JP2005156816A - 下地材及び多層レジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、半導体素子や液晶表示素子の製造プロセス等において、基板とホトレジスト層との間に下層膜を形成するために用いられる下地材、及び多層レジストパターン形成方法に関する。
近年、半導体デバイス分野においては、デバイスの高集積化や微細化に伴い、露光光の短波長化が進んでいる。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザー(248nm)が導入され、さらに、ArFエキシマレーザー(193nm)が導入され始めている。また、それより短波長のF2エキシマレーザー(157nm)や、EUV(極紫外線)、電子線、X線などについても検討が行われている。
このような短波長の露光光を用いた場合、露光時に基板から反射する反射光が大きくなる。そのため、基板からの反射によって生じる定在波や乱反射の影響により、レジストパターンに局所的な歪み、例えばレジストパターン側壁のスタンディングウェーブ(SW)が生じたり、寸法精度の劣化が生じるなどの問題があった。
このような問題を抑制する方法の1つとして、基板とホトレジスト層との間に、反射防止能を有する下層膜(反射防止膜)を介在させるBARC(Bottom Anti-Reflective Coating)法が行われている(例えば、特許文献1参照)。
反射防止膜の用途において、下層膜を形成するための下地材としては、一般に、被膜形成用樹脂、反射光を吸光するための吸光性物質、それらを熱架橋するための架橋剤等を含有する組成物が用いられている。現在、例えばKrFやArF等のエキシマレーザー光を照射光として用いる場合の被膜形成用樹脂としては、主にアクリル樹脂が用いられている。
このような短波長の露光光を用いた場合、露光時に基板から反射する反射光が大きくなる。そのため、基板からの反射によって生じる定在波や乱反射の影響により、レジストパターンに局所的な歪み、例えばレジストパターン側壁のスタンディングウェーブ(SW)が生じたり、寸法精度の劣化が生じるなどの問題があった。
このような問題を抑制する方法の1つとして、基板とホトレジスト層との間に、反射防止能を有する下層膜(反射防止膜)を介在させるBARC(Bottom Anti-Reflective Coating)法が行われている(例えば、特許文献1参照)。
反射防止膜の用途において、下層膜を形成するための下地材としては、一般に、被膜形成用樹脂、反射光を吸光するための吸光性物質、それらを熱架橋するための架橋剤等を含有する組成物が用いられている。現在、例えばKrFやArF等のエキシマレーザー光を照射光として用いる場合の被膜形成用樹脂としては、主にアクリル樹脂が用いられている。
また、露光装置の面からも、解像度のさらなる向上のためにレンズの開口数(NA)を大きくすることも考えられている。しかしながら、NAが大きくなると、焦点深度幅が小さくなってしまうので、例えば基板表面に微細な歪みや凹凸があるなどしてホトレジスト層に歪みや膜厚の差がある場合には、微細なパターンを正確に形成することが困難になる。そのため、ある程度の焦点深度幅が必要になるため、NAを大きくするには限度があった。
これに対し、基板とホトレジスト層との間に下層膜(平坦化膜)を設け、レジスト塗布面を平坦化することにより、平坦で均一な厚さのホトレジスト層を形成することが行われている(例えば、特許文献2参照)。このような平坦化技術により、NAを大きくしてさらに微細なパターンを形成可能となる。
平坦化の用途において、下地材には、基板表面の微細な歪みや凹凸の埋め込みが可能な埋め込み性が必要とされる。現在、平坦化用途における下地材の被膜形成用樹脂としては、主に、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂が用いられている。
これに対し、基板とホトレジスト層との間に下層膜(平坦化膜)を設け、レジスト塗布面を平坦化することにより、平坦で均一な厚さのホトレジスト層を形成することが行われている(例えば、特許文献2参照)。このような平坦化技術により、NAを大きくしてさらに微細なパターンを形成可能となる。
平坦化の用途において、下地材には、基板表面の微細な歪みや凹凸の埋め込みが可能な埋め込み性が必要とされる。現在、平坦化用途における下地材の被膜形成用樹脂としては、主に、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂が用いられている。
一方、高アスペクト比のパターンを形成する手段として、基板上に下地材を塗布し、これを加熱して成膜することにより下層膜を設け、その上にシリカ系の無機膜からなる中間膜を設けたのち、さらにその上にホトレジスト膜を設け、通常のホトリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスクとして中間膜をエッチングすることでパターンを転写し、次いでパターン化された中間膜をマスクとして下層膜を酸素プラズマエッチングし、基板上にパターン形成を行う3層レジスト法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、3層レジスト法よりも工程数が少ない点で優れた2層レジスト法も提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。2層レジスト法では、基板上に、3層レジスト法と同様にして下層膜を設けた後、その上層にシリコン含有ポリマーを含有するホトレジスト膜を設け、通常のホトリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスクとして酸素プラズマによるエッチングを行い、下層膜にレジストパターンを転写する。そして、そのレジストパターンをマスクとしてフッ化炭素系ガス等によるエッチングを行い、基板上にパターンを形成する。
3層レジスト法、2層レジスト法等の多層プロセス用途において、下地材には、下層膜に形成されるパターンの形状を良好にするために、エッチレートが速すぎないこと、すなわちある程度の酸素エッチング耐性が必要とされる。現在、多層プロセス用途に用いられる下地材の被膜形成用樹脂としては、酸素エッチング耐性が良好であることから、主にノボラック型のフェノール樹脂が用いられている。
特開平10−228113号公報
特開平6−35201号公報
特開2001−51422号公報
特開昭61−239243号公報
特開昭62−25744号公報
また、3層レジスト法よりも工程数が少ない点で優れた2層レジスト法も提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。2層レジスト法では、基板上に、3層レジスト法と同様にして下層膜を設けた後、その上層にシリコン含有ポリマーを含有するホトレジスト膜を設け、通常のホトリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスクとして酸素プラズマによるエッチングを行い、下層膜にレジストパターンを転写する。そして、そのレジストパターンをマスクとしてフッ化炭素系ガス等によるエッチングを行い、基板上にパターンを形成する。
3層レジスト法、2層レジスト法等の多層プロセス用途において、下地材には、下層膜に形成されるパターンの形状を良好にするために、エッチレートが速すぎないこと、すなわちある程度の酸素エッチング耐性が必要とされる。現在、多層プロセス用途に用いられる下地材の被膜形成用樹脂としては、酸素エッチング耐性が良好であることから、主にノボラック型のフェノール樹脂が用いられている。
しかし、ノボラック型のフェノール樹脂は、KrF、ArF等のエキシマレーザー光などの短波長の露光光の反射率が高い。そのため、該樹脂を用いた下層膜は、例えばKrF、ArF等のエキシマレーザー光による露光を行った場合に、定在波等の影響を充分に防止できない。そのため、該下層膜上に形成されたホトレジスト膜にレジストパターンを形成した際、当該レジストパターン側壁にSWが生じるなどの問題がある。
一方、反射防止や平坦化の用途において下地材に用いられているアクリル樹脂は、酸素エッチング耐性が低く、上述のような多層プロセス用途に用いることができない。
一方、反射防止や平坦化の用途において下地材に用いられているアクリル樹脂は、酸素エッチング耐性が低く、上述のような多層プロセス用途に用いることができない。
よって、本発明は、例えばKrF、ArF等のエキシマレーザーなどの短波長の露光光の反射率が低く、酸素プラズマ等に対するエッチング耐性にも優れる下層膜を形成するための下地材、及び該下地材を用いた多層レジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の第1の発明は、基板とホトレジスト層との間に下層膜を形成するための下地材であって、下記一般式(I)
で表される構成単位を有するフェノール樹脂を含有することを特徴とする下地材である。
前記課題を解決する本発明の第2の発明は、基板上に、第1の発明の下地材を塗布して加熱することにより下層膜を形成し、該下層膜上に、少なくとも1層のホトレジスト層を形成した後、該ホトレジスト層を選択的に露光し、アルカリ現像して前記ホトレジスト層にレジストパターンを形成した後、該レジストパターンをマスクとして前記下層膜を酸素プラズマによりエッチングし、前記下層膜にレジストパターンを転写することを特徴とする多層レジストパターン形成方法である。
なお、本明細書において、「下層膜」とは、上述のような反射防止や平坦化、多層プロセス等の用途における下層膜のように、基板上、基板とホトレジスト層との間に設けられる膜を意味する。
また、「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を意味する。
