以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1〜図5に本発明のガススプリング10の第1の実施形態を示す。本実施形態のガススプリング10は、シリンダ19の一端部にバルブ11が突出可能に設けられると共に他端部にロッド20が摺動可能に設けられるいわゆるトリプルチューブタイプのものを使用している。このガススプリング10の具体的な内部構造は本発明では特に限定されず、既知のまたは新規の構造を採用することができる。
このガススプリング10は、バルブ11を外部から押し込んだときに作動流体を流動可能にして長さが変更可能なフリー状態になると共に、バルブ11を解放したときに該バルブ11が突出して作動流体の流動を止めて長さが固定されるロック状態になるものである。ここでの作動流体としては、圧縮ガス等の気体または油等の液体のいずれであっても良い。また、本明細書中で「バルブ」とは、ガススプリングに内蔵されて作動流体を流動可能にするか遮断するかを切り換える弁部材のみならず、この弁部材に連結してガススプリングの外部に突出して押圧により弁部材を直接切換制御できるプッシュロッド等を含む概念としている。
そして、このガススプリング10は、バルブ11の近傍に形成されるレバー支持部52と、レバー支持部52に相対移動可能に支持されると共に相対移動によりバルブ11を押圧または解放してフリー状態とロック状態とに切換可能な操作レバー16と、操作レバー16がバルブ11を押し込んだままフリー状態に維持するように操作レバー16を固定する固定手段とを備えている。このため、レバー支持部52と操作レバー16のみによりガススプリング10をフリー状態とロック状態とに切り替えることができると共に、固定手段によりフリー状態に維持することができる。しかも、レバー支持部52と操作レバー16とはガススプリング10の一部として備え付けられているので、状態切換および状態維持のための機構を備えたガススプリング10を単体として扱うことができる。よって、このガススプリング10を単体で他の装置に組み込むことにより、別体から成るガススプリング10の操作機構を省略することができる。
そして、操作レバー16は、レバー支持部52にバルブ11の出没方向に沿って揺動可能に支持されている。さらに、操作レバー16は、揺動によりバルブ11を押し込むフリー状態とバルブ11を解放するロック状態とに切り換えるようにしている。
本実施形態では、レバー支持部52は、第1の支持部である支点側支持部13と、支点側支持部13に形成される第1の支持孔である支点孔12と、バルブ11を挟んで支点側支持部13の反対側に形成される第2の支持部である揺動側支持部15と、揺動側支持部15に形成されると共にバルブ11を挟んで支点孔12の反対側に位置する第2の支持孔である揺動支持孔14とを備えるようにしている。さらに、操作レバー16は、支点孔12および揺動支持孔14の少なくとも一方を貫通するように、支点孔12および揺動支持孔14に支持されている。本実施形態では、操作レバー16は両孔12,14を貫通している。
揺動側支持部15の揺動支持孔14は、バルブ11の出没方向に伸びる切換部17と、該切換部17のバルブ11の押込方向側の端部で出没方向に対して側方に広げて成る固定手段としてのロック部18とを有している。
操作レバー16は、図1(A)に示すように揺動支持孔14の切換部17を摺動しながら支点孔12に嵌入する部分を中心にしてバルブ11の出没方向に揺動可能であり、この揺動によりバルブ11を押圧または解放してガススプリング10をフリー状態とロック状態とに切り換える。また、この操作レバー16は、図1(B)に示すように揺動支持孔14のロック部18に嵌入されたときにバルブ11の反力を受けてロック部18内に保持されてバルブ11を押し込んだままガススプリング10をフリー状態に維持する。このため、支点側支持部13と揺動側支持部15と操作レバー16のみによりガススプリング10をフリー状態とロック状態とに切り替えできると共に各状態に維持できるので、ガススプリング10の状態切換および状態維持のために必要な部品点数を大幅に削減して、組立性を向上することができると共に部品コストを低く抑えることができる。しかも、支点側支持部13と揺動側支持部15と操作レバー16とはガススプリング10の一部として備え付けられているので、状態切換および状態維持のための機構を備えたガススプリング10を単体として扱うことができる。よって、このガススプリング10を単体で他の装置に組み込むことによりガススプリング10の操作機構を別に設ける必要が無くなるので、部品点数が減少して組立性を向上することができると共に部品コストを低く抑えることができる。
ここで、操作レバー16は断面円形の棒状に形成されている。また、バルブ11の先端部は球面状に形成されている。すなわち、操作レバー16とバルブ11との各当接部分には、丸みが形成されている。さらに、ロック部18は、図2に示すように該ロック部18の奥部まで完全に嵌入された操作レバー16(図中一点鎖線で示す)の中心線がバルブ11の中心線よりもロック部18の奥側に僅かにずれるように形成されている。換言すると、図4に示すようにロック部18の奥部まで完全に嵌入された操作レバー16とバルブ11との接触点がバルブ11の中心線よりもロック部18の奥側に僅かにずれるように形成されている。このため、ロック部18に嵌入された操作レバー16はバルブ11の中心線からずれた位置でバルブ11の反力を受けるので(図2中一点鎖線の矢印、及び図4中矢印で示す)、各当接部分の丸みによりバルブ11の反力を中心線方向からロック部18側に傾いた斜め方向への分力として受ける。これにより、操作レバー16はロック部18の奥側に押し付けられて保持されると共に、バルブ11は操作レバー16に当接して押し込まれたまま維持される。
また、ロック部18に保持された操作レバー16を解放するには、バルブ11に抗して切換部17側に付勢する。そして、バルブ11を一旦押し込んで乗り越えて操作レバー16を回転させる。ここで、操作レバー16のロック部18への保持力は、例えばロック部18の深さの設定によって調整することができる。すなわち、ロック部18の深さをロック部18に嵌入された操作レバー16がバルブ11を突出させない範囲でできるだけ深く設定することにより、バルブ11から操作レバー16への反力の分力がバルブ11の中心線方向から垂直に近くなるので、ロック力を強くできる。逆に、ロック部18の深さをロック部18に嵌入された操作レバー16が保持される範囲でできるだけ浅く設定することにより、バルブ11から操作レバー16への反力の分力がバルブ11の中心線方向に近くなるので、ロック力を小さくできる。
さらに、図2及び図4に示すように、切換部17は、その内部を摺動する操作レバー16が常にバルブ11の中心線上に位置するように形成されている。このため、この操作レバー16の切換部17での摺動操作時にバルブ11の反力を斜めに受けることを防止できるので、操作レバー16と切換部17の縁との摺動摩擦やバルブ11とその軸受けとの摺動摩擦を低減でき、操作性を向上できる。
そして、切換部17からロック部18に操作レバー16を嵌入するときは、切換部17で最も押し込んだ状態の操作レバー16を僅かにロック部18側に移動させることによりバルブ11の中心線と操作レバー16の中心線とがずれるので、バルブ11の反力がロック部18側への斜め方向の分力として操作レバー16に作用するようになる。これにより、使用者は僅かな力を加えるだけで操作レバー16をロック部18に保持させることができるので、操作性を向上できる。しかも、実際には操作レバー16と切換部17との間には微少の隙間(遊び)が設けられるので、使用者が切換部17で操作レバー16を摺動させるときに心持ちロック部18側に押し付けながら操作することにより、操作レバー16が切換部17内で最も押し下げられたときにバルブ11によって直ちにロック部18側に付勢されて、あたかも操作レバー16が自動的にロック部18に嵌入されるようになる。よって、操作性を向上することができる。
また、操作レバー16は、支点孔12に嵌入して支持される揺動中心部24と、バルブ11と押し合う当接部分である押部25と、揺動支持孔14に嵌入して支持される係合部26と、揺動支持孔14を貫通した外側端部に形成される操作部(図示せず)とを備えている。
押部25はその連続する他の部分に比べて縮径された凹み形状に形成されている。このため、操作レバー16の長手方向に外力が加わっても押部25の端部がバルブ11に引っかかるので、操作レバー16が支点側支持部13および揺動側支持部15から容易に脱落することを防止できる。また、押部25の両端部には、連続する他の部分に滑らかにつながるテーパが形成されている。このため、操作レバー16を引っ張るときにテーパがバルブ11を押し下げる程度の力を加えることにより支点側支持部13および揺動側支持部15から引き抜くことができる。
揺動中心部24は、連続する他の部分に比べて細く形成されていると共に、連続する他の部分に滑らかにつながるテーパが形成されている。さらに、支点側支持部13はバルブ11の出没方向に長く形成されている。このため、操作レバー16を支点側支持部13および揺動側支持部15に組み込む際に、図3中二点鎖線で示すように揺動中心部24を揺動支持孔14に貫通してテーパでバルブ11を押し込みながら支点孔12に嵌入させることができるので、バルブ11を押し込んで操作レバー16を容易に組付けることができる。この組み付けの際には、操作レバー16を切換部17から嵌入させて、操作レバー16の先端部がバルブ11の上端部に当接したときに操作レバー16の切換部17の上端部に位置する部分を支点として操作レバー16の操作部を引き上げるようにする。これにより、バルブ11の上端部を作用点、切換部17の上端部を支点、操作部を力点とする梃子の原理を用いてバルブ11を小さい力で押し下げることができるので、操作レバー16をバルブ11の反力に対して容易に支点孔12まで嵌入することができる。
