JP2005152526A - 細胞増殖抑制フィルムおよび医療用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】
生理活性物質を使用することなくとも細胞増殖抑制作用を示し、医療用具を構成するために好適な材料を提供する。
【解決手段】
少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなる細胞増殖抑制フィルム、少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなるフィルムの表面部を細胞に接触させることにより、該接触部における細胞の増殖を抑制することを特徴とする細胞増殖抑制法、および医療用具基材の表面の全部または一部を少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなるフィルムで被覆してなる医療用具。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、細胞増殖抑制フィルム、細胞増殖抑制フィルムを用いる細胞増殖抑制法および医療用具に関する。
細胞と材料との相互作用において、細胞は材料表面の化学的な性質のみならず微細な形状によっても影響を受けることが知られている。例えば、特許文献1には、生体分解性かつ両親媒性を有する単独のポリマーまたは生体分解性ポリマーと両親媒性ポリマーとからなるポリマー混合物の疎水性有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させると同時にキャストした有機溶媒溶液(キャスト液)表面で結露させ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるハニカム構造体フィルムまたはその延伸フィルムが記載されている。そして、このポリマーフィルム上でラット胎児心臓由来心筋細胞を培養すると、細胞がよく伸展したことから、このポリマーフィルムは、細胞培養用基材として有用であるとされている。
また特許文献2には、前記特許文献1に記載されているフィルムと同様の方法により形成される、特定の孔径と孔径バラツキをもつハニカム様構造を有する血液濾過膜が記載されている。この濾過膜は、輸血用の全血から白血球を除去するためのものである。
ところで、近年、種々の病症を治療するためにステントなどの医療用具を体内に留置することが行われている。例えば、がんなどで狭窄・閉鎖した胆管や尿管を拡張するための医療用具として胆管ステントや尿管ステントが知られている。
これらのステントを用いる場合には、がんの進行により、一旦拡張した胆管や尿管が再狭窄・閉鎖してしまう場合がある。そこで、これを防ぐために、特許文献3には、ステントなどの医療器具の表面に被覆層を設け、この被覆層から、経時的に制がん剤などのがん細胞の増殖を抑制できる生理活性物質を放出するようにした医療器具が提案されている。
しかしながら、この医療器具においては、生理活性物質が人体に与える副作用が大きく、患者に与える負担も大きいという問題があった。
特開2002−335949号公報 特開2003−149096号公報 特表2001−512354号公報
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、制がん剤等の生理活性物質を使用することなくとも細胞増殖抑制作用を示し、医療用具を構成するために好適な材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、特許文献1および2に記載された方法と同様な方法により、1,2−ポリブタジエンなどの樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストして、ハニカム様構造の多孔構造を有するフィルムを得た。そして、このフィルムを培地中に設置して、該フィルム上で悪性胆嚢がん細胞の培養を試みたところ、意外にも、特許文献1の心筋細胞に対する例とは反対に該がん細胞の増殖が著しく抑制されることを見出した。また、このフィルムを医療用具基材に被覆することにより、生理活性物質の副作用による患者への負担が無く、がんの進行を抑制することができる医療用具を得ることができることを見出し,本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなる細胞増殖抑制フィルムが提供される。
本発明の細胞増殖抑制フィルムは、多孔構造が、ハニカム様構造であることが好ましい。
また、本発明の細胞増殖抑制フィルムは、多孔構造を構成する孔の平均孔径が0.1〜100μmであることが好ましく、多孔構造を構成する孔の孔径の変動係数が30%以下であることが好ましい。
本発明の細胞増殖抑制フィルムは、樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるフィルムまたはその延伸フィルムであることが好ましい。
本発明の第2によれば、少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなるフィルムの表面部を接触させることにより、該接触部における細胞の増殖を抑制することを特徴とする細胞増殖抑制法が提供される。
