JP2005153502A - 塗布具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インキ収容管内に、油性インキと、当該油性インキに接し、当該油性インキの流動に追従して可動する逆流防止体が収容された塗布具であって、
上記逆流防止体が、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも1種以上の基材成分と、平均分子量1,000,000以上のポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、
上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して0.1〜3重量%含まれている。
【選択図】 なし
Description
上記逆流防止体が、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも1種以上の基材成分と、ポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、
上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して0.1〜3重量%含まれている塗布具である。
剪断速度が0.1(1/s)のとき700mPa・s以上であり、
剪断速度が100(1/s)のとき500mPa・s以下であることが好ましい。
上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して0.1〜3重量%含まれている油性インキ用逆流防止体が好ましい。
本発明に使用できるポリアクリル酸は、平均分子量が1,000,000以上が好ましく、さらに好ましくは1,250,000以上、より好ましくは2,000,000以上、最適には3,000,000以上のものを使用することができる。また平均分子量の最大値としては、10,000,000以下が好ましく、さらに好ましくは4,000,000以下のものを使用することができる。平均分子量が1,000,000未満の場合、ゲルの形成が低下し、逆流防止体の弾性が低下し、タレ易さの傾向が生じ、衝撃に対しても変形する傾向がでてくる。また平均分子量が10,000,000を超えても使用できるが、硬くなる傾向が生じるため、10,000,000以下が好ましく、さらに好ましくは4,000,000以下である。
本発明で用いられる逆流防止体の基材成分としては、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物、ジグリセリンプロピレンオキサイド付加物を挙げることができる。ジクリセリンエチレンオキサイド付加物としては、例えばポリオキシエチレン(n)ジクリセリルエーテル、好ましい具体例として、阪本薬品工業社製、商品名、SC−E2000(エチレンオキサイド40モル付加物)、SC−E1500(エチレンオキサイド30モル付加物)を用いることができる。
本発明では、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物との関係において、微粒子シリカに代えて、前記ポリアクリル酸を用いることが重要である。すなわち、微粒子シリカをジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物と併用すると、既述の通り、上記基材成分の場合、微粒子シリカによる構造粘性の付与(ゲル化)が困難であることによる。上記基材成分自身が少なからず界面活性を持つため、及び極性の高い物質であることが原因となり、ゲル形成を妨げているものと考えられる。これに対して、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物に対して、微粒子シリカに代えて、前記ポリアクリル酸を用いると、用いるポリアクリル酸の平均分子量が大きいこともあり、前記基材の粘性を著しく増加させ、そしてゲル化させるため、逆流防止体は十分な弾性を保有し、インキ収容管内での経時的なタレや、インキ消費に伴う、壁面付着残りを防ぎ、衝撃に対しても変形し難くなる。
逆流防止体にはその他の添加成分として、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、防カビ剤等を必要に応じて任意に配合することかできる。
例えば、上記所定の各成分をロールミルにより分散して本発明の逆流防止体を得る。
本発明に用いるインキ収容管としては、油性インキ中に含まれる脂肪族、脂環族炭化水素系溶剤に侵されない(吸液しない)こと、及び逆流防止体の成分(極性物質)に侵されないことが重要である。
そして、前記インキ収容管が、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂の群から選ばれる樹脂で構成されていることが望ましい。
油性インキとしては、着色剤、樹脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有するインキが好ましいが限定されない。特に、修正ペンなどの修正具の場合、油性インキ(修正インキ)には着色剤(隠蔽材)として酸化チタンが含まれていることが望ましく、また油性インキに脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかの有機溶剤を含むことが好ましい。
なお、保存性が良好は○、保存性が悪くタレが発生するものを×、インキ追従性が良好であるものを○、インキ追従性が悪いものを×で示している。いずれも外観観察による。
なお、上記保存性は、50℃、1ヶ月後の状態を評価している。
上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して0.1〜3重量%である逆流防止体を備えた塗布具であれば、逆流防止体のタレが経時的に発生することもなく保存性が良好であり、またインキ収容管内における油性インキの流出に対する追従性も良好であった。
従って、インキ収容管内で経時的に逆流防止体のタレによるインキ漏れが発生したり、インキ消費に伴ってインキ収容管の壁面に逆流防止体の付着残りが多く生じるという不具合も防止され、また耐衝撃性を有し、インキ収容管内で逆流防止体が変形し難いため、この点でもインキ漏れを防止することができる。
Claims (10)
- インキ収容管内に、油性インキと、当該油性インキに接し、当該油性インキの流動に追従して可動する逆流防止体が収容された塗布具であって、
上記逆流防止体が、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも1種以上の基材成分と、ポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、
上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して0.1〜3重量%含まれている塗布具。 - 前記ポリアクリル酸は、平均分子量が1,000,000以上のポリアクリル酸を含む請求項1記載の塗布具。
- さらに微粒子シリカを含み、かつ前記ポリアクリル酸として、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸で構成され、平均分子量が2,000,000以下のポリアクリル酸が含まれる請求項2記載の塗布具。
- さらに微粒子シリカを含み、かつ前記ポリアクリル酸として、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸で構成され、平均分子量が2,000,000以上のポリアクリル酸と、平均分子量が1,500,000以下のポリアクリル酸が含まれる請求項2記載の塗布具。
- 前記基材成分が、前記逆流防止体の全量に対して87〜99.9重量%含まれている請求項1〜4のいずれかの項に記載の塗布具。
- 前記逆流防止体が、前記逆流防止体の全量に対して微粒子シリカを1〜10重量%含む請求項1〜5のいずれかの項に記載の塗布具。
- 前記油性インキの粘度が、
剪断速度が0.1(1/s)のとき700mPa・s以上であり、
剪断速度が100(1/s)のとき500mPa・s以下である
請求項1〜6いずれかの項に記載の塗布具。 - 前記油性インキが、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかの有機溶剤を含む請求項1〜7のいずれかの項に記載の塗布具。
- ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも1種以上の基材成分と、平均分子量1,000,000以上のポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、
上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して0.1〜3重量%含まれている油性インキ用逆流防止体。 - ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも1種以上の基材成分と、微粒子シリカと、平均分子量2,000,000以上のポリアクリル酸と、平均分子量1,500,000以下のポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して0.1〜3重量%含まれている油性インキ用逆流防止体。
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