JP2005158885A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 MISトランジスタの電気的特性の劣化や歩留まりの低下を抑制しながら、n型MISトランジスタとp型MISトランジスタの両方でしきい値電圧を下げることができる半導体装置およびその製造技術を提供する。
【解決手段】 半導体基板1上にn型MISトランジスタQ1およびp型MISトランジスタQ2を形成する。n型MISトランジスタQ1のゲート電極9aは、アモルファス化した窒化タンタル膜6aとタングステン膜8より形成される。一方、p型MISトランジスタQ2のゲート電極9bは、結晶化した窒化タンタル膜6cとタングステン膜8より形成される。
【選択図】 図1



Description

本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、ゲート電極として金属膜を使用したMIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタおよびその製造技術に適用して有効な技術に関するものである。
従来、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのnチャネル型MOSトランジスタ(以下、n型MOSトランジスタという)とpチャネル型MOSトランジスタ(以下、p型MOSトランジスタという)の両方において低いしきい値電圧を実現するために、互いに異なる仕事関数(ポリシリコンの場合、フェルミ準位)を有する材料を使用してゲート電極を形成する、いわゆるデュアルゲート化が行われている。つまり、n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタを形成しているポリシリコン膜に対して、それぞれn型不純物とp 型不純物を導入することにより、n型MOSトランジスタのゲート電極材料の仕事関数(フェルミ準位)をシリコンの伝導帯近傍にするとともにp型MOSトランジスタのゲート電極材料の仕事関数(フェルミ準位)をシリコンの価電子帯近傍にして、しきい値電圧の低下を図っている。
しかし、近年CMOSトランジスタの微細化に伴いゲート絶縁膜の薄膜化が進み、ポリシリコン膜をゲート電極に使用した場合におけるゲート電極の空乏化が無視できなくなってきている。すなわち、微細化によって、酸化シリコン膜等よりなるゲート絶縁膜の電気的酸化シリコン等価膜厚を2nm以下程度にする必要がでてきたが、この場合、ゲート電極の空乏化によりゲート電極内に生ずる寄生容量が無視出来なくなってきているのである。このため、ゲート電極材料としてポリシリコン膜ではなく金属膜を使用することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−118175号公報(第3頁〜第6頁、図1)
ゲート電極材料として金属膜を使用する場合、まず始めにnチャネル型MISトランジスタ(以下、n型MISトランジスタという)とpチャネル型MISトランジスタ(以下、p型MISトランジスタという)の両方のゲート電極に同じ金属膜を使用することが考えられる(シングルメタルゲート)。
しかし、n型MISトランジスタとp型MISトランジスタの両方のゲート電極に同じ金属膜を使用した場合、使用した金属膜の仕事関数でMISトランジスタのしきい値電圧が決まってしまうため、n型MISトランジスタとp型MISトランジスタのいずれか一方のしきい値電圧が高くなってしまう問題点がある。すなわち、n型MISトランジスタのしきい値電圧を下げる仕事関数値とp型MISトランジスタのしきい値電圧を下げる仕事関数値とは相違するため、いずれか一方のMISトランジスタのしきい値電圧を下げるような仕事関数の金属膜を選択すると、もう一方のMISトランジスタでしきい値電圧が上昇してしまう問題点がある。
そこで、n型MISトランジスタのゲート電極に使用する金属膜とp型MISトランジスタのゲート電極に使用する金属膜を別々にすることが考えられる。すなわち、それぞれのしきい値電圧を下げる仕事関数の金属膜を使用してゲート電極を形成することが考えられる(デュアルメタルゲート)。
しかし、n型MISトランジスタとp型MISトランジスタで異なる金属膜を使用する場合、ゲート電極の形成工程が複雑化する問題点がある。また、n型MISトランジスタとp型MISトランジスタのうち一方のゲート電極を形成した後、他方のゲート電極を形成する必要があるため、n型MISトランジスタあるいはp型MISトランジスタのいずれかのゲート電極/ゲート絶縁膜(プロセスによっては、ゲート絶縁膜/チャネル形成領域)の界面の清浄度が低下し、MISトランジスタの電気的特性の劣化や歩留まりの低下が問題となる。
本発明の目的は、MISトランジスタの電気的特性の劣化や歩留まりの低下を抑制しながら、n型MISトランジスタとp型MISトランジスタの両方でしきい値電圧を下げることができる半導体装置およびその製造技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明による半導体装置は、(a1)半導体基板上に形成された第1ゲート絶縁膜と、(a2)前記第1ゲート絶縁膜上に形成された第1ゲート電極とを有するnチャネル型MISトランジスタと、(b1)前記半導体基板上に形成された第2ゲート絶縁膜と、(b2)前記第2ゲート絶縁膜上に形成された第2ゲート電極とを有するpチャネル型MISトランジスタとを備え、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極の構成材料は同じ金属または同じ金属化合物である一方、結晶性が異なることを特徴とするものである。
また、本発明による半導体装置は、 (a1)半導体基板上に形成された第1ゲート絶縁膜と、(a2)前記第1ゲート絶縁膜上に形成され、少なくとも2層以上の積層構造をした第1ゲート電極とを有するnチャネル型MISトランジスタと、(b1)前記半導体基板上に形成された第2ゲート絶縁膜と、(b2)前記第2ゲート絶縁膜上に形成され、少なくとも2層以上の積層構造をした第2ゲート電極とを有するpチャネル型MISトランジスタとを備え、前記第1ゲート電極を構成する膜のうち前記第1ゲート絶縁膜に接する膜はアモルファス化している一方、前記第2ゲート電極を構成する膜のうち前記第2ゲート絶縁膜に接する膜は結晶化していることを特徴とするものである。
