回動することにより、カム部材(30)は時計方向に回動させられ、その偏心カム面(38)によりプッシュロッド(37)が徐々に押圧される。
カム部材(30)のストッパ段部(40)がガススプリング(18)の突出端部(41)と当接する最大位置まで、把手部(29)を回動させると、カム部材(30)の凹溝(39)に、プッシュロッド(37)の頂面が嵌合することにより、該プッシュロッド(37)は、押圧状態に保持され、かつ操作レバー(28)と把手部(29)は、最大回動位置に停止させられる。
これにより、ガススプリング(18)のピストンロッド(18a)は、伸縮自在となり、背凭れ(4)を自由に傾動させることができる。
上記把手部(29)を上下に最大位置まで回動させた際、枢支ピン(24)の拡径頭部(24a)が、操作レバー(28)における折曲部(28a)の後向き折曲部(28b)の回動領域内において、それと常に対向するようになっており、枢支ピン(24)がブラケット(19)や連結金具(21)から抜け外れるのが防止されるようになっている(図4、図6参照)。
このようにすると、枢支ピン(24)の先端に、抜け止め用のスナップリング等を嵌め込む必要はなく、組立て時の作業能率が向上するとともに、部品点数も削減される。
上記実施形態では、本発明を、背凭れ(4)傾動用のガススプリング(18)に適用した例を示しているが、脚杆(7)内に収容された、座体(2)の高さ調節用のガススプリングの操作装置としても適用することができる。
本発明の一実施形態を備える椅子の側面図である。 同じく、背フレームと、それに取付けられるガススプリングと、その操作装置の分解斜視図である。 同じく、組付後における図2の要部の縦断側面図である。 同じく、操作装置の平面図である。 カム部材の拡大縦断側面図である。 ガススプリング及び操作装置を右側方より見た斜視図である。 ガススプリングのプッシュロッド非押圧時の中央縦断側面図である。 同じく、プッシュロッド押圧時の中央縦断側面図である。
符号の説明
(1)脚体(固定部)
(2)座体
(3)背フレーム(可動部)
(4)背凭れ
(5)キャスタ
(6)脚
(7)脚杆
(8)支基
(9)座受フレーム
(10)座シェル
(11)クッション材
(12)側杆
(12a)カバー部材
(13)背シェル
(14)背当てクッション
(15)支軸
(16)(17)連結部材
(16a)傾斜板
(16b)水平片
(18)ガススプリング
(18a)ピストンロッド
(18b)シリンダ
(19)ブラケット
(19a)基片
(19b)側片
(19c)突片
(20)係合孔
(21)連結金具
(21a)後向片
(22)(23)通孔
(24)枢支ピン(枢軸)
(24a)拡径頭部
(25)支持片
(26)枢軸
(27)操作装置
(28)操作レバー
(28a)折曲部
(28b)後向折曲部
(29)把手部
(30)カム部材
(31)ねじ
(32)保持金具
(32a)ストッパ片
(33)開口
(34)筒部
(34a)軸孔
(35)楕円状筒部
(35a)軸孔
(36)リブ
(37)プッシュロッド
(38)偏心カム面
(39)凹溝
(40)ストッパ段部
(41)突出端部
(42)ストッパ片

Claims (5)

  1. 椅子の固定部と可動部との間に設けたガススプリングにおける制御弁のプッシュロッドを押動することにより、前記可動部の位置を調節するようにした椅子におけるガススプリングの操作装置において、
    前記ガススプリングにおけるプッシュロッドが突出する端部を、前記可動部に連結し、この連結部に、外周面に前記プッシュロッドの先端を押圧可能な偏心カム面を有するカム部材を、ガススプリングの軸線と直交する枢軸により回動自在に枢支して設けるとともに、前記可動部に、前記枢軸と同方向を向く操作レバーを回動可能に枢支し、かつ該操作レバーの側端部に連設されたほぼクランク状の折曲部における前記枢軸と平行をなす先端部を、前記カム部材における枢軸の外方に設けた軸孔に回動可能に嵌合したことを特徴とする椅子におけるガススプリングの操作装置。
  2. カム部材の軸孔の中心と操作レバーの回動中心とを結ぶ線が、カム部材によるプッシュロッドの押圧時と非押圧時において、カム部材の枢軸を中心としてプッシュロッド側と、それより離れる方向とに変位するようにした請求項1記載の椅子におけるガススプリングの操作装置。
  3. カム部材を、プッシュロッドの押圧位置と非押圧位置との最大回動位置で停止させるストッパ手段を設けた請求項1または2記載の椅子におけるガススプリングの操作装置。
  4. カム部材の外周面に、プッシュロッドを最大限押圧したとき、その頂面が嵌合する凹溝を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の椅子におけるガススプリングの操作装置。
  5. カム部材を硬質合成樹脂により形成してなる請求項1〜4のいずれかに記載の椅子におけるガススプリングの操作装置。
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