JP2005150233A - 回路基板形成方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 絶縁性基板の上に、回路パターンを生産性高く作成すること。
【解決手段】 金属に還元可能な1次粒径が200nm未満の金属酸化物微粒子を含有する分散液を絶縁性基板に所定の回路形状に塗布して、パターン化された塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜中に含まれる前記金属酸化物微粒子を金属に還元して金属含有被膜を得る工程と、還元された前記金属含有被膜上にさらにメッキにより金属膜を析出させる工程とを含む回路基板形成方法。
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、回路基板を製造する際に、基板上に金属回路パターンを形成する方法に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、回路基板上部品の実装密度が高まり、回路パターンもファインラインでファインピッチの微細なものが要求されている。従来、絶縁基板上に導電性の回路パターンを形成する方法としては、湿式メッキ、スパッタリング等の乾式メッキによって、絶縁性基板上に金属薄膜を形成し、これをパターニングする方法が知られている。しかしながらこれらの手法では、パターニングするために複数の工程が必要であり、製造のリードタイムが長いという問題がある。
一方、絶縁性基板の上に、導電性ペースト等を直接印刷することによって回路を形成する方法は、印刷および焼成の2段階のプロセスで短時間、かつ、安価に回路形成が可能であるという利点を有する。
印刷の手法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法等がある。スクリーン印刷法は、基板がセラミックスの場合、有機バインダを有機溶剤に溶かし、金属粉末とガラスフリットを混合して導電性ペーストを調製する工程と、この導電性ペーストを絶縁性基板上に所定のパターンでスクリーン印刷法により塗布する工程と、このスクリーン印刷した導電性ペーストを乾燥後熱処理して絶縁性基板にコーティング膜を接着する工程からなる。
この方法によると、導電性ペーストを熱処理したときに金属粉末同士が接触し、印刷されたコーティング膜が導電性になり、同時にガラスによりこのコーティング膜が基板に接着する。また、基板が樹脂の場合には、熱硬化性樹脂を有機溶剤に溶かし、金属粉末を混合して導電性ペーストを用いて同様のコーティング膜を基板上に形成することが可能である。しかしながら、スクリーン印刷法は、回路パターンを形成したメッシュが外力によって伸びて位置精度が充分でないという問題があり、特に、大面積基板に対してはファインパターンの形成は難しい。
一方、インクジェット法は、大面積基板に対し、位置精度高く導電性ペースト等を塗布することが可能であるという利点を有する。すでに本発明者らは、インクジェット塗布も可能であり、ファインラインの形成が容易になる新規な金属酸化物分散体を特許出願している(特許文献1)。この技術は、金属酸化物粉末として、粒径が200nm未満の金属酸化物超微粒子を用い、さらに分散媒中に、多価アルコールおよび/またはポリエーテル化合物を含有することを特徴とする。本方法においては、分散体中において金属酸化物超微粒子は、それ自身の粒径がインクジェット吐出径に比べて充分小さいため、インクジェット塗布が可能であり、抵抗値の低い金属回路の形成が可能である。
しかしながら、インクジェット法においては、インクジェット吐出口から吐出される1滴のインクが微小量であるために、1回の塗布−焼成で得られる金属薄膜の膜厚が非常に薄く、したがって、回路の抵抗値が大きくなるという問題を有していた。金属薄膜の膜厚を増大させるためには、インクの塗布−焼成という工程を複数回繰り返す必要があり、作業時間が長くなるという問題に加えて、一旦形成した金属薄膜上に次のインクを位置精度良く、繰り返し落とすことは容易ではないという問題を有していた。
国際公開第03/051562号パンフレット
本発明の課題は、高い生産性のもとで、回路の形成された基板を形成することである。
本発明者は、上記の問題を解決するために、回路基板の形成方法について鋭意検討を進めた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1) 金属に還元可能な1次粒径が200nm未満の金属酸化物微粒子を含有する分散液を絶縁性基板に所定の回路形状に塗布して、パターン化された塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜中に含まれる前記金属酸化物微粒子を金属に還元して金属含有被膜を得る工程と、還元された前記金属含有被膜上にさらにメッキにより金属膜を析出させる工程とを含む回路基板形成方法。
(2) インクジェット法により金属酸化物微粒子を含有する分散液を絶縁性基板に所定の回路形状に塗布することを特徴とする(1)に記載の回路基板形成方法。
(3) 金属酸化物微粒子を金属に還元して得られる金属含有被膜の体積抵抗値が1×10−2Ωcm未満であることを特徴とする(1)または(2)に記載の回路基板形成方法。
(4) メッキ法が電解メッキ法であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の回路基板形成方法。
(5) 金属酸化物微粒子を金属に還元する工程を非酸化性雰囲気で行なうことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の回路基板形成方法。
