JP2005156818A - グレースケールマスクの設計方法、グレースケールマスク、及び基板の製造方法 - Google Patents

グレースケールマスクの設計方法、グレースケールマスク、及び基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 所望のパターンを基板上に精度よく形成するために使用されるグレースケールマスクの設計方法を提供する。
【解決手段】 製造すべき前記所定のパターン形状に対応したマスクの透過率分布を決定する際に、前記エッチングにおけるエッチング選択比(基板のエッチンクレートとレジストのエッチングレートの比)と前記所定のパターン形状との関係を考慮して、前記マスクの透過率分布を決定するようにしている。手順をより細かく分解すると、基板上に形成すべきパターンの形状に応じて、そのパターンに対応する各場所でのエッチング選択比を求め、このエッチング選択比を元に、レジストパターンの形状を決定し、そのレジストパターンを与えるようなグレースケールマスクパターンを決定する。その結果、図に示すような精度の良いパターン形状が基板上に得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板上にレジストを塗布して、当該レジストを、グレースケールマスクを用いて感光させた後現像し、その後、前記レジストと前記基板をエッチングして、前記レジストを除去すると共に、前記レジストに現像により形成されたパターンを前記基板に転写して、表面に所定のパターン形状を有する基板を製造するために用いられるグレースケールマスクの設計方法、及びこの設計方法によって得られた設計データを使用して製造されたグレースケールマスク、さらには、このグレースケールマスクを使用した基板の製造方法に関するものである。
マイクロレンズ等の光学素子は、ディジタルカメラ、光通信、MEMS分野を中心に実用化され、益々使用範囲が拡大しており、エキシマレーザを光源とする露光装置の光源用のインテグレータとしても使用されている。従来、このようなマイクロレンズの製造方法として、特開平9−008266号公報(特許文献1)に開示されているような、光リソグラフィを使用した方法が知られている。
これらの方法においては、通常のフォトマスクをもちい、マスクにマイクロレンズに対応するパターンを形成し、光学基材表面に形成されたレジストを感光させて現像することにより、レジストの立体矩形パターンを製作する。そして、このレジストの立体矩形パターンを熱フローによりレンズ(曲面)形状に変形させてマイクロレンズを形成するものである。さらに、必要に応じ、このレンズ形状となったレジストを光学基材と共にエッチングすることにより、レンズ形状のレジストのパターンを光学基材に転写し、光学基材からなるマイクロレンズを形成している。
近年、これとは全く別の原理に基づくマイクロレンズの製造方法が開発され、特開2003−107209号公報(特許文献2)に開示されている。これは、グレースケールマスク(アナログ的とみなせる光透過率の変化を有するマスク)を使用して光学基材の表面に形成されたレジストを感光させ、レジストを現像することによって、グレースケールに応じた形状の、立体的なレジストパターンを形成し、それをマイクロレンズとするか、あるいは前述のように、さらにレンズ形状となったレジストを光学基材と共にエッチングすることにより、レンズ形状のレジストのパターンを光学基材に転写し、光学基材からなるマイクロレンズを形成するものである。
その例を図5に示す。石英からなる基板1の上にレジスト2を成膜する(a)。この場合、レジストとしてはポジ型のものを使用している。そして、グレースケールマスク3を通して光をレジスト2上に照射する(b)。図においてハッチングを施してある部分がグレースケールとなっており、ハッチング部の中心に行くほど光の透過率が低くなっている。ハッチングを施していない部分は、透明な部分である。
このようにして露光されたレジスト2を現像すると、強く光の照射を受けた部分は多く除去され、弱く光の照射を受けた部分は除去量が少なくなって、(c)に示すように、レジスト2にマイクロレンズアレイのパターンが形成される。
このような状態で、レジスト2と基板1を同時にドライエッチングすると、レジスト2に形成されたマイクロレンズのパターンが基板1に転写され、レジスト2が無くなった状態で、基板1の表面にマイクロレンズアレイが形成される。レジスト2と基板1のエッチングレートの違いにより、レジスト2に形成されたマイクロレンズのパターンと基板1の表面に形成されたマイクロレンズのパターンはその凹凸度が異なるが、所望の凹凸を有するマイクロレンズのパターンが基板1の表面に形成されるように、予め、レジスト2に形成されるマイクロレンズのパターンの形状を決定しておけばよい。