本発明による半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、(b)前記絶縁膜上にアモルファス化した第1膜厚の第1導体膜を形成する工程と、(c)前記半導体基板のpチャネル型MISトランジスタ形成領域にさらにアモルファス化した前記第1導体膜を形成することにより、前記pチャネル型MISトランジスタ形成領域に形成された前記第1導体膜の膜厚を前記第1膜厚より厚い第2膜厚にする工程と、
(d)前記第1導体膜上に第2導体膜を形成する工程と、
(e)前記第1導体膜および前記第2導体膜を選択的にエッチングすることにより、nチャネル型MISトランジスタ形成領域に第1ゲート電極を形成し、前記pチャネル型MISトランジスタ形成領域に第2ゲート電極を形成する工程と、
(f)前記第1ゲート電極に含まれる前記第1導体膜をアモルファス化したまま前記第2ゲート電極に含まれる前記第1導体膜を結晶化する温度で前記半導体基板を熱処理する工程とを備えるものである。
また、本発明による半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、(b)前記絶縁膜上にアモルファス化した第1導体膜を形成する工程と、(c)エッチングにより前記半導体基板のnチャネル型MISトランジスタ形成領域に形成されている前記第1導体膜の膜厚を減少する工程と、(d)前記第1導体膜上に第2導体膜を形成する工程と、(e)前記第1導体膜および前記第2導体膜を選択的にエッチングすることにより、前記nチャネル型MISトランジスタ形成領域に第1ゲート電極を形成し、前記pチャネル型MISトランジスタ形成領域に第2ゲート電極を形成する工程と、(f)前記第1ゲート電極に含まれる前記第1導体膜をアモルファス化したまま、前記第2ゲート電極に含まれる前記第1導体膜を結晶化させる温度で前記半導体基板を熱処理する工程とを備えるものである。
また、本発明による半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、(b)前記絶縁膜上に導体膜を形成する工程と、(c)前記導体膜を選択的にエッチングすることにより、nチャネル型MISトランジスタ形成領域に第1ゲート電極を形成し、pチャネル型MISトランジスタ形成領域に第2ゲート電極を形成する工程と、(d)前記第1ゲート電極にイオン注入法を使用して元素を導入することにより前記第1ゲート電極をアモルファス化する工程とを備えるものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
MISトランジスタの電気的特性の劣化や歩留まりの低下を抑制しながら、n型MISトランジスタとp型MISトランジスタの両方でしきい値電圧を低くすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1におけるn型MISトランジスタQ1およびp型MISトランジスタQ2を示した断面図である。図1において、半導体基板1には素子を分離するための素子分離領域2が形成されており、この素子分離領域2によって分離された活性領域には、p型ウェル3またはn型ウェル4が形成されている。すなわち、活性領域のうちn型MISトランジスタ形成領域にはp型ウェル3が形成され、活性領域のうちp型MISトランジスタ形成領域にはn型ウェル4が形成されている。
次に、p型ウェル3上にはn型MISトランジスタQ1が形成されており、n型ウェル4上にはp型MISトランジスタQ2が形成されている。
n型MISトランジスタQ1は、図1に示すようにp型ウェル3上に形成されたゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)5aを有しており、このゲート絶縁膜5a上にゲート電極(第1ゲート電極)9aを有している。ゲート電極9aは、アモルファス(非晶質)化した窒化タンタル膜(金属化合物)6aと、この窒化タンタル膜6a上に形成されたタングステン膜8より形成されている。すなわち、ゲート電極9aは、アモルファス化した窒化タンタル膜6aとタングステン膜8との2層構造をしており、ゲート絶縁膜5aにはアモルファス化した窒化タンタル膜6aが接している。
ここで、結晶化した膜に比べてアモルファス化した膜は、仕事関数が低くなる。このため、ゲート絶縁膜5aに接する膜として結晶化した窒化タンタル膜ではなくアモルファス化した窒化タンタル膜6aを使用することにより、仕事関数を低下させることができる。したがって、仕事関数をシリコンの伝導帯近傍の値にすることができ、n型MISトランジスタQ1のしきい値電圧を低下させることができる。このアモルファス化した窒化タンタル膜6aの膜厚は、例えば0.3nm以上10nm以下である。
アモルファス化した窒化タンタル膜6a上にはタングステン膜8が形成されており、このタングステン膜8はゲート電極9aの抵抗を低減するために形成されている。
次に、ゲート電極9aの両側の側壁には、サイドウォール14が形成されており、このサイドウォール14下のp型ウェル3内には、半導体領域である低濃度n型不純物拡散領域10、11が形成されている。低濃度n型不純物拡散領域10、11の外側には、低濃度n型不純物拡散領域10、11より高濃度に不純物が導入された高濃度n型不純物拡散領域16、17が形成されており、この高濃度n型不純物拡散領域16、17上には低抵抗化を図るため、コバルトシリサイド膜20が形成されている。なお、コバルトシリサイド膜20に代えてチタンシリサイド膜やニッケルシリサイド膜を形成してもよい。
上述した低濃度n型不純物拡散領域10、高濃度n型不純物拡散領域16およびコバルトシリサイド膜20によりn型MISトランジスタQ1のソース領域が形成され、低濃度n型不純物拡散領域11、高濃度n型不純物拡散領域17およびコバルトシリサイド膜20によりn型MISトランジスタQ1のドレイン領域が形成されている。
次に、p型MISトランジスタQ2の構成について説明する。p型MISトランジスタQ2は、n型ウェル4上に形成されたゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)5bを有しており、このゲート絶縁膜5b上にゲート電極(第2ゲート電極)9bを有している。ゲート電極9bは、結晶化した窒化タンタル膜6cと、この窒化タンタル膜6c上に形成されたタングステン膜8より形成されている。