(6) 金属酸化物が酸化銅であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の回路基板形成方法。
(7) 分散液が金属アルコキシド化合物または熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の回路基板形成方法。
本発明によると、金属に還元されうる金属酸化物微粒子を含有する分散液を所定の回路形状に塗布することによって、通常行なわれるフォトリソグラフィによる回路パターニング工程を省略できるので工程・時間が短縮でき。さらに、本発明によると、厚膜の回路を作成する方法が、分散液の塗布−焼成プロセスの繰り返しではなく、メッキによる厚付けであるので、厚膜の回路を短時間に形成できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される絶縁性基板としては、樹脂基板、セラミック基板等が挙げられる。樹脂基板の素材としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂等が例示できる。セラミック基板の素材としては、ガラス、ITO、窒化アルミニウム等を例示できる。これらの基板は、必要に応じ、脱脂洗浄、または表面処理を行なって用いることができる。表面処理は、密着性向上等の目的を含み、例えば、プラズマ処理、電子線処理等の物理的手法、シランカップリング剤処理等の化学的手法等が用いられる。
本発明に用いられる金属酸化物微粒子は、1次粒径が200nm未満であり、好ましくは100nm未満である。粒子径が200nm以上になると、金属酸化物の還元が困難になると共に、還元された金属同士が融着し難くなり、得られる回路の電気抵抗が高くなるため、好ましくない。
金属酸化物は、加熱処理によって還元されるものであれば、いかなるものも使用可能である。金属酸化物として、例えば、酸化銅、酸化銀、酸化パラジウム、酸化ニッケル等が挙げられる。中でも、容易に還元が可能で、耐マイグレーション性の高い銅回路が得られる酸化銅が好ましい。酸化銅としては、酸化第一銅および酸化第二銅のいずれも使用可能である。酸化銅としてより好ましいのは、容易に還元されうる酸化第一銅である。
本発明に使用される分散媒は、粒子径が200nm未満の金属酸化物微粒子を均一に分散させることが可能なものであれば制限はなく、水、有機分散媒等を任意に組み合わせて使用することが可能である。
有機分散媒の例として、アルコール、エーテル、エステル、アミド、スルホキシド等が挙げられる。有機分散媒の中で、特に好ましいのは、炭素数が10以下のポリオール溶媒である。ポリオールとは、分子中に2個以上の水酸基を有し、室温において溶液である化合物であり、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等が挙げられる。これらのポリオール分散媒は単独でまたは複数のポリオール分散媒を混合して用いられる。
分散体中における金属酸化物超微粒子の分散性を損なわない限りにおいて、添加剤を添加してもよい。例えば、ポリエーテル化合物を添加剤として用いると、加熱還元処理によって得られる金属含有薄膜の体積抵抗値が低減し、電解メッキによって通電する際の電気量を増加させることができるので、メッキ工程の時間が短縮され、好ましい。
ポリエーテル化合物は、骨格中にエーテル結合を有する高分子であって、一部が他の官能基によって置換されていてもよいが、用いる有機分散媒に均一に分散する必要がある。分散媒への分散性の観点から好ましいポリエーテル化合物を例示すると、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。中でも、工業的に入手が可能なポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールがより好ましい。ポリエーテル化合物の好ましい分子量は200〜1500であり、より好ましくは300〜900である。これらは、末端がメトキシ基等で置換されているものも好ましく用いられる。
好ましい添加剤として、他には、金属アルコキシド化合物および熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの添加剤は、絶縁性基板と金属含有薄膜との接着性を向上させる。
金属アルコキシド化合物は、一般式M(ORで表され、ここでMは金属元素、Rはアルキル基、nは金属元素の酸化数である。Mとしては、シラン、チタン、ジルコニア、アルミニウム等、アルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等を例示できる。代表的な金属アルコキシド化合物を列挙すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(i−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等の珪素化合物、テトラエトキシチタン、テトラ(n−プロポキシ)チタン、テトラ(i−プロポキシ)チタン、テトラ(n−ブトキシ)チタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン等のチタン化合物等であり、これらは液状の化合物であって、金属酸化物分散体に容易に分散が可能であるので好ましい。また、(R(M)(ORn−x(n−xは1以上)で表される金属アルコキシドのように、金属に直接有機基Rが付加した化合物も使用可能である。