図6は、基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートとの比(エッチング選択比)が1以上の場合における、エッチングの途中の様子を示す図である。破線で示すものは、エッチング選択比が1である場合の基板の形状であり、これと残存するレジストの表面を結んだ形状は、エッチング前のレジストの形状に一致している。しかし、レジストが表面になくなり基板がエッチングされ始めると、基板のエッチングレートが大きいので、その分余分にエッチングが進む。
実際のグレースケールマスクは、図7に示すような構造をしている。すなわち、濃度パターンがアナログ的に変化するようなグレースケールマスクを製造することは困難であるので、一つのパターンを微細な領域に分割し(図では、9×9の領域に分割)、各領域におおける透明な部分(図で黒い部分)の割合を変化させることにより、近似的にグレースケールとしている。図7は、中央部分の透過率が低く、周辺部分の透過率が高いグレースケールマスクを示している。
以上の例は、マイクロレンズ、マイクロレンズアレイに関するものであるが、同様の技術は、回折格子、フレネルレンズのような他の光学素子の製造、その他、基板の表面に微細なパターン形状を加工する際に使用することができる。
特開平9−008266号公報 特開2003−107209号公報
上記のような方法において用いられるグレースケールマスクは、製造したいマイクロレンズ形状に対応した露光量分布をレジスト上に作り出す役目を負う。一般に、現像過程において除去されるレジスト厚みと露光量の関係は安定した関係式として定められ、それにより、所定のレジストパターンを得るためにどのようなパターンのグレースケールマスクを使用して、どの程度の露光をすればよいかは、従来技術の範囲で定めることができる。
その後、レジストと基板をエッチングすることにより、どのような形状のパターンが形成されるかは、基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートとの比(エッチング選択比)を使用して、幾何学的な計算を行うことによって求められていた。すなわち、エッチング選択比=1の場合はレジストパターンがそのまま基板の表面に転写される。一方、選択比≠1の場合は、基板のエッチング量とレジストのエッチング量とがエッチング選択比分だけ異なるため、レジストパターンとは異なる形状のパターンが基板上に形成されることになる。
従来は、基板とレジストが特定された場合、これらの間のエッチング選択比(一定の値)を実験により求め、その一定の値のエッチング選択比を使用して、目標とするパターンを基板に形成するためのレジストパターンを求め、さらにこのレジストパターンを形成するためのグレースケールマスクパターンを設計していた。
しかしながら、近年、マイクロレンズの形状に要求される精度が非常に高くなってきており、形状誤差を150nm程度以内に納めることが必要となってきている。以上説明した従来の方法では、このような形状精度のマイクロレンズを製造することが困難であるという問題点があり、所望の形状を精度よく製造可能なグレースケールマスクパターンの設計方法の確立が要望されていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マイクロレンズや他の光学素子をはじめとする所望のパターンを基板上に精度よく形成するために使用されるグレースケールマスクの設計方法、及びこの設計方法によって得られた設計データを使用して製造されたグレースケールマスク、さらには、このグレースケールマスクを使用した基板の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、基板上にレジストを塗布して、当該レジストを、グレースケールマスクを用いて感光させた後現像し、その後、前記レジストと前記基板をエッチングして、前記レジストを除去すると共に、前記レジストに現像により形成されたパターンを、前記基板に転写して、所定のパターン形状を表面に有する基板を製造するために用いられるグレースケールマスクの設計方法であって、製造すべき前記所定のパターン形状に対応するマスクの透過率分布を決定する際に、前記エッチングにおけるエッチング選択比(基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートの比)と前記所定のパターン形状との関係を考慮して、前記マスクの透過率分布を決定することを特徴とするもの(請求項1)である。
発明者等は、従来技術において、基板表面に設計値どおりのパターン形状が形成されない理由について研究を行った結果、その理由は、あらゆる部分においてエッチング選択比が同一であるという仮定が誤っていることであることを発見した。
すなわち、エッチングが進行するにつれて、エッチング全面積に対してレジスト部分が占める面積が徐々に減少するため、エッチング反応ガスの実質的な組成が変化し、それにつれてエッチング選択比が変化することが多い。そのため、エッチング時間全体を通してみた場合、レジスト厚が厚い場所と薄い場所との間で、平均的なエッチング選択比は異なってくることになる。そのため、エッチング選択比が場所によらず一定としてレジストパターンの形状を決定した場合、エッチングによって得られる基板上のパターンが、所望のものと異なってくることになる。
