JP2006058802A - マイクロレンズの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レジストの熱処理によって変化するマイクロレンズ形状の変動を、主たるグレースケールマスクを変えることなく低減することが可能なマイクロレンズの製造方法を提供する。
【解決手段】 主グレースケールマスクのみを使用を設計する場合に、形成されるマイクロレンズの形状が、中央部において目的とするものに比して凸になるように形状と、エッチング選択比の傾きを仮定して設計を行う。これにより、実際に製造されるレンズにおいて、レジストの熱処理に起因して中央部が扁平になるのを補償できる。このようにすると、マイクロレンズの周縁部においてSAG量が足らなくなるので、周縁部形状補正グレースケールマスクを使用してレジストの追加露光を行い、SAG量の不足を解消する。
【選択図】 無し

Description

本発明は、マイクロレンズ(本明細書においてマイクロレンズには、マイクロレンズアレイを含むものとする)の製造方法に関するものである。
マイクロレンズは、ディジタルカメラ、光通信、MEMS分野を中心に実用化され、益々使用範囲が拡大している。従来、このようなマイクロレンズの製造方法として、特開平9−008266号公報(特許文献1)に開示されているような、光リソグラフィを使用した方法が知られている。
これらの方法においては、通常のフォトマスクをもちい、マスクにレンズに対応するパターンを形成し、光学基材表面に形成されたレジストを感光させて現像することにより、レジストの立体矩形パターンを製作する。そして、このレジストの立体矩形パターンを熱フローによりレンズ(曲面)形状に変形させることによりマイクロレンズを形成するものである。さらに、必要に応じ、このレンズ形状となったレジストを光学基材と共にエッチングすることにより、レンズ形状のレジストのパターンを光学基材に転写し、光学基材からなるマイクロレンズを形成している。
近年、これとは全く別の原理に基づくマイクロレンズの製造方法が開発され、特表平8−504515号公報(特許文献2)に開示されている。これは、グレースケールマスク(アナログ的とみなせる光透過率の変化を有するマスク)を使用して光学基材の表面に形成されたレジストを感光させ、レジストを現像することによって、グレースケールに応じた形状の、立体的なレジストパターンを形成し、それをマイクロレンズとするか、あるいは前述のように、さらにレンズ形状となったレジストを光学基材と共にエッチングすることにより、レンズ形状のレジストのパターンを光学基材に転写し、光学基材からなるマイクロレンズを形成するものである。
グレースケールマスクには、大別すると、以下の三つの種類がある。
(1) マスク素材に直接濃淡をつけて透過率分布を形成したグレースケールマスク(2) マスク基材の上に光吸収膜をつけ、その膜厚を制御することにより透過率分布を形成したグレースケールマスク(3) 通常のクロム膜のついたマスク基板上に開口を設け、この開口の寸法あるいは分布密度を制御することにより透過率分布を形成したグレースケールマスク
上記(1)〜(3)のグレースケールマスクのなかで、比較的製作が容易な(3)のグレースケールマスクを用いてマイクロレンズを製作することが近年盛んになっている。
グレースケールマスクを用いてマイクロレンズを製作する方法の例を図4に示す。石英からなる基板11の上にレジスト12を塗布する(a)。この場合、レジストとしてはポジ型のものを使用している。そして、グレースケールマスク13を通して光をレジスト12上に照射する(b)。図においてハッチングを施してある部分がグレースケールとなっており、ハッチング部の中心に行くほど光の透過率が低くなっている。ハッチングを施していない部分は、透明な部分である。
このようにして露光されたレジスト12を現像すると、強く光の照射を受けた部分は多く除去され、弱く光の照射を受けた部分は除去量が少なくなって、(c)に示すように、レジスト12にマイクロレンズアレイのパターンが形成される。