本発明の細胞増殖抑制法においては、用いるフィルムの多孔構造がハニカム様構造であることが好ましい。
本発明の細胞増殖抑制法においては、用いるフィルムの多孔構造を構成する孔の平均孔径が0.1〜100μmであることが好ましく、多孔構造を構成する孔の孔径の変動係数が30%以下であることが好ましい。
本発明の細胞増殖抑制法においては、用いるフィルムが、樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるフィルムまたはその延伸フィルムであることが好ましい。
本発明の第3によれば、医療用具基材の表面の全部または一部を、少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなるフィルムで被覆してなる医療用具が提供される。
本発明の医療用具において、医療用具基材を被覆するフィルムの多孔構造は、ハニカム様構造であることが好ましい。
また、本発明の医療用具において、医療用具基材を被覆するフィルムの多孔構造を構成する孔の平均孔径が0.1〜100μmであることが好ましく、多孔構造を構成する孔の孔径の変動係数が30%以下であることが好ましい。
本発明の医療用具において、医療用具基材を被覆するフィルムは、樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるフィルムまたはその延伸フィルムであることが好ましい。
本発明によれば、生理活性物質を使用しなくとも優れた細胞増殖抑制作用を示し、医療用具を構成するために好適な細胞増殖抑制フィルムが提供される。また、このフィルムを用いた細胞増殖抑制法と、医療用具基材にこのフィルムが被覆されてなる医療用具が提供される。
本発明の細胞増殖抑制フィルム、細胞増殖抑制法および医療用具によれば、生理活性物質を使用しなくとも、細胞増殖抑制作用を発揮できるので、生理活性物質による副作用を回避することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1)細胞増殖抑制フィルム
本発明の細胞増殖抑制フィルムは、少なくとも表面部に多孔構造が形成されていて、樹脂からなることを特徴とし、細胞増殖抑制作用を発揮するものである。
ここで、細胞増殖抑制作用とは、がん細胞または腫瘍細胞が増殖するのを抑制する作用および/または細胞を死滅させる作用をいう。
具体的には、培地中に本発明の細胞増殖抑制フィルムを配置して、このフィルム上にがん細胞または腫瘍細胞の細胞株を播種して細胞の培養を行ったときに、多孔構造をもたない通常の平膜構造の樹脂フィルム上では細胞が正常に増殖するのに対し、本発明の細胞増殖抑制フィルムを用いる場合には、細胞の増殖が著しく抑制され、あるいは細胞が死滅する。
従って、本発明の細胞増殖抑制フィルムは、医療用具を構成する材料などとして有用である。
本発明の細胞増殖抑制フィルムは、少なくとも表面部に多孔構造を有するものであればよい。また、多孔構造を構成する孔は、貫通孔、非貫通孔のいずれであってもよい。
本発明の細胞増殖抑制フィルムにおいて、前記多孔構造はハニカム様構造であるのが特に好ましい。ここで、ハニカム様構造とは、孔径がほぼ一定の複数の孔が規則正しく配列してなる多孔構造をいう。一例として、ハニカム様構造を有するフィルムの光学顕微鏡写真のスケッチ図を図1に示す。
また本発明の細胞増殖抑制フィルムにおいては、前記多孔構造の各孔同士がフィルム内部において連通している連続性多孔構造を有するものであるのがより好ましい。
本発明の細胞増殖抑制フィルムにおいて、前記多孔構造を構成する孔の平均孔径は、0.1〜100μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
ここで、孔径とは、孔の開口形状に対する最大内接円の直径を指し、例えば、孔の開口形状が実質的に円形状である場合はその円の直径を指し、実質的に楕円形状である場合はその楕円の短径を指し、実質的に正方形状である場合はその正方形の辺の長さを指し、実質的に長方形状である場合はその長方形の短辺の長さを指すものである。
このような平均孔径を有する孔から多孔構造が構成されてなることにより、より優れた細胞増殖抑制作用を有するフィルムを得ることができる。
また、前記多孔構造の各孔の開口形状に特に限定はなく、円形状、楕円形状、正方形状、長方形状、六角形状などのいかなる形状であってもよい。
本発明の細胞増殖抑制フィルムにおいて、前記多孔構造を構成する孔の孔径の変動係数〔=標準偏差÷平均値×100(%)〕が30%以下であることが好ましく、孔径の変動係数が20%以下であることがより好ましい。
このような孔径の均一性が高い孔から多孔構造が構成されてなることにより、より優れた細胞増殖抑制作用を有するフィルムを得ることができる。
本発明の細胞増殖抑制フィルムの厚さは特に限定されないが、通常、0.1〜100μmであり、好ましくは0.5〜20μmである。
本発明の細胞増殖抑制フィルムを構成する樹脂は特に限定されないが、有機溶媒に溶解する高分子化合物であって、毒性の少ないものが好ましい。