本手段においては、このような知見の下に、製造すべき前記所定のパターン形状に対応したマスクの透過率分布を決定する際に、前記エッチングにおけるエッチング選択比(基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートの比)と前記所定のパターン形状との関係を考慮して、前記マスクの透過率分布を決定するようにしている。
すなわち、手順をより細かく分解すると、基板上に形成すべきパターンの形状に応じて、そのパターンに対応する各場所でのエッチング選択比を求め、このエッチング選択比を元に、レジストパターンの形状を決定し、そのレジストパターンを与えるようなグレースケールマスクパターンを決定する(実際には、従来から知られているレジストパターンとグレースケールマスクパターンの関係式を考慮して、基板上に形成すべきパターンの形状から直接グレースケールマスクパターンを決定するようにしてもよい)。これにより、設計されたグレースケールマスクの設計値に基づいて製造されたグレースケールマスクを使用してレジストパターンを形成し、エッチングによりそれを基板に転写した場合、より目標値に近いパターン形状が得られる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「エッチングにおけるエッチング選択比と前記所定のパターン形状との関係を考慮して」とは、少なくともグレースケールマスクパターンが形成される領域において、エッチング選択比が一定である場合は含まないものとする。
典型的な例としては、基板のエッチング量とエッチング選択比の関係式を求めておき、この関係式と基板に形成すべきパターンに基づいて、レジストパターンを決定するようにすればよい。
又、本明細書及び請求の範囲における「グレースケールマスクの設計方法」においては、グレーマスクを設計する方法自体は新規なものではなく、従来周知の方法を任意に選んで使用することができる。これらの従来の方法に対して本発明は、エッチング選択比を、前記所定のパターン形状との関係を考慮して定め、これを用いるところが新規なものである。
前記課題を解決するための第2の手段は、最初に前記エッチングにおけるエッチング選択比(基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートの比)と前記所定のパターン形状との関係を仮定して、それに基づき、前記第1の手段であるグレースケールマスクの設計方法により前記所定のパターン形状を得るためのグレースケールマスクを設計して製造し、そのグレースケールマスクを使用して表面にパターン形状を有する基板を製造し、得られた実際のパターンと目標パターンとの差に応じて、前記エッチングにおけるエッチング選択比(基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートの比)と前記所定のパターン形状との関係を修正し、修正された関係を使用して、新たに前記第1の手段であるグレースケールマスクの設計方法により前記所定のパターン形状を得るためのグレースケールマスクを設計して製造する工程を必要回繰り返すことを特徴とするグレースケールマスクの設計方法(請求項2)である。
前記第1の手段では、まだ要求される精度のパターン形状が得られない場合、本手段では、前記第1の手段によって求めたグレースケールマスクの設計値を用いて製造されたグレースケールマスクを使用して、実際にレジストパターン形状を形成した後、エッチングにより基板にパターン形状を形成し、得られたレジストパターン形状と基板パターン形状からエッチング選択比の値を修正する。そして、新しいエッチング選択比を用いて、再び第1の手段によりグレースケールマスクの設計を行う。これを必要なだけ繰り返して、最終的に、所望の精度の基板パターン形状が得られるグレースケールマスクの設計を行う。
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記基板表面をx−y直交座標系で表すとき、前記エッチング選択比が、xとyの関数、又はxとyをパラメータとする表で表されていることを特徴とするもの(請求項3)である。
基板表面をx−y直交座標系で表すとき、その基板平面の凹凸は、xとyにより決定される。よって、本手段においては、エッチング選択比を、xとyの関数、又はxとyをパラメータとする表で表すようにしている。これにより、基板表面が複雑な凹凸形状を有する場合であっても、エッチング選択比をその凹凸形状と関連づけて表すことができる。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記所定のパターン形状の、所定の軸と所定の角をなす方向の断面形状が、どの断面でも同じであり、前記エッチング選択比が、当該所定の軸からの距離の関数、又は当該軸からの距離をパラメータとする表で表されていることを特徴とするもの(請求項4)である。