このような状態で、レジスト12と基板11を同時にドライエッチングすると、レジスト12に形成されたマイクロレンズのパターンが基板11に転写され、レジスト12が無くなった状態で、基板11の表面にマイクロレンズアレイが形成される(d)。レジスト12と基板11のエッチングレートの違いにより、レジスト12に形成されたマイクロレンズのパターンと基板11の表面に形成されたマイクロレンズのパターンはその凹凸度が異なるが、所望の凹凸を有するマイクロレンズのパターンが基板11の表面に形成されるように、予め、レジスト12に形成されるマイクロレンズのパターンの形状を決定しておけばよい。又、レジスト12を残し、その形状により所望の光学特性を持たせる光学素子の場合は、(c)の工程で最終製品とすればよい。
このような方法によれば、マイクロレンズのみならす、シリンドリカルレンズ、及びこれらのアレイ、回折格子、フレネルレンズ等の種々の光学素子や、その他、光学素子以外の目的に使用される、表面に所定のパターンを有する基板を製造することができる。
特開平9−008266号公報 特表平8−504515号公報
このような、グレースケールマスクを用いて製造されたマイクロレンズにおいては、その表面にうねりが発生することがある。うねりとは、マイクロレンズの直径の2倍の長さ以下の長さを周期とする凹凸形状のことで、これにより、マイクロレンズの光学的な特性が悪化する。そこで、このようなうねりを消すために、レジストを現像した後に、レジストを熱処理することが行われている。熱処理によって、レジストの表面の短い周期の凹凸が平滑化されるので、うねりの程度を低減することができる。
ところが、このように熱処理を行った場合、レジストの全体形状も変化を受け、その結果、グレースケールマスクを用いて形成しようとしていた形状から変化してしまい、その結果、それを転写して形成されたマイクロレンズの形状も、目的のものから変化してしまうという問題点がある。
この例を図5に示す。図5は非球面マイクロレンズの局所半径の、半径方向の値をグラフ化したものである。局所半径とは曲率半径にあたり、レンズの半径方向をx、高さ方向をyとすると、
Figure 2006058802
で表される量である。
図5において、細い実線がレジストの熱処理を行わなかった場合に形成されるマイクロレンズにおける局所半径の分布であり、太い実線が、レジストの熱処理を行った場合に形成されるマイクロレンズの局所半径の分布である。これを見ると、熱処理を行った場合に形成されるレンズの中央部で、局所半径の変化が小さくなっていることが分かる。すなわち、熱処理を行った場合に形成されるレンズにおいては、局所半径が、レンズの中央部において目的とするものより小さく、その少し周縁部においては目的とするものより多くなり、形状が目標より扁平なものとなってしまっている。
図6は、マイクロレンズのSAG量の設計値と実際に製造されたマイクロレンズのSAG量とを、マイクロレンズの半径方向について図示したものである。この図においては、3枚のレジストが塗布された石英基材を用いており、図示の都合上、中央部での誤差を0として表している。この図を見ると、レンズにおいて重要な中央部において、目標より凹んだ形状となっていることが分かる。
局所半径が目標より大きな方にずれる場合には、後に述べるような補正用グレースケールマスクを使用して、その部分のレジストを露光することにより補正することができるが、局所半径が目標より小さくなってしまっている場合には、このような補正方法を使用することができない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、レジストの熱処理によって変化するマイクロレンズ形状の変動を、主たるグレースケールマスクを変えることなく低減することが可能なマイクロレンズの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、マイクロレンズの主たる形状を決定する1枚の主グレースケールマスクと、前記マイクロレンズの形状を微調整する1枚以上の形状調整用グレースケールマスクを用いて、順次前記グレースケールマスクのパターンを光学基材上に設けたレジストに投影し、前記レジストを現像し、熱処理により前記レジストの表面を平滑化した後、残存する前記レジストと前記光学基材をエッチングすることにより、前記レジストの形状を前記光学基材に転写してマイクロレンズを製造する工程を有するマイクロレンズの製造方法であって、前記主グレースケールマスクのパターンを、前記熱処理を行わないと仮定した場合に、目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部が凸となるようなパターンとして設計し、かつ、前記形状調整用グレースケールマスクのうち少なくとも1枚を、前記主グレースケールマスクの設計変更によって発生するマイクロレンズの周縁部の形状を修正するようなパターンを有するもの(周縁部形状補正グレースケールマスク)とすることを特徴とするマイクロレンズの製造方法(請求項1)である。
