JP2003264288A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2003264288A
JP2003264288A JP2002064407A JP2002064407A JP2003264288A JP 2003264288 A JP2003264288 A JP 2003264288A JP 2002064407 A JP2002064407 A JP 2002064407A JP 2002064407 A JP2002064407 A JP 2002064407A JP 2003264288 A JP2003264288 A JP 2003264288A
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layer
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚さが200μm以上のエピタキシャルウエ
ハを用いて、薄いFZウエハで作製されたNPT−IG
BTまたはFS−IGBTと同等の特性を具えたIGB
Tを得ること。 【解決手段】 NPT型のエピタキシャルウエハの、p
+半導体基板よりなるp+コレクタ層11とn-ドリフト
層13との間にpバッファ層21を導入した構成とし、
このpバッファ層21を狙ってヘリウムイオン等を局所
ライフタイムキラーとして打ち込むことにより、局所ラ
イフタイム制御をおこない、p+コレクタ層11の低注
入化を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力変換装置など
に使用されるパワー半導体装置に関し、特にコレクタ層
となる半導体基板上にドリフト層等をエピタキシャル成
長させたエピタキシャルウエハを用いて作製されるIG
BT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)に関する。
【0002】
【従来の技術】IGBTは、定常オン状態ではドリフト
層中のキャリア濃度が不純物濃度よりも高い状態、すな
わち高注入状態にある。このため、ドリフト層抵抗が低
くなり、低オン電圧化が可能であるという利点がある。
しかし、ターンオフ時には蓄積過剰キャリアが掃き出さ
れるため、ターンオフ損失の原因となる。このように、
定常オン電圧とターンオフ損失はトレードオフの関係に
ある。
【0003】このトレードオフの関係に関し、ドリフト
層のコレクタ側領域の過剰キャリア量がエミッタ側領域
の過剰キャリア量よりも低い方が、より良好な関係が得
られることがわかっている。このようなキャリア分布は
コレクタ層の低注入化によって実現される。そのために
は、コレクタ層の不純物濃度を低くし、さらにコレクタ
層を薄くすることが有効である。
【0004】図6は、従来のノンパンチスルー型IGB
T(以下、NPT−IGBTとする)の構成を示す縦断
面図である。また、図7は、従来のフィールドストップ
型IGBT(以下、FS−IGBTとする)の構成を示
す縦断面図である。これらNPT−IGBTおよびFS
−IGBTは、フローティングゾーン法により製造され
たウエハ(以下、FZウエハとする)を用いて作製され
る。
【0005】図6および図7において、符号1はp+
レクタ層、符号3はFZウエハよりなるn-ドリフト
層、符号4はpベース領域、符号5はn+エミッタ領
域、符号6はゲート酸化膜、符号7はゲート電極、符号
8はエミッタ電極、符号9はコレクタ電極である。ま
た、図7において、符号2はn+バッファ層である。い
ずれのタイプのIGBTでも、低ドーズ量のイオン注入
によって低注入コレクタ層1が形成されているので、良
好なトレードオフ特性が得られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のIGBTでは総ウエハ厚を極めて薄くする必要があ
る。たとえば、耐圧1200Vクラスの場合、NPT−
IGBTおよびFS−IGBTの総ウエハ厚はそれぞれ
180μmおよび120μmである。また、耐圧600
Vクラスでは、NPT−IGBTの総ウエハ厚は100
μmであり、FS−IGBTの総ウエハ厚は65μmで
ある(図6および図7参照)。このような薄いウエハの
取り扱いは困難であり、製造プロセス中に割れ不良が発
生しやすく、歩留まりが悪いという問題点がある。
【0007】また、従来のFS−IGBTでは、基板表
面のアルミ電極構造を形成した後に、基板裏面からリン
イオンを注入し、低温度アニールをおこなうことによっ