基板表面の凹凸の形状が、所定の軸からの距離の関数で表される場合には、エッチング選択比を、当該所定の軸からの距離の関数、又は当該軸からの距離をパラメータとする表で表すことにより、エッチング選択比を、基板表面の凹凸に対応したものとして表すことができる。このような形状の代表的なものとして、シリンドリカルレンズ(断面形状が球面形状に限らず、非球面形状のものも含む)がある。このようなシリンドリカルレンズがアレイ状に並んでいるものについては、各々のシリンドリカルレンズについて、前記所定の軸があるものとして、各シリンドリカルレンズ毎に、上記の方法でエッチング選択比を決定すればよい。
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記所定のパターン形状がシリンドリカルレンズであり、当該シリンドリカルレンズの対称中心から所定の距離範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより距離の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いることを特徴とするもの(請求項5)である。
発明者等の実験の結果、実験により得られるエッチング選択比は、シリンドリカルレンズの対称中心付近で急激な変化を示し、不安定である場合があることが判明した。これは、基板に形成されるシリンドリカルレンズが凸レンズである場合、シリンドリカルレンズ対称中心付近では基板のエッチング量が小さいので、計算結果に大きな誤差が含まれるためであると考えられる。逆に言えば、シリンドリカルレンズの対称中心付近では、基板のエッチング量が小さいので、正確なエッチング選択比を使用しなくても、十分な精度が得られることになる。よって、本手段においては、シリンドリカルの対称中心から所定の距離範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより距離の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いるようにしている。
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第4の手段であって、前記所定のパターン形状がシリンドリカルレンズであり、当該シリンドリカルレンズの縁部から所定の距離範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより距離の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いることを特徴とするもの(請求項6)である。
基板に形成されるシリンドリカルレンズが凹レンズである場合には、レンズの縁部付近で基板のエッチング量が小さいので、前記第5の手段と逆のことが起こる。よって、本手段においては、マイクロレンズの縁部から所定の距離範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより距離の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いるようにしている。
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記所定のパターン形状が、所定の点からの距離の関数として決定され、前記エッチング選択比が、当該距離の関数又は当該距離をパラメータとする表で表されていることを特徴とするもの(請求項7)である。
所定のパターン形状が、所定の点からの距離の関数として決定される場合には、エッチング選択比を、当該距離の関数又は当該距離をパラメータとする表で表すことにより、エッチング選択比をパターン形状と関連づけることができる。このようなパターンの典型は、マイクロレンズ(球面レンズのみならず、光軸に対称な非球面レンズを含む)が挙げられる。
このようなマイクロレンズがアレイ状に並んでいるものについては、各々のマイクロレンズについて、前記所定の点があるものとして、各マイクロレンズ毎に、上記の方法でエッチング選択比を決定すればよい。
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第7の手段であって、前記所定のパターン形状が円形のマイクロレンズであり、当該マイクロレンズの中心から所定の半径範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより半径の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いることを特徴とするもの(請求項8)である。
発明者等の実験の結果、実験により得られるエッチング選択比は、マイクロレンズ中心付近で急激な変化を示し、不安定である場合があることが判明した。これは、基板に形成されるマイクロレンズが凸レンズである場合、マイクロレンズ中心付近では基板のエッチング量が小さいので、計算結果に大きな誤差が含まれるためであると考えられる。逆に言えば、マイクロレンズ中心付近では、基板のエッチング量が小さいので、正確なエッチング選択比を使用しなくても、十分な精度が得られることになる。よって、本手段においては、マイクロレンズの中心から所定の半径範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより半径の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いるようにしている。
