JP5751438B2 - 絶縁体インク及びこれを用いた絶縁層、複合層、回路基板、半導体パッケージ - Google Patents

絶縁体インク及びこれを用いた絶縁層、複合層、回路基板、半導体パッケージ Download PDF

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Description

本発明は絶縁体インク、それを用いて形成した硬化性絶縁体樹脂の絶縁層、その絶縁層と配線層の複合層、その複合層を用いた回路基板及び半導体パッケージに関する。
低エネルギー、低コスト、高スループット、オンデマンド生産などの優位点から印刷法による配線パターンの形成が有望視されている。この目的には、金属元素を含むインク・ペーストを用い印刷法によりパターン形成した後、印刷された配線パターンに金属導電性を付与することにより実現される。従来、フレーク状の銀あるいは銅を熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のバインダに有機溶剤、硬化剤、触媒などと共に混合した導電性ペーストが用いられてきた。この導電性ペーストの使用方法は、対象物にディスペンサやスクリーン印刷により塗布し、常温で乾燥するか、あるいは150℃程度に加熱してバインダ樹脂を硬化し、導電性被膜とすることで行われていた。しかし、このような従来の導電性ペーストからなる導電性被膜形成用材料はバインダ樹脂を含むため、粒子の接触が阻害され低抵抗な膜を得ることが難しかった。また、従来の銀ペーストでは、銀粒子が粒径1〜100μmのフレーク状であるため、原理的にフレーク状銀粒子の粒径以下の線幅の配線を印刷することは不可能であった。このため、粒径が500nm以下の粒子を用いたインクが求められており、これらの点から、従来の導電性ペーストは微細な配線パターン形成には不適であった。
このような導電性ペーストの欠点を克服するものとして、金属ナノ粒子を用いた配線パターン形成方法が検討されており、金あるいは銀ナノ粒子を用いる方法が検討されてきた。具体的には、100nm以下の金あるいは銀ナノ粒子を含む分散液を、印刷法によりきわめて微細な回路パターンを基板上に塗布し、その後、金属ナノ粒子相互の焼結を施すことにより焼結体型配線層が得られる。
そこで、近年特許文献1に記載されているようなインクジェット印刷法による配線パターンの形成方法や、特許文献2に記載されているようなオフセット印刷法による印刷配線板の製造方法が提案されている。また、特許文献3では、基材上に穴のある絶縁層を印刷法で形成しさらに導体層を印刷法で形成することにより、多層印刷配線板を製造する方法が提案されている。
これらの製造方法によれば、プレス設備やめっき設備などの大規模な設備を用いずに、多層印刷配線板を製造することが可能である。また、導体インクや絶縁体インクを必要な箇所にのみ印刷することができるため、材料の使用効率が非常に高いという利点もある。
しかしながら、通常、印刷法で微細配線を精度良く形成するためには、平坦な樹脂上に印刷が行われる。これまで、例えばサブトラクティブ法やセミアディティブ法などの、銅箔を用いて配線板を作製する際には、粗化処理された銅箔のアンカー効果を利用して基板と配線間の接着力を得ていたが、上記のような印刷法では、アンカー効果により接着力を得るのは極めて困難であった。
また、金や銀といった金属ナノ粒子を用いる際には、単独ではナノサイズ融点降下を生ずるため、印刷用インクとして使用するには、その金属ナノ粒子を有機保護膜で被い、融着を防いでいるのが現状である(例えば、特許文献4)。このため、低抵抗を得るためには有機保護膜を取除く必要があった。さらに、銀ナノ粒子から形成した配線では、配線間スペースが狭くなっていくにつれ、エレクトロケミカルマイグレーションに起因して回路間の絶縁低下が発生しやすいという欠点が問題になると予想されている。そこで、微細配線形成用の金属ナノ粒子分散液としては,エレクトロケミカルマイグレーションが少なく、金や銀と比較して材料自体の単価も安価な銅の利用も期待されている。
特開2003−80694号公報 特開平11−58921号公報 特開2003−110242号公報 特開2005−81501号公報
また、近年は基板上を流れる電気信号が高周波数化しているが、たとえ配線に凹凸を設けられたとしても、電気信号伝播速度の遅延につながるため、できるだけ平坦な配線層を形成することが望まれている。このため、平坦な絶縁材料上に印刷した配線であっても、接着力を付与できる方法を提案することが、印刷法適用のための大きな課題であった。
本発明は、印刷法で微細配線を精度良く形成するための平坦な配線層を形成でき、しかも、平坦な絶縁材料上に印刷した配線との接着力を得ることができる絶縁体インク、これを用いた絶縁層、複合層、回路基板、半導体パッケージを提供するものである。
検討の結果、平坦な配線層を形成する手段として、基板上に硬化絶縁性樹脂を形成することで基板面を平坦化し、表面状態の均一な配線形成面を提供しつつ、配線層を接着する手法を見出した。すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明は、[1]分子量が40以上、1000未満のグリコールエーテルを含む重量平均分子量200以上、50,000以下のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくともいずれか一種の樹脂を含む配線層形成用絶縁体インクに係る。
また、本発明は、[2]分子量が40以上、1000未満のグリコールエーテル構造を1以上含有する重量平均分子量200以上、50,000以下のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくともいずれか一種を含む配線層形成用絶縁体インクに係る。
また、本発明は、[3]重量平均分子量が200以上、50,000以下のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくともいずれか一種と硬化剤と溶媒を含む前記[1]又は[2]に記載の配線層形成用絶縁体インクに係る。
また、本発明は、[4]溶媒の蒸気圧が1.34×10Pa未満(25℃)である前記[3]に記載の配線層形成用絶縁体インクに係る。
また、本発明は、[5]前記[1]から[4]のいずれかに記載の配線層形成用絶縁体インクを用いて印刷法により形成し、熱または光照射のいずれか一方もしくは両方により硬化してなる配線層形成用絶縁層(硬化性絶縁体樹脂)に係る。
また、本発明は、[6]前記印刷法が、インクジェット装置またはディスペンサ装置を使用した印刷法である前記[5]に記載の配線層形成用絶縁層に係る。
また、本発明は、[7]前記[5]又は[6]に記載の配線層形成用絶縁層上に、Cu、Ag、Au、Al、Ni、Coの内少なくともひとつ以上の元素及び/またはそれらの酸化物の金属ナノ粒子を含む配線インクを印刷法により塗布し、電気導電性を付与して形成した配線層と配線層形成用絶縁層の複合層に係わる。元素及び/またはそれらの酸化物の金属ナノ粒子として、Pd、Sn、Pb、In、Gaのいずれか、または、前記との組合わせであっても良い。
また、本発明は、[8]前記[7]に記載の配線層と配線層形成用絶縁層の複合層を電気導電用回路としてその一部または全部に使用した回路基板に係る。
また、本発明は、[9]前記[7]に記載の配線層と配線層形成用絶縁層の複合層を電気導電用回路としてその一部または全部に使用した半導体パッケージに係る。
本発明によれば、インクジェット印刷法などの印刷法により基板上に配線層を形成する際に、同じ印刷法を用いて絶縁層(硬化性絶縁樹脂)を形成し、その上に配線を形成することで、配線層と基板との接着力を高めることができ、かつ、絶縁層(硬化性絶縁樹脂)の優れた絶縁性により、基板と配線層間の高い絶縁信頼性と、配線層の導電性、接着信頼性を兼ね備えた回路基板、半導体パッケージを、全て印刷法で簡便に形成することが可能となる。