結晶化した窒化タンタル膜6cは、アモルファス化した窒化タンタル膜に比べて仕事関数が高くなる。このため、ゲート絶縁膜5bに接する膜としてアモルファス化した窒化タンタル膜ではなく結晶化した窒化タンタル膜6cを使用することにより、仕事関数を高くすることができる。したがって、仕事関数をシリコンの価電子帯近傍の値にすることができ、p型MISトランジスタQ2のしきい値電圧を低下させることができる。この結晶化した窒化タンタル膜6cの膜厚は、アモルファス化した窒化タンタル膜6aに比べて膜厚が厚くなっており、例えば10nmより厚い。
次に、ゲート電極9bの両側の側壁には、サイドウォール15が形成されており、このサイドウォール15下のn型ウェル4内には、半導体領域である低濃度p型不純物拡散領域12、13が形成されている。低濃度p型不純物拡散領域12、13の外側には、高濃度p型不純物拡散領域18、19が形成されており、この高濃度p型不純物拡散領域18、19上には、低抵抗化を図るためコバルトシリサイド膜20が形成されている。なお、コバルトシリサイド膜20に代えてチタンシリサイド膜やニッケルシリサイド膜を形成してもよい。
上述した低濃度p型不純物拡散領域12、高濃度p型不純物拡散領域18およびコバルトシリサイド膜20によりp型MISトランジスタQ2のドレイン領域が形成され、低濃度p型不純物拡散領域13、高濃度p型不純物拡散領域19およびコバルトシリサイド膜20によりp型MISトランジスタQ2のソース領域が形成されている。
このように、n型MISトランジスタQ1のゲート電極9aおよびp型MISトランジスタQ2のゲート電極9bは、窒化タンタル膜6aあるいは窒化タンタル膜6cとタングステン膜8を積層した構造をしている点で共通しているが、窒化タンタル膜6aと窒化タンタル膜6cとの結晶性が異なっている点で相違する。すなわち、本実施の形態1では、n型MISトランジスタQ1とp型MISトランジスタQ2のゲート電極材料を変えることによって、それぞれのMISトランジスタでしきい値電圧を低下させるのではなく、ゲート電極9aを構成する窒化タンタル膜6aをアモルファス化する一方、ゲート電極9bを構成する窒化タンタル膜6cを結晶化することにより、それぞれのMISトランジスタしきい値の低下を図っている点に特徴がある。
ここで、本明細書で「結晶性が異なる」という場合には、結晶構造が相違する場合だけでなく、アモルファス(非晶質)化されている状態と結晶化している状態とを区別する場合も含む。つまり、アモルファス化している状態と結晶化している状態を区別する場合にも「結晶性が異なる」という言葉を使用する。
本実施の形態1におけるn型MISトランジスタおよびp型MISトランジスタは上記のように構成されており、以下にその製造方法について図面を参照しながら説明する。
まず、図2に示すように、例えば単結晶シリコンにボロン(B)などのp型不純物を導入した半導体基板1を用意する。次に、半導体基板1の主面上に素子分離領域2を形成する。素子分離領域2は、例えば酸化シリコン膜よりなり、STI(Shallow Trench Isolation)法やLOCOS(Local Oxidization Of Silicon)法などによって形成される。図2では、窒化シリコン膜の耐酸化性を利用して半導体基板1の所定領域を選択酸化するLOCOS法によって形成された素子分離領域2を示している。
次に、半導体基板1内にp型ウェル3を形成する。p型ウェル3は、例えばフォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、ボロンやフッ化ボロンなどのp型不純物を半導体基板1内に導入することにより形成される。同様に、半導体基板1内にn型ウェル4を形成する。n型ウェル4は、例えばフォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、リンや砒素などのn型不純物を半導体基板1内に導入することにより形成される。
続いて、図3に示すように、半導体基板1上にゲート絶縁膜となる絶縁膜5を形成する。絶縁膜5は、例えば酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。
従来、絶縁膜5としては、絶縁耐性が高い、リーク電流が少ない、シリコン−酸化シリコン界面の電気的・物性的安定性などが優れているとの観点から、酸化シリコン膜が使用されている。
しかし、素子の微細化に伴い、絶縁膜5の膜厚について、極薄化が要求されるようになってきている。このように薄いゲート酸化膜を使用すると、MOSトランジスタのチャネルを流れる電子が酸化シリコン膜によって形成される障壁をトンネルしてゲート電極に流れる、いわゆるトンネル電流が発生してしまう。
そこで、酸化シリコンより誘電率の高い材料を使用して物理的膜厚を増加させることができるHigh−k膜が使用されるようになってきている。したがって、絶縁膜5として、酸化シリコン膜から形成されている例を示したが、これに限らず、例えば、酸化ハフニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、ハフニウムアルミネ−ト、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、窒化シリコン、La23などの希土類酸化物などのいわゆるHigh−k膜や酸窒化シリコン膜を使用してもよい。
次に、図4に示すように、絶縁膜5上に窒化タンタル膜(金属化合物)6aを形成する。窒化タンタル膜6aは、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法あるいはALD(Atomic Layer Deposition)法を使用して形成することができる。このとき窒化タンタル膜の膜厚は例えば約0.3nm〜約10nm程度である。
続いて、窒化タンタル膜6a上に酸化シリコン膜7を形成する。酸化シリコン膜7は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、この酸化シリコン膜7上に例えばスピン塗布法を使用してレジスト膜(図示せず)を形成した後、露光・現像することにより酸化シリコン膜7をパターニングする。パターニングは、図5に示すように、p型MISトランジスタ形成領域に酸化シリコン膜7が残らないようにする。
