JP2005158804A - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 テール電流の小さい、高速のスイッチング速度が実現された絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 IGBT10は、P型のコレクタ領域11とP型ベース領域14との間にN型のバッファ領域12を備える。バッファ領域12は、ヒ素をドナー不純物として含んで構成される。バッファ領域12は、5×1017cm−3以上の比較的高い不純物濃度を有し、2〜10μmの比較的薄い厚みで形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)およびその製造方法に関する。
絶縁ゲード型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor;以下、IGBT)は、電界効果トランジスタの高い入力インピーダンスと、バイポーラトランジスタの高い電流ドライブ能力とを備え、特に、電力用スイッチング素子として好適に用いられる。
IGBTは、素子を流れる電流密度が大きくなると寄生サイリスタがオンしてラッチアップ状態となりやすく、この場合には素子破壊を招く。このため、ラッチアップの発生を抑制するため、バッファ領域を設けた素子構造が開発されている(特許文献1参照)。
特開平5−55583号公報
バッファ領域を備えた従来のIGBTの素子断面を図3に示す。図3に示すIGBT110は、P型のコレクタ領域111と、コレクタ領域111上に設けられた比較的不純物濃度の高いN型のバッファ領域112と、バッファ領域112上に設けられた比較的不純物濃度の低いN型ベース領域113と、N型ベース領域113の表面領域に島状に設けられたP型ベース領域114と、P型ベース領域114の表面領域に島状に設けられたN型のエミッタ領域115と、を有する半導体基体116を備える。
コレクタ領域111はコレクタ電極117と電気的に接続され、エミッタ領域115はエミッタ電極118に電気的に接続されている。また、N型ベース領域113とエミッタ領域115とに挟まれたP型ベース領域114の上方には、ゲート絶縁膜119を介してゲート電極120が設けられている。
上記IGBT110において、バッファ領域112は、コレクタ領域111からN型ベース領域113に注入される正孔の量を適正化(抑制)し、上述したラッチアップを防止する機能を有する。すなわち、バッファ領域112を形成せずに、コレクタ領域111上にN型ベース領域113を直接形成した場合には、コレクタ領域111からN型ベース領域113内に必要以上に正孔が注入され、ラッチアップが発生しやすくなる。バッファ領域112は、このようなラッチアップを抑制し、素子の信頼性を向上させる。
しかし、バッファ領域112を備えた上記IGBT110には、いわゆるテール電流が大きく、スイッチング速度が遅くなりやすいという問題がある。ゲート電極に印加する電圧をしきい値電圧Vth以下にして素子をオフすると、N型ベース領域113とP型ベース領域114との界面に形成されるPN接合が逆方向バイアスされ、このPN接合から空乏層がN型ベース領域113に広がる。このとき、N型ベース領域113に蓄積された少数キャリア(正孔)はP型ベース領域114を介して排出される。しかし、空乏層はバッファ領域112には実質的に広がらないため、バッファ領域112内に蓄積されたキャリアは排出されない。このため、バッファ領域112に蓄積された少数キャリアが再結合するまで電流(テール電流)が流れ続け、結果、IGBT110のスイッチング速度は遅いものとなる。
また、IGBT110のバッファ領域112は一般的にリンから形成される。しかし、リンは拡散しやすく、素子の作成プロセス中の熱によりN型ベース領域113に拡散が進みやすい。このため、IGBT110として完成した時には比較的不純物濃度の低いバッファ領域112が厚く形成される。結果、正孔がより蓄積されると共に、その正孔が再結合して消滅するまでの時間も要し、テール電流が大きい構造となってしまう。
さらに、上記のように、バッファ領域112には、N型ベース領域113への正孔の注入を抑制するという重要な働きがある。このため、熱履歴を見越して予め厚さを薄くしておく場合には、リンの濃度をより上げておく必要がある。ところが、その場合には、他の層との濃度勾配が急峻になる分、より多く拡散が進んでしまう。このため、最終的にはバッファ領域112が厚くなり、不純物濃度も十分に高くできず、テール電流が長くなりやすい構造となってしまう。
一方で、テール電流を短くするための方法として、電子線照射や重金属拡散等を行うこともあるが、これらの方法では素子内部に一様に欠陥が生じるため、IGBT110にとって重要な特性であるコレクタ−エミッタ間電圧VCE(sat)が大きくなったり、しきい値電圧Vthが低下したり、コレクタ−エミッタ間に逆方向電圧を加えた時の漏れ電流が大きくなるといった特性の悪影響ばかりでなく、実働高温時の特性変化が大きい等の弊害も発生してしまう。更に、高温動作時において、スイッチングロスが著しく増大するという問題も発生する。