て、n型のバッファ層2が形成されている。このため、
このバッファ層2の厚さを2μm以上にすることは困難
であり、十分な耐圧が得られないという問題点がある。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、厚いウエハ、たとえば厚さが200μm以
上のエピタキシャルウエハを用いて、薄いFZウエハで
作製されたNPT−IGBTまたはFS−IGBTと同
等の特性を具えたIGBTよりなる半導体装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる半導体装置は、コレクタ層となる低
抵抗の第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の表
面上にエピタキシャル成長された、前記半導体基板より
も不純物濃度が低い第1導電型のバッファ層と、前記第
1導電型のバッファ層上にエピタキシャル成長された第
2導電型のバッファ層と、前記第2導電型のバッファ層
上にエピタキシャル成長された、前記第2導電型のバッ
ファ層よりも不純物濃度が低い第2導電型のドリフト層
と、前記ドリフト層の表面層に選択的に形成された第1
導電型のベース領域と、前記ベース領域内に選択的に形
成された第2導電型のエミッタ領域と、前記ベース領域
の、チャネルが形成される部分の表面上に形成されたゲ
ート酸化膜と、前記ゲート酸化膜上に形成されたゲート
電極と、前記エミッタ領域および前記ベース領域に接続
されたエミッタ電極と、前記半導体基板の裏面に形成さ
れたコレクタ電極と、を具備し、前記第1導電型のバッ
ファ層の不純物濃度は1×1017cm-3以下であり、前
記第1導電型のバッファ層中の電子ライフタイムおよび
電子拡散係数をそれぞれteおよびDeとし、前記第1
導電型のバッファ層の厚さをWとすると、つぎの(1)
式を満たすことを特徴とする。
【0010】√(te×De)<10W ・・・(1)
【0011】この発明によれば、半導体基板とドリフト
層との間に半導体基板よりも不純物濃度が低い第1導電
型のバッファ層が設けられており、この第1導電型のバ
ッファ層中の電子ライフタイムが上記(1)式を満たす
ように制御されていることによって、コレクタ層の低注
入化が可能となる。また、半導体基板が低抵抗であるた
め、基板中の電圧降下はほぼゼロである。したがって薄
ウエハを用いた低注入型のFS−IGBTと同等の特性
が得られる。
【0012】また、上記目的を達成するため、本発明に
かかる半導体装置は、コレクタ層となる低抵抗の第1導
電型の半導体基板と、前記半導体基板の表面上にエピタ
キシャル成長された、前記半導体基板よりも不純物濃度
が低い第1導電型のバッファ層と、前記バッファ層上に
エピタキシャル成長された第2導電型のドリフト層と、
前記ドリフト層の表面層に選択的に形成された第1導電
型のベース領域と、前記ベース領域内に選択的に形成さ
れた第2導電型のエミッタ領域と、前記ベース領域の、
チャネルが形成される部分の表面上に形成されたゲート
酸化膜と、前記ゲート酸化膜上に形成されたゲート電極
と、前記エミッタ領域および前記ベース領域に接続され
たエミッタ電極と、前記半導体基板の裏面に形成された
コレクタ電極と、を具備し、前記第1導電型のバッファ
層の不純物濃度は1×1017cm -3以下であり、前記第
1導電型のバッファ層中の電子ライフタイムおよび電子
拡散係数をそれぞれteおよびDeとし、前記第1導電
型のバッファ層の厚さをWとすると、上記(1)式を満
たすことを特徴とする。
【0013】この発明によれば、第1導電型のバッファ
層が設けられていることと、この第1導電型のバッファ
層の電子ライフタイム制御によって、コレクタ層の低注
入化が可能となり、また、基板中の電圧降下はほぼゼロ
である。したがって薄ウエハを用いた低注入型のNPT
−IGBTと同等の特性が得られる。
【0014】これらの発明において、前記第1導電型の
バッファ層中の電子ライフタイムを制御する局所ライフ
タイムキラーとしてヘリウムイオンまたは水素イオンが
注入されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ詳細に説明する。 実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1にかかる
半導体装置であるNPT−IGBTの構成を示す縦断面
図である。図1に示すように、p+コレクタ層11の表
面上に、p+コレクタ層11よりも不純物濃度が低いp
バッファ層21が積層され、さらにその上にn-ドリフ