次に、図6に示すように、パターニングした酸化シリコン膜7上および窒化タンタル膜6aが露出したp型MISトランジスタ形成領域上に窒化タンタル膜6bを形成する。この窒化タンタル膜6bは、窒化タンタル膜6aと同様の方法で形成することができる。
続いて、フォトリソグラフィ技術を使用してp型MISトランジスタ形成領域を覆うレジスト膜(図示せず)を形成した後、エッチングすることによりp型MISトランジスタ形成領域以外の場所の形成されている窒化タンタル膜6bを除去する。そして、次にパターニングした酸化シリコン膜7をエッチングにより除去した後、p型MISトランジスタ形成領域を覆うレジスト膜を除去する。
このようにして、図7に示すようにn型MISトランジスタ形成領域に相対的に膜厚の薄い窒化タンタル膜6aを形成できる一方、p型MISトランジスタ形成領域に相対的に膜厚の厚い窒化タンタル膜6cを形成できる。この窒化タンタル膜6cは、窒化タンタル膜6aと窒化タンタル膜6bとを合わせた膜である。この時点において、窒化タンタル膜6aおよび窒化タンタル膜6cはアモルファス化している。
続いて、図8に示すように、窒化タンタル膜6aおよび窒化タンタル膜6c上にタングステン膜8を形成する。タングステン膜8は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、このタングステン膜8上にレジスト膜(図示せず)を形成した後、露光・現像することによりパターニングする。パターニングは、ゲート電極形成領域にだけレジスト膜が残るようにする。
次に、図9に示すように、パターニングしたレジスト膜をマスクにしてタングステン膜8および窒化タンタル膜6a、6cを選択的にエッチングすることにより、n型MISトランジスタ形成領域にゲート電極(第1ゲート電極)9aを形成し、p型MISトランジスタ形成領域にゲート電極(第2ゲート電極)9bを形成する。ゲート電極9aは、タングステン膜8と窒化タンタル膜6aよりなる積層構造をしており、ゲート電極9bは、タングステン膜8と窒化タンタル膜6cよりなる積層構造をしている。その後、絶縁膜5をエッチングすることにより、ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)5a、ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)5bを形成する。
続いて、図10に示すように、ゲート電極9aに整合して、半導体領域である低濃度n型不純物拡散領域10、11を形成する。低濃度n型不純物拡散領域10、11は、例えばフォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、リンや砒素などのn型不純物を半導体基板1内に導入することにより形成することができる。同様に、ゲート電極9bに整合して、半導体領域である低濃度p型不純物拡散領域12、13を形成する。低濃度p型不純物拡散領域12、13は、例えばフォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、ボロンなどのp型不純物を半導体基板1内に導入することにより形成することができる。
続いて、半導体基板1の主面上に例えばプラズマCVD法を使用して窒化シリコン膜を形成した後、この窒化シリコン膜に対して異方性エッチングすることにより、ゲート電極9a、9bの側壁にサイドウォール14、15を形成する。なお、サイドウォール14、15を窒化シリコン膜より形成したが、これに限らず例えば酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜あるいは酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜から形成してもよい。
次に、サイドウォール14に整合して、半導体基板1内の領域に高濃度n型不純物拡散領域16、17を形成する。高濃度n型不純物拡散領域16、17は、例えばフォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して形成され、低濃度n型不純物拡散領域10、11よりも高濃度にリンや砒素などのn型不純物が導入されている。同様に、サイドウォール15に整合して、半導体基板1内の領域に高濃度p型不純物拡散領域18、19を形成する。高濃度p型不純物拡散領域18、19は、例えばフォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して形成され、低濃度p型不純物拡散領域12、13よりも高濃度にボロンなどのp型不純物が導入されている。
次に、低濃度n型不純物拡散領域10、11、低濃度p型不純物拡散領域12、13、高濃度n型不純物拡散領域16、17および高濃度p型不純物拡散領域18、19に導入した不純物を活性化するため活性化アニールを行なう。このときの熱処理により、ゲート電極9bを構成する窒化タンタル膜6cは、アモルファス化した状態から結晶化した状態になる。一方、ゲート電極9aを構成する窒化タンタル膜6aは結晶化せずにアモルファス化した状態のままである。このように、活性化アニールによってゲート電極9aの窒化タンタル膜6cが結晶化する一方、ゲート電極9bの窒化タンタル膜6aが結晶化せずにアモルファス状態のままであるのは、窒化タンタル膜6aと窒化タンタル膜6cとの間に膜厚の差異があるためである。すなわち、膜厚が厚いと結晶化しやすくなり結晶化する温度が低下する。一方、膜厚が薄いと結晶化しにくくなり結晶化する温度が高くなる。したがって、膜厚に差異を設けることにより窒化タンタル膜6aをアモルファス化したまま窒化タンタル膜6cを結晶化させることが可能となるのである。なお、活性化アニールを行なう温度は、窒化タンタル膜6aが結晶化せずに窒化タンタル膜6cが結晶化する温度になっている。
