JP6802969B2 - テンプレートの製造方法、及び、テンプレート - Google Patents
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上記のナノインプリントリソグラフィは、表面に微細な凹凸形状の転写パターンを形成したインプリント用のテンプレート(モールド、スタンパ、金型とも呼ばれる)を、半導体ウェハなどの被転写基板の上に形成された樹脂に接触させた後に該樹脂を硬化させて、樹脂にテンプレートの転写パターンの凹凸形状(より詳しくは、凹凸反転形状)を転写させる技術である。
このナノインプリントリソグラフィの手法として、加熱により樹脂を硬化させる熱インプリント法と、露光により樹脂を硬化させる光インプリント法がある。高い位置合わせ精度が要求される用途には、加熱による膨張や収縮の影響を受けない光インプリント法が、主に用いられる(例えば、特許文献1、2)。
上記のようなメサ状の段差構造の段差(基部の主面から段差構造の上面までの高さ)は、使用するインプリント装置の機械的精度等により定まるものであるが、典型的には30μm程度を要する。
そこで、テンプレートの裏面側(転写パターンが形成されている面とは反対側)に窪み部を形成することによって、転写パターンが形成されている所定の領域(転写パターン領域を含む領域)のテンプレートの厚みを薄くして湾曲容易とし、離型に際しては、テンプレートの転写パターン領域を被転写基板側に向かって凸状に湾曲させて、転写領域の外縁部から、順次、部分的に離型していく手法が提案されている(例えば、特許文献4)。
それゆえ、半導体デバイス製造等の量産工程においては、同一の転写パターンを有するテンプレートが複数枚あった方が、都合が良い。樹脂付着により不良となったテンプレートを交換して、量産を継続できるからである。
このような理由から、一のマスターテンプレート(親型)から、複数のレプリカテンプレート(子型)を製造できる上記の方法は、量産製造にとって好ましい。
一方、上記のように、マスターテンプレート(親型)からレプリカテンプレート(子型)を製造する方法であれば、レプリカテンプレートには、メサ状の段差構造や窪み部が形成されることになっても、マスターテンプレートは従来のフォトマスクと同様に、平板状の形態の構造体を用いることができる。
それゆえ、このマスターテンプレートにおいては、構造体の形態に起因する困難性を排除して、従来のフォトマスクと同様に、電子線描画装置を用いたパターン形成技術で微細レジストパターンを形成することが容易になる。
ここで、ポジ型の電子線レジストであれば、ナノインプリントリソグラフィに用いられるような微細なパターンの形成が可能である。しかしながら、現状、ネガ型の電子線レジストにおいては、ポジ型と同等の性能を有するものは、無い。
それゆえ、例えば、ホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するマスターテンプレートから、ピラー(柱状)アレイパターンの転写パターンを有するレプリカテンプレートを製造することは可能であったが、その逆は困難であった。
しかしながら、ピラー(柱状)アレイパターンでは、ポジ型電子線レジストを用いる場合、ピラー部以外の領域を全て描画することになるため、描画面積が膨大になり、それに伴って描画時間も膨大になってしまうことになる。
それゆえ、製造コストも増大化してしまい、現実の製造方法としては、採用困難であった。
例えば、図5(a)に示すような、基部510の上に1段の段差構造520を有し、この段差構造520の上面にハードマスク層530を有し、ハードマスク層530の上に凹凸構造の第1の樹脂パターン540を有する、従来の構成の第1の樹脂パターン付きテンプレートブランク500において、スピンコートにより形成した第2の樹脂層550は、図5(b)に示すように、段差構造520の上面の外縁近傍で厚膜部551を形成してしまう。
そして、転写パターン領域(図5(a)に示す第1の樹脂パターン付きテンプレートブランク500において、段差構造520の上面に相当)における第2の樹脂層550に、図5(b)に示すような厚膜部551が存在すると、以降のエッチバック等の工程で、均一なパターンを形成することは困難になる。
すなわち、従来、製造困難であった、ホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するテンプレートを製造することができる。
まず、本発明に係るテンプレートについて説明する。
この本発明に係るテンプレートは、後述する本発明に係るテンプレートの製造方法により製造されるものである。
例えば、図1に示すように、テンプレート1は、基部10の主面11の上に第1の段差構造21を有し、第1の段差構造21の上に第2の段差構造22を有し、第2の段差構造22の上面に凹凸構造の転写パターン23を有している。