ト層13が積層されている。n-ドリフト層13の表面
層には選択的にpベース領域14が形成されている。p
ベース領域14内には選択的にn+エミッタ領域15が
形成されている。
【0016】ゲート酸化膜16は、pベース領域14
の、チャネルが形成される部分、すなわちpベース領域
14の、n-ドリフト層13とn+エミッタ領域15との
間の部分の表面上に形成されている。ゲート酸化膜16
上にはゲート電極17が形成されている。エミッタ電極
18は、n+エミッタ領域15およびpベース領域14
に接続されており、層間絶縁膜22を介してゲート電極
17から絶縁されている。p+コレクタ層11の裏面に
はコレクタ電極19が形成されている。
【0017】p+コレクタ層11は、抵抗値が18mΩ
のp型基板により構成される。pバッファ層21の不純
物濃度は1×1017cm-3以下であり、たとえば1×1
16cm-3である。また、pバッファ層21に関し、層
中の電子ライフタイムをteとし、電子拡散係数をDe
とし、当該バッファ層21の厚さをWとすると、前記
(1)式を満足する。
【0018】前記(1)式の左辺、すなわちteとDe
との積の平方根の値はpバッファ層21中での電子の拡
散長である。この拡散長がpバッファ層21の厚さWよ
りも大幅に大きいと、pバッファ層21に注入された電
子の大部分は、pバッファ層21を素通りしてp+コレ
クタ層11に到達してしまうため、pバッファ層21の
低注入化効果が得られなくなる。
【0019】これを防ぐには、pバッファ層21中のキ
ャリア寿命を短くしてpバッファ層21中の電子の再結
合を起こりやすくし、電子がpバッファ層21中で消滅
してp+コレクタ層11に届かないようにする必要があ
る。そのため、pバッファ層21中での電子の拡散長を
pバッファ層21の厚さWの10倍よりも小さくする必
要がある。ここで、10倍とした理由は、電子拡散長が
pバッファ層21の厚さWの10倍を超えると、ほとん
ど全ての電子がpバッファ層21を素通りしてしまうか
らである。
【0020】つぎに、図1に示す構成の耐圧600Vク
ラスのNPT−IGBTの製造プロセスについて説明す
る。まず、厚さ500μmで抵抗値が18mΩのp型半
導体基板を用意し、これをp+コレクタ層11としてそ
の表面上に20μm厚で不純物濃度が1×1016cm-3
のpバッファ層21をエピタキシャル成長させ、さらに
その上に100μm厚で不純物濃度が1.45×1014
cm-3のn-ドリフト層13をエピタキシャル成長させ
る。
【0021】このエピタキシャルウエハの表面に、pベ
ース領域14、n+エミッタ領域15、ゲート酸化膜1
6、ゲート電極17、層間絶縁膜22およびエミッタ電
極18よりなるIGBT構造を形成する。このIGBT
構造を保護膜で被覆した後、ウエハを350μmの厚さ
まで削る。
【0022】その後、pバッファ層21を狙ってウエハ
裏面からドーズ量3×1011cm-2でヘリウムイオンを
照射して、pバッファ層21に前記(1)式を満足する
ように局所ライフタイムキラーを導入する。最後にウエ
ハ裏面に金属を蒸着してコレクタ電極19を形成し、ダ
イシングして図1に示す構成のNPT−IGBTが完成
する。ただし、図1では保護膜が省略されている。
【0023】ここで、特に図示しないが、図1に示す構
成のNPT−IGBTにおいてpバッファ層21を形成
するためのエピタキシャル成長をおこなわない構成とし
てもよい。この場合、たとえば耐圧600Vクラスで
は、厚さ500μmで抵抗値が18mΩのp+コレクタ
層11となるp型半導体基板の表面上に、100μm厚
で不純物濃度が1.45×1014cm-3のn-ドリフト
層13をエピタキシャル成長させる。そして、ウエハ表
面にIGBT構造を形成し、保護膜付けをおこなった
後、ウエハを350μmの厚さまで削る。
【0024】その際、IGBT構造を形成するプロセス
中の熱履歴により、p型半導体基板からボロンが拡散す
る。それによって、図2に深さ方向の濃度プロファイル
を示すように、p+コレクタ層11とn-ドリフト層13
との接合部分が傾斜接合となり、擬似的なpバッファ層
21が形成されていることになる。この擬似的なpバッ
ファ層21を狙ってウエハ裏面から前記(1)式を満た
すように局所ライフタイムキラーを導入すればよい。
【0025】図3は、実施の形態1のIGBT(実施
例)と薄ウエハで作製されたIGBT(比較例)とにつ
いて、L負荷ターンオフ波形を比較した波形図である。
図3より明らかなように、実施例では、オン電圧は1.
