JP5750273B2 - ボールペン - Google Patents
ボールペン Download PDFInfo
- Publication number
- JP5750273B2 JP5750273B2 JP2011019175A JP2011019175A JP5750273B2 JP 5750273 B2 JP5750273 B2 JP 5750273B2 JP 2011019175 A JP2011019175 A JP 2011019175A JP 2011019175 A JP2011019175 A JP 2011019175A JP 5750273 B2 JP5750273 B2 JP 5750273B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- writing
- ball
- ballpoint pen
- fine particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Pens And Brushes (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
また、特許文献5〜7などのように、他の用途としてボールペン用インキに単に微粒子シリカを配合すると、動摩擦係数が大きくなり書き味が悪くなってしまうほか、規定外の低粘度領域では微粒子シリカを配合すると明らかに書き味や摩耗抑制に逆効果になってしまう問題があった。
すなわち、本発明は、
「1.少なくとも着色剤と溶剤と粘度調整剤を含む、剪断速度3.84sec−1(at20℃)におけるインキ粘度が50〜5000mPa・sのボールペン用インキ組成物において、インキ中に平均粒子径5〜100nmの球状シリカ微粒子をインキ全量に対して7.5〜15.0質量%含有させたことを特徴とするボールペン用インキ組成物、をボールとボール受け座の隙間が0.01〜1μmのボールペンチップを接続したインキ収容管に詰めた、筆記角度70°、筆記荷重1.96N、筆記速度4m/minにて50m筆記した後、荷重センサー上で筆記角度70°、筆記荷重2.16N、筆記速度4m/minにて直線筆記したときの動摩擦係数が0.093〜0.129である、ボールペン。
2.前記球状シリカ微粒子が略真球状であることを特徴とする、第1項に記載のボールペン。
3.前記溶剤が油性有機溶剤であることを特徴とする、第1項または第2項に記載のボールペン。」に関する。
上記球状微粒子は特に潤滑性や書き味などに大きく影響し、本発明において重要な要素である。上述のようにボールペンは筆記先端にステンレス鋼などからなる金属チップと、該金属チップのボール受け座に抱持される超鋼などの金属からなる転写ボールからなるボールペンチップをインキ収容筒に装着した構成を有するが、チップはボールを抱持するための金属加工を要することからボールより柔らかい物質が用いられる。ボールペンはボールの回転によりインキが供給されるが、ボールが回転するとそれにつられてボールペン用インキがインキ流通孔からボールと当接面との狭い隙間へと引きずり込まれ、ボールと当接面間にボールペン用インキの層を形成し、そのインキが紙などの被筆記面に転写され筆記できる。そのため、ボールがチップの当接面に完全に一致して、前記した隙間が得らなかった場合には、ボールとボール受け座間にインキが供給されず、筆記できないということになる。すなわち、インキはボールとチップの間を通り、最終的にボール表面から紙面などに転写され筆記されるが、筆記時のボールの回転は非常に高速で、しばしばそのボールの回転によるボール受け座の摩耗が問題となり、特に上記低粘度領域のインキの場合、筆跡に線飛び、カスレなどが生じたり、書き味が悪くなるという問題を発生させていた。
一方、加工直後のボールペンチップはボールとの馴染みが悪く、いわゆる「あたり」があるため、ガリガリ感が生ずることがあり、動摩擦係数も高く安定しないものである。そこで本発明においては、一定条件の球状微粒子を選択適用することで、上記低粘度領域のインキを採用しつつも製作直後のガリガリ感や書き味不良をなくしつつ、安定化後のなめらかさ、潤滑性、動摩擦係数の低減を安定的に狙うことができるようにしたものである。
この馴染み摩耗の様子は、走査型電子顕微鏡等によるボール受け座の観察において確認できるほか、図4および図5に示した筆記距離と動摩擦係数のグラフなどによって理解することができる。
有機酸や界面活性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、リシノール酸、ラウリル酸、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられ、顔料分散剤としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂等を、粘度調整剤として、ケトン樹脂、テルペン樹脂、アルキッド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル等の樹脂や有機酸アマイド、架橋型アクリル酸重合体などの擬塑性付与剤を挙げることができる。
実施例1の油性ボールペン用インキ組成物は、着色剤として赤色染料、有機溶剤として、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、粘度調整剤としてケトン樹脂(ハイラック110H:日立化成工業(株)製)、球状微粒子としてオルガノシリカゾルPGM−ST(日産化学工業(株)製)に含まれるシリカを採用し、これを所定量秤量して、60℃に加温した後、ディスパー攪拌機を用いて球状微粒子以外の添加剤を完全溶解させ、室温冷却し油性ボールペン用インキ組成物を得た。具体的な配合量は下記の通りである。尚、ブルックフィールド社製粘度計DV−2+(CPE−42スピンドル)を用いて20℃の環境下で剪断速度3.84sec−1にて実施例1のインキ粘度を測定したところ、57.6mPa・sであった。次に、実施例1のインキをインキ収容筒に充填し、(株)パイロットコーポレーション製油性ボールペン用レフィルBRFV−10Fのボールペンチップに装着してボールペン用レフィルを作製した。該ボールペン用レフィルを外装に装填し、JIS S6039(ISO 12757−1)に記載の筆記試験機により、筆記角度70°、筆記荷重1.96N、筆記速度4m/minにて50m筆記した後、荷重センサー上で筆記角度70°、筆記荷重2.16N、筆記速度4m/minにて直線筆記し動摩擦係数を測定したところ、0.111であった。