有機基Rは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ブチル基等である。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、レゾ−ル樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリイミド樹脂等を例示できる。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、(クレゾ−ル)ノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノ−ル型、レゾルシン型、テトラヒドロキシフェノルエタン型、ポリアルコ−ルポリグリコ−ル型、グリセリントリエ−テル型、ポリオレフィン型、エポキシ化大豆油、シクロペンタジエンジオキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド等が挙げられる。
液状のエポキシ樹脂は粘度が低いので好ましく、フェノキシアルキルモノグリシジルエ−テル、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、プロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ヘキサンジオ−ルジグリシジルエ−テル、水添ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、ネオペンチルグルコ−ルジグリシジルエ−テル、グリセリンジグリシジルエ−テル、N,Nジグリシジルアニリン、N,Nジグリシジルトルイジン、トリメチロ−ルプロパントリグリシジルエ−テル、グリセリントグリシジルエ−テルおよび液状の各種ポリシロキサンジグリシジルエ−テル等が例示される。
液状のエポキシ樹脂の中では、多価アルコ−ル分散媒によく分散できる、アルコ−ル型エポキシ樹脂がより好ましく用いられ、例えば、ポリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、1,4−ブタンジオ−ルジグリシジルエ−テル等を例示することができる。
本発明に用いるエポキシ硬化剤としては、一般的なエポキシ硬化剤を用いることができる。例えば、脂肪族ポリアミン系として、トリエチレンテトラミン、m−キシレンジアミン等があり、芳香族アミン系として、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン等があり、第三級アミン系として、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノ−ル等があり、酸無水物系として、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等があり、三フッ化ホウ素アミンコンプレックス系として、BF3−ピペリジンコンプレックス等がある。また、ビスフェノ−ルA等のビスフェノ−ル化合物でもよい。ジシアンジアミド、2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル、トリス(メチルアミノ)シラン等も用いることができる。
樹脂系硬化剤として、リノレン酸二量体とエチレンジアミン等から作ったポリアミド樹脂、両端にメルカプト基を有するポリスルフィド樹脂、ノボラック系フェノ−ル樹脂等がある。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂の他の例であるポリイミド樹脂は、その前駆体であるポリアミド酸溶液を加熱縮合して得られるものであって、本発明で用いることができるポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物から製造することができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3'、4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3'、4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'、3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'、4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'、4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス[5-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物等を例示することが可能である。
ジアミノ化合物としては、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、3,3'-ジアミノジフェニルエ−テル、3,4'-ジアミノジフェニルエ−テル、4,4'-ジアミノジフェニルエ−テル、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルケトン、4,4'-ジアミノジフェニルケトン、3,4'-ジアミノジフェニルケトン、2,2'-ビス(4-アミノフェニル)プロパン等を例示することができる。
金属酸化物微粒子を分散媒に分散させる方法としては、粉体を液体に分散させる一般的な方法を用いることができる。例えば、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法等を挙げることができる。添加剤を添加する場合には、金属酸化物微粒子を分散媒に分散する時に同時に混ぜてもよいし、後から添加してもよい。