このような樹脂としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの共役ジエン系高分子;ポリε−カプロラクトン;ポリウレタン;酢酸セルロース、セルロイド、硝酸セルロース、アセチルセルロース、セロファンなどのセルロース系高分子;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド12、ポリアミド46などのポリアミド系高分子;ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、パーフルオロエチレン−プロピレン共重合体などのフッ素系高分子;ポリスチレン、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレン−アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル−スチレン共重合体などのスチレン系高分子;ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系高分子;フェノール樹脂、アミノ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのホルムアルデヒド系高分子;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系高分子;エポキシ樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体などの(メタ)アクリル系高分子;ノルボルネン系樹脂;シリコン樹脂;ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリグリコール酸などのヒドロキシカルボン酸の重合体;などが挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の細胞増殖抑制フィルムを構成する樹脂としては、非生体分解性樹脂と生体分解性樹脂のいずれも使用できるが、生体内において細胞増殖抑制作用を長期間持続させる観点からは、生体内で容易に分解されない非生体分解性樹脂から形成されてなるものが好ましい。なかでも、優れた細胞増殖抑制作用を有する細胞増殖抑制フィルムを得ることができることから、共役ジエン系高分子、スチレン系高分子またはポリウレタンの使用が特に好ましい。
また、本発明の細胞増殖抑制フィルムを構成する樹脂には、両親媒性物質を添加してもよい。
添加する両親媒性物質としては、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体;アクリルアミドポリマーを主鎖骨格とし疎水性側鎖としてドデシル基と親水性側鎖としてラクトース基またはカルボキシル基を併せ持つ両親媒性樹脂;ヘパリンやデキストラン硫酸、核酸(DNAやRNA)などのアニオン性高分子と長鎖アルキルアンモニウム塩とのイオンコンプレックス;ゼラチン、コラーゲン、アルブミンなどの水溶性タンパク質を親水性基とした両親媒性樹脂;ポリ乳酸−ポリエチレングリコールブロック共重合体、ポリε−カプロラクトン−ポリエチレングリコールブロック共重合体、ポリリンゴ酸−ポリリンゴ酸アルキルエステルブロック共重合体などの両親媒性樹脂;などが挙げられる。
本発明の細胞増殖抑制フィルムは、生理活性物質を添加しなくとも細胞増殖抑制作用を示すので、副作用を回避する観点から、細胞増殖抑制作用を有する生理活性物質を添加しないことが好ましい。ただし、より強い細胞増殖抑制作用を得る目的で、細胞増殖抑制作用を有する生理活性物質を添加しても良い。この場合でも、従来に比し少ない添加量で、十分な細胞増殖抑制作用を得ることができるので、生理活性物質による副作用は低減される。
本発明の細胞増殖抑制フィルムを作製する方法は特に限定されないが、例えば、樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させる方法が挙げられる。
より具体的には、(1)樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストし、高湿度空気を吹き付けることで該有機溶媒を徐々に蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させる方法、または、(2)樹脂の有機溶媒溶液を、相対湿度50〜95%の大気下で基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させる方法である。これらの方法によれば、比較的容易に、所望の孔径を有し、しかも孔径の均一性が高い孔からなり、ハニカム様構造である多孔構造を有する細胞増殖抑制フィルムを得ることができる。
これらの方法により本発明の細胞増殖抑制フィルムを作製するにあたっては、キャスト液表面上に微小な水滴粒子を形成させる必要があることから、使用する有機溶媒は非水溶性であることが好ましい。
用いる有機溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの飽和炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;二硫化炭素;などが挙げられる。これらの有機溶媒は1種単独で、あるいはこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒として使用することができる。