また、支点孔12は、例えば貫通孔から成り、バルブ11を挟んで切換部17の反対側に位置する揺動中心支持部21と、バルブ11を挟んでロック部18の反対側に位置する支点側ロック部22とを備えている。揺動中心支持部21は、操作レバー16が切換部17で摺動しながら揺動するとき、及び切換部17とロック部18とで切り換わるときに、揺動中心部24が嵌合して揺動中心になる部分である。この揺動中心支持部21は、図5に示すように縦長に形成されている。このため、図3に示すように操作レバー16の組み付け時に、揺動中心部24を斜め方向から嵌入することができる。
また、支点側ロック部22は、図2に示すように揺動中心支持部21とロック部18とに連通する操作レバー16(図中一点鎖線で示す)をロック部18で係合部26を中心に回転することにより、押部25がバルブ11を乗り越えて揺動中心部24が嵌入される(図中二点鎖線で示す)部分である。このとき、操作レバー16の中心線はバルブ11の中心線よりも支点側ロック部22寄りに位置するので、押部25はバルブ11の反力を支点側ロック部22に斜めに受けて(図中二点鎖線の矢印で示す)、揺動中心部24が支点側ロック部22に押圧される。これにより、操作レバー16は支点側ロック部22の奥側に押し付けられて保持されると共に、バルブ11は操作レバー16に当接して押し込まれたまま維持される。すなわち、操作レバー16は、揺動中心部24と係合部26との2カ所でバルブ11の反力を受けて支持される。よって、ロック部18と揺動中心支持部21とに連通する操作レバー16をロック部18を中心に回転してバルブ11を乗り越えて支点側ロック部22に嵌入してロック部18と支点側ロック部22とにバルブ11の反力で保持することにより、一旦保持された操作レバー16をバルブ11を乗り越えてロックするようにしているので、操作レバー16のロックをより強固にすることができる。
このとき、揺動中心部24を中心にして係合部26を切換部17に移動させたとしても、操作レバー16は切換部17と支点側ロック部22とを連通して係合部26が切換部17に対してバルブ11の反力に垂直な面内で斜めを向いているので、係合部26の一部がロック部18の縁に引っ掛かって係合部26は切換部17内で摺動することができない。このため、バルブ11を押し込まれたままで維持することができる。
また、このガススプリング10のシリンダ19のバルブ11側の端部は、円筒形状のままでバルブ11の位置よりも突出して形成されている。このシリンダ19の突出した部分に、支点側支持部13と揺動側支持部15とが形成されている。また、このシリンダ19の突出した部分には、ガススプリング10を他の装置に取り付けるための止め孔23が形成されている。
上述したガススプリング10の動作を以下に説明する。
切換部17に位置する操作レバー16をバルブ11側に押し込むことにより、操作レバー16は支点孔12に嵌入された揺動中心部24を中心にバルブ11側に揺動すると共に切換部17に嵌入された係合部26がバルブ11側に摺動する。そして、操作レバー16の押部25がバルブ11を押し込んでガススプリング10をフリー状態にする。また、切換部17に位置する操作レバー16を解放することにより、操作レバー16はバルブ11の反力で押し上げられて、揺動中心部24を中心にバルブ11の反対側に揺動すると共に係合部26がバルブ11の反対側に摺動する。そして、バルブ11が突出してガススプリング10がロック状態になる。
さらに、操作レバー16を押し込んでガススプリング10をフリー状態にしてから(図2中実線で示す)、操作レバー16をロック部18に嵌入させることにより(図2中一点鎖線で示す)、操作レバー16がバルブ11の反力の分力によってロック部18内に保持される。これにより、バルブ11は押し込まれたままになり、ガススプリング10がフリー状態に維持される。また、ロック部18内に保持された操作レバー16を切換部17に向けて強く付勢することにより、操作レバー16はバルブ11を一旦押し退けて乗り越えて切換部17に移動される。よって、操作レバー16は切換部17内で摺動可能になり、ガススプリング10がフリー状態とロック状態とに切換可能になる。
また、操作レバー16がロック部18と揺動中心支持部21とに連通する状態で(図2中一点鎖線で示す)、ロック部18に位置する係合部26を中心に回転することにより押部25がバルブ11を乗り越えて揺動中心部24が支点側ロック部22に嵌入される(図中二点鎖線で示す)。よって、操作レバー16は支点側ロック部22の奥側に押し付けられて保持されると共に、バルブ11は操作レバー16に当接して押し込まれたままガススプリング10をフリー状態に維持することができる。しかも、一旦保持された操作レバー16をバルブ11を乗り越えてロックするようにしているので、操作レバー16のロックをより強固にすることができる。
また、このガススプリング10を組み立てる際は、図3に示すように操作レバー16の揺動中心部24を切換部17のバルブ11と反対側の端部から挿入して、揺動中心部24のテーパによりバルブ11を押し込みながら支点孔12に挿入する。このとき、揺動中心部24を切換部17のバルブ11と反対側の端部から支点孔12に向けて斜めに挿入しているので、バルブ11からの反力を最小限に抑えることができる。
なお、上述した実施形態では支点側支持部13と揺動側支持部15とを円筒形状部分の一部としているが、これには限られずシリンダ19の先端部にバルブ11を挟んで相対向する2枚の板状部を形成して、これらの部分により支点側支持部13と揺動側支持部15とを形成するようにしても良い。この場合も、支点側支持部13と揺動側支持部15とをシリンダ19と一体にしているので、部品点数を更に低減することができる。また、上述した実施形態では支点側支持部13と揺動側支持部15とをシリンダ19の一部として形成しているが、これには限られず図10等に示すように支点側支持部13と揺動側支持部15とを有するブラケット28をロッド20に取り付けるようにしても良い。
そして、この実施形態では、操作レバー16とバルブ11との各当接部分に丸みを形成しているが、これには限られずロック部18の奥部まで完全に嵌入された操作レバー16をバルブ11が押圧する斜め方向の分力に垂直な斜面を操作レバー16とバルブ11との各当接部分の少なくとも一方に形成しても良い。この場合もロック部18の奥部まで完全に嵌入された操作レバー16をバルブ11が奥部側に斜めに押圧することができるので、操作レバー16はロック部18に保持されると共にバルブ11は押し込まれて維持される。
また、上述した実施形態では切換部17をその内部を摺動する操作レバー16が常にバルブ11の中心線上に位置するように形成しているが、これには限られず例えば操作レバー16の中心線がバルブ11の中心線よりも僅かにロック部18寄りに位置するように切換部17を形成するようにしても良い。この場合、切換部17に位置する操作レバー16はバルブ11から斜めに反力を受けて常にロック部18側に付勢されているので、切換部17内で最も押し下げられたときに自動的にロック部18に嵌入されるようになる。このため、ガススプリング10を例えばフリー状態にロックすることが多い機構に搭載するときに、特に操作性を向上することができる。
さらに、上述した実施形態では支点孔12は出没方向に長い揺動中心支持部21とその突出方向端部で側方に広がる形状の支点側ロック部22とを有するようにしているが、これには限られず支点孔12を例えば図8(A)に示すように出没方向に長い揺動中心支持部21のみを設けたものにしたり、図8(B)に示すように出没方向に長い揺動中心支持部21とその押込方向端部で両側方に広がる形状の支点側ロック部22とを備えたものにしたり、図8(C)に示すように出没方向に長い揺動中心支持部21とその出没方向両端部でそれぞれ側方に広がる形状の支点側ロック部22とを備えたものにすることができる。いずれの場合も、操作レバー16を支点孔12を支点に揺動させてバルブ11を押圧することができる。
また、支点孔12を図8(B)及び図9に示す形状にすると共に、図9に示すように操作レバー16の先端部を球形状にして制限部30を形成し、その押部25寄りの部分、即ち揺動中心部24を径の小さいくびれた形状にすることにより、この揺動中心部24を揺動中心支持部21や支点側ロック部22に嵌入させたとき、操作レバー16を引っ張る方向に外力が加わっても制限部30が支点孔12の縁に引っ掛かるので操作レバー16の長手方向への抜けを防止することができる。さらに、支点孔12が他の形状であっても、揺動中心部24よりも先端側に広がった制限部30を設けることにより、操作レバー16を引っ張る方向に外力が加わっても制限部30が支点孔12の縁に引っ掛かるので操作レバー16の抜けを防止することができる。あるいは、操作レバー16が支点孔12から突出した部分に止めピンやキャップ等の部材から成る制限部を固定することにより抜け止めを図ることもできる。
ここで、本実施形態では押部25を凹み形状に形成しているが、これには限られず隣接する部分と同等の太さにしても良い。この場合、操作レバー16の加工を容易にすることができる。但し、この場合は例えば制限部30と支点孔12との係合により操作レバー16の抜け止めを図ることが好ましい。