本発明の下地材、該下地材を用いる多層レジストパターン形成方法により、例えばKrF、ArF等のエキシマレーザー光などの短波長の露光光の反射率が低く、酸素プラズマ等に対するエッチング耐性にも優れる下層膜を形成することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
≪下地材≫
本発明の下地材は、基板とホトレジスト層との間に下層膜を形成するための下地材であって、上記一般式(I)で表される構成単位(以下、構成単位(I)という)を有するフェノール樹脂(以下、樹脂(A1)ということがある)を含有することを特徴とするものである。
≪下地材≫
本発明の下地材は、基板とホトレジスト層との間に下層膜を形成するための下地材であって、上記一般式(I)で表される構成単位(以下、構成単位(I)という)を有するフェノール樹脂(以下、樹脂(A1)ということがある)を含有することを特徴とするものである。
<樹脂(A1)>
本発明において、樹脂(A1)は、被膜形成用樹脂成分(以下、(A)成分という)である。
式(I)中、R1は脂環式基を表す。R1が脂環式基であることにより、樹脂(A1)の光に対する透明性があがり、樹脂(A1)を用いた下層膜の、例えば250nm以下、特に193nmの光の反射率が低減される。また、反射率が低減されることにより、下層膜上のレジスト層に形成されるレジストパターンのSWが改善される。さらに、レジストパターンを形成する際に必要とされるエッチング耐性も向上する。
該脂環式基としては、5〜8員環の脂環式基が好ましく、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基がより好ましく、中でもシクロヘキシル基が好ましい。
該脂環式基は、無置換であっても、置換基を有していてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基等の炭化水素基が挙げられる。
本発明において、樹脂(A1)は、被膜形成用樹脂成分(以下、(A)成分という)である。
式(I)中、R1は脂環式基を表す。R1が脂環式基であることにより、樹脂(A1)の光に対する透明性があがり、樹脂(A1)を用いた下層膜の、例えば250nm以下、特に193nmの光の反射率が低減される。また、反射率が低減されることにより、下層膜上のレジスト層に形成されるレジストパターンのSWが改善される。さらに、レジストパターンを形成する際に必要とされるエッチング耐性も向上する。
該脂環式基としては、5〜8員環の脂環式基が好ましく、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基がより好ましく、中でもシクロヘキシル基が好ましい。
該脂環式基は、無置換であっても、置換基を有していてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基等の炭化水素基が挙げられる。
R2はナフチル基またはアントリル基を表す。基−(CH2−R2)nは、フェノール性水酸基に対してオルト位、パラ位、メタ位のうちの任意の位置に結合していてよいが、反応性等の点から、オルト又はパラ位に結合していることが好ましい。
nは0または1である。
nが0であると、樹脂(A1)を用いた下層膜の、例えば200nm以下の光の反射率が特に低く、例えばArFエキシマレーザー等を用いたプロセス用として好適である。
nが1であると、例えば248nmでの吸収が大きくなり、例えばKrFエキシマレーザー等を用いたプロセスにおいても、反射防止膜として用いるのに好適である。さらに、ドライエッチング耐性も向上する。
nが0であると、樹脂(A1)を用いた下層膜の、例えば200nm以下の光の反射率が特に低く、例えばArFエキシマレーザー等を用いたプロセス用として好適である。
nが1であると、例えば248nmでの吸収が大きくなり、例えばKrFエキシマレーザー等を用いたプロセスにおいても、反射防止膜として用いるのに好適である。さらに、ドライエッチング耐性も向上する。
なお、nが0であっても、樹脂(A1)が例えば後述する構成単位(IV)および/または構成単位(V)を有すると、KrFエキシマレーザー等を用いたプロセス用としても好適なものとなる。また、nが1であると、樹脂(A1)が例えば後述する構成単位(IV)および/または構成単位(V)を有していなくとも、KrFエキシマレーザー等を用いたプロセス用として好適である。もちろん、樹脂(A1)は、nが1であるとともに、構成単位(IV)および/または構成単位(V)を有していてもよい。
構成単位(I)において、R1は、フェノール性水酸基に対してオルト位、パラ位、メタ位のうちの任意の位置に結合していてよいが、R1がオルト位に結合している構成単位と、基R1がパラ位に結合している構成単位の少なくとも1つ、好ましくは両方を有すると、各構成単位を誘導するモノマー同士の反応性が良好であり、ある程度高分子量のもの、例えばMw2000以上のものを容易に得ることができる等の理由により好ましい。すなわち、樹脂(A1)は、下記一般式(II)で表される構成単位(以下、構成単位(II)という)、および下記一般式(III)で表される構成単位(以下、構成単位(III)という)の少なくとも1つを有することが好ましく、なかでも、構成単位(II)および構成単位(III)の両方を有することがより好ましい。
樹脂(A1)を構成する全構成単位中の構成単位(I)の割合は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%、最も好ましくは100モル%である。
また、樹脂(A1)が、構成単位(II)および構成単位(III)の両方を有する場合、樹脂(A1)中の構成単位(II)1モルに対する構成単位(III)の割合は、好ましくは1〜5モルであり、より好ましくは2〜3モルである。
また、樹脂(A1)が、構成単位(II)および構成単位(III)の両方を有する場合、樹脂(A1)中の構成単位(II)1モルに対する構成単位(III)の割合は、好ましくは1〜5モルであり、より好ましくは2〜3モルである。
樹脂(A1)は、さらに、下記一般式(IV)で表される構成単位(以下、構成単位(IV)という)、および/または下記一般式(V)で表される構成単位(以下、構成単位(V)という)を有することが好ましい。これにより、上記構成単位(I)においてnが1である場合と同様、例えば248nmの光の吸収が大きくなるので、KrFエキシマレーザー等にも適したものとなる。
樹脂(A1)中、構成単位(IV)の量は、構成単位(I)の30〜60モル%が好ましく、100モル%がより好ましい。
樹脂(A1)中、構成単位(V)の量は、構成単位(I)の10〜50モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。
また、樹脂(A1)中、構成単位(I):構成単位(IV)および構成単位(V)から選ばれる少なくとも1つの合計のモル比は、好ましくは90:10〜50:50モル%、より好ましくは60:40〜80:20モル%である。
また、樹脂(A1)が、構成単位(IV)および構成単位(V)の両方を有する場合、樹脂(A1)中の構成単位(IV):構成単位(V)の比率(モル比)は、好ましくは40:60〜90:10、より好ましくは60:40である。
樹脂(A1)中、構成単位(V)の量は、構成単位(I)の10〜50モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。
また、樹脂(A1)中、構成単位(I):構成単位(IV)および構成単位(V)から選ばれる少なくとも1つの合計のモル比は、好ましくは90:10〜50:50モル%、より好ましくは60:40〜80:20モル%である。
また、樹脂(A1)が、構成単位(IV)および構成単位(V)の両方を有する場合、樹脂(A1)中の構成単位(IV):構成単位(V)の比率(モル比)は、好ましくは40:60〜90:10、より好ましくは60:40である。
樹脂(A1)の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算)は、特に限定されないが、2000〜20000が好ましく、3000〜10000がより好ましい。Mwを20000以下とすることにより、微細な凹凸を有する基板に対する良好な埋め込み特性が良好であり、特に平坦化の用途に用いる場合に有利である。また、Mwを3000以上とすることにより、酸素プラズマエッチング、フッ化炭素系ガス等によるエッチングに対する耐性が優れたものとなる。
樹脂(A1)の分散度(Mw/Mn)は、4以下が好ましく、2.0〜3.5がより好ましい。分散度が4.0以下であると、昇華物に対して優れたものとなる。
また、樹脂(A1)は、分子量500以下、好ましくは200以下の低核体の含有量が、GPC法において、1質量%以下であることが好ましく、0.8質量%以下であることがより好ましい。低核体の含有量は、少ないほど好ましく、望ましくは0質量%である。
ここで、「分子量500以下の低核体」とは、ポリスチレンを標準としてGPC法により分析した際に分子量500以下の低分子フラクションとして検出されるものである。「分子量500以下の低核体」には、重合しなかったモノマーや、重合度の低いもの、例えば、分子量によっても異なるが、フェノール類2〜5分子がアルデヒド類と縮合したものなどが含まれる。
分子量500以下の低核体の含有量(質量%)は、このGPC法による分析結果を、横軸にフラクション番号、縦軸に濃度をとってグラフとし、全曲線下面積に対する、分子量500以下の低分子フラクションの曲線下面積の割合(%)を求めることにより測定される。
分子量500以下の低核体の含有量が1質量%以下であることにより、微細な凹凸を有する基板に対する埋め込み特性が良好になる。
ここで、「分子量500以下の低核体」とは、ポリスチレンを標準としてGPC法により分析した際に分子量500以下の低分子フラクションとして検出されるものである。「分子量500以下の低核体」には、重合しなかったモノマーや、重合度の低いもの、例えば、分子量によっても異なるが、フェノール類2〜5分子がアルデヒド類と縮合したものなどが含まれる。
