JP2008096937A - 熱リソグラフィー用下層膜形成用材料、レジスト積層体およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱リソグラフィーにおいて、熱変換体として利用でき、かつ有機材料で構成される熱リソグラフィー用下層膜形成用材料、該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いたレジスト積層体およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】支持体とレジスト膜との間に熱リソグラフィー用下層膜を形成するための熱リソグラフィー用下層膜形成用材料であって、膜形成能を有する有機化合物(A1)と、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する染料(B)とを含有し、当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることを特徴とする熱リソグラフィー用下層膜形成用材料。
【選択図】なし
【解決手段】支持体とレジスト膜との間に熱リソグラフィー用下層膜を形成するための熱リソグラフィー用下層膜形成用材料であって、膜形成能を有する有機化合物(A1)と、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する染料(B)とを含有し、当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることを特徴とする熱リソグラフィー用下層膜形成用材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱リソグラフィー用下層膜形成用材料、該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いたレジスト積層体およびレジストパターン形成方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイスにおける微細構造の製造には、リソグラフィー技術が多用されている。
リソグラフィー技術においては、従来、フォトレジストとよばれる感光性の有機材料が用いられている。フォトレジストとしては、放射線、たとえば真空紫外線等の短波長の光や電子線といった放射線の照射(露光)によりアルカリ現像液に対する溶解性(アルカリ溶解性)が変化するものが一般的に用いられている。かかるフォトレジストは、露光によって、構造の一部が分解したり、架橋を形成する等によってアルカリ溶解性が変化する。そのため、露光部と未露光部との間でアルカリ溶解性に差が生じ、これによってレジストパターンが形成可能となる。つまり、フォトレジストに対して選択的露光を行うと、当該フォトレジストのアルカリ溶解性が部分的に変化し、当該フォトレジストが、アルカリ溶解性の高い部分と、アルカリ溶解性の低い部分とからなるパターンを有するものとなる。そして、このフォトレジストをアルカリ現像すると、アルカリ溶解性の高い部分が溶解し、除去されることにより、レジストパターンが形成される。
フォトレジストには、露光部のアルカリ溶解性が増大するポジ型と、露光部のアルカリ溶解性が低下するネガ型とがある。
短波長の露光光源に対して高い感度を有するフォトレジストの1つとして、放射線の作用により酸を発生する光酸発生剤(PAG)と、該酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する基材成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が知られている(たとえば特許文献1〜2参照)。
リソグラフィー技術においては、従来、フォトレジストとよばれる感光性の有機材料が用いられている。フォトレジストとしては、放射線、たとえば真空紫外線等の短波長の光や電子線といった放射線の照射(露光)によりアルカリ現像液に対する溶解性(アルカリ溶解性)が変化するものが一般的に用いられている。かかるフォトレジストは、露光によって、構造の一部が分解したり、架橋を形成する等によってアルカリ溶解性が変化する。そのため、露光部と未露光部との間でアルカリ溶解性に差が生じ、これによってレジストパターンが形成可能となる。つまり、フォトレジストに対して選択的露光を行うと、当該フォトレジストのアルカリ溶解性が部分的に変化し、当該フォトレジストが、アルカリ溶解性の高い部分と、アルカリ溶解性の低い部分とからなるパターンを有するものとなる。そして、このフォトレジストをアルカリ現像すると、アルカリ溶解性の高い部分が溶解し、除去されることにより、レジストパターンが形成される。
フォトレジストには、露光部のアルカリ溶解性が増大するポジ型と、露光部のアルカリ溶解性が低下するネガ型とがある。
短波長の露光光源に対して高い感度を有するフォトレジストの1つとして、放射線の作用により酸を発生する光酸発生剤(PAG)と、該酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する基材成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が知られている(たとえば特許文献1〜2参照)。
光学ROM(Read Only Memory)ディスクのデータ書き込み過程においては、近い将来、超高密度記録を実現するために少なくとも100nm以下のピットを実現するリソグラフィー技術が望まれている。
上述したように、これまでに、より短波長な光源を用いた手法、または電子線を用いた手法についての開発が行われてきている。
しかしながら、露光に用いる光源の波長が短くなるにつれて、光源だけでなく光学的要因にからむ種々の困難な問題が発生する。たとえば露光機は、光源の波長が短くなるほど高価格化、大型化する傾向があり、また、電子線を用いる場合には、電子線ビームを発生させるために高電圧条件、真空チャンバー等が必要であり、結果として大掛かりな設備が必要となってしまう。これらの問題は、光学CD−ROMディスク等の製品の製造コストを増加させてしまう。
上述したように、これまでに、より短波長な光源を用いた手法、または電子線を用いた手法についての開発が行われてきている。
しかしながら、露光に用いる光源の波長が短くなるにつれて、光源だけでなく光学的要因にからむ種々の困難な問題が発生する。たとえば露光機は、光源の波長が短くなるほど高価格化、大型化する傾向があり、また、電子線を用いる場合には、電子線ビームを発生させるために高電圧条件、真空チャンバー等が必要であり、結果として大掛かりな設備が必要となってしまう。これらの問題は、光学CD−ROMディスク等の製品の製造コストを増加させてしまう。
最近開発が行われている技術の1つとして熱リソグラフィーがある。これは、光を直接使わず、光の生み出す熱分布を利用する方法である。熱リソグラフィーによれば、光のスポット径以下の微細な描画が可能になり、微細パターンの形成や、高速・低コスト化が可能であるとされている。
既に報告されている熱リソグラフィー手法としては、温度が一定以上になると急激に性質が変化する無機材料を用いる方法がある。たとえば非特許文献1には、基板上に、ZnS−SiO2層、TbFeCo層およびZnS−SiO2層がこの順で積層された積層体を用いる方法が記載されている。この方法は、熱による容積変化を利用した熱リソグラフィーであり、かかる方法においては、TbFeCo層がレーザー光を吸収して発熱し、その温度が200℃を越えるとその容積が増大しはじめ、結果、レーザー光の照射部分の膜厚が増大してパターンが形成される。
また、前記無機材料として、酸化プラチナを用いる方法も報告されている(たとえば非特許文献2参照)。この方法は、酸化プラチナが、一定の温度以上になると爆発的に蒸発する性質を利用したものであり、基板表面に塗った酸化プラチナに青色レーザー光を当てて加熱し、加工に必要な部分を取り除くようにしている。この方法によれば、青色レーザー光(波長405nm)で100nm以下の微細パターン形成を実現できるとされている。
また、たとえば非特許文献3には、ポリカーボネート製の基板上に、Ge2Sb2Te5層、ZnS−SiO2層およびフォトレジスト膜がこの順で積層された積層体を用いる方法が記載されている。この方法では、まず、基板の下側から赤色レーザーを照射すると、該レーザー光がGe2Sb2Te5に吸収され、Ge2Sb2Te5が発熱する。この熱が、その上層のレジスト膜(ネガ)に伝わり、該熱の作用によりレジスト膜がアルカリ不溶性に変化する。そのため、これをアルカリ現像することによりレジストパターンが形成される。
特許第2881969号公報
特開2003−241385号公報
Jpn.J.Appl.Phys.Vol.43,No.8B(2004)pp.L1045−L1047
第53回応用物理学関係連合講演会、講演予稿集、第1051頁(2006春)、22a−D−9
Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41,No.9A/B(2002)pp.L1022−L1024
既に報告されている熱リソグラフィー手法としては、温度が一定以上になると急激に性質が変化する無機材料を用いる方法がある。たとえば非特許文献1には、基板上に、ZnS−SiO2層、TbFeCo層およびZnS−SiO2層がこの順で積層された積層体を用いる方法が記載されている。この方法は、熱による容積変化を利用した熱リソグラフィーであり、かかる方法においては、TbFeCo層がレーザー光を吸収して発熱し、その温度が200℃を越えるとその容積が増大しはじめ、結果、レーザー光の照射部分の膜厚が増大してパターンが形成される。
また、前記無機材料として、酸化プラチナを用いる方法も報告されている(たとえば非特許文献2参照)。この方法は、酸化プラチナが、一定の温度以上になると爆発的に蒸発する性質を利用したものであり、基板表面に塗った酸化プラチナに青色レーザー光を当てて加熱し、加工に必要な部分を取り除くようにしている。この方法によれば、青色レーザー光(波長405nm)で100nm以下の微細パターン形成を実現できるとされている。
また、たとえば非特許文献3には、ポリカーボネート製の基板上に、Ge2Sb2Te5層、ZnS−SiO2層およびフォトレジスト膜がこの順で積層された積層体を用いる方法が記載されている。この方法では、まず、基板の下側から赤色レーザーを照射すると、該レーザー光がGe2Sb2Te5に吸収され、Ge2Sb2Te5が発熱する。この熱が、その上層のレジスト膜(ネガ)に伝わり、該熱の作用によりレジスト膜がアルカリ不溶性に変化する。そのため、これをアルカリ現像することによりレジストパターンが形成される。
これまで提案されている熱リソグラフィー技術は、いずれも、光を吸収させ、そのエネルギーを熱に変換するために、無機材料を熱変換体として用いている。しかし、これらの無機材料は、高価なものが多く、また、レジストパターン形成後、基板エッチング等の加工性が悪いなどの問題がある。
上記問題を解決する手段の1つとして、有機材料のみを用いて熱リソグラフィーを行うことが考えられる。しかし、これまで、有機材料のみを用いて熱リソグラフィーを行う技術は提案されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、熱リソグラフィーにおいて、熱変換体として利用でき、かつ有機材料で構成される熱リソグラフィー用下層膜形成用材料、該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いたレジスト積層体およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決する手段の1つとして、有機材料のみを用いて熱リソグラフィーを行うことが考えられる。しかし、これまで、有機材料のみを用いて熱リソグラフィーを行う技術は提案されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、熱リソグラフィーにおいて、熱変換体として利用でき、かつ有機材料で構成される熱リソグラフィー用下層膜形成用材料、該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いたレジスト積層体およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、露光に使用する光源の波長に吸収を有する有機化合物を含有し、露光光源の波長の光での吸光度が一定以上である有機膜が、熱リソグラフィーにおける熱変換体として有用であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の態様は、支持体とレジスト膜との間に熱リソグラフィー用下層膜を形成するための熱リソグラフィー用下層膜形成用材料であって、膜形成能を有する有機化合物(A1)と、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する染料(B)とを含有し、当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることを特徴とする熱リソグラフィー用下層膜形成用材料である。
本発明の第二の態様は、支持体上に、熱リソグラフィー用下層膜と、レジスト膜とが積層されてなるレジスト積層体であって、前記熱リソグラフィー用下層膜が、前記第一の態様の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成されるものであり、前記レジスト膜が、前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光に感光しない化学増幅型レジスト組成物を用いて形成されるものであることを特徴とするレジスト積層体である。
本発明の第三の態様は、支持体上に、前記第一の態様の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて熱リソグラフィー用下層膜を形成する工程、前記熱リソグラフィー用下層膜上に、化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得る工程、前記レジスト積層体に対し、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光を用いて選択的露光を行う工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
すなわち、本発明の第一の態様は、支持体とレジスト膜との間に熱リソグラフィー用下層膜を形成するための熱リソグラフィー用下層膜形成用材料であって、膜形成能を有する有機化合物(A1)と、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する染料(B)とを含有し、当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることを特徴とする熱リソグラフィー用下層膜形成用材料である。
本発明の第二の態様は、支持体上に、熱リソグラフィー用下層膜と、レジスト膜とが積層されてなるレジスト積層体であって、前記熱リソグラフィー用下層膜が、前記第一の態様の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成されるものであり、前記レジスト膜が、前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光に感光しない化学増幅型レジスト組成物を用いて形成されるものであることを特徴とするレジスト積層体である。
本発明の第三の態様は、支持体上に、前記第一の態様の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて熱リソグラフィー用下層膜を形成する工程、前記熱リソグラフィー用下層膜上に、化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得る工程、前記レジスト積層体に対し、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光を用いて選択的露光を行う工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「構成単位」とは、樹脂(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「構成単位」とは、樹脂(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
本発明により、熱リソグラフィーにおいて、熱変換体として利用でき、かつ有機材料で構成される熱リソグラフィー用下層膜形成用材料、該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いたレジスト積層体およびレジストパターン形成方法を提供できる。
≪熱リソグラフィー用下層膜形成用材料≫
本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、膜形成能を有する有機化合物(A1)(以下、(A1)成分ということがある。)、および熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する染料(B)(以下、(B)成分ということがある。)を含有し、当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることが必要である。
該吸光度が0.26以上であることにより、熱リソグラフィーにおいて、当該下層膜が、露光光源から照射された光を吸収した際に、当該下層膜上のレジスト膜中の酸発生剤成分から酸を発生させるのに充分な温度の熱を発生することができる。
前記吸光度は、膜厚100nmあたり、0.28以上が好ましく、0.30以上がより好ましい。
前記吸光度の上限値としては、特に制限はなく、熱干渉の影響等を考慮すると、膜厚100nmあたり、0.60以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.45以下であることが最も好ましい。
前記吸光度は、(B)成分の種類や配合量を調節することにより調節できる。たとえば(B)成分の含有量が多いほど、また、(B)成分の光吸収能が高いほど、前記吸光度が大きくなる。また、(A1)成分が、(B)成分と同様に、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する(以下、単に「光吸収性を有する」ということがある。)化合物である場合は、(A1)成分の種類や配合量を調節することによっても前記吸光度を調節できる。
本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、膜形成能を有する有機化合物(A1)(以下、(A1)成分ということがある。)、および熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する染料(B)(以下、(B)成分ということがある。)を含有し、当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることが必要である。
該吸光度が0.26以上であることにより、熱リソグラフィーにおいて、当該下層膜が、露光光源から照射された光を吸収した際に、当該下層膜上のレジスト膜中の酸発生剤成分から酸を発生させるのに充分な温度の熱を発生することができる。
前記吸光度は、膜厚100nmあたり、0.28以上が好ましく、0.30以上がより好ましい。
前記吸光度の上限値としては、特に制限はなく、熱干渉の影響等を考慮すると、膜厚100nmあたり、0.60以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.45以下であることが最も好ましい。
前記吸光度は、(B)成分の種類や配合量を調節することにより調節できる。たとえば(B)成分の含有量が多いほど、また、(B)成分の光吸収能が高いほど、前記吸光度が大きくなる。また、(A1)成分が、(B)成分と同様に、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する(以下、単に「光吸収性を有する」ということがある。)化合物である場合は、(A1)成分の種類や配合量を調節することによっても前記吸光度を調節できる。
本明細書および特許請求の範囲において、前記吸光度は、当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて石英基板上に有機膜を成膜し、該有機膜について、露光光源の波長における吸光度を測定し、その値と、当該有機膜の膜厚とから、有機膜の膜厚100nmあたりの吸光度を算出することにより求められる。
有機膜の成膜は、当該下層膜形成用材料の有機溶剤溶液を、石英基板上に、スピンコートにより塗布し、ベークすることにより行うことができる。ベーク温度は、特に制限はなく、使用する(A1)成分に応じて適宜設定すればよい。
有機膜の吸光度は、たとえば市販の分光光度計を用いて測定することができる。
有機膜の成膜は、当該下層膜形成用材料の有機溶剤溶液を、石英基板上に、スピンコートにより塗布し、ベークすることにより行うことができる。ベーク温度は、特に制限はなく、使用する(A1)成分に応じて適宜設定すればよい。
有機膜の吸光度は、たとえば市販の分光光度計を用いて測定することができる。
<(A1)成分>
(A1)成分としては、膜形成能を有する有機化合物であればよく、膜形成能に優れることから、分子量が500以上の有機化合物が好ましい。