前述のように、熱処理の影響により、完成したマイクロレンズの中央部が目的形状に対して凹となるのを修正するには、主グレースケールマスクの設計において、このことを考慮して、現像されたレジストの形状が、熱処理を行わないと仮定したときに比して、中央部で凸となるように、グレースケールマスクを設計すればよい。
よって、本手段においてはこのような方法を採用している。そして、本発明者の知見によれば、熱処理条件の変動によっては、中央部の変形はあまり変化が無く、よって、中央部の変形を補償するためには、主グレースケールマスクの設計においてそれを考慮すればよい。
しかしながら、一般に非球面レンズの標準式に従ってレンズの中央部を凸形状とすると、レンズの周縁部におけるSAG量が小さくなりすぎる傾向がある。そして、周辺部におけるSAG量は、熱処理条件の変動により大きく変化する。
このような変動を補正するために、精密な主グレースケールマスクを複数製造することは得策ではない。よって、本手段においては、周縁部の形状変動を、周縁部形状補正グレースケールマスクを用いることによって補償することにしている。このような周縁部形状補正グレースケールマスクは、粗い精度で製造することができる(露光時間が短いため、マスクの精度が粗くても、精密な補正が可能であるため)。よって、このような周縁部形状補正グレースケールマスクを複数種類作成し、熱処理条件に合わせた周縁部形状補正グレースケールマスクを使用して補正露光を行うことにより、周縁部におけるSAG量の不足を補償することができる。
前記課題を解決するための第2の手段は、マイクロレンズの主たる形状を決定する1枚の主グレースケールマスクと、前記マイクロレンズの形状を微調整する1枚以上の形状調整用グレースケールマスクを用いて、順次前記グレースケールマスクのパターンを光学基材上に設けたレジストに投影し、前記レジストを現像し、熱処理により前記レジストの表面を平滑化した後、残存する前記レジストと前記光学基材をエッチングすることにより、前記レジストの形状を前記光学基材に転写してマイクロレンズを製造する工程を有するマイクロレンズの製造方法であって、前記光学基材をエッチングするときのエッチング選択比の傾きを、前記熱処理を行わないと仮定した場合に、形成されるレンズの形状が目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部で凹となるような傾きであるとして前記主グレースケールマスクを設計し、かつ、前記形状調整用グレースケールマスクのうち少なくとも1枚を、前記主グレースケールマスクの設計の変更によって発生するマイクロレンズの周縁部の形状を修正するようなパターンを有するもの(周縁部形状補正グレースケールマスク)とすることを特徴とするマイクロレンズの製造方法(請求項2)である。
エッチング選択比Sは、通常a、bを定数とし、xをマイクロレンズの半径とすると
S=ax+b
の形で表され、定数aをエッチング選択比の傾きと称している。目的とするマイクロレンズの形状からレジストの形状を決定するとき、このようなエッチング選択比の傾きを考慮して決定を行っている。
本手段においては、実際のエッチング選択比、主グレースケールマスクの設計に使用せず、エッチング選択比の傾きが形成されるレンズの形状が目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部で凹となるような傾きであるとして前記主グレースケールマスクを設計している。
このようにすると、実際にできるレジストの形状は、実際のエッチング選択比を使用して設計された主グレースケールマスクを使用したものよりも、中央部が凸となる形状となる。よって、熱処理により中央部が凹となるのを補償することができる。周縁部形状補正グレースケールマスクの働きは、前記第1の手段と同じである。