本発明の接着力の高い絶縁層と配線層の複合層の外観を示す断面写真である。 絶縁層が無く、基板から剥離してしまった配線層の一例を示す写真である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
(絶縁体インク)
本発明では、分子量が40以上、1000未満のグリコールエーテルを含む分子量200以上、50,000以下のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくともいずれか一種の樹脂を含む絶縁体インクを用いる。分子量200以上、50,000以下の分子量は、重量平均分子量(Mw)であり、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、標準ポリスチレンに換算した値である。
絶縁体インクに用いるグリコールエーテルは、分子量が40以上、1000未満のモノマーもしくはオリゴマーのジオール類であり、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、3,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,3-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,3-ヘプタンジオール、1,4-ヘプタンジオール、1,5-ヘプタンジオール、1,6-ヘプタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、2,3-ヘプタンジオール、2,4-ヘプタンジオール、2,5-ヘプタンジオール、2,6-ヘプタンジオール、3,4-ヘプタンジオール、3,5-ヘプタンジオール、オクタンジオール類、
ブテンジオール、ヘキセンジオールなどの二重結合含有ジオール類、環状ジオール類、これらの重合体、及び/またはメチル基、エチル基などのアルキル基による末端変性体である。また、分子量が40以上、1000未満であると、絶縁層形成時の硬化処理に対する化学反応基が多く、硬化性絶縁体樹脂としてより好ましい。分子量が40以上、500未満、特に、200未満であると、上記化学反応基がさらに多く、硬化性絶縁樹脂としてさらに好ましい。
さらに上記と組合せて絶縁体インクに用いる材料(樹脂)は、一般に電気絶縁性を示す材料であればどのようなものでも良く、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、BTレジン、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂などがあるが、特に制限するものではない。また、これらは単独又は二種類以上を併用しても良い。これらの樹脂を印刷配線板に用いる場合には絶縁信頼性、接続信頼性、耐熱性の観点から、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、良好な機械特性を併せ持つことから特にエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
絶縁体インクが含有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、またはフェノール、クレゾール、アルキルフェノール、カテコール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのフェノール類とホルムアルデヒドやサリチルアルデヒドなどのアルデヒド類の縮合物のグリシジルエーテル化物、その他、二官能フェノール類のグリシジルエーテル化物、二官能アルコールのグリシジルエーテル化物、ポリフェノール類のグリシジルエーテル化物、及びそれらの水素添加物、ハロゲン化物などがあるが、耐熱性や接続信頼性の観点からフェノール類とアルデヒド類の縮合物のグリシジルエーテル化物が好ましく、何種類かを併用することができる。
また、グリコールエーテル構造を1以上含有するエポキシ樹脂は、前記エポキシ樹脂における単位構造とグリコールエーテル構造を適宜繰り返す構造である。前記エポキシ樹脂における単位構造は、例えば、ビスフェノールA構造、ビスフェノールF構造、ビスフェノールS構造、ビフェノール構造、脂環式構造、脂肪族鎖状、グリシジルエステル構造が挙げられる。また、グリコールエーテル構造としては、例えば、分子量が40以上、1000未満のジオール構造であり、例えば、1,2-エタンジオールエーテル、1,2-プロパンジオールエーテル、1,3-プロパンジオールエーテル、1,2-ブタンジオールエーテル、1,3-ブタンジオールエーテル、2,3-ブタンジオールエーテル、1,4-ブタンジオールエーテル、1,2-ペンタンジオールエーテル、1,3-ペンタンジオールエーテル、1,4-ペンタンジオールエーテル、2,3-ペンタンジオールエーテル、2,4-ペンタンジオールエーテル、3,4-ペンタンジオールエーテル、1,5-ペンタンジオールエーテル、1,2-ヘキサンジオールエーテル、1,3-ヘキサンジオールエーテル、1,4-ヘキサンジオールエーテル、1,5-ヘキサンジオールエーテル、2,3-ヘキサンジオールエーテル、2,4-ヘキサンジオールエーテル、2,5-ヘキサンジオールエーテル、3,4-ヘキサンジオールエーテル、1,6-ヘキサンジオールエーテル、1,2-ヘプタンジオールエーテル、1,3-ヘプタンジオールエーテル、1,4-ヘプタンジオールエーテル、1,5-ヘプタンジオールエーテル、1,6-ヘプタンジオールエーテル、1,7-ヘプタンジオールエーテル、2,3-ヘプタンジオールエーテル、2,4-ヘプタンジオールエーテル、2,5-ヘプタンジオールエーテル、2,6-ヘプタンジオールエーテル、3,4-ヘプタンジオールエーテル、3,5-ヘプタンジオールエーテル、オクタンジオールエーテル類、
ブテンジオールエーテル類、ヘキセンジオールエーテルなどの二重結合含有ジオールエーテル類、環状ジオールエーテル類、これらの重合体、及び/またはメチル基、エチル基などのアルキル基による末端変性体である。また、グリコールエーテル構造部分の分子量が40以上、1000未満であると、樹脂あたりの絶縁層形成時の硬化処理に対する化学反応基が多く、硬化不良の発生を抑制することができ、硬化性絶縁体樹脂として好ましい。分子量が40以上、500未満であると、上記化学反応基がさらに多く、硬化性絶縁樹脂としてより好ましく、40以上、200未満であると、耐熱性を向上できる観点からさらに好ましい。
本発明の絶縁体インクでは、分子量が200以上、50,000以下のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくともいずれか一種と硬化剤と溶媒を含むと好ましい。
硬化性絶縁樹脂インクが含有するエポキシ樹脂とともに用いられる硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、ジシアンジアミドなどのアミン類、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸などの酸無水物、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリンなどのイミダゾール類、及びイミノ基がアクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルイジンイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレートなどでマスクされたイミダゾール類、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ポリビニルフェノールなどのフェノール類、及びフェノール、クレゾール、アルキルフェノール、カテコール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのフェノール類とホルムアルデヒドやサリチルアルデヒドなどのアルデヒド類との縮合物及びこれらのハロゲン化物などがある。また、これらの化合物のうち何種類かを併用することができる。
