JP4751340B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4751340B2
JP4751340B2 JP2007001608A JP2007001608A JP4751340B2 JP 4751340 B2 JP4751340 B2 JP 4751340B2 JP 2007001608 A JP2007001608 A JP 2007001608A JP 2007001608 A JP2007001608 A JP 2007001608A JP 4751340 B2 JP4751340 B2 JP 4751340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
type
impurity
power device
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2007001608A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007103971A5 (ja
JP2007103971A (ja
Inventor
知子 末代
秀隆 服部
明夫 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2007001608A priority Critical patent/JP4751340B2/ja
Publication of JP2007103971A publication Critical patent/JP2007103971A/ja
Publication of JP2007103971A5 publication Critical patent/JP2007103971A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4751340B2 publication Critical patent/JP4751340B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、IGBTなどのパワーデバイスと制御回路とが1チップ内に混載された半導体装置及びその製造方法に関する。
従来の高耐圧の縦型半導体装置について、エピタキシャル基板上に形成されたパンチスルー型IGBTを例にとって、以下に説明する。
図26は、エピタキシャル基板上に形成された従来のパンチスルー型IGBTのセル部の断面を示している。
エピタキシャル基板は、P型半導体基板(P型コレクタ層)11と、エピタキシャル成長法により半導体基板11上に形成されるN型エピタキシャル層とから構成される。本例では、エピタキシャル層は、N型バッファ層12及びN型ドリフト層(活性層)13となる。そして、例えば、半導体基板11中のP型不純物の濃度は、7.5×1018atoms/cm程度に設定され、バッファ層12中のN型不純物の濃度は、2.7×1017atoms/cm程度に設定され、ドリフト層13中のN型不純物の濃度は、1.35×1014atoms/cm程度に設定される。
ドリフト層13の表面領域には、P型ベース層14が形成される。P型ベース層14内には、N型エミッタ層15及びP型ベース取り出し層16が形成される。また、ドリフト層13内には、P型ベース層14に隣接するN型低抵抗層17が形成される。
そして、例えば、P型ベース層14中のP型不純物の表面濃度は、4.0×1017atoms/cm程度に設定され、N型エミッタ層15中のN型不純物の表面濃度は、1.27×1020atoms/cm程度に設定され、P型ベース取り出し層16中のP型不純物の表面濃度は、2.8×1019atoms/cm程度に設定され、N型低抵抗層17中のN型不純物の表面濃度は、5.0×1015atoms/cm程度に設定される。
型エミッタ層15上及びP型ベース取り出し層16上には、これらに接触するエミッタ電極18が形成され、P型ベース層14上には、絶縁膜19を介してゲート電極20が形成される。また、半導体基板11の裏面には、コレクタ電極21が形成される。
上述のIGBTを含む従来のパワーデバイスにおいては、エピタキシャル基板が採用されている。しかし、エピタキシャル基板の製造コストは、高く、結果として、縦型半導体装置の価格を上昇させる。
また、パワーデバイスにおいては、ターンオフ特性の向上を目的として、いわゆるライフタイム制御が行われる。ライフタイムは、短くすればするほど、高速ターンオフが可能となるため、従来では、例えば、ライフタイムを、5〜10μsから100ns程度に短くする作業が行われていた。
しかし、よく知られているように、パワーデバイスのターンオフ特性とターンオン特性は、トレードオフの関係にある。つまり、ターンオフ特性を向上させると、逆に、オン電圧が高くなり、オン特性が劣化する。
なお、このようなトレードオフ関係は、バッファ層を有する上述のパンチスルー型デバイスだけでなく、例えば、バッファ層を有しないノンパンチスルー型デバイスや、トレンチゲート型デバイスにも生じる。
特開平9−260662号公報 特表2001−501382(国際公開第99/5713号) 特開昭57−2576号公報 特開平6−163910号公報
本発明の目的は、IGBTなどのパワーデバイスと制御回路とが1チップ内に混載された半導体装置及びその製造方法を実現することにある。
本発明の半導体装置は、同一基板内に形成される薄型パンチスルー型パワーデバイスと制御回路とを具備し、前記薄型パンチスルー型パワーデバイスは、厚さが70μm以下の半導体基板と、前記半導体基板内に配置される第1導電型の第1ベース層と、前記半導体基板の第1表面領域内に配置され、その厚さが1μm以下に設定され、その表面濃度が1×10 20 atoms/cm 以下に設定される第2導電型のコレクタ層と、前記第1ベース層と前記コレクタ層との間に配置される第1導電型のバッファ層と、前記半導体基板の第2表面領域内に配置される第2導電型の第2ベース層と、前記第2ベース層内に配置される第1導電型のエミッタ層と、前記エミッタ層と前記第1ベース層の間に位置する前記第2ベース層の表面に配置されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置されるゲート電極とを備える。また、ターンオフ開始時の電流増幅率hFEは、bDP・QP/bDN・QN(但し、QNは、前記バッファ層の第1導電型不純物のドーズ量、bDNは、前記バッファ層内の第1導電型のキャリアの拡散係数の平均、QPは、前記コレクタ層の第2導電型不純物のドーズ量、bDPは、前記コレクタ層内の第2導電型のキャリアの拡散係数の平均である。)により規定され、ターンオフ過程においてコレクタ電流Icを電子電流Ieで除算した値Ic/Ieで定義される前記電流増幅率hFEの最大値が5以下になるQN及びQPを持つ