有機溶媒に溶解する樹脂の濃度は、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜5重量%である。樹脂濃度が0.01重量%より低いと得られるフィルムの力学的強度が不足し望ましくない。また、樹脂濃度が10重量%以上では、所望の多孔構造が得られなくなるおそれがある。
上述した方法により多孔構造を有するフィルムを作製する場合は、前述の両親媒性物質を樹脂に添加することが好ましい。なかでも、水に対して溶解性が低く、有機溶媒に可溶である、下記に示す両親媒性樹脂(以下「Cap樹脂」という。)を添加することが好ましい。
Figure 2005152526
(上記式中、m、nはそれぞれ任意の自然数を表す。)
このような両親媒性物質を添加することで、水滴の融合が抑えられ安定化するので、孔径の均一性がさらに向上した多孔構造を有するフィルムを得ることができる。両親媒性物質を添加する量は、樹脂:両親媒性物質の重量比で99:1〜50:50であることが好ましい。
前記樹脂の有機溶媒溶液をキャストする基板としては、ガラス基板、金属基板、シリコン基板などの無機基板;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルケトンなどの高分子からなる有機基板;水、流動パラフィン、液状ポリエーテルなどの液状物からなる液状基板;などが挙げられる。
孔の孔径は、キャストする液の樹脂濃度および液量を調節してシャーレなどの支持層に供給し、雰囲気あるいは吹き付ける空気の温度および/または湿度と吹き付ける空気の流量を制御することにより、或いは溶媒の蒸発スピードおよび/または結露スピードを制御することによって、制御することができる。
キャスト液に吹き付ける高湿度空気は、キャスト液表面に空気中の水分を結露させることができる湿度であればよいが、相対湿度が20〜100%のものが好ましく、30〜80%のものがより好ましい。また、空気に限らず窒素、アルゴンなどの不活性なガスを用いてもよい。
キャスト液に吹き付ける高湿度空気の流量は、キャスト液面に空気中の水分を結露させることができ、キャストに用いた溶媒を蒸発させることができる流量であればよく、例えば、直径10cmのガラスシャーレ上でフィルムを作製する場合は、1〜5L/minであることが好ましい。
高湿度空気を吹き付ける時間は、キャストに用いた溶媒が蒸発し、フィルムが成膜されるまでであり、通常、1〜60分である。
高湿度空気を吹き付けるときの雰囲気の温度は、キャストに用いた溶媒が蒸発することができる温度であればよいが、5〜80℃の温度であることが望ましい。
本発明においては、上記のようにして作製した多孔構造を有するフィルムをそのまま用いるほか、このフィルムを延伸することにより得られる延伸フィルムを用いることもできる。
フィルムの延伸の方法は特に限定されず、例えば、多孔構造を有するフィルムの2以上の端を把持して、伸長方向に引っ張ることにより行うことができる。また延伸は、一軸延伸、二軸延伸または三軸延伸であってもよい。本発明において、延伸方向の伸長率は特に限定されないが、好ましくは1.1〜10倍の範囲内である。
また本発明において、延伸は、後述するように、本発明の細胞増殖抑制フィルムを医療用具基材に被覆し、該医療用具基材を拡張させることによっても行うことができる。すなわち、本発明の細胞増殖抑制フィルムで被覆した医療用具基材を拡張させることにより、延伸された細胞増殖抑制フィルムが得られる。
2)細胞増殖抑制法
本発明の細胞増殖抑制法は、少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなるフィルムの表面部を接触させることにより、該接触部における細胞の増殖を抑制することを特徴とするものである。接触させるフィルムとしては、前述の細胞増殖抑制フィルムとして好ましいフィルムを用いることが好ましい。
3)医療用具
本発明の医療用具は、医療用具基材の表面の全部または一部を、少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなるフィルムで被覆してなることを特徴とする。
ここで、医療用具基材とは、フィルムを被覆することで医療用具として用いることができる基材であるが、単体であっても医療用具として用いることができるものであってもよい。
また、被覆に用いるフィルムとしては、前述の細胞増殖抑制フィルムとして好ましいフィルムを用いることが好ましい。
本発明の医療用具は、がん細胞又は腫瘍細胞に対し、細胞増殖抑制作用を示すフィルムが被覆されてなるので、該フィルムの接触部においてがんの進行を抑制することができる。また、この細胞増殖抑制作用は、制がん剤などの生理活性物質を必要とすることなく発揮されるので、生理活性物質による副作用を回避することができる。
本発明の医療用具としては、例えば、ステント、カテーテル、医療用チューブなどが挙げられるが、ステントであるのが好ましく、特にがん細胞または腫瘍細胞により狭窄または閉塞した体内管腔に留置されるステントであるのが好ましい。そのようなステントとしては、尿管ステント、胆管ステント、気道ステント、食道ステント、大腸ステントなどが挙げられる。