硬化剤としては、上述した中でも、フェノール性水酸基を有するフェノール化合物とアルデヒド化合物との縮合物が、耐熱性や接続信頼性の観点から好ましい。係る縮合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール,ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフタレンジオール類、ビフェノール類等のフェノール化合物とアルデヒド化合物との縮合物であり、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂及びこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体又は窒素含有基置換体等の縮合物が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ樹脂(a)と上記フェノール化合物とアルデヒド化合物との縮合物(b)を組合せて使用する場合、両者の配合量は、硬化性の観点から、エポキシ当量と水酸基当量の当量比(エポキシ当量/水酸基当量)で0.70/0.30〜0.30/0.70とするのが好ましく、耐溶剤性及び機械特性の観点から0.65/0.35〜0.35/0.65とするのがより好ましく、接続信頼性の観点から0.60/0.40〜0.40/0.60とするのが更に好ましく、耐熱性の観点から0.55/0.45〜0.45/0.55とするのが特に好ましい。両者の配合量が上記当量比の範囲外であると、硬化性が不十分となる傾向がある。
絶縁体インクが含有するフェノール樹脂としては、フェノール性水酸基を有するフェノール化合物とアルデヒド化合物との縮合物が、耐熱性や接続信頼性の観点から好ましい。係る縮合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール,ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフタレンジオール類、ビフェノール類、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール化合物とアルデヒド化合物との縮合物であり、ビスフェノールAノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂及びこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体又は窒素含有基置換体が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
グリコールエーテル構造を1以上含有するフェノール樹脂は、フェノール樹脂における単位構造と、グリコールエーテル構造を適宜繰り返す構造である。前記フェノール樹脂における単位構造は、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール,ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフタレンジオール類、ビフェノール類等のフェノール化合物とアルデヒド化合物との縮合物であり、フェノールノボラック構造、レゾール構造、ビスフェノールAノボラック構造、クレゾールノボラック構造が挙げられる。また、グリコールエーテル構造としては、例えば、分子量が40以上、1000未満のジオール構造であり、例えば、1,2-エタンジオールエーテル、1,2-プロパンジオールエーテル、1,3-プロパンジオールエーテル、1,2-ブタンジオールエーテル、1,3-ブタンジオールエーテル、2,3-ブタンジオールエーテル、1,4-ブタンジオールエーテル、1,2-ペンタンジオールエーテル、1,3-ペンタンジオールエーテル、1,4-ペンタンジオールエーテル、2,3-ペンタンジオールエーテル、2,4-ペンタンジオールエーテル、3,4-ペンタンジオールエーテル、1,5-ペンタンジオールエーテル、1,2-ヘキサンジオールエーテル、1,3-ヘキサンジオールエーテル、1,4-ヘキサンジオールエーテル、1,5-ヘキサンジオールエーテル、2,3-ヘキサンジオールエーテル、2,4-ヘキサンジオールエーテル、2,5-ヘキサンジオールエーテル、3,4-ヘキサンジオールエーテル、1,6-ヘキサンジオールエーテル、1,2-ヘプタンジオールエーテル、1,3-ヘプタンジオールエーテル、1,4-ヘプタンジオールエーテル、1,5-ヘプタンジオールエーテル、1,6-ヘプタンジオールエーテル、1,7-ヘプタンジオールエーテル、2,3-ヘプタンジオールエーテル、2,4-ヘプタンジオールエーテル、2,5-ヘプタンジオールエーテル、2,6-ヘプタンジオールエーテル、3,4-ヘプタンジオールエーテル、3,5-ヘプタンジオールエーテル、オクタンジオールエーテル類、 ブテンジオールエーテル類、ヘキセンジオールエーテルなどの二重結合含有ジオールエーテル類、環状ジオールエーテル類、これらの重合体、及び/またはメチル基、エチル基などのアルキル基による末端変性体である。また、グリコールエーテル構造部分の分子量が40以上、1000未満であると、樹脂あたりの絶縁層形成時の硬化処理に対する化学反応基が多く、硬化不良の発生を抑制することができ、硬化性絶縁体樹脂として好ましい。分子量が40以上、500未満であると、上記化学反応基がさらに多く、硬化性絶縁樹脂としてより好ましく、40以上、200未満であると、耐熱性を向上できる観点からさらに好ましい。
絶縁体インクが含有するポリアミドイミド樹脂としては、構造内に、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノールなどの骨格を含有する芳香族ポリアミド樹脂が耐熱性や機械強度の観点から好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
グリコールエーテル構造を1以上含有するポリアミドイミド樹脂は、ポリアミドイミド樹脂における単位構造と、グリコールエーテル構造を適宜繰り返す構造である。前記ポリアミドイミド樹脂における単位構造は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノールなどの骨格を含有する芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂は、塩基性極性溶媒中で、(1)ジアミン化合物及び/又はジイソシアネート化合物からなるアミン成分と、(2)三塩基酸無水物、三塩基酸無水物モノクロライドを重合させて得られるものであり、これらの(1)、(2)にジオール化合物、または、必要に応じて四塩基酸二無水物、ジカルボン酸等の酸成分とを重合させて得られるものである。
ポリイミド樹脂は、塩基性極性溶媒中で、(1)ジアミン化合物及び/又はジイソシアネート化合物からなるアミン成分と、(2)四塩基酸二無水物を重合させて得られるものであり、これらの(1)、(2)にジオール化合物、または、必要に応じて三塩基酸無水物、三塩基酸無水物モノクロライド、ジカルボン酸等の酸成分とを重合させて得られるものである。
ポリアミド樹脂は、(1)ジアミン化合物及び/又はジイソシアネート化合物からなるアミン成分と、(2)ジカルボン酸を重合させて得られるものであり、これらの(1)、(2)にジオール化合物、または、必要に応じて三塩基酸無水物、三塩基酸無水物モノクロライド、四塩基酸二無水物の酸成分とを重合させて得られるものである。