このように、リンから形成したバッファ領域を備える従来のIGBTには、高不純物濃度のバッファ領域を比較的薄く設けることが難しく、素子特性を良好に維持しつつ、テール電流を小さくし、スイッチング速度の高速化を図りにくい、という問題があった。
上記問題を解決するため、本発明は、高速のスイッチング速度を有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、テール電流の小さい絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、
P型コレクタ領域と、
前記P型コレクタ領域上に形成されたN型バッファ領域と、
前記N型バッファ領域上に形成され、前記N型バッファ領域よりも不純物濃度の低いN型ベース領域と、
前記N型ベース領域の表面領域に島状に形成されたP型ベース領域と、
前記P型ベース領域の表面領域に島状に形成されたN型エミッタ領域と、
を備え、
前記N型バッファ領域は、ドナー不純物としてヒ素を含み、2μm〜10μmの厚みを有し、且つ5×1017cm−3以上の不純物濃度を有する。
上記構成においてN型バッファ領域は、一般的なリン等ではなく、ヒ素を用いて形成される。ヒ素は、リン等と比較して拡散係数が一桁程度小さいため、高不純物濃度の、2〜10μmという薄いN型バッファ領域を、プロセス中の熱処理による拡散を抑えて容易に形成することができる。N型ベース領域が比較的薄く且つ不純物濃度の高いN型バッファ領域を介してP型コレクタ領域に接しているので、N型バッファ領域に蓄積されるキャリア(正孔)の総量が相対的に少ない。また、蓄積キャリアの再結合時間も短縮化される。このため、良好な電気的特性を維持しつつ、いわゆるテール電流を減少させ、高速のスイッチング速度を実現することができる。
即ち、N型バッファ領域の厚みを2μm以上にしているため、N型ベース領域への正孔の注入を効果的に抑制でき、ラッチアップを良好に防止できる。一方、N型バッファ領域の厚みを10μm以下にしているため、N型ベース領域への正孔の注入が過度に抑制されることがなく、高い電流ドライブ能力が維持される。更に、N型バッファ層の不純物濃度が5×1017cm−3以上になっているため、N型バッファ領域の厚み増大に伴うキャリア蓄積総量の増加量に比較して、ドナー不純物総量の増加量を大きくできる。結果、厚みが2μm〜10μmのバッファ領域の介在によりスイッチングスピードの高速化が可能である。
上記構成の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、前記N型バッファ領域のドナ一不純物の不純物濃度は、前記P型コレクタ領域のアクセプタ不純物の不純物濃度よりも高いことが好ましい。
N型バッファ領域のドナー不純物濃度をP型コレクタ領域のアクセプタ不純物濃度よりも高くすることで、N型バッファ領域によって、P型コレクタ領域からN型ベース領域に注入される正孔の量を効果的に抑制できる。この結果、ラッチアップを確実に防止できる。また、N型バッファ領域のドナー不純物濃度をP型コレクタ領域のアクセプタ不純物濃度よりも高くすることで、N型バッファ領域の厚みをさらに薄くすることができる。この結果、素子の設計自由度が高まる。
上記構成の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいて、前記N型バッファ領域は、エピタキシャル成長層から構成されることが好ましい。
エビタキシャル成長により形成されたN型バッファ領域は、P型コレクタ領域側のドナー不純物も相対的に高く設定できる。このため、その厚みを同じに設定したときには、N型バッファ領域を不純物拡散によって形成する場合に比較して、ドナー不純物の総量を多くすることができ、蓄積キャリアの再結合が促進され、テール電流をより小さくすることができる。また、N型バッファ領域内のドナー不純物濃度の総量を同じに設定したときは、N型バッファ領域を不純物拡散によって形成する場合に比較して、バッファ領域の厚みを薄くできるので、蓄積キャリアの総量を少なくでき、この場合もテール電流を小さくできる。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、
P型コレクタ領域と、前記P型コレクタ領域上に形成されたN型バッファ領域と、前記N型バッファ領域上に形成され、前記N型バッファ領域よりも不純物濃度の低いN型ベース領域と、前記N型ベース領域の表面領域に島状に形成されたP型ベース領域と、前記P型ベース領域の表面領域に島状に形成されたN型エミッタ領域と、を備えた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