前記分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000未満の低分子量の有機化合物(以下、低分子化合物という。)と、分子量が2000以上の高分子量の樹脂(重合体)とに大別される。前記低分子化合物としては、通常、非重合体が用いられる。樹脂(重合体)の場合は、「分子量」としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000以上の樹脂を示すものとする。
(A1)成分としては、膜形成能を有する有機化合物であればよく、膜形成能に優れることから、分子量が500以上の有機化合物が好ましい。
前記分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000未満の低分子量の有機化合物(以下、低分子化合物という。)と、分子量が2000以上の高分子量の樹脂(重合体)とに大別される。前記低分子化合物としては、通常、非重合体が用いられる。樹脂(重合体)の場合は、「分子量」としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000以上の樹脂を示すものとする。
(A1)成分としては、特に制限はなく、半導体素子や液晶表示素子の製造において被膜形成用樹脂として一般的に用いられている有機化合物、たとえばレジスト膜、有機系の反射防止膜等の基材成分として用いられている樹脂を用いることができる。かかる樹脂としては、たとえばノボラック樹脂、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位を有する樹脂(ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体等)、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有する樹脂、シクロオレフィンから誘導される構成単位を有する樹脂、可溶性ポリイミド等が挙げられる。なお、本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される下層膜は、レジスト膜のような、光や電子線に対する感受性を必ずしも必要とするものではない。
本発明においては、特に、酸素プラズマによるエッチングを行いやすいこと、レジストパターン形成後の後工程でシリコン基板等のエッチングに用いられているフッ化炭素系ガスに対する耐性が強いこと等の利点を有することから、ノボラック樹脂、アクリル樹脂及び可溶性ポリイミドからなる群から選択される少なくとも一種を主成分とするものが(A1)成分として好ましく用いられる。これらの中でも、ノボラック樹脂、及び側鎖に脂環式部位又は芳香族環を有するアクリル樹脂は、安価で汎用的に用いられ、後工程のドライエッチング耐性に優れるので、好ましく用いられる。
本発明においては、特に、酸素プラズマによるエッチングを行いやすいこと、レジストパターン形成後の後工程でシリコン基板等のエッチングに用いられているフッ化炭素系ガスに対する耐性が強いこと等の利点を有することから、ノボラック樹脂、アクリル樹脂及び可溶性ポリイミドからなる群から選択される少なくとも一種を主成分とするものが(A1)成分として好ましく用いられる。これらの中でも、ノボラック樹脂、及び側鎖に脂環式部位又は芳香族環を有するアクリル樹脂は、安価で汎用的に用いられ、後工程のドライエッチング耐性に優れるので、好ましく用いられる。
ノボラック樹脂としては、ポジ型レジスト組成物に一般的に用いられているものが使用可能であるし、ノボラック樹脂を主成分として含むi線やg線用のポジレジストも使用可能である。
ノボラック樹脂は、市販されているものを使用してもよく、合成してもよい。
ノボラック樹脂は、市販されているものを使用してもよく、合成してもよい。
ノボラック樹脂は、例えば、フェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。
フェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
特に、m−クレゾールを含むフェノール類を用いて得られるノボラック樹脂は、埋め込み特性が良好であり好ましい。かかるノボラック樹脂を得るために用いられるフェノール類中のm−クレゾールの割合は、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは40〜90モル%である。
また、フェノール類が、m−クレゾールに加えて、さらにp−クレゾールを含むと、下層膜の成膜性が向上するので好ましい。下層膜の成膜性が向上すると、下層膜の上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を設ける際のインターミキシングの発生が防止される。p−クレゾールを含む場合、その割合は、フェノール類中、好ましくは10〜50モル%、より好ましくは15〜30モル%である。
アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。工業的生産性等を考慮すると、ホルムアルデヒドが最も好ましい。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。
フェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
特に、m−クレゾールを含むフェノール類を用いて得られるノボラック樹脂は、埋め込み特性が良好であり好ましい。かかるノボラック樹脂を得るために用いられるフェノール類中のm−クレゾールの割合は、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは40〜90モル%である。
また、フェノール類が、m−クレゾールに加えて、さらにp−クレゾールを含むと、下層膜の成膜性が向上するので好ましい。下層膜の成膜性が向上すると、下層膜の上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を設ける際のインターミキシングの発生が防止される。p−クレゾールを含む場合、その割合は、フェノール類中、好ましくは10〜50モル%、より好ましくは15〜30モル%である。
アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。工業的生産性等を考慮すると、ホルムアルデヒドが最も好ましい。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。
ノボラック樹脂の質量平均分子量(Mw)の下限値としては、3000以上が好ましく、5000以上がより好ましく、6000以上がより好ましく、7000以上がさらに好ましい。上限値としては、50000以下が好ましく、30000以下がより好ましく、10000以下がさらに好ましく、9000以下が最も好ましい。
Mwが3000以上であると、高温でベークしたときに昇華しにくく、装置等が汚染されにくい。また、Mwを5000以上とすることにより、フッ化炭素系ガス等に対する耐エッチング性が優れるので好ましい。
また、Mwが50000以下であると、微細な凹凸を有する基板に対する良好な埋め込み特性が優れ、特に10000以下であると、ドライエッチングしやすい傾向があり、好ましい。
Mwが3000以上であると、高温でベークしたときに昇華しにくく、装置等が汚染されにくい。また、Mwを5000以上とすることにより、フッ化炭素系ガス等に対する耐エッチング性が優れるので好ましい。
また、Mwが50000以下であると、微細な凹凸を有する基板に対する良好な埋め込み特性が優れ、特に10000以下であると、ドライエッチングしやすい傾向があり、好ましい。
ノボラック樹脂としては、特に、Mwが5000〜50000、好ましくは8000〜30000であり、かつ分子量500以下の低核体、好ましくは200以下の低核体の含有量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法において1質量%以下、好ましくは0.8質量%以下であるノボラック樹脂が好ましい。低核体の含有量は、少ないほど好ましく、望ましくは0質量%である。
上記範囲内のMwを有するノボラック樹脂において、分子量500以下の低核体の含有量が1質量%以下であることにより、微細な凹凸を有する基板に対する埋め込み特性が良好になる。低核体の含有量が低減されていることにより埋め込み特性が良好になる理由は明らかではないが、分散度が小さくなるためと推測される。さらに、低核体の含有量が低減されていることにより、該樹脂を含む下層膜の有機溶剤に対する耐性も向上する。したがって、下層膜上にレジスト組成物を塗布した際に、レジスト組成物に含まれる有機溶剤によるインターミキシングが生じにくい。
ここで、「分子量500以下の低核体」とは、ポリスチレンを標準としてGPC法により分析した際に分子量500以下の低分子フラクションとして検出されるものである。「分子量500以下の低核体」には、重合しなかったモノマーや、重合度の低いもの、例えば、分子量によっても異なるが、フェノール類2〜5分子がアルデヒド類と縮合したものなどが含まれる。
分子量500以下の低核体の含有量(質量%)は、このGPC法による分析結果を、横軸にフラクション番号、縦軸に濃度をとってグラフとし、全曲線下面積に対する、分子量500以下の低分子フラクションの曲線下面積の割合(%)を求めることにより測定される。
上記範囲内のMwを有するノボラック樹脂において、分子量500以下の低核体の含有量が1質量%以下であることにより、微細な凹凸を有する基板に対する埋め込み特性が良好になる。低核体の含有量が低減されていることにより埋め込み特性が良好になる理由は明らかではないが、分散度が小さくなるためと推測される。さらに、低核体の含有量が低減されていることにより、該樹脂を含む下層膜の有機溶剤に対する耐性も向上する。したがって、下層膜上にレジスト組成物を塗布した際に、レジスト組成物に含まれる有機溶剤によるインターミキシングが生じにくい。
ここで、「分子量500以下の低核体」とは、ポリスチレンを標準としてGPC法により分析した際に分子量500以下の低分子フラクションとして検出されるものである。「分子量500以下の低核体」には、重合しなかったモノマーや、重合度の低いもの、例えば、分子量によっても異なるが、フェノール類2〜5分子がアルデヒド類と縮合したものなどが含まれる。
分子量500以下の低核体の含有量(質量%)は、このGPC法による分析結果を、横軸にフラクション番号、縦軸に濃度をとってグラフとし、全曲線下面積に対する、分子量500以下の低分子フラクションの曲線下面積の割合(%)を求めることにより測定される。
ノボラック樹脂のMwの調整及び分子量500以下の低核体の除去は、例えば以下のような分別沈殿処理によって行うことができる。まず、ノボラック樹脂を極性溶媒に溶解し、この溶液に対し、水、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の貧溶媒を加える。このとき、分子量500以下の低核体は貧溶媒に溶解したままであるので、析出物をろ取することにより、分子量500以下の低核体の含有量が低減された本発明の下地材用樹脂を得ることができる。
前記極性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル、テトラヒドロフラン等の環状エーテルなどを挙げることができる。
析出物(本発明の下地材用樹脂)のMw及び分子量500以下の低核体の含有量は、上述のように、GPC法により確認することができる。
前記極性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル、テトラヒドロフラン等の環状エーテルなどを挙げることができる。
析出物(本発明の下地材用樹脂)のMw及び分子量500以下の低核体の含有量は、上述のように、GPC法により確認することができる。
アクリル樹脂としては、ポジ型レジスト組成物に一般的に用いられているものが使用可能であり、例えば、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位と、カルボキシ基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含有するアクリル樹脂を挙げることができる。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができる。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。なお、本明細書において(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの一方あるいは両方を示す。
カルボキシ基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシ基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができる。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。なお、本明細書において(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの一方あるいは両方を示す。
カルボキシ基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシ基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
可溶性ポリイミドとは、有機溶剤により液状にできるポリイミドである。
(A1)成分は、光吸収性を有する化合物(以下、(A1−1)成分という。)であってもよく、光吸収性を有さない化合物(以下、(A1−2)成分という。)であってもよい。本発明の効果に優れることから、(A1)成分が、(A1−1)成分であることが好ましい。すなわち、(A1)成分が光吸収性を有することにより、所望の吸光度を達成するために必要な(B)成分の量を低減できる。そのため、たとえば成膜時の加熱による昇華物の発生やそれに伴う歩留りの悪化、溶液とした際の析出物の発生等の、(B)成分を含有することにより生じるおそれがあるリスクを低減できる。
(A1−1)成分としては、たとえば、前記(A1)成分として挙げた有機化合物のうち、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する分子構造を有するものが挙げられる。
(A1−2)成分としては、(A1)成分として挙げた有機化合物のうち、前記(A1−1)成分に該当しないもの、すなわち熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収しないものが挙げられる。
<(B)成分>
(B)成分としては、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する有機化合物であれば特に制限はなく、使用する露光光源の波長に応じて、市販の染料のなかから適宜選択して用いればよい。
当該染料が、使用する露光光源の波長の光を吸収するかどうかは、メーカーから出されているパンフレット等を参照すればよく、また、分光光度計を用いて常法により測定してもよい。
通常、化学増幅型レジストとしては、250nm以下の波長の光、たとえばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等のエキシマレーザーや、それよりも短波長の光源に感光するものが一般的に用いられている。かかる化学増幅型レジストは、通常、365nm以上の波長の光、たとえば可視光レーザーには感光しない。したがって、(B)成分としては、365nm以上の波長の光を吸収する化合物が好ましく、可視光レーザーを吸収する染料がより好ましい。特に、波長350〜800nmの光を吸収する染料が好ましく、350〜550nmの光を吸収する染料がさらに好ましく、350〜450nmの光を吸収する染料が最も好ましい。
たとえば、400nm付近の波長の光を吸収する化合物としては、主に黄色染料として用いられている化合物が挙げられ、具体例としては、商品名:OY−105、OY−107、OY−129、OY−3G、OY−GG−S(オリエント化学社製)、Diaresin Yellow F,Diaresin A(三菱化学社製)、Soldan Yellow GRN(中外化成社製)、Sumiplast Yellow GG, Sumiplast Yellow F5G, Sumiplast Yellow FG(住友化学社製)、CH−1002(ダイトーケミックス社製)などがある。
(B)成分としては、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する有機化合物であれば特に制限はなく、使用する露光光源の波長に応じて、市販の染料のなかから適宜選択して用いればよい。
当該染料が、使用する露光光源の波長の光を吸収するかどうかは、メーカーから出されているパンフレット等を参照すればよく、また、分光光度計を用いて常法により測定してもよい。
通常、化学増幅型レジストとしては、250nm以下の波長の光、たとえばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等のエキシマレーザーや、それよりも短波長の光源に感光するものが一般的に用いられている。かかる化学増幅型レジストは、通常、365nm以上の波長の光、たとえば可視光レーザーには感光しない。したがって、(B)成分としては、365nm以上の波長の光を吸収する化合物が好ましく、可視光レーザーを吸収する染料がより好ましい。特に、波長350〜800nmの光を吸収する染料が好ましく、350〜550nmの光を吸収する染料がさらに好ましく、350〜450nmの光を吸収する染料が最も好ましい。
たとえば、400nm付近の波長の光を吸収する化合物としては、主に黄色染料として用いられている化合物が挙げられ、具体例としては、商品名:OY−105、OY−107、OY−129、OY−3G、OY−GG−S(オリエント化学社製)、Diaresin Yellow F,Diaresin A(三菱化学社製)、Soldan Yellow GRN(中外化成社製)、Sumiplast Yellow GG, Sumiplast Yellow F5G, Sumiplast Yellow FG(住友化学社製)、CH−1002(ダイトーケミックス社製)などがある。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。
(B)成分の配合量は、熱リソグラフィー用下層膜の吸光度が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上となる量であればよく、所望の吸光度、使用する(B)成分の種類、前記(A1)成分が露光光源の波長を吸収するかどうか等に応じて適宜調整すればよい。
(B)成分の好ましい配合量は、(A1)成分100質量部に対して、1〜100質量部であり、より好ましくは5〜80質量部であり、最も好ましくは10〜60質量部である。1質量部以上であると、吸光度が向上し、100質量部以下であると塗付性が向上する。
(B)成分の配合量は、熱リソグラフィー用下層膜の吸光度が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上となる量であればよく、所望の吸光度、使用する(B)成分の種類、前記(A1)成分が露光光源の波長を吸収するかどうか等に応じて適宜調整すればよい。
(B)成分の好ましい配合量は、(A1)成分100質量部に対して、1〜100質量部であり、より好ましくは5〜80質量部であり、最も好ましくは10〜60質量部である。1質量部以上であると、吸光度が向上し、100質量部以下であると塗付性が向上する。
<ナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化された分子量200以上のフェノール誘導体(C)>
上記(A1)成分がノボラック樹脂である場合、本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、さらに、ナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化された分子量200以上のフェノール誘導体(C)(以下、(C)成分という)を含有することが好ましい。
ここで、上記ナフトキノンジアジドスルホン酸とは、ナフトキノンジアジドスルホン酸ハロンゲン化物のような反応性誘導体も含むものとする。かかる反応性誘導体は、フェノール化合物との反応性に優れることから、(C)成分を得るために好適に用いられる。
すなわち、(C)成分には、上記ナフトキノンジアジドスルホン酸として、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドのようなハロゲン化物を用いてエステル化されたフェノール誘導体も含まれる。
本発明においては、(C)成分を含有することにより、熱リソグラフィー用下層膜の成膜性が向上する。(C)成分を用いることにより成膜性が向上する理由としては、200℃以上の温度での加熱により、(C)成分がノボラック樹脂に対し、架橋剤として働くことが考えられる。また、(C)成分を用いると、一般的に用いられている架橋剤を用いるよりも、昇華物の発生が少ない。これは、(C)成分が、ノボラック樹脂との間で架橋を形成しやすく、ノボラック樹脂中の低核体や、未架橋の(C)成分に由来する昇華物の発生が少ないためと推測される。