ジアミン化合物としては、例えば、トリジン、ジヒドロキシベンジジン、ジアニシジン、ジアミノジフェニルメタン、ジメチルジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トルエンジアミン、ビス(トリフルオロメチル)ジアミノジフェニル、トリジンスルホン、ジアミノベンゾフェノン、チオジアニリン、スルホニルジアニリン、ジアミノベンズアニリド、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス[(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[(アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ジアミノベンジジン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数1〜18のポリメチレンジアミン、ポリプロピレングリコールやエチレングリコールの両末端アミン変性物等が挙げられる。ジイソシアネート化合物は、前記のジアミン化合物のアミノ基をイソシアネート基に置き換えたものが挙げられる。例えば、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭素数1〜18のポリメチレン基を有するポリメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ブラシル酸、シュウ酸(無水物)、イタコン酸、ドデカン二酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、3,3’−チオジプロピオン酸等が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、レゾルシノール、ヒドロキノン、ビフェニルジオール、ビスフェノールA、ナフタレンジオール、芳香族ポリカーボネートジオール、芳香族ポリカーボネートジオール−クロロギ酸二エステル等の芳香族ポリカーボネートジオールの誘導体、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、脂肪族ポリカーボネートジオール、脂肪族ポリカーボネートジオール−クロロギ酸二エステル等の脂肪族ポリカーボネートジオールの誘導体などが挙げられる。
三塩基酸無水物及び三塩基酸無水物モノクロライドとしては、例えば、無水トリメリット酸、無水トリメリット酸クロライド等が挙げられる。
四塩基酸二無水物としては、例えば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、オキシジフタル酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、ターフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、グリコールエーテル構造としては、例えば、分子量が40以上、1000未満のジオール構造であり、例えば、1,2-エタンジオールエーテル、1,2-プロパンジオールエーテル、1,3-プロパンジオールエーテル、1,2-ブタンジオールエーテル、1,3-ブタンジオールエーテル、2,3-ブタンジオールエーテル、1,4-ブタンジオールエーテル、1,2-ペンタンジオールエーテル、1,3-ペンタンジオールエーテル、1,4-ペンタンジオールエーテル、2,3-ペンタンジオールエーテル、2,4-ペンタンジオールエーテル、3,4-ペンタンジオールエーテル、1,5-ペンタンジオールエーテル、1,2-ヘキサンジオールエーテル、1,3-ヘキサンジオールエーテル、1,4-ヘキサンジオールエーテル、1,5-ヘキサンジオールエーテル、2,3-ヘキサンジオールエーテル、2,4-ヘキサンジオールエーテル、2,5-ヘキサンジオールエーテル、3,4-ヘキサンジオールエーテル、1,6-ヘキサンジオールエーテル、1,2-ヘプタンジオールエーテル、1,3-ヘプタンジオールエーテル、1,4-ヘプタンジオールエーテル、1,5-ヘプタンジオールエーテル、1,6-ヘプタンジオールエーテル、1,7-ヘプタンジオールエーテル、2,3-ヘプタンジオールエーテル、2,4-ヘプタンジオールエーテル、2,5-ヘプタンジオールエーテル、2,6-ヘプタンジオールエーテル、3,4-ヘプタンジオールエーテル、3,5-ヘプタンジオールエーテル、オクタンジオールエーテル類、 ブテンジオールエーテル類、ヘキセンジオールエーテルなどの二重結合含有ジオールエーテル類、環状ジオールエーテル類、これらの重合体、及び/またはメチル基、エチル基などのアルキル基による末端変性体である。また、グリコールエーテル構造部分の分子量が40以上、1000未満であると、樹脂あたりの絶縁層形成時の硬化処理に対する化学反応基が多く、硬化不良の発生を抑制することができ、硬化性絶縁体樹脂として好ましい。分子量が40以上、500未満であると、上記化学反応基がさらに多く、硬化性絶縁樹脂としてより好ましく、40以上、200未満であると、耐熱性を向上できる観点からさらに好ましい。
また、上記絶縁体インクに用いる材料(樹脂)の重量平均分子量は、硬化処理に対する架橋点を密にし、良好な機械特性、耐熱性及び環境信頼性を得られることから、200以上、50,000以下が好ましく、例えばインクジェットなどの無版印刷法に適用可能な絶縁体インクとして用いる場合には、インクジェットのノズル吐出性を安定的に確保するために200以上、35,000以下がより好ましく、絶縁インクの粘度上昇を抑え、安定的に使用するために、200以上、20,000以下がさらに好ましい。
絶縁体インクに含まれる溶媒は、25℃における蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶媒が好ましい。このような溶媒であれば、溶媒の揮発によるインク粘度の上昇を抑えることができる。例えば25℃の蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶媒のみであると、溶媒の揮発によるインク粘度の上昇が著しく、例えばインクジェット印刷法ではインクジェットヘッドのノズルから液滴を吐出することが困難になり、更にインクジェットヘッドの目詰まりが生じやすくなる傾向にある。
なお、蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶媒と、蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶媒とを併せて用いてもよいが、その場合、蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶媒の配合割合を、溶媒全量の質量基準で、60質量%以下とすることが好ましく、溶媒の揮発によるインク粘度の上昇抑制の観点から50質量%以下とすることがより好ましく、インクジェットヘッドのノズルからの液滴吐出性の観点から40質量%以下とすることがさらに好ましい。なお、溶媒としては、蒸気圧が所望の範囲で、かつ絶縁性の樹脂を分散又は溶解するものであれば種々のものを用いることができる。
25℃における蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶媒としては、硬化性樹脂を溶解できるものであればよく、具体的には、スルホラン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、アニソール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラデカン、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。また、25℃における蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶剤として具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
絶縁体インク中における溶媒の含有割合については、特に制限されず、インクの25℃における粘度及び表面張力が以下に示す範囲内となるように適宜調整することが好ましいが、通常、インク質量に対して、30から99質量%とすることが好ましい。