前記課題を解決するための第3の手段は、マイクロレンズの主たる形状を決定する1枚の主グレースケールマスクと、前記マイクロレンズの形状を微調整する1枚以上の形状調整用グレースケールマスクを用いて、順次前記グレースケールマスクのパターンを光学基材上に設けたレジストに投影し、前記レジストを現像し、熱処理により前記レジストの表面を平滑化した後、残存する前記レジストと前記光学基材をエッチングすることにより、前記レジストの形状を前記光学基材に転写してマイクロレンズを製造する工程を有するマイクロレンズの製造方法であって、前記主グレースケールマスクのパターンを、前記熱処理を行わないと仮定した場合に、目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部が凸となるようなパターンとし、かつ、前記光学基材をエッチングするときのエッチング選択比の傾きを、前記熱処理を行わないと仮定した場合に、形成されるレンズの形状が目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部で凹となるような傾きであるとして前記主グレースケールマスクを設計し、かつ、前記形状調整用グレースケールマスクのうち少なくとも1枚を、前記主グレースケールマスクの設計の変更によって発生するマイクロレンズの周縁部の形状を修正するようなパターンを有するもの(周縁部形状補正グレースケールマスク)とすることを特徴とするマイクロレンズの製造方法(請求項3)である。
本手段は、前記第1の手段と第2の手段を組み合わせたものであり、前記第1の手段、第2の手段と同様の作用効果を奏する。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、前記形状調整用グレースケールマスクを使用した際の露光時間を調整することでマイクロレンズの周縁部の形状を修正する過程を有することを特微とするもの(請求項4)である。
前記主グレースケールマスクの設計の変更により生じたマイクロレンズの周縁部の誤差を修正するようなパターンを持つ形状調整用グレースケールマスクを使用する際に、形状調整用グレースケールマスクの設計時に設定した露光時聞で投影露光すると、その後の熱処理やエッチング条件が変更されたことにより生ずる誤差は解消できない。
そこで、本手段では、マイクロレンズの周縁部における熱処理で生ずる誤差やエッチング条件が変更された際に生ずる誤差が、位置に対して比例関係を有することに着目し、マイクロレンズの周縁部の各位置での誤差量に応じて形状調整用グレースケールマスクを作製しなおさず、形状修正量は露光時間と開口率の積で決まることを利用し、位置に対して所定の変化率で開口率が設定されているようなグレースケールマスクを用いて、露光時間を上述のような誤差量に基づいて調整することで、上述の熱処理やエッチング条件が変更されたことにより生ずる誤差を解消している。
前記課題を解決するための第5の手段は、目的の形状に対して中央部が凸となるような異なる形状を有するレジスト形状に応じたパターンを有した主グレースケールマスクを作製し、前記主グレースケールマスクを用いて、レジストが塗布された基板を露光した後前記レジストを現像し、熱処理後に得られたレジスト形状を基に、エッチング選択比を設定して、エヅチングすることによリレジストの形状を基板に転写する過程を有することを特微とするマイクロレンズの製造方法(請求項5)である。
本手段では、エッチング選択比として、主グレースケールマスクの設計時に設定したエッチング選択比をそのまま用いるのではなく、熱処理後に得られたレジスト形状を基に、中心部が最適形状となるエッチング選択比を設定して、そのエッチング選択比になるようにエッチング条件を出してエッチングすることで、少なくとも中心部が最適形状となるマイクロレンズを得ることができる。
本発明によれば、レジストの熱処理によって変化するマイクロレンズ形状の変動を、主たるグレースケールマスクを変えることなく低減することが可能なマイクロレンズの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。この実施の形態においては、マイクロレンズの形状をコーニックレンズとし、その表面形状が以下の(3)式で表されるものとする。
Figure 2006058802
ここで、rはレンズの半径、cは定数、kはコーニック定数で、Z(r)がレンズ表面を示す式である。マイクロレンズの半径を624.6μmとし、コーニック係数kを−2.0としたものを目的とするマイクロレンズ形状とする。このレンズの半径とSAG量の関係を図1に細い実線で示す。又、この形状とエッチング条件で得られるエッチングの選択比は0.000873r+1.482で表されるものとする。