着色剤(赤色染料、バリファーストレッド1362) 10.0質量%
有機溶剤(ベンジルアルコール) 59.33質量%
有機溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル) 11.67質量%
粘度調整剤(ケトン樹脂) 14.0質量%
球状微粒子(シリカ微粒子 平均粒子径10〜15nm) 5.0質量%
参考例2〜4、実施例1〜3、参考例5〜29
表1に示すように、各成分を変更した以外は、参考例1と同様な手順で実施例1〜3、参考例2〜29の油性ボールペン用インキ組成物を得た。表1に測定、評価結果を示す。
注2:エスレックBL−1(積水化学工業(株)製)
注3:オルガノシリカゾルPGM−ST(日産化学工業(株)製)に含まれるシリカ、平均粒子径:10〜15nm、形状:真球状
注4:アドマナノシリカYA010C−LDB((株)アドマテックス製)に含まれるシリカ、平均粒子径:10nm、形状:真球状
注5:アドマナノシリカ((株)アドマテックス製)に含まれるシリカ、平均粒子径:10nm、形状:真球状
注6:アドマナノシリカ((株)アドマテックス製)に含まれるシリカ、平均粒子径:50nm、形状:真球状
注7:アモルファスシリカSciqas(堺化学工業(株)製)に含まれるシリカ、平均粒子径:50nm、形状:真球状
表2に示すように、各成分を変更した以外は、実施例1と同様の手順で、配合し、比較例1〜11の油性ボールペン用インキ組成物を得た。表2に測定、評価結果を示す。
注8:ポリメチルシルセスキオキサンMSP−N050(日興リカ(株)製)、平均粒子径:0.5μm(500nm)、形状:真球状
実施例及び比較例で作製した油性ボールペン用インキ組成物を、前記同様、インキ収容筒(ポリプロピレン)に、ボール径がφ0.7mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ステンレス綱線)を装着したボールペン用レフィルに充填し、筆記試験用紙として筆記用紙JIS P3201を用いて書き味評価及びボール受け座の耐摩耗試験を行った。
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
重く感じるもの ・・・×
非常に重く感じるもの ・・・××
2 チップ本体
2a チップ先端部
3 ボール抱持室
4 底壁
5 当接面
6 インキ流通溝
7 インキ流通孔
8 チップ後部孔
9 ボール
S1、S2、S3 隙間
Claims (3)
- 少なくとも着色剤と溶剤と粘度調整剤を含む、剪断速度3.84sec−1(at20℃)におけるインキ粘度が50〜5000mPa・sのボールペン用インキ組成物において、インキ中に平均粒子径5〜100nmの球状シリカ微粒子をインキ全量に対して7.5〜15.0質量%含有させたことを特徴とするボールペン用インキ組成物、をボールとボール受け座の隙間が0.01〜1μmのボールペンチップを接続したインキ収容管に詰めた、筆記角度70°、筆記荷重1.96N、筆記速度4m/minにて50m筆記した後、荷重センサー上で筆記角度70°、筆記荷重2.16N、筆記速度4m/minにて直線筆記したときの動摩擦係数が0.093〜0.129である、ボールペン。
- 前記球状シリカ微粒子が略真球状であることを特徴とする、請求項1に記載のボールペン。
- 前記溶剤が油性有機溶剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載のボールペン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011019175A JP5750273B2 (ja) | 2011-01-31 | 2011-01-31 | ボールペン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011019175A JP5750273B2 (ja) | 2011-01-31 | 2011-01-31 | ボールペン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012158685A JP2012158685A (ja) | 2012-08-23 |
JP5750273B2 true JP5750273B2 (ja) | 2015-07-15 |
Family
ID=46839483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011019175A Active JP5750273B2 (ja) | 2011-01-31 | 2011-01-31 | ボールペン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5750273B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6454083B2 (ja) * | 2014-05-01 | 2019-01-16 | 株式会社パイロットコーポレーション | 筆記具用レフィル及びそれを装着した筆記具 |
JP7074437B2 (ja) * | 2017-08-31 | 2022-05-24 | 株式会社パイロットコーポレーション | 油性ボールペン |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10195365A (ja) * | 1997-01-07 | 1998-07-28 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | ボールペン用油性インキ |