95Vであり、ターンオフ損失は6.13mJ/cm2
である。それに対して比較例では、オン電圧は2.01
Vであり、ターンオフ損失は6.24mJ/cm2であ
る。したがって、実施例のIGBTは薄ウエハ型IGB
Tに匹敵する性能を具えていることがわかる。
【0026】上述した実施の形態1によれば、電子ライ
フタイム制御がなされたpバッファ層21が設けられて
いることによって、p+コレクタ層11の低注入化が可
能となる。また、p+コレクタ層11が低抵抗であるた
め、p+コレクタ層11中の電圧降下がほぼゼロとな
る。したがって、薄ウエハを用いた低注入型のNPT−
IGBTと同等の特性を具えた厚ウエハのNPT−IG
BTが得られる。
【0027】実施の形態2.図4は、本発明の実施の形
態2にかかる半導体装置であるFS−IGBTの構成を
示す縦断面図である。図4に示すように、p+コレクタ
層31の表面上に、p+コレクタ層31よりも不純物濃
度が低いpバッファ層41が積層され、さらにその上に
+バッファ層32が積層され、さらにその上にn-ドリ
フト層33が積層されている。n+バッファ層32の不
純物濃度はn-ドリフト層33の不純物濃度よりも高
い。n-ドリフト層33の表面層には選択的にpベース
領域34が形成されている。pベース領域34内には選
択的にn+エミッタ領域35が形成されている。
【0028】ゲート酸化膜36は、pベース領域34の
チャネル形成部分、すなわちpベース領域34の、n-
ドリフト層33とn+エミッタ領域35との間の部分の
表面上に形成されている。ゲート酸化膜36上にはゲー
ト電極37が形成されている。エミッタ電極38は、n
+エミッタ領域35およびpベース領域34に接続され
ており、層間絶縁膜42を介してゲート電極37から絶
縁されている。p+コレクタ層31の裏面にはコレクタ
電極39が形成されている。
【0029】p+コレクタ層31は、抵抗値が18mΩ
のp型基板により構成される。pバッファ層41の不純
物濃度は1×1017cm-3以下であり、たとえば1×1
16cm-3である。また、pバッファ層41に関し、層
中の電子ライフタイムをteとし、電子拡散係数をDe
とし、当該バッファ層41の厚さをWとすると、実施の
形態1と同様に、前記(1)式を満足する。
【0030】つぎに、図4に示す構成の耐圧600Vク
ラスのFS−IGBTの製造プロセスについて説明す
る。まず、厚さ500μmで抵抗値が18mΩのp型半
導体基板を用意し、これをp+コレクタ層31としてそ
の表面上に20μm厚で不純物濃度が1×1016cm-3
のpバッファ層41をエピタキシャル成長させる。そし
て、その上に10μm厚で不純物濃度が3×1015cm
-3のn+バッファ層32を成長させ、さらにその上に6
0μm厚で不純物濃度が1×1014cm-3のn-ドリフ
ト層33をエピタキシャル成長させる。
【0031】このエピタキシャルウエハの表面に、pベ
ース領域34、n+エミッタ領域35、ゲート酸化膜3
6、ゲート電極37、層間絶縁膜42およびエミッタ電
極38よりなるIGBT構造を形成する。このIGBT
構造を保護膜で被覆した後、ウエハを350μmの厚さ
まで削る。
【0032】その後、pバッファ層41を狙ってウエハ
裏面からドーズ量3×1011cm-2でヘリウムイオンを
照射して、pバッファ層41に前記(1)式を満足する
ように局所ライフタイムキラーを導入する。最後にウエ
ハ裏面に金属を蒸着してコレクタ電極39を形成し、ダ
イシングして図4に示す構成のFS−IGBTが完成す
る。ただし、図4では保護膜が省略されている。
【0033】上述した実施の形態2によれば、電子ライ
フタイム制御がなされたpバッファ層41が設けられて
いることによって、p+コレクタ層31の低注入化が可
能となる。また、p+コレクタ層31が低抵抗であるた
め、p+コレクタ層31中の電圧降下がほぼゼロとな
る。したがって、薄ウエハを用いた低注入型のFS−I
GBTと同等の特性を具えた厚ウエハのFS−IGBT
が得られる。
【0034】実施の形態3.図5は、本発明を適用した
600V逆阻止型IGBTの構成を示す縦断面図であ
る。図5において、符号51はp+コレクタ層、符号5
3はn-ドリフト層、符号54はpベース領域、符号5
5はn+エミッタ領域、符号56はゲート酸化膜、符号
57はゲート電極、符号58はエミッタ電極、符号59
はコレクタ電極19、符号61はpバッファ層である。
また、符号62は層間絶縁膜、符号63は保護膜であ