分子量500以下の低核体の含有量(質量%)は、このGPC法による分析結果を、横軸にフラクション番号、縦軸に濃度をとってグラフとし、全曲線下面積に対する、分子量500以下の低分子フラクションの曲線下面積の割合(%)を求めることにより測定される。
分子量500以下の低核体の含有量が1質量%以下であることにより、微細な凹凸を有する基板に対する埋め込み特性が良好になる。
樹脂(A1)のMwの調整及び分子量500以下の低核体の除去は、例えば以下のような分別沈殿処理によって行うことができる。まず、例えば後述する方法(1)にようにして得られた縮合生成物を極性溶媒に溶解し、この溶液に対し、水、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の貧溶媒を加える。このとき、分子量500以下の低核体は貧溶媒に溶解したままであるので、析出物をろ取することにより、分子量500以下の低核体の含有量が低減された樹脂を得ることができる。
前記極性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル、テトラヒドロフラン等の環状エーテルなどを挙げることができる。
析出物のMw及び分子量500以下の低核体の含有量は、上述のように、GPC法により確認することができる。
前記極性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル、テトラヒドロフラン等の環状エーテルなどを挙げることができる。
析出物のMw及び分子量500以下の低核体の含有量は、上述のように、GPC法により確認することができる。
(A)成分は、後述するように、樹脂(A1)以外の樹脂を含んでいてもよい。
(A)成分中、樹脂(A1)の割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、最も好ましくは100質量%である。
(A)成分中、樹脂(A1)の割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、最も好ましくは100質量%である。
樹脂(A1)の調製は、一般的にノボラック型フェノール樹脂の製造に用いられている方法により行うことができ、例えば下記(1)、(2)等の方法により調製できる。
(1)酸触媒下で、フェノール類と、アルデヒド類またはケトン類とを反応させる方法
(2)酸触媒下で、フェノール類と、2以上のメチロール基(−CH2OH)が導入されたフェノール類(メチロール体)とを反応させる方法
ここで「フェノール類」とは、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物を意味する。
(1)酸触媒下で、フェノール類と、アルデヒド類またはケトン類とを反応させる方法
(2)酸触媒下で、フェノール類と、2以上のメチロール基(−CH2OH)が導入されたフェノール類(メチロール体)とを反応させる方法
ここで「フェノール類」とは、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物を意味する。
上記方法(1)、(2)において、フェノール類は、少なくとも、構成単位(I)を誘導するモノマー、すなわち、フェノール性水酸基及びシクロヘキシル基等の脂環式基(前記一般式(I)における基R1)を有する芳香族化合物(以下、単に「フェノール化合物(I)」という。)を含有する。
フェノール化合物(I)として、より具体的には、シクロヘキシルフェノール、シクロペンチルフェノール等のシクロアルキルフェノールが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
中でも、シクロヘキシルフェノールが好ましい。特に、o−シクロヘキシルフェノールとp−シクロヘキシルフェノールとの少なくとも1つ、より好ましくはその両方を併用することが好ましい。
フェノール化合物(I)として、より具体的には、シクロヘキシルフェノール、シクロペンチルフェノール等のシクロアルキルフェノールが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
中でも、シクロヘキシルフェノールが好ましい。特に、o−シクロヘキシルフェノールとp−シクロヘキシルフェノールとの少なくとも1つ、より好ましくはその両方を併用することが好ましい。
前記フェノール類としては、フェノール化合物(I)のほかに、例えば例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等を用いてもよい。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
方法(1)は、一般的なノボラック型フェノール樹脂の製造方法であり、反応温度、反応時間等の条件は、一般的に用いられている条件が使用できる。
方法(1)において用いられるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。工業的生産性等を考慮すると、ホルムアルデヒドが最も好ましい。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応時の酸触媒は、特に限定されるものではないが、例えば塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。
方法(1)において用いられるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。工業的生産性等を考慮すると、ホルムアルデヒドが最も好ましい。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応時の酸触媒は、特に限定されるものではないが、例えば塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。
方法(2)において、メチロール体は、フェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒下で反応させることにより製造できる。この際用いられる酸触媒としては、上記方法(1)において述べたのと同様のものが挙げられる。
メチロール体としてより具体的には、上述したフェノール化合物(I)等のフェノール類の芳香環の水素原子2つがメチロール基(−CH2OH)で置換されたジメチロール体が挙げられる。
フェノール類の使用量は、メチロール体1モルに対して、2モル以上が好ましく、2〜4モルの範囲がより好ましい。
フェノール類とメチロール体との反応においては用いられる酸触媒としては、例えば塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸などの無機あるいは有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸が好ましい。
これらの反応は有機溶剤の存在下に行うことが好ましく、有機溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
反応温度は通常80〜140℃である。
反応時間は通常4〜8時間である。
メチロール体としてより具体的には、上述したフェノール化合物(I)等のフェノール類の芳香環の水素原子2つがメチロール基(−CH2OH)で置換されたジメチロール体が挙げられる。
フェノール類の使用量は、メチロール体1モルに対して、2モル以上が好ましく、2〜4モルの範囲がより好ましい。
フェノール類とメチロール体との反応においては用いられる酸触媒としては、例えば塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸などの無機あるいは有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸が好ましい。
これらの反応は有機溶剤の存在下に行うことが好ましく、有機溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
反応温度は通常80〜140℃である。
反応時間は通常4〜8時間である。
上記(2)の方法は、(1)の方法に比べて反応性が高い。そのため、(1)の方法が比較的長時間(8〜12時間程度)要するのに対して比較的短時間(3時間程度)で反応が完了させることができること、(1)の方法に比べて低核体が生じにくく、分散度(Mw/Mn)の小さい樹脂を得やすいこと等の利点を有しており、好ましく用いられる。
<他の(A)成分>
本発明の下地材は、(A)成分として、樹脂(A1)の他、半導体素子や液晶表示素子の製造において、レジスト組成物用等に被膜形成用樹脂として一般的に用いられているものを含んでいてもよい。例えば、樹脂(A1)以外のノボラック型フェノール樹脂(以下、樹脂(A2)という)、アクリル樹脂(以下、樹脂(A3)という)、ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体(以下、樹脂(A4)という)等を例示することができる。
これらの中でも、樹脂(A3)を含有することが好ましい。これにより、例えばArFエキシマレーザー光の反射率をさらに低減でき、例えば4%以下にまで低減できる。
本発明の下地材は、(A)成分として、樹脂(A1)の他、半導体素子や液晶表示素子の製造において、レジスト組成物用等に被膜形成用樹脂として一般的に用いられているものを含んでいてもよい。例えば、樹脂(A1)以外のノボラック型フェノール樹脂(以下、樹脂(A2)という)、アクリル樹脂(以下、樹脂(A3)という)、ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体(以下、樹脂(A4)という)等を例示することができる。
これらの中でも、樹脂(A3)を含有することが好ましい。これにより、例えばArFエキシマレーザー光の反射率をさらに低減でき、例えば4%以下にまで低減できる。