続いて、半導体基板1上にコバルト膜を形成した後、熱処理を施すことにより高濃度n型不純物拡散領域16、17および高濃度p型不純物拡散領域18、19上にコバルトシリサイド膜20を形成する。このコバルトシリサイド膜20は、低抵抗化のために形成される。そして、次に未反応のコバルト膜を除去する。なお、シリサイド膜としてコバルトシリサイド膜20を形成する例について説明したが、これに限らず例えばチタンシリサイド膜やニッケルシリサイド膜を形成してもよい。
次に、配線工程について説明する。図1に示すように、半導体基板1の主面上に酸化シリコン膜30を形成する。この酸化シリコン膜30は例えばCVD法を使用して形成することができる。その後、酸化シリコン膜30の表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、酸化シリコン膜30にコンタクトホール31を形成する。そして、コンタクトホール31の底面および内壁を含む酸化シリコン膜30上にチタン/窒化チタン膜32aを形成する。チタン/窒化チタン膜32aは、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から形成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成できる。
次に、コンタクトホール31を埋め込むように、半導体基板1の主面上にタングステン膜32bを形成する。タングステン膜32bは、例えばCVD法を使用することにより形成することができる。そして、酸化シリコン膜30上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜32aおよびタングステン膜32bを例えばCMP法を使用して除去することにより、プラグ33を形成する。
次に、酸化シリコン膜30およびプラグ33上にチタン/窒化チタン膜34a、アルミニウム膜34b、チタン/窒化チタン膜34cを順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成できる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線35を形成する。
このようにして、本実施の形態1におけるn型MISトランジスタQ1およびp型MISトランジスタQ2を形成することができる。
本実施の形態1によれば、n型MISトランジスタQ1のゲート電極9aにアモルファス化した窒化タンタル膜6aを使用し、p型MISトランジスタQ2のゲート電極9bに結晶化した窒化タンタル膜6cを使用しているので、それぞれのMISトランジスタにおいて、しきい値を下げることができる。すなわち、アモルファス化した窒化タンタル膜6aは結晶化した窒化タンタル膜6cに比べて仕事関数値が低くなるため、仕事関数値の低いアモルファス化した膜(シリコンの伝導帯近傍の仕事関数を有する膜)をn型MISトランジスタQ1に使用し、仕事関数値の高い結晶化した膜(シリコンの価電子帯近傍の仕事関数を有する膜)をp型MISトランジスタQ2に使用することにより、それぞれのMISトランジスタでしきい値を下げることができる。
また、本実施の形態1によれば、デュアルメタルゲートのようにn型MISトランジスタのゲート電極を構成する材料とp型MISトランジスタのゲート電極を構成する材料とを異なる材料にしないため、MISトランジスタの電気的特性の劣化や歩留まりの低下を抑制することができる。つまり、デュアルメタルゲートのようにn型MISトランジスタのゲート電極とp型MISトランジスタのゲート電極とを異なる材料から形成する場合、n型MISトランジスタとp型MISトランジスタのうち一方のゲート電極を形成した後、不要な膜を除去してから他方のゲート電極を形成する必要がある。このため、n型MISトランジスタあるいはp型MISトランジスタのいずれかのゲート電極/ゲート絶縁膜(プロセスによっては、ゲート絶縁膜/チャネル形成領域)の界面が露出する。このように界面が露出すると、界面の清浄度が低下し、MISトランジスタの電気的特性の劣化や歩留まりの低下が問題となる。
しかし、本実施の形態1では、n型MISトランジスタQ1のゲート電極9aとp型MISトランジスタQ2のゲート電極9bを同じ材料より構成している。このため、ゲート電極9aを形成する工程でゲート電極9bも構成しており、例えばゲート電極9aを形成する際、ゲート電極9bの形成領域においてゲート絶縁膜が露出することはない。したがって、ゲート電極9a/ゲート絶縁膜5aおよびゲート電極9b/ゲート絶縁膜5bの界面の清浄度低下を抑制することができ、n型MISトランジスタQ1およびp型MISトランジスタQ2の電気的特性の劣化や歩留まりの低下を抑制できる。
また、本実施の形態1によれば、ゲート電極9aとゲート電極9bとを一つの工程で形成している。このため、デュアルメタルゲートのようにn型MISトランジスタのゲート電極とp型MISトランジスタのゲート電極とを別々に形成する場合に比べて工程の簡略化を図ることができる。
なお、本実施の形態1では、ゲート電極9a、9bを2層構造とする例について説明したが、これに限らず、例えばゲート電極9a、9bともに1層構造とした上でゲート電極9aを構成する膜をアモルファス化する一方、ゲート電極9bを構成する膜を結晶化してもよい。また、ゲート電極9a、9bを3層以上の構造としてもよい。
また、本実施の形態1では、結晶性の異なる例として、アモルファス化した膜と結晶化した膜を例に挙げて説明したが、例えば両方とも結晶化した膜であるが配向性が異なる(結晶構造が異なる)膜をそれぞれn型MISトランジスタQ1とp型MISトランジスタQ2に使用してもよい。すなわち、ゲート電極9aを構成する膜のうちゲート絶縁膜5aに接する膜とゲート電極9bを構成する膜のうちゲート絶縁膜5bに接する膜の両方を結晶化した膜で形成する一方、両方の膜で配向性の異なる膜を使用してもよい。この場合、本実施の形態1と同様にn型MISトランジスタQ1とp型MISトランジスタQ2の両方でしきい値電圧を低減することができる。これは、配向性の相違によって仕事関数値に差異が生ずるためである。