る。これらより構成されるIGBTの構造は図1に示す
構成と同様である。符号64はエッチング溝である。
【0035】p+コレクタ層51は、抵抗値が18mΩ
のp型基板により構成される。pバッファ層61の不純
物濃度は1×1017cm-3以下であり、たとえば1×1
16cm-3である。また、pバッファ層61に関し、層
中の電子ライフタイムをteとし、電子拡散係数をDe
とし、当該バッファ層61の厚さをWとすると、実施の
形態1と同様に、前記(1)式を満足する。
【0036】つぎに、図5に示す構成の600V逆阻止
型IGBTの製造プロセスについて説明する。まず、厚
さ500μmで抵抗値が18mΩのp型半導体基板をp
+コレクタ層51とし、その上に20μm厚で不純物濃
度が1×1016cm-3のpバッファ層61をエピタキシ
ャル成長させ、さらにその上に100μm厚で不純物濃
度が1.45×1014cm-3のn-ドリフト層53をエ
ピタキシャル成長させる。
【0037】このエピタキシャルウエハの表面に、pベ
ース領域54、n+エミッタ領域55、ゲート酸化膜5
6、ゲート電極57、層間絶縁膜62およびエミッタ電
極58よりなるIGBT構造を形成する。このIGBT
構造を保護膜63で被覆した後、ウエハを350μmの
厚さまで削る。ついで、IGBTのスクライブ部分を1
50μmの深さまでウエットエッチングしてエッチング
溝64を形成する。
【0038】その後、pバッファ層61を狙ってウエハ
裏面からドーズ量3×1011cm-2でヘリウムイオンを
照射して、pバッファ層61に前記(1)式を満足する
ように局所ライフタイムキラーを導入する。最後にウエ
ハ裏面に金属を蒸着してコレクタ電極59を形成し、ダ
イシングしてチップを得る。
【0039】上述した実施の形態3によれば、上述した
構成の逆阻止型IGBTを2個、逆並列に組み合わせる
ことによって、双方向モジュールを構成することができ
る。双方向モジュールは、双方向の電流および電圧を制
御することができるので、マトリックスコンバータ用の
双方向スイッチとして利用される。従来の双方向スイッ
チは2個のIGBTと2個の逆耐圧発生用ダイオードに
より構成されている。そのため、双方向スイッチ全体の
オン電圧は、IGBTのオン電圧とダイオードのオン電
圧との合計となり、定常オン損失が大きかった。しか
し、実施の形態3の逆阻止型IGBTを2個用いた双方
向スイッチでは、ダイオードが不要であるため、オン電
圧が大幅に低減されるという効果を奏する。
【0040】以上において本発明は、上述した各実施の
形態に限らず、種々変更可能である。たとえば、各実施
の形態において例示した不純物濃度、ドーズ量、厚さ等
の寸法などは適宜変更可能である。また、局所ライフタ
イムキラーとして、ヘリウムイオンの代わりに水素イオ
ンを用いることもできる。また、上述した各実施の形態
では、第1導電型をp型とし、第2導電型をn型とした
が、本発明はその逆の導電型でも成り立つ。
【0041】ところで、パワーデバイスにおいては、従
来よりドリフト層のコレクタ層寄りの領域を狙った局所
ライフタイム制御技術が適用されているが、これはドリ
フト層中のキャリア拡散長を低減することによるキャリ
ア濃度低減を目的としている。それに対して、本発明に
かかる局所ライフタイム制御技術は、p+コレクタ層1
1,31,51(正確にはpバッファ層21,41,6
1)を狙ったものであり、コレクタ層11,31,51
の注入効率そのものを抑えることによるキャリア濃度の
低減を目的としており、明らかに従来の局所ライフタイ
ム制御技術とは異なる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、第1導電型のバッファ
層が設けられていることと、この第1導電型のバッファ
層の電子ライフタイム制御によって、コレクタ層の低注
入化が可能となり、また、基板中の電圧降下はほぼゼロ
であるため、薄ウエハを用いた低注入型のFS−IGB
TやNPT−IGBTと同等の特性を具えた厚ウエハの
FS−IGBTやNPT−IGBTが高い歩留まりで得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の構
成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる半導体装置のp
バッファ層を設けない構成の深さ方向の濃度プロファイ
ルを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる半導体装置と薄
