JP2005153672A - 小型船舶におけるジェット推進ポンプの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】船体14の進行方向後部に前部31dが固定されたジェット推進ポンプ30の下方に位置するように船体14に固定されたライドプレート70を備え、ライドプレート70を船体進行方向において少なくとも2カ所で船体14に固定するとともに、ライドプレート70とジェット推進ポンプ30との間に弾性部材91,92を配置し、弾性部材91,92を介してジェット推進ポンプ30の後部をライドプレート70で支持した。
【選択図】図3
Description
このため、ジェット推進ポンプの固定状態は必ずしも強固ではなかった。
一方、ジェット推進ポンプの下方にはライドプレートが配置されているので、ジェット推進ポンプ前部のフランジを船体にボルトで締め付けるとともに、ライドプレートを船体に強固に取り付けてこのライドプレートに対してジェット推進ポンプの後部をボルト等で固定すれば、ジェット推進ポンプを船体(ライドプレートを含む)に対して両端支持状態で強固に取り付けることができるようになると考えられる。
しかしながら、そのような構造すなわち、ジェット推進ポンプを、その前部のフランジを船体にボルトで締め付けるとともに、後部をライドプレートにボルト等で固定する構造にした場合、船体におけるジェット推進ポンプフランジ部の取付部、ジェット推進ポンプ、およびライドプレートがそれぞれ高精度で作成されない限り、ジェット推進ポンプは適正な位置には固定されず、適正な位置に対して傾いた状態で取り付けられてしまう。
実際には、全ての(例えば全てのロットの)ジェット推進ポンプを確実に適正な位置に固定できるほどに上記3部材をそれぞれ高精度で作成することは困難である。このような状況において、ジェット推進ポンプを適正な位置に固定しようとすれば、ジェット推進ポンプのフランジと船体との間、および/またはジェット推進ポンプとライドプレートとの間にシム等を介在させてジェット推進ポンプの取り付け位置を調整しつつボルトで締め付ける作業が必要となり、その作業が非常に煩雑になってしまう。
したがって、この発明の目的は、ジェット推進ポンプを強固にしかも適正位置に容易に固定することができる小型船舶におけるジェット推進ポンプの固定構造を提供することにある。
前記ライドプレートを船体進行方向において少なくとも2カ所で船体に固定するとともに、このライドプレートと前記ジェット推進ポンプとの間に弾性部材を配置し、この弾性部材を介して前記ジェット推進ポンプの後部を前記ライドプレートで支持したことを特徴とする。
なお、「ジェット推進ポンプの後部」は、船体の進行方向後部に固定されるジェット推進ポンプにおける前部よりも後方の部位という意味である。
すなわち、ジェット推進ポンプは、その前部が船体の進行方向後部に固定されるとともに、その後部がライドプレートにより弾性部材を介して支持され、ライドプレートは、船体進行方向において少なくとも2カ所で船体に固定されていることにより船体に対して強固に固定されているので、結果として、ジェット推進ポンプはいわば両端支持状態で船体に対して強固に固定されることとなる。
また、ジェット推進ポンプの後部はライドプレートにボルト等で固定されるのではなく、弾性部材を介して弾性的に支持されるので、船体におけるジェット推進ポンプ前部の取付部と、ジェット推進ポンプの前部とを高精度に作成しさえすれば、ジェット推進ポンプは適正な位置に固定されることとなる。したがって、前述したシム等を用いての調整作業が不要となり、ジェット推進ポンプを容易に適正位置に固定することが可能となる。
しかも、ライドプレートとジェット推進ポンプとの間には弾性部材が介在されているので、ライドプレートに水が激しく当たることによる衝撃がジェット推進ポンプに及ぶのを緩和することができる。
仮に、前述したように、ジェット推進ポンプの後部をライドプレートに対してボルト等で固定したとすると、ライドプレートに水が激しく当たった際の衝撃が略そのままジェット推進ポンプに及ぶため、ジェット推進ポンプの耐久性等に悪影響が生じることとなるが、この発明の構造によれば、ジェット推進ポンプがライドプレートで支持されているにも拘わらず、ライドプレートに水が激しく当たった際の衝撃は緩和されてジェット推進ポンプに伝わるので、ジェット推進ポンプの耐久性が低下するということもなくなる。
図1は、本発明に係る小型船舶におけるジェット推進ポンプの固定構造の一実施の形態を用いた小型船舶の一例を示す一部切り欠き概略側面図、図2は同じく概略平面図である。