本発明の半導体装置の製造方法は、前記半導体装置の製造方法であって、前記薄型パンチスルー型パワーデバイスは、パワーデバイスエリアに形成され、前記制御回路は、制御素子エリアに形成され、1つのマスクを用いて、イオン注入法により、前記パワーデバイスエリアと前記制御素子エリアに、同時に不純物を注入し、前記パワーデバイスエリアに第1不純物層を形成し、前記制御素子エリアに第2不純物層を形成し、前記第1不純物層を含む前記薄型パンチスルー型パワーデバイスを形成し、前記第2不純物層を含む前記制御回路を形成する、というステップを具備する。
本発明によれば、IGBTなどのパワーデバイスと制御回路とが1チップ内に混載された半導体装置及びその製造方法を実現できる。
以下、図面を参照しながら本発明の半導体装置及びその製造方法について詳細に説明する。
まず、以下に説明するに当り、本発明のパワーデバイス(例えば、IGBT)を薄型パンチスルー型と称することにする。その理由は、本発明のパワーデバイスの構造が一般的なパンチスルー型のそれとは異なるため、一般的なパンチスルー型パワーデバイスと同一視されることを防ぐためである。
[第1実施の形態]
図1は、本発明の第1実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTのセル部の断面を示している。
本実施の形態の縦型デバイスの特徴は、第一に、P型エミッタ層の厚さが薄く、いわゆる低注入エミッタ構造を採用している点、第二に、N型ドリフト層(活性層)の厚さを調節することにより耐圧を確保している点にある。
以下、上述の特徴を踏まえつつ、具体的なデバイス構造について説明する。
本発明の薄型パンチスルー型IGBTは、同図から明らかなように、エピタキシャル層を形成せず、半導体基板11内にN型ドリフト層(活性層)13が形成される。この点、N型ドリフト層がエピタキシャル層から構成される一般的なパンチスルー型IGBTと異なる。
N型半導体基板11の一面(裏面)側には、P型コレクタ層(エミッタ層)10及びN型バッファ層12が形成される。P型コレクタ層10及びN型バッファ層12は、それぞれ、例えば、イオン注入法を用いて半導体基板11内に不純物を注入することにより形成される。
型コレクタ層10の深さ(厚さ)は、1.0μm以下、例えば、0.1〜1.0μmの範囲内の値に設定され、P型コレクタ層10の表面濃度は、2×1017atoms/cm〜1×1020atoms/cmの範囲内の値に設定される。但し、P型コレクタ層10の適切な表面濃度は、P型コレクタ層10の深さに依存する。
このように、P型コレクタ層10を低ドーズ量のイオン注入で形成し、かつ、P型コレクタ層10の深さを浅くすることで、低注入エミッタ構造を実現できる。
低注入エミッタ構造は、主として、バッファ層を有しないノンパンチスルー型デバイスに採用されているもので、その動作原理は、P型コレクタ層10からN型ドリフト層(活性層)13への正孔(ホール)の注入量が少ないため、高速ターンオフが実現できる、というものである。
しかし、ノンパンチスルー型は、一般的には、パンチスルー型(本発明の薄型パンチスルー型を含む)よりも厚い半導体基板を採用し、そのため、N型ドリフト層も厚くなるため、低注入エミッタ構造を採用しているとはいっても、本発明の薄型パンチスルー型IGBTにおいて低注入エミッタ構造を採用する場合とは異なる。
このように、本発明では、ターンオフ特性の向上のために、低注入エミッタ構造を採用しているため、従来のようなライフタイム制御を行う必要がなく、このため、ライフタイム制御によるターンオン特性の劣化も防止できる。
一方、本実施の形態に関わる縦型デバイスに逆バイアスが印加されたときの破壊を防止するため、逆バイアス状態のときの素子耐圧は、N型ドリフト層(活性層)13の厚さにより制御する。但し、本発明の薄型パンチスルー型IGBTは、ノンパンチスルー型ではないので、N型ドリフト層13の厚さの上限がノンパンチスルー型の範疇に含まれる、ということはない。
例えば、N型ドリフト層(活性層)13の不純物濃度を適切な値に設定すれば、一般的に、約10μmの厚さで、100Vの耐圧を確保できる。即ち、N型ドリフト層13の厚さを10μmに設定すれば、100Vの耐圧を確保でき、20μmに設定すれば、200Vの耐圧を確保できる。一般的には、N型ドリフト層の厚さを、10×I(Iは、正数)μmに設定すれば、(100×I)Vの耐圧を確保できる。
ところで、プレーナ型の場合、N型ドリフト層13の厚さLとハーフセルサイズWは、600V系素子の場合は、それぞれ、理想的には、 6×W と L とが等しいか又は非常に近い値となるように設定される。つまり、耐圧600Vを確保する場合には、L=60μmとなるため、ハーフセルサイズWは、10μmとなる。
また、耐圧600Vを確保した状態で、ハーフセルサイズWを10μm未満に設定すると、素子の特性改善(オン電圧の低減)が律速される。これは、ゲートとゲートの間のジャンクションFET抵抗が増えるため、ハーフセルサイズWを必要以上に小さくしていっても、オン電圧が下がらないのである。つまり、単純に、セルピッチを小さくして微細化を図っても、オン電圧の低減には寄与しないのである。一方、IGBTのオン抵抗は、チャネル抵抗の占める割合が大きいので、短チャネル化は、オン電圧の低減に効果がある。
以上の点、及び、耐圧と短チャネル化による破壊防止を考慮すると、シミュレーションの結果からN型ドリフト層13の厚さLとハーフセルサイズWの関係は、8×W>Lを満たすような値に設定される。例えば、耐圧600Vを確保する場合には、ハーフセルサイズWは、7.5μmまでは縮小することができる。
N型バッファ層12の厚さは、例えば、15μm程度に設定され、N型バッファ層12中のN型不純物の濃度は、例えば、2.7×1017atoms/cm程度に設定される。N型ドリフト層(活性層)13の厚さは、例えば、52.5μm程度に設定され、N型ドリフト層13中のN型不純物の濃度は、例えば、1.35×1014atoms/cm程度に設定される。
N型ドリフト層13の表面領域には、P型ベース層14が形成される。P型ベース層14内には、N型エミッタ層15及びP型ベース取り出し層16が形成される。また、N型ドリフト層13内には、P型ベース層14に隣接するN型低抵抗層17が形成される。
そして、例えば、P型ベース層14の深さは、4.5μm程度に設定され、P型ベース層14中のP型不純物の表面濃度は、4.0×1017atoms/cm程度に設定される。また、N型エミッタ層15の深さは、0.3μm程度に設定され、N型エミッタ層15中のN型不純物の表面濃度は、1.27×1020atoms/cm程度に設定される。
また、例えば、P型ベース取り出し層16の深さは、2.5μm程度に設定され、P型ベース取り出し層16中のP型不純物の表面濃度は、2.8×1019atoms/cm程度に設定される。また、N型低抵抗層17の深さは、4.5μm程度に設定され、N型低抵抗層17中のN型不純物の表面濃度は、5.0×1015atoms/cm程度に設定される。