EP0953617A4 (en) * | 1997-01-20 | 2000-05-10 | Mitsubishi Pencil Co | AQUEOUS INK FOR WRITERS |
JP3753490B2 (ja) * | 1997-01-28 | 2006-03-08 | 三菱鉛筆株式会社 | ボールペン用油性インキ |
JPH10219174A (ja) * | 1997-02-06 | 1998-08-18 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | ボールペン用油性インキ組成物 |
JPH10219173A (ja) * | 1997-02-06 | 1998-08-18 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | ボールペン用油性インキ組成物 |
-
2011
- 2011-01-31 JP JP2011019175A patent/JP5750273B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012158685A (ja) | 2012-08-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6239693B2 (ja) | 油性ボールペンレフィル | |
JP6271695B2 (ja) | 油性ボールペン用インキ組成物、ならびにそれを用いた油性ボールペンレフィルおよび油性ボールペン | |
JP2017222113A (ja) | 水性ボールペン | |
JP2017226180A (ja) | 水性ボールペン | |
JP5750273B2 (ja) | ボールペン | |
JP2009185166A (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いたノック式水性ボールペン。 | |
JP6399790B2 (ja) | 油性ボールペンレフィル及びそれを用いた油性ボールペン | |
JP2018109115A (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物、およびそれを用いた水性ボールペン | |
JP6224950B2 (ja) | 油性ボールペンレフィル及びそれを用いた油性ボールペン | |
JP5697147B2 (ja) | 油性ボールペン用インキ組成物 | |
WO2022045313A1 (ja) | ボールペン | |
JP2022041961A (ja) | 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 | |
JP7229722B2 (ja) | 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 | |
JP7139112B2 (ja) | 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 | |
JP2018109116A (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物、およびそれを用いた水性ボールペン | |
JP6971361B2 (ja) | 水性ボールペン | |
JP5670102B2 (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン用レフィル | |
JP5575606B2 (ja) | 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンレフィル | |
JP7245622B2 (ja) | 筆記具用油性インキ組成物、それを用いた筆記具、および油性ボールペン | |
JP7306856B2 (ja) | 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 | |
WO2021085457A1 (ja) | 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペン | |
JP2012097186A (ja) | 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンレフィル | |
JP6963521B2 (ja) | 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 | |
JP2013119252A (ja) | 水性ボールペン | |
JP2021046470A (ja) | ボールペン用インキ組成物およびそれを用いたボールペン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140909 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140916 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150324 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150416 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150512 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150518 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5750273 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |