JP2005151676A - センサハーネスの固定構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 ハーネスを確実に固定すると共に、防水性の高いセンサハーネスの固定構造を提供する。
【解決手段】 外面に凸部１１ａを有するケース１１と、凸部１１ａが嵌合される切り欠き部１２ａを有し、ケース１１の外側に配設されたケース１２とからなり、切り欠き部１２ａの底部に湾曲部１２ｂを設けると共に、湾曲部１２ｂに対向する凸部１１ａの部分に他の湾曲部１１ｂを設け、ケース１１の内部に配設された超音波センサ９、１０からのハーネス１６が、ゴム等の弾性材を介して、湾曲部１１ｂ及び湾曲部１２ｂに挟持されたセンサハーネスの固定構造。
【選択図】 図３

Description

本発明は、センサのハーネスの固定構造に関し、特に、車両の外部に設けられるセンサのハーネスに好適なものである。

近年、安全性、操作性等の点から、様々な制御装置が車両に設けられており、それにともない様々なセンサが用いられている。これらのセンサは、車両の様々な部分に配設されており、例えば、単体の小型のセンサであれば、センサ及びハーネスを樹脂等の部材により一体にして保持することで、防水性を有し、ハーネスを支持できる構造として（特許文献１）、車両の内部に限らず、高温となるエンジンの部分や雨等にさらされる車両の外部に設けることができる。

特開２００１−３４３２９２号公報（第３−４頁、第１−６図）

制御装置に用いられるセンサには、温度センサのように単体で用いられるものもあれば、超音波センサのように送信子と受信子を組み合わせて用いられるものもある。複数の機器を用いるセンサ（以下、センサユニットと呼ぶ。）の場合、その構成上、各々の機器を１つのケースに保持し、各々の機器からのリード線を一体にしたハーネスを用いて、電源の供給や検出された信号の出力を行なっていることが多い。そして、センサユニットを車両の外部に設けた場合には、車両の周囲の影響、つまり、雨等の影響を考慮しなければならず、適切なハーネスの固定構造を考慮しなければ、ハーネスを伝って水がケース内部に浸入するおそれがある。特に、センサユニットを車両の下部に設けた場合には、路面から跳ね上げられる水の影響も考慮しなければならない。

又、センサユニットを車両の外部に設けた場合には、センサ等が汚れてしまうことも多く、適時に洗浄する必要が有あり、水洗い等をする際にもハーネスを伝って水がケース内部に浸入しないようにする必要がある。

本発明は上記課題に鑑みなされたもので、ハーネスを確実に固定すると共に、防水性の高いセンサハーネスの固定構造を提供することを目的とする。

上記課題を解決する本発明に係るセンサハーネスの固定構造では、
外面に凸部を有する第１のケースと、第１のケースの凸部が嵌合される切り欠き部を有する第２のケースとからなり、第１のケースと第２のケースの開口側が互いに対向し、第２のケースが第１のケースの外側に配置、嵌合されて、１つのケースを形成している。
又、第２のケースの切り欠き部の底部には、湾曲部が設けられており、更に、第２のケースの湾曲部に対向する第１のケースの凸部の部分には、他の湾曲部が設けられている。
第１のケースの内部に配設されたセンサのハーネスを固定する際には、第２のケースの湾曲部及び第１のケースの他の湾曲部で挟持することで、センサのハーネスが同一平面上で挟み込まれ、確実に固定されることとなる。

上記課題を解決する本発明に係るセンサハーネスの固定構造は、
上記センサハーネスの固定構造において、
センサのハーネスがゴム等の弾性材を介して挟持されている。
ゴム等の弾性材を用いて、センサのハーネスを被覆して挟み込むことで、ハーネス自体を保護すると共に、挟み込まれた部分でしっかりと密接することができる。

上記課題を解決する本発明に係るセンサハーネスの固定構造は、
上記センサハーネスの固定構造において、
弾性材は、ハーネスを被覆するコルゲートチューブであり、
コルゲートチューブは、その表面が凹凸状に形成されており、
第１のケース及び第２のケースには、コルゲートチューブに形成された凹凸に対応する凹凸部が形成されている。

本発明によれば、車両外部に設けられたセンサのハーネスを確実に固定すると共に、ハーネスを伝わってセンサ内へ浸入しようとする水の浸入を防止することができる。

車両の外部に設けられるセンサには様々なものがあるが、本発明では、一例として、車両用ヘッドランプの光軸調整に用いる超音波センサのセンサユニットを用いて、本発明に係るセンサハーネスの固定構造の実施形態の一例を説明する。

図１は、車両用ヘッドランプの光軸調整装置を搭載したトラックの概略構成図、図２は、図１に示したトラックのフレームの平面図である。

図１及び図２に示すように、トラックは、主に、左右一組のサイドフレーム１と、サイドフレーム１に直交して組み付けられた複数のクロスメンバ２とによりフレームが構成され、このフレーム上にキャブ３及び荷台４が搭載されている。車両前端部のクロスメンバ２の両側には左右のヘッドランプ５が装着され、このクロスメンバ２の略中央部には、複数の超音波センサを用いたセンサユニットとなる傾斜センサ６が配置されている。傾斜センサ６からの検出信号は、制御機器であるＥＣＵ７に入力され、傾斜センサ６の検出信号に基づいて、路面Ｒに対する車両前部の傾斜状態がＥＣＵ７で判定される。

なお、左右のヘッドランプ５はキャブ３側に設けてもよく、また、傾斜センサ６はフロントアクスル８の上部サイドレールやこのフロントアクスル８より前側であれば車両端部のクロスメンバ２以外（例えば、キャブ３側）に設けてもよい。

図３は、本発明に係るセンサハーネスの固定構造の実施形態の一例を示す構成図であり、図１、図２に示した傾斜センサ６の構成を示すものである。
又、傾斜センサ６のクロスメンバ２への取り付けを示す図と、取り付けられた傾斜センサ６とクロスメンバ２の断面図を、それぞれ図４、図５に示す。

図３に示すように、本発明に係るセンサハーネスの固定構造では、外面に凸部１１ａを有するコの字断面のケース１１（第１のケース）と、ケース１１の凸部１１ａが嵌合される切り欠き部１２ａを有する略コの字断面のケース１２（第２のケース）とからなり、ケース１１とケース１２の開口部が互いに対向し、ケース１２がケース１１の外側に配置、嵌合され、ケース１１のネジ留め部１３を、ケース１２のネジ受け部１４にネジを用いて締め込むことで、傾斜センサ６の筐体となる１つの箱型のケースを形成している。

ケース１１の内部には超音波センサ９、１０が配設されており、超音波センサ９、１０の送受信面側（ケース１２側）には、超音波センサ９、１０の送受信面部分が開口されたカバー１５が設けられて、センサ本体部を形成している。又、ケース１２の切り欠き部１２ａの底部には、湾曲部１２ｂが設けられており、更に、ケース１２の湾曲部１２ｂに対向するケース１１の凸部１１ａの部分には、他の湾曲部１１ｂが設けられている。超音波センサ９、１０のリード線から構成されるハーネス１６は、湾曲部１１ｂ、１２ｂが形成する空隙から、ケース１１、１２の外部に取り出され、コネクタ１７にてＥＣＵ７と接続されて、検出された信号をＥＣＵ７側へ入力している。

つまり、傾斜センサ６は、上記構造を備えたケース１１の内部に超音波センサ９、１０を保持し、超音波センサ９、１０からのハーネス１６を、ケース１１の湾曲部１１ｂ、ケース１２の湾曲部１２ｂで挟持することで、同一平面上でハーネス１６を挟み込み、確実に固定し、そして、密接させて、防水性を高くしている。

又、ハーネス１６をゴム等の弾性材を介して挟持すること、具体的には、ハーネス１６をゴムチューブ等の被覆材で挟み込むこと等で、ハーネス１６自体をケース１１、ケース１２より受ける力から保護すると共に、挟み込まれた部分をしっかりと密接させて、更に防水性を高めることができる。なお、被覆材としては、ゴムチューブの他に、樹脂製チューブ、ＰＶＣ（塩化ビニル）チューブ、コルゲートチューブ等を用いてもよい。

なお、傾斜センサ６では、超音波センサ９、１０が路面状態を検出できるようにするため、超音波センサ９、１０の送受信面が路面側に露出されて配置される必要がある。そのため、超音波センサ９、１０の送受信面が位置するケース１２の部分が開口されて、超音波信号の送受信が可能になっている。又、その開口部分は、そこから内部へ異物や水等が浸入しないように、センサ面がケース１２より内側に位置するような構造となっている。

又、傾斜センサ６は、図４に示すように、ケース１２の周縁部１８に設けられたボルト穴１９にて、ボルト２０ａ、ナット２０ｂを用いて、クロスメンバ２の中間部に取付けられており、このことにより、傾斜センサ６が車両の前部において、路面Ｒと対向して取付けられることとなる。又、超音波センサ９、１０をケース１１、１２内に収納したことにより、傾斜センサ６自体をコンパクトにすることができ、クロスメンバ２への取付けが容易となる。

傾斜センサとしての超音波センサ９、１０の構成及び動作を簡単に説明すると、２組の超音波センサ９、１０は、車両の車幅方向に超音波信号の送受信を行うため、信号発信部となる送信子９ａ、１０ａと、信号受信部となる受信子９ｂ、１０ｂとから構成され、送信子９ａ、１０ａは車幅方向の一方側（例えば、右側）に配置され、受信子９ｂ、１０ｂは他方側（例えば、左側）に配置されている。超音波センサ９、１０の各々の送受信波の方向は、互いに略平行状態をなし、車両の前後方向に対しては、略直交する方向となっている。傾斜センサ６は、２つの超音波センサ９、１０の送受信波の受信時間差に基づいて、路面Ｒに対する車両の傾斜状態を判定している。具体的には、各送信子９ａ、１０ａからの超音波信号が路面Ｒに反射して各受信子９ｂ、１０ｂにて受信した際に、路面Ｒに対して車両前部が傾斜している場合、超音波センサ９、１０が検出する高さが相違するため、送信子９ａから受信子９ｂに送信される超音波信号の経路の長さと、送信子１０ａから受信子１０ｂに送信される超音波信号の経路の長さに違いが生じ、受信子９ｂ、１０ｂに受信時間差が生じることとなる。そして、この受信子９ｂ、１０ｂの受信時間差に基づいて、路面Ｒに対する車両の傾斜状態がＥＣＵ７で判定されることとなる。

本発明に係るセンサハーネスの固定構造の実施形態の他の一例として、ハーネスをコルゲートチューブで被覆する場合について説明する。
図６に示すように、ハーネス１００を凹凸の表面形状を有したコルゲートチューブ１０１（弾性材）にて被覆することにより、ケース１０２（第１のケース）及びケース１１０（第２のケース）によりハーネス１００及び被覆材としてのコルゲートチューブ１０１が傷つけられる可能性を低下させることができ、又、コルゲートチューブ１０１の表面の凹凸形状によって、より水の侵入を防止することができる。
更に、コルゲートチューブ１０１の対面となるケース１０２の面１０３及びケース１１０の面１１１には、コルゲートチューブ１０１の形状に沿った凹凸形状（凹凸部）とすることにより、コルゲートチューブ１０１と面１０３、１１１との間がラビリンス構造となり、より水の侵入を防止することができる。

又、コルゲートチューブ１０１の端面（切断面）には、バリ１０５が生じる可能性があり、このバリ１０５によって芯線１０６が傷つけられないように、ケース１０２、１１０から保護板１０４を突出させて、バリ１０５と芯線１０６とが接触しないようにしてもよい。
更に、ハーネス１００をゴムチューブ等の被覆材で被覆し、更にコルゲートチューブ１０１にて被覆するようにしてもよい。

なお、上記実施例では、超音波センサを例にとり説明してきたが、本発明は、超音波センサに限らず、レーザセンサ、ハイトセンサ等、他の各種センサに適用できるものである。

車両用ヘッドランプの光軸調整装置を搭載したトラックの概略構成図である。 図１に示したトラックのフレームの平面図である。 本発明に係るセンサハーネスの固定構造の実施形態の一例を示す構成図である。 図３に示した傾斜センサのクロスメンバへの取り付けを示す図である。 取り付けられた傾斜センサとクロスメンバの断面図である。 本発明に係るセンサハーネスの固定構造の実施形態の他の一例を示す構成図である。

符号の説明

６ 傾斜センサ
９、１０ 超音波センサ
９ａ、１０ａ 送信子
９ｂ、１０ｂ 受信子
１１ ケース
１１ａ 凸部
１１ｂ 湾曲部
１２ ケース
１２ａ 切り欠き部
１２ｂ 湾曲部
１３ ネジ留め部
１４ ネジ受け部
１５ カバー
１６ ハーネス
１７ コネクタ
１８ 周縁部
１９ ボルト穴
２０ａ ボルト
２０ｂ ナット

Claims (3)

1. 内部にセンサが配設され、外面に凸部を有する第１のケースと、
   前記凸部が嵌合される切り欠き部を有し、前記第１のケースの外側に配設される第２のケースとからなり、
   前記切り欠き部の底部に湾曲部を設けると共に、前記湾曲部に対向する前記凸部の部分に他の湾曲部を設け、
   前記センサのハーネスを、前記湾曲部及び前記他の湾曲部にて挟持したことを特徴とするセンサハーネスの固定構造。
2. 請求項１記載のセンサハーネスの固定構造において、
   前記ハーネスが弾性材を介して挟持されたことを特徴とするセンサハーネスの固定構造。
3. 請求項２記載のセンサハーネスの固定構造において、
   前記弾性材は、前記ハーネスを被覆するコルゲートチューブであり、
   前記コルゲートチューブは、その表面が凹凸状に形成され、
   前記第１のケース及び前記第２のケースには、前記凹凸に対応する凹凸部が形成されていることを特徴とするセンサハーネスの固定構造。
   

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