また、成膜性が向上するため、比較的低温での加熱により成膜した場合でも、エッチング耐性や有機溶剤耐性に優れた下層膜が得られる。すなわち、(A1)成分として用いるノボラック樹脂によっても異なるが、(C)成分を含有しない場合は、充分な成膜のためには例えば300℃程度の温度で加熱することが好ましいが、(C)成分を含有することにより、例えば200℃程度の温度でも、充分な成膜を行うことができる。
上記(A1)成分がノボラック樹脂である場合、本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、さらに、ナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化された分子量200以上のフェノール誘導体(C)(以下、(C)成分という)を含有することが好ましい。
ここで、上記ナフトキノンジアジドスルホン酸とは、ナフトキノンジアジドスルホン酸ハロンゲン化物のような反応性誘導体も含むものとする。かかる反応性誘導体は、フェノール化合物との反応性に優れることから、(C)成分を得るために好適に用いられる。
すなわち、(C)成分には、上記ナフトキノンジアジドスルホン酸として、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドのようなハロゲン化物を用いてエステル化されたフェノール誘導体も含まれる。
本発明においては、(C)成分を含有することにより、熱リソグラフィー用下層膜の成膜性が向上する。(C)成分を用いることにより成膜性が向上する理由としては、200℃以上の温度での加熱により、(C)成分がノボラック樹脂に対し、架橋剤として働くことが考えられる。また、(C)成分を用いると、一般的に用いられている架橋剤を用いるよりも、昇華物の発生が少ない。これは、(C)成分が、ノボラック樹脂との間で架橋を形成しやすく、ノボラック樹脂中の低核体や、未架橋の(C)成分に由来する昇華物の発生が少ないためと推測される。
また、成膜性が向上するため、比較的低温での加熱により成膜した場合でも、エッチング耐性や有機溶剤耐性に優れた下層膜が得られる。すなわち、(A1)成分として用いるノボラック樹脂によっても異なるが、(C)成分を含有しない場合は、充分な成膜のためには例えば300℃程度の温度で加熱することが好ましいが、(C)成分を含有することにより、例えば200℃程度の温度でも、充分な成膜を行うことができる。
(C)成分の分子量は、200以上であればよく、300以上が好ましく、500以上がより好ましい。分子量が大きいほど、成膜性に優れる。
分子量の上限は、特に制限はないが、溶解性を考慮すると、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましい。
分子量の上限は、特に制限はないが、溶解性を考慮すると、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましい。
(C)成分として、より具体的には、例えば特開2002−278062号公報においてポジ型感光性樹脂組成物の感光性成分として提案されている、下記一般式(c−1)または(c−2)で表される化合物が挙げられる。
(C)成分としては、特に、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ヒドロキシフェニルメタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとのエステル化反応生成物が、優れた成膜性改善効果を有しているため好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。
(C)成分の配合量は、(A1)成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部である。
(C)成分の配合量は、(A1)成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部である。
<他の任意成分>
本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、(A1)成分等に対して混和性のある添加剤、例えば、塗布性の向上やストリエーション防止のための界面活性剤や、下層膜の性能を改良するための付加的樹脂、架橋剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、ハレーション防止剤などを含有しても良い。
界面活性剤としては、XR−104(大日本インキ社製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、(A1)成分等に対して混和性のある添加剤、例えば、塗布性の向上やストリエーション防止のための界面活性剤や、下層膜の性能を改良するための付加的樹脂、架橋剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、ハレーション防止剤などを含有しても良い。
界面活性剤としては、XR−104(大日本インキ社製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<溶剤(S)>
本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、前述の各成分を適当な溶剤(S)(以下、(S)成分という。)に溶解して溶液の形で用いるのが好ましい。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、例えばγ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、前述の各成分を適当な溶剤(S)(以下、(S)成分という。)に溶解して溶液の形で用いるのが好ましい。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、例えばγ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料の別の態様として、支持体とレジスト膜との間に熱リソグラフィー用下層膜を形成するための熱リソグラフィー用下層膜形成用材料であって、
膜形成能を有し、かつ熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する有機化合物(A2)を含有し、
当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることを特徴とする熱リソグラフィー用下層膜形成用材料も挙げられる。
本態様の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、前記(B)成分を含有しなくともよい。すなわち、有機化合物(A2)が、膜形成能および光吸収能の両方を有しており、(B)成分としての機能も有するため、(B)成分を含有しなくても、本発明の効果が得られる。(B)成分を含有しなくてもよいため、たとえば成膜時の加熱による昇華物の発生やそれに伴う歩留りの悪化、溶液とした際の析出物の発生等の、(B)成分を含有することにより生じるおそれがあるリスクを低減できる。
有機化合物(A2)としては、前記(A1−1)成分として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本態様の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、有機化合物(A2)以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、上述した(A1−2)成分、(B)成分、(C)成分、他の任意成分、(S)成分等が挙げられる。特に、(B)成分を併用すると、(A1−1)成分として、光吸収能が比較的低いものを用いても所望の吸光度を達成できるため好ましい。
膜形成能を有し、かつ熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する有機化合物(A2)を含有し、
当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることを特徴とする熱リソグラフィー用下層膜形成用材料も挙げられる。
本態様の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、前記(B)成分を含有しなくともよい。すなわち、有機化合物(A2)が、膜形成能および光吸収能の両方を有しており、(B)成分としての機能も有するため、(B)成分を含有しなくても、本発明の効果が得られる。(B)成分を含有しなくてもよいため、たとえば成膜時の加熱による昇華物の発生やそれに伴う歩留りの悪化、溶液とした際の析出物の発生等の、(B)成分を含有することにより生じるおそれがあるリスクを低減できる。
有機化合物(A2)としては、前記(A1−1)成分として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本態様の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料は、有機化合物(A2)以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、上述した(A1−2)成分、(B)成分、(C)成分、他の任意成分、(S)成分等が挙げられる。特に、(B)成分を併用すると、(A1−1)成分として、光吸収能が比較的低いものを用いても所望の吸光度を達成できるため好ましい。
本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜は、上述したように、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する。そのため、熱リソグラフィーにおいて、当該下層膜が、露光光源から照射された光を吸収した際に、当該下層膜上のレジスト膜中の酸発生剤成分から酸を発生させるのに充分な温度の熱を発生することができる。
また、本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜は、有機膜であるため、従来のエッチング法、好適にはドライエッチング法でエッチング可能である。そのため、当該熱リソグラフィー用下層膜上のレジスト膜にレジストパターンを形成した後、該レジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことにより、当該レジストパターンを容易に下層膜に転写することができるなど、加工性に優れる。
また、本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜は、有機膜であるため、従来のエッチング法、好適にはドライエッチング法でエッチング可能である。そのため、当該熱リソグラフィー用下層膜上のレジスト膜にレジストパターンを形成した後、該レジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことにより、当該レジストパターンを容易に下層膜に転写することができるなど、加工性に優れる。
≪レジスト積層体≫
本発明のレジスト積層体は、支持体上に、熱リソグラフィー用下層膜と、レジスト膜とが積層されてなるレジスト積層体である。
<支持体>
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス(石英ガラス等)基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。また、基板上に、無機系および/または有機系の反射防止膜が設けられていてもよい。
本発明のレジスト積層体は、支持体上に、熱リソグラフィー用下層膜と、レジスト膜とが積層されてなるレジスト積層体である。
<支持体>
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス(石英ガラス等)基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。また、基板上に、無機系および/または有機系の反射防止膜が設けられていてもよい。
<熱リソグラフィー用下層膜>
熱リソグラフィー用下層膜は、前記本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成されるものである。
熱リソグラフィー用下層膜は、上述したように、熱リソグラフィーで使用する露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する必要がある。
熱リソグラフィー用下層膜の厚さは、好ましくは10〜1000nmであり、より好ましくは50〜800nmであり、さらに好ましくは100〜600nmである。上記の範囲内とすることにより、支持体上に高アスペクト比のパターンが形成でき、基板エッチング時に十分な耐エッチング性が確保できる等の効果がある。また感度がる良好なものとなる。
熱リソグラフィー用下層膜の形成方法は、後述する本発明のレジストパターン形成方法の項で詳細に説明する。
熱リソグラフィー用下層膜は、前記本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成されるものである。
熱リソグラフィー用下層膜は、上述したように、熱リソグラフィーで使用する露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する必要がある。
熱リソグラフィー用下層膜の厚さは、好ましくは10〜1000nmであり、より好ましくは50〜800nmであり、さらに好ましくは100〜600nmである。上記の範囲内とすることにより、支持体上に高アスペクト比のパターンが形成でき、基板エッチング時に十分な耐エッチング性が確保できる等の効果がある。また感度がる良好なものとなる。
熱リソグラフィー用下層膜の形成方法は、後述する本発明のレジストパターン形成方法の項で詳細に説明する。
<レジスト膜>
レジスト膜は、前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光に感光しない化学増幅型レジスト組成物を用いて形成されるものである。
化学増幅型レジスト組成物としては、熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光、すなわち熱リソグラフィーで使用する露光光源に対して感度を有さないものであれば特に制限はなく、これまで提案されている多数の化学増幅型レジスト組成物のなかから適宜選択して用いることができる。通常、化学増幅型レジストとしては、250nm以下の波長の光、たとえばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等のエキシマレーザーや、それよりも短波長の光源に感光するものが一般的に用いられている。
化学増幅型レジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよく、好ましくはネガ型レジスト組成物である。
レジスト膜は、前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光に感光しない化学増幅型レジスト組成物を用いて形成されるものである。
化学増幅型レジスト組成物としては、熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光、すなわち熱リソグラフィーで使用する露光光源に対して感度を有さないものであれば特に制限はなく、これまで提案されている多数の化学増幅型レジスト組成物のなかから適宜選択して用いることができる。通常、化学増幅型レジストとしては、250nm以下の波長の光、たとえばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等のエキシマレーザーや、それよりも短波長の光源に感光するものが一般的に用いられている。
化学増幅型レジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよく、好ましくはネガ型レジスト組成物である。
化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する基材成分(A’)(以下、(A’)成分という。)および放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B’)(以下、(B’)成分という。)が有機溶剤(S’)(以下、(S’)成分という。)に溶解してなるものが一般的である。
ここで、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのパターンを形成しやすい。
前記分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000以下の低分子量の有機化合物(以下、低分子化合物という。)と、分子量が2000より大きい高分子量の樹脂(重合体)とに大別される。前記低分子化合物としては、通常、非重合体が用いられる。樹脂(重合体)の場合は、「分子量」としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000より大きい樹脂を示すものとする。
(A’)成分としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する低分子化合物であってもよく、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂であってもよく、これらの混合物であってもよい。
ここで、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのパターンを形成しやすい。
前記分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000以下の低分子量の有機化合物(以下、低分子化合物という。)と、分子量が2000より大きい高分子量の樹脂(重合体)とに大別される。前記低分子化合物としては、通常、非重合体が用いられる。樹脂(重合体)の場合は、「分子量」としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000より大きい樹脂を示すものとする。
(A’)成分としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する低分子化合物であってもよく、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂であってもよく、これらの混合物であってもよい。
(A’)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている有機化合物を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いられる化学増幅型レジスト組成物の(A’)成分としては、親水性基を有するものが好ましい。
(A’)成分における親水性基としては、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基(−C(O)−)、エステル基(エステル結合;−C(O)−O−)、アミノ基、アミド基からなる群から選択される1種以上が好ましい。これらの内、水酸基(特にはアルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、カルボキシ基、エステル基がより好ましい。
中でもカルボキシ基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基が、ナノレベルでラインエッジラフネス(パターン側壁の凹凸)の小さいパターンを形成でき好ましい。
本発明に用いられる化学増幅型レジスト組成物の(A’)成分としては、親水性基を有するものが好ましい。
(A’)成分における親水性基としては、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基(−C(O)−)、エステル基(エステル結合;−C(O)−O−)、アミノ基、アミド基からなる群から選択される1種以上が好ましい。これらの内、水酸基(特にはアルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、カルボキシ基、エステル基がより好ましい。
中でもカルボキシ基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基が、ナノレベルでラインエッジラフネス(パターン側壁の凹凸)の小さいパターンを形成でき好ましい。
(A’)成分における親水性基の含有割合は、パターン表面に存在する親水性基の単位面積当たりの量に影響する。
(A’)成分が低分子化合物の場合、(A’)成分としては、親水性基を、1分子当たり1〜20当量有するものが好ましく、より好ましくは2〜10当量の範囲である。ここで「1分子当たり1〜20当量の親水性基を有する」とは、1分子中に親水性基が1〜20個存在することを意味する。
(A’)成分が樹脂の場合、(A)成分は、親水性基を、0.2当量以上有することが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8当量、さらに好ましくは0.6〜0.75当量の範囲である。これは、当該樹脂が、親水性基を有する構成単位とそれ以外の構成単位からなるとすると、前者の構成単位が20モル%以上、より好ましくは50〜80モル%、さらに好ましくは60モル%〜75モル%であることを意味する。
なお、本明細書において「構成単位」および「単位」は、樹脂(重合体)を構成するモノマー単位を意味する。
