JP2005158332A - El面発光シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い輝度を長時間維持できるEL発光素子及びそれを用いたEL面発光シートの製造方法を提供する事を課題とする。
【解決手段】背面電極上に、誘電体層、発光層及び透明電極を順次積層し、両電極にそれぞれリード線を接続してELセルを形成し、該ELセルを防湿フィルムで被覆するEL面発光シートの製造方法において、EL面発光シートを構成する全ての部材を真空度13Pa以下の真空下において50℃以下で2時間以上乾燥する工程を有することを特徴とするEL面発光シートの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高輝度で長寿命のエレクトロルミネッセンス(EL)面発光シートの製造方法に関する。
EL蛍光体は電圧励起型の蛍光体であり、蛍光体粉末を電極の間に挟んで発光素子とした分散型ELと薄膜型ELが知られている。分散型EL蛍光体の一般的な形状は、蛍光体粉末を高誘電率のバインダー中に分散したものを、少なくとも一方が透明な二枚の電極の間に挟み込んだ構造からなり、両電極間に交流電場を印加する事により発光する。EL蛍光体粉末を用いて作成された発光素子は数mm以下の厚さとする事が可能で、面発光体であり、発熱がなく発光効率が良いなど数多くの利点を有する為、道路標識、各種インテリアやエクステリア用の照明、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用の光源、大面積の広告用の照明光源等をしての用途が期待されている。
しかし、上述の様なEL蛍光体は、水分の存在で発光させると急激に劣化する。その為通常のEL素子では素子作成の際に、発光層である蛍光体層を充分乾燥させ、さらにEL素子を作成した後にさらに、防湿フィルムで素子を保護する構造が採用されている。
特許文献1には、長尺EL素子を作成方法として、EL素材を気密袋部材に収容した後に、該気密袋部材を真空容器内に収容して、該真空容器の内部を真空排気して、次に真空容器内部にガスを封入し、同時に気密部材袋内のEL素材を加熱することによりEL素材を加熱プレスして溶着することを特徴とする長尺EL素子の製造方法が開示されている。
この方法においては、真空にする意味はEL素材中の空気を追い出して、高圧のガスを真空容器に導入する事で、ELセルに均一な圧力をかけて同時に加熱する事により均一な気密性のよいELの長尺EL素子を得ようとするものである。このやり方においては、ELセルの作成に当たって、確かに真空にする事が採用されているが、真空にした後、すぐに高圧ガスが導入され、それに続いて素子作成が行われており、EL素子の含水量をできる限り減少させる事は開示されていない。
さらに蛍光体粒子自身の耐水性を高める為に、特許文献2には、高温に保たれた蛍光体を入れた容器に、キャリアガスと共にトリメチルアルミニウムの様な有機アルミニウム化合物または、アルミニウムトリアルコキシドを吹き込み、酸化アルミニウムとしてEL蛍光体表面に付着させる方法、並びに特許文献3には100〜150℃に保たれた蛍光体を入れた容器に四塩化チタン、四塩化ケイ素の様な加水分解性金属化合物を水蒸気と共に吹き込み、気相加水分解により二酸化チタンまたは二酸化ケイ素としてEL蛍光体の表面に付着させる方法が開示されている。これらの方法では、優れた防水、防湿効果が得られるが、まだその効果が不十分である。
特許文献4には、ベースフィルム上に導電物質を分散させたインクを印刷して導電層を形成し、この導電素上に誘電物質を分散させたインクで印刷した誘電層を形成し、さらにこの上に発光体粒子を分散させたインクで印刷して発光層を形成した積層体とし、この積層体の含水量が0.2%以下となるまで乾燥させる事を特徴とするEL素子の製造法が開示されている。この方法では乾燥法が特定されおらず、その実施例においては加熱乾燥が記述されている。しかし加熱する事は発光体粒子の特性劣化を引き起こす。
特公昭63−27837号公報 特開平2−38482号公報 特開平4−230996号公報 特開平5−166582号公報
本発明は、従来のEL蛍光体粉末における上記課題を解決したものであって、高い輝度を長時間維持できるEL発光素子及びそれを用いたEL面発光シートの製造方法を提供する事を目的としている。
高い輝度を長時間維持する為には、EL素子及びシート中に存在する水分を極力排除し、且つ外部からの水分の素子及びシート内への進入を防ぐ事が必須である。本発明は、EL素子を組む以前に、該EL素子を構成する材料の含水量を極力減少させる事が、高い輝度を特に長時間維持する為に重要であることを見出したものである。本発明においては、上述のELを構成する材料を真空状態に一定時間保持し、該材料に含まれる水分を完全に除去した後、EL素子を組み上げる事により上記目的を達成するものである。素子には組み上げた後に水分の浸入を防ぐ手段がとられる。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