一方、本発明の実施の形態では、主グレースケールマスクの設計を行う場合、コーニック係数kを−2.25とし、敢えて、マイクロレンズの形状を、目的形状に対して中心部が凸となる形状とするような主グレースケールマスクを設計した。
なお、主グレースケールマスクを設計する際に、必要な条件として、露光時間及びエッチング選択比がある。本発明の実施の形態では、更に主グレースケールマスク設計時に設定したエッチング選択比の傾きに関しても、熱処理を行わないと仮定した場合に、形成されるレンズの形状が目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部が凹となるような傾きを有するエッチング選択比にした。このようなマスクを用いてレジストを露光・現像することで、目的とする形状に対して中心部が凸となる形状が得られる。
なお、主グレースケールマスク設計時のエッチングの選択比は0.000673r+1.482で表されるものである。
本発明の実施の形態ではレジストを現像した後で熱処理を行う。これによリレジスト表面が滑らかになると同時に、中心部の周辺部に対する凸量が小さくなり、目的形状に近くなる。
このような条件で製造を行った場合に得られるマイクロレンズのSAG量と、目的とするマイクロレンズのSAG量との差を、図1に太い実線で示す(F誤差)。
この差を見ると分かるように、レンズの中央部において、目的とするレンズの形状に対して凸となるような部分が現れている。この部分が熱処理によって形成される凹部と相殺して、その結果、レンズ中央部の形状は、目的とするものに近くなる。
なお、先に設定したエッチング選択比0.000673r+1.482では、誤差が十分に小さくならなかったので、再びエッチング選択比を選定しなおした。その結果、0.000902r+1.482となるようなエッチング選択比になるよう設定しなおした。そして、実際のエヅチング時には、設定しなおしたエッチング選択比になるようなエッチング条件を再現し、エッチングを行うようにした。
このように本発明の実施の形態では、レンズ中央部の形状誤差を少なくするために、予めレンズの設計形状を実際の形状よりも中央部が突出するような形状に設定し、熱処理後の中央部の形状に応じて、エッチング選択比を設定しなおすことで中央部の誤差形状を低減した。
又、F誤差は、レンズの周縁部において急激に大きくなっている。そこで、この場合、レンズの中央から、ほぼ150μm以上離れた部分の形状誤差を補正するような周縁部形状補正グレースケールマスクを製造し、このマスクを用いて追加露光を行うことにより、F誤差を小さくするようにしている。このようにして設計された周縁部形状補正グレースケールマスクの半径と開口率の関係を図2に示す。
この周縁部形状補正グレースケールマスクは、次のようにして設計される。まず、マスクの設計条件を、(3)式におけるkを、k=2からk=-2.25に変更した際に生じる誤差を求める。この誤差と、仮に設定された露光時間と共に、各位置の開口が決められる。
なお、開口の寸法が小さいと開口の許容寸法誤差が、開口の寸法に比例して小さくなる。そこで、本発明の実施の形態では、先に仮に設定された露光時間よりも実際の露光時間を少なく決定し、その分、開口の寸法を大きくなるように設計する。そして、実際の露光時間は、熱処理により生ずる変形量と、実際にエッチングするときに選択される選択比と、先に述ぺた開口の寸法を大きくするために設定された時間とに応じて設定する。
熱処理により生ずる変形量やエヅチング選択比の変更に伴う誤差量の分布の変化は、どれも位置に対して比例関係を有する。そのため、周緑部形状補正グレースケールマスクを、実際に採用されるエッチング選択比や熱処理により生ずる変形量を考慮せずに設計しても、露光時間を適宜設定するだけで、周緑部における誤差は解消する。
中央部の凸部の量は微小であり、熱処理条件によってあまり変化しないので、この部分については、追加露光等による補正は行わなくてもよい。しかし、周縁部のF誤差は大きいので、熱処理条件によっても、エッチング選択比の変化によっても大きく変化する。よって、周縁部形状補正グレースケールマスクは、製造条件に合わせたものを複数枚用意し、適宜選択して使用することが好ましい。このようにすれば、精密な加工を要求される主グレースケールマスクは1枚で済み、効率的である。