絶縁体インクの粘度は、25℃で50mPa・s以下であることが好ましい。絶縁体インクの粘度が50mPa・s以下であれば、インクジェット印刷時の不吐出ノズルの発生や、ノズルの目詰まりの発生を一層確実に防止することができる。また、絶縁体インクの粘度は、25℃で1〜30mPa・sであることがより好ましい。絶縁体インクの粘度を当該範囲とすることによって、液滴を小径化でき、絶縁体インクの着弾径を一層小さくすることができ、微細なパターン形成への対応が容易となる。
絶縁体インクの25℃における表面張力は20mN/m以上であることが好ましく、表面調整剤によって、表面張力を調整することができる。絶縁体インクの表面張力が20mN/m未満の場合、絶縁体インクの液滴が基材上に着弾後に濡れ広がり、平坦な厚膜を形成できない傾向がある。絶縁体インクの表面張力は、20〜80mN/mの範囲であることがより好ましい。これは、絶縁体インクの表面張力が80mN/mを超える場合、インクジェットノズル詰まりが発生し易くなる傾向があるためである。平坦な膜の形成性及び安定したインクジェット吐出性の観点から、20〜40mN/mであるとより好ましい。
絶縁体インクに添加する表面調整剤としては、例えばシリコーン系、ビニル系、アクリル系及びフッ素系から1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。例えば、市販されているこのような表面調整剤としては、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−340、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−358N、BYK−361N、BYK−392、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−3570、BYK−Silclean3700(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名)、OX−880EF、OX−881、OX−883、OX−883HF、OX−70、OX−77EF、OX−60、OX−710、OX−720、OX−720EF、OX−750HF、LAP−10、LAP−20、LAP−30、1970、230、LF−1980、LF−1982、LF−1983、LF−1984、LF−1985、LHP−90、LHP−91、LHP−95、LHP−96、1711、1751N、1761、LS−001、LS−050(以上、楠本化成株式会社製、商品名)、SH200−100CS、SH7PA、11ADDITIVE、SH28PA、SH−29PA、SH−30PA、ST80PA、ST83PA、ST86PA、ST90PA、ST97PA、ST105PA(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名)、ポリフローNo.3、ポリフローNo.7、ポリフローNo.50E、ポリフローNo.50EHF、ポリフローNo.54N、ポリフローNo.55、ポリフローNo.64、ポリフローNo.75、ポリフローNo.77、ポリフローNo.85、ポリフローNo.85HF、ポリフローNo.S、ポリフローNo.90、ポリフローNo.90D−50、ポリフローNo.95、ポリフローNo.300、ポリフローNo.460、ポリフローWS、ポリフローWS−30、ポリフローWS−314(以上、共栄社化学株式会社製、商品名)などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
絶縁体インクには、上記のほかにも、シランカップリング剤等の添加剤を適宜添加することができる。
(絶縁層の形成方法)
本発明で形成される絶縁層(以下、硬化性絶縁樹脂とも表す)について説明する。通常、該硬化性絶縁樹脂はインクジェット印刷装置やディスペンサ装置などの印刷法により形成される。このような印刷法に適用可能な絶縁体インクを印刷法用硬化性絶縁樹脂インク(以下、絶縁体インクと略す)と称する。
本発明で形成される絶縁層は、例えば、次の工程により形成される。すなわち基板上に絶縁体インクを印刷法により形成する第一の工程と、必要に応じて溶媒を除去(例えば熱処理及び/または真空脱気)し、絶縁体インクを硬化(例えば、熱処理や紫外線照射など)して絶縁層とする第二の工程により形成する。
前記絶縁体インクはグリコールエーテル及び/またはグリコールエーテル構造含有樹脂を含み、必要に応じて硬化剤、溶媒を含む。また、硬化促進剤、カップリング剤、酸化防止剤、充填剤、表面調整剤などを配合しても良い。絶縁体インクに用いる樹脂は、モノマー、オリゴマー等を必要に応じて溶媒に溶解し、基板に塗布後、加熱処理することにより溶媒除去及び樹脂を硬化させて硬化性絶縁樹脂(絶縁層)を得る。
絶縁体インクの印刷法としては、インクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサ、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ソフトリソグラフ、ディップペンリソグラフ、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ、電着塗装を用いることができ、中でも、インクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、及びグラビアコータからなる群より選択されるいずれか1種が好ましい。中でもインクジェット装置またはディスペンサ装置は、特別な版を使用せずに所望の位置に所望の量のインクを印刷でき、材料利用効率やパターン設計変更への対応の容易さなどの特長を有し、より好ましい。
インクジェット印刷法(インクジェット装置)としては、例えば、ピエゾ素子の振動によって液体を吐出するピエゾ方式や、急激な加熱による液体の膨張を利用して液体を吐出させるサーマル方式等、一般に報告されている吐出方法を使用できる。中でも、ピエゾ方式はインクに熱がかからないなどの点から好ましい。このようなインクジェット印刷法を実施するためには、例えば、通常のインクジェット装置を用いることができる。インクを吐出するヘッドのノズル径は所望の液滴サイズによって最適なものを選択することができる。
絶縁体インクを基板に塗布した後に溶媒を除去する方法としては、基板を加熱したり、熱風を吹き付けたりする加熱処理方法を採用することができる。このような加熱処理は、例えば、加熱温度80〜200℃、加熱時間0.1秒〜2.0時間で行うことができる。なお、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、溶媒の除去後または溶媒除去と同時に樹脂を硬化させることができる。また、例えば紫外線硬化型樹脂の場合は、溶媒除去後紫外線を照射することで、樹脂を硬化することができる。
(配線層及び複合層の形成方法)
本発明で形成される配線層は、例えば、次の工程により形成される。すなわち、絶縁層上に配線インクを印刷法により形成する第一の工程と、必要に応じて溶剤の除去並びに導通を付与するための焼結や還元処理を行う第二の工程により、配線層を形成し、絶縁層と配線層を合わせた複合層する。前記複合層は、その後、第三の工程として、形成した配線に重なるように、絶縁体インクを印刷法により形成してもよく、前記記載の絶縁層の形成と配線層の形成を繰返し、多層化することもできる。
本発明で形成される配線層は、Cu、Ag、Au、Al、Ni、Coの内少なくともひとつ以上の元素を含むことを特徴としている。
本発明で形成される配線層は、通常、硬化性絶縁樹脂(絶縁層)上に印刷法により形成される。このような印刷法に適用可能な印刷法用配線インクは、金属ナノ粒子及び溶媒を含むことが好ましく、市販の金属ナノ粒子分散インクを適用することができる。また、金属ナノ粒子を溶媒に分散させることで、印刷法に適用可能な配線インクを得ることもできる。