(1)背面電極上に、誘電体層、発光層及び透明電極を順次積層し、両電極にそれぞれリード線を接続してELセルを形成し、該ELセルを防湿フィルムで被覆するEL面発光シートの製造方法において、EL面発光シートを構成する全ての部材を真空度13Pa以下の真空下において50℃以下で2時間以上乾燥する工程を有することを特徴とするEL面発光シートの製造方法。
(2)該ELセルを防湿フィルムで被覆する工程を真空度13Pa以下の真空下において行うことを特徴とする前記(1)に記載のEL面発光シートの製造方法。
(3)前記EL面発光シートを構成する全ての部材を乾燥し、前記ELセルを形成し、防湿フィルムによって被覆する一連の工程を連続して真空度13Pa以下の真空下で行うことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のEL面発光シートの製造方法。
(4)前記発光層に含有される発光体が、銅及びマンガンから選ばれる少なくとも1種のイオンおよび塩素、臭素、ヨウ素及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種のイオンを含有する硫化亜鉛粒子であって、該硫化亜鉛粒子が酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の化合物によって表面被膜されていることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のEL面発光シートの製造方法。
(5)防湿フィルムが、ポリクロロトリフルオロエチレン又は酸化ケイ素薄膜である事を特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載のEL面発光シートの製造方法。
本発明の製造方法によって、初期の発光輝度を損なうことなく、発光の寿命特性の優れたEL素子を実現することができる。
本発明のEL面発光シートの製造方法の一例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.軟質アルミニウム箔を担持する支持体上にアルミニウム箔側にチタン酸バリウム粉等をシアノエチルセルロースの様な樹脂に有機溶媒中で分散させた分散物を塗布し乾燥して絶縁層を調製する。
2.上記絶縁層上に、蛍光体粒子をシアノレジンの様な樹脂に有機溶媒中で分散させた分散物を塗布し乾燥して背面電極/絶縁層/発光層の積層物を調製する。
3.上記2で調製した背面電極/絶縁層/発光層の積層物を13Pa以下の真空下において50℃以下で2時間以上乾燥する。
4.EL発光層を構成する背面電極/絶縁層/発光層の積層物の他にELセルを構成するITO透明電極、及びELセルを上下から保護する防湿フィルムも、背面電極/絶縁層/発光層の積層物と同様に、真空度13Pa以下の真空下において50℃以下で2時間以上乾燥する。
5.かくして水分及び空気を除去した背面電極/絶縁層/発光層の積層物と透明電極を、乾燥時と同じ真空の条件において、熱圧着シール法によって貼り合わせ、両電極にリード線を接続してELセルを完成する。
6.上記完成したELセルにさらに、上記の乾燥した防湿フィルムを熱圧着してシールしてEL面発光シートを完成する。
熱圧着シールの方法としては、ラミネート方式と加熱プレス方式がある。例えば防湿フィルムのシールの場合、ラミネート方式においては、一対の防湿フィルムで挟んだELセルの上下から回転ロールにより熱及び圧力(線圧力)を加えながらシール、圧着を行う。一方、加熱プレス方式ではまず上下加熱プレス盤の間に、防湿フィルムで挟んだELセルを置き、上下加熱プレス盤によるプレス及び加熱によってEL素子の圧着を行う。本発明においては、これらの熱圧着工程は全て真空中で行われる。この為、これらのラミネートの為の装置は真空が保たれた空間に置かれ、かつ作業をその場で行う必要がある。
この為には、例えば真空を保つ空間が透明の固い樹脂製の箱であって、さらに手作業を可能にするグローブをそなえた、所謂グローブボックスを使用する事が好ましい。真空度が高い場合は、金属製の箱を用いる必要があり、この場合はグローブを装備する事が困難になる為、これらのシール作業を行うロボットを真空容器中で作業させるようにする。