また、本実施の形態1では、ゲート電極9aとしてアモルファス化した窒化タンタル膜6aとタングステン膜8の積層膜を使用し、ゲート電極9bとして結晶化した窒化タンタル膜6cとタングステン膜8の積層膜を使用する例について説明したが、これに限らず、例えば窒化タンタル膜6a、6cの代わりにタングステン(金属)、窒化タングステン、モリブデン、窒化モリブデン、タンタル、ケイ窒化タンタル、窒化チタン、窒化ハフニウムまたは窒化ジルコニウムよりなる膜を使用し、タングステン膜8の代わりにポリシリコン、モリブデンまたはアルミニウムよりなる膜を使用してもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、図1に示した構造のn型トランジスタQ1とp型MISトランジスタQ2とを前記実施の形態1とは異なる方法で形成する例について説明する。
図2から図3に示す工程までは前記実施の形態1と同様である。次に、図11に示すように、絶縁膜5上に窒化タンタル膜6cを形成する。窒化タンタル膜6cは、例えばCVD法、スパッタリング法またはALD法などを使用して形成することができる。ここで、窒化タンタル膜6cは、前記実施の形態1で形成した窒化タンタル膜6aに比べて膜厚が厚くなっており、10nm以上の膜厚を有する。このとき形成される窒化タンタル膜6cは、アモルファス化している。
続いて、窒化タンタル膜6c上にスピン塗布法などを使用してレジスト膜(図示せず)を形成する。そして、レジスト膜を露光・現像することによりパターニングする。パターニングは、p型MISトランジスタ形成領域にだけレジスト膜が残るようにする。次に、パターニングしたレジスト膜をマスクにしたエッチングにより、n型MISトランジスタ形成領域に形成されている窒化タンタル膜6cの膜厚を減少させて、膜厚が約0.3nm以上10nm以下の窒化タンタル膜6aを形成する(図7参照)。
次に、窒化タンタル膜6aおよび窒化タンタル膜6c上にタングステン膜8を形成した後(図8参照)、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して図9に示すようなゲート電極9a、9bを形成する。その後の工程は、前記実施の形態1で説明した場合と同様である。このようにして、図1に示すようなn型トランジスタQ1とp型MISトランジスタQ2を形成することができる。
前記実施の形態1によれば、最初に薄い膜厚の窒化タンタル膜6aを形成した後、p型MISトランジスタ形成領域を開口した酸化シリコン膜7を形成する。そして、半導体基板1の主面上に窒化タンタル膜6bを形成した後、n型MISトランジスタ形成領域に形成されている窒化タンタル膜6b、酸化シリコン膜7を順次除去する。これにより、n型MISトランジスタ形成領域に相対的に薄い膜厚の窒化タンタル膜6aを形成し、p型MISトランジスタ形成領域に相対的に厚い膜厚の窒化タンタル膜6c(窒化タンタル膜6aと窒化タンタル膜6bとを合わせた膜)を形成していた。
これに対し、本実施の形態2によれば、最初の厚い膜厚の窒化タンタル膜6cを形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、n型MISトランジスタ形成領域に形成されている窒化タンタル膜6cの膜厚を減少させている。したがって、前記実施の形態1に比べて簡素化した工程でn型MISトランジスタQ1とp型MISトランジスタQ2を形成することができる。なお、本実施の形態2においても前記実施の形態1で述べたのと同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
図12は、本実施の形態3におけるn型MISトランジスタQ3およびp型MISトランジスタQ4を示した断面図である。図12において、n型MISトランジスタQ3およびp型MISトランジスタQ4の構成は図1に示したn型MISトランジスタQ1およびp型MISトランジスタQ2とほぼ同様のため、異なる部分について説明する。
図12に示すn型MISトランジスタQ3と図1に示したn型MISトランジスタQ1との相違点は、図1に示したn型MISトランジスタQ1のゲート電極9aが窒化タンタル膜6aとタングステン膜8との積層膜から形成されているのに対し、本実施の形態3におけるn型MISトランジスタQ3のゲート電極40aが窒化タンタル膜40より構成されている点である。このゲート電極40aを構成する窒化タンタル膜40は、アモルファス化している。
同様に、本実施の形態3におけるp型MISトランジスタQ4と前記実施の形態1におけるp型MISトランジスタQ2との相違点も、p型MISトランジスタQ2のゲート電極9bが窒化タンタル膜6cとタングステン膜8との積層膜から形成されているのに対し、本実施の形態3におけるp型MISトランジスタQ4のゲート電極40bが窒化タンタル膜40より構成されている点である。このゲート電極40bを構成する窒化タンタル膜40は、結晶化している。また、窒化タンタル膜40の膜厚は、ゲート電極40a、40bともに同じである。
このように、ゲート電極40aはアモルファス化した窒化タンタル膜40より構成され、ゲート電極40bは結晶化した窒化タンタル膜40より構成されている、アモルファス化している窒化タンタル膜40の仕事関数は、結晶化している窒化タンタル膜40の仕事関数に比べて低くなる。したがって、仕事関数値の低いアモルファス化した膜(シリコンの伝導帯近傍の仕事関数を有する膜)をn型MISトランジスタQ3に使用し、仕事関数値の高い結晶化した膜(シリコンの価電子帯近傍の仕事関数を有する膜)をp型MISトランジスタQ4に使用することにより、それぞれのMISトランジスタでしきい値を下げることができる。
本実施の形態3におけるn型MISトランジスタQ3およびp型MISトランジスタQ4は上記のように構成されており、以下にその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図2から図3に示す工程までは前記実施の形態1と同様である。次に、図13に示すように、絶縁膜5上に窒化タンタル膜40を形成する。窒化タンタル膜40は、アモルファス化しており、例えばCVD法、スパッタリング法またはALD法を使用して形成することができる。
続いて、図14に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用してゲート電極40a、40bおよびゲート絶縁膜5a、5bを形成する。その後、図15に示すように、ゲート電極40aに整合して低濃度n型不純物拡散領域10、11を形成する。低濃度n型不純物拡散領域10、11は、イオン注入法により、例えばリンや砒素などのn型不純物を半導体基板1内へ導入することにより形成できる。同様に、ゲート電極40bに整合して低濃度p型不純物拡散領域12、13を形成する。低濃度p型不純物拡散領域12、13は、例えばフォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、ボロンなどのp型不純物を半導体基板1内に導入することにより形成することができる。