分散体中における金属酸化物微粒子の割合は、好ましくは5重量%以上95重量%以下であり、より好ましくは10重量%以上80重量%以下である。分散体に金属アルコキシド化合物または熱硬化性樹脂を添加する場合には、接着性向上の機能の発現に必要な量を適宜添加すればよく、通常は添加剤を加えた分散体全重量に対して、0.1〜20重量%になるように添加するのが好ましい。
次に、分散体を絶縁性基板上に所定の回路形状に塗布し、パターン化された回路基板を形成する方法について説明する。所定の回路形状に塗布の手法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等を例示できる。
インクジェット法には、サーマル式とピエゾ式の異なるインク吐出原理が存在する。前者はノズル内に設けたヒーターの加熱でバブルを発生させ、その圧力でインクを吐出する方式であり、後者は圧電素子を電気信号で変形させインク室に力を加えてインク滴を発生させる方式である。本発明においては、いずれの吐出原理であっても使用可能である。
実際のインクジェット塗布にあたっては、分散液をインクジェット・プリンター・ヘッドの液溜に入れ、電気信号を加えることにより、ドット状の微小液滴を生成することによって、基板上にインクを塗布する。目標とする最小線幅、ライン間隔に応じて、例えば、塗布されるドットの平均径を10〜30μmの範囲に選択し、また、ドットの平均径の選択に併せて、前記微小な液滴量は自ら定まる。
すなわち、インクジェット印刷方式を利用して微小な液滴を吐出する際、その微量な液滴量は、利用するインクジェット・プリンター・ヘッド自体の性能に依存するため、目的とする液適量に適合するプリンタ・ヘッドを選択して用いる。分散液はこれらの塗布装置によって吐出できるように、粘度を適切に調整して用いる。インクジェット塗布で好ましい分散液のシアレート10(s−1)における粘度は50mPa・s未満、より好ましい分散液の粘度は20mPa・s未満である。
スクリーン印刷法は、枠に張った紗に版膜を密着し、紗の目開きからインクを通過させて基材にインクを転写する方法であり、回路パターンを形成した紗を枠に固定し、その上をスクイージが往復してインクの印刷を行う。基板へのインクの印刷性は、スクイージと紗との角度、紗を押す圧力等によってコントロールすることができる。スクリーン印刷用のインクとして好ましい分散液の粘度は、シアレート10(s−1)において、40Pa・s以上であり、チクソ性を有することが好ましい。
ディスペンス法は、微細穴を有する針から空気圧によってインクを押し出しながら、針部分を基板上で動かして回路を描く方法である。これらの塗布手法の内、大面積基板への適応性や塗布速度等の観点から、最も好ましいのはインクジェット法である。
分散液を絶縁性基板上に所定の回路形状に塗布してパターン化された塗布膜を形成した後、塗布膜中の金属酸化物微粒子を還元して金属含有薄膜を得る。金属酸化物を還元する手法としては、可能であるならば光等によってもよいし、加熱によってもよいが、処理の容易さを考慮すると、加熱によって還元する方法が好ましい。
また、酸化を受けやすい金属に還元される酸化銅等の金属酸化物微粒子を還元する場合には、非酸化性雰囲気中で加熱して還元することが好ましい。非酸化性雰囲気とは、酸素等の酸化性ガスを含まない雰囲気であり、不活性雰囲気と還元性雰囲気がある。不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオンや窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。これらのガスを焼成炉中に充填して密閉系として焼成してもよいし、焼成炉を流通系にしてこれらのガスを流してもよい。
非酸化性雰囲気で焼成する場合には、焼成炉中を一旦真空に引いて焼成炉中の酸素を除去し、非酸化性ガスで置換するすることが好ましい。これらの還元処理における、好ましい加熱処理温度は50℃以上500℃以下、より好ましくは100℃以上400℃以下である。
金属含有薄膜上にメッキを析出させる手法としては、無電解メッキおよび電解メッキのいずれも使用可能であるが、成膜速度および成膜される膜質の観点からは、電解メッキが好ましい。メッキの金属種には制限はないが、導電性および安定性の観点から好ましいのは、銅、ニッケル、金等である。メッキ工程は、通常、被メッキ面を脱脂した後、メッキ反応液に基材を浸して行う。電解メッキであれば基材の被メッキ面に通電することによってメッキ層を形成することが可能となる。
通常の回路形成メッキ工程は、触媒核に対して無電解メッキを施し、その上に電解メッキで金属層を厚付けするものであるが、本発明においては、還元工程によって得られる金属含有被膜の体積抵抗値が低い場合には、無電解メッキ工程を省略して、直接電解メッキを用いて金属層を形成することが可能である。金属含有被膜の好ましい体積抵抗値は1×10−2Ωcm未満である。還元工程によって得られる金属含有被膜の膜厚には制限はないが、好ましくは0.01μm以上2μm未満である。メッキ工程で厚付けされる金属層の膜厚には制限はなく、目的とする用途に応じ必要な膜厚までメッキを行なうことができる。高密度プリント基板として用いる場合には、好ましくは2μm以上30μm未満、より好ましくは2μm以上15μm未満である。
実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるべきではない。