また、テンプレート1は、基部10の主面11の上に、樹脂層(第2の樹脂層40)を有し、さらに、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上にも、樹脂層(第2の樹脂層40)を有している。
なお、図1に示すテンプレート1においては、裏面12側に窪み部30も有している。
そして、第1の段差構造21の上面から転写パターン23の凸部の上面までの高さ、すなわち、第2の段差構造22の段差は、0.5μm以上5μm以下の範囲である。
すなわち、図1に示す状態において、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上の樹脂層(第2の樹脂層40)の最も高い位置は、転写パターン23の凹部の底面よりも低い位置にある。
なお、転写パターン23は、これに限定されず、ラインアンドスペースパターン等、様々なパターンであって良い。その深さ(凹凸構造の凹部の深さ)は、例えば、20nm以上100nm以下の範囲である。
テンプレート1を構成する材料は、光インプリント法に用いることが可能なものであって、インプリント時における露光光を透過できるものである。
この露光光には、一般に、波長200nm〜400nmの範囲(特に300nm〜380nmの範囲)の紫外光が用いられる。
第2の樹脂層40を構成する樹脂(第2の樹脂)は、後述する本発明に係るテンプレートの製造方法において、第1の樹脂パターンの凹凸を反転させる反転材として作用するものである。
この第2の樹脂層40を構成する樹脂の材料としては、上記のような作用効果を奏するものであれば用いることができるが、一般的には、SOG(Spin−on Glass)材であって、シリコン(Si)を含有する樹脂である。
次に、本発明に係るテンプレートの製造方法について説明する。
図2は、本発明に係るテンプレートの製造方法の一例を示すフローチャートである。また、図3、4は、本発明に係るテンプレートの製造方法の一例を示す概略工程図である。
例えば、本製造方法により、図1に示すテンプレート1を製造するには、まず、図3(a)に示すように、基部10の主面の上に第1の段差構造21を有し、第1の段差構造21の上に第2の段差構造22を有し、第2の段差構造22の上面の上にハードマスク層110を有する多段テンプレートブランク100を準備する(図2のS1)。
例えば、金属材料及びその酸化物、窒化物、酸窒化物等を1種以上含むものを挙げることができる。上記の金属材料の具体例としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)等を挙げることができる。
例えば、ハードマスク層110がクロム(Cr)層の場合、その膜厚は、製造する転写パターンのサイズにもよるが、例えば、5nmとすることができる。
次に、多段テンプレートブランク100のハードマスク層110の上に、図3(b)に示すように、凹凸構造の第1の樹脂パターン121を形成する(図2のS2)。
この第1の樹脂パターン121の形成には、ナノインプリントリソグラフィの技術を利用することができる。
次いで、上記パターンをエッチバックして、その凹部においてハードマスク層110を露出させ、図3(b)に示すような、第1の樹脂パターン121付き多段テンプレートブランク200を得る。
次に、図3(c)に示すように、第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランク200の第1の樹脂パターン121の凹部を埋めるように、第2の樹脂層40を形成する(図2のS3)。
そして、本製造方法においては、第2の樹脂の粘度、スピンコートの回転数、段差等を調整して、このスピンコートにおいて形成される第2の樹脂層40の厚膜部41を、第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランク200の第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上に形成する。
それゆえ、本製造方法によれば、図1に示すテンプレート1の転写パターン領域(第2の段差構造22の上面に相当)に第2の樹脂層40の厚膜部41が形成されてしまうことを防止できる。
この第2の樹脂層40を構成する樹脂の材料としては、上記のような作用効果を奏するものであれば用いることができるが、一般的には、SOG(Spin−on Glass)材であって、シリコン(Si)を含有する樹脂である。
次に、第2の樹脂層40をエッチバックし(図2のS4)、露出した第1の樹脂パターン121を除去して(図2のS5)、図4(d)に示すように、第2の樹脂パターン42を形成する。
また、第1の樹脂パターン121の除去には、酸素ガスを用いたドライエッチングを利用できる。
次に、上記の第2の樹脂パターン42(すなわち、第1の樹脂パターン121の凹部に形成された第2の樹脂層の部分から構成されるパターン)をマスクに用いてハードマスク層110をエッチングして(図2のS6)、図4(e)に示すように、ハードマスクパターン111を形成する。