次に、半導体基板1の主面上に例えばプラズマCVD法を使用して窒化シリコン膜を形成した後、この窒化シリコン膜に対して異方性エッチングすることにより、ゲート電極9a、9bの側壁にサイドウォール14、15を形成する。
そして、サイドウォール14に整合して、半導体基板1内の領域に高濃度n型不純物拡散領域16、17を形成する。同様に、サイドウォール15に整合して、半導体基板1内の領域に高濃度p型不純物拡散領域18、19を形成する。
続いて、低濃度n型不純物拡散領域10、11、低濃度p型不純物拡散領域12、13、高濃度n型不純物拡散領域16、17および高濃度p型不純物拡散領域18、19に導入した不純物を活性化するため活性化アニールを行なう。このときの熱処理により、ゲート電極40aおよびゲート電極40bを構成する窒化タンタル膜40が結晶化される。このように本実施の形態3では、n型MISトランジスタQ3のゲート電極40aを構成している窒化タンタル膜40もこの時点では結晶化する。これは、前記実施の形態1の窒化タンタル膜6aに比べて膜厚が厚くなっており、結晶化しやすくなっているからである。
次に、半導体基板1上にコバルト膜を形成した後、熱処理を施すことにより高濃度n型不純物拡散領域16、17および高濃度p型不純物拡散領域18、19上にコバルトシリサイド膜20を形成する。このコバルトシリサイド膜20は、低抵抗化のために形成される。そして、次に未反応のコバルト膜を除去する。なお、シリサイド膜としてコバルトシリサイド膜20を形成する例について説明したが、これに限らず例えばチタンシリサイド膜やニッケルシリサイド膜を形成してもよい。
続いて、図16に示すように、n型MISトランジスタQ3のゲート電極40aにシリコンあるいはアルゴンやヘリウムなどの不活性元素を導入する。この元素の導入には、例えばイオン注入法が使用される。このようにゲート電極40aに元素を導入することによりゲート電極40aを構成している窒化タンタル膜40の結晶構造が破壊され、アモルファス化する。
その後は、前記実施の形態1で説明したのと同様の工程を経ることにより配線35が形成される。以上のようにして、本実施の形態3のn型MISトランジスタQ3およびp型MISトランジスタQ4を形成することができる。
本実施の形態3によれば、n型MISトランジスタQ3のゲート電極40aにアモルファス化した窒化タンタル膜40を使用し、p型MISトランジスタQ4のゲート電極40bの結晶化した窒化タンタル膜40を使用しているため、ゲート電極40aの仕事関数値を相対的に低下させる一方、ゲート電極40bの仕事関数値を相対的に高くすることができる。したがって、n型MISトランジスタQ3およびp型MISトランジスタQ4の両方でしきい値電圧を低くすることができる。
また、本実施の形態3では、デュアルメタルゲートのようにn型MISトランジスタのゲート電極とp型MISトランジスタのゲート電極を別々に形成せずに一緒に形成するため、n型MISトランジスタあるいはp型MISトランジスタのいずれかのゲート電極/ゲート絶縁膜の清浄度が低下することを抑制できる。したがって、MISトランジスタの電気的特性の劣化や歩留まり低下を抑制することができる。
また、本実施の形態3では、ゲート電極40aとゲート電極40bとを一つの工程で形成している。このため、デュアルメタルゲートのようにn型MISトランジスタのゲート電極とp型MISトランジスタのゲート電極とを別々に形成する場合に比べて工程の簡略化を図ることができる。
なお、本実施の形態3では、低濃度n型不純物拡散領域10、11、低濃度p型不純物拡散領域12、13、高濃度n型不純物拡散領域16、17および高濃度p型不純物拡散領域18、19に導入した不純物を活性化するために行なう活性化アニールの後に、イオン注入法を使用してゲート電極40aにシリコンあるいはアルゴンやヘリウムなどの不活性元素を導入していた。しかし、この方法に限らず、例えば上述した活性化アニールを行なう前に、シリコンあるいはアルゴンやヘリウムなどの不活性元素をゲート電極40aに導入して、窒化タンタル膜40をアモルファス化するようにしてもよい。この場合、ゲート電極40aに導入された元素により、その後に行なわれる活性化アニールで窒化タンタル膜40が結晶化されることが抑制され、アモルファス化した状態が維持される。
また、本実施の形態3ではゲート電極40a、40bとして窒化タンタル膜40を使用する場合について説明したが、これに限らず例えば窒化ハフニウム、窒化ジルコニウム、窒化チタン、窒化タングステンまたは窒化モリブデンなどを使用してもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施の形態1〜3では、結晶性の異なる例として、アモルファス化した膜と結晶化した膜を例に挙げて説明したが、例えば両方とも結晶化した膜であるが配向性が異なる(結晶構造が異なる)膜をそれぞれn型MISトランジスタとp型MISトランジスタに使用してもよい。
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