また、本発明の医療器具が、胆管、食道、十二指腸、大腸などの消化器系体内管腔に留置される消化器系ステントである場合には、被覆に用いるフィルムには、多孔構造が貫通孔からなり、その平均孔径が0.1〜20μmであるものを用いることが好ましい。このようなフィルムを被覆することで、細胞増殖抑制作用のみならず、消化液およびそれに含まれる消化酵素を透過させ、がん細胞(腫瘍細胞)は透過させない機能をも備えた消化器系ステントが得られる。
前記医療用具基材にフィルムを被覆する方法は特に限定されないが、本発明の細胞増殖抑制フィルムを作製する方法と同様に、フィルムを作製した後に、医療用具基材に被覆させることが好ましい。この場合は、作製したフィルムを医療用具基材の表面に接触させるのみで接着力が得られるが、必要に応じて、接着剤、溶媒による融着、熱による融着などの手段を用いても良い。
医療用具基材にフィルムを被覆する他の方法としては、医療用具基材を基板として前述の方法を適用し、医療用具基材上でフィルムを成膜する方法が挙げられる。
次に、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)細胞増殖抑制フィルムの作製
ポリε−カプロラクトン(粘度平均分子量:70,000、和光純薬社製)とCap樹脂(重量平均分子量:62,000、数平均分子量:21,000)を、10:1の重量比でクロロホルムに溶解した溶液(樹脂濃度:0.27重量%)6mlを、直径10cmのガラスシャーレ上に一様に展開した。
次いで、23.0℃、相対湿度40%の雰囲気下、相対湿度70%の高湿度空気を2L/minの流量で、1分間ガラスシャーレ上の液面に吹き付けることにより、膜厚1〜2μmフィルムAを得た。フィルムAを光学顕微鏡(BH2、オリンパス社製)を用いて、100倍の倍率で観察した結果、ハニカム様構造の多孔構造が形成されていることが確認された。その多孔構造を構成する孔の平均孔径は3.5μm、孔径の変動係数は9%であった。なお、平均孔径および孔径の変動係数は、顕微鏡視野中(100μm×100μm)の全ての孔の孔径を測定することにより求めたものである。
(実施例2、3)細胞増殖抑制フィルムの作製
実施例2では24.0℃、実施例3では25.0℃の雰囲気下で行ったこと以外は、実施例1と同様にしてハニカム様構造の多孔構造を有するフィルムBおよびCを得た。
得られたフィルムB、Cの膜厚および多孔構造を構成する孔の平均孔径、孔径の変動係数を第1表に示す。
(実施例4〜6)
樹脂として、ポリε−カプロラクトンに代えて、1,2−ポリブタジエン(商品名:RB820、JSR社製)を使用する以外は、それぞれ実施例1、2、3と同様にして、フィルムD、E、Fを得た。
得られたフィルムD〜Fを光学顕微鏡で観察した結果、ハニカム様構造の多孔構造が形成されていることが確認された。フィルムD〜Fの膜厚および多孔構造を構成する孔の平均孔径、孔径の変動係数を第1表に示す。
(実施例7、8)
樹脂として、ポリε−カプロラクトンに代えて、ポリウレタン(商品名:ミラクトランE385、日本ミラクトラン社製)を使用する以外は、それぞれ実施例1、2と同様にして、フィルムG、Hを得た。
得られたフィルムG、Hを光学顕微鏡で観察した結果、ハニカム様構造の多孔構造が形成されていることが確認された。フィルムG、Hの膜厚および多孔構造を構成する孔の平均孔径、孔径の変動係数を第1表に示す。
(比較例1〜3)
実施例1で使用したポリε−カプロラクトン/Cap樹脂のクロロホルム溶液、実施例4〜6で使用した1,2−ポリブタジエン/Cap樹脂のクロロホルム溶液、および実施例7、8で使用したポリウレタン/Cap樹脂のクロロホルム溶液を、それぞれ直径10cmのガラスシャーレ上に6mlずつ展開し、23.0℃、相対湿度40%の雰囲気下で、高湿度空気を吹き付けることなく放置して、クロロホルムを蒸発させることにより、比較例1〜3のフィルムI〜Kをそれぞれ得た。比較例1〜3のフィルムI〜Kを光学顕微鏡で観察すると、平膜構造(多孔構造ではない)を有していた。比較例1〜3のフィルムI〜Kの厚みを第1表に示す。
Figure 2005152526
(細胞増殖抑制作用評価試験)
実施例1〜8および比較例1〜3のフィルムA〜Kのそれぞれを下記の培地中に置き、それぞれのフィルム上に下記の細胞株AおよびBを播種して、下記に示す培養条件で培養を行った。
1)使用培地
(1)培地A:Dulbecco’s modified Eagle’s培地 インビトロゲン社(Invitrogen Corporation)から購入したものを用いた。
(2)培地B:William’s E培地
アイシーエヌ社(ICN Biomedicals Inc.)から購入したものを用いた。また、L−グルタミン酸ナトリウムおよびピルビン酸も、アイシーエヌ社(ICN Biomedicals Inc.)から購入したものを用いた。
2)ウシ胎仔血清(FBS)は、ジェイアールエイチ社(JRH Bioscience)から購入したものを用いた。
3)細胞株
細胞株として、細胞株A:ヒト胆嚢がん細胞株NOZ(Cell number:JCRB1033)、および、細胞株B:ヒト悪性胆嚢がん細胞株OCUG−1(Cell number:JCR B0191)は、それぞれヒューマンサイエンス振興財団研究資源バンクより購入したものを用いた。