次に、ハードマスクパターン111から露出する第2の段差構造22の上面をエッチングして、第1の樹脂パターンとは凹凸関係が反転した転写パターン23を形成し(図2のS7)、次いで、ハードマスクパターン111を除去し、図4(f)に示すように、テンプレート1を得る。
なお、この第2の段差構造22の上面のエッチング工程(すなわち、転写パターン23の形成工程)において、ハードマスクパターン111の上の第2の樹脂パターン42も消失し、ハードマスクパターン111が露出することになる。
すなわち、図1に示す状態において、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上の樹脂層(第2の樹脂層40)の最も高い位置を、転写パターン23の凹部の底面よりも低い位置にすることができる。
10 基部
11 主面
12 裏面
21 第1の段差構造
22 第2の段差構造
23 転写パターン
30 窪み部
40 第2の樹脂層
41 厚膜部
42 第2の樹脂パターン
100 多段テンプレートブランク
110 ハードマスク層
111 ハードマスクパターン
120 第1の樹脂
121 第1の樹脂パターン
200 第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランク
300 マスターテンプレート
500 第1の樹脂パターン付きテンプレートブランク
510 基部
520 段差構造
530 ハードマスク層
540 第1の樹脂パターン
550 第2の樹脂層
551 厚膜部
Claims (6)
- 基部の主面の上に第1の段差構造を有し、前記第1の段差構造の上に第2の段差構造を有し、前記第2の段差構造の上面の上にハードマスク層を有し、前記ハードマスク層の上に凹凸構造の第1の樹脂パターンを有する第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクを準備する、第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランク準備工程と、
前記第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクの前記第1の樹脂パターンの凹部を埋めるように、第2の樹脂層を形成する、第2の樹脂層形成工程と、
を順に備え、
前記第2の樹脂層形成工程が、
前記第2の樹脂層を構成する第2の樹脂をスピンコートする工程であって、
前記スピンコートにおいて形成される前記第2の樹脂層の厚膜部を、前記第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクの前記第1の段差構造の上面の上に形成することを特徴とする、テンプレートの製造方法。 - 前記第2の樹脂層形成工程の後に、
前記第1の樹脂パターンの凹部に形成した第2の樹脂層の部分を残しつつ、前記第1の樹脂パターンの凸部の上に形成した第2の樹脂層の部分を除去する、エッチバック工程と、
前記エッチバック工程により露出した前記第1の樹脂パターンを除去する第1の樹脂パターン除去工程と、
を順に備えることを特徴とする、請求項1に記載のテンプレートの製造方法。 - 前記第1の樹脂パターン除去工程の後に、
前記第1の樹脂パターンの凹部に形成された第2の樹脂層の部分をマスクに用いて前記ハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターンを形成する、ハードマスクパターン形成工程と、
前記ハードマスクパターンから露出する前記第2の段差構造の上面をエッチングして、前記第1の樹脂パターンとは凹凸関係が反転した転写パターンを形成する、転写パターン形成工程と、
を順に備えることを特徴とする、請求項2に記載のテンプレートの製造方法。 - 基部の主面の上に第1の段差構造を有し、前記第1の段差構造の上に第2の段差構造を有し、前記第2の段差構造の上面の上にハードマスク層を有する多段テンプレートブランクを準備する、多段テンプレートブランク準備工程と、
前記ハードマスク層の上に凹凸構造の第1の樹脂パターンを形成する、第1の樹脂パターン形成工程と、
を順に備えることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法。 - 前記第1の樹脂パターンを構成する樹脂が、インプリントに用いられる硬化性樹脂から構成されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法。
- 前記第2の樹脂層を構成する樹脂が、シリコン(Si)を含有する材料から構成されることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法。
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