(A’)成分が低分子化合物の場合、(A’)成分としては、親水性基を、1分子当たり1〜20当量有するものが好ましく、より好ましくは2〜10当量の範囲である。ここで「1分子当たり1〜20当量の親水性基を有する」とは、1分子中に親水性基が1〜20個存在することを意味する。
(A’)成分が樹脂の場合、(A)成分は、親水性基を、0.2当量以上有することが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8当量、さらに好ましくは0.6〜0.75当量の範囲である。これは、当該樹脂が、親水性基を有する構成単位とそれ以外の構成単位からなるとすると、前者の構成単位が20モル%以上、より好ましくは50〜80モル%、さらに好ましくは60モル%〜75モル%であることを意味する。
なお、本明細書において「構成単位」および「単位」は、樹脂(重合体)を構成するモノマー単位を意味する。
化学増幅型レジスト組成物がネガ型レジスト組成物である場合、(A’)成分としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が減少する基材成分が用いられるもともに、当該ネガ型レジスト組成物に、さらに架橋剤(C’)(以下、(C’)成分という。)が配合される。
かかるネガ型レジスト組成物においては、露光により(B’)成分から酸が発生すると、当該酸の作用により(A’)成分と(C’)成分との間で架橋が起こり、(A’)成分がアルカリ可溶性からアルカリ不溶性へと変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ不溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
かかるネガ型レジスト組成物においては、露光により(B’)成分から酸が発生すると、当該酸の作用により(A’)成分と(C’)成分との間で架橋が起こり、(A’)成分がアルカリ可溶性からアルカリ不溶性へと変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ不溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
ネガ型レジスト組成物の(A’)成分としては、通常、アルカリ可溶性樹脂が用いられる。該アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。なお、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
また、アルカリ可溶性樹脂として、親水性基を有するノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン系樹脂、(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位と(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有する共重合樹脂等が挙げられる。
(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂としては、たとえば、フッ素化されたヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基等の水酸基含有基を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有する樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量(Mw;ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量)は、好ましくは2000〜30000、より好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは3000〜8000である。この範囲とすることにより、アルカリ現像液に対する良好な溶解速度が得られ、高解像性の点からも好ましい。質量平均分子量は、この範囲内において低い方が、良好な特性が得られる傾向がある。
また、アルカリ可溶性樹脂として、親水性基を有するノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン系樹脂、(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位と(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有する共重合樹脂等が挙げられる。
(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂としては、たとえば、フッ素化されたヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基等の水酸基含有基を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有する樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量(Mw;ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量)は、好ましくは2000〜30000、より好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは3000〜8000である。この範囲とすることにより、アルカリ現像液に対する良好な溶解速度が得られ、高解像性の点からも好ましい。質量平均分子量は、この範囲内において低い方が、良好な特性が得られる傾向がある。
化学増幅型レジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合、(A’)成分としては、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する基材成分が用いられる。
かかるポジ型レジスト組成物は、露光前はアルカリ不溶性であり、レジストパターン形成時に、露光により(B’)成分から酸が発生すると、当該酸の作用により酸解離性溶解抑制基が解離し、(A’)成分がアルカリ可溶性へと変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
かかるポジ型レジスト組成物は、露光前はアルカリ不溶性であり、レジストパターン形成時に、露光により(B’)成分から酸が発生すると、当該酸の作用により酸解離性溶解抑制基が解離し、(A’)成分がアルカリ可溶性へと変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
ポジ型レジスト組成物の(A’)成分としては、親水性基と酸解離性溶解抑制基とを有するものが好ましく、下記(A’−1)成分および/または(A’−2)成分がより好ましい。親水性基は酸解離性溶解抑制基を兼ねていてもよい。
・(A’−1)成分:親水性基および酸解離性溶解抑制基を有する樹脂。
・(A’−2)成分:親水性基および酸解離性溶解抑制基を有する低分子化合物。
以下、(A−1)成分および(A’−2)成分の好ましい態様をより具体的に説明する。
・(A’−1)成分:親水性基および酸解離性溶解抑制基を有する樹脂。
・(A’−2)成分:親水性基および酸解離性溶解抑制基を有する低分子化合物。
以下、(A−1)成分および(A’−2)成分の好ましい態様をより具体的に説明する。
[(A’−1)成分]
(A’−1)成分としては、親水性基を有する構成単位と酸解離性溶解抑制基を有する構成単位とを有する樹脂が好ましい。
当該樹脂中の、前記親水性基を有する構成単位の割合は、当該樹脂を構成する全構成単位の合計量に対し、20〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。
当該樹脂中の、前記酸解離性溶解抑制基を有する構成単位の割合は、当該樹脂を構成する全構成単位の合計量に対し、20〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%がより好ましく、30〜60モル%がさらに好ましい。
好ましくは、前記親水性基を有する構成単位が、カルボキシ基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基を有する構成単位であり、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アルコール性水酸基を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステル、ヒドロキシスチレンから誘導される単位である。
(A’−1)成分としては、親水性基を有する構成単位と酸解離性溶解抑制基を有する構成単位とを有する樹脂が好ましい。
当該樹脂中の、前記親水性基を有する構成単位の割合は、当該樹脂を構成する全構成単位の合計量に対し、20〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。
当該樹脂中の、前記酸解離性溶解抑制基を有する構成単位の割合は、当該樹脂を構成する全構成単位の合計量に対し、20〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%がより好ましく、30〜60モル%がさらに好ましい。
好ましくは、前記親水性基を有する構成単位が、カルボキシ基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基を有する構成単位であり、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アルコール性水酸基を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステル、ヒドロキシスチレンから誘導される単位である。
(A’−1)成分として、より具体的には、親水性基および酸解離性溶解抑制基を有するノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン系樹脂、(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位と(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有する共重合樹脂等が好適に用いられる。
なお、本明細書において、「(α−低級アルキル)アクリル酸」とは、アクリル酸(CH2=CH−COOH)およびα−低級アルキルアクリル酸の一方あるいは両方を示す。α−低級アルキルアクリル酸は、アクリル酸におけるカルボニル基が結合している炭素原子に結合した水素原子が、低級アルキル基で置換されたものを示す。「(α−低級アルキル)アクリル酸エステル」は「(α−低級アルキル)アクリル酸」のエステル誘導体であり、アクリル酸エステルおよびα−低級アルキルアクリル酸エステルの一方あるいは両方を示す。
「(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、(α−低級アルキル)アクリル酸エステルのエチレン性2重結合が開裂して形成される構成単位であり、以下(α−低級アルキル)アクリレート構成単位ということがある。「(α−低級アルキル)アクリレート」は、アクリレートおよびα−低級アルキルアクリレートの一方あるいは両方を示す。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン又はα―低級アルキルヒドロキシスチレンのエチレン性2重結合が開裂して形成される構成単位であり、以下ヒドロキシスチレン単位ということがある。「α−低級アルキルヒドロキシスチレン」は、フェニル基が結合する炭素原子に低級アルキル基が結合していることを示す。
「α−低級アルキルアクリル酸エステルから誘導される構成単位」及び「α−低級アルキルヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」において、α位に結合している低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
「(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、(α−低級アルキル)アクリル酸エステルのエチレン性2重結合が開裂して形成される構成単位であり、以下(α−低級アルキル)アクリレート構成単位ということがある。「(α−低級アルキル)アクリレート」は、アクリレートおよびα−低級アルキルアクリレートの一方あるいは両方を示す。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン又はα―低級アルキルヒドロキシスチレンのエチレン性2重結合が開裂して形成される構成単位であり、以下ヒドロキシスチレン単位ということがある。「α−低級アルキルヒドロキシスチレン」は、フェニル基が結合する炭素原子に低級アルキル基が結合していることを示す。
「α−低級アルキルアクリル酸エステルから誘導される構成単位」及び「α−低級アルキルヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」において、α位に結合している低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
(A’−1)成分として好適な樹脂成分としては、特に限定するものではないが、例えば、下記構成単位(a’1)のようなフェノール性水酸基を有する単位と、下記構成単位(a’2)および下記構成単位(a’3)からなる群より選ばれる少なくとも1つのような酸解離性溶解抑制基を有する構成単位、そして必要に応じて用いられる(a’4)のようなアルカリ不溶性の単位を有する樹脂成分(以下、(A’−11)成分ということがある。)が挙げられる。
当該(A’−11)成分においては、露光によって酸発生剤から発生する酸の作用によって、構成単位(a’2)および/または構成単位(a’3)において開裂が生じ、これによって、はじめはアルカリ現像液に対して不溶性であった樹脂において、そのアルカリ溶解性が増大する。その結果、露光・現像により、化学増幅型のポジ型のパターンを形成することができる。
当該(A’−11)成分においては、露光によって酸発生剤から発生する酸の作用によって、構成単位(a’2)および/または構成単位(a’3)において開裂が生じ、これによって、はじめはアルカリ現像液に対して不溶性であった樹脂において、そのアルカリ溶解性が増大する。その結果、露光・現像により、化学増幅型のポジ型のパターンを形成することができる。
・・構成単位(a’1)
構成単位(a’1)は、フェノール性水酸基を有する単位であって、好ましくは下記一般式(I’)で表されるヒドロキシスチレンから誘導される単位である。
構成単位(a’1)は、フェノール性水酸基を有する単位であって、好ましくは下記一般式(I’)で表されるヒドロキシスチレンから誘導される単位である。
Rは水素原子又は低級アルキル基である。低級アルキル基については上記の通りであり、特に水素原子またはメチル基が好ましい。Rの説明は以下同様である。
−OHのベンゼン環への結合位置は、特に限定されるものではないが、式中に記載の4の位置(パラ位)が好ましい。
構成単位(a’1)は、パターンを形成する点からは、(A’−11)成分中に40〜80モル%、好ましくは50〜75モル%含まれることが好ましい。40モル%以上とすることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができ、パターン形状の改善効果も得られる。80モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
−OHのベンゼン環への結合位置は、特に限定されるものではないが、式中に記載の4の位置(パラ位)が好ましい。
構成単位(a’1)は、パターンを形成する点からは、(A’−11)成分中に40〜80モル%、好ましくは50〜75モル%含まれることが好ましい。40モル%以上とすることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができ、パターン形状の改善効果も得られる。80モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
・・構成単位(a’2)
構成単位(a’2)は、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位であって、下記一般式(II’)で表される。
構成単位(a’2)は、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位であって、下記一般式(II’)で表される。
酸解離性溶解抑制基Xは、第3級炭素原子を有するアルキル基であって、当該第3級アルキル基の第3級炭素原子がエステル基[−C(O)O−]に結合している酸離性溶解抑制基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基のような環状アセタール基などである。
この様な酸解離性溶解抑制基Xは、例えば化学増幅型のポジ型レジスト組成物において用いられているものの中から上記以外のものも任意に使用することができる。
この様な酸解離性溶解抑制基Xは、例えば化学増幅型のポジ型レジスト組成物において用いられているものの中から上記以外のものも任意に使用することができる。
構成単位(a’2)として、例えば下記一般式(III’)で表されるもの等が好ましいものとして挙げられる。
式中、Rは上記と同じであり、R11、R12、R13は、それぞれ独立に低級アルキル基(直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。好ましくは炭素数は1〜5である。)である。または、R11、R12、R13のうち、R11が低級アルキル基であり、R12とR13が結合して、単環または多環の脂肪族環式基を形成していてもよい。該脂肪族環式基の炭素数は好ましくは5〜12である。
ここで、本明細書において、「脂肪族」とは、当該基または化合物が芳香族性を有さないことを意味し、「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基を意味する。
R11、R12、R13が脂肪族環式基を有さない場合には、例えばR11、R12、R13がいずれもメチル基であるものが好ましい。
R11、R12、R13のいずれかが脂肪族環式基を有する場合において、脂肪族環式基が単環の脂肪族環式基である場合は、構成単位(a’2)として、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基を有するもの等が好ましい。
脂肪族環式基が多環の脂環式基である場合、構成単位(a’2)として好ましいものとしては、例えば下記一般式(IV’)で表されるものを挙げることができる。
ここで、本明細書において、「脂肪族」とは、当該基または化合物が芳香族性を有さないことを意味し、「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基を意味する。
R11、R12、R13が脂肪族環式基を有さない場合には、例えばR11、R12、R13がいずれもメチル基であるものが好ましい。
R11、R12、R13のいずれかが脂肪族環式基を有する場合において、脂肪族環式基が単環の脂肪族環式基である場合は、構成単位(a’2)として、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基を有するもの等が好ましい。
脂肪族環式基が多環の脂環式基である場合、構成単位(a’2)として好ましいものとしては、例えば下記一般式(IV’)で表されるものを挙げることができる。
また、多環の脂肪族環式基を含む酸解離性溶解抑制基を有するものとして、下記一般式(V’)で表されるものも好ましい。
構成単位(a’2)は、(A’−11)成分中に、5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%、さらに好ましくは、10〜35モル%の範囲で存在することが好ましい。
・・構成単位(a’3)
構成単位(a’3)は、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位であって、下記一般式(VI’)で表されるものである。
構成単位(a’3)は、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位であって、下記一般式(VI’)で表されるものである。
酸解離性溶解抑制基X’は、tert−ブチルオキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基のような第3級アルキルオキシカルボニル基;tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基のような第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基;tert−ブチル基、tert−アミル基などの第3級アルキル基;テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状アセタール基;エトキシエチル基、メトキシプロピル基などのアルコキシアルキル基などである。
中でも、tert―ブチルオキシカルボニル基、tert―ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基が好ましい。
酸解離性溶解抑制基X’は、例えば化学増幅型のポジ型レジスト組成物において用いられているものの中から上記以外のものを任意に使用することができる。