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第7の手段であって、前記所定のパターン形状が円形のマイクロレンズであり、当該マイクロレンズの外周から所定の半径範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより半径の小さな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いることを特徴とするもの(請求項9)である。
基板に形成されるマイクロレンズが凹レンズである場合には、レンズの外周付近で基板のエッチング量が小さいので、前記第8の手段と逆のことが起こる。よって、本手段においては、マイクロレンズの外周から所定の半径範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより半径の小さな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いるようにしている。
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第1の手段から第9の手段のいずれかのグレースケールマスクの設計方法によって設計されたグレースケールマスクの設計データを使用して製造されたグレースケールマスク(請求項10)である。
グレースケールマスクの製造方法自体は、従来周知の方法を使用することができる。
前記課題を解決するための第11の手段は、基板上にレジストを塗布して、当該レジストを、グレースケールマスクを用いて感光させた後現像し、その後、前記レジストと前記基板をエッチングして、前記レジストを除去すると共に、現像により前記レジストに形成されたパターンを前記基板に転写することにより、表面に所定のパターン形状を有する基板を製造する基板の製造方法であって、前記グレースケールマスクとして、前記第9の手段であるのグレースケールマスクを用いることを特徴とするもの(請求項11)である。
本手段によれば、表面に、目標値に近い形状のパターンを有する基板を形成することができる。基板の製造自体は従来周知の方法を使用することができる。
以上説明したように、本発明によれば、マイクロレンズや他の光学素子をはじめとする所望のパターンを基板上に精度よく形成するために使用されるグレースケールマスクの設計方法、及びこの設計方法によって得られた設計データを使用して製造されたグレースケールマスク、さらには、このグレースケールマスクを使用した基板の製造方法を提供することができる。
グレースケールマスクは、マイクロレンズの場合、以下のようにして設計する。マイクロレンズにおいて、ほぼ同じ高さと見なせる領域を一つの領域と見なし、その領域を細い幅の帯状領域として設定する。そのような帯状領域をマイクロレンズのあらゆる高さ毎に、設定する。次に個々の帯状領域ごとに、所定の透過率分布となるように、開口の数又は開ロの面積を設定する。同一の帯状領域は、マイクロレンズにおいて同じ高さの領域であるため、エッチング量が同じになる必要がある。したがって、個々の帯状領域が所定の透過率となるように、開口の分布を決める。
なお、グレースケールマスクは次のように製造される。クロム膜が蒸着された石英基板にポジ型レジストを塗布する。次に、開口を形成する部分にレーザライターにより所定の面積の開口を形成する。次に、ポジ型レジストを現像する。続いて、残ったレジストを保護層として、石英基板上からエッチングによリクロム膜を除去する。クロム膜が除去された部分が開口となリ、グレースケールマスクの原盤ができる。なお、グレースケールマスクの原盤では、開口のパターンが大きすぎるので、グレースケールマスクの原盤を縮小投影露光により、縮小することで微細な開口を有するグレースケールマスクが完成する。
以下の実施例に使用したグレースケールマスクは、このようにして製造されたものであるが、特開平8−504515号公報に記載されたグレースケールマスクや、基板中に光吸収体の濃度を変化させて所望の透過率分布を得るグレースケールマスクも適用可能である。
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。これらの実施例、比較例は、石英基板の表面に、高さ43μm、曲率半径1455μm、有効径600μmのマイクロレンズを形成するものであり、レジストとしてはクラリアント社製ポジ型フォトレジスト(商品名PLP30−830)を用い、レジスト厚さは31μmとしている。エッチングガスとしては、CHFと酸素とArの混合ガスを用いた。
(比較例、当初例)