このように、レンズ周縁部におけるSAG量の変化はかなり大きいので、周縁部形状補正グレースケールマスクを設計する場合、開口率が100%に近くなる部分が生じ、その部分で開口の間隔が狭くなり、正確な開口率を有するグレースケールマスクの製造が困難になる場合がある。本手段においては、これを防ぐため、周縁部形状補正グレースケールマスクの開口率を70%以下としている。こうしても露光時間を長くすることにより、目的の修正量を得ることができる。
なお、この例においては、主グレースケールマスクを使用した場合の露光時間は8200msであり、周縁部形状補正グレースケールマスクを使用した場合の露光時間は500msとしている。よって、周縁部形状補正グレースケールマスクの製作精度は、主グレースケールマスクの500/8200でよいことになる。又、周縁部形状補正グレースケールマスクの開口率を65%以下とし、製作を容易にしている。
以上の実施の形態の効果を図3に示す。図3において、細い実線は、従来の方法で製造した場合の、実際に製作されたマイクロレンズと目的のマイクロレンズのSAG量の誤差を示したものである。太い実線は、上記実施の形態により実際に製作されたマイクロレンズと目的のマイクロレンズのSAG量の誤差を示したものである。両者を比較すると分かるように、本発明の実施の形態の方法で製造を行うことにより、SAG量の誤差が、従来の方法の約1/4に減少している。
以上の製造工程をまとめると以下のようになる。
(1)目的とするマイクロレンズの形状を決定し、それからエッチング選択比を考慮し、レジストの目標形状を仮決定する。
(2)仮決定した形状のレジストを熱処理したときのレジストの形状を求め、それからエッチング選択比を考慮にいれ、実際に製造されるマイクロレンズの形状を求める。(これらは実測で求めてもよいし、シミュレーションで求めてもよい)。
(3)実際に製造されるマイクロレンズと目的とするマイクロレンズの中央部における形状を比較し、この誤差を補償するような中央部の形状を有するマイクロレンズが得られるように、目標とするマイクロレンズの形状と、エッチング選択比の傾きを変えて、再設計を行い、目標とするレジストの形状を再設計する。そして、このレジストの形状が得られるように、主グレースケールマスクを設計する。
(4)主グレースケールマスクを用いてレジストの露光、現像、熱処理、及びレジストと基材のエッチングを行ったときに得られるマイクロレンズの形状を求め(実測でもシミュレーションでもよい)、当初の目的とするマイクロレンズの形状との差を求め、周縁部の差を補償するような周縁部形状補正グレースケールマスクを設計する。
(5)周緑部形状補正グレースケールマスクの露光時間を、レジストの目標形状の設定、熱処理及びエッチング選択比変更により生ずる形状誤差量に応じて、決定する。
(6)主グレースケールマスクと周縁部形状補正グレースケールマスクを用いてレジストの露光を行い、その後、レジストの現像、熱処理、及びレジストと基材のエッチングを行うことにより、マイクロレンズを製造する。
なお、上記(3)の工程において、目標とするマイクロレンズの形状と、エッチング選択比の傾きについては、その一方のみを変えるようにしてもよい。実際のマイクロレンズの製造方法自体は、レジストの熱処理が行われることを除いては、図4に示した方法と変わるところはない。
本発明の実施の形態において、主グレースケールマスクのみを使用した場合のマイクロレンズのSAG量の誤差を示す図である。 本発明の実施の形態における周縁部形状補正グレースケールマスクの半径と開口率の関係の例を示す図である。 本発明の実施の形態の効果を示す図である。 グレースケールマスクを用いてマイクロレンズを製作する方法の例を示す図である。 レジストの熱処理に起因するマイクロレンズの製造誤差を示す図である。 マイクロレンズのSAG量の設計値と実際に製造されたマイクロレンズのSAG量とを、マイクロレンズの半径方向について示した図である。

Claims (5)