さらに、上述した実施形態ではガススプリング10としてシリンダ19の一端部にバルブ11が突出可能に設けられると共に他端部にロッド20が摺動可能に設けられるトリプルチューブタイプを使用しているが、これには限られず図7に示すようにバルブ11に連結されたプッシュロッドがロッド20の中心を貫通して外部に露出する通常のガススプリング10を使用しても良い。この場合、ロッド20の先端部に縦断面コ字形状のブラケット28の底部をナット29により取り付けると共に、このブラケット28に支点側支持部13と揺動側支持部15とを形成して操作レバー16を取り付けるようにする。このガススプリング10によっても、上述したトリプルチューブタイプのものと同様に、状態切換および状態維持のための機構を備えたガススプリング10を単体として扱うことができるので、ガススプリング10の操作機構を別に設ける必要が無くなって部品点数を減少して組立性を向上することができると共に部品コストを低く抑えることができる。また、ブラケット28の形状としては、縦断面コ字形状に限られずロッド20に固定される底部を有する円筒形状等にしても良い。
本発明のガススプリング10としては、バルブ11を外部から押し込んだときに作動流体を流動可能にして長さが変更可能なフリー状態になると共に、バルブ11を解放したときに該バルブ11が突出して作動流体の流動を止めて長さが固定されるロック状態になるものであれば良く、例えばオールガスの復筒タイプのもの、図3に示すオールガスのトリプルチューブタイプのもの、図7に示すオイルによる単筒タイプのもの等が該当する。
次に、本発明のガススプリング10の第2の実施形態について説明する。
この実施形態では、図10〜図14に示すように第1の実施形態のガススプリング10に加えて、操作レバー16とバルブ11との間に操作レバー16の押圧によりバルブ11を押圧可能な介在部材31が設けられている。この介在部材31は、本実施形態では板状であり、支点孔12の両側部に形成された支持孔32,32に揺動可能に嵌入する2つの嵌入部33,33を有している。このため、介在部材31は嵌入部33を中心に揺動可能に支持されて、操作レバー16とバルブ11とに挟まれたまま操作レバー16と共に揺動する。操作レバー16と介在部材31とは互いに摺動可能に線接触している。また、揺動支持孔14の切換部17は、バルブ11の出没方向に平行に伸びた形状にしている。
これにより、図10に示すように切換部17の最上位置にある操作レバー16を押し下げて図12に示すように切換部17の最下位置まで揺動させることにより、操作レバー16が介在部材31を介してバルブ11を押し込みガススプリング10をフリー状態にする。そして、操作レバー16をロック部18に嵌入することにより、フリー状態がロックされる。また、操作レバー16をロック部18から引き出して解放することにより、バルブ11が突出して介在部材31を介して操作レバー16を押し上げてガススプリング10がロック状態になる。このとき、介在部材31がバルブ11を面で押圧するので、操作レバー16によるバルブ11の押圧をぐらつかずに安定して行うことができる。
しかも、介在部材31の各嵌入部33,33は同じ支持部13により離れて支持されているので、介在部材31は3角形を為すように配置された2つの支持孔32,32とバルブ11とで3点支持されることになる。そして、介在部材31は3点支持の3角形の1辺を為す2つの嵌入部33,33を中心に揺動するので、バルブ11の部分ではぐらつくことなく安定した揺動を行うことができる。
また、各嵌入部33,33の先端は上向きに折り曲げられた形状にされている。このため、折り曲げられた部分が支持孔32の縁に引っ掛かっるので、介在部材31の脱落を防止することができる。
さらに、操作レバー16の先端部は球形状で制限部30を形成すると共に、その操作部側に隣接する部分、即ち揺動中心部24は制限部30より小径にくびれた形状にされている。そして、支点孔12は、操作レバー16の揺動中心部24の外径より僅かに大きい幅を有する揺動中心支持部21とこれよりバルブ11の押し込み方向側に形成されると共に操作レバー16の制限部30より僅かに大きい径を有する円形状の挿通部34とを備えている。このため、操作レバー16の揺動中心部24は、バルブ11の反力により常に揺動中心支持部21に嵌入されている。これにより、操作レバー16を操作部側に引っ張る外力を加えても、制限部30が支点孔12の縁に引っ掛かるので操作レバー16の抜けを防止することができる。また、この操作レバー16を支点側支持部13に取り付けるときは、制限部30を挿通部34に挿入してから揺動中心部24を揺動中心支持部21に引っ掛けるようにする。
この実施形態のガススプリング10のその他の構成や変形例は第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして説明を省略する。
本実施形態では介在部材31を板状にしているが、これには限られず幅に比べて十分な厚みを有するブロック状にしても良い。この場合も、介在部材31がバルブ11を面で押圧するようにできるので、操作レバー16によるバルブ11の押圧をぐらつかずに安定して行うようにできる。
また、本実施形態では揺動支持孔14の切換部17をバルブ11の出没方向に平行に伸びた形状にしているが、これには限られず切換部17はバルブ11の出没方向に対して斜めに形成されたものであっても良い。この場合、操作レバー16は揺動の際にバルブ11の中心線からずれて移動するが、操作レバー16とバルブ11との間には介在部材31が設けられているので、操作レバー16とバルブ11との間での押圧力を円滑に伝達することができる。また、この場合でも介在部材31はバルブ11を面で押圧するようにできるので、操作レバー16によるバルブ11の押圧をぐらつかずに安定して行うようにできる。しかも、これによれば、操作レバー16の操作方向をガススプリング10の長手方向に対して斜めに設定できるので、このガススプリング10を他の装置に搭載するときの取付の自由度を向上することができる。
また、本実施形態では支点孔12からの操作レバー16の抜け止めを図るために支点孔12の外縁に引っ掛かる球形状の制限部30を操作レバー16に形成しているが、これには限られず支点孔12を貫通した操作レバー16の先端部に止めピンを取り付けたり曲げ加工を施して制限部を形成して支点孔12からの抜け止めを図るようにしても良い。また、例えば操作レバー16に凹部を形成すると共に介在部材31に凸部を形成して、これら凹部と凸部とを嵌合させて操作レバー16の抜け止めを図るようにしても良い。
更に、本発明のガススプリング10の第3の実施形態について説明する。
この実施形態では、図15〜図17に示すように第2の実施形態のガススプリング10に加えて、操作レバー16と介在部材31との間に、操作レバー16の移動により介在部材31をバルブ11の出没方向に移動させてバルブ11を出没させるカム機構35を設けるようにしている。介在部材31は、本実施形態では板状であり、バルブ11の出没方向に摺動可能にブラケット28により支持されている。そして、介在部材31の摺動時のこじれを防止するために、ブラケット28には支点側支持部13と揺動側支持部15との両側端部同士を結ぶ摺動支持部36、36が設けられると共に、介在部材31の両端部には摺動支持部36、36に面接触するよう折り曲げられた形状の摺動接触部37,37が形成されている。また、カム機構35は、図17に示すように介在部材31の支点側支持部13寄りの部位と揺動側支持部15寄りの部位とに一体形成されると共に、バルブ11の出没方向に対して傾斜したカム面38を有している。切換部17はバルブ11の出没方向に対して斜めに形成されている。
このため、図16に示すように切換部17の最上位置にある操作レバー16(図中、実線で示す)を押し下げて切換部17の最下位置(図中、一点鎖線で示す)まで揺動させることにより、操作レバー16がカム面38を押圧し介在部材31を摺動させる。これにより、介在部材31がバルブ11を押し込みガススプリング10をフリー状態にする。そして、操作レバー16をロック部18に嵌入することにより、フリー状態がロックされる。また、操作レバー16をロック部18から引き出して解放することにより、バルブ11が突出して介在部材31およびカム機構35を介して操作レバー16を押し上げてガススプリング10がロック状態になる。このガススプリング10によれば、操作レバー16の操作方向をガススプリング10の長手方向に対して斜めに設定しているので、このガススプリング10を他の装置に搭載するときの取付の自由度を向上することができる。
しかも、切換部17が斜めであると共にロック部18がバルブ11の押圧方向に形成されることにより、操作レバー16が切換部17内で最も押し下げられたときにバルブ11によって直ちにロック部18側に付勢されて、あたかも操作レバー16が自動的にロック部18に嵌入されるようになる。よって、操作性を向上することができる。
また、支点孔12については、特に図示していないが上述した各実施形態のように揺動中心支持部21と挿通部34とを設けて、操作レバー16の制限部30の抜け止めを図るようにしても良い。さらに、操作レバー16の先端部については、特に図示していないが上述した各実施形態のように例えば球状にしたり、あるいは止めピン等を設けて、制限部を形成して抜け止めを図るようにすることが好ましい。
この実施形態のガススプリング10のその他の構成や変形例は第1および第2の実施形態と同様であるので、符号を同じくして説明を省略する。
本実施形態ではカム機構35を介在部材31の支点側支持部13寄りの部位と揺動側支持部15寄りの部位の2箇所に一体形成しているが、形成位置はこれには限られず図17に二点鎖線で示すように介在部材31の中央部に形成するようにしても良い。この場合も、操作レバー16の操作方向をガススプリング10の長手方向に対して斜めに設定できるので、このガススプリング10を他の装置に搭載するときの取付の自由度を向上することができる。
また、本実施形態では切換部17をバルブ11の出没方向に対して斜めに形成しているが、これには限られず例えばバルブ11の出没方向に直交するように形成しても良い。この場合も操作レバー16の操作によりカム機構35及び介在部材31を介してバルブ11を昇降することができる。よって、操作レバー16の操作方向をガススプリング10の長手方向に対して直交方向に設定できるので、このガススプリング10を他の装置に搭載するときの取付の自由度を向上することができる。