船体11は、ハル14とデッキ15とを接合して内部に空間16を形成した浮体構造となっている。空間16内において、ハル14上には、エンジン20が搭載され、このエンジン20で駆動される推進手段としてのウォータージェットポンプ(ジェット推進ポンプ)30がハル14の後部に設けられている。
これらの図(主として図3)に示すように、ジェット推進ポンプ30は、船体11の底部に設けられた取水口17(図1参照)に連通する流路18を形成する円筒状のハウジング(ステータダクト)31と、このハウジング31内に配置されたインペラ32と、ハウジング31内に設けられたインペラの軸受け部33と、この軸受け部33の後端を塞ぐキャップ34とを備えている。
一方、軸受け部33には、インペラ32のボス部32aの後部32bを支持するインペラシャフト35が前後の軸受け部材(図示のものはボールベアリング)61,62を介して回転可能(自転自在)に支持されている。インペラシャフト35の先端には雄ネジ35aが形成されており、この雄ネジ35aがインペラ32のボス部後部32bに形成されている雌ネジと螺合していることによって、インペラ32とインペラシャフト35とが結合されている。
したがって、インペラ32は、そのボス部32aの前部がシャフト22に結合され、ボス部の後部32bがインペラシャフト35に結合されていて、これらシャフト22およびインペラシャフト35と一緒に回転する。
前述したようにドライブシャフト22がエンジン20で駆動されることでインペラ32が回転駆動され、水流が後方へ噴出されることで船体11が前方へ推進される。
また、ジェット推進ポンプ30の下方にはライドプレート70が設けられている。
ライドプレート70は、船体進行方向(図3において左右方向)において、2カ所、幅方向(図3の紙面と直交する方向)においても2カ所、計4カ所がボルト80,81で船体(ハル14)に固定されているとともに、中程から上部後方に向かって一体的に設けられた左右一対のアーム(図3において一方のみ図示)71が、そのボルト穴72,73に挿通される図示しないボルトでハル14の側面14a(図2参照)に固定されている。
そして、このライドプレート70とジェット推進ポンプ30との間に、弾性部材(例えばゴム、合成樹脂、スプリング等)91,92を配置し、この弾性部材を介してジェット推進ポンプ30の後部をライドプレート70で支持してある。
図示のものでは、前後に2つの弾性部材91,92を配置してあるが、いずれか一方のみ配置しても良い。
また、ジェット推進ポンプ30の後部はライドプレート70にボルト等で固定されるのではなく、弾性部材91および/または92を介して弾性的に支持されるので、船体11におけるジェット推進ポンプ前部の取付部14b(図3参照)と、ジェット推進ポンプ30の前部31dとを高精度に作成しさえすれば、ジェット推進ポンプ30は適正な位置に固定されることとなる。したがって、前述したシム等を用いての調整作業が不要となり、ジェット推進ポンプ30を容易に適正位置に固定することが可能となる。
仮に、前述したように、ジェット推進ポンプ30の後部をライドプレート70に対してボルト等で固定したとすると、ライドプレート70に水が激しく当たった際の衝撃が略そのままジェット推進ポンプ30に及ぶため、ジェット推進ポンプ30の耐久性等に悪影響が生じることとなるが、この実施の形態の構造によれば、ジェット推進ポンプ30がライドプレート70で支持されているにも拘わらず、ライドプレート70に水が激しく当たった際の衝撃は緩和されてジェット推進ポンプ30に伝わるので、ジェット推進ポンプ30の耐久性が低下するということもなくなる。
30 ジェット推進ポンプ
31d 前部
70 ライドプレート
91,92 弾性部材
Claims (1)
- 船体と、この船体の進行方向後部に前部が固定されたジェット推進ポンプと、このジェット推進ポンプの下方に位置するように前記船体に固定されたライドプレートとを備えた小型船舶におけるジェット推進ポンプの固定構造であって、
前記ライドプレートを船体進行方向において少なくとも2カ所で船体に固定するとともに、このライドプレートと前記ジェット推進ポンプとの間に弾性部材を配置し、この弾性部材を介して前記ジェット推進ポンプの後部を前記ライドプレートで支持したことを特徴とする小型船舶におけるジェット推進ポンプの固定構造。
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