前記N型バッファ領域を、ドナー不純物としてヒ素を5×1017cm−3以上の不純物濃度で用い、2μm〜10μmの厚みで形成する。
上記方法においてN型バッファ領域は、一般的なリン等ではなく、ヒ素を用いて形成される。ヒ素は、リン等と比較して拡散係数が一桁程度小さいため、高不純物濃度の、2〜10μmという薄いN型バッファ領域を、プロセス中の熱処理による拡散を抑えて容易に形成することができる。N型ベース領域が高不純物濃度の比較的薄いN型バッファ領域を介してP型コレクタ領域に接しているので、N型バッファ領域に蓄積されるキャリア(正孔)の総量を相対的に小さくでき且つキャリアの再結合時間も短縮できる。このため、いわゆるテール電流を減少させ、高速のスイッチング速度を実現することができる。
また、N型ベース領域が、5×1017cm−3以上の高不純物濃度を有する厚み2μm以上のN型バッファ領域を介してP型コレクタ領域に接していることから、素子動作時にP型コレクタ領域からN型ベース領域に注入される正孔の量は効果的に抑制される。この結果、いわゆるラッチアップは効果的に防止される。更に、N型バッファ領域の厚みが10μm以下になっているため、高い電流ドライブ能力を有する。
上記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法において、前記N型バッファ領域を、エピタキシャル成長法により形成することが好ましい。
エピタキシャル成長により形成されたN型バッファ領域は、P型コレクタ領域側のドナー不純物も相対的に高く設定できる。このため、その厚みを同じに設定したときには、N型バッファ領域を不純物拡散によって形成する場合に比較して、ドナー不純物の総量を多くすることができ、蓄積キャリアの再結合が促進され、テール電流をより小さくすることができる。また、N型バッファ領域内のドナー不純物濃度の総量を同じに設定したときは、N型バッファ領域を不純物拡散によって形成する場合に比較して、バッファ領域の厚みを薄くできるので、蓄積キャリアの総量を少なくでき、この場合もテール電流を小さくできる。
本発明によれば、高速のスイッチング速度を有する絶縁ゲート型バイポーラトランジス夕およびその製造方法が提供される。
また、本発明によれば、テール電流の小さい絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法が提供される。
本発明の実施の形態にかかる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor;以下、IGBT)について、以下、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に本実施の形態にかかるIGBTの素子断面図を示す。図1に示すIGBT10は、P型のコレクタ領域11と、バッファ領域12と、N型ベース領域13と、P型ベース領域14と、エミッタ領域15と、を有する半導体基体16を備える。
コレクタ領域11は、ボロン等のP型の不純物が拡散された不純物拡散領域から構成され、例えば、P型のシリコン半導体基板から構成される。コレクタ領域11は、例えば、100〜300μm程度の厚さ、1×1018cm−3程度の不純物濃度で形成されている。コレクタ領域11は半導体基体16の一面を構成し、その一面上にはアルミニウム等からなるコレクタ電極17が設けられている。
バッファ領域12は、コレクタ領域11の一面上に形成されたN型の半導体領域から構成される。バッファ領域12は、コレクタ領域11を構成する半導体基板上にエピタキシャル成長法により形成される。バッファ領域12は、ヒ素(As)を比較的高濃度、即ち、5×1017cm−3以上の濃度で含み、比較的薄い厚み、即ち2μm以上、10μm以下、好ましくは2μm以上、5μm以下の厚みで形成されている。
また、バッファ領域12のドナー不純物濃度は、コレクタ領域11のアクセプタ不純物の濃度よりも高い濃度に設定されている。
N型ベース領域13は、バッファ領域12の一面上に形成された、リン等のN型不純物が拡散された不純物拡散領域から構成される。N型ベース領域13は、バッファ領域12上にエピタキシャル成長法を用いて形成することもできる。N型ベース領域13は、バッファ領域12よりも低い不純物濃度、例えば、1×1014cm−3程度の不純物濃度、50μm程度の厚さで形成される。
P型ベース領域14は、N型ベース領域13の表面領域に島状に1または複数形成され、ボロン等のP型不純物が拡散された不純物拡散領域から構成される。P型ベース領域14は、例えば、1×1017cm−3程度の不純物濃度で、例えば、4μm程度の拡散深さで形成される。
エミッタ領域15は、P型ベース領域14の表面領域に形成され、リン等のN型不純物が拡散された不純物拡散領域から構成される。エミッタ領域15は、例えば、1×1019cm−3程度の不純物濃度で、例えば、0.5μm程度の拡散深さで形成される。エミッタ領域15は、アルミニウム等から構成されるエミッタ電極18と電気的に接続されている。