本発明で使用される金属ナノ粒子について説明する。金属ナノ粒子はCu、Ag、Au、Al、Ni、Co及びこれらの酸化物のいずれも使用可能であり、少量の不純物として金属塩及び金属錯体を含んでもよい。粒子は全体が金属であってもよいし、周囲が酸化物であるコアシェル金属粒子やそのほとんどすべてが酸化物である(例えば酸化銅)粒子、さらに常態や処理後に導電性を発現できればその他の元素との化合物であってもよい。また、酸化第一銅およびコア/シェル構造を有する粒子は、容易に還元が可能であるのでより好ましい。これらの金属ナノ粒子は、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法を用いて合成することも可能である。これらの金属ナノ粒子は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、酸化や粒子の凝集を防ぐために、分散剤や表面処理剤を使用していてもよい。
金属ナノ粒子を溶媒に分散させることで、印刷法に適用可能な配線インクを得る場合、一般的に金属は比重が大きく、粒径が大きいと、自重で沈降しやすく分散状態が安定的に保ち難いという観点から、金属ナノ粒子の一次粒径は、平均粒径が1〜300nmであると好ましく、分散剤を用いずに分散媒に分散させる場合の分散性の観点から、5〜200nmであるとより好ましく、良好な分散性の継続及び後に述べる還元処理により導体化(低抵抗率化)も容易となるため、10〜100nmであるとさらに好ましい。一次粒径の平均粒径は、レーザ回折散乱法によって25℃で測定した散乱光の強度から求められる粒径に対する体積分率の粒度分布から算術平均粒径を算出する方法、または、窒素吸着BET法による比表面積の測定値から、1次粒子の比重で、粒子形状を真球粒子と仮定した場合の粒径を算出する方法で求めるが、平均粒径を粉体の状態で測定する場合には、後者により求める方法が一般的である。
金属ナノ粒子を溶媒に分散させることで、印刷法に適用可能な配線インクを得る場合、二次凝集体などを含めた平均分散粒径が500nm以下であることが好ましい。平均分散粒径が500nm以下であると、例えばインクジェット印刷法ではノズルの目詰まりなどの不具合が発生しにくく、より好ましい。分散粒径が500nm以上の粒子があっても良いが、最大分散粒径は2μm以下であるとインクジェット印刷での目詰まりの発生等がなく好ましい。
印刷法用配線インク中における溶媒の含有割合については、特に制限されず、インクの25℃における粘度及び表面張力が以下に示す範囲内となるように適宜調整することが好ましいが、通常、印刷法用配線インク質量に対して、30から99質量%とすることが好ましい。
印刷法用配線インクの粘度は、25℃で50mPa・s以下であることが好ましい。印刷法用配線インクの粘度が50mPa・s以下であれば、インクジェット印刷時の不吐出ノズルの発生や、ノズルの目詰まりの発生を一層確実に防止することができる。また、印刷法用配線インクの粘度は、25℃で1〜30mPa・sであることがより好ましい。印刷法用配線インクの粘度を当該範囲とすることによって、液滴を小径化でき、印刷法用配線インクの着弾径を一層小さくすることができる傾向がある。これにより、微細な配線の形成が容易となる。
印刷法用配線インクの25℃における表面張力は20mN/m以上であることが好ましい。印刷法用配線インクの表面張力が20mN/m未満の場合、印刷法用配線インク液滴が硬化性絶縁樹脂上に着弾後に濡れ広がり、平坦な厚膜を形成できない傾向がある。印刷法用配線インクの表面張力は、20〜80mN/mの範囲であることがより好ましい。これは、印刷法用配線インクの表面張力が80mN/mを超える場合、インクジェットノズル詰まりが発生し易くなる傾向があるためである。平坦な厚膜の形成性及び安定したインクジェット吐出性の観点から、20〜50mN/mであるとより好ましい。
(配線形成方法)
印刷法用配線インクの印刷法としては、絶縁層の形成と同様の印刷方法を用いることができる。インクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサ、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、粒子堆積法、ソフトリソグラフ、ディップペンリソグラフ、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ、電着塗装を用いることができ、中でも、インクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、及びグラビアコータからなる群より選択されるいずれか1種が好ましい。中でもインクジェット印刷法やスーパーインクジェット印刷法は、特別な版を使用せずに所望の位置に所望の量のインクを印刷でき、材料利用効率やパターン設計変更への対応の容易さなどの特徴を有し、より好ましい。
インクジェット印刷法としては、例えば、ピエゾ素子の振動によって液体を吐出するピエゾ方式や、急激な加熱による液体の膨張を利用して液体を吐出させるサーマル方式等、一般に報告されている吐出方法を使用できる。中でも、ピエゾ方式はインクに熱がかからないなどの点から好ましい。このようなインクジェット印刷法を実施するためには、例えば、通常のインクジェット装置を用いることができる。インクを吐出するヘッドのノズル径は所望の液滴サイズによって最適なものを選択することができる。
印刷法用配線インクが基板に着滴した後に溶媒を除去する方法としては、基板を加熱したり、熱風を吹き付けたりする加熱処理方法を採用することができる。このような加熱処理は、例えば、加熱温度50〜200℃、加熱時間0.1秒〜2.0時間で行うことができる。その他に、真空環境下において溶媒を除去することもできる。
(導体化方法)
配線層を導体化するための手法、例えば還元処理や焼結処理はそれぞれの配線層に適した方法であればよく、特に制限されない。導体化後の体積抵抗率は1×10−5Ω・m以下であることが望ましい。これ以上の体積抵抗率であると、電気配線としての用を成さないおそれがある。電気配線としての導電性の観点から、体積抵抗率は、1×10−6Ω・m以下であるとより好ましく、電気抵抗損失の少ない好適な微細配線としての利用の観点から、体積抵抗率は、1×10−7Ω・m以下であるとさらに好ましい。
配線層の導体化方法としては、例えば金属ナノ粒子に酸化銅を含む銅粒子を使用した配線層の場合、原子状水素を利用した還元方法や、水素、アンモニア、ギ酸のような還元性ガス雰囲気下において加熱する導体化方法がその例として挙げられる。これらの導体化手法は、いくつかを組合せて用いることもできる。
原子状水素を生成する方法としては、ホットワイヤー装置を使用する方法を挙げることができる。例えば、装置内を10−3Pa以下に減圧し系内の空気を除去する。ついでガス導入口より水素、アンモニア、ヒドラジンなどの水素を含んだ原料ガスをチャンバー内のガスを拡散させるためのシャワーヘッドに送り込む。シャワーヘッドから拡散されたガスは、例えばタングステンワイヤからなる高温の触媒体(通電し高温に加熱、例えば1700℃)を通過することで、原料ガスが分解され原子状水素が生成される。この原子状水素により酸化銅粒子は還元され、焼結が進行する。なお、高温に加熱された触媒体と試料基板の間にはガスを遮断しない隙間のあるシャッターや遮蔽板を挿入し、触媒体からの輻射熱を基板が直接受けないようにすることもできる。この処理の間基板の温度は、触媒体からの輻射熱を直接受けたり基板ホルダを加熱したりしなければ50℃以下で推移するが、このような低温でも還元と同時に、還元した銅粒子間の融着が進行する。
本発明においては、配線(配線層)の形成及び金属導電性の付与を200℃以下の低温で行うことで、基板や絶縁層等に高温加熱に耐える特性(耐熱性)を要求する必要がなく、好ましい。