「樹脂(A3)」
本発明において樹脂(A3)が配合されることが好ましい。
樹脂(A3)としては、下地材用の樹脂として一般的に用いられているものが使用可能であり、例えば、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位と、カルボキシル基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含有するアクリル樹脂を挙げることができる。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができる。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
カルボキシル基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
特に、側鎖に脂環式部位又は芳香族環を有するアクリル樹脂は、アルカリ現像液に対する耐性が良好であることから好ましく用いられる。また、ArFレジスト組成物に用いられている公知の(メタ)アクリル系樹脂を組み合わせて用いることもできる。
本発明において樹脂(A3)が配合されることが好ましい。
樹脂(A3)としては、下地材用の樹脂として一般的に用いられているものが使用可能であり、例えば、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位と、カルボキシル基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含有するアクリル樹脂を挙げることができる。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができる。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
カルボキシル基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
特に、側鎖に脂環式部位又は芳香族環を有するアクリル樹脂は、アルカリ現像液に対する耐性が良好であることから好ましく用いられる。また、ArFレジスト組成物に用いられている公知の(メタ)アクリル系樹脂を組み合わせて用いることもできる。
樹脂(A3)は、Mwが3000〜30000、好ましくは6000〜20000の範囲内のものが好ましい。Mwが3000以上であると、アルカリ現像液に対する耐性が良好であり、また、Mwが30000以下であると、埋め込み特性が向上する傾向があり、好ましい。
樹脂(A3)の配合量は、樹脂(A1)に対し、好ましくは30〜60質量%、より好ましくは35〜45質量%である。
<架橋剤成分(B)>
本発明の下地材は、さらに、架橋剤成分(以下、(B)成分という)を含有することが好ましい。このような(B)成分を含有することにより、下層膜の成膜性が向上する。下層膜の成膜性が向上すると、下層膜の上にレジスト組成物を塗布してホトレジスト層を設ける際のインターミキシングの発生が低減される。
(B)成分は、特に限定されず、これまでに知られているネガ型レジスト組成物に用いられている架橋剤成分の中から任意に選択して用いることができるが、N位が、架橋形成基であるヒドロキシアルキル基および/または低級アルコキシアルキル基で置換されたグリコールウリルを用いることが好ましい。このような架橋剤は、従来使用されてきたアルコキシメチル化メラミンやアルコキシメチル化尿素に比べ、架橋能力は低いが、このような架橋能力の低さを逆に利用し、オニウム塩とを組み合わせることにより、基板とホトレジスト層との間に下層膜を設ける構成において、ホトレジスト層に形成されるレジストパターンの裾ひき形状、エッジラフネスの低減、T型形状断面等の形状不良を改善することができる。
本発明の下地材は、さらに、架橋剤成分(以下、(B)成分という)を含有することが好ましい。このような(B)成分を含有することにより、下層膜の成膜性が向上する。下層膜の成膜性が向上すると、下層膜の上にレジスト組成物を塗布してホトレジスト層を設ける際のインターミキシングの発生が低減される。
(B)成分は、特に限定されず、これまでに知られているネガ型レジスト組成物に用いられている架橋剤成分の中から任意に選択して用いることができるが、N位が、架橋形成基であるヒドロキシアルキル基および/または低級アルコキシアルキル基で置換されたグリコールウリルを用いることが好ましい。このような架橋剤は、従来使用されてきたアルコキシメチル化メラミンやアルコキシメチル化尿素に比べ、架橋能力は低いが、このような架橋能力の低さを逆に利用し、オニウム塩とを組み合わせることにより、基板とホトレジスト層との間に下層膜を設ける構成において、ホトレジスト層に形成されるレジストパターンの裾ひき形状、エッジラフネスの低減、T型形状断面等の形状不良を改善することができる。
上記グリコールウリルからなる架橋剤は、グリコールウリルとホルマリンを縮合反応させることにより、またこの生成物を低級アルコールと反応させることにより得ることができる。このような架橋剤としては、例えばモノ,ジ,トリ又はテトラヒドロキシメチルグリコールウリル、モノ,ジ,トリ又はテトラメトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ又はテトラエトキシメチルグリコールウリル、モノ,ジ,トリ又はテトラプロポキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ又はテトラブトキシメチル化グリコールウリルなどがある。特には、そのトリ体やテトラ体が好ましく。なお、このような架橋剤は、例えば市販品「Mx270」(三和ケミカル社製)として入手することができる。このものはトリ体、テトラ体がほとんどであり、また、単量体、二量体、三量体の混合物である。
この(B)成分は、(A)成分100質量部に対し、好ましくは3〜50質量部、より好ましくは10〜20質量部の割合で配合される。下限値以上であると、架橋形成が進みやすい。上限値以下であると、ArF、KrF等のエキシマレーザー光に対する反射率を充分に低減でき、また、レジスト塗布液の保存安定性や感度の経時的劣化が生じにくい。
<ナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化された分子量200以上のフェノール誘導体(C)>
本発明の下地材は、さらに、ナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化された分子量200以上のフェノール誘導体(以下、(C)成分という)を含有することが好ましい。このような(C)成分を含有することにより、下層膜の成膜性が向上する。そのため、(A)成分の組成によっても異なるが、(C)成分を含有しない場合は、十分な成膜のためには例えば300℃程度の温度で加熱することが好ましいが、(C)成分を含有することにより、例えば200℃程度の温度でも、エッチング耐性や有機溶剤耐性が十分な下層膜が得られる。なお、上記フェノール誘導体を得るには、上記スルホン酸として、反応性に優れることからスルホン酸クロライドのようなスルホン酸ハロゲン化物を用いてエステル化するのが好ましい。従って、上記スルホン酸とは、このようなハロンゲン化物のような反応性誘導体も含むものである。
(C)成分を用いることにより成膜性が向上する理由としては、200℃以上の温度での加熱により、(C)成分が(A)成分に対し、架橋剤として働くことが考えられる。
また、(C)成分を用いると、一般的に下地材に用いられている架橋剤を用いるよりも、昇華物の発生が少ない。これは、(C)成分が、(A)成分との間で架橋を形成しやすく、(A)成分中の低核体や、未架橋の(C)成分に由来する昇華物の発生が少ないためと推測される。
本発明の下地材は、さらに、ナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化された分子量200以上のフェノール誘導体(以下、(C)成分という)を含有することが好ましい。このような(C)成分を含有することにより、下層膜の成膜性が向上する。そのため、(A)成分の組成によっても異なるが、(C)成分を含有しない場合は、十分な成膜のためには例えば300℃程度の温度で加熱することが好ましいが、(C)成分を含有することにより、例えば200℃程度の温度でも、エッチング耐性や有機溶剤耐性が十分な下層膜が得られる。なお、上記フェノール誘導体を得るには、上記スルホン酸として、反応性に優れることからスルホン酸クロライドのようなスルホン酸ハロゲン化物を用いてエステル化するのが好ましい。従って、上記スルホン酸とは、このようなハロンゲン化物のような反応性誘導体も含むものである。
(C)成分を用いることにより成膜性が向上する理由としては、200℃以上の温度での加熱により、(C)成分が(A)成分に対し、架橋剤として働くことが考えられる。
また、(C)成分を用いると、一般的に下地材に用いられている架橋剤を用いるよりも、昇華物の発生が少ない。これは、(C)成分が、(A)成分との間で架橋を形成しやすく、(A)成分中の低核体や、未架橋の(C)成分に由来する昇華物の発生が少ないためと推測される。
(C)成分として、より具体的には、例えば特開2002−278062号公報においてポジ型感光性樹脂組成物の感光性成分として提案されている、下記一般式(c−1)、(c−2)、(c−3)で表される化合物を挙げることができる。これらの化合物は、単独でも、2種以上を混合して用いても良い。
特に、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ヒドロキシフェニルメタンと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとのエステル化反応生成物は、優れた成膜性改善効果を有している。
