JP6971361B2 - 水性ボールペン - Google Patents
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Description
「1.インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が15〜50μmであり、前記ボール表面の算術平均粗さ(Ra)を0.1〜5nmであり、かつ、前記水性ボールペン用インキ組成物が、水、着色剤、有機樹脂粒子、多糖類繊維を含んでなることを特徴とする水性ボールペン。
2.前記多糖類繊維の含有量が、インキ組成物全量に対し、0.01〜5.0質量%であることを特徴とする第1項に記載の水性ボールペン。
3.前記有機樹脂粒子の平均粒子径が、10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン。
4.前記水性ボールペン用インキ組成物に、顔料を含んでなることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
5.前記有機樹脂粒子が、オレフィン系樹脂粒子または含窒素樹脂粒子であることを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
6.前記水性ボールペン用インキ組成物に、多糖類を含んでなることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
7.第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の水性ボールペンを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の水性ボールペンであることを特徴とする水性ボールペン。」とする。
なお、ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量(クリアランス)とは、ボールがボールペンチップ本体の縦軸方向への移動可能な距離を示す。
ボール 表面の算術平均粗さについて、算術平均粗さ(Ra)とは、(表面粗さ測定器(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
本発明で用いる有機樹脂粒子については、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂粒子や、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ナイロン樹脂などの化学構造中に窒素原子を含む含窒素樹脂粒子や、アクリル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、セルロース樹脂粒子などが挙げられる。これらの有機樹脂粒子は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
また、含窒素樹脂粒子は、水素結合性官能基を有する含窒素樹脂粒子を用いることが好ましく、これは、前記水素結合性官能基構造と該多糖類繊維とが、相互に絡み合うことで、三次元構造を形成しやすく、よりインキ漏れ抑制効果を呈すると推測する。
前記多糖類繊維は、セルロース、キチン、キトサンなどの多糖類を含む多糖類原料を用いて得ることができる。これは、前記多糖類繊維が有する水酸基による水素結合力は微弱ではあるが、微弱な水素結合により凝集構造を形成することで、インキ漏れ抑制効果が得られるとともに、水素結合力が微弱なことから、筆記時のボールの回転などにより容易に凝集構造が解砕しやすいためである。このため、静置時のインキ漏れ抑制効果だけでなく、書き出し性能や書き味などの筆記性能の向上を両立させる効果が得られるためである。 さらに、水酸基を有する多糖類繊維は、その他の繊維よりも水に分散しやすいため、水性インキ中で、安定分散することで、長期間インキ経時が安定することが可能となるため、より効果的である。
また、顔料粒子の平均粒子径は、レーザー回折法(商品名「MicrotracHRA9320−X100」による体積基準法によって求められる。
また、ボール径については、特に限定されないが、0.1〜2.0(mm)程度のボールを用いる。
実施例1
顔料分散体(着色樹脂粒子:平均粒子径0.4μm、固形分量30%)20.0質量部
水 58.7質量部
オレフィン樹脂粒子(低密度ポリエチレン分散体、平均粒子径6μm、pH値8、固形分40%) 0.5質量部
多価アルコール(グリセリン) 10.0質量部
デキストリン(重量平均分子量:100000) 1.0質量部
尿素 5.0質量部
PH調整剤(トリエタノールアミン) 2.0質量部
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
多糖類繊維(セルロースナノファイバー) 0.3質量部
尚、実施例1のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、500mPa・sであった。
また、実施例1のpH値は、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃にて測定したところ、pH値=8.5であった。
実施例1〜16及び比較例1〜9で作製した水性ボールペン用インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.7mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量30μm、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)1nm)をチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したレフィル(1.0g)を(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着して、以下の試験および評価を行った。尚、耐摩耗試験(ボール座の摩耗抑制)、筆跡の濃さの評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い、以下のような試験方法で評価を行った。
インキ漏れ量が5mg未満であるもの ・・・◎
インキ漏れ量が5〜20mgであるもの ・・・○
インキ漏れ量が20mgを越えて、30mg未満のもの ・・・△
インキ漏れ量が30mg以上のもの ・・・×
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
濃く鮮明な筆跡であるもの ・・・◎
濃い筆跡であるもの ・・・○
実用上問題ない濃さの筆跡であるもの ・・・△
薄い筆跡のもの ・・・×
また、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を用いて水性ボールペンとして、らせん筆記試験を行い、100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、A=170(mg)、ボール径をB=0.7(mm)となり、A/B=243であった。
Claims (7)
- インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が15〜50μmであり、前記ボール表面の算術平均粗さ(Ra)を0.1〜5nmであり、前記水性ボールペンの100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、120≦A/B≦500であり、かつ、前記水性ボールペン用インキ組成物が、水、顔料、有機樹脂粒子、多糖類繊維を含んでなり、前記有機樹脂粒子が、ポリエチレン、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ナイロン樹脂の中から選択し、前記有機樹脂粒子の平均粒子径をXμm、前記顔料粒子の平均粒子径をYμmとした場合、0.05<Y/X<1.0の関係であることを特徴とする水性ボールペン。
- 前記多糖類繊維の含有量が、インキ組成物全量に対し、0.01〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性ボールペン。
- 前記有機樹脂粒子の平均粒子径が、10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物に、デキストリンを含んでなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物に、リン酸エステル系界面活性剤を含んでなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物に、多糖類を含んでなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水性ボールペンを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の水性ボールペンであることを特徴とする水性ボールペン。
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