  1. マイクロレンズの主たる形状を決定する1枚の主グレースケールマスクと、前記マイクロレンズの形状を微調整する1枚以上の形状調整用グレースケールマスクを用いて、順次前記グレースケールマスクのパターンを光学基材上に設けたレジストに投影し、前記レジストを現像し、熱処理により前記レジストの表面を平滑化した後、残存する前記レジストと前記光学基材をエッチングすることにより、前記レジストの形状を前記光学基材に転写してマイクロレンズを製造する工程を有するマイクロレンズの製造方法であって、前記主グレースケールマスクのパターンを、前記熱処理を行わないと仮定した場合に、目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部が凸となるようなパターンとして設計し、かつ、前記形状調整用グレースケールマスクのうち少なくとも1枚を、前記主グレースケールマスクの設計変更によって発生するマイクロレンズの周縁部の形状を修正するようなパターンを有するもの(周縁部形状補正グレースケールマスク)とすることを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  2. マイクロレンズの主たる形状を決定する1枚の主グレースケールマスクと、前記マイクロレンズの形状を微調整する1枚以上の形状調整用グレースケールマスクを用いて、順次前記グレースケールマスクのパターンを光学基材上に設けたレジストに投影し、前記レジストを現像し、熱処理により前記レジストの表面を平滑化した後、残存する前記レジストと前記光学基材をエッチングすることにより、前記レジストの形状を前記光学基材に転写してマイクロレンズを製造する工程を有するマイクロレンズの製造方法であって、前記光学基材をエッチングするときのエッチング選択比の傾きを、前記熱処理を行わないと仮定した場合に、形成されるレンズの形状が目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部で凹となるような傾きであるとして前記主グレースケールマスクを設計し、かつ、前記形状調整用グレースケールマスクのうち少なくとも1枚を、前記主グレースケールマスクの設計の変更によって発生するマイクロレンズの周縁部の形状を修正するようなパターンを有するもの(周縁部形状補正グレースケールマスク)とすることを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  3. マイクロレンズの主たる形状を決定する1枚の主グレースケールマスクと、前記マイクロレンズの形状を微調整する1枚以上の形状調整用グレースケールマスクを用いて、順次前記グレースケールマスクのパターンを光学基材上に設けたレジストに投影し、前記レジストを現像し、熱処理により前記レジストの表面を平滑化した後、残存する前記レジストと前記光学基材をエッチングすることにより、前記レジストの形状を前記光学基材に転写してマイクロレンズを製造する工程を有するマイクロレンズの製造方法であって、前記主グレースケールマスクのパターンを、前記熱処理を行わないと仮定した場合に、目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部が凸となるようなパターンとし、かつ、前記光学基材をエッチングするときのエッチング選択比の傾きを、前記熱処理を行わないと仮定した場合に、形成されるレンズの形状が目的とするマイクロレンズ形状に対して中央部で凹となるような傾きであるとして前記主グレースケールマスクを設計し、かつ、前記形状調整用グレースケールマスクのうち少なくとも1枚を、前記主グレースケールマスクの設計の変更によって発生するマイクロレンズの周縁部の形状を修正するようなパターンを有するもの(周縁部形状補正グレースケールマスク)とすることを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のマイクロレンズの製造方法であって、前記形状調整用グレースケールマスクを使用した際の露光時間を調整することでマイクロレンズの周縁部の形状を修正する過程を有することを特微とするマイクロレンズの製造方法。
  5. 目的の形状に対して中央部が凸となるような異なる形状を有するレジスト形状に応じたパターンを有した主グレースケールマスクを作製し、前記主グレースケールマスクを用いて、レジストが塗布された基板を露光した後前記レジストを現像し、熱処理後に得られたレジスト形状を基に、エッチング選択比を設定して、エヅチングすることによリレジストの形状を基板に転写する過程を有することを特微とするマイクロレンズの製造方法。
JP2004243221A 2004-08-24 2004-08-24 マイクロレンズの製造方法 Pending JP2006058802A (ja)

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