一般式(VI’)において、ベンゼン環に結合している基(−OX’)の結合位置は特に限定するものではないが式中に示した4の位置(パラ位)が好ましい。
中でも、tert―ブチルオキシカルボニル基、tert―ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基が好ましい。
酸解離性溶解抑制基X’は、例えば化学増幅型のポジ型レジスト組成物において用いられているものの中から上記以外のものを任意に使用することができる。
一般式(VI’)において、ベンゼン環に結合している基(−OX’)の結合位置は特に限定するものではないが式中に示した4の位置(パラ位)が好ましい。
構成単位(a’3)は、(A’−11)成分中、5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%、さらに好ましくは、10〜35モル%の範囲とされる。
・・構成単位(a’4)
構成単位(a’4)は、アルカリ不溶性の単位であって、下記一般式(VII’)で表されるものである。
構成単位(a’4)は、アルカリ不溶性の単位であって、下記一般式(VII’)で表されるものである。
なお、R4’の低級アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれでもよく、炭素数は好ましくは1〜5とされる。
n’は0または1〜3の整数を示すが、0であることが好ましい。
n’は0または1〜3の整数を示すが、0であることが好ましい。
構成単位(a’4)は、(A’−11)成分中、1〜40モル%、好ましくは5〜25モル%とされる。1モル%以上とすることにより、形状の改善(特に膜減りの改善)の効果が高くなり、40モル%以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A’−11)成分においては、前記構成単位(a’1)と、構成単位(a’2)および構成単位(a’3)からなる群より選ばれる少なくとも一つとを必須としつつ、任意に(a’4)を含んでもよい。また、これらの各単位を全て有する共重合体を用いてもよいし、これらの単位を1つ以上有する重合体どうしの混合物としてもよい。又はこれらを組み合わせてもよい。
また、(A’−11)成分は、前記構成単位(a’1)、(a’2)、(a’3)、(a’4)以外のものを任意に含むことができるが、これらの構成単位の割合が80モル%以上、好ましくは90モル%以上(100モル%が最も好ましい)であることが好ましい。
また、(A’−11)成分は、前記構成単位(a’1)、(a’2)、(a’3)、(a’4)以外のものを任意に含むことができるが、これらの構成単位の割合が80モル%以上、好ましくは90モル%以上(100モル%が最も好ましい)であることが好ましい。
特に、「前記構成単位(a’1)および(a’3)を有する共重合体のいずれか1種、または該共重合体の2種以上の混合物」、または、「構成単位(a’1)、(a’2)および(a’4)を有する共重合体のいずれか1種、または該共重合体の2種以上の混合物」を、それぞれ用いるか又は混合した態様が、簡便に効果が得られるため最も好ましい。また、耐熱性向上の点でも好ましい。
特には、第三級アルキルオキシカルボニル基で保護したポリヒドロキシスチレンと、1−アルコキシアルキル基で保護したポリヒドロキシスチレンとの混合物であることが好ましい。かかる混合を行う場合、各重合体の混合比(質量比)(第三級アルキルオキシカルボニル基で保護したポリヒドロキシスチレン/1−アルコキシアルキル基で保護したポリヒドロキシスチレン)は、例えば1/9〜9/1、好ましくは2/8〜8/2とされ、さらに好ましくは2/8〜5/5である。
特には、第三級アルキルオキシカルボニル基で保護したポリヒドロキシスチレンと、1−アルコキシアルキル基で保護したポリヒドロキシスチレンとの混合物であることが好ましい。かかる混合を行う場合、各重合体の混合比(質量比)(第三級アルキルオキシカルボニル基で保護したポリヒドロキシスチレン/1−アルコキシアルキル基で保護したポリヒドロキシスチレン)は、例えば1/9〜9/1、好ましくは2/8〜8/2とされ、さらに好ましくは2/8〜5/5である。
(A’−1)成分として好適な上記(A’−11)成分以外の樹脂成分として、特に、耐エッチング性がより低いパターンを形成できるという点で、(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂を含む樹脂成分((α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂)が好ましく、(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂からなる樹脂成分がより好ましい。
(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂(以下、(A’−12)成分という。)においては、酸解離性溶解抑制基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a’5)を有する樹脂が好ましい。α−低級アルキル基については上記と同様である。
構成単位(a’5)の酸解離性溶解抑制基は、露光前の樹脂成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有すると同時に、露光後に(B’)成分から発生した酸の作用により解離し、(A’−12)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させる基である。
(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂成分においては、構成単位(a’5)における酸解離性溶解抑制基が、(B’)成分から発生した酸により解離すると、カルボン酸を生成する。
(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂(以下、(A’−12)成分という。)においては、酸解離性溶解抑制基を含む(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a’5)を有する樹脂が好ましい。α−低級アルキル基については上記と同様である。
構成単位(a’5)の酸解離性溶解抑制基は、露光前の樹脂成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有すると同時に、露光後に(B’)成分から発生した酸の作用により解離し、(A’−12)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させる基である。
(α−低級アルキル)アクリル酸エステル樹脂成分においては、構成単位(a’5)における酸解離性溶解抑制基が、(B’)成分から発生した酸により解離すると、カルボン酸を生成する。
酸解離性溶解抑制基としては、例えばArFエキシマレーザーのレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。一般的には、(α−低級アルキル)アクリル酸のカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、または環状または鎖状のアルコキシアルキル基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステルを形成する基」とは、アクリル酸のカルボキシ基の水素原子と置換することによりエステルを形成する基である。すなわちアクリル酸エステルのカルボニルオキシ基[−C(O)−O−]の末端の酸素原子に、鎖状または環状の第3級アルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、第3級アルキル基とは、第3級炭素原子を有するアルキル基である。
鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基としては、例えばtert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
環状の第3級アルキルエステルを形成する基としては、後述する「脂環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示するものと同様のものが挙げられる。
ここで、「第3級アルキルエステルを形成する基」とは、アクリル酸のカルボキシ基の水素原子と置換することによりエステルを形成する基である。すなわちアクリル酸エステルのカルボニルオキシ基[−C(O)−O−]の末端の酸素原子に、鎖状または環状の第3級アルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、第3級アルキル基とは、第3級炭素原子を有するアルキル基である。
鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基としては、例えばtert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
環状の第3級アルキルエステルを形成する基としては、後述する「脂環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示するものと同様のものが挙げられる。
「環状または鎖状のアルコキシアルキル基」は、カルボキシ基の水素原子と置換してエステルを形成する。すなわち、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基[−C(O)−O―]の末端の酸素原子に前記アルコキシアルキル基が結合している構造を形成する。かかる構造においては、酸の作用により、酸素原子とアルコキシアルキル基との間で結合が切断される。
このような環状または鎖状のアルコキシアルキル基としては、1−メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−イソプロポキシエチル、1−シクロヘキシルオキシエチル基、2−アダマントキシメチル基、1−メチルアダマントキシメチル基、4−オキソ−2−アダマントキシメチル基、1−アダマントキシエチル基、2−アダマントキシエチル基等が挙げられる。
このような環状または鎖状のアルコキシアルキル基としては、1−メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−イソプロポキシエチル、1−シクロヘキシルオキシエチル基、2−アダマントキシメチル基、1−メチルアダマントキシメチル基、4−オキソ−2−アダマントキシメチル基、1−アダマントキシエチル基、2−アダマントキシエチル基等が挙げられる。
構成単位(a’5)としては、環状、特に、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基を含む構成単位が好ましい。
ここで、「脂肪族」および「脂肪族環式基」は、上記で定義した通りである。
脂肪族環式基としては、単環または多環のいずれでもよく、例えばArFレジスト等において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。耐エッチング性の点からは多環の脂環式基が好ましい。また、脂環式基は炭化水素基であることが好ましく、特に飽和の炭化水素基(脂環式基)であることが好ましい。
単環の脂環式基としては、例えば、シクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。多環の脂環式基としては、例えばビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。
具体的には、単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。多環の脂環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
これらの中でもアダマンタンから1個の水素原子を除いたアダマンチル基、ノルボルナンから1個の水素原子を除いたノルボルニル基、トリシクロデカンからの1個の水素原子を除いたトリシクロデカニル基、テトラシクロドデカンから1個の水素原子を除いたテトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
ここで、「脂肪族」および「脂肪族環式基」は、上記で定義した通りである。
脂肪族環式基としては、単環または多環のいずれでもよく、例えばArFレジスト等において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。耐エッチング性の点からは多環の脂環式基が好ましい。また、脂環式基は炭化水素基であることが好ましく、特に飽和の炭化水素基(脂環式基)であることが好ましい。
単環の脂環式基としては、例えば、シクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。多環の脂環式基としては、例えばビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。
具体的には、単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。多環の脂環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
これらの中でもアダマンタンから1個の水素原子を除いたアダマンチル基、ノルボルナンから1個の水素原子を除いたノルボルニル基、トリシクロデカンからの1個の水素原子を除いたトリシクロデカニル基、テトラシクロドデカンから1個の水素原子を除いたテトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
より具体的には、構成単位(a’5)は、下記一般式(I”)〜(III”)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される単位であって、そのエステル部に上記した環状のアルコキシアルキル基を有する単位、具体的には2−アダマントキシメチル基、1−メチルアダマントキシメチル基、4−オキソ−2−アダマントキシメチル基、1−アダマントキシエチル基、2−アダマントキシエチル基等の置換基を有していても良い脂肪族多環式アルキルオキシ低級アルキル(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される単位から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される単位であって、そのエステル部に上記した環状のアルコキシアルキル基を有する単位、具体的には2−アダマントキシメチル基、1−メチルアダマントキシメチル基、4−オキソ−2−アダマントキシメチル基、1−アダマントキシエチル基、2−アダマントキシエチル基等の置換基を有していても良い脂肪族多環式アルキルオキシ低級アルキル(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される単位から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
式(I”)〜(III”)中、Rの水素原子または低級アルキル基としては、上述したアクリル酸エステルのα位に結合している水素原子または低級アルキル基の説明と同様である。
R1の低級アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基であることが、工業的に入手が容易であることから好ましい。
R2及びR3の低級アルキル基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましい。中でも、R2およびR3が共にメチル基である場合が工業的に好ましい。具体的には、2−(1−アダマンチル)−2−プロピルアクリレートから誘導される構成単位を挙げることができる。
R1の低級アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基であることが、工業的に入手が容易であることから好ましい。
R2及びR3の低級アルキル基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましい。中でも、R2およびR3が共にメチル基である場合が工業的に好ましい。具体的には、2−(1−アダマンチル)−2−プロピルアクリレートから誘導される構成単位を挙げることができる。
R4は鎖状の第3級アルキル基または環状の第3級アルキル基である。鎖状の第3級アルキル基としては、例えばtert−ブチル基やtert−アミル基が挙げられ、tert−ブチル基が工業的に好ましい。
環状の第3級アルキル基としては、前述の「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示したものと同じであり、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基等を挙げることができる。
また、基−COOR4は、式中に示したテトラシクロドデカニル基の3または4の位置に結合していてよいが、結合位置は特定できない。また、アクリレート構成単位のカルボキシ基残基も同様に式中に示した8または9の位置に結合していてよい。
環状の第3級アルキル基としては、前述の「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示したものと同じであり、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基等を挙げることができる。
また、基−COOR4は、式中に示したテトラシクロドデカニル基の3または4の位置に結合していてよいが、結合位置は特定できない。また、アクリレート構成単位のカルボキシ基残基も同様に式中に示した8または9の位置に結合していてよい。
構成単位(a’5)は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(A’−12)成分中、構成単位(a’5)の割合は、(A’−12)成分を構成する全構成単位の合計に対して、20〜60モル%であることが好ましく、30〜50モル%がより好ましく、35〜45モル%が最も好ましい。下限値以上とすることによってパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A’−12)成分中、構成単位(a’5)の割合は、(A’−12)成分を構成する全構成単位の合計に対して、20〜60モル%であることが好ましく、30〜50モル%がより好ましく、35〜45モル%が最も好ましい。下限値以上とすることによってパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A’−12)成分は、前記構成単位(a’5)に加えてさらに、ラクトン環を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a’6)を有することが好ましい。構成単位(a’6)は、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、現像液との親水性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a’6)において、α位の炭素原子に結合しているのは、低級アルキル基または水素原子である。α位の炭素原子に結合している低級アルキル基は、構成単位(a’5)の説明と同様であって、好ましくはメチル基である。
構成単位(a’6)としては、アクリル酸エステルのエステル側鎖部にラクトン環からなる単環式基またはラクトン環を有する多環の環式基が結合した構成単位が挙げられる。なお、このときラクトン環とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環を示し、これをひとつの目の環として数える。したがって、ここではラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a’6)としては、例えば、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた単環式基や、ラクトン環含有ビシクロアルカンから水素原子を1つ除いた多環式基を有するもの等が挙げられる。
構成単位(a’6)として、より具体的には、例えば以下の一般式(IV”)〜(VII”)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
構成単位(a’6)において、α位の炭素原子に結合しているのは、低級アルキル基または水素原子である。α位の炭素原子に結合している低級アルキル基は、構成単位(a’5)の説明と同様であって、好ましくはメチル基である。
構成単位(a’6)としては、アクリル酸エステルのエステル側鎖部にラクトン環からなる単環式基またはラクトン環を有する多環の環式基が結合した構成単位が挙げられる。なお、このときラクトン環とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環を示し、これをひとつの目の環として数える。したがって、ここではラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a’6)としては、例えば、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた単環式基や、ラクトン環含有ビシクロアルカンから水素原子を1つ除いた多環式基を有するもの等が挙げられる。