型エミッタ層15上及びP型ベース取り出し層16上には、これらに接触するエミッタ電極18が形成され、P型ベース層(チャネル領域)14上には、ゲート絶縁膜19Aを介してゲート電極20が形成される。N型低抵抗層17上には、十分に厚いフィールド絶縁膜19が形成される。また、半導体基板11の裏面には、コレクタ電極21が形成される。
本発明の第1実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTによれば、P型エミッタ層の厚さが薄く、いわゆる低注入エミッタ構造が採用されている。従って、ターンオフ特性の向上のために、従来のようなライフタイム制御を行う必要がなく、ライフタイム制御によるオン特性の劣化を防止できる。
また、本発明の第1実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTによれば、N型ドリフト層(活性層)の厚さを調節することにより耐圧を確保している。また、IGBTセルの短チャネル化によりオン電圧の低減に貢献でき、特に、8×W>Lを満たすように、セルを形成すれば、特性向上(オン電圧の低減)と十分な耐圧確保を同時に実現できる。
[第2実施の形態]
図2は、本発明の第2実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTのセル部の断面を示している。
本実施の形態に関わる縦型デバイスは、上述の第1実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTの変形例であり、かつ、上述の第1実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTの特徴の全てを含んでいる。
そして、本実施の形態の縦型デバイスでは、上述の第1実施の形態に関わるパンチスルー型IGBTの特徴に加え、さらに、IGBTセルのチャネルを短チャネル化した場合の破壊を防止するため、IGBTセルのチャネル部にP型不純物層(破壊防止層)22を追加した点に特徴を有している。
例えば、単純に、IGBTセルのチャネルを短チャネル化した場合、この短チャネル化によりチャネル破壊が発生し易くなる。そこで、本実施の形態では、IGBTセルの閾値Vthを変えることなく、この破壊を有効に防止するために、例えば、CMOSプロセスを利用して、IGBTセルのチャネル部にP型不純物層22を追加形成する。
ここで、CMOSプロセスとは、チャネル部分に対してイオン注入を行った後に、ゲート酸化膜及びゲート電極を形成するプロセスを指すものとする。この際、P型不純物層22の表面濃度は、MOSトランジスタの閾値Vthを変えないような値に設定される。
図3は、IGBTセル部の表面部(横方向)の不純物の濃度プロファイルを示している。
IGBTセルのチャネルとなるP型ベース層14は、その端部においては、P型不純物の濃度プロファイルが一定ではなく、大きな傾きを持っている。これは、P型ベース層14がイオン注入と熱拡散により形成されることに起因している。結果として、IGBTセルの短チャネル化が進行すると、チャネル部の濃度プロファイルは、図示するように、大きな傾きを持つことになる(実線)。そして、パンチスルーなどの素子破壊を起こし易くなる。
そこで、本実施の形態では、IGBTセルのチャネル部に、新たに、イオン注入と熱拡散により、P型不純物層22を形成する。その結果、IGBTセルのチャネル部のドーズ量の追加が図れ、かつ、IGBTセルのチャネル部の濃度プロファイルがほぼ一定となるため(破線)、素子の破壊を防止や、短チャネル化によるオン電圧の低減を図ることができる。
このように、本実施の形態に関わる縦型デバイスは、P型不純物層22を有しているため、IGBTセルの閾値を変えることなく、チャネル抵抗を低減でき、かつ、オン電圧を低減できる。なお、本実施の形態の縦型デバイスにおいても、薄型半導体基板を用い、かつ、低注入エミッタ構造を採用しているため、ライフタイム制御なしに、高速ターンオフが可能になる、という効果も得ることができる。
[第3実施の形態]
図4は、本発明の第3実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTのセル部の断面を示している。
本実施の形態に関わる縦型デバイスも、上述の第1実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTの変形例であり、かつ、上述の第1実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTの特徴の全てを含んでいる。
また、本実施の形態の縦型デバイスは、上述の第1実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTの特徴に加え、さらに、N型低抵抗層17上のフィールド絶縁膜19をLOCOS法による酸化膜から構成した点に特徴を有している。
例えば、CMOSプロセスでは、通常、CMOS部分のデバイスの製造工程においてLOCOS法による酸化工程が採用されているため、本実施の形態に関わる縦型デバイスにおいても、CMOSプロセスを採用し、かつ、LOCOS法による酸化工程を採用することができる。LOCOS酸化膜は、その一部が半導体基板11内に入り込むため、十分な厚さを確保できると共に、半導体基板11上の段差を緩和することができ、その結果、配線の段切れ防止などの効果を得ることができる。
このように、本実施の形態に関わる縦型デバイスでは、フィールド絶縁膜19にLOCOS酸化膜を採用しているため、半導体基板11上の段差を緩和することができる。また、本実施の形態の縦型デバイスにおいても、薄型半導体基板を用い、かつ、低注入エミッタ構造を採用しているため、ライフタイム制御なしに、高速ターンオフが可能になる、という効果も得ることができる。
[第4実施の形態]
図5は、本発明の第4実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTのセル部の断面を示している。
本実施の形態に関わる縦型デバイスは、上述の第3実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTの変形例であり、かつ、上述の第3実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTの特徴の全てを含んでいる。
また、本実施の形態の縦型デバイスは、上述の第3実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTの特徴に加え、さらに、P型ベース取り出し層16の表面部に溝23を形成し、ターンオフ特性の向上を図った点に特徴を有している。即ち、P型ベース取り出し層16の表面部に溝23を形成することにより、ターンオフ時の正孔(ホール)の排出がスムーズに行われるようになる。このため、高速ターンオフを実現することができる。