さらに、本実施形態では介在部材31はブラケット28に対して摺動するようにしているが、これには限られず介在部材31は操作レバー16とバルブ11との間で押圧力を伝達すれば良いので、図18に示すようにブラケット28に対して揺動するように設けても良い。この場合、介在部材31の一縁部を支持する支持台39をブラケット28に形成しておく。これにより、介在部材31は支持台39に支持される縁部を中心にして揺動可能になる。そして、切換部17の最上位置にある操作レバー16(図中、実線で示す)を押し下げて切換部17の最下位置(図中、一点鎖線で示す)まで揺動させることにより、操作レバー16がカム面38を押圧し介在部材31を揺動させる。これにより、介在部材31がバルブ11を押し込みガススプリング10をフリー状態にする。そして、操作レバー16をロック部18に嵌入することにより、フリー状態がロックされる。また、操作レバー16をロック部18から引き出して解放することにより、バルブ11が突出して介在部材31およびカム機構35を介して操作レバー16を押し上げてガススプリング10がロック状態になる。このガススプリング10によっても、操作レバー16の操作方向をガススプリング10の長手方向に対して斜めに設定しているので、このガススプリング10を他の装置に搭載するときの取付の自由度を向上することができる。
ところで、上述した第2および第3の実施形態では支点側支持部13と揺動側支持部15とを有するブラケット28をロッド20に取り付けているが、これには限られず支点側支持部13と揺動側支持部15とをシリンダ19の一部として形成するようにしても良い。
また、上述した第1〜第3の実施形態では操作レバー16は断面円形の棒状にしているが、これには限られず角棒状や平板状でも良い。特にバルブ11との接触部分を平面状にすることにより、操作レバー16によるバルブ11の押圧をぐらつかずに安定して行うことができるように成る。
さらに、上述した第1〜第3の実施形態では支点孔12を貫通孔としているが、これには限られず少なくとも操作レバー16を揺動可能に支持する例えば凹みから成るようにしても良い。また、例えば支点孔12を球状の凹みに形成すると共に操作レバー16の先端部を球状に形成して、操作レバー16の先端部を支点孔12の凹みに嵌合させて球継手のように支持させるようにしても良い。
また、支点孔12としては貫通孔や凹みに限られず、要は操作レバー16を支点側支持部13に対して揺動可能に支持すれば良いので、例えば支点側支持部13に球継手等の支持部材を取り付けて、この支持部材により操作レバー16を揺動可能に支持するようにしても良い。いずれの場合も、操作レバー16を揺動してバルブ11を押圧することができる。
また、上述した第1〜第3の実施形態では揺動支持孔14を貫通孔とする共に操作レバー16の揺動支持孔14から外側に突出した部分に操作部を設けているが、これには限られず支点孔12を貫通孔とする共に操作レバー16の支点孔12から外側に突出した部分に操作部を設けるようにしても良い。この場合、揺動支持孔14は貫通孔または凹部のいずれであっても良い。この場合も、操作レバー16は支点孔12を中心に揺動すると共に切換部17で摺動することにより、バルブ11を操作することができる。
次に、本発明のガススプリング10の第4の実施形態について説明する。
この実施形態では、図19及び図20に示すように、レバー支持部52は、第1の支持部13と、第1の支持部13に形成されて操作レバー16を揺動可能に支持する第1の支持孔12と、第2の支持部15と、第2の支持部15に形成されて第1の支持孔12と共に操作レバー16を揺動可能に支持する第2の支持孔14とを備えている。操作レバー16は、第1の支持孔14および第2の支持孔14を中心にして揺動可能に支持されると共に、その揺動によりバルブ11を押圧可能にしている。すなわち、操作レバー16の両側部から突出した揺動軸51,51が各支持孔12,14に挿入されて回転可能に支持されている。このため、操作レバー16を揺動してバルブ11を押し込むことにより(図19中、二点鎖線で示す)、ガススプリング10がフリー状態に成る。また、操作レバー16を解放することにより(図19中、実線で示す)、操作レバー16はバルブ11の反力で押し上げられる。これにより、バルブ11が突出してガススプリング10がロック状態になる。
さらに、操作レバー16のバルブ11への接触部分には、回転によりバルブ11に変位を与える変位部47と、バルブ11を押し込んだ状態で変位を与えずに固定される固定手段としての平面部70とを有するカム面から成る押圧カム40を形成している。ここで、平面部70は、押圧カム40の大径側の端部を径方向に対して直交する平面状にして形成している。これにより、操作レバー16の揺動によって押圧カム40が回転して変位部47によりバルブ11を押し込んでいく。そして、バルブ11を最も押圧した時に押圧カム40の平面部70がバルブ11に対して変位を与えずに死点に位置して固定されるので、バルブ11の反力を受けても操作レバー16が回転されることは無くガススプリング10をフリー状態に維持できる。
また、操作レバー16の操作部は図19に示すように揺動中心から放射状に伸びた形状としているが、これには限られず例えば図20に示すように揺動中心に沿って伸びた操作ノブ(図27を参照)を有する形状にしても良い。
さらに、第1の支持部13と第2の支持部15とは、ブラケット28として一体形成されている。このブラケット28はロッド20に取り付けられている。但し、これには限られず、支点側支持部13と揺動側支持部15とをシリンダ19の一部として形成するようにしても良い。
ところで、この実施形態では操作レバー16を第1の支持孔12と第2の支持孔14との2箇所で支持しているが、これには限られず例えば図21に示すように1つの支持部13に形成された支持孔12のみで支持するようにしても良い。この場合、操作レバー16の支持を補強するために、支持部13に軸受け筒54を固定して揺動軸51を支持させることが好ましい。このガススプリング10によっても、押圧カム40の作用によりフリー状態に維持することができる。
次に、本発明のガススプリング10の第5の実施形態について説明する。
この実施形態では、図22に示すように第4の実施形態のガススプリング10に加えて、操作レバー16とバルブ11との間に操作レバー16の押圧によりバルブ11を押圧可能な介在部材31が設けられている。この介在部材31は、本実施形態では板状であり、ブラケット28に対してバルブ11の出没方向に摺動可能に支持されている。このため、操作レバー16の揺動によって押圧カム40が回転して変位部47により介在部材31を介してバルブ11を押し込んでいく。そして、バルブ11を最も押圧した時に押圧カム40の平面部70が介在部材31に面接触して死点に位置して固定されるので、バルブ11の反力を受けても操作レバー16が回転されることは無くガススプリング10をフリー状態に維持することができる。この場合、介在部材31がバルブ11を面で押圧するようにできるので、操作レバー16によるバルブ11の押圧をぐらつかずに安定して行うようにできる。
また、本実施形態では介在部材31を板状にしているが、これには限られず幅に比べて十分な厚みを有するブロック状にしても良い。これらの場合も、介在部材31がバルブ11を面で押圧するようにできるので、操作レバー16によるバルブ11の押圧をぐらつかずに安定して行うようにできる。
この実施形態のガススプリング10のその他の構成や変形例は第4の実施形態と同様であるので、符号を同じくして説明を省略する。
次に、本発明のガススプリング10の第6の実施形態について説明する。
この実施形態では、図23〜図25に示すように、第4の実施形態に加えて、操作レバー16とバルブ11との間に操作レバー16の押圧によりバルブ11を押圧可能な介在部材31と、操作レバー16に形成されると共に揺動により介在部材31を押圧してバルブ11を押し込むカム機構としての押圧カム40とを備えている。このため、介在部材31がバルブ11を面で押圧するようにできるので、ぐらつかずに安定した押圧を行うことができるようになる。
また、この実施形態では、介在部材31を板状物を縦断面く字形状に折り曲げた形状にすると共に、折り曲げた角部の付近に両側方に突出する回転軸部41,41を備えるようにしている。そして、第1の支持部13および第2の支持部15には、介在部材31の回転軸部41を回転可能に収容する回転支持部42と、回転支持部42と各支持部13,15の側縁とを連結する連通部43とが形成されている。さらに、回転支持部42は、収容した回転軸部41の最大径よりも僅かに大径の円形状にしている。また、連通部43は、回転軸部41の短辺よりも僅かに幅広に形成されている。このため、介在部材31をブラケット28に装着するときは、図24に示すように回転軸部41を連通部43に挿入して回転支持部42に案内させる。そして、回転軸部41が回転支持部42の内部で揺動することにより、介在部材31はブラケット28に対して揺動する。このとき、連通部43の幅は回転軸部41の短辺よりも僅かに広い程度なので、揺動により傾いた回転軸部41が回転支持部42から抜け出してしまうことを防止できる。
さらに、押圧カム40は、図23に実線で示すようにバルブ11の押圧時には介在部材31に対して死点に位置してバルブ11の反力を受けながらもそのままの姿勢で固定されてバルブ11の押圧を維持するようにしている。すなわち、バルブ11を押し込んだままに維持する固定手段は押圧カム40および介在部材31により兼用されて、バルブ11の押圧時には、操作レバー16の回転中心と、押圧カム40および介在部材31の接点と、介在部材31の回転中心とで直角を形成する配置になる。このため、バルブ11の押圧時にバルブ11の反力を受けながらもバルブ11の押圧を維持したままにできるので、各支持部13,15と操作レバー16と介在部材31によりガススプリング10をフリー状態とロック状態とに切り替えできると共に各状態に維持できるようになる。