ウエハ型IGBTとについてL負荷ターンオフ波形を比
較した波形図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の構
成を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3にかかる半導体装置の構
成を示す縦断面図である。
【図6】従来のNPT−IGBTの構成を示す縦断面図
である。
【図7】従来のFS−IGBTの構成を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
11,31,51 p+コレクタ層 32 n+バッファ層 13,33,53 n-ドリフト層 14,34,54 pベース領域 15,35,55 n+エミッタ領域 16,36,56 ゲート酸化膜 17,37,57 ゲート電極 18,38,58 エミッタ電極 19,39,59 コレクタ電極 21,41,61 pバッファ層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレクタ層となる低抵抗の第1導電型の
    半導体基板と、 前記半導体基板の表面上にエピタキシャル成長された、
    前記半導体基板よりも不純物濃度が低い第1導電型のバ
    ッファ層と、 前記第1導電型のバッファ層上にエピタキシャル成長さ
    れた第2導電型のバッファ層と、 前記第2導電型のバッファ層上にエピタキシャル成長さ
    れた、前記第2導電型のバッファ層よりも不純物濃度が
    低い第2導電型のドリフト層と、 前記ドリフト層の表面層に選択的に形成された第1導電
    型のベース領域と、 前記ベース領域内に選択的に形成された第2導電型のエ
    ミッタ領域と、 前記ベース領域の、チャネルが形成される部分の表面上
    に形成されたゲート酸化膜と、 前記ゲート酸化膜上に形成されたゲート電極と、 前記エミッタ領域および前記ベース領域に接続されたエ
    ミッタ電極と、 前記半導体基板の裏面に形成されたコレクタ電極と、 を具備し、 前記第1導電型のバッファ層の不純物濃度は1×1017
    cm-3以下であり、前記第1導電型のバッファ層中の電
    子ライフタイムおよび電子拡散係数をそれぞれteおよ
    びDeとし、前記第1導電型のバッファ層の厚さをWと
    すると、 √(te×De)<10W であることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 コレクタ層となる低抵抗の第1導電型の
    半導体基板と、 前記半導体基板の表面上にエピタキシャル成長された、
    前記半導体基板よりも不純物濃度が低い第1導電型のバ
    ッファ層と、 前記バッファ層上にエピタキシャル成長された第2導電
    型のドリフト層と、 前記ドリフト層の表面層に選択的に形成された第1導電
    型のベース領域と、 前記ベース領域内に選択的に形成された第2導電型のエ
    ミッタ領域と、 前記ベース領域の、チャネルが形成される部分の表面上
    に形成されたゲート酸化膜と、 前記ゲート酸化膜上に形成されたゲート電極と、 前記エミッタ領域および前記ベース領域に接続されたエ
    ミッタ電極と、 前記半導体基板の裏面に形成されたコレクタ電極と、 を具備し、 前記第1導電型のバッファ層の不純物濃度は1×1017
    cm-3以下であり、前記第1導電型のバッファ層中の電
    子ライフタイムおよび電子拡散係数をそれぞれteおよ
    びDeとし、前記第1導電型のバッファ層の厚さをWと
    すると、 √(te×De)<10W であることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第1導電型のバッファ層中の電子ラ
    イフタイムを制御する局所ライフタイムキラーとしてヘ
    リウムイオンが注入されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第1導電型のバッファ層中の電子ラ
    イフタイムを制御する局所ライフタイムキラーとして水
    素イオンが注入されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の半導体装置。
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