構成単位(a’6)として、より具体的には、例えば以下の一般式(IV”)〜(VII”)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
式(IV”)中において、R5、R6は、それぞれ独立に、水素原子または低級アルキル基であり、好ましくは水素原子である。R5、R6において、低級アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
一般式(IV”)〜(VII”)で表される構成単位の中でも、(IV”)で表される構成単位が安価で工業的に好ましく、(IV”)で表される構成単位の中でもRがメチル基、R5およびR6が水素原子であり、メタクリル酸エステルとγ−ブチロラクトンとのエステル結合の位置が、そのラクトン環上のα位であるα−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンであることが最も好ましい。
構成単位(a’6)は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(A’−12)成分中、構成単位(a’6)の割合は、(A’−12)成分を構成する全構成単位の合計に対して、20〜60モル%が好ましく、20〜50モル%がより好ましく、30〜45モル%が最も好ましい。下限値以上とすることによりリソグラフィー特性が向上し、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a’6)は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(A’−12)成分中、構成単位(a’6)の割合は、(A’−12)成分を構成する全構成単位の合計に対して、20〜60モル%が好ましく、20〜50モル%がより好ましく、30〜45モル%が最も好ましい。下限値以上とすることによりリソグラフィー特性が向上し、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A’−12)成分は、前記構成単位(a’5)に加えて、または前記構成単位(a’5)および(a’6)に加えてさらに、極性基含有多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a’7)を有することが好ましい。
構成単位(a’7)により、(A’−12)成分全体の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
構成単位(a’7)において、α位の炭素原子に結合しているのは、低級アルキル基または水素原子である。α位の炭素原子に結合している低級アルキル基は、構成単位(a’5)の説明と同様であって、好ましくはメチル基である。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アミノ基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
多環式基としては、前述の(a’5)単位である「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示した脂肪族環式基のうち、多環式のものから適宜選択して用いることができる。
構成単位(a’7)としては、下記一般式(VIII”)〜(IX”)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
構成単位(a’7)により、(A’−12)成分全体の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
構成単位(a’7)において、α位の炭素原子に結合しているのは、低級アルキル基または水素原子である。α位の炭素原子に結合している低級アルキル基は、構成単位(a’5)の説明と同様であって、好ましくはメチル基である。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アミノ基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
多環式基としては、前述の(a’5)単位である「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示した脂肪族環式基のうち、多環式のものから適宜選択して用いることができる。
構成単位(a’7)としては、下記一般式(VIII”)〜(IX”)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
式(VIII”)中のRは上記式(I”)〜(III”)中のRと同様である。
これらの中でも、nが1であり、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
これらの中でも、nが1であり、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
これらの中でも、kが1であるものが好ましい。また、シアノ基がノルボルニル基の5位又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a’7)は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(A’−12)成分中、構成単位(a’7)の割合は、(A’−12)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜50モル%が好ましく、15〜40モル%がより好ましく、20〜35モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによりリソグラフィー特性が向上し、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A’−12)成分中、構成単位(a’7)の割合は、(A’−12)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜50モル%が好ましく、15〜40モル%がより好ましく、20〜35モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによりリソグラフィー特性が向上し、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A’−12)成分においては、これらの構成単位(a’5)〜(a’7)の合計が、全構成単位の合計に対し、70〜100モル%であることが好ましく、80〜100モル%であることがより好ましい。
(A’−12)成分は、前記構成単位(a’5)〜(a’7)以外の構成単位(a’8)を含んでいてもよい。
構成単位(a’8)としては、上述の構成単位(a’5)〜(a’7)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではない。
例えば多環の脂肪族炭化水素基を含み、かつ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位等が好ましい。該多環の脂肪族炭化水素基は、例えば、前述の「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示した脂肪族環式基のうち、多環式のものから適宜選択して用いることができる。特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、イソボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易い等の点で好ましい。構成単位(a’8)としては、酸非解離性基であることが最も好ましい。
構成単位(a’8)として、具体的には、下記(X”)〜(XII”)の構造のものを例示することができる。
構成単位(a’8)としては、上述の構成単位(a’5)〜(a’7)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではない。
例えば多環の脂肪族炭化水素基を含み、かつ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位等が好ましい。該多環の脂肪族炭化水素基は、例えば、前述の「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示した脂肪族環式基のうち、多環式のものから適宜選択して用いることができる。特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、イソボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易い等の点で好ましい。構成単位(a’8)としては、酸非解離性基であることが最も好ましい。
構成単位(a’8)として、具体的には、下記(X”)〜(XII”)の構造のものを例示することができる。
構成単位(a’8)を有する場合、(A’−12)成分中、構成単位(a’8)の割合は、(A’−12)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜25モル%が好ましく、5〜20モル%がより好ましい。
(A’−12)成分は、少なくとも構成単位(a’5)、(a’6)および(a’7)を有する共重合体であることが好ましい。係る共重合体としては、たとえば、上記構成単位(a’5)、(a’6)および(a’7)からなる共重合体、上記構成単位(a’5)、(a’6)、(a’7)および(a’8)からなる共重合体等が例示できる。
(A’−1)成分は、前記構成単位に係るモノマーを公知の方法で重合することにより得ることができる。例えば、各構成単位に係るモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
(A’−1)成分は、質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量、以下同様。)30000以下であることが好ましく、20000以下であることが好ましく、12000以下であることがさらに好ましい。下限値は、2000超であればよく、パターン倒れの抑制、解像性向上等の点で、好ましくは4000以上、さらに好ましくは5000以上とされる。
(A’−1)成分は、質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量、以下同様。)30000以下であることが好ましく、20000以下であることが好ましく、12000以下であることがさらに好ましい。下限値は、2000超であればよく、パターン倒れの抑制、解像性向上等の点で、好ましくは4000以上、さらに好ましくは5000以上とされる。
[(A’−2)成分]
(A’−2)成分としては、分子量が500以上2000以下であって、親水性基を有するとともに、上述の(A−1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基XまたはX’を有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基XまたはX’で置換したものが挙げられる。
(A’−2)成分は、例えば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
なお、酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
(A’−2)成分としては、分子量が500以上2000以下であって、親水性基を有するとともに、上述の(A−1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基XまたはX’を有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基XまたはX’で置換したものが挙げられる。
(A’−2)成分は、例えば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
なお、酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
<(B’)成分>
(B’)成分としては、従来、化学増幅型レジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
なお、これらの酸発生剤は、一般的に、露光により酸を発生する光酸発生剤(PAG)として知られているが、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(TAG)としても機能する。ここで、「熱の作用により酸を発生する」とは、80℃以上200℃以下の加熱により酸を発生することを意味する。そのため、熱リソグラフィーにおいては、従来フォトリソグラフィーに用いられている化学増幅型レジスト組成物をそのまま利用することができる。
(B’)成分としては、従来、化学増幅型レジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
なお、これらの酸発生剤は、一般的に、露光により酸を発生する光酸発生剤(PAG)として知られているが、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(TAG)としても機能する。ここで、「熱の作用により酸を発生する」とは、80℃以上200℃以下の加熱により酸を発生することを意味する。そのため、熱リソグラフィーにおいては、従来フォトリソグラフィーに用いられている化学増幅型レジスト組成物をそのまま利用することができる。
オニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートが挙げられる。これらのなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤としては、たとえば、一般式>C=N−O−SO2−R31[式中、R31は、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基である。]で表される構造を有するオキシムスルホネート系化合物が挙げられる。
オキシムスルホネート系化合物としては、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メチルフェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐ブロモフェニルアセトニトリル、下記式(B’−1)で表される化合物などが挙げられる。これらの中で、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、式(B’−1)で表される化合物が好ましい。
オキシムスルホネート系化合物としては、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メチルフェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐ブロモフェニルアセトニトリル、下記式(B’−1)で表される化合物などが挙げられる。これらの中で、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、式(B’−1)で表される化合物が好ましい。
ジアゾメタン系酸発生剤の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
(B’)成分として、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B’)成分の使用量は、(A’)成分100質量部に対し、1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部とされる。上記範囲の下限値以上とすることにより充分はパターン形成が行われ、上記範囲の上限値以下であれば溶液の均一性が得られやすく、良好な保存安定性が得られる。
(B’)成分の使用量は、(A’)成分100質量部に対し、1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部とされる。上記範囲の下限値以上とすることにより充分はパターン形成が行われ、上記範囲の上限値以下であれば溶液の均一性が得られやすく、良好な保存安定性が得られる。
<(C’)成分>
上述したように、化学増幅型レジスト組成物がネガ型である場合、当該レジスト組成物には(C’)成分(架橋剤)が配合される。
(C’)成分としては、特に限定されず、これまでに知られている化学増幅型のネガ型レジスト組成物に用いられている架橋剤の中から任意に選択して用いることができる。
具体的には、例えば2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8(又は9)−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどのヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素又はその含酸素誘導体が挙げられる。
また、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、グリコールウリルなどのアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物、エポキシ基を有する化合物等が挙げられる。これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。
(C’)成分としては、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤およびグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にメラミン系架橋剤が好ましい。
(C’)成分の配合量は、(A’)成分100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましく、3〜30質量部がより好ましく、3〜15質量部がさらに好ましい。(C’)成分の含有量が下限値以上であると、架橋形成が充分に進行し、良好なレジストパターンが得られる。またこの上限値以下であると、レジスト塗布液の保存安定性が良好であり、感度の経時的劣化が抑制される。
上述したように、化学増幅型レジスト組成物がネガ型である場合、当該レジスト組成物には(C’)成分(架橋剤)が配合される。
(C’)成分としては、特に限定されず、これまでに知られている化学増幅型のネガ型レジスト組成物に用いられている架橋剤の中から任意に選択して用いることができる。
具体的には、例えば2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8(又は9)−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどのヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素又はその含酸素誘導体が挙げられる。
また、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、グリコールウリルなどのアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物、エポキシ基を有する化合物等が挙げられる。これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。
(C’)成分としては、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤およびグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にメラミン系架橋剤が好ましい。
(C’)成分の配合量は、(A’)成分100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましく、3〜30質量部がより好ましく、3〜15質量部がさらに好ましい。(C’)成分の含有量が下限値以上であると、架橋形成が充分に進行し、良好なレジストパターンが得られる。またこの上限値以下であると、レジスト塗布液の保存安定性が良好であり、感度の経時的劣化が抑制される。
<任意成分>
化学増幅型レジスト組成物には、パターンパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意成分として、含窒素有機化合物(D’)(以下、(D’)成分という。)を配合させることができる。
この(D’)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、アミン、特に第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンが好ましい。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような第3級アルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D’)成分は、(A’)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
化学増幅型レジスト組成物には、パターンパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意成分として、含窒素有機化合物(D’)(以下、(D’)成分という。)を配合させることができる。