還元性ガス雰囲気下において加熱する導体化方法としては、例えば、ギ酸ガスを用いた処理方法が挙げられる。処理ガスとしては、ホルムアルデヒドおよびメタノールは酸化されるとギ酸となるため、ホルムアルデヒドおよびメタノールも使用可能である。例えば、ホルムアルデヒドを導入した場合、酸化銅を還元する反応によりギ酸が発生し、結果としてギ酸ガスと同様の効果が得られる。例えば、窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガスのような不活性ガスをキャリアガスとして、ギ酸、ホルムアルデヒド、メタノールなどの処理ガスをチャンバー内に導入し、140℃以上に加熱することで、金属ナノ粒子に酸化銅を含む銅粒子を使用した配線層を導体化することができる。処理ガスのチャンバー内への導入と加熱の順序は、どちらが先でもよいが、液状もしく霧状のギ酸が配線層に付着すると、導体化が進行せず、配線層のギ酸銅への溶解が生じるため、ギ酸の沸点である100℃以上に予め熱してから処理ガスを導入する方が好ましく、処理温度である140℃以上に熱してから処理ガスを導入する方がより好ましい。また、温度条件としては、200℃を超える温度で処理しても効果に顕著な差はないため、140℃以上、200℃以下の温度範囲で導体化処理することができる。
本発明においては、配線(配線層)の形成及び金属導電性の付与を200℃以下の低温で行うことで、基板や絶縁層等に高温加熱に耐える特性(耐熱性)を要求する必要がなく、好ましく、導体化処理反応を進める目的での減圧環境が不要で簡便に処理でき、より好ましい。
それ以外にも、RFやマイクロ波などを利用した真空プラズマ装置や大気圧プラズマ装置により発生させた原子状水素により還元することができる。これ以外にも、アルキルアミンボラン、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ホルムアルデヒド、アルデヒド化合物、亜リン酸化合物、次亜リン酸化合物、アジピン酸、ギ酸、アルコール、スズ(II)化合物、金属スズ、ヒドロキシアミン類、アスコルビン酸から選ばれた還元性の液体を使用した還元方法により、所望の体積抵抗率の配線層を得ることができる。いずれの方法も配線(配線層)の形成及び金属導電性の付与を200℃未満の低温で行うことが可能である。
本発明の絶縁層と配線層の複合層は、回路基板、あるいは、半導体パッケージの電気導電用回路として好適である。回路基板、あるいは、半導体パッケージの電気導電用回路の一部または全部として、使用可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜8、比較例1〜4]
(絶縁体インクの調整)
実施例1〜8、比較例1〜2ごとに、絶縁体インクを調整した。
(絶縁体インク1の調整)
エチレングリコール鎖変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「EXA4822」、大日本インキ化学工業株式会社製、Mw=1800)28.9gと、硬化剤であるビスフェノールAノボラック樹脂(商品名「VH−4170」、大日本インキ化学工業株式会社製)8.6gと、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京応化工業株式会社製)0.03gと、シリコーン系表面調整剤(商品名「BYK307」、BYK Chemie社製)0.05gとを、溶媒であるγ−ブチロラクトン(25℃における蒸気圧:3.4×10Pa)112.5gに溶解させて、粘度が10.6mPa・s、表面張力が25.0mN/mである絶縁体インクを得た。なお、粘度は、音叉型振動式粘度計(「SV−10」、エーアンドディー社製)を用い、25℃の条件で測定して得られた値であり、表面張力は、白金プレート法による表面張力計(「CBVP−Z」、協和界面科学株式会社製)を用い、25℃の条件で測定して得られた値である(以下同様)。
(絶縁体インク2の調整)
エチレングリコール鎖変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「EXA4850−150」、大日本インキ化学工業株式会社製Mw=900)29.9gと、硬化剤であるビスフェノールAノボラック樹脂(商品名「VH−4170」、大日本インキ化学工業株式会社製)7.6gと、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京応化工業株式会社製)0.03gと、シリコーン系表面調整剤(商品名「BYK307」、BYK Chemie社製)0.05gとを、溶媒であるγ−ブチロラクトン112.5gに溶解させて、粘度が10.2mPa・s、表面張力が25.0mN/mである絶縁体インクを得た。
(絶縁体インク3の調整)
1,6−ヘキサンジオール鎖変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「EXA4816」、大日本インキ化学工業株式会社製Mw=1800)29.1gと、硬化剤であるビスフェノールAノボラック樹脂(商品名「VH−4170」、大日本インキ化学工業株式会社製)8.3gと、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京応化工業株式会社製)0.03gと、シリコーン系表面調整剤(商品名「BYK307」、BYK Chemie社製)0.05gとを、溶媒であるγ−ブチロラクトン112.5gに溶解させて、粘度が10.5mPa・s、表面張力が25.0mN/mである絶縁体インクを得た。
(絶縁体インク4の調整)
エチレングリコール鎖変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「EXA4822」、大日本インキ化学工業株式会社製)28.9gと、硬化剤であるビスフェノールAノボラック樹脂(商品名「VH−4170」、大日本インキ化学工業株式会社製)8.6gと、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京応化工業株式会社製)0.03gと、シリコーン系表面調整剤(商品名「ポリフローWS−314」、共栄社化学株式会社製)0.05gとを、溶媒であるγ−ブチロラクトン112.5gに溶解させて、粘度が10.6mPa・s、表面張力が25.0mN/mである絶縁体インクを得た。
(絶縁体インク5の調整)
エチレングリコール鎖変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「EXA4822」、大日本インキ化学工業株式会社製)20.2gと、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名「N−865」、大日本インキ化学工業株式会社製)7.3gと、硬化剤であるビスフェノールAノボラック樹脂(商品名「VH−4170」、大日本インキ化学工業株式会社製)10.0gと、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京応化工業株式会社製)0.03gと、シリコーン系表面調整剤(商品名「BYK307」、BYK Chemie社製)0.05gとを、溶媒であるγ−ブチロラクトン112.5gに溶解させて、粘度が11.0mPa・s、表面張力が25.0mN/mである絶縁体インクを得た。
(絶縁体インク6の調整)
プロプレングリコール鎖変性ポリアミドイミド樹脂(試作品、日立化成工業株式会社製、Mw=33400)11.5gと、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名「N−865」、大日本インキ化学工業株式会社製)1.4gと、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京応化工業株式会社製)0.001gと、シリコーン系表面調整剤(商品名「BYK307」、BYK Chemie社製)0.02gとを、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(25℃における蒸気圧:0.7×10Pa)87.5gに溶解させて、粘度が9.7mPa・s、表面張力が25.0mN/mである絶縁体インクを得た。