4)培養条件
細胞株A(NOZ)は、10%FBSおよび2mML−グルタミン酸ナトリウムを含むWilliam’s E培地中で37℃、5%COで培養した。
細胞株B(OCUG−1)は、10%FBSおよび0.5mMピルビン酸を含むDulbecco’s modified Eagle’s培地中で、37℃、5%COで培養した。
1ウェルにつき約1×10の細胞が24ウェルプレート(ファルコン 3047)で平板培養され(一晩インキュベーション)、結果として次の日に約80%のコンフルエンシーが得られた。
5)細胞増殖抑制活性の評価
培養後、所定の日数が経過した細胞は、マグネシウムを含まないDulbecco’sリン酸バッファー(大日本製薬)で二回洗浄した後、ライト液(血液染色用 和光純薬)で10分間染色した。
染色した各細胞を位相差顕微鏡(視野:100μm×100μm)で観察した。観察した結果、細胞接着面積が視野面積の30%未満の場合を◎、細胞接着面積が視野面積の30%以上50%未満の場合を○、細胞接着面積が視野面積の50%以上の場合を×で評価した。評価結果を第2表に示す。
Figure 2005152526
第2表より、本発明の細胞増殖抑制フィルムは、細胞株A:ヒト胆嚢がん細胞株(NOZ)、および細胞株B:ヒト悪性胆嚢がん細胞株(OCUG−1)に対して、優れた細胞増殖抑制活性を有していることがわかる。また、実施例1〜3、実施例4〜6をそれぞれ比較すると、平均孔径が小さいものほど細胞増殖抑制活性が高いことも分かる。
一方、多孔構造を有していない比較例1〜3のフィルムを用いた場合には、細胞増殖抑制活性はまったく認められなかった。
図1は、ハニカム様構造を有する本発明の細胞増殖抑制フィルムの光学顕微鏡写真のスケッチ図である。

Claims (15)

  1. 少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなる細胞増殖抑制フィルム。
  2. 前記多孔構造が、ハニカム様構造であることを特徴とする請求項1に記載の細胞増殖抑制フィルム。
  3. 前記多孔構造を構成する孔の平均孔径が0.1〜100μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞増殖抑制フィルム。
  4. 前記多孔構造を構成する孔の孔径の変動係数が30%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の細胞増殖抑制フィルム。
  5. 樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるフィルムまたはその延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の細胞増殖抑制フィルム。
  6. 少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなるフィルムの表面部を細胞に接触させることにより、該接触部における細胞の増殖を抑制することを特徴とする細胞増殖抑制法。
  7. 前記フィルムの多孔構造が、ハニカム様構造であることを特徴とする請求項6に記載の細胞増殖抑制法。
  8. 前記フィルムの多孔構造を構成する孔の平均孔径が0.1〜100μmであることを特徴とする請求項6または7に記載の細胞増殖抑制法。
  9. 前記フィルムの多孔構造を構成する孔の孔径の変動係数が30%以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の細胞増殖抑制法。
  10. 前記フィルムが、樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるフィルムまたはその延伸フィルムであることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の細胞増殖抑制法。
  11. 医療用具基材の表面の全部または一部を、少なくとも表面部に多孔構造が形成されている樹脂からなるフィルムで被覆してなる医療用具。
  12. 前記フィルムの多孔構造が、ハニカム様構造であることを特徴とする請求項11に記載の医療用具。
  13. 前記フィルムの多孔構造を構成する孔の平均孔径が0.1〜100μmであることを特徴とする請求項11または12に記載の医療用具。
  14. 前記フィルムの多孔構造を構成する孔の孔径の変動係数が30%以下であることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の医療用具。
  15. 前記フィルムが、樹脂の有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させるとともに該キャスト液表面で結露を起こさせ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるフィルムまたはその延伸フィルムであることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の医療用具。
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