(C)成分の配合量は、(A)成分に対して、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
<その他の成分>
本発明の下地材は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分等に対して混和性のある添加剤、例えば、塗布性の向上やストリエーション防止のための界面活性剤や、露光光に対して吸収を有し、基板からの反射によって生じる定在波や乱反射を防止しうる吸光性物質、下層膜の性能を改良するための付加的樹脂、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを含有しても良い。
界面活性剤としては、XR−104(大日本インキ社製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
吸光性物質としては、これまで、下地材や反射防止膜の成分として用いられているものの中から任意に選んで使用することができる。これらの吸光性物質は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の下地材は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分等に対して混和性のある添加剤、例えば、塗布性の向上やストリエーション防止のための界面活性剤や、露光光に対して吸収を有し、基板からの反射によって生じる定在波や乱反射を防止しうる吸光性物質、下層膜の性能を改良するための付加的樹脂、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを含有しても良い。
界面活性剤としては、XR−104(大日本インキ社製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
吸光性物質としては、これまで、下地材や反射防止膜の成分として用いられているものの中から任意に選んで使用することができる。これらの吸光性物質は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の下地材は、前述の(A)成分、及び(B)成分等の任意の成分を適当な溶剤に溶解して溶液の形で用いるのが好ましい。
このような溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、1,1,1‐トリメチルアセトンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール又はジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、あるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環状エーテル類や、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
このような溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、1,1,1‐トリメチルアセトンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール又はジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、あるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環状エーテル類や、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
<下層膜>
本発明の下地材は、基板とホトレジスト層との間に下層膜を形成するために用いられる。
(A)成分として樹脂(A1)を含有する本発明の下地材を用いることにより、下記のように優れた光学特性を有する下層膜が得られる。
例えばArFエキシマレーザー(193nm)に対して、屈折率(n値)が1.4〜1.7、より好ましくは1.5〜1.6、消衰係数(k値)が0.05〜0.5、より好ましくは0.1〜0.35、反射率が1%〜4%、より好ましくは、1%〜3%の下層膜が得られる。
特に、(A)成分がさらに樹脂(A3)を含有すると、ArFエキシマレーザーに対して、屈折率(n値)が1.5〜1.7、より好ましくは1.5〜1.6、消衰係数(k値)が0.1〜0.4、より好ましくは0.1〜0.3、反射率が0.5%〜2%、より好ましくは、0.5%〜1%の下層膜が得られる。
また、樹脂(A1)が、nが1である構成単位(I)を有するか、あるいは構成単位(IV)または(V)を有すると、例えばKrFエキシマレーザー(248nm)に対して、屈折率(n値)が1.5〜1.9、より好ましくは1.6〜1.8、消衰係数(k値)が0.15〜0.45、より好ましくは0.15〜0.35、反射率が0.5%〜2% 、より好ましくは0.5%〜1%の下層膜が得られる。
本発明の下地材は、基板とホトレジスト層との間に下層膜を形成するために用いられる。
(A)成分として樹脂(A1)を含有する本発明の下地材を用いることにより、下記のように優れた光学特性を有する下層膜が得られる。
例えばArFエキシマレーザー(193nm)に対して、屈折率(n値)が1.4〜1.7、より好ましくは1.5〜1.6、消衰係数(k値)が0.05〜0.5、より好ましくは0.1〜0.35、反射率が1%〜4%、より好ましくは、1%〜3%の下層膜が得られる。
特に、(A)成分がさらに樹脂(A3)を含有すると、ArFエキシマレーザーに対して、屈折率(n値)が1.5〜1.7、より好ましくは1.5〜1.6、消衰係数(k値)が0.1〜0.4、より好ましくは0.1〜0.3、反射率が0.5%〜2%、より好ましくは、0.5%〜1%の下層膜が得られる。
また、樹脂(A1)が、nが1である構成単位(I)を有するか、あるいは構成単位(IV)または(V)を有すると、例えばKrFエキシマレーザー(248nm)に対して、屈折率(n値)が1.5〜1.9、より好ましくは1.6〜1.8、消衰係数(k値)が0.15〜0.45、より好ましくは0.15〜0.35、反射率が0.5%〜2% 、より好ましくは0.5%〜1%の下層膜が得られる。
下層膜の厚さは、反射防止膜として用いる場合は、好ましくは30〜500nm、より好ましくは50〜250nmであり、平坦化膜として用いる場合は、好ましくは100〜1000nm、より好ましくは200〜600nmであり、多層プロセスに用いる場合は、好ましくは200nm以上である。
下層膜は、例えば後述するように、基板上に、本発明の下地材を上述したような溶剤に溶解して調製した下地材溶液を塗布することにより形成できる。
<ホトレジスト層>
下層膜上に形成されるホトレジスト層を形成するために用いられるレジスト組成物としては、特に制限はない。本発明の下地材は、ネガ型、ポジ型を問わずどのようなレジスト組成物に対しても利用することができ、露光光源に応じ、市販のレジスト組成物を選択して用いることができる。
例えば、ナフトキノンジアジド化合物とノボラック樹脂を含有する非化学増幅型のポジ型レジスト組成物や、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分及び露光により酸を発生する酸発生剤成分を含む化学増幅型レジスト組成物などが挙げられる。
下層膜上に形成されるホトレジスト層を形成するために用いられるレジスト組成物としては、特に制限はない。本発明の下地材は、ネガ型、ポジ型を問わずどのようなレジスト組成物に対しても利用することができ、露光光源に応じ、市販のレジスト組成物を選択して用いることができる。
例えば、ナフトキノンジアジド化合物とノボラック樹脂を含有する非化学増幅型のポジ型レジスト組成物や、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分及び露光により酸を発生する酸発生剤成分を含む化学増幅型レジスト組成物などが挙げられる。
特に、KrFやArFエキシマレーザーや、それよりも短波長の光源を用いる場合には、微細解像性に優れることから、化学増幅型レジスト組成物が好ましく用いられる。
化学増幅型レジスト組成物には、酸発生剤と、酸解離性溶解抑制基を有し、酸によりアルカリ溶解性が増大するアルカリ不溶性樹脂とを含有するポジ型のものと、酸発生剤、架橋剤、アルカリ可溶性樹脂とを含有するネガ型のものとがある。
ポジ型の場合、レジストパターン形成時に露光により酸発生剤から酸が発生すると、かかる酸が酸解離性溶解抑制基を解離させることによりアルカリ可溶性となる。一方、ネガ型の場合、露光により酸が発生すると、かかる酸が作用して、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤との間で架橋が起こりアルカリ不溶性となる。
化学増幅型レジスト組成物には、酸発生剤と、酸解離性溶解抑制基を有し、酸によりアルカリ溶解性が増大するアルカリ不溶性樹脂とを含有するポジ型のものと、酸発生剤、架橋剤、アルカリ可溶性樹脂とを含有するネガ型のものとがある。
ポジ型の場合、レジストパターン形成時に露光により酸発生剤から酸が発生すると、かかる酸が酸解離性溶解抑制基を解離させることによりアルカリ可溶性となる。一方、ネガ型の場合、露光により酸が発生すると、かかる酸が作用して、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤との間で架橋が起こりアルカリ不溶性となる。
KrF用の化学増幅型レジスト組成物としては、t−ブトキシカルボニル基等の溶解抑制基を有するポリヒドロキシスチレン等を含有するものが知られている。
ArF用の化学増幅型レジスト組成物としては、メタクリル樹脂の側鎖にアダマンチル基等の脂肪族多環式基を導入したり、主鎖にノルボルニル基などの脂肪族多環式基を含む樹脂等を含有するものが知られている。
ArF用の化学増幅型レジスト組成物としては、メタクリル樹脂の側鎖にアダマンチル基等の脂肪族多環式基を導入したり、主鎖にノルボルニル基などの脂肪族多環式基を含む樹脂等を含有するものが知られている。
また、2層レジスト法や3層レジスト法等の多層プロセスを行う場合は、例えば特許文献4,5等に記載されるようなシリコン含有ポリマーを含有する化学増幅型レジストを用いることが好ましい。なお、下地材とレジスト層との間に、シリカ系の無機膜からなる中間膜(ハードマスク)を設ける3層レジスト法を行う場合には、シリコン含有ポリマーを含有するものに限定されず、上述したArF用あるいはKrF用等の化学増幅型レジスト組成物等の任意のレジスト組成物が使用可能である。
上述した本発明の下地材を用いることにより、例えばKrF、ArF等のエキシマレーザーなどの短波長の露光光の反射率が低い下層膜を形成できる。
本発明において、反射率が低減される理由は定かではないが、比較的嵩高い脂環式基であるR1を含有する構成単位(I)を有することにより、樹脂(A1)の吸収がシフトすること、露光光の反射率を低下させる要因であるベンゼン環の密度が低減されること、が考えられる。
また、本発明の下地材を用いて得られる下層膜は、嵩高い脂環式基であるR1を含有することにより、酸素プラズマに対する適度なエッチング耐性、すなわち酸素プラズマによるエッチングに対する適度なエッチレートを有している。
さらに、本発明の下地材は、上述したような、2層レジスト法や3層レジスト法のような多層プロセスに用いた場合に、下層膜上に形成されるレジスト層とのマッチングが良好であり、ホトレジスト層の現像後に、下層膜上へのホトレジストの残留(スカム)も見られない。また、ホトレジスト層に形成されるレジストパターンの形状も、SWやすそ引き等のない良好なものである。
本発明において、反射率が低減される理由は定かではないが、比較的嵩高い脂環式基であるR1を含有する構成単位(I)を有することにより、樹脂(A1)の吸収がシフトすること、露光光の反射率を低下させる要因であるベンゼン環の密度が低減されること、が考えられる。
また、本発明の下地材を用いて得られる下層膜は、嵩高い脂環式基であるR1を含有することにより、酸素プラズマに対する適度なエッチング耐性、すなわち酸素プラズマによるエッチングに対する適度なエッチレートを有している。
さらに、本発明の下地材は、上述したような、2層レジスト法や3層レジスト法のような多層プロセスに用いた場合に、下層膜上に形成されるレジスト層とのマッチングが良好であり、ホトレジスト層の現像後に、下層膜上へのホトレジストの残留(スカム)も見られない。また、ホトレジスト層に形成されるレジストパターンの形状も、SWやすそ引き等のない良好なものである。
≪多層レジストパターン形成方法≫
本発明の多層レジストパターン形成方法は、本発明の下地材を用いて、例えば以下の様にして行うことができる。
まず、シリコンウェーハ等の基板上に、本発明の下地材を上述したような溶剤に溶解して調製した下地材溶液をスピンナーなどにより回転塗布したのち、200℃以上、好ましくは200〜300℃の温度で加熱することによって成膜し、好ましくは200nm以上、より好ましくは250〜500nmの膜厚の下層膜を形成する。
この下層膜は、加熱による成膜(焼成)により、アルカリに対して不溶となる。また、有機溶剤に対する耐性も高まり、下層膜上にレジスト組成物を塗布してホトレジスト層を形成する際にインターミキシングが生じにくくなる。
本発明の多層レジストパターン形成方法は、本発明の下地材を用いて、例えば以下の様にして行うことができる。
まず、シリコンウェーハ等の基板上に、本発明の下地材を上述したような溶剤に溶解して調製した下地材溶液をスピンナーなどにより回転塗布したのち、200℃以上、好ましくは200〜300℃の温度で加熱することによって成膜し、好ましくは200nm以上、より好ましくは250〜500nmの膜厚の下層膜を形成する。
この下層膜は、加熱による成膜(焼成)により、アルカリに対して不溶となる。また、有機溶剤に対する耐性も高まり、下層膜上にレジスト組成物を塗布してホトレジスト層を形成する際にインターミキシングが生じにくくなる。
基板としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンや段差が形成されたものなどを例示することができる。
基板材料としては、例えばシリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属や、ガラスなどが挙げられる。
配線パターンの材料としては、例えば珪素、銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金、又はこれらの合金などが使用可能である。
基板材料としては、例えばシリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属や、ガラスなどが挙げられる。
配線パターンの材料としては、例えば珪素、銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金、又はこれらの合金などが使用可能である。
次に、下層膜上に、レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、ホトレジスト層を形成する。
ホトレジスト層の厚さは、好ましくは10〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。特に、シリコン含有ポリマーを含有する化学増幅型レジストを用いる場合は、好ましくは100〜200nm、より好ましくは130〜170nmである。
2層レジスト法のときは、下層膜上に直接レジスト膜が設ければよいが、3層レジスト法のときは、下層膜上にシリコン系の被膜を介在させてその上にレジスト膜を設けて使用される。
このホトレジスト層に対し、例えばKrF露光装置などにより、KrFエキシマレーザー光を、所望のマスクパターンを介して選択的に露光する。レジスト組成物として化学増幅型レジストを用いる場合は、露光後、PEB(露光後加熱)を、80〜150℃の温度条件下、40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
ホトレジスト層の厚さは、好ましくは10〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。特に、シリコン含有ポリマーを含有する化学増幅型レジストを用いる場合は、好ましくは100〜200nm、より好ましくは130〜170nmである。
2層レジスト法のときは、下層膜上に直接レジスト膜が設ければよいが、3層レジスト法のときは、下層膜上にシリコン系の被膜を介在させてその上にレジスト膜を設けて使用される。
このホトレジスト層に対し、例えばKrF露光装置などにより、KrFエキシマレーザー光を、所望のマスクパターンを介して選択的に露光する。レジスト組成物として化学増幅型レジストを用いる場合は、露光後、PEB(露光後加熱)を、80〜150℃の温度条件下、40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
露光に使用する光源としては、特にKrF又はArFエキシマレーザーに有用であるが、それより長波長のg線やi線、それより短波長のF2レーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、電子線、X線、軟X線などの放射線に対しても有効である。
次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.05〜10質量%、好ましくは0.05〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このとき、レジストがポジ型であれば露光部分が、ネガ型であれば未露光部分が選択的に溶解除去されて、マスクパターンに忠実なレジストパターンが形成される。このようにして、ホトレジスト層に、マスクパターンに忠実なレジストパターンを形成する。
次に、2層レジスト法のときは、得られたレジストパターンをマスクパターンとして、前記下層膜を酸素プラズマによりエッチングし、前記下層膜に当該レジストパターンを転写する。3層レジスト法のときは、シリカ系の無機又は有機膜からなる中間膜(ハードマスク)をエッチング可能なフッ化炭素系ガス等でエッチングした後、同様にして前記下層膜を酸素プラズマによりエッチングし、前記下層膜に当該レジストパターンを転写する。
次に、2層レジスト法のときは、得られたレジストパターンをマスクパターンとして、前記下層膜を酸素プラズマによりエッチングし、前記下層膜に当該レジストパターンを転写する。3層レジスト法のときは、シリカ系の無機又は有機膜からなる中間膜(ハードマスク)をエッチング可能なフッ化炭素系ガス等でエッチングした後、同様にして前記下層膜を酸素プラズマによりエッチングし、前記下層膜に当該レジストパターンを転写する。
この様な本発明の多層レジストパターン形成方法によれば、形成される下層膜の、KrF、ArF等の短波長の光源に対する反射率が低減されているので、ホトレジスト層に、垂直性の高い、マスクパターンに忠実なレジストパターンを形成することができる。
また、下層膜の、酸素プラズマエッチングに対するエッチング耐性が高いので、ホトレジスト層のレジストパターンを下層膜に転写した際、下層膜に形成されるパターンの形状が良好なものとなる。
さらに、下層膜とホトレジスト層とのマッチングが良好で、ホトレジスト層にレジストパターンを形成した際、パターン形状にすそ引き等がなく、現像後に下層膜上に残留するホトレジストの残渣(スカム)も見られない。
なお、本発明の下地材は、このような2層レジスト法、3層レジスト法等のほか、通常の反射防止、平坦化等の用途にも使用可能である。
また、下層膜の、酸素プラズマエッチングに対するエッチング耐性が高いので、ホトレジスト層のレジストパターンを下層膜に転写した際、下層膜に形成されるパターンの形状が良好なものとなる。
さらに、下層膜とホトレジスト層とのマッチングが良好で、ホトレジスト層にレジストパターンを形成した際、パターン形状にすそ引き等がなく、現像後に下層膜上に残留するホトレジストの残渣(スカム)も見られない。
なお、本発明の下地材は、このような2層レジスト法、3層レジスト法等のほか、通常の反射防止、平坦化等の用途にも使用可能である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
合成例1
γ−ブチロラクトン100質量部に2−シクロヘキシルフェノール10質量部とp−トルエンスルホン酸(PTSA)1質量部とを100℃で溶解させた。
次いで、2,6−ジメチロール−4−シクロヘキシルフェノール20質量部を、γ−ブチロラクトンに溶解させて25質量%溶液とし、これを前記2−シクロヘキシルフェノールの溶液中に滴下して、下記[化9]の反応式により反応させ、フェノール樹脂(a1)(Mw=5000、Mw/Mn=2.8、分子量500以下未満の低核体の含有量=
2質量%)を得た。
γ−ブチロラクトン100質量部に2−シクロヘキシルフェノール10質量部とp−トルエンスルホン酸(PTSA)1質量部とを100℃で溶解させた。
次いで、2,6−ジメチロール−4−シクロヘキシルフェノール20質量部を、γ−ブチロラクトンに溶解させて25質量%溶液とし、これを前記2−シクロヘキシルフェノールの溶液中に滴下して、下記[化9]の反応式により反応させ、フェノール樹脂(a1)(Mw=5000、Mw/Mn=2.8、分子量500以下未満の低核体の含有量=
2質量%)を得た。
得られた樹脂(a1)を、室温で、メタノールに溶解し、15質量%溶液とした。そこに、メタノールの2倍量の水を加え、生じた析出物を取り出すことにより、分子量500以下未満の低核体が低減されたフェノール樹脂(a2)(Mw=6500、Mw/Mn=2.1、分子量500以下未満の低核体の含有量=0.8質量%)を得た。
なお、得られたフェノール樹脂のMw、分子量500以下の低核体の含有量は、下記の装置と条件で、ポリスチレンを標準としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置名:SYSTEM 11(昭和電工社製)
プレカラム:KF−G
カラム:KF−802
検出器:UV41(280nmで測定)
溶媒等:流量1.0mL/分でテトラヒドロフランを流し、35℃にて測定
装置名:SYSTEM 11(昭和電工社製)
プレカラム:KF−G
カラム:KF−802
検出器:UV41(280nmで測定)
溶媒等:流量1.0mL/分でテトラヒドロフランを流し、35℃にて測定
実施例1
下記(A)成分100質量部に、下記(B)成分20質量部を添加し、これをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して、固形分濃度12質量%の下地材溶液を調製した。
(A)成分:合成例1で得られたフェノール樹脂(a1)100質量部、
(B)成分:グリコールウリル系架橋剤(製品名:MX270、三和ケミカル社製)
下記(A)成分100質量部に、下記(B)成分20質量部を添加し、これをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して、固形分濃度12質量%の下地材溶液を調製した。
(A)成分:合成例1で得られたフェノール樹脂(a1)100質量部、
(B)成分:グリコールウリル系架橋剤(製品名:MX270、三和ケミカル社製)
得られた下地材溶液を、8インチのシリコンウェーハ上にスピンナーを用いて塗布し、100℃で90秒間、及び250℃で90秒間の2段階のベーク処理を施して成膜し、膜厚300nmの下層膜を形成し、積層体を形成した。
得られた積層体について、分光エリプソメーター(製品名:WVASE32、woollam JAPAN社製)を用いて、193nm、248nmにおける屈折率n、k値、及び反射率を測定した。
その結果、193nmにおける屈折率nは1.46、k値は0.46、反射率は2.97%であった。また、248nmにおける屈折率nは1.80、k値は0.034 、反射率は5.1%であった。
その結果、193nmにおける屈折率nは1.46、k値は0.46、反射率は2.97%であった。また、248nmにおける屈折率nは1.80、k値は0.034 、反射率は5.1%であった。
次いで、形成した下層膜上に、シリコン含有ポリマーを含有するポジ型レジスト組成物をスピンナーを用いて塗布し、100℃で90秒間ベーク処理することにより、膜厚150nmのホトレジスト層を形成し、該ホトレジスト層に対し、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製、NA=0.6、2/3Annular)により、ArFエキシマレーザをマスクパターンを介して選択的に照射し、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像処理したところ、ホトレジスト層に110nmのラインアンドスペース(L&S)パターンが形成された。
得られたパターンを、測長SEM(製品名『S9920』;日立製作所社製)、断面SEM(製品名『S4500』;日立製作所社製)にて観察した。
その結果、L&Sパターンの形状は、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
その結果、L&Sパターンの形状は、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
次いで、上記L&Sパターンをマスクパターンとして、高真空RIE装置(東京応化工業社製)を用いて、下層膜に対して、酸素と窒素の混合ガスから得られるプラズマによるドライエッチングを行ったところ、下層膜に、垂直性の高いL&Sパターンが形成された。下層膜のエッチレートは、0.95nm/sであった。
実施例2
実施例1において、(A)成分を、合成例1で得られたフェノール樹脂(a2)に代えた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
該積層体の、193nmにおける屈折率nは1.46、k値は0.46、反射率は2.9%であった。また、248nmにおける屈折率nは1.80、k値は0.034、反射率は5.1%であった。
実施例1において、(A)成分を、合成例1で得られたフェノール樹脂(a2)に代えた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
該積層体の、193nmにおける屈折率nは1.46、k値は0.46、反射率は2.9%であった。また、248nmにおける屈折率nは1.80、k値は0.034、反射率は5.1%であった。
次いで、形成した下層膜上に、実施例1と同様にしてホトレジスト層を形成し、選択的露光を行って現像処理したところ、ホトレジスト層に110nmのL&Sパターンが形成された。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
次いで、実施例1と同様にして、下層膜に対して、酸素と窒素の混合ガスから得られるプラズマによるドライエッチングを行ったところ、下層膜に、垂直性の高いL&Sパターンが形成された。下層膜のエッチレートは、0.94nm/sであった。
実施例3
実施例1において、(A)成分として、合成例1で得られたフェノール樹脂(a1)60質量部と、下記アクリルポリマー(A3)40質量部との混合物を用いた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
(A3):Mw=10000、
実施例1において、(A)成分として、合成例1で得られたフェノール樹脂(a1)60質量部と、下記アクリルポリマー(A3)40質量部との混合物を用いた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
(A3):Mw=10000、
該積層体の、193nmにおける屈折率n=1.54、k値は0.37、反射率は1.74%であった。また、248nmにおける屈折率nは1.75、k値は0.024 、反射率は10.6%であった。
次いで、形成した下層膜上に、実施例1と同様にしてホトレジスト層を形成し、選択的露光を行って現像処理したところ、ホトレジスト層に110nmのL&Sパターンが形成された。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
次いで、実施例1と同様にして、下層膜に対して、酸素と窒素の混合ガスから得られるプラズマによるドライエッチングを行ったところ、下層膜に、垂直性の高いL&Sパターンが形成された。下層膜のエッチレートは、1.20nm/sであった。
比較例1
実施例1において、(A)成分を、m−クレゾールとp−クレゾールとの縮合反応により得られるノボラック樹脂(製品名:TBLC−100、東京応化工業(株)製)に代えた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
該積層体の、193nmにおける屈折率nは1.37、k値は0.84、反射率は8.11%であった。また、248nmにおける屈折率nは1.97、k値は0.11、反射率は1.2%であった。
実施例1において、(A)成分を、m−クレゾールとp−クレゾールとの縮合反応により得られるノボラック樹脂(製品名:TBLC−100、東京応化工業(株)製)に代えた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
該積層体の、193nmにおける屈折率nは1.37、k値は0.84、反射率は8.11%であった。また、248nmにおける屈折率nは1.97、k値は0.11、反射率は1.2%であった。