溝23は、種々の方法により形成することができる。例えば、CMOSプロセスにおいてLOCOS工程を採用する場合には、このLOCOS工程を利用して溝23を同時に形成することができる。
即ち、まず、LOCOS工程時に、LOCOS酸化膜19を形成すると共に、P型ベース取り出し層16上にも、LOCOS酸化膜を形成する。この後、例えば、素子周辺部(IGBTセルを形成する領域以外の領域)において、N拡散層を形成するために、LOCOS酸化膜19をエッチングする工程が行われる。この時、P型ベース取り出し層16上のLOCOS酸化膜も、エッチングすれば、溝23が形成される。
なお、CMOSプロセスにおいては、後に詳述する。
このように、本実施の形態に関わる縦型デバイスでは、フィールド絶縁膜19にLOCOS酸化膜を採用し、かつ、このLOCOS酸化膜を利用して、P型ベース取り出し層16の表面部に溝23を形成している。これにより、ターンオフ時の正孔(ホール)の排出がスムーズに行われるようになるため、高速ターンオフを実現できる。
[第5実施の形態]
図6は、本発明の第5実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTのセル部の断面を示している。
本実施の形態に関わる縦型デバイスの特徴は、IGBTセル部のゲート絶縁膜19A及びゲート電極20と、素子周辺部のゲート絶縁膜19B及びゲート電極20Bとが、それぞれ同じ材料で同時に形成される点にある。
即ち、本実施の形態に関わる縦型デバイスによれば、CMOSプロセスを採用することにより、素子周辺部のMOSトランジスタを、製造工程数の大幅な増加なく、IGBTセル部のIGBTセルと同時に形成することができる。
[製造方法]
以下、上述の第1乃至第5実施の形態のパワーデバイスに適用される製造方法について説明する。
まず、図7に示すように、熱酸化法により、N型半導体基板(N型ドリフト層13となる)11上に、酸化膜31を形成する。
また、図8に示すように、PEP(Photo Engraving Process)により、酸化膜31上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、IGBTセル部の酸化膜31を除去する。そして、レジストパターンを除去した後、イオン注入法により、N型不純物(例えば、リン)を半導体基板11内に注入する。
次に、図9に示すように、熱酸化法により、半導体基板11上に、再び、酸化膜32を形成する。この時、半導体基板11内には、N型低抵抗層17が形成される。
次に、図10に示すように、酸化膜31上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、素子周辺部の酸化膜31を部分的に除去する。そして、レジストパターンを除去し、かつ、熱酸化法により、素子周辺部の剥き出しになった半導体基板11上に、イオン注入時のダメージを抑える薄い酸化膜33を形成する。この後、イオン注入法により、P型不純物(例えば、ボロン)を半導体基板11内に注入する。
次に、図11に示すように、熱酸化・拡散法により、半導体基板11内に、P型不純物層35を形成する。
次に、図12に示すように、PEPにより、酸化膜34上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、IGBTセル部及び素子周辺部の酸化膜34を除去する。
そして、図13に示すように、レジストパターンを除去し、かつ、熱酸化法により、IGBTセル部及び素子周辺部の剥き出しになった半導体基板11上に、イオン注入時のダメージを抑える薄い酸化膜を形成する。この後、イオン注入法により、P型不純物(例えば、ボロン)を半導体基板11内に注入する。
次に、図14に示すように、熱酸化・拡散法により、半導体基板11内に、P型不純物層(P型ベース層)14を形成する。
次に、再び、IGBTセル部の酸化膜の除去、イオン注入時のダメージを抑える薄い酸化膜の形成の後、イオン注入法により、P型不純物(例えば、ボロン)を半導体基板11内に注入する。
次に、図15に示すように、熱酸化・拡散法により、半導体基板11内に、P型不純物層(いわゆるN型チャネルインプラ層)36を形成する。
次に、図16に示すように、熱酸化法により、半導体基板11上に薄い酸化膜(ゲート酸化膜)を形成する。
この後、全面に、ポリシリコン膜を形成する。また、PEPにより、ポリシリコン膜上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、ポリシリコン膜をエッチングする。その結果、IGBTセル部には、ゲート電極20が形成される。
次に、図17に示すように、レジストパターンをマスクにして、イオン注入法により、P型不純物(例えば、ボロン)を半導体基板11内に注入する。この後、さらに、別のレジストパターンをマスクにして、イオン注入法により、N型不純物(例えば、ヒ素)を半導体基板11内に注入する。この際、適宜、イオン注入の前に、酸化膜の剥離や、適切な膜厚の酸化膜の形成を行う。
この後、図18に示すように、レジストパターンを除去した後、熱拡散を行うと、半導体基板11内には、P型コンタクト層16及びN型エミッタ層15が形成される。
次に、図19に示すように、全面に、酸化膜38を形成する。また、PEPにより、酸化膜38上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、酸化膜38をエッチングし、コンタクトホールを形成する。そして、酸化膜38上に、電極(例えば、アルミ)を形成し、パターニングすると、エミッタ電極18及びその他の電極39が形成される。
以上の工程により、本発明に関わる縦型デバイスの一面側の構造が完成する。なお、本発明に関わる縦型デバイスの他の一面側(裏面側)の構造は、イオン注入、熱拡散や、レーザアニールなど、半導体基板11内に注入されたイオンを活性化させる工程によって実現できる。
また、エピタキシャル基板を利用して、裏面側の構造を実現することも可能である。
このような製造方法によれば、CMOSプロセスを採用することにより、IGBTセル部とその制御回路(例えば、ポリシリコンで形成する回路など)を、同一プロセス(共通プロセス)で形成することができる。このため、製造工程数の大幅な増加がなく、製造コストの低減を実現できる。
なお、本発明に関わる製造方法(CMOSプロセス)は、縦型パワーデバイスだけではなく、横型パワーデバイス(例えば、LOCOS工程を採用したSOI−CMOSプロセスによる高耐圧IPD(Intelligent Power Device)の製造方法)にも適用することができる。
[第6実施の形態]
図20は、本発明の第6実施の形態に関わる薄型パンチスルー型IGBTのセル部の断面を示している。
このデバイスに対しても、上述の本発明の製造方法を適用できる。