(絶縁体インク7の調整)
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名「N−865」、大日本インキ化学工業株式会社製)24.2gと、硬化剤であるビスフェノールAノボラック樹脂(商品名「VH−4170」、大日本インキ化学工業株式会社製)13.3gと、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京応化工業株式会社製)0.02gと、シリコーン系表面調整剤(商品名「BYK307」、BYK Chemie社製)0.05gとを、溶媒であるγ−ブチロラクトン(25℃における蒸気圧:3.4×10Pa)115.5gに溶解させて、粘度が11.3mPa・s、表面張力が25.0mN/mである絶縁体インクを得た。
これらの絶縁体インクの配合を纏めて表1に示した。
Figure 0005751438
(配線インク)
配線インクとして、金属ナノ粒子分散液を調整した(配線インクA)。金属ナノ粒子(NanoTek CuO、CIKナノテック株式会社製、比表面積12m/g、一次粒子径 75nm、酸化銅)32.5gとγ‐ブチロラクトン(25℃における蒸気圧:3.4×10Pa)97.5gを混合し、株式会社日本精機製作所製超音波ホモジナイザUS−600CCVPで出力600W、振動数19.5kHz、振幅値26.5μmで5分間処理し、50mlの遠心沈殿管に35g秤量し、1500回転で4分間遠心分離処理を行い、その上澄みを配線インクとした。上記配線インクは、粘度が5.0mPa・s、表面張力が43.0mN/mであった。また、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(ベックマンコールター株式会社製、LS 13 320)で粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径80nm、最大粒子径350nmの良好な分散性の配線インクを得た。配線インクBとして、テトラデカンを溶媒とし、分散剤により分散安定化させた銀インク(商品名「Ag1TeH」、アルバックマテリアル株式会社製)を使用した。
(評価用試験片の作製)
(実施例1〜6、比較例1)
大きさ2.6cm×3.8cmのガラス板上に、インクジェット印刷装置を用いて絶縁体インク1〜7をそれぞれ全面印刷した。印刷された絶縁体インクを180℃で30分のホットプレート加熱により硬化して、絶縁層を得た。形成された絶縁層上に、インクジェット印刷装置を用いて、配線インクAで1cm×1cm、膜厚約2μmのパターンを形成し、60℃で15分のホットプレート加熱により乾燥した。導体化処理として、ギ酸ガス処理し、銅の配線層を得た。ギ酸ガス処理は、洗気瓶にギ酸を約100mL入れ、窒素をバブリングすることでギ酸飽和窒素ガスの発生装置とし、オイルバスで加熱した平底セパラブルフラスコの底部に処理温度の均一化を目的に銅板を敷き、これを処理槽とした。ギ酸飽和窒素ガスの発生装置と処理槽をポリテトラフルオロエチレンチューブで接続し、ギ酸飽和窒素ガス流量はニードルバルブ付きパージ流量計で調整した。銅板の上に評価用試験片をセットし、処理槽に窒素ガスを15分通気させて内部の空気を窒素置換した。あらかじめ200℃に熱したオイルバスで15分間加熱し、ギ酸飽和窒素ガスを0.3L/分で処理槽に通じながら、60分処理した。処理後、窒素ガスを15分通気させた。銅板上のガラス基板表面にクロメルアルメル熱電対をセットし、この温度を評価用試験片の温度とした。ギ酸ガス処理中の評価用試験片の温度は165〜176℃の範囲内であった。評価用試験片のギ酸ガス処理方法は、以下同様。
(実施例7〜8)
大きさ2.6cm×3.8cmのガラス板上に、インクジェット印刷装置を用いて絶縁体インク1、2をそれぞれ全面印刷した。印刷された絶縁体インクを180℃で30分のホットプレート加熱により硬化して、絶縁層を得た。形成された絶縁層上に、インクジェット印刷装置を用いて、配線インクBで1cm×1cm、膜厚約2μmのパターンを形成し、120℃で15分のホットプレート加熱により乾燥した。その後、200℃のオーブンで2時間焼結し、銀の配線層を得た。
(比較例2)
大きさ2.6cm×3.8cmのガラス板上に、インクジェット印刷装置を用いて、配線インクAで1cm×1cm、膜厚約2μmのパターンを形成し、60℃で15分のホットプレート加熱により乾燥した。その後、導体化処理として、ギ酸ガス処理し、銅の配線層を得た。
(配線層の体積抵抗率の測定)
処理後の塗布基板をFIB(集束イオンビーム)装置により切削加工し断面をSIM(走査イオン像)観察により膜厚を測定した。四探針法微小抵抗測定装置(Loresta MCP−T610、三菱化学株式会社製)にて膜の表面抵抗率を測定し、膜厚の測定値を用いて表面抵抗率の測定値を体積抵抗率に換算し、その値がバルク銅の体積抵抗率(1.7×10−8Ω・m)の3倍以下(5.1×10−8Ω・m以下)であれば導電性は◎、3倍より大きく20倍以下(3.4×10−7Ω・m以下)であれば導電性は○、20倍より大きく10−5Ω・m以下であれば導電性は△、10−5Ω・mを超える場合、導電性は×と評価した。結果を表2に示した。
(接着力の評価)
評価用試験片の配線層に剥離用テープ(「粘着テープCT-18」、ニチバン株式会社製商品名)を貼り付け、指で密着させ、一気に引き剥がして剥離後の配線層の様子を観察した。配線層に変化が無かった場合を○、一部に剥離が生じた場合を△、全剥離した場合を×と評価した。結果を表2に示した。
なお、図1は、本発明の実施例1で得られた絶縁層と配線層の複合層の外観を示す断面写真を示したものである。断面加工用タングステン保護膜は、断面の加工がし易いようにタングステンを蒸着させている。また、図2は、比較例2で得られた配線層の断面写真を示したものである。
Figure 0005751438
表2に示す通り、グリコールエーテル構造を含む絶縁体インクにより作製した絶縁層は、印刷法により形成し導体化した配線層に対して、高い接着力が得られたことがわかる。また、電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性に優れるエポキシ樹脂、フェノール樹脂及び/またはポリアミドイミド樹脂を含んでいることで、絶縁層の電気絶縁性及び熱処理及び/または還元性ガス処理により形成した配線層の導電性に優れる複合層が得られたことがわかる。
01‥断面加工用タングステン保護膜
02‥配線層
03‥絶縁層
04‥ガラス

Claims (6)

  1. 分子量が40以上、1000未満のグリコールエーテルを含む重量平均分子量200以上、50,000以下のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂の少なくともいずれか一種の樹脂と、硬化剤と、蒸気圧が1.34×10 Pa未満(25℃)の溶媒とを含む配線層形成用絶縁体インク。
  2. 請求項1に記載の配線層形成用絶縁体インクを用いて印刷法により形成し、熱または光照射のいずれか一方もしくは両方により硬化してなる配線層形成用絶縁層。
  3. 前記印刷法が、インクジェット装置またはディスペンサ装置を使用した印刷法である請求項に記載の配線層形成用絶縁層。
  4. 請求項または請求項に記載の配線層形成用絶縁層上に、Cu、Ag、Au、Al、Ni、Coの内少なくともひとつ以上の元素及び/またはそれらの酸化物の金属ナノ粒子を含む配線インクを印刷法により塗布し、電気導電性を付与して形成した配線層と配線層形成用絶縁層の複合層。
  5. 請求項に記載の配線層と配線層形成用絶縁層の複合層を電気導電用回路としてその一部または全部に使用した回路基板。
  6. 請求項に記載の配線層と配線層形成用絶縁層の複合層を電気導電用回路としてその一部または全部に使用した半導体パッケージ。
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