エミッタ領域15とN型ベース領域13とに挟まれたP型ベース領域14(チャネル領域)の上には、シリコン系膜等の絶縁膜19を介して、ポリシリコン等から構成されるゲート電極20が形成されている。
上記構成のIGBT10において、バッファ領域12は、素子のラッチアップの発生を抑制し、素子の信頼性を高めるために設けられている。具体的には、オフ時に、IGBT10のコレクタ−エミッタ間にはしきい値電圧Vth以下の電圧が印加される。このとき、バッファ領域12は、オフ過程でコレクタ領域11からN型ベース領域13に注入される正孔の量を適正化(抑制)し、ラッチアップの発生を抑制する。すなわち、バッファ領域12を形成せずに、コレクタ領域11上にN型ベース領域13を直接形成すると、コレクタ領域11からN型ベース領域13内に必要以上に正孔が注入され、ラッチアップが発生しやすくなる。バッファ領域12はかかる事態を防ぎ、ラッチアップの発生を抑制し、素子の信頼性を向上させる。
ここで、ラッチアップとは以下のような現象をいう。IGBT10には、N型ベース領域13、P型ベース領域14およびN型エミッタ領域15から寄生NPNトランジスタが形成される。このNPNトランジスタがコレクタ領域11、バッファ領域12、N型ベース領域13およびP型ベース領域14からなるPNPトランジスタとともに寄生サイリスタを構成し、このサイリスタが動作してしまうと、オフ時にこのサイリスタを流れる電流を阻止することができなくなり、IGBT10は熱暴走して破壊されてしまう。
しかし一方で、バッファ領域12を設けることにより、IGBT10のスイッチング速度は一般的に遅くなる。すなわち、オフ時には、N型ベース領域13とP型ベース領域14との界面に形成されるPN接合は逆方向バイアスされ、このPN接合から空乏層がN型ベース領域13に広がる。このとき、N型ベース領域13に蓄積されたキャリア(正孔)はP型ベース領域14を介してエミッタ電極18から排出される。しかし、空乏層はバッファ領域12には実質的に広がらないため、バッファ領域12内に蓄積されたキャリアは排除されない。このため、バッファ領域12に蓄積されたキャリアが再結合するまで、電流(いわゆるテール電流)が流れ続ける。この結果、IGBT10のスイッチング速度は遅いものとなる。
したがって、バッファ領域12に蓄積されるキャリアを少なくするためには、バッファ領域12はできるだけ薄い方が好ましい。また、バッファ領域12に蓄積されたキャリアの再結合を早めるためには、バッファ領域12の不純物濃度を高くするのが好ましい。しかし、バッファ領域12は一般的にリンから形成される。リンは拡散係数が比較的高いため、素子形成プロセスにおける熱処理で拡散しやすい。このため、たとえバッファ領域12を薄く且つ高不純物濃度で形成しても、拡散によりIGBT10の完成時にはバッファ領域12の最終的な厚みも厚くなり、且つ不純物濃度も低くなってしまう。
しかし、本実施の形態にかかるIGBT10では、バッファ領域12をヒ素を用いて形成している。このため、素子形成工程中の熱処理による不純物(ヒ素)の拡散によるバッファ領域12の実質的な拡大は抑制される。
詳細には、ヒ素の拡散係数はリンと比較して一桁程度低くなっており、したがって、バッファ領域12の形成後のN型ベース領域13、P型ベース領域14およびエミッタ領域15等を形成する際の熱処理によって、ドナー不純物がN型ベース領域13に拡散して、バッファ領域12が厚く形成されることは防止される。これにより、オフ時のバッファ領域12の正孔の蓄積量を低減させ且つ、正孔の再結合を促進してテール電流を小さくすることができ、結果、スイッチング速度の高速化が図れる。
さらに、ヒ素のシリコンへの固溶度はリンの固溶度と同等もしくはこれよりも高いことから、ヒ素を用いて高濃度、好ましくは、5×1017cm−3以上の濃度のバッファ領域12を形成できるため、比較的薄い、例えば、厚さ2〜5μmのバッファ領域12を形成した場合でもホールの注入は効果的に抑制され、ラッチアップが防止される。バッファ領域12の薄層化により、キャリアの蓄積量はさらに低減でき、よって、高い素子信頼性を維持しつつ、スイッチング速度の高速化が図れる。
さらに、バッファ領域12をエピタキシャル成長によって形成していることから、不純物拡散によって形成した場合に比較して、不純物濃度の勾配をより急峻にすることができる。すなわち、コレクタ領域11とバッファ領域12との接合界面をいわゆる階段接合とすることができ、薄いバッファ領域12によってホール注入をより効果的に抑制し、ラッチアップ耐量を一段と向上させることができる。