また、本実施形態では、介在部材31の操作レバー16が接触する部分の先端部に、死点位置にある押圧カム40が当接するように折り曲げた形状の制限部44を設けている。このため、ガススプリング10がロック状態にあるときの操作レバー16(図23中、二点鎖線で示す)を揺動して押圧カム40により介在部材31を徐々に押圧していくと、押圧カム40は制限部44に当接する。このとき、押圧カム40は死点の位置にあるので、操作レバー16の揺動をロックすることができる。よって、ガススプリング10をフリー状態にロックするための操作性を向上することができる。
さらに、操作レバー16の操作部50は板状で、揺動軸51から放射状に形成されてブラケット28の内部で揺動可能にされている。
さらに、第1の支持部13と第2の支持部15とは、ブラケット28として一体形成されている。このブラケット28はロッド20に取り付けられている。
本実施形態では操作レバー16の操作部50は板状でブラケット28の内部で揺動可能に支持されているが、これには限られず図26に示すように揺動軸51の一端部に直交して取り付けられた棒状であると共にブラケット28の外部で揺動可能にしても良い。また、図27に示すように、揺動軸51の一端部に被さるように取り付けられると共にブラケット28の外部で回転可能なノブ状にしても良い。いずれの場合も、操作部50の操作により揺動軸51を中心に押圧カム40を揺動してバルブ11を押圧することができる。
また、本実施形態では介在部材31を縦断面く字形状にしているが、これには限られず折り曲げ部分の無い平坦な板状にしても良い。また、介在部材31を板状にすることには限られず、幅に比べて十分な厚みを有するブロック状にしても良い。これらの場合も、介在部材31がバルブ11を面で押圧するようにできるので、操作レバー16によるバルブ11の押圧をぐらつかずに安定して行うようにできる。
そして、本実施形態では固定手段として押圧カム40および介在部材31を利用しているが、これには限られず例えば図23に示すようにバルブ11の押圧時に操作レバー16を引っ掛けて固定可能な係止突起53を少なくとも一方の支持部13,15に形成して固定手段とするようにしても良い。この場合も、係止突起53によりガススプリング10をフリー状態にロックすることができる。
さらに、本実施形態では第1の支持部13と第2の支持部15とを有するブラケット28をロッド20に取り付けているが、これには限られず支点側支持部13と揺動側支持部15とをシリンダ19の一部として形成するようにしても良い。
更に、本発明のガススプリング10の第7の実施形態について説明する。
この実施形態では、図28および図29に示すように、操作レバー16は、レバー支持部52に摺動可能に支持されると共に、摺動によりバルブ11を押し込むフリー状態とバルブ11を解放するロック状態とに切り換えるようにしている。そして、レバー支持部2は、第1の支持部13と、第1の支持部13に形成される貫通孔から成ると共に操作レバー16の少なくともバルブ11の突出方向への移動を規制しながら貫通方向に摺動可能に支持する第1の支持孔12と、第2の支持部15と、第2の支持部15に形成される貫通孔から成ると共に操作レバー16の少なくともバルブ11の突出方向への移動を規制しながら貫通方向に摺動可能に支持する第2の支持孔14とを備えている。操作レバー16は、第1の支持孔12および第2の支持孔14を貫通する方向に摺動可能であると共にバルブ11を押し込む押圧部45と解放する解放部46とを備えている。そして、操作レバー16を摺動することにより、押圧部45がバルブ11を押し込むフリー状態(図28中、二点鎖線で示す)と解放部46がバルブ11を解放するロック状態(図28中、実線で示す)とに切り換えるようにしている。このため、操作レバー16の摺動操作によりガススプリング10をフリー状態とロック状態とに切り替えることができる。
そして、第1の支持孔12および第2の支持孔14は、バルブ11を挟んで互いに反対側に位置するよう形成されている。このため、各支持孔12,14とバルブ11とが一直線上に並ぶので、操作レバー16はバルブ11からの反力を受けても操作レバー16の長手方向に捻るようなトルクを生ずることなく各支持孔12,14により支持される。よって、各支持孔12,14は操作レバー16に対してバルブ11の突出方向への移動を規制する縁を少なくとも有していれば良いので、それ以外の部分の形状は特に限定されず各支持孔12,14の形状の自由度が向上して容易に形成できるようになる。
また、本実施形態では、操作レバー16は、押圧部45と解放部46を1箇所ずつ有すると共に、これらを滑らかに連結してバルブ11に変位を与える傾斜面を有する変位部47を備えている。このため、操作レバー16の操作によりガススプリング10をロック状態からフリー状態に変更するときは、バルブ11は解放部46により解放された状態から変位部47により徐々に押し込まれて押圧部45により完全に押圧される。よって、操作レバー16の摺動操作を円滑に行うことができるようになる。
この操作レバー16は平坦な板状部材を段違いに折り曲げた形状であり、押圧部45のバルブ11側の押圧面45aと、押圧部45の第1の支持孔12に接触する面45bと、解放部46の第2の支持孔14に接触する面46aとにより固定手段を形成している。そして、各面45a,45b,46aは平行に形成されると共にそれぞれ平面にしている。このため、押圧部45によりバルブ11を押し込んだときは、バルブ11の反力は全て第1の支持部13および第2の支持部15により支持されて操作レバー16の摺動方向への分力を生ずることを防止して操作レバー16を固定できるので、ガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
また、操作レバー16は、第1の支持孔12および第2の支持孔14の少なくとも一方の縁部に当接して操作レバー16の抜け止めを行う制限部30,30を備えている。本実施形態では、押圧部45の先端部は折り曲げられた形状の制限部30を形成しており、操作レバー16を引き出そうとしたときに第1の支持孔12の縁に引っ掛かるようにされている。また、解放部46の第2の支持部15より外側に出た部位には、操作レバー16を縦方向に貫通する止めピンから成る制限部30が設けられており、操作レバー16を押し込もうとしたときに第2の支持孔14の縁に引っ掛かるようにされている。このため、操作レバー16の長手方向に外力が加わっても制限部30,30が各支持孔12,14の縁部に当接するので、操作レバー16がブラケット28から脱落することを防止できる。
さらに、第1の支持部13と第2の支持部15とは、ブラケット28として一体形成されている。このブラケット28はロッド20に取り付けられている。
本実施形態のガススプリング1では、操作レバー16を第1の支持孔12および第2の支持孔14への貫通方向に摺動して押圧部45によりバルブ11を押し込むことにより、ガススプリング10をフリー状態にすることができる。また、操作レバー16を摺動して解放部46によりバルブ11を解放することにより、バルブ11が突出してガススプリング10をロック状態にすることができる。このため、操作レバー16の摺動操作によりガススプリング10をフリー状態とロック状態とに切り替えることができる。さらに、操作レバー16の摺動操作によりバルブ11を押し込んでガススプリング10をフリー状態にしたときは、押圧部45によるバルブ11の押圧が維持されるので、ガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
本実施形態では操作レバー16は平坦な板状部材を段違いに折り曲げた形状にしており押圧部45の第1の支持孔12に接触する面45bと解放部46の第2の支持孔14に接触する面46aとが段違いに成っているが、これには限られず図30に示すようにこれらの面45b,46aを同じ高さの平面にしても良い。この場合も、押圧部45の両面45a,45bと解放部46の第2の支持孔14に接触する面46aとが互いに平行になるので、バルブ11を押し込んだ状態を維持してガススプリング10をフリー状態に固定することができる。
また、本実施形態では、押圧部45の両面45a,45bと解放部46の第2の支持孔14に接触する面46aとを平行にしているが、これには限られずこれらの面45a,45b,46aは少なくともそれぞれが操作レバー16の摺動方向に対して平行で有れば良い。このため、例えば図31に示すように、解放部46と押圧部45とが摺動方向を中心に捻れた位置関係に成っていても良い。また、例えば押圧部45の表裏の面が摺動方向に対して平行でありながら、互いには平行でなくても良い。これらの場合も、押圧部45によりバルブ11を押し込んだときは、バルブ11の反力は全て第1の支持部13および第2の支持部15により支持されて操作レバー16の摺動方向への分力を生ずることを防止して操作レバー16を固定できるので、ガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
さらに、本実施形態では解放部46と押圧部45とをそれぞれ1箇所ずつ設けているが、これには限られずそれぞれ2箇所以上設けても良い。例えば図32に示すように、押圧部45を1箇所設けてその両側に各々変位部47,47を介して解放部46,46を配置するようにしても良い。この場合、ガススプリング10が押圧部45によりフリー状態に固定されているときは、操作レバー16を押し込むか引き出すかいずれの方向に操作してもガススプリング10をロック状態に切り換えることができる。逆に、解放部46を1箇所設けてその両側に各々押圧部45,45を配置するようにしても良く、この場合はガススプリング10がロック状態にあるときに操作レバー16を押し込むか引き出すかいずれの方向に操作してもガススプリング10をフリー状態に切り換えることができる。