N型半導体基板11の一面(裏面)側には、P型コレクタ層(エミッタ層)10及びN型バッファ層12が形成される。P型コレクタ層10及びN型バッファ層12は、それぞれ、例えば、イオン注入法を用いて半導体基板11内に不純物を注入することにより形成される。
本実施の形態のデバイスでは、上述の第1実施の形態のデバイスと同様に、いわゆる低注入エミッタ構造が採用されている。即ち、P型コレクタ層10の表面濃度は、1×1018atoms/cm〜1×1020atoms/cm)の範囲内の値に設定され、P型コレクタ層10の深さ(厚さ)は、0.1〜1.0μmの範囲内の値に設定される。
N型ドリフト層(活性層)13の厚さは、素子の耐圧に応じて所定値に設定される。例えば、600V程度の耐圧を確保する場合には、N型ドリフト層(活性層)13の厚さは、60μm程度に設定される。
N型ドリフト層13の表面領域には、P型ベース層14が形成される。P型ベース層14内には、N型エミッタ層15及びP型ベース取り出し層(コンタクト層)16が形成される。また、N型ドリフト層13内には、P型ベース層14に隣接するN型低抵抗層17が形成される。なお、N型低抵抗層17は、J(ジャンクション)FET効果を低減する目的で設けられている。
型エミッタ層15上及びP型ベース取り出し層16上には、これらに接触するエミッタ電極18が形成され、P型ベース層(チャネル領域)14上には、ゲート絶縁膜19Aを介してゲート電極20が形成される。ゲート電極20は、絶縁膜19Bに覆われており、これにより、エミッタ電極18とゲート電極20の短絡が防止されている。また、半導体基板11の裏面には、コレクタ電極21が形成される。
なお、上述のようなIGBTでは、N型ドリフト層13、P型ベース層14、N型エミッタ層15、ゲート絶縁膜19A及びゲート電極20によって、NチャネルMOSトランジスタが構成されており、ゲート電極20にオン電圧が印加されると、P型ベース層14の表面にチャネルが形成され、電子が、N型エミッタ層15からN型ドリフト層13に注入される。
次に、上述のIGBTの動作について説明する。
ターンオン動作は、以下の通りである。
まず、エミッタ電極18とコレクタ電極21との間にコレクタ電圧VCEを印加した状態で、エミッタ電極18とゲート電極20との間に所定の正のゲート電圧(オン電圧)VGEを印加すると、P型ベース層14の表面領域(チャネル領域)の導電型がP型からN型に反転し、Nチャネルが形成される。そして、このチャネルを通じて、電子が、N型エミッタ層15からN型ドリフト層(ベース層)13に注入される。
また、N型ドリフト層13に注入された電子は、N型バッファ層12を挟むP型コレクタ層10とN型ドリフト層13からなるダイオードを順方向にバイアスするため、正孔が、P型コレクタ層10からN型バッファ層12を経由してN型ドリフト層13に注入される。
その結果、伝導度変調により、N型ドリフト層13の抵抗が大幅に低減し、エミッタ電極18とコレクタ電極21との間に主電流が流れる。
ターンオフ動作は、以下の通りである。
まず、ゲート電極20に、エミッタ電極18の電位よりも低い電位、例えば、エミッタ電極18の電位が0Vの場合には、負電位が印加される。これにより、P型ベース層14の表面領域(チャネル領域)に形成されていたNチャネル(反転層)が消滅し、N型エミッタ層15からN型ドリフト層(ベース層)13への電子の注入が停止する。
その結果、N型ドリフト層13内に蓄積されている正孔の一部は、P型ベース層14,16を経由してエミッタ電極18に排出され、かつ、残りの一部は、電子と再結合して消滅するため、エミッタ電極18とコレクタ電極21との間に流れる主電流は、遮断される。
ところで、式(1)に示すように、電流増幅率hFEが、コレクタ電流Icを電子電流Ieで除算した値であると定義する。
hFE = Ic/Ie ・・・(1)
この場合に、本発明者は、ターンオフ過程において、電流増幅率hFEの最大値が、N型バッファ層12のドーズ量と厚さ、及び、P型コレクタ層10のドーズ量と厚さによって変化し、さらに、この電流増幅率hFEの最大値がフォールタイムtfと密接に関係していることを発見した。
以下、この点について詳細に説明する。
図21は、ターンオフ時の電流波形を示すものであり、縦軸が電流値、横軸が時間となっている。
1の電流波形は、N型バッファ層の厚さが、1.2μm、そのドーズ量が、1.8×1013atoms/cmに設定され、P型コレクタ層の厚さが、0.3μm、そのドーズ量が、6.2×1013atoms/cmに設定されたデバイスに対するものである。
2の電流波形は、N型バッファ層の厚さが、1.2μm、そのドーズ量が、1.8×1013atoms/cmに設定され、P型コレクタ層の厚さが、0.3μm、そのドーズ量が、2.2×1014atoms/cmに設定されたデバイスに対するものである。
つまり、1及び2は、N型バッファ層の厚さとドーズ量及びP型コレクタ層の厚さの各値を固定し、P型コレクタ層のドーズ量を変化させた2種類のデバイスの電流波形を表している。
同図より、各デバイスのフォールタイムtfを求めると、1の場合(P型コレクタ層のドーズ量が6.2×1013atoms/cmの場合)には、tf = 143nsecとなり、2の場合(P型コレクタ層のドーズ量が2.2×1014atoms/cmの場合)には、tf = 395nsecとなる。
このように、図21によれば、P型コレクタ層のドーズ量の変化に応じてフォールタイムtfが変化することが分かる。そこで、今度は、P型コレクタ層のドーズ量の変化に応じてフォールタイムtfが変化する原因について説明する。
図22は、ターンオフ時の電流増幅率hFEの時間的推移を示すものであり、縦軸が電流増幅率hFE、横軸が時間となっている。
ここで、1は、図21の1の電流波形の条件と同じ条件のときの波形であり、2は、図21の2の電流波形の条件と同じ条件のときの波形である。つまり、1の波形は、P型コレクタ層のドーズ量が6.2×1013atoms/cmの場合を表しており、2の波形は、P型コレクタ層のドーズ量が2.2×1014atoms/cmの場合を表している。また、横軸(時間)は、図21と図22で互いに対応している。
同図によれば、電流値がほぼ一定(図21の15A近傍)の場合には、1及び2の電流増幅率hFEは、ほぼ一定であり、かつ、1の電流増幅率hFEと2の電流増幅率hFEとの差も、ほとんどないことが分かる。
しかし、ターンオフ動作により電流値が減少し始めると、これに伴って、電流増幅率hFEが徐々に増加してくる。そして、この電流増幅率hFEの変化を、1と2で比較すると、フォールタイムtf(又はターンオフ期間)の長い2の場合の電流増幅率hFEは、フォールタイムtf(又はターンオフ期間)の短い1の場合の電流増幅率hFEよりも大きくなることが分かる。
つまり、1の場合の電流増幅率hFEの最大値は、概ね3であるのに対し、2の場合の電流増幅率hFEの最大値は、8付近となる。