このようなヒ素を用いてバッファ領域12を形成する素子構成は、リン等の他の不純物を用いる場合と同じ工程で実質的な工程数の増加を伴うことなく形成可能である。したがって、テール電流を小さくするための電子線照射等を必要とせず、また勿論、電子線照射等による素子内部の欠陥形成等が発生することはない。したがって、ヒ素をバッファ領域12に用いることにより、コレクタ−エミッタ間電圧VCE(sat)の上昇、しきい値電圧Vthの低下、漏れ電流の増加等を伴うことなく、テール電流の減少、すなわち、スイッチング速度の向上を図れる。また、高温動作時にスイッチングロスが増加するという問題も発生しない。
以下、上記構成のIGBT10の製造方法について図面を参照して説明する。図2(a)〜(c)に、本実施の形態にかかるIGBT10の製造プロセスを示す。なお、以下に示すものは一例であり、同様の結果物が得られるのであればこれに限られない。
まず、ボロン等のP型不純物が導入されたP型の半導体基板30を用意する。次いで、図2(a)に示すように、一般的なエピタキシャル成長法を用いて、半導体基板30上にN型不純物としてヒ素を含むエピタキシャル成長層(バッファ領域12)を形成する。
次いで、図2(b)に示すように、エピタキシャル成長法を用いて、バッファ領域12の上にリン等のN型不純物を含むN型ベース領域13を形成する。バッファ領域12およびN型ベース領域13は同一装置内で連続的に形成してもよい。
次いで、N型ベース領域13の表面領域にP型不純物およびN型不純物を連続的に選択的に拡散させて、図2(c)に示すように、P型ベース領域14およびエミッタ領域15を順次形成する。
その後、上記のようにして得られた半導体基体16に、コレクタ電極17、エミッタ電極18、ゲート電極20等を形成して図1に示すようなIGBT10が得られる。
本発明は、上記実施の形態に限られず、種々の変更、変形等が可能である。
例えば、上記実施の形態ではバッファ領域12は、エピタキシャル成長層であるとしたが、これに限らず、拡散法により形成された拡散層であってもよい。この場合、P型の半導体基板の一面に、所定深さ、好ましくは、5μm以下の拡散深さでヒ素を拡散させ、これにより、コレクタ領域11とバッファ領域12とを形成すればよい。
本発明の実施の形態に係るIGBTの断面構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るIGBTの製造プロセスを示す図である。 従来のIGBTの断面構成を示す図である。
符号の説明
10 IGBT
11 コレクタ領域
12 バッファ領域
13 N型ベース領域
14 P型ベース領域
15 エミッタ領域
16 半導体基体

Claims (6)

  1. P型コレクタ領域と、
    前記P型コレクタ領域上に形成されたN型バッファ領域と、
    前記N型バッファ領域上に形成され、前記N型バッファ領域よりも不純物濃度の低いN型ベース領域と、
    前記N型ベース領域の表面領域に島状に形成されたP型ベース領域と、
    前記P型ベース領域の表面領域に島状に形成されたN型エミッタ領域と、
    を備え、
    前記N型バッファ領域は、ドナー不純物としてヒ素を含み、2μm〜10μmの厚みを有し、且つ5×1017cm−3以上の不純物濃度を有する、ことを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  2. 前記N型バッファ領域には電子線照射が施されていない、ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  3. 前記N型バッファ領域のドナー不純物の不純物濃度は、前記P型コレクタ領域のアクセプタ不純物の不純物濃度よりも高い、ことを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  4. 前記N型バッファ領域は、エピタキシャル成長層から構成される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  5. P型コレクタ領域と、前記P型コレクタ領域上に形成されたN型バッファ領域と、前記N型バッファ領域上に形成され、前記N型バッファ領域よりも不純物濃度の低いN型ベース領域と、前記N型ベース領域の表面領域に島状に形成されたP型ベース領域と、前記P型ベース領域の表面領域に島状に形成されたN型エミッタ領域と、を備えた絶縁ゲ一ト型バイポーラトランジスタの製造方法であって、
    前記N型バッファ領域を、ドナー不純物としてヒ素を5×1017cm−3以上の不純物濃度で用い、2μm〜10μmの厚みで形成する、ことを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  6. 前記N型バッファ領域を、エピタキシャル成長法により形成する、ことを特徴とする請求項5に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
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