そして、本実施形態では押圧部45のバルブ11側の押圧面45aを平面にしているが、これには限られず当該押圧面45aの一部にバルブ11が係合する凹みを形成するようにしても良い。この場合、バルブ11の押圧時にバルブ11が凹みに引っ掛かると操作レバー16が当該位置にロックされるので、操作レバー16を摺動させるためにはバルブ11を凹みから押し出さなければ成らず操作レバー16のロックをより強固にすることができる。
また、本実施形態では、第1の支持孔12および第2の支持孔14はバルブ11を挟んで互いに反対側に位置するよう形成されているが、これには限られず図33及び図34に示すように、第1の支持孔12および第2の支持孔14の間にバルブ11を挟まないような位置関係に配置しても良い。この場合、操作レバー16は、押圧部45と解放部46と変位部47との他に、各支持孔12,14に摺動可能に嵌合する摺動部55とを備えるようにする。そして、押圧部45と解放部46と変位部47とは、摺動部55の摺動によりバルブ11に接触可能な位置に形成する。ここで、各支持孔12,14の幅は、操作レバー16の全幅(即ち、図33中Wで示すように、摺動部55の幅と押圧部45または解放部46若しくは変位部47との幅とを足した長さ)よりも大きく設定する。これにより、ガススプリング10の組立時には、操作レバー16を各支持孔12,14から容易に挿入して組み立てることができる。さらに、操作レバー16には、各支持孔12,14の縁に当接する制限部(図示せず)を形成して脱落を防止するようにする。なお、押圧部45と解放部46と変位部47とがバルブ11の反力を受けて摺動部55には摺動方向を中心とするトルクが発生するため、摺動部55と各支持孔12,14とが少なくとも上下面で接触するようにして摺動部55の回転を防止する必要がある。このガススプリング10によっても、操作レバー16の摺動操作によりバルブ11を押し込んでガススプリング10をフリー状態にすると押圧部45によってバルブ11の押圧が維持されるので、ガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
また、図33及び図34に示す実施形態では、支持孔12,14の幅を操作レバー16の全幅よりも大きくしているが、これには限られず支持孔12,14の幅を操作レバー16の摺動部55の幅よりも僅かに大きい程度にして、摺動部55のブラケット28への組み付け後に、摺動部55に押圧部45と解放部46と変位部47とを取り付けるようにしても良い。この場合、操作レバー16の摺動により押圧部45および解放部46の端部がブラケット28の内面に当接するので、各支持孔12,14の縁に当接する制限部30を設けなくても操作レバー16の脱落を防止することができる。
さらに、本実施形態では、操作レバー16の脱落を防止するために各支持孔12,14の縁に当接する制限部30を形成しているが、これには限られず図35に示すように操作レバー16のバルブ11への当接部分である押部25をバルブ11が係合する凹み形状にしても良い。このため、操作レバー16が操作範囲を超えて長手方向に移動しようとするときに、押部25の端部がバルブ11に引っ掛かって抜け止めすることができる。
ところで、この実施形態では操作レバー16を第1の支持孔12と第2の支持孔14との2箇所で支持しているが、これには限られず例えば図36に示すように1つの支持部13に形成された支持孔12のみで支持するようにしても良い。この場合、操作レバー16の支持を補強するために、第1の支持孔12の深さを長めに形成することが好ましい。このガススプリング10によっても、操作レバー16の摺動によりバルブ11を押し込んだ状態を維持してガススプリング10をフリー状態に固定することができる。
さらに、本実施形態では、操作レバー16は第1の支持孔12および第2の支持孔14を貫通して摺動するようにしているが、これには限られず図37及び図38に示すように、操作レバー16を第1の支持部13及び第2の支持部15に沿って摺動可能にすると共に操作レバー16の側方に突出した摺動突起56が各支持孔12,14に案内されて摺動するようにしても良い。ここでの各支持孔12,14は操作レバー16の摺動突起56を案内する長孔から成るガイド孔であるので、貫通孔である必要は無く例えば底の有る溝でも良い。
この場合、例えば図37に示すように、各支持孔12,14を操作レバー16の摺動方向に沿った直線状にすると共に、操作レバー16に押圧部45と解放部46と変位部47とを形成することにより、操作レバー16自体は直線上を摺動しながら押圧部45がバルブ11を押し込むことができる。この場合、バルブ11の反力により摺動突起56には回転方向へのトルクが与えられるので、摺動突起56を摺動方向に長い形状にすると共に各支持孔12,14を摺動突起56の上下部を挟んで回転を防止する幅に形成するようにする。
また、例えば図38に示すように、レバー支持部52は、支持部13と、該支持部13に形成されると共に操作レバー16がバルブ11を押し込む状態とバルブ11を解放する状態とに切り換えるように操作レバー16を摺動可能に支持する支持孔12とを備えるようにして、尚かつ操作レバー16は、支持孔12により摺動可能に支持されるようにしても良い。これにより、操作レバー16を摺動することにより、支持孔12に案内されてフリー状態とロック状態とに切り換えることができる。
具体的には、操作レバー16を例えば摺動方向に沿った直線状にすると共に、各支持孔12に押圧部72と解放部73と変位部74とを形成するようにする。ここでの押圧部72は、摺動突起56が案内されたときに操作レバー16がバルブ11を押圧する部分であり、押圧状態をロック可能なように摺動方向に沿って伸びた形状にされている。また、解放部73は、摺動突起56が案内されたときに操作レバー16がバルブ11を解放する部分である。さらに、変位部74は、摺動突起56が案内されたときに操作レバー16に変位が与えられる部分である。そして、操作レバー16がバルブ11の反力を受けて回転しないように、各支持孔12は摺動方向の前後の2箇所に形成されている。ここでの操作レバー16を支持する支持孔としては、1箇所の支持部13に形成した支持孔12のみを利用しても良く、また2箇所の支持部13,15のそれぞれに形成した支持孔12,14を利用しても良い。
これら図37及び図38に示すガススプリング10によっても、操作レバー16の摺動によりバルブ11を押し込んだ状態を維持してガススプリング10をフリー状態に固定することができる。
また、本実施形態では操作レバー16によりバルブ11を直接押圧しているが、これには限られず操作レバー16とバルブ11との間に介在部材31を介在させるようにしても良い。この場合、操作レバー16の摺動により押圧部45が介在部材31を介してバルブ11を押し込み、この状態を維持してガススプリング10をフリー状態に固定することができる。
さらに、図39に示すように、操作レバー16とバルブ11との間に操作レバー16の押圧によりバルブ11を押圧可能な介在部材31と、操作レバー16と介在部材31との間に形成されると共に操作レバー16の摺動により介在部材31を押圧してバルブ11を押し込むカム機構35とを備えている。このため、操作レバー16の摺動によりカム機構35および介在部材31を介してバルブ11を押し込んでガススプリング10をフリー状態にする。また、操作レバー16を逆に摺動することにより、操作レバー16はカム機構35および介在部材31を介してバルブ11の反力で押し戻されると共に、バルブ11が突出してガススプリング10がロック状態になる。
介在部材31は、本実施形態では板状であり、バルブ11の出没方向に摺動可能にブラケット28により支持されている。そして、介在部材31の摺動時のこじれを防止するために、介在部材31の両端部には各支持部13,15に面接触して摺動するよう折り曲げられた形状の摺動接触部37,37が形成されている。
カム機構35は、互いに接しながらバルブ11の出没方向に相対移動してバルブ11に変位を与えるカム面67と従動節68とを備えている。カム面67は、バルブ11に変位を与える傾斜面から成る変位部75と、固定手段69である固定部70および凹部71とを備えている。このため、操作レバー16を摺動させることにより、カム面67と従動節68との作用によりバルブ11を押圧または解放することができると共に、固定手段69によりガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
固定部70は、バルブ11の出没方向に直交する平面から成りバルブ11を押圧したまま維持する。また、凹部71は、バルブ11の出没方向に凹んだ形状でバルブ11を押圧したまま維持する。このため、固定部70はバルブ11の出没方向に直交する平面であるので、従動節68と固定部70とがバルブ11の反力により押し合っても相対回転してしまうことはなく固定されたまま維持される。また、バルブ11の押圧時に従動節68が凹部71に引っ掛かっるので、バルブ11を押圧したままにしてガススプリング10をフリー状態に維持することができる。また、操作レバー16を摺動させるためには従動節68を凹部71から押し出さなければ成らないので、フリー状態のロックをより強固にすることができる。このガススプリング10によっても、操作レバー16の摺動によりバルブ11を押し込んだ状態を維持してガススプリング10をフリー状態に固定することができる。
さらに、本実施形態では第1の支持部13と第2の支持部15とを有するブラケット28をロッド20に取り付けているが、これには限られず支点側支持部13と揺動側支持部15とをシリンダ19の一部として形成するようにしても良い。