この(D’)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、アミン、特に第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンが好ましい。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような第3級アルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D’)成分は、(A’)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
また、化学増幅型レジスト組成物には、前記(D’)成分との配合による感度劣化を防ぎ、またパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E’)(以下、(E’)成分という。)を含有させることができる。なお、(D’)成分と(E’)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E’)成分は、(A’)成分100質量部当り、通常0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E’)成分は、(A’)成分100質量部当り、通常0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
化学増幅型レジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えば該レジスト組成物の塗布膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜含有させることができる。
化学増幅型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(S’)(以下、(S’)成分という。)に溶解させて製造することができる。
(S’)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、レジスト組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
具体例としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの中でも、PGMEA、EL、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
(S’)成分の使用量は特に限定しないが、化学増幅型レジスト組成物が、支持体上に塗布可能な濃度の液体となる量が用いられる。
(S’)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、レジスト組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
具体例としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの中でも、PGMEA、EL、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
(S’)成分の使用量は特に限定しないが、化学増幅型レジスト組成物が、支持体上に塗布可能な濃度の液体となる量が用いられる。
レジスト膜の厚さは、好ましくは30〜1000nm、より好ましくは50〜600nm、さらに好ましくは50〜450nmである。この範囲内とすることにより、レジストパターンを高解像度で形成できる、エッチングに対する十分な耐性が得られる等の効果がある。
レジスト膜の形成は、後述する本発明のレジストパターン形成方法の項で詳細に説明する。
レジスト膜の形成は、後述する本発明のレジストパターン形成方法の項で詳細に説明する。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、前記本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて熱リソグラフィー用下層膜を形成する工程(以下、下層膜形成工程という。)、前記熱リソグラフィー用下層膜上に、化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得る工程(レジスト積層体形成工程)、前記レジスト積層体に対し、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光を用いて選択的露光を行う工程(露光工程)、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程(現像工程)を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、前記本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて熱リソグラフィー用下層膜を形成する工程(以下、下層膜形成工程という。)、前記熱リソグラフィー用下層膜上に、化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得る工程(レジスト積層体形成工程)、前記レジスト積層体に対し、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光を用いて選択的露光を行う工程(露光工程)、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程(現像工程)を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
(下層膜形成工程)
本発明のレジストパターン形成方法においては、まず、支持体上に、前記本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料の有機溶剤溶液を、スピンナーなどで塗布し、ベーク処理して熱リソグラフィー用下層膜(以下、単に下層膜ということがある。)を形成する。
ベーク条件は、特に制限はなく、使用する有機化合物(A1)の耐熱性等を考慮して適宜設定すればよい。たとえばノボラック樹脂を用いる場合は、150〜350℃で30〜300秒間が好ましく、200〜300℃で60〜180秒間がより好ましい。
前記熱リソグラフィー用下層膜形成用材料が前述した(C)成分を含有する場合、上記ベーク処理を行うことにより形成されるこの下層膜は、上記ベーク処理を行うことにより形成される下層膜は、アルカリに対して不溶となる。また、有機溶剤に対する耐性も高まり、下層膜上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する際にインターミキシングが生じにくくなる。
下層膜の厚さは、前記本発明のレジスト積層体における下層膜の厚さと同じである。
本発明のレジストパターン形成方法においては、まず、支持体上に、前記本発明の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料の有機溶剤溶液を、スピンナーなどで塗布し、ベーク処理して熱リソグラフィー用下層膜(以下、単に下層膜ということがある。)を形成する。
ベーク条件は、特に制限はなく、使用する有機化合物(A1)の耐熱性等を考慮して適宜設定すればよい。たとえばノボラック樹脂を用いる場合は、150〜350℃で30〜300秒間が好ましく、200〜300℃で60〜180秒間がより好ましい。
前記熱リソグラフィー用下層膜形成用材料が前述した(C)成分を含有する場合、上記ベーク処理を行うことにより形成されるこの下層膜は、上記ベーク処理を行うことにより形成される下層膜は、アルカリに対して不溶となる。また、有機溶剤に対する耐性も高まり、下層膜上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する際にインターミキシングが生じにくくなる。
下層膜の厚さは、前記本発明のレジスト積層体における下層膜の厚さと同じである。
(レジスト積層体形成工程)
次に、下層膜上に、レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してレジスト膜を形成することによりレジスト積層体を得る。
レジスト膜の厚さは、前記本発明のレジスト積層体におけるレジスト膜の厚さと同じである。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
次に、下層膜上に、レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してレジスト膜を形成することによりレジスト積層体を得る。
レジスト膜の厚さは、前記本発明のレジスト積層体におけるレジスト膜の厚さと同じである。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
(露光工程)
次に、得られたレジスト積層体に対し、露光光源として、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光を照射して選択的露光を行う。
露光光源としては、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光であればよい。上述したように、通常、化学増幅型レジストとしては、250nm以下の波長の光、たとえばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等のエキシマレーザーや、それよりも短波長の光源に感光するものが一般的に用いられている。かかる化学増幅型レジストは、通常、350nm以上の波長の光、たとえば可視光レーザーには感光しないため、露光光源としては、350nm以上の波長の光が好ましく、可視光レーザーがより好ましく、特に、波長350〜450nmが好ましい。
選択的露光は、使用する光源に応じ、市販の露光装置を適宜選択して用いることができる。たとえば可視光レーザーを用いる場合には、パルステック社製のナノ加工装置NEO−500(波長405nmの半導体レーザー)が使用できる。この装置は、レンズによって集光した半導体レーザー光を対象物(レジスト積層体)に照射して描画を行う装置である。
次に、得られたレジスト積層体に対し、露光光源として、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光を照射して選択的露光を行う。
露光光源としては、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光であればよい。上述したように、通常、化学増幅型レジストとしては、250nm以下の波長の光、たとえばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等のエキシマレーザーや、それよりも短波長の光源に感光するものが一般的に用いられている。かかる化学増幅型レジストは、通常、350nm以上の波長の光、たとえば可視光レーザーには感光しないため、露光光源としては、350nm以上の波長の光が好ましく、可視光レーザーがより好ましく、特に、波長350〜450nmが好ましい。
選択的露光は、使用する光源に応じ、市販の露光装置を適宜選択して用いることができる。たとえば可視光レーザーを用いる場合には、パルステック社製のナノ加工装置NEO−500(波長405nmの半導体レーザー)が使用できる。この装置は、レンズによって集光した半導体レーザー光を対象物(レジスト積層体)に照射して描画を行う装置である。
レジスト積層体の表面(レジスト膜側)に対して光を照射すると、該光はレジスト膜を透過して下層膜に吸収され、光を吸収した部分の下層膜(光吸収部)が発熱し、該熱により、光吸収部上のレジスト膜が加熱される。その結果、加熱された部分、すなわち露光された部分のレジスト膜(露光部)中において、前記(B’)成分から酸が発生し、該酸の作用により(A’)成分のアルカリ溶解性が変化する。そのため、この後の現像工程でアルカリ現像を行うと、使用した化学増幅型レジス組成物がネガ型である場合は露光部が除去されずに残り、未露光部が除去されてレジストパターンが形成される。また、使用した化学増幅型レジスト組成物がポジ型である場合は露光部が除去され、未露光部が除去されずに残ってレジストパターンが形成される。
上記光の照射時において、光吸収部において発生する熱の熱分布は、吸収した光の強度分布と同様のものとなり、たとえば光のスポットの場合、中心部に近いほど光の強度が高く、発生する熱も中心部ほど高くなる。熱リソグラフィーの反応は、加熱されたレジスト膜の温度が所定の温度(感熱温度)以上になることにより生じるため、光のスポットの中心部分の、感熱温度以上の高温部(熱スポット)が熱リソグラフィー反応に寄与する。この熱スポットの径は、光のスポット径よりも小さいため、照射する光のスポット径よりも微細な径で描画を行うことができ、結果として、微細なパターンが形成できる。
なお、前記感熱温度は、使用する化学増幅型レジスト組成物によって異なるが、通常、140〜300℃の範囲内である。
上記光の照射時において、光吸収部において発生する熱の熱分布は、吸収した光の強度分布と同様のものとなり、たとえば光のスポットの場合、中心部に近いほど光の強度が高く、発生する熱も中心部ほど高くなる。熱リソグラフィーの反応は、加熱されたレジスト膜の温度が所定の温度(感熱温度)以上になることにより生じるため、光のスポットの中心部分の、感熱温度以上の高温部(熱スポット)が熱リソグラフィー反応に寄与する。この熱スポットの径は、光のスポット径よりも小さいため、照射する光のスポット径よりも微細な径で描画を行うことができ、結果として、微細なパターンが形成できる。
なお、前記感熱温度は、使用する化学増幅型レジスト組成物によって異なるが、通常、140〜300℃の範囲内である。
選択的露光後、レジスト積層体に対し、PEB(露光後加熱)を、80〜150℃の温度条件下、40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施すことが好ましい。
(現像工程)
次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.05〜10質量%、好ましくは0.05〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このとき、使用した化学増幅型レジス組成物がポジ型であれば露光部分が、ネガ型であれば未露光部分が選択的に溶解除去されてレジストパターンが形成される。
次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.05〜10質量%、好ましくは0.05〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このとき、使用した化学増幅型レジス組成物がポジ型であれば露光部分が、ネガ型であれば未露光部分が選択的に溶解除去されてレジストパターンが形成される。
上記のようにしてレジストパターンが形成されたレジスト積層体に対し、さらに、形成されたレジストパターンをマスクパターンとして、前記下層膜をエッチングするエッチング処理を行ってもよい。かかるエッチング処理を行うことにより、下層膜に、レジスト膜のレジストパターンが転写される。これにより、支持体上に、高アスペクト比のパターンが形成される。
本発明において、下層膜のエッチングは、従来公知のエッチング法を用いて行うことができ、特に、ドライエッチングが好ましく、中でも酸素プラズマによるエッチングが好ましい。
本発明において、下層膜のエッチングは、従来公知のエッチング法を用いて行うことができ、特に、ドライエッチングが好ましく、中でも酸素プラズマによるエッチングが好ましい。
[実施例1]
(下層膜形成用組成物1の調製)
下記(A−1)成分100質量部と、下記(C−1)成分10質量部と、界面活性剤XR−104(大日本インキ化学工業(株)製)0.06質量部と、PGMEA500質量部とを混合、溶解して下層膜用溶液を調整した。次に、前記下層膜用溶液100質量部と、市販の黄色染料OY−105(オリエント化学製)10質量部と、PGMEA60質量部とを混合、溶解して下層膜形成用組成物1を調製した。
(A−1)成分:Mwが20000であり、分子量500以下の低核体の含有量が0.9質量%のノボラック樹脂[m−クレゾールとp−クレゾールとの混合物(m−クレゾール:p−クレゾール=6:4(質量比))と、ホルムアルデヒドとを、シュウ酸触媒の存在下で常法により縮合させて得たMw12000のノボラック樹脂を、室温で、メタノールに溶解して15質量%溶液とし、そこに、メタノールの2倍量の水を加えて得られた析出物。]。
(C−1)成分:ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ヒドロキシフェニルメタンと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとのエステル化反応生成物。
(下層膜形成用組成物1の調製)
下記(A−1)成分100質量部と、下記(C−1)成分10質量部と、界面活性剤XR−104(大日本インキ化学工業(株)製)0.06質量部と、PGMEA500質量部とを混合、溶解して下層膜用溶液を調整した。次に、前記下層膜用溶液100質量部と、市販の黄色染料OY−105(オリエント化学製)10質量部と、PGMEA60質量部とを混合、溶解して下層膜形成用組成物1を調製した。
(A−1)成分:Mwが20000であり、分子量500以下の低核体の含有量が0.9質量%のノボラック樹脂[m−クレゾールとp−クレゾールとの混合物(m−クレゾール:p−クレゾール=6:4(質量比))と、ホルムアルデヒドとを、シュウ酸触媒の存在下で常法により縮合させて得たMw12000のノボラック樹脂を、室温で、メタノールに溶解して15質量%溶液とし、そこに、メタノールの2倍量の水を加えて得られた析出物。]。
(C−1)成分:ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ヒドロキシフェニルメタンと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとのエステル化反応生成物。
(吸光度の測定)
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、上記で調製した下層膜形成用組成物1を2インチの石英基板上に塗布し、230℃で15分間ベークすることにより、膜厚100nmの有機膜を成膜して測定用のサンプルを作製した。
このサンプルについて、(株)島津製作所製の「島津自記分光光度計 UV−3100PC」を用い、下記の測定条件で当該有機膜の吸光度を測定した。
[測定条件]
測定波長の範囲:600nm〜200nm。
吸光度の測定範囲:0〜2.5abs。
スキャン速度:高速。
スリット幅:2.0nm。
サンプリングピッチ:AUTO。
ベースライン:空気[バックグラウンド補正における装置側のリファレンス]、新品の石英基板[バックグラウンド補正におけるサンプル側のリファレンス]。
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、上記で調製した下層膜形成用組成物1を2インチの石英基板上に塗布し、230℃で15分間ベークすることにより、膜厚100nmの有機膜を成膜して測定用のサンプルを作製した。
このサンプルについて、(株)島津製作所製の「島津自記分光光度計 UV−3100PC」を用い、下記の測定条件で当該有機膜の吸光度を測定した。
[測定条件]
測定波長の範囲:600nm〜200nm。
吸光度の測定範囲:0〜2.5abs。
スキャン速度:高速。
スリット幅:2.0nm。
サンプリングピッチ:AUTO。
ベースライン:空気[バックグラウンド補正における装置側のリファレンス]、新品の石英基板[バックグラウンド補正におけるサンプル側のリファレンス]。
上記測定により得られた波長405nmにおける当該有機膜の吸光度と、当該有機膜の膜厚とから、波長405nmにおける膜厚100nmあたりの吸光度を算出した。その結果、上記下層膜形成用組成物1を用いて形成された下層膜の、波長405nmにおける吸光度は、0.35/膜厚100nmであった。
(パターン形成の確認)
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、上記で調製した下層膜形成用組成物1を石英基板上に塗布し、ホットプレートで230℃、90秒間加熱して膜厚500nmの下層膜を形成した。そして、この下層膜上に、さらに市販の電子線用のネガ型の化学増幅型レジスト組成物OEBR−CA014(東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間加熱して膜厚350nmのレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得た。
次に、ナノ加工装置NEO−500(パルステック工業(株)製)において、前記レジスト積層体に対し、レジスト膜側から青色レーザー光(半導体レーザー波長405nm)を照射した。処理後のレジスト積層体を、110℃、90秒間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に60秒間浸漬し、さらに純水で洗浄した後、ホットプレートで100℃、60秒間加熱した。
レジスト積層体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、ライン幅250nm、スペース幅250nmのラインアンドスペースのレジストパターンの形成が確認できた。