次いで、形成した下層膜上に、実施例1と同様にしてホトレジスト層を形成し、選択的露光を行って現像処理したところ、ホトレジスト層に110nmのL&Sパターンが形成された。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWやスカムの発生はなかったものの、すそ引きが生じていた。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWやスカムの発生はなかったものの、すそ引きが生じていた。
次いで、実施例1と同様にして、下層膜に対して、酸素と窒素の混合ガスから得られるプラズマによるドライエッチングを行ったところ、下層膜に形成されたL&Sパターンの形状は、垂直性がある矩形形状であった。下層膜のエッチレートは、1.18nm/sであった。
合成例2
γ−ブチロラクトン100質量部に1,6−ジヒドロキシナフタレン10質量部とp−トルエンスルホン酸(PTSA)1質量部とを100℃で溶解させた。
次いで、2,6−ジメチロール−4−シクロヘキシルフェノール30質量部を、γ−ブチロラクトンに溶解させて25質量%溶液とし、これを前記1,6−ジヒドロキシナフタレンの溶液中に滴下して、反応させることで、フェノール樹脂(a3)(Mw=47000、Mw/Mn=3.1)を得た。
γ−ブチロラクトン100質量部に1,6−ジヒドロキシナフタレン10質量部とp−トルエンスルホン酸(PTSA)1質量部とを100℃で溶解させた。
次いで、2,6−ジメチロール−4−シクロヘキシルフェノール30質量部を、γ−ブチロラクトンに溶解させて25質量%溶液とし、これを前記1,6−ジヒドロキシナフタレンの溶液中に滴下して、反応させることで、フェノール樹脂(a3)(Mw=47000、Mw/Mn=3.1)を得た。
実施例4
実施例1において、(A)成分として、合成例2で得られたフェノール樹脂(a3)を用いた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
該積層体の、193nmにおける屈折率nは1.44、k値は0.46、反射率は3.17%であった。また、248nmにおける屈折率n=1.81、k値は0.41、反射率は1.5%であった。
実施例1において、(A)成分として、合成例2で得られたフェノール樹脂(a3)を用いた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
該積層体の、193nmにおける屈折率nは1.44、k値は0.46、反射率は3.17%であった。また、248nmにおける屈折率n=1.81、k値は0.41、反射率は1.5%であった。
次いで、形成した下層膜上に、実施例1と同様にしてホトレジスト層を形成し、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製、NA=0.6、2/3Annular)を用いて選択的露光を行って現像処理したところ、ホトレジスト層に110nmのL&Sパターンが形成された。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
次いで、実施例1と同様にして、下層膜に対して、酸素と窒素の混合ガスから得られるプラズマによるドライエッチングを行ったところ、下層膜に、垂直性の高いL&Sパターンが形成された。下層膜のエッチレートは、0.84nm/sであった。
合成例3
γ−ブチロラクトン100質量部に9−ヒドロキシメチルアントラセン5質量部とp−トルエンスルホン酸(PTSA)1質量部とを100℃で溶解させた。
次いで、2,6−ジメチロール−4−シクロヘキシルフェノール20質量部と2−シクロヘキシルフェノール20質量部とを、γ−ブチロラクトンに溶解させて25質量%溶液とし、これを前記9−ヒドロキシメチルアントラセンの溶液中に滴下して、反応させることで、フェノール樹脂(a4)(Mw=45000、Mw/Mn=2.95)を得た。
γ−ブチロラクトン100質量部に9−ヒドロキシメチルアントラセン5質量部とp−トルエンスルホン酸(PTSA)1質量部とを100℃で溶解させた。
次いで、2,6−ジメチロール−4−シクロヘキシルフェノール20質量部と2−シクロヘキシルフェノール20質量部とを、γ−ブチロラクトンに溶解させて25質量%溶液とし、これを前記9−ヒドロキシメチルアントラセンの溶液中に滴下して、反応させることで、フェノール樹脂(a4)(Mw=45000、Mw/Mn=2.95)を得た。
実施例5
実施例1において、(A)成分として、合成例3で得られたフェノール樹脂(a4)を用いた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
該積層体の、193nmにおける屈折率nは1.48、k値は0.49、反射率は3.13%であった。また、248nmにおける屈折率n=1.76、k値は0.15、反射率は0.25%であった。
実施例1において、(A)成分として、合成例3で得られたフェノール樹脂(a4)を用いた以外は実施例1と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して積層体を形成した。
該積層体の、193nmにおける屈折率nは1.48、k値は0.49、反射率は3.13%であった。また、248nmにおける屈折率n=1.76、k値は0.15、反射率は0.25%であった。
次いで、形成した下層膜上に、実施例1と同様にしてホトレジスト層を形成し、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製、NA=0.6、2/3Annular)を用いて選択的露光を行って現像処理したところ、ホトレジスト層に110nmのL&Sパターンが形成された。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
次いで、実施例1と同様にして、下層膜に対して、酸素と窒素の混合ガスから得られるプラズマによるドライエッチングを行ったところ、下層膜に、垂直性の高いL&Sパターンが形成された。下層膜のエッチレートは、0.84nm/sであった。
実施例6
実施例4において、ホトレジスト層の露光に、ArF露光装置NSR−S302に代えて、KrF露光装置NSR−S203(ニコン社製;NA=0.68、2/3Annular)を用いた以外は実施例4と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して、L&Sパターンを形成した。
その結果、ホトレジスト層に120nmのL&Sパターンが形成された。また、得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
実施例4において、ホトレジスト層の露光に、ArF露光装置NSR−S302に代えて、KrF露光装置NSR−S203(ニコン社製;NA=0.68、2/3Annular)を用いた以外は実施例4と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して、L&Sパターンを形成した。
その結果、ホトレジスト層に120nmのL&Sパターンが形成された。また、得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
実施例7
実施例5において、ホトレジスト層の露光に、ArF露光装置S302に代えて、KrF露光装置NSR−S203(ニコン社製;NA=0.68、2/3Annular)を用いた以外は実施例5と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して、L&Sパターンを形成した。
その結果、ホトレジスト層に120nmのL&Sパターンが形成された。また、得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
実施例5において、ホトレジスト層の露光に、ArF露光装置S302に代えて、KrF露光装置NSR−S203(ニコン社製;NA=0.68、2/3Annular)を用いた以外は実施例5と同様にして下地材を調製し、下層膜を形成して、L&Sパターンを形成した。
その結果、ホトレジスト層に120nmのL&Sパターンが形成された。また、得られたパターンを実施例1と同様にして観察したところ、SWの発生やすそ引きのない良好なものであった。また、下層膜上に、ホトレジストの残渣(スカム)も見られなかった。
これらの結果から、本発明の下地材(実施例1〜7)を用いることによって、反射率が低く、酸素プラズマに対するエッチング耐性に優れた下層膜を形成できたことは明らかである。また、当該下層膜上に形成されたホトレジスト層とのマッチングも良好で、スカムの発生がなく、ホトレジスト層に形成されたレジストパターンは、SWやすそ引きのない良好なものであった。
また、ナフチル環やアントラセン環を含有する樹脂を用いた実施例6,7の下地材は、ArF用としてだけでなく、KrF用としても好適なものであった。
また、ナフチル環やアントラセン環を含有する樹脂を用いた実施例6,7の下地材は、ArF用としてだけでなく、KrF用としても好適なものであった。
Claims (7)
- nが0である請求項1〜3のいずれか一項に記載の下地材。
- nが1である請求項1または2に記載の下地材。
- さらに(メタ)アクリル系樹脂を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の下地材。
- 基板上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の下地材を塗布して加熱することにより下層膜を形成し、該下層膜上に、少なくとも1層のホトレジスト層を形成した後、該ホトレジスト層を選択的に露光し、アルカリ現像して前記ホトレジスト層にレジストパターンを形成した後、該レジストパターンをマスクとして前記下層膜を酸素プラズマによりエッチングし、前記下層膜にレジストパターンを転写することを特徴とする多層レジストパターン形成方法。
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