次に、本発明のガススプリング10の第8の実施形態について説明する。
この実施形態では、図40および図41に示すように、操作レバー16はレバー支持部52に対してバルブ11の出没方向を中心線にして揺動可能に支持されると共に、操作レバー16のバルブ11の出没方向への移動を規制する規制手段58と、操作レバー16の揺動によりバルブ11を押圧または解放してフリー状態とロック状態とに切り換えるカム機構35とを備えるようにしている。カム機構35は、操作レバー16およびバルブ11の間と操作レバー16および規制手段58の間との少なくとも一方に介在されている。本実施形態では、カム機構35は、互いに接しながらバルブ11の出没方向に相対移動してバルブ11に変位を与えるカム面と従動節とを備えているが、従属節は特にバルブ11にしている。また、操作レバー16の回転中心はバルブ11の中心線から偏芯するようにしている。ここで、操作レバー16の回転中心がバルブ11の中心線から偏芯しているので、バルブ11に確実にカム変位を与えることができる。このため、操作レバー16を揺動させることによりカム機構35の作用でバルブ11を直接押し込んでガススプリング10をフリー状態にすることができる。また、操作レバー16を逆に操作することにより、操作レバー16はカム機構35を介してバルブ11の反力で押し戻されると共に、バルブ11が突出してガススプリング10がロック状態になる。
また、レバー支持部52は、底部62を有する円筒形状であると共にバルブ11の近傍に取り付けられる円筒形状の保持筒60と、該保持筒60の一部に形成された周方向に伸びた形状の揺動支持孔61とを備えている。規制手段58は、取付孔23,23を貫通する棒部材から成る。さらに、操作レバー16は、保持筒60の内部で回転可能に支持される回転部57を備えている。ここで、取付孔23,23および揺動支持孔61は、回転部57が規制手段58に当接することにより保持筒60の外に落ちたり回転時にこじれることの無いように形成位置を設定している。さらに、操作レバー16の操作部50の先端部には雄ねじ部63が形成されると共に、回転部57の外周面には雌ねじ部64が形成されて、これらのねじ部63,64同士が螺合することにより操作部50と回転部57とが連結されている。カム機構35は回転部57の端面に形成されて、バルブ11に変位を与える傾斜面から成る変位部75と、固定手段69である固定部70および凹部71とを備えている。このため、操作レバー16を揺動させることにより、変位部75の作用によりバルブ11を押圧または解放することができると共に、固定手段69によりガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
固定部70は、バルブ11の出没方向に直交する平面から成りバルブ11を押圧したまま維持する。また、凹部71は、バルブ11の出没方向に凹んだ形状でバルブ11を押圧したまま維持する。このため、固定部70はバルブ11の出没方向に直交する平面であるので、バルブ11と固定部70とがバルブ11の反力により押し合っても相対回転してしまうことはなく固定されたまま維持される。また、バルブ11は押圧時に凹部71に引っ掛かっるので、バルブ11を押圧したままにしてガススプリング10をフリー状態に維持することができる。また、操作レバー16を摺動させるためにはバルブ11を凹部71から押し出さなければ成らないので、フリー状態のロックをより強固にすることができる。このガススプリング10によっても、操作レバー16の揺動によりバルブ11を押し込んだ状態を維持してガススプリング10をフリー状態に固定することができる。
本実施形態では、円筒形状の保持筒60により操作レバー16を揺動可能に支持しているが、これには限られず図42及び図43に示すようにロッド20に固定した第1の支持部13に形成した第1の支持孔12と第1の支持部13に対向する第2の支持部15に形成した第2の支持孔14とにより操作レバー16を揺動可能に支持するようにしても良い。この場合、操作レバー16はバルブ11の出没方向に沿った揺動軸51により支持される。また、操作レバー16がバルブ11の出没方向に移動しないように、揺動軸51には規制手段58としてのスペーサを設けるようにする。この操作レバー16にも、図40及び図41に示すカム機構35と同様の構成を設けるようにする。このガススプリング10によっても、操作レバー16の揺動によりバルブ11を押し込んだ状態を維持してガススプリング10をフリー状態に固定することができる。
また、本実施形態では、操作レバー16が規制手段58によりバルブ11の摺動方向に移動できないように規制されているが、これには限られず規制手段58により一定範囲で摺動可能なように規制されるようにしても良い。例えば図44に示すように、操作レバー16の回転部57を保持筒60の内部で摺動可能に支持すると共に、バルブ11を直接押圧可能にする。そして、回転部57のバルブ11の反対側に、規制手段58としての円板状部材をねじ止め等により固定する。さらに、回転部57と規制手段58との間にカム機構35を設けるようにする。また、揺動支持孔61は、操作レバー16の揺動及び摺動に沿った長孔形状にする。
ここで、カム機構35は、規制手段58に形成したカム面67と、回転部57に形成した従動節68とを備えている。これらカム面67および従動節68や固定手段69の詳細については、図39に示すカム機構35と同様としている。これにより、操作レバー16を揺動させることにより、カム機構35の作用で規制手段58と反対側に押し出されてバルブ11を直接押し込んでガススプリング10をフリー状態にすることができる。また、操作レバー16を逆に操作することにより、操作レバー16はバルブ11の反力で押し戻されると共に、バルブ11が突出してガススプリング10がロック状態になる。また、バルブ11を押し込んだときには、固定手段69によりガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
そして、この場合、カム機構35として規制手段58に形成したカム面67と回転部57に形成した従動節68とを備えているが、これには限られず逆に規制手段58に従動節68を形成して回転部57にカム面67を形成するようにしても良い。この場合も、回転部57を回転させることにより、カム面67と従動節68との作用により回転部57が摺動してバルブ11を押圧または解放することができる。
また、本実施形態では規制手段58は取付孔23,23を貫通する棒部材から成るようにしているが、これには限られず回転部57の外側面側の保持筒60に例えばボルトを螺合したり別部材を固定して回転部57の脱落を防止するようにしても良い。あるいは、規制手段58は操作レバー16をバルブ11の出没方向に固定する揺動支持孔61により兼用するようにしても良い。いずれの場合も、規制手段58により回転部57の脱落およびこじれを防止することができる。
さらに、本実施形態ではカム面67の固定部70は変位部75の端部に形成されているが、これには限られず変位部75の途中に段状の固定部75を有するようにしても良い。これにより、操作レバー16を回転してもバルブ11が押圧されない領域が生ずるので、バルブ11の押圧操作の自由度を高くすることができる。
また、本実施形態では固定手段69として固定部70と凹部71とを備えているが、これには限られず固定部70と凹部71とのうちのいずれか一方のみを備えるようにしても良い。例えば固定手段69を固定部70のみから成るようにすればしても、固定部70がバルブ11の出没方向に直交しているので、従動節68またはバルブ11と固定部70とがバルブ11の反力により押し合っても相対回転せずガススプリング10をフリー状態に維持することができる。また、固定手段69を凹部71のみから成るようにすれば、バルブ11の押圧時に従動節68が凹部71に引っ掛かるようにできるので、操作レバー16のロックを行うことができる。
また、本実施形態では固定手段69は固定部70と凹部71とを備えているが、これには限られず例えば揺動支持孔61の一部にバルブ11の押圧時の操作レバー16を引っ掛けて仮止めする突起を設けたり、あるいは揺動支持孔61の一部を側方に広げた形状にしてバルブ11の押圧時の操作レバー16を引っ掛けて仮止めするロック部を形成するようにしても良い。これらの場合も、バルブ11の押圧時に操作レバー16を固定できるので、ガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
さらに、本実施形態では、カム機構35を操作レバー16の回転部57の端面に形成しているが、これには限られず図45に示すように回転部57の側面と保持筒60との間に形成するようにしても良い。この場合、カム機構35は、回転部57と保持筒60とのいずれかに形成した螺旋状のカム面67と、これに噛み合う従動節68とを備えるようにする。ここではカム面67は、回転部57の外周面に形成した螺旋溝としている。また、従動節68は、保持筒60の内側に突出したボルトから成るようにしている。ここで、このカム機構35は、確動カムになるので、規制手段を兼用することになる。この場合、操作レバー16の操作部50を揺動させることにより、回転部57が回転してカム機構35の作用により摺動する。これにより、回転体57がバルブ11を直接押し込むことができる。
また、カム面67は、螺旋状の変位部と、バルブ11を押し込んだまま摺動方向に変位を与えない固定部(図示せず)とを備えるようにしている。このため、固定部と従動節68とが螺合することにより、ガススプリング10をフリー状態に固定することができる。
また、本実施形態では保持筒60をロッド20に取り付けているが、これには限られず保持筒60をシリンダ19の一部として形成するようにしても良い。