本発明の実施の形態1における半導体装置を示した断面図である。 実施の形態1における半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図2に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図3に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図4に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図5に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図6に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図7に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図8に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図9に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 実施の形態2における半導体装置の製造工程を示した断面図である。 実施の形態3における半導体装置を示した断面図である。 実施の形態3における半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図13に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。 図15に続く半導体装置の製造工程を示した断面図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 素子分離領域
3 p型ウェル
4 n型ウェル
5 絶縁膜
5a ゲート絶縁膜
5b ゲート絶縁膜
6a 窒化タンタル膜
6b 窒化タンタル膜
6c 窒化タンタル膜
7 酸化シリコン膜
8 タングステン膜
9a ゲート電極
9b ゲート電極
10 低濃度n型不純物拡散領域
11 低濃度n型不純物拡散領域
12 低濃度p型不純物拡散領域
13 低濃度p型不純物拡散領域
14 サイドウォール
15 サイドウォール
16 高濃度n型不純物拡散領域
17 高濃度n型不純物拡散領域
18 高濃度p型不純物拡散領域
19 高濃度p型不純物拡散領域
20 コバルトシリサイド膜
30 酸化シリコン膜
31 コンタクトホール
32a チタン/窒化チタン膜
32b タングステン膜
33 プラグ
34a チタン/窒化チタン膜
34b アルミニウム膜
34c チタン/窒化チタン膜
35 配線
40 窒化タンタル膜
40a ゲート電極
40b ゲート電極
1 n型MISトランジスタ
2 p型MISトランジスタ
3 n型MISトランジスタ
4 p型MISトランジスタ

Claims (5)

  1. (a1)半導体基板上に形成された第1ゲート絶縁膜と、
    (a2)前記第1ゲート絶縁膜上に形成された第1ゲート電極と、
    を有するnチャネル型MISトランジスタと、
    (b1)前記半導体基板上に形成された第2ゲート絶縁膜と、
    (b2)前記第2ゲート絶縁膜上に形成された第2ゲート電極と、
    を有するpチャネル型MISトランジスタとを備え、
    前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極の構成材料は同じ金属または同じ金属化合物である一方、結晶性が異なることを特徴とする半導体装置。
  2. (a1)半導体基板上に形成された第1ゲート絶縁膜と、
    (a2)前記第1ゲート絶縁膜上に形成され、少なくとも2層以上の積層構造をした第1ゲート電極と、
    を有するnチャネル型MISトランジスタと、
    (b1)前記半導体基板上に形成された第2ゲート絶縁膜と、
    (b2)前記第2ゲート絶縁膜上に形成され、少なくとも2層以上の積層構造をした第2ゲート電極と、
    を有するpチャネル型MISトランジスタとを備え、
    前記第1ゲート電極を構成する膜のうち前記第1ゲート絶縁膜に接する膜と前記第2ゲート電極を構成する膜のうち前記第2ゲート絶縁膜に接する膜とは、同じ金属または同じ金属化合物から構成される膜である一方、結晶性の異なる膜であることを特徴とする半導体装置。
  3. (a1)半導体基板上に形成された第1ゲート絶縁膜と、
    (a2)前記第1ゲート絶縁膜上に形成され、少なくとも2層以上の積層構造をした第1ゲート電極と、
    を有するnチャネル型MISトランジスタと、
    (b1)前記半導体基板上に形成された第2ゲート絶縁膜と、
    (b2)前記第2ゲート絶縁膜上に形成され、少なくとも2層以上の積層構造をした第2ゲート電極と、
    を有するpチャネル型MISトランジスタとを備え、
    前記第1ゲート電極を構成する膜のうち前記第1ゲート絶縁膜に接する膜と前記第2ゲート電極を構成する膜のうち前記第2ゲート絶縁膜に接する膜とは、同じ金属または同じ金属化合物から構成された膜厚の異なる膜であるとともに、結晶性の異なる膜であることを特徴とする半導体装置。
  4. (a1)半導体基板上に形成された第1ゲート絶縁膜と、
    (a2)前記第1ゲート絶縁膜上に形成された第1ゲート電極と、
    を含むnチャネル型MISトランジスタと、
    (b1)前記半導体基板上に形成された第2ゲート絶縁膜と、
    (b2)前記第2ゲート絶縁膜上に形成された第2ゲート電極と、
    を含むpチャネル型MISトランジスタとを備え、
    前記第1ゲート電極はアモルファス化している一方、前記第2ゲート電極は結晶化していることを特徴とする半導体装置。
  5. (a)半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
    (b)前記絶縁膜上にアモルファス化した第1膜厚の第1導体膜を形成する工程と、
    (c)前記半導体基板のpチャネル型MISトランジスタ形成領域にさらにアモルファス化した前記第1導体膜を形成することにより、前記pチャネル型MISトランジスタ形成領域に形成された前記第1導体膜の膜厚を前記第1膜厚より厚い第2膜厚にする工程と、
    (d)前記第1導体膜上に第2導体膜を形成する工程と、
    (e)前記第1導体膜および前記第2導体膜を選択的にエッチングすることにより、nチャネル型MISトランジスタ形成領域に第1ゲート電極を形成し、前記pチャネル型MISトランジスタ形成領域に第2ゲート電極を形成する工程と、
    (f)前記第1ゲート電極に含まれる前記第1導体膜をアモルファス化したまま前記第2ゲート電極に含まれる前記第1導体膜を結晶化する温度で前記半導体基板を熱処理する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。

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