JP6479467B2 - 水性ボールペン - Google Patents
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「1.少なくとも水、着色剤、有機樹脂粒子、剪断減粘性付与剤からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記有機樹脂粒子が水素結合性官能基を有し、水素結合性官能基が、アミノ基、イミノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基の中から1種以上を選択し、前記水性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度1.92sec−1において、5000mPa・s以下であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記水性ボールペン用インキ組成物にデキストリンを含有することを特徴とする第1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
3.前記水性ボールペン用インキ組成物にリン酸エステル系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
4.前記水性ボールペン用インキ組成物に水溶性溶剤を含有し、インキ組成物全量に対し、含有量が0.1〜25質量%であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
5.インキ収容筒の先端部にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して装着し、前記インキ収容筒内に第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンとし、前記ボールペンチップのボールの軸方向への移動量が15μm以上であることを特徴とする水性ボールペン。
6.第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の水性ボールペンを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の水性ボールペンであることを特徴とする水性ボールペン。 」とする。
そのため、平均粒子径が15μ m以下である水素結合の官能基を有する有機樹脂粒子を含有し、かつ、インキ粘度については、20℃環境下、剪断速度1.92sec-1で、インキ粘度は、5000mPa・s以下にすることが重要である。
これは、水素結合力としてはスルホン酸基、リン酸基などよりも劣るものの、微弱な水素結合により凝集構造を形成することにより、インキ漏れ抑制効果が得られるとともに、水素結合力が微弱なことから、筆記時のボールの回転などにより容易に凝集構造が解砕しやすいためである。このため、静置時のインキ漏れ抑制効果だけでなく、書き出し性能や書き味などの筆記性能の向上を両立させる効果が得られるためである。さらに、その中でも、アミノ基及び/またはイミノ基を有する平均粒子径が15μm以下である有機樹脂粒子が好ましい、これは、アミノ基及び/またはイミノ基を有すると、安定な凝集構造を長期間とりやすく、インキ漏れを抑制しやすいためである。なお、アミノ基、イミノ基の官能基を有する含窒素樹脂粒子としては、3級アミン、4級アミンなども含むものとする。
また、顔料粒子の平均粒子径は、レーザー回折法( MICROTRAC9320-X100 Honeywell製)による体積基準法によって求められる。
実施例1
顔料分散体(着色樹脂粒子:平均粒子径0.4μm、固形分量34%)20.0質量部
水 58.7質量部
水素結合性官能基を有する有機樹脂粒子(エポスターS6:平均粒子径0.6μm)
1.0質量部
多価アルコール(グリセリン) 10.0質量部
デキストリン(重量平均分子量:100000) 1.0質量部
尿素 5.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 2.0質量部
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
剪断減粘性付与剤(サクシノグリカン) 0.3質量部
尚、実施例1のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計( CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、1600mPa・sであった。
実施例1〜20及び比較例1〜5で作製した水性ボールペン用インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.7mmのボールを回転自在に抱持し、コイルスプリングなどの弾発部材を具備したボールペンチップ(ボールペンチップのボールの軸方向の移動量30μm)をチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したレフィル(1.0g)を(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着して、以下の試験および評価を行った。
耐摩耗試験(ボール座の摩耗抑制)、書き味の評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い、以下のような試験方法で評価を行った。
インキ漏れ量が5mg未満であるもの ・・・◎
インキ漏れ量が5〜15mgであるもの ・・・○
インキ漏れ量が15mgを越えて、30mg未満のもの・・・△
インキ漏れ量が30mg以上のもの ・・・×
ボール座の摩耗が10μ m未満のもの ・・・◎
ボール座の摩耗が10〜20μ mのもの ・・・○
ボール座の摩耗が20〜30μ mを越えるもの ・・・△
ボール座の摩耗が30μ mを越えるもの ・・・×
濃く鮮明な筆跡であるもの ・・・◎
濃い筆跡であるもの ・・・○
実用上問題ない濃さの筆跡であるもの ・・・△
薄い筆跡のもの ・・・×
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
Claims (6)
- インキ収容筒の先端部にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して装着し、前記インキ収容筒内に水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンとし、前記ボールペンチップのボールの軸方向への移動量が25〜45μmであり、かつ、前記水性ボールペン用インキ組成物が、少なくとも水、着色剤、球状有機樹脂粒子、剪断減粘性付与剤からなり、前記球状有機樹脂粒子が水素結合性官能基と、複素環構造を有し、さらに重量平均分子量が20000〜120000であるデキストリンを含んでなり、デキストリンの含有量が、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%であり、前記水性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度1.92sec−1において、5000mPa・s以下であることを特徴とする水性ボールペン。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物にリン酸エステル系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の水性ボールペン。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物に、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる1種以上の界面活性剤を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物に水溶性溶剤を含有し、インキ組成物全量に対し、含有量が0.1〜25質量%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水性ボールペンを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の水性ボールペンであることを特徴とする記載の水性ボールペン。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水性ボールペンのボールペンチップが弾発部材を具備しないボールペンチップであることを特徴とする水性ボールペン。
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