また、電流増幅率hFEが最大値になるとき、ターンオフ過程における電子電流は、定常時での電子電流と比較すると僅かであるが、2の場合のように、電流増幅率hFEの最大値が8程度になると、(1)式に示すように、コレクタ電流Icは、電子電流Ieの8倍にもなり、これがターンオフ期間を長くする原因となる。
電流増幅率hFEの最大値とフォールタイムtf(又はターンオフ期間)の関係について、さらに、詳細に説明する。
図23及び図24は、それぞれ、ターンオフ時の電子電流Ieとコレクタ電流Icの電流波形を示しており、縦軸が電流値、横軸が時間となっている。
なお、図23は、図21及び図22の1の条件に対応する波形を示しており、図24は、図21及び図22の2の条件に対応する波形を示している。また、図23及び図24の横軸(時間)は、図21及び図22の横軸(時間)に対応している。
1の場合の電流増幅率hFEの変化範囲は、図22に示すように、概ね、1.6〜3(最大値3は、電流波形のテール部分、420nsec近傍で発生する)であり、図23に示すように、電子電流Ieに対するコレクタ電流Icの増幅率は、比較的小さく、結果として、図21に示すように、フォールタイムtf(又はターンオフ期間)を短くすることができる。
これに対し、2の場合の電流増幅率hFEの変化範囲は、図22に示すように、概ね、1.8〜8(最大値8は、電流波形のテール部分、800nsec近傍で発生する)であり、図24に示すように、電子電流Ieに対するコレクタ電流Icの増幅率は、比較的大きく、結果として、図21に示すように、フォールタイムtf(又はターンオフ期間)が非常に長くなる。
以上、説明したように、ターンオフ過程において、電流増幅率hFEの最大値は、P型コレクタ層のドーズ量によって変化し、かつ、この電流増幅率hFEがフォールタイムtf(又はターンオフ期間)に密接に関係していることが分かった。
ここで、図20に示すようなIGBTを含むパワーデバイスにおいては、例えば、フォールタイムtfを一定値以下にすることが要求されている。一般的には、フォールタイムtfは、200nsec近傍又はそれよりも低い値にすることが要求されている。これにより、例えば、ターンオフ損失Eoffを小さくできるからである(例えば、1mJ近傍又はそれよりも低い値)。
本発明者は、このような要求を満たすためには、ターンオフ時の電流増幅率hFEの最大値をどの程度の値にしたらよいかを、上述のシミュレーション結果を踏まえて検討した。その結果、ターンオフ時の電流増幅率hFEの最大値を5以下に設定すれば、上述の要求が満たされることが判明した。
つまり、“ターンオフ時の電流増幅率hFEの最大値が5以下である”、という条件を満たすように、パワーデバイスを製造すれば、フォールタイムtfを十分に短い値に設定できると共に(例えば、200nsec近傍又はそれよりも低い値)、ターンオフ損失Eoffも十分に小さくできる(例えば、1mJ近傍又はそれよりも低い値)。
次に、“ターンオフ時の電流増幅率hFEの最大値が5以下である”、という条件を満たすように、パワーデバイスを製造するには、どうしたらよいか、について検討する。
上述のシミュレーションでは、薄型パンチスルー型IGBTにおいて、N型バッファ層のドーズ量と厚さ及びP型コレクタ層の厚さを固定し、P型コレクタ層のドーズ量を変化させた場合のみを示した。
しかし、さらに詳細に検討した結果、ターンオフ時の電流増幅率hFEは、N型バッファ層のドーズ量と厚さ、及び、P型コレクタ層のドーズ量と厚さによって変化することが明らかになった。
そこで、以下では、この根拠を説明する。
十分にライフタイムが長い場合(1μsから10μs)には、電流増幅率hFEは、N型バッファ層のドーズ量を、QN、N型バッファ層内の拡散係数の平均を、bDN、P型コレクタ層のドーズ量を、QP、P型コレクタ層内の拡散係数の平均を、bDPとすると、(2)式で表すことができる。
hFE = bDP・QP/bDN・QN …(2)
ここで、N型バッファ層内の不純物濃度の平均bNbufferと拡散係数の平均bDNとの間、及び、P型コレクタ層内の不純物濃度の平均bNcollectorと拡散係数の平均bDPとの間には、例えば、図25に示すような一定の関係がある。
また、N型バッファ層内の不純物濃度の平均bNbuffer及びP型コレクタ層内の不純物濃度の平均bNcollectorは、(3a)式及び(3b)式で表すことができる。
Figure 0004751340
但し、WNは、N型バッファ層の厚さ、WPは、P型コレクタ層の厚さを表している。また、Nbuffer(x)は、N型バッファ層の深さ方向(x方向)の濃度プロファイル、Ncollector(x)は、P型コレクタ層の深さ方向(x方向)の濃度プロファイルを表している。
つまり、(2)式、(3a)式、(3b)式及び図25に示す関係図によれば、ターンオフ時の電流増幅率hFEは、N型バッファ層のドーズ量QN(又は濃度プロファイルNbuffer(x))と厚さWN、及び、P型コレクタ層のドーズ量QP(又は濃度プロファイルNcollector(x))と厚さWPにより制御することができる。
なお、上述のシミュレーション結果における2つのケース(1と2)についても、(2)式、(3a)式及び(3b)式を満たすことが確かめられた。
従って、“ターンオフ時の電流増幅率hFEの最大値が5以下である”、という条件を満たすように、N型バッファ層のドーズ量と厚さ及びP型コレクタ層のドーズ量と厚さを決めて、パワーデバイスを製造すれば、フォールタイムtfを十分に短い値に改善できると共に、ターンオフ損失Eoffも十分に小さくできる。
また、例えば、N型バッファ層のドーズ量と厚さ及びP型コレクタ層のドーズ量と厚さの少なくとも1つが決定されている場合に、“ターンオフ時の電流増幅率hFEの最大値が5以下である”、という条件を満たすように、これらの値のうち未決定のものを決めることもできる。
例えば、N型バッファ層のドーズ量QNが決定されている場合(例えば、濃度プロファイルNbuffer(x)のピーク値が5×1016atoms/cm以上に設定されている場合)に、これに基づいて、N型バッファ層の厚さWNや、P型コレクタ層のドーズ量QP及び厚さWPを決定できる。
また、半導体基板(ウェハ)の厚さが決定されている場合(例えば、70μm近傍又はそれ以下の場合)に、これを考慮して、N型バッファ層の厚さやP型コレクタ層の厚さを決定することができる。
なお、上述の第1乃至第6実施の形態において、パワーデバイスを構成する各層の導電型は、一例であり、例えば、各層の導電型を逆にしたデバイスにおいても、本発明の効果が得られることは言うまでもない。
以上、説明したように、本発明によれば、第一に、イオン注入により、薄く、低ドーズ量のP型コレクタ層を形成し、かつ、N型ドリフト層により耐圧を確保しているため、低い製造コストを実現すると共に、オン特性を劣化させずに、オフ特性を向上させることができる。