まず、エッチング選択比が図4に示すように、半径方向で予め求めた一定の値(1.71)であるものとして、グレースケールマスクパターンを設計し、この設計値に基づいて製造したグレースケールマスクを用いてレジストの露光、現像を行ってレジストパターンを形成した。そして、前述の条件でエッチングを行い、石英基板表面にマイクロレンズのパターンを形成した。
形成されたパターンの、目標値からのずれ量を図3に示す。図3において横軸は半径、縦軸は目標値からのずれ量である。有効径600μm(±300μm)の間で、約800nmもの誤差が生じていることが分かる。
(実施例)
課題を解決するための手段において第2の手段として示した方法でエッチング選択比の修正を行った結果、図2に示すようなエッチング選択比を得た。横軸はレンズ中心からの距離(半径)、縦軸は計算されたエッチング選択比を示す。これから分かるように、レンズ中心付近においてはエッチング選択比が当初の予想より小さく、レンズ周辺においてはエッチング選択比が当初の予想より大きくなっている。
これは、レンズの周辺付近においては、レジストがエッチングされるとき、広い範囲においてレジストが残っているのに対して、レンズの中心部がエッチングされるときには、レジストが殆ど残っておらず、従って、エッチングの途中において実質的なガス組成が変わっているためであると推定される。なお、レンズの中心近傍では、エッチング選択比が急に上昇しているが、これは、レンズの中心近傍においては、エッチングされる石英基板の厚さがごくわずかのため、誤差が大きくなっているためと推定される。
これらのことを勘案して、半径40μm〜280μmのデータを用いて、エッチング選択比を半径の1次関数で近似し、この関数で定められたエッチング選択比を用いて、グレースケールマスクパターンの設計を行った。そして、この設計値に基づいて製造したグレースケールマスクを用いてレジストの露光、現像を行ってレジストパターンを形成した。そして、前述の条件でエッチングを行い、石英基板表面にマイクロレンズのパターンを形成した。
形成されたパターンの、目標値からのずれ量を図1に示す。図1から分かるように、600μmの有効径範囲(±300μm)内において、形状誤差が150nm程度に収まっている。
なお、この実施例においては、最初に形成されたパターン、すなわち目標値からのずれ量が図3に示したような状態になったときのパターン形状からエッチング選択比の修正を行い、そのエッチング選択比を使用することによって、満足すべき結果が得られたが、もし、図1に示す誤差データが満足すべきものでなかった場合、得られた基板形状とエッチング前のレジストパターン形状から、エッチング選択比の再計算を行い、それに基づいてグレースケールマスクパターンを設計すると言うように、繰り返して設計を行い、収束させて満足すべきパターンを基板表面に形成することができるグレースケールマスクパターンを設計するようにすればよい。
なお、本実施例では半径40μm以内の範囲のエッチング選択比を、先に述べた一次関数を外挿した値としたが、発明者等は、この他に、この範囲で選択比を1.5の定数として同じ方法で基板パターンを形成した。その結果は、図1に示したものと大差なく、良好な形状を得ることができた。
なお、本発明はマイクロレンズのみに限られず、マイクロレンズやマイクロプリズム等にも適用可能である。又、その形状は、ある断面に対して対称形状を持つものに限られず、自由曲面を有した光学素子の製造にも適用が可能である。
又、シリンドリカルレンズのように、ある軸に直角な方向の断面形状がどこでも同じな形状を有するものでは、エッチング選択比は、その軸からの距離に応じて決定するようにすることができ、マイクロレンズ(非球面レンズを含む)のように、その表面形状がある中心からの距離の関数として表されるものについては、エッチング選択比は、その中心からの距離に応じて決定することができる。
本発明の実施例において形成されたパターンの、目標値からのずれ量を示す図である。 本発明の実施例に使用した、エッチング選択比の、半径方向分布を示す図である。 本発明の比較例において形成されたパターンの、目標値からのずれ量を示す図である。 本発明の比較例に使用した、エッチング選択比の、半径方向分布を示す図である。 グレースケールマスクを使用したマイクロレンズの製造方法の例を示す図である。 エッチング選択比が1以上の場合における、エッチングの途中の様子を示す図である。 グレースケールマスクの構造の例を示す図である。
符号の説明
1…基板、2…レジスト、3…グレースケールマスク

Claims (11)

  1. 基板上にレジストを塗布して、当該レジストを、グレースケールマスクを用いて感光させた後現像し、その後、前記レジストと前記基板をエッチングして、前記レジストを除去すると共に、前記レジストに現像により形成されたパターンを、前記基板に転写して、所定のパターン形状を表面に有する基板を製造するために用いられるグレースケールマスクの設計方法であって、製造すべき前記所定のパターン形状に対応するマスクの透過率分布を決定する際に、前記エッチングにおけるエッチング選択比(基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートの比)と前記所定のパターン形状との関係を考慮して、前記マスクの透過率分布を決定することを特徴とするグレースケールマスクの設計方法。