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、上記で調製した下層膜形成用組成物1を石英基板上に塗布し、ホットプレートで230℃、90秒間加熱して膜厚500nmの下層膜を形成した。そして、この下層膜上に、さらに市販の電子線用のネガ型の化学増幅型レジスト組成物OEBR−CA014(東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間加熱して膜厚350nmのレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得た。
次に、ナノ加工装置NEO−500(パルステック工業(株)製)において、前記レジスト積層体に対し、レジスト膜側から青色レーザー光(半導体レーザー波長405nm)を照射した。処理後のレジスト積層体を、110℃、90秒間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に60秒間浸漬し、さらに純水で洗浄した後、ホットプレートで100℃、60秒間加熱した。
レジスト積層体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、ライン幅250nm、スペース幅250nmのラインアンドスペースのレジストパターンの形成が確認できた。
[比較例1]
黄色染料OY−105の配合量を5質量部に変更した以外は実施例1と同様にして下層膜形成用組成物2を調製した。
該下層膜形成用組成物2を用い、実施例1と同様にして、吸光度の測定を行った。その結果、得られた下層膜の、波長405nmにおける吸光度は、0.25/膜厚100nmであった。
また、該下層膜形成用組成物2を用い、実施例1と同様にして、パターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
黄色染料OY−105の配合量を5質量部に変更した以外は実施例1と同様にして下層膜形成用組成物2を調製した。
該下層膜形成用組成物2を用い、実施例1と同様にして、吸光度の測定を行った。その結果、得られた下層膜の、波長405nmにおける吸光度は、0.25/膜厚100nmであった。
また、該下層膜形成用組成物2を用い、実施例1と同様にして、パターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
[比較例2]
石英基板上に、下層膜を形成せずに直接レジスト膜を形成した以外は実施例1と同様にしてパターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
石英基板上に、下層膜を形成せずに直接レジスト膜を形成した以外は実施例1と同様にしてパターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
[比較例3]
石英基板上に、実施例1において、市販の黄色染料OY−105(オリエント化学製)10質量部と、PGMEA60質量部とを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして下層膜形成用組成物3を調製した。該下層膜形成用組成物3を用いて、実施例1と同様、パターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
石英基板上に、実施例1において、市販の黄色染料OY−105(オリエント化学製)10質量部と、PGMEA60質量部とを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして下層膜形成用組成物3を調製した。該下層膜形成用組成物3を用いて、実施例1と同様、パターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
[実施例2]
(下層膜形成用組成物4の調製および吸光度の測定)
実施例1において、OY−105(オリエント化学製)10質量部をOY−108(オリエント化学製)5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして下層膜形成用組成物4を調整し、実施例1と同様に吸光度を測定した。その結果、0.36/膜厚100nmであった。
(下層膜形成用組成物4の調製および吸光度の測定)
実施例1において、OY−105(オリエント化学製)10質量部をOY−108(オリエント化学製)5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして下層膜形成用組成物4を調整し、実施例1と同様に吸光度を測定した。その結果、0.36/膜厚100nmであった。
(パターン形成の確認)
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、上記で調製した下層膜形成用組成物4を石英基板上に塗布し、ホットプレートで230℃、90秒間加熱して膜厚500nmの下層膜を形成した。そして、この下層膜上に、さらに市販のKrF用のポジ型の化学増幅型レジスト組成物TDUR−P015(東京応化工業(株)製を塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間加熱して膜厚350nmのレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得た。
次に、ナノ加工装置NEO−500(パルステック工業(株)製)において、前記レジスト積層体に対し、レジスト膜側から青色レーザー光(半導体レーザー波長405nm)を照射した。処理後のレジスト積層体を、110℃、90秒間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に60秒間浸漬し、さらに純水で洗浄した後、ホットプレートで100℃、60秒間加熱した。
レジスト積層体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、ホールの内径が250nmのコンタクトホールパターンの形成が確認できた。
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、上記で調製した下層膜形成用組成物4を石英基板上に塗布し、ホットプレートで230℃、90秒間加熱して膜厚500nmの下層膜を形成した。そして、この下層膜上に、さらに市販のKrF用のポジ型の化学増幅型レジスト組成物TDUR−P015(東京応化工業(株)製を塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間加熱して膜厚350nmのレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得た。
次に、ナノ加工装置NEO−500(パルステック工業(株)製)において、前記レジスト積層体に対し、レジスト膜側から青色レーザー光(半導体レーザー波長405nm)を照射した。処理後のレジスト積層体を、110℃、90秒間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に60秒間浸漬し、さらに純水で洗浄した後、ホットプレートで100℃、60秒間加熱した。
レジスト積層体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、ホールの内径が250nmのコンタクトホールパターンの形成が確認できた。
[比較例4]
石英基板上に、下層膜を形成せずに直接レジスト膜を形成した以外は実施例2と同様にしてパターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
石英基板上に、下層膜を形成せずに直接レジスト膜を形成した以外は実施例2と同様にしてパターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
[比較例5]
石英基板上に、実施例2において、OY−108(オリエント化学製)5質量部と、PGMEA60質量部とを添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして下層膜形成用組成物5を調製した。該下層膜形成用組成物5を用いて、実施例2と同様、パターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
石英基板上に、実施例2において、OY−108(オリエント化学製)5質量部と、PGMEA60質量部とを添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして下層膜形成用組成物5を調製した。該下層膜形成用組成物5を用いて、実施例2と同様、パターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
上記結果に示すように、形成される下層膜の、露光光源の波長(405nm)における吸光度が0.35/膜厚100nmの実施例1、及び吸光度が0.36/膜厚100nmの実施例2においては、当該下層膜上のレジスト膜に、熱リソグラフィーにより、レジストパターンを形成できた。
一方、形成される下層膜の、露光光源の波長(405nm)における吸光度が0.25/膜厚100nmの比較例1においては、熱リソグラフィーによるレジストパターン形成ができなかった。
また、下層膜を設けなかった比較例2においてもレジストパターンは形成されなかった。この結果から、実施例1におけるレジストパターンの形成が、青色レーザー光が直接レジスト膜に作用することによるものではないことは明らかである。
一方、形成される下層膜の、露光光源の波長(405nm)における吸光度が0.25/膜厚100nmの比較例1においては、熱リソグラフィーによるレジストパターン形成ができなかった。
また、下層膜を設けなかった比較例2においてもレジストパターンは形成されなかった。この結果から、実施例1におけるレジストパターンの形成が、青色レーザー光が直接レジスト膜に作用することによるものではないことは明らかである。
[実施例3]
(下層膜形成用組成物6の調製および吸光度の測定)
前記(A−1)成分100質量部と、前記(C−1)成分10質量部と、界面活性剤XR−104(大日本インキ化学工業(株)製)0.06質量部と、PGMEA500質量部とを混合、溶解して下層膜用溶液を調整した。次に、前記下層膜用溶液100質量部と、市販の黄色染料CH−1002(ダイトーケミックス社製)11質量部と、2−ヘプタノン90質量部とを混合、溶解して下層膜形成用組成物6を調製した。
該下層膜形成用組成物6を用いて、実施例1と同様に吸光度を測定したところ、0.45/膜厚100nmであった。
(下層膜形成用組成物6の調製および吸光度の測定)
前記(A−1)成分100質量部と、前記(C−1)成分10質量部と、界面活性剤XR−104(大日本インキ化学工業(株)製)0.06質量部と、PGMEA500質量部とを混合、溶解して下層膜用溶液を調整した。次に、前記下層膜用溶液100質量部と、市販の黄色染料CH−1002(ダイトーケミックス社製)11質量部と、2−ヘプタノン90質量部とを混合、溶解して下層膜形成用組成物6を調製した。
該下層膜形成用組成物6を用いて、実施例1と同様に吸光度を測定したところ、0.45/膜厚100nmであった。
(パターン形成の確認)
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、上記で調製した下層膜形成用組成物6を石英基板上に塗布し、ホットプレートで230℃、90秒間加熱して膜厚500nmの下層膜を形成した。そして、この下層膜上に、ネガ型の化学増幅型レジスト組成物OEBR−CA014(東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間加熱して膜厚350nmのレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得た。
次に、ナノ加工装置NEO−500(パルステック工業(株)製)において、前記レジスト積層体に対し、レジスト膜側から青色レーザー光(半導体レーザー波長405nm)を照射した。処理後のレジスト積層体を、110℃、90秒間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に60秒間浸漬し、さらに純水で洗浄した後、ホットプレートで100℃、60秒間加熱した。
レジスト積層体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、ライン幅220nm、ピッチ1200nmのラインアンドスペースのレジストパターンの形成が確認できた。
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、上記で調製した下層膜形成用組成物6を石英基板上に塗布し、ホットプレートで230℃、90秒間加熱して膜厚500nmの下層膜を形成した。そして、この下層膜上に、ネガ型の化学増幅型レジスト組成物OEBR−CA014(東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間加熱して膜厚350nmのレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得た。
次に、ナノ加工装置NEO−500(パルステック工業(株)製)において、前記レジスト積層体に対し、レジスト膜側から青色レーザー光(半導体レーザー波長405nm)を照射した。処理後のレジスト積層体を、110℃、90秒間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に60秒間浸漬し、さらに純水で洗浄した後、ホットプレートで100℃、60秒間加熱した。
レジスト積層体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、ライン幅220nm、ピッチ1200nmのラインアンドスペースのレジストパターンの形成が確認できた。
[実施例4]
下記(A’−1)成分100質量部と、下記(B’−1)成分3質量部と、下記(C’−1)成分10質量部と、下記(D’−1)成分0.2質量部と、界面活性剤XR−104(大日本インキ化学工業(株)製)0.1質量部と、PGME1400質量部とを混合、溶解してネガ型の化学増幅型レジスト組成物を調製した。
(A’−1)成分:下記式(A’−1)[式中、l/m/n=50/17/33(モル比)。]で表される質量平均分子量6000の樹脂。
(B’−1)成分:下記式(B’−1)で表される化合物(酸発生剤)。
(C’−1)成分:下記式(C’−1)で表される化合物(メラミン系架橋剤)。
(D’−1)成分:トリエタノールアミン。
下記(A’−1)成分100質量部と、下記(B’−1)成分3質量部と、下記(C’−1)成分10質量部と、下記(D’−1)成分0.2質量部と、界面活性剤XR−104(大日本インキ化学工業(株)製)0.1質量部と、PGME1400質量部とを混合、溶解してネガ型の化学増幅型レジスト組成物を調製した。
(A’−1)成分:下記式(A’−1)[式中、l/m/n=50/17/33(モル比)。]で表される質量平均分子量6000の樹脂。
(B’−1)成分:下記式(B’−1)で表される化合物(酸発生剤)。
(C’−1)成分:下記式(C’−1)で表される化合物(メラミン系架橋剤)。
(D’−1)成分:トリエタノールアミン。
(パターン形成の確認)
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、実施例3で調製した下層膜形成用組成物6を石英基板上に塗布し、ホットプレートで230℃、90秒間加熱して膜厚500nmの下層膜を形成した。そして、この下層膜上に、ネガ型の化学増幅型レジスト組成物OEBR−CA014(東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間加熱して膜厚350nmのレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得た。
次に、ナノ加工装置NEO−500(パルステック工業(株)製)において、前記レジスト積層体に対し、レジスト膜側から青色レーザー光(半導体レーザー波長405nm)を照射した。処理後のレジスト積層体を、110℃、90秒間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に60秒間浸漬し、さらに純水で洗浄した後、ホットプレートで100℃、60秒間加熱した。
レジスト積層体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、ライン幅158nm、ピッチ1200nmのラインアンドスペースのレジストパターンの形成が確認できた。
スピンコーター(MIKASA製)を用いて、実施例3で調製した下層膜形成用組成物6を石英基板上に塗布し、ホットプレートで230℃、90秒間加熱して膜厚500nmの下層膜を形成した。そして、この下層膜上に、ネガ型の化学増幅型レジスト組成物OEBR−CA014(東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間加熱して膜厚350nmのレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得た。
次に、ナノ加工装置NEO−500(パルステック工業(株)製)において、前記レジスト積層体に対し、レジスト膜側から青色レーザー光(半導体レーザー波長405nm)を照射した。処理後のレジスト積層体を、110℃、90秒間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に60秒間浸漬し、さらに純水で洗浄した後、ホットプレートで100℃、60秒間加熱した。
レジスト積層体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。その結果、ライン幅158nm、ピッチ1200nmのラインアンドスペースのレジストパターンの形成が確認できた。
[比較例6]
石英基板上に、下層膜を形成せずに直接レジスト膜を形成した以外は実施例4と同様にしてパターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
石英基板上に、下層膜を形成せずに直接レジスト膜を形成した以外は実施例4と同様にしてパターン形成の確認を行った。その結果、レジストパターンは解像しなかった。
Claims (5)
- 支持体とレジスト膜との間に熱リソグラフィー用下層膜を形成するための熱リソグラフィー用下層膜形成用材料であって、
膜形成能を有する有機化合物(A1)と、熱リソグラフィーにおいて用いられる露光光源の波長の光を吸収する染料(B)とを含有し、
当該熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成される熱リソグラフィー用下層膜が、前記露光光源の波長において、膜厚100nmあたり0.26以上の吸光度を有する有機膜であることを特徴とする熱リソグラフィー用下層膜形成用材料。 - 前記有機化合物(A1)が、ノボラック樹脂である請求項1記載の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料。
- さらに、ナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化された分子量200以上のフェノール誘導体(C)を含有する請求項2記載の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料。
- 支持体上に、熱リソグラフィー用下層膜と、レジスト膜とが積層されてなるレジスト積層体であって、
前記熱リソグラフィー用下層膜が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて形成されるものであり、
前記レジスト膜が、前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光に感光しない化学増幅型レジスト組成物を用いて形成されるものであることを特徴とするレジスト積層体。 - 支持体上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱リソグラフィー用下層膜形成用材料を用いて熱リソグラフィー用下層膜を形成する工程、前記熱リソグラフィー用下層膜上に、化学増幅型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、レジスト積層体を得る工程、前記レジスト積層体に対し、前記レジスト膜が感光せず、かつ前記熱リソグラフィー用下層膜に吸収される波長の光を用いて選択的露光を行う工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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CN102043334A (zh) * | 2009-10-16 | 2011-05-04 | 富士胶片株式会社 | 感光性树脂组合物、固化膜、固化膜的形成方法、有机el显示装置以及液晶显示装置 |
CN102141729A (zh) * | 2010-01-20 | 2011-08-03 | 富士胶片株式会社 | 固化膜的制造方法、感光性树脂组合物、固化膜、有机el显示装置和液晶显示装置 |
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2006
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