JP6036078B2 - 還元ガス、銅層の製造方法及び配線回路基板 - Google Patents

還元ガス、銅層の製造方法及び配線回路基板 Download PDF

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Description

本発明は、還元ガス、銅層の製造方法及び配線回路基板に関する。
金属銅は高い電気伝導性と熱伝導性を有し、導体配線材料、熱伝達材料、熱交換材料、放熱材料として広く用いられている。
一方、インクジェット法、ジェットディスペンサ法、ニードルディスペンサ法、ディスペンサ法、有版印刷法等はフォトレジスト工程を用いることなく任意の形状に液状の材料を付与できるため、オンデマンド生産、省力化、省材料化、低コスト化の点から注目されている。特に、非接触で成形可能なインクジェット法、ジェットディスペンサ法等では、段差や曲面、小面積への液状の材料の付与が可能であり、有版印刷では困難なパターン形成が可能である。
このような手法に用いられる銅層を生成するインク(以降、銅インク)では、酸化物の除去および処理時の酸化防止の目的から還元雰囲気での導体化処理が必要である。ギ酸ガス中での加熱処理は、生成した銅層の緻密性、低体積抵抗率、樹脂基板へのダメージが少ない、銅インク層深部の還元性が良好であるという利点がある。なお、ギ酸を用いた処理としては、はんだ接合装置及びはんだ接合方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、ギ酸を用いた銅膜形成方法としては、炭素数1〜3のアルコール又はエーテルを併用する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3350529号公報 特開2010−59535号公報
しかし、特許文献2に記載の方法では、導体化の反応が不均一な速度で進行するため、配線として使用する場合、例えば高周波数の信号配線や、微細配線として用いる場合等には、生成した銅層の緻密性向上及び平滑性が課題であった。
本発明は、導電性、緻密性及び平滑性に優れた銅層の製造方法及び該製造方法に用いられる還元ガスを提供することを課題とする。
本発明者らは、インク付与法により形成した銅酸化物堆積層を還元ガス処理した際の銅層の導電性、緻密性及び平滑性の向上に対し、鋭意検討を行った結果、ギ酸に少なくとも1種の多価アルコールを併用することで、より低温で銅層を形成することが可能となり、バルク銅と同等の緻密化が可能となることを見出した。
すなわち前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> ギ酸と、少なくとも1種の多価アルコールとを含み、銅層の製造に用いられる還元ガス。
<2> 前記銅層の製造が銅析出法により行われる前記<1>に記載の還元ガス。
<3> 絶縁層上に銅酸化物堆積層を形成する工程と、前記銅酸化物堆積層を前記<1>又は<2>に記載の還元ガスを含むガス雰囲気中で加熱処理する工程とを有する銅層の製造方法。
<4> 加熱処理温度が120℃以上である<3>に記載の銅層の製造方法。
<5> 前記ガス雰囲気は、不活性ガスを含み、前記ギ酸の濃度が0.05g/L以上2.14g/L以下で、前記多価アルコールの濃度が0.001g/L以上3.0g/L以下である前記<3>又は<4>に記載の銅層の製造方法。
<6> 前記絶縁層上に銅酸化物堆積層を形成する工程は、銅酸化物粒子及び分散媒を含むインク組成物を、インクジェット法、スーパーインクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ジェットプリンティング印刷法、ディスペンサ法、ニードルディスペンサ法、カンマコータ法、スリットコータ法、ダイコータ法及びグラビアコータ法からなる群より選択される少なくとも1種の方法で前記絶縁層上に付与することを含む前記<3>〜<5>のいずれか1つに記載の銅層の製造方法。
<7> 絶縁層上に、前記<3>〜<6>のいずれか1つに記載の銅層の製造方法を用いて形成された銅層で構成される配線パターンを備える配線回路基板。
本発明によれば、導電性、緻密性及び平滑性に優れた銅層の製造方法及び該製造方法に用いられる還元ガスを提供することができる。
本発明における実施例1にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例2にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例3にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例4にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例5にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例6にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例7にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例8にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例9にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例10にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例11にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例12にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例13にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例14にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における実施例15にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における比較例1にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明における比較例3にかかる銅層の一例を示す断面SEM画像である。 本発明にかかる配線回路基板の一例を示す概略断面図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<還元ガス>