本発明に好ましく用いられる粒子の母体材料としては、具体的には第II族元素と第VI族元素とから成る群から選ばれる元素の一つあるいは複数と、第III族元素と第V族元素とから成る群から選ばれる一つあるいは複数の元素とから成る半導体の微粒子であり、必要な発光波長領域により任意に選択される。例えば、CdS,CdSe,CdTe,ZnS,ZnSe,ZnTe,CaS,MgS,SrS,GaP,GaAs,及びそれらの混晶などが挙げられるが、ZnS,CdS,CaSなどを好ましく用いることができる。特にZnSが好ましく用いられる。さらに、粒子の母体材料としては、BaAl24、CaGa24、Ga23、Zn2SiO4、Zn2GaO4、ZnGa24,ZnGeO3,ZnGeO4,ZnAl24,CaGa24,CaGeO3,Ca2Ge27,CaO,Ga23,GeO2,SrAl24,SrGa24,SrP27,MgGa24,Mg2GeO4,MgGeO3,BaAl24,Ga2Ge27,BeGa24,Y2SiO5,Y2GeO5,Y2Ge27,Y4GeO8,Y23、Y22S,SnO2及びそれらの混晶なども好ましく用いることができる。また、発光中心としては、銅、マンガン、クロムなどの金属イオン、ハロゲン、希土類のイオンを好ましく用いることができる。より好ましくは、銅及びマンガンから選ばれた少なくとも1種のイオン並びに塩素、臭素、ヨウ素及びアルミニウムから選ばれた少なくとも1種のイオンを含有する。
本発明に用いる蛍光体粒子は、水分が粒子に付着する事を避ける為、粒子の表面に非発光被膜を有することがより好ましい。この被膜形成は、蛍光体粒子のコアとなる発光体微粒子の調製に引き続いて化学的な方法を用いて0.01μm以上の厚みで設置するのが好ましい。好ましくは0.01μm以上1.0μm以下である。非発光シェル層は、酸化物、窒化物、酸窒化物や、母体蛍光体粒子上に形成した同一組成で発光中心を含有しない物質から作成することができる。また、母体蛍光体粒子材料上に異なる組成の物質をエピタキシャルに成長させて形成することができる。特に、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタンから選ばれる化合物によって表面被膜することが好ましい。
気相法で、化学的に酸化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化ケイ素の被膜を蛍光体粒子の表面に付着せしめる技術が、特開平2−38482号および特開平4−230996号の各公報に開示されている。
発光層と誘電体層は、スピンコート法、ディップコート法、バーコート法、あるいはスプレー塗布法などを用いて塗布することが好ましい。特に、スクリーン印刷法のような印刷面を選ばない方法やスライドコート法のような連続塗布が可能な方法を用いることが好ましい。例えば、スクリーン印刷法は、蛍光体や誘電体の微粒子を高誘電率のポリマー溶液に分散した分散液を、スクリーンメッシュを通して塗布する。メッシュの厚さ、開口率、塗布回数を選択することにより膜厚を制御できる。分散液を換えることで、発光層や誘電体層のみならず、背面電極層なども形成でき、さらにスクリーンの大きさを変えることで大面積化が容易である。誘電膜の調製法はスパッター、真空蒸着等の気相法であっても良く、この場合膜の厚みは通常0.1μm〜1μmの範囲で用いられる。
本発明で製造するEL面発光シートにおいて、透明電極は一般的に用いられる任意の透明電極材料が用いられる。例えば錫ドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、亜鉛ドープ酸化錫などの酸化物、銀の薄膜を高屈折率層で挟んだ多層構造、ポリアニリン、ポリピロールなどのπ共役系高分子などが挙げられる。これら透明電極にはこれに櫛型あるいはグリッド型等の金属細線を配置して通電性を改善することも好ましい。
光を取り出さない側の背面電極は、導電性の有る任意の材料が使用出来る。金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウムなどの金属、グラファイトなどの中から、作成する素子の形態、作成工程の温度等により適時選択されるが、導電性さえあればITO等の透明電極を用いても良い。
本発明で製造するEL面発光シートは、基本的には発光層を、少なくとも一方が透明な、対向する一対の電極で挟持した構成をもつ。発光層と電極の間に誘電体層を隣接することが好ましい。発光層は、蛍光体粒子をバインダーに分散したものを用いることができる。バインダーとしては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。これらの樹脂に、BaTiO3やSrTiO3などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。分散方法としては、ホモジナイザー,遊星型混練機,ロール混練機、超音波分散機などを用いることができる。
誘電体層は、誘電率と絶縁性が高く、且つ高い誘電破壊電圧を有する材料であれば任意のものが用いられる。これらは金属酸化物、窒化物から選択され、例えばTiO2,BaTiO3,SrTiO3,PbTiO3,KNbO3,PbNbO3,Ta23,BaTa26,LiTaO3,Y23,Al23,ZrO2,AlON,ZnSなどが用いられる。これらは均一な膜として設置されても良いし、また粒子構造を有する膜として用いても良い。