本発明において、金属酸化物微粒子の一次粒径は、日本分光株式会社製透過型電子顕微鏡(JEM−4000FX)を用いて表面を観察して測定する。電子顕微鏡による表面測観察において、視野の中から、一次粒子径が比較的そろっている個所を3ヶ所選択し、被定物の粒径測定に最も適した倍率で撮影する。おのおのの写真から、最も多数存在すると思われる一次粒子を3点選択し、その直径をものさしで測り、粒倍率をかけて一次粒子径を算出する。
[実施例1]
精製水100mlに無水酢酸銅(和光純薬工業(株)製)10gを加え、25℃で攪拌しながらヒドラジン1水和物(和光純薬工業(株)製)を加え、1次粒径10〜30nmの酸化第一銅微粒子を得た。この酸化第一銅微粒子2gに、ジエチレングリコール7g、ポリエチレングリコール(平均分子量200、和光純薬工業(株))3g、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル0.1gおよびマイクロカプセル化エポキシ硬化剤であるノバキュアHX−3088(旭化成エポキシ(株)製)を加え、超音波分散を施して酸化第一銅微粒子分散体とした。次に、インクジェット方式のプリント・ヘッドのインクカートリッジにこの分散体を充填し、専用のプリンタに装着した。本実施例では、このインクジェット方式として、ピエゾ方式のプリント・ヘッドを用いた。
スライドガラス上に、平均液量4plでインクを噴射し、膜厚3μm、線幅100μmの直線パターンを印刷し、塗膜を得た。この印刷後、ガラス基板を窒素雰囲気で350℃/30分の熱処理を施し、酸化第一銅の還元を行った。得られた金属配線のパターンは、厚み0.5μm、幅100μmであり、体積抵抗値は、8×10−5Ω・cmであった。
硫酸銅5水和物(和光純薬工業(株)製)80gと硫酸180gを精製水1リットルに溶解して作成した電解メッキ浴に、上記ガラス基板を入れ、室温にて、2A/dmの電流密度で電解銅メッキを施し、厚み8μmの銅層を形成した。
以上の回路形成工程は2時間で終了した。
[実施例2]
酸化第二銅ナノ粒子(粒径10〜100nm、公称平均粒径30nm、シ−アイ化成(株)製)2gを、エチレングリコ−ル7gに加え、さらに金属アルコキシ化合物であるエチルシリケート40(コルコート(株)製)0.3gを加えた。これを、株式会社キ−エンス社製攪拌脱泡機(HM−500)にて、攪拌モ−ド10分、脱泡モ−ド5分の条件で分散処理を行って、酸化第二銅微粒子分散体を得た。実施例1と同様の手順で、インクジェット塗布を行い、膜厚4μm、線幅150μmの直線パターンを印刷し、塗膜を得た。
この印刷後、ガラス基板を水素雰囲気で350℃/30分の熱処理を施し、酸化第二銅の還元を行った。得られた金属配線のパターンは、厚み0.6μm、幅150μmであり、体積抵抗値は、9×10−5Ω・cmであった。実施例1と同じ電解メッキ浴にて、2A/dmの電流密度で電解銅メッキを施し、厚み8μmの銅層を形成した。以上の回路形成工程は2時間で終了した。
[比較例1]
実施例1記載の酸化第一銅微粒子2gに、ジエチレングリコール7g、およびポリエチレングリコール(平均分子量200、和光純薬工業(株)製)3gを加え、超音波分散を施して酸化第一銅微粒子分散体を得た。分散体を実施例1と同様の方法でインクジェット塗布・焼成して、厚み0.5μm、幅100μm、体積抵抗値が4×10−6Ω・cmのパターン化された金属含有被膜を得た。
このパターン化された同金属含有被膜上に、さらにインクジェット塗布行なって厚み3μmの塗布膜を形成し、同様の方法で焼成して0.5μmの金属含有被膜を厚付けし、合計厚み1μmのパターン配線を形成した。同様の塗布−焼成操作を16回繰り返すことにより8μmの金属銅を厚付けしたが、以上の回路形成工程には10時間以上を要した。
本発明は、回路基板を製造するのに利用できる。

Claims (7)

  1. 金属に還元可能な1次粒径が200nm未満の金属酸化物微粒子を含有する分散液を絶縁性基板に所定の回路形状に塗布して、パターン化された塗布膜を形成する工程と、前記塗布膜中に含まれる前記金属酸化物微粒子を金属に還元して金属含有被膜を得る工程と、還元された前記金属含有被膜上にさらにメッキにより金属膜を析出させる工程とを含む回路基板形成方法。
  2. インクジェット法により金属酸化物微粒子を含有する分散液を絶縁性基板に所定の回路形状に塗布することを特徴とする請求項1記載の回路基板形成方法。
  3. 金属酸化物微粒子を金属に還元して得られる金属含有被膜の体積抵抗値が1×10−2Ωcm未満であることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板形成方法。
  4. メッキ法が電解メッキ法であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路基板形成方法。
  5. 金属酸化物微粒子を金属に還元する工程を非酸化性雰囲気で行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路基板形成方法。
  6. 金属酸化物が酸化銅であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回路基板形成方法。
  7. 分散液が金属アルコキシド化合物または熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回路基板形成方法。
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