次に、本発明のガススプリング10の第9の実施形態について説明する。
この実施形態では、図46〜図48に示すように、第8の実施形態のガススプリング10に加えて、操作レバー16とバルブ11との間に介在されてバルブ11の出没方向に摺動可能であると共に、操作レバー16の押圧によりバルブ11を押圧可能な介在部材31を備えている。このため、介在部材31がバルブ11を面で押圧するようにできるので、ぐらつかずに安定した押圧を行うことができるようになる。
ここで、介在部材31は、レバー支持部52に対して摺動のみ行うようにしている。本実施形態では、介在部材31の外周面に90度ごとに案内突起65を形成すると共に、保持筒60の内周面に90度ごとにバルブ11の出没方向に平行な案内溝66を形成する。そして、介在部材31の案内突起65を保持筒60の案内溝66に挿入して案内させることにより、介在部材31はレバー支持部52に対して摺動のみ行って回転しないようにできる。よって、回転部57の回転力がカム機構35を介して介在部材31に伝達されても回転することなく摺動するので、バルブ11を確実に押圧することができる。また、各案内溝66は保持筒60の内周面を凹ませて形成しており、保持筒60の外側に露出しないようにしている。このため、ガススプリング10の外観を損ねることを防止できる。
カム機構35は、介在部材31に形成したカム面67と、回転部57に形成した従動節68とを備えている。そして、これらカム面67及び従動節68や固定手段69の詳細については、図39等に示すカム機構35と同様にしている。これにより、操作レバー16を揺動させることにより、カム機構35の作用で介在部材31を押し出してバルブ11を押し込んでガススプリング10をフリー状態にすることができる。また、操作レバー16を逆に操作することにより、操作レバー16はバルブ11の反力で押し戻されると共に、バルブ11が突出してガススプリング10がロック状態になる。また、バルブ11を押し込んだときには、固定手段69によりガススプリング10をフリー状態に維持することができる。
また、カム機構35は、回転部57および介在部材31に対して180度ごとに2組設けられている。このため、回転部57と介在部材31との間で押圧力が作用したときに、回転部57および介在部材31のこじれを防止することができる。
この実施形態のガススプリング10のその他の構成や変形例は第8の実施形態と同様であるので、符号を同じくして説明を省略する。
本実施形態では介在部材31がレバー支持部52に対して回転せずに摺動のみ行うようにするために、介在部材31の外周面に4つの案内突起65を形成すると共に保持筒60の内周面にバルブ11の出没方向に平行な4本の案内溝66を形成してこれらを嵌合させているが、これには限られず図49〜図51に示すように介在部材31の外周面には1つの案内突起65を形成すると共に保持筒60の内周面にはバルブ11の出没方向に平行な1本の案内溝66を形成してこれらを嵌合させるようにしても良い。すなわち、案内突起65及び案内溝66は少なくとも1組あれば良い。
また、本実施形態では各案内溝66は保持筒60の外側に露出しないようにしているが、これには限られず図49〜図51に示すように保持筒60の周壁を切り欠いた形状にしても良い。しかも、案内突起65は、介在部材31に一体形成したり、あるいはボルト等を別個に取り付けることにより形成することができる。さらに、本実施形態では介在部材31に案内突起65を形成すると共に保持筒60に案内溝66を形成しているが、これには限られず逆に介在部材31に案内溝66を形成すると共に保持筒60に案内突起65を形成するようにしても良い。いずれの場合も、案内突起65と案内溝66との係合により介在部材31の回転を防止できる。
また、介在部材31がレバー支持部52に対して回転せずに摺動のみ行うようにするためには案内突起65と案内溝66とを係合させることには限られず、例えば図52に示すように保持筒60の内部に出没方向に沿うと共に介在部材31の回転中心とずれた位置に案内軸76を設けて、尚かつ介在部材31に案内軸76を収容する案内孔77を形成するようにしても良い。この場合、案内軸76に案内孔77を係合させることにより、案内突起65および案内溝66を設けることなく介在部材31を回転せずに摺動させることができる。
さらに、本実施形態ではカム機構35として介在部材31にカム面67を形成すると共に回転部57に従動節68を形成するようにしているが、これには限られず逆に図49〜図51に示すように介在部材31に従動節68を形成すると共に回転部57にカム面67を形成するようにしても良い。この場合も、回転部57を回転させることにより、カム面67と従動節68との作用により介在部材31が摺動してバルブ11を押圧または解放することができる。
また、本実施形態ではカム機構35を2組設けているが、これには限られず図49〜図51に示すように3組設けたり、それ以上設けても良い。これらの場合も、回転部57と介在部材31との間で押圧力が作用したときに、カム機構35による回転部57および介在部材31のこじれを防止することができる。あるいは、カム機構35を1組しか設けなくても良い。この場合、カム機構35の形成作業の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態では保持筒60をロッド20に取り付けているが、これには限られず保持筒60をシリンダ19の一部として形成するようにしても良い。
ここで、上述したガススプリング10の各実施形態のうちで、例えば第1の実施形態のガススプリング10を椅子のロッキング装置の反力源として用いた場合の一実施形態について、以下に説明する。
図6に示すように、この椅子1のロッキング装置は、脚柱6の上端部に固定された支持部材である座受部材7に対して1箇所の回動軸3を中心に被支持部材である揺動部材4を揺動可能に支持すると共に、揺動部材4を反力付与機構5,10により初期位置に向けて付勢するものである。本実施形態では、座受部材7及び揺動部材4に座2が支持されていると共に、揺動部材4には背凭れ(図示せず)を支持する背支桿8が取り付けられている。そして、反力付与機構10としてはガススプリング10を使用して、揺動部材4の後部を持ち上げるように付勢することにより背凭れ及び座2の傾動に対して反力を与えて初期位置に戻すように付勢すると共に、ガススプリング10の長さをロックすることにより背凭れ及び座2の位置を任意に固定可能としている。反力付与機構5は、圧縮コイルばね9を使用して揺動部材4の前端部を後方に付勢することにより、背凭れ及び座2を初期位置に戻すように付勢している。よって、着座者は座2に体重を掛けて背凭れに凭れることにより、反力付与機構5,10の反力に抗して揺動部材4を傾動させてロッキング動作を行うことができる。
また、ガススプリング10が最長状態のときに、背凭れ及び座2が初期位置に位置するように設定しておく。このため、背凭れ及び座2を初期位置に戻すときはガススプリング10がストッパとなって初期位置に位置決めされる。
このガススプリング10は、操作レバー16を下側、即ち座受部材7側にして、止め孔23が座受部材7に支持されると共にロッド20の先端部が揺動部材4の後部に支持されている。このため、背凭れ及び座2が揺動してもガススプリング10は軸27を中心に回転するので、操作レバー16の位置は殆ど変わらない。よって、椅子1のロッキング角度に拘わらず操作レバー16は着座者の手が容易に届く一定の範囲内に位置するので、常に良好な操作性を得ることができる。
この椅子1のロッキング装置を使用する際は、操作レバー16の操作によりガススプリング10のバルブ11を押し込む。そして、操作レバー16をロック部18に保持することにより、バルブ11を押し込んだフリー状態でロックする。これにより、ガススプリング10が伸長方向に付勢するようになるので、着座者は反力を受けながら背凭れ及び座2をフリーロッキングできるようになる。
また、操作レバー16のロックを解除してバルブ11の押し込みを解除したときには、バルブ11が突出してガススプリング10がロック状態になりガススプリング10の長さが固定される。これにより、背凭れ及び座2を位置固定することができるようになる。
そして、この椅子1を組み立てる際は、操作レバー16を備えたガススプリング10を単体の部品として椅子1に組み付ければ良い。このため、ガススプリング10を操作するための多部品から成る操作機構を別個に設けなくてもガススプリング10の状態切換及び状態維持を行うことができるように成るので、椅子1の組立性を向上させることができる。
また、操作レバー16を組み付けておかない状態のガススプリング10を椅子1に組み付けておき、椅子1の組立後に操作レバー16をガススプリング10に取り付けるようにしても良い。
この実施形態の椅子では第1の実施形態のガススプリング10を使用しているが、これには限られず他の実施形態のガススプリング10を採用しても良いのは勿論である。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態では、ガススプリング10を椅子1のロッキング装置に使用しているが、これには限られず椅子1の座2の昇降装置に使用することもできる。この場合も、ガススプリング10の操作機構を別に設ける必要が無くなるので、部品点数を減少して組立性を向上することができると共に部品コストを低く抑えることができる。
さらに、上述した各実施形態ではガススプリング10を反力源とする椅子1のロッキング装置や昇降装置に利用しているが、これには限られず支持部材に対して変位可能に支持される被支持部材を初期位置に復帰するように付勢する椅子1の装置、または椅子以外の支持機構の全般に使用することができる。いずれの場合も、ガススプリング10の操作機構を別に設ける必要が無くなるので、部品点数を減少して組立性を向上することができると共に部品コストを低く抑えることができる。