本発明で製造するEL面発光シートは、一番外側に適当な防湿フィルムを用いて、外部環境からの湿度の影響を排除するよう加工する。二枚の防湿フィルムで、ELセルを上下両面から被覆することが好ましい。また、ELセルの基板自体が十分な遮蔽性を有する場合には、作成したELセルの上方に遮蔽性の防湿フィルムを重ね、周囲をエポキシ等の硬化材料を用いて封止してもよい。このような遮蔽性の防湿フィルムは、ガラス、金属、プラスチックフイルム等の中から目的に応じて選択されるが、ポリクロロトリフルオロエチレンまたは酸化ケイ素薄膜を好ましく用いることができる。
その他、本発明の素子構成において、基板、各種保護層、フィルター、光散乱反射層などを必要に応じて付与することができる。特に基板に関しては、ガラス基板やセラミック基板に加え、フレキシブルは透明樹脂シートを好ましく用いることができる。本発明は、上記のような特徴を有する蛍光体粒子とEL素子構成を適宜組み合わせることが好ましい。
本発明の製造方法において、EL面発光シートを構成する全ての部材は、真空度13Pa以下の真空下において50℃以下で2時間以上乾燥する。50℃より高い温度で乾燥が行われると発光体粒子の発光輝度が低下する場合がある。また、水の蒸気圧を考慮すると、乾燥温度は5℃以上が好ましい。乾燥温度はより好ましくは10℃以上40℃以下、特に好ましくは20℃以上30℃以下である。
真空度は1.3Pa程度までは油回転ポンプで達成できるが、これ以上の真空度にするには、拡散ポンプを用いる。本発明においては、真空度は13Pa以下であるが、好ましくは1.3Pa以下であり、より好ましくは1.3×10-1Pa以下である。乾燥時間は、長いほど好ましいが、部材の乾燥が平衡に達する時間および製造の効率を考えると、より好ましくは4時間以上48時間以内、特に好ましくは6時間以上24時間以内である。
本発明の製造方法によって作成されたEL面発光シートの含水量は、好ましくは0.1重量%であり、より好ましくは0.05重量%、特に好ましくは0.03重量%以下である。
<蛍光体粒子の調製>
粒径2μmの凝集粉末状(但し、一次粒子径は約0.01μm)の硫化亜鉛(ZnS)100gに対して、付活剤として0.1モル%の硫酸銅(CuSO4)をよく混合してスラリーとした後、この混合物をオーブン内で過熱、乾燥する。次にフラックスとして、硫化亜鉛(ZnS)100gに対して、BaCl2・2H2Oを16.8g、NaClを8.0g、MgCl2・6H2Oを34.0g混合する。次にこの混合物を石英るつぼに入れて空気中において1200℃で4時間焼成(第一回目の焼成)し、焼成後脱イオン水で数回洗浄し、乾燥して中間蛍光体を得た。次に、乾燥した中間蛍光体粉末と1mmφのアルミナ球を、磁性ポットに入れて100rpmの回転数で4時間ミリングし、中間体粒子に物理的力を加え、粉砕する事なく蛍光体粒子内に結晶欠陥を導入した。この欠陥を導入した蛍光体粒子を石英るつぼに入れて2回目の焼成をおこなった。2回目の焼成は、500〜900℃で、1〜4時間行った。2回目の焼成後、できた中間蛍光体を5%塩酸水溶液中で20分間攪拌して洗浄し、次いで水洗後、さらにKCN水溶液で洗浄して、粒子表面の硫化銅を除去し、その後、脱イオン水で水洗し、オーブン内で加熱乾燥させて、蛍光体粒子粉末を得た。その後、特開平4−230996号公報に開示された方法に従って、150℃に保たれた蛍光体粒子粉末を入れた容器内に、四塩化ケイ素を水蒸気と共に吹き込み、気相加水分解により、平均厚さ0.3μmの二酸化ケイ素の被膜を蛍光体粒子の表面に形成した。得られた蛍光体粒子の平均粒径が25μmであった。
<背面電極/絶縁層/発光層の積層物の調製>
背面電極である軟質アルミニウム箔を有する支持体上に有機バインダーとしてのシアノエチルセルロースにTiBaO3を分散させて絶縁体を塗布して、背面電極に絶縁体層を塗布した積層物を調製した。有機溶剤(イソホロン)1に対して重量比で0.1のフッ素ゴムを溶解して、バインダー溶液とし、次いでこのバインダー溶液1に対して重量比で0.4の前記の蛍光体粒子を分散させ、蛍光体分散液を調製した。この分散液をスライドコート法によって、上記背面電極に絶縁体層を塗布した積層物上に塗布した。この塗布積層物を170℃で加熱乾燥し、有機溶剤を蒸発させ、乾燥させた。
(実施例1)
前記の様にして調製した背面電極/絶縁層/発光層の積層物及びITO透明電極を、各々必要なサイズに裁断した後、1.3Paの真空状態にした透明の容器(グローブボックス)内に並べ、室温(25℃)で5時間乾燥した後、二つの材料を重ね合わせ、同容器内に設置された加熱プレス盤で圧着し、ELセルを完成させた。同時に、予め必要なサイズに裁断されたポリクロロトリフルオロエチレンからなる防湿フィルム、その他リード線等の部材を同じ真空容器内で1.3Paの真空下で、同様に室温で5時間乾燥した後、背面電極と透明電極にリード線を接続し、二枚の防湿フィルムでELセルを上下から挟んで、該容器内に設置された加熱プレス盤で圧着し、EL面発光シートを完成させた。これらの作業は、グローブボックスに備えられたグローブを用いて手作業で行われた。