第二に、CMOSプロセスを採用してパワーデバイスを製造することにより、セル部と制御部とを同一プロセスで形成することができるため、製造工程数(又はPEP数)の削減により、低い製造コストを実現できる。
第三に、ターンオフ時の電流増幅率の最大値が5以下となるように、N型バッファ層のドーズ量と厚さ及びP型コレクタ層のドーズ量と厚さを決めているため、フォールタイムを十分に短くできると共に、ターンオフ損失も十分に小さくできる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1実施の形態に関わるIGBTを示す断面図。 第2実施の形態に関わるIGBTを示す断面図。 図2のデバイスの表面部の濃度プロファイルを示す図。 第3実施の形態に関わるIGBTを示す断面図。 第4実施の形態に関わるIGBTを示す断面図。 第5実施の形態に関わるIGBTを示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 本発明の製造方法の一工程を示す断面図。 第6実施の形態に関わるIGBTを示す断面図。 ターンオフ時の電流波形を示す図。 ターンオフ時の電流増幅率を示す図。 ターンオフ時の電子電流とコレクタ電流の関係を示す図。 ターンオフ時の電子電流とコレクタ電流の関係を示す図。 不純物濃度の平均と拡散係数の平均との関係を示す図。 従来のIGBTを示す断面図。
符号の説明
10: P型コレクタ層、 11: 半導体基板、 12: N型バッファ層、 13: N型ドリフト層(N型ベース層)、 14: P型ベース層、 15: N型エミッタ層、 16: P型ベース取り出し層、 17: N型低抵抗層、 18: エミッタ電極、 18B: 半導体層、 19: 絶縁膜、 19A,19B: ゲート絶縁膜、 20,20B: ゲート電極、 21: コレクタ電極、 22: P型不純物層、 23: 溝。

Claims (9)

  1. 同一基板内に形成される薄型パンチスルー型パワーデバイスと制御回路とを具備し、
    前記薄型パンチスルー型パワーデバイスは、
    厚さが70μm以下の半導体基板と、前記半導体基板内に配置される第1導電型の第1ベース層と、前記半導体基板の第1表面領域内に配置され、その厚さが1μm以下に設定され、その表面濃度が1×10 20 atoms/cm 以下に設定される第2導電型のコレクタ層と、前記第1ベース層と前記コレクタ層との間に配置される第1導電型のバッファ層と、前記半導体基板の第2表面領域内に配置される第2導電型の第2ベース層と、前記第2ベース層内に配置される第1導電型のエミッタ層と、前記エミッタ層と前記第1ベース層の間に位置する前記第2ベース層の表面に配置されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置されるゲート電極とから構成され、
    ターンオフ開始時の電流増幅率hFEは、
    bDP・QP/bDN・QN
    (但し、QNは、前記バッファ層の第1導電型不純物のドーズ量、bDNは、前記バッファ層内の第1導電型のキャリアの拡散係数の平均、QPは、前記コレクタ層の第2導電型不純物のドーズ量、bDPは、前記コレクタ層内の第2導電型のキャリアの拡散係数の平均である。)により規定され、
    ターンオフ過程においてコレクタ電流Icを電子電流Ieで除算した値Ic/Ieで定義される前記電流増幅率hFEの最大値が5以下になるQN及びQPを持つ
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、前記薄型パンチスルー型パワーデバイスは、パワーデバイスエリアに形成され、前記制御回路は、制御素子エリアに形成され、1つのマスクを用いて、イオン注入法により、前記パワーデバイスエリアと前記制御素子エリアに、同時に不純物を注入し、前記パワーデバイスエリアに第1不純物層を形成し、前記制御素子エリアに第2不純物層を形成し、前記第1不純物層を含む前記薄型パンチスルー型パワーデバイスを形成し、前記第2不純物層を含む前記制御回路を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記不純物は、N型不純物であり、前記第1不純物層は、前記薄型パンチスルー型パワーデバイスのエミッタ層であり、前記第2不純物層は、Nチャネル電界効果トランジスタのソース/ドレイン領域であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記不純物は、N型不純物であり、前記第1不純物層は、前記薄型パンチスルー型パワーデバイスのエミッタ層であり、前記第2不純物層は、NPN型バイポーラトランジスタのコレクタ領域及びエミッタ領域であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記コレクタ層、前記第2ベース層及び前記エミッタ層の各々は、拡散層から構成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記コレクタ層は、熱拡散及びレーザーアニールを含む前記基板内に注入された不純物を活性化させるステップのうちの1つによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記パワーデバイスエリアと前記制御素子エリアにそれぞれ導電膜を形成し、1つのマスクを用いて、RIEにより、前記導電膜をエッチングし、前記パワーデバイスエリアに第1電極を形成し、前記制御素子エリアに第2電極を形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1電極は、前記薄型パンチスルー型パワーデバイスのゲート電極であり、前記第2電極は、電界効果トランジスタのゲート電極であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記薄型パンチスルー型パワーデバイスは、IGBTであることを特徴とする請求項乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
JP2007001608A 2007-01-09 2007-01-09 半導体装置及びその製造方法 Expired - Lifetime JP4751340B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007001608A JP4751340B2 (ja) 2007-01-09 2007-01-09 半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007001608A JP4751340B2 (ja) 2007-01-09 2007-01-09 半導体装置及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000297698A Division JP4750933B2 (ja) 2000-09-28 2000-09-28 薄型パンチスルー型パワーデバイス

