JP2017014355A - 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、インキの漏れ出しを抑制し、書き味を良好とする水性ボールペン用インキ組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は、水、着色剤、シリカ、会合型増粘剤を含有することを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物とする。
【選択図】 なし
Description
「1.水、着色剤、シリカ、会合型増粘剤を含有することを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記会合型増粘剤がアルカリ膨潤増粘剤であることを特徴とする第1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
3.前記シリカが親水性シリカであることを特徴とする第1項または第2項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
4.前記親水性シリカが鎖状結合を有することを特徴とする第3項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
5.前記親水性シリカのBET法による比表面積が、30〜500m2/gであることを特徴とする第3項または第4項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
6.前記水性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度1.92sec−1において、100〜1000mPa・sであることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
7.前記着色剤が平均粒子径1μm以下である顔料粒子であることを特徴とする第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
8.前記水性ボールペン用インキ組成物にデキストリンを含有することを特徴とする第1項いし第7項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
9.前記水性ボールペン用インキ組成物にリン酸エステル系界面活性剤を含有することを特徴とする第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
10.インキ収容筒の先端部にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを装着し、前記インキ収容筒内に第1項ないし第9項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンとし、前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が15〜50μmであることを特徴とする水性ボールペン。
11.前記水性ボールペンを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の水性ボールペンであることを特徴とする第10項に記載の水性ボールペン。」とする。
さらに、会合型増粘剤と、着色剤およびシリカを併用して用いることで、会合型増粘剤の疎水性基が着色剤(顔料)および前記シリカに会合吸着し、さらに他方の疎水性基が他の着色剤(顔料)およびシリカ又は疎水性基と会合吸着することにより、微弱な架橋構造を形成するとともに、前記シリカ同士で形成していた凝集構造とが相互に絡み合うことで、三次元構造を形成し、高いインキ漏れ抑制効果を呈すると推測する。また、前述のように、前記ボールとチップ先端の内壁との間の隙間に物理的な障害を起こすことでも、インキ漏れを抑制することが可能となる効果も得られる。
そのため、凝集構造と架橋構造とが相互に絡み合うことで形成する三次元構造と、前記シリカの物理的な障害による効果によって、上記のような陳列ケースなどで発生するボールペンの重みによってチップ先端に負荷がかかる場合で発生する、ひどいインキ漏れを抑制することが可能となると推測する。
そのため、会合型増粘剤、着色剤(顔料)、シリカの3種を併用して用いることにより、3種間で巨視的な会合体構造を形成することにより、インキ漏れを抑制する効果だけではなく、着色剤(顔料)やシリカの分散安定効果、インキ増粘効果、インキ経時安定効果を得ることが可能となり、効果的である。
ここで、前記「比表面積」とは、1gあたりの表面積を意味する。また、前記「比表面積」は、BET法により測定することができる。
また、顔料粒子の平均粒子径(D50)は、レーザー回折法(MICROTRAC 9320−X100 Honeywell製)による体積基準法によって求められる。
実施例1
顔料分散体(カーボンブラック:平均粒子径0.07μm、固形分量25%)
20.0質量部
水 57.9質量部
多価アルコール溶剤(エチレングリコール) 15.0質量部
親水性シリカ(平均一次粒子径0.012μm、比表面積200±25m2/g)
1.0質量部
デキストリン(重量平均分子量:100000) 1.0質量部
尿素 1.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 2.0質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
会合型増粘剤(アルカリ膨潤増粘剤:酢酸ビニル、メチルメタルリレート、メタクリル酸の共重合体)
0.6質量部
尚、実施例1のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、740mPa・sであった。
また、実施例1のpHは、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃にて測定したところ、pH=8.5であった。
実施例1〜18及び比較例1〜6で作製した水性ボールペン用インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.7mmのボールを回転自在に抱持し、コイルスプリングなどの弾発部材を具備したボールペンチップ(ボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量30μm)をチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製、内径2.1mm)に充填したレフィル(1.0g)を(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:フリクションボールスリム038)に装着して、以下の試験および評価を行った。
書き味、筆跡の濃さの評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い、以下のような試験方法で評価を行った。
インキ漏れ量が10mg未満であるもの ・・・◎
インキ漏れ量が10〜50mg未満であるもの ・・・〇
インキ漏れ量が50〜100mg未満であるもの ・・・△
インキ漏れ量が100mg以上のもの ・・・×
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
濃く鮮明な筆跡であるもの ・・・◎
濃い筆跡であるもの ・・・○
実用上問題ない濃さの筆跡であるもの ・・・△
薄い筆跡のもの ・・・×
Claims (11)
- 水、着色剤、シリカ、会合型増粘剤を含有することを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記会合型増粘剤がアルカリ膨潤増粘剤であることを特徴とする請求項1に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記シリカが親水性シリカであることを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記親水性シリカが鎖状結合を有することを特徴とする請求項3に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記親水性シリカのBET法による比表面積が、30〜500m2/gであることを特徴とする請求項3または4に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度1.92sec−1において、100〜1000mPa・sであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記着色剤が平均粒子径1μm以下である顔料粒子であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物にデキストリンを含有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物にリン酸エステル系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- インキ収容筒の先端部にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを装着し、前記インキ収容筒内に請求項1ないし9のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンとし、前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が15〜50μmであることを特徴とする水性ボールペン。
- 前記水性ボールペンを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の水性ボールペンであることを特徴とする請求項10に記載の水性ボールペン。
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