(実施例2)
EL面発光シートを構成する部材の乾燥及びその組み立てを、より高い真空度のもとで行った。真空を保つ容器は、真鍮製の容器(小さな覗き窓つき)を用いた。実施例1と同様に、前記のように調製した背面電極/絶縁層/発光層の積層物、ポリクロロトリフルオロエチレンからなる防湿フィルム及びITO透明電極を各々必要なサイズに裁断して、その他リード線等の部材と共に真空容器内に設置した後、拡散ポンプを用いて容器内の真空度を1.3×10-1Paに保った。この状態で全ての部材を、室温で5時間放置して乾燥させた。高真空容器内では、これらの乾燥された部材を手作業で組み立てる事はできないので、この組み立て作業は、真空容器内でロボットによって行った。ロボットは、乾燥された各部材を加熱プレス機のサンプル台上に重ね合わせて乗せ、圧着プレス後、予め必要なサイズに裁断された防湿フィルムで挟みこみ、再び加熱プレス機のサンプル台上に乗せて圧着プレスを行う事により、EL面発光シートを完成する様、その機能が付与されている。ロボットの動作の監視は、真空容器に設置された覗き窓から監視する事ができる。
(実施例3)
実施例1において、EL面発光シートを構成する部材の乾燥時間を10時間とした以外は同様にしてEL面発光シートを完成させた。
(実施例4)
実施例2において、EL面発光シートを構成する部材の乾燥時間を10時間とした以外は同様にしてEL面発光シートを完成させた。
(比較例1)
実施例1において、EL面発光シートを構成する部材の乾燥時間を30分間とした以外は同様にしてEL面発光シートを完成させた。
(比較例2)
実施例2において、EL面発光シートを構成する部材の乾燥時間を30分間とした以外は同様にしてEL面発光シートを完成させた。
(比較例3)
実施例1において、全ての工程を大気中で行った以外は同様にしてEL面発光シートを作成した。
EL面発光シートの発光特性試験
実施例1〜4、及び比較例1〜3で得られたEL面発光シートについて、温度40℃、湿度90%の高温、高湿中で、100V、400Hzの条件で駆動し、作動時間と輝度低減率の関係を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2005158332
本発明の製造方法を用いて作製したEL面発光シートは、初期輝度も高く、長時間の駆動に対しても、輝度の変化が少ないことが分かる。

Claims (5)

  1. 背面電極上に、誘電体層、発光層及び透明電極を順次積層し、両電極にそれぞれリード線を接続してELセルを形成し、該ELセルを防湿フィルムで被覆するEL面発光シートの製造方法において、EL面発光シートを構成する全ての部材を真空度13Pa以下の真空下において50℃以下で2時間以上乾燥する工程を有することを特徴とするEL面発光シートの製造方法。
  2. 該ELセルを防湿フィルムで被覆する工程を真空度13Pa以下の真空下において行うことを特徴とする請求項1に記載のEL面発光シートの製造方法。
  3. 前記EL面発光シートを構成する全ての部材を乾燥し、前記ELセルを形成し、防湿フィルムによって被覆する一連の工程を連続して真空度13Pa以下の真空下で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のEL面発光シートの製造方法。
  4. 前記発光層に含有される発光体が、銅及びマンガンから選ばれる少なくとも1種のイオン並びに塩素、臭素、ヨウ素及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種のイオンを含有する硫化亜鉛粒子であって、該硫化亜鉛粒子が酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の化合物によって表面被膜されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のEL面発光シートの製造方法。
  5. 防湿フィルムが、ポリクロロトリフルオロエチレン又は酸化ケイ素薄膜である事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のEL面発光シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007179856A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Toppan Printing Co Ltd 無機elディスプレイ及びその製造方法

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