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007103971A JP2007103971A (ja) 2007-04-19
JP2007103971A5 JP2007103971A5 (ja) 2007-06-07
JP4751340B2 true JP4751340B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=38030527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007001608A Expired - Lifetime JP4751340B2 (ja) 2007-01-09 2007-01-09 半導体装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4751340B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103515443B (zh) * 2013-09-16 2016-03-02 电子科技大学 一种超结功率器件及其制造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS572576A (en) * 1980-06-06 1982-01-07 Nec Corp Semiconductor device
JP3113425B2 (ja) * 1992-11-27 2000-11-27 三洋電機株式会社 絶縁ゲート半導体装置およびその製造方法
JP3433041B2 (ja) * 1996-03-13 2003-08-04 株式会社東芝 半導体装置
JP3458590B2 (ja) * 1996-03-27 2003-10-20 富士電機株式会社 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
DE19731495C2 (de) * 1997-07-22 1999-05-20 Siemens Ag Durch Feldeffekt steuerbarer Bipolartransistor und Verfahren zu seiner Herstellung
JP3523056B2 (ja) * 1998-03-23 2004-04-26 株式会社東芝 半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007103971A (ja) 2007-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4750933B2 (ja) 薄型パンチスルー型パワーデバイス
US7968940B2 (en) Insulated gate bipolar transistor device comprising a depletion-mode MOSFET
US20090194785A1 (en) Semiconductor device and manufacturing method thereof
JP4746927B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2003298053A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP6139312B2 (ja) 半導体装置
JP2011507300A (ja) 逆導電半導体デバイス及びそのような逆導電半導体デバイスを製造するための方法
JP6287407B2 (ja) 半導体装置
US11393901B2 (en) Cell layouts for MOS-gated devices for improved forward voltage
JP2013084904A (ja) 半導体装置
JPH11307763A (ja) 半導体装置およびその製造方法
CN113838917B (zh) 一种三维分离栅沟槽电荷存储型igbt及其制作方法
US20150144989A1 (en) Power semiconductor device and method of manufacturing the same
JP2004247593A (ja) 半導体装置及びその製造方法
CN110943124A (zh) Igbt芯片及其制造方法
JP4751340B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
WO2020075248A1 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US20090072268A1 (en) Semiconductor device
US10224404B2 (en) Insulated gate turn-off device with hole injector for faster turn off
CN111326510A (zh) 半导体装置
JP2008053610A (ja) 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ
CN113838915B (zh) 一种沟槽栅电荷存储型igbt及其制作方法
US11114553B2 (en) Lateral insulated gate turn-off device with induced emitter
JPS6241427B2 (ja)
CN117690960A (zh) 半导体装置及半导体装置的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080310

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080415

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080616

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080623

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080822

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110520

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4751340

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250