  2. 最初に前記エッチングにおけるエッチング選択比(基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートの比)と前記所定のパターン形状との関係を仮定して、それに基づき、請求項1に記載のグレースケールマスクの設計方法により前記所定のパターン形状を得るためのグレースケールマスクを設計して製造し、そのグレースケールマスクを使用して表面にパターン形状を有する基板を製造し、得られた実際のパターンと目標パターンとの差に応じて、前記エッチングにおけるエッチング選択比(基板のエッチングレートとレジストのエッチングレートの比)と前記所定のパターン形状との関係を修正し、修正された関係を使用して、新たに請求項1に記載のグレースケールマスクの設計方法により前記所定のパターン形状を得るためのグレースケールマスクを設計して製造する工程を必要回繰り返すことを特徴とするグレースケールマスクの設計方法。
  3. 前記基板表面をx−y直交座標系で表すとき、前記エッチング選択比が、xとyの関数、又はxとyをパラメータとする表で表されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグレースケールマスクの設計方法。
  4. 前記所定のパターン形状の、所定の軸と所定の角をなす方向の断面形状が、どの断面でも同じであり、前記エッチング選択比が、当該所定の軸からの距離の関数、又は当該軸からの距離をパラメータとする表で表されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグレースケールマスクの設計方法。
  5. 請求項4に記載のグレースケールマスクの設計方法であって、前記所定のパターン形状がシリンドリカルレンズであり、当該シリンドリカルレンズの対称中心から所定の距離範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより距離の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いることを特徴とするグレースケールマスクの設計方法。
  6. 請求項4に記載のグレースケールマスクの設計方法であって、前記所定のパターン形状がシリンドリカルレンズであり、当該シリンドリカルレンズの縁部から所定の距離範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより距離の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いることを特徴とするグレースケールマスクの設計方法。
  7. 前記所定のパターン形状が、所定の点からの距離の関数として決定され、前記エッチング選択比が、当該距離の関数又は当該距離をパラメータとする表で表されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグレースケールマスクの設計方法。
  8. 請求項7に記載のグレースケールマスクの設計方法であって、前記所定のパターン形状が円形のマイクロレンズであり、当該マイクロレンズの中心から所定の半径範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより半径の大きな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いることを特徴とするグレースケールマスクの設計方法。
  9. 請求項7に記載のグレースケールマスクの設計方法であって、前記所定のパターン形状が円形のマイクロレンズであり、当該マイクロレンズの外周から所定の半径範囲内では、予め定められたエッチング選択比を用いるか、それより半径の小さな部分におけるエッチング選択比を外挿した値を用いることを特徴とするグレースケールマスクの設計方法。
  10. 請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載のグレースケールマスクの設計方法によって設計されたグレースケールマスクの設計データを使用して製造されたグレースケールマスク。
  11. 基板上にレジストを塗布して、当該レジストを、グレースケールマスクを用いて感光させた後現像し、その後、前記レジストと前記基板をエッチングして、前記レジストを除去すると共に、前記レジストに現像により形成されたパターンを前記基板に転写して、表面に所定のパターン形状を有する基板を製造する基板の製造方法であって、前記グレースケールマスクとして、請求項10に記載のグレースケールマスクを用いることを特徴とする基板の製造方法。
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