本発明の還元ガスは、ギ酸と、少なくとも1種の多価アルコールとを含み、銅層の製造方法に用いられる。ギ酸と多価アルコールは混合ガスとして用いても、別々のガスとして用いてもよく、銅層を形成する際に用いる還元ガス中にギ酸と多価アルコールが含まれていれば使用方法に制限はない。
前記構成の還元ガスを含む雰囲気下で、銅酸化物堆積層から銅層を形成することで、導電性、緻密性及び平滑性に優れた銅層を形成することができる。これは例えば以下のように考えることができる。
還元ガスとして、ギ酸と、少なくとも1種の多価アルコールとを併用することで、ギ酸と2個以上のヒドロキシ基の相互作用により、ギ酸による銅酸化物粒子の還元反応が促進され、より低温で銅層を形成することが可能となり、バルク銅と同等の緻密化が可能となると考えられる。またさらにギ酸と、少なくとも1種の多価アルコールとを併用することで、銅酸化物堆積層がギ酸と反応して生成する金属銅の前駆体が、金属銅として析出する際に金属銅粒塊間に隙間を生じること無く析出して銅層を形成するため、緻密且つ平坦化され、より平滑性が高い銅層を形成すると考えることができる。
(ギ酸)
前記還元ガスは、ギ酸を含む。還元ガスを構成するギ酸の純度は特に制限されない。形成される銅層の導電性、緻密性及び平滑性の観点から、85質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
前記還元ガスにおけるギ酸の濃度は、銅層の製造条件等に応じて適宜選択できる。中でも生成する銅層の緻密性及び導電性の観点から、還元ガス処理を行なう処理槽内で0.05g/L以上2.14g/L以下であることが好ましい。また銅層の形成促進と所望の形状の銅層を得る観点から、ギ酸の濃度は0.05g/L以上1.5g/L以下であることがより好ましい。さらに常圧(1×10Pa)下で銅層を効率的に製造し、生成する銅層をより厚くする観点から、ギ酸の濃度は0.10g/L以上1.0g/L以下であることがさらに好ましく、0.10g/L以上0.60g/L以下であることが特に好ましい。なお、ギ酸の濃度の好ましい範囲は、還元ガス処理を行う処理槽内における濃度として規定され、温度や圧力に依存するものではない。
(多価アルコール)
前記還元ガスは、少なくとも1種の多価アルコールを含む。前記還元ガスに含まれる多価アルコールは1種単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。
前記多価アルコールとしては、形成される銅層の導電性、緻密性及び平滑性の観点から、脂肪族多価アルコール及びポリアルキレングリコールを挙げることができる。また前記多価アルコールは、銅層形成後に残存しない観点から120℃における蒸気圧が50Pa以上の化合物であることが好ましく、120℃における蒸気圧が100Pa以上の化合物であることがより好ましく、120℃における蒸気圧が1000Pa以上の化合物であることがさらに好ましい。
前記多価アルコールの120℃における蒸気圧の上限値は特に制限されない。形成される銅層の導電性、緻密性及び平滑性の観点から、例えば500000Pa以下であることが好ましく、100000Pa以下であることがより好ましい。
前記脂肪族多価アルコールとしては、例えば炭素数2〜6の脂肪族基と2以上のヒドロキシ基とを有する化合物であることが好ましい。脂肪族多価アルコールとして具体的にはエチレングリコール(7000Pa)、プロピレングリコール(8000Pa)、1,3−ブチレングリコール(7000Pa)、1,4−ブチレングリコール(7000Pa)、1,6−ヘキサンジオール(1100Pa)等の2価アルコール、グリセリン(1700Pa)等の3価のアルコールなどを挙げることができる。なお、カッコ内の数値は120℃における蒸気圧である。
またポリアルキレングリコールとして具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。ポリアルキレングリコールの分子量は特に制限されない。形成される銅層の導電性、緻密性及び平滑性の観点から、例えば重量平均分子量として、600以下であることが好ましく、100〜450であることがより好ましく、120〜300であることがさらに好ましい。
前記多価アルコールとしてはこれらの中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、重量平均分子量が250以下であるポリエチレングリコール及び重量平均分子量が250以下であるポリプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
前記還元ガスにおける多価アルコールの濃度は、銅層の製造条件等に応じて適宜選択できる。中でも生成する銅層の導電性及び平滑性の観点から、還元ガス処理を行なう処理槽内で0.001g/L以上3.0g/L以下であることが好ましい。また多価アルコール添加による効果をより高く得る観点から、0.005g/L以上2.5g/L以下であることがより好ましい。さらに常圧下で銅層を効率的に製造する観点から、多価アルコールの濃度は0.1g/L以上1.5g/L以下であることがさらに好ましく、0.01g/L以上1.2g/L以下であることが特に好ましい。なお、多価アルコール濃度の好ましい範囲は、還元ガス処理を行う処理槽内における多価アルコール濃度として規定され、温度や圧力に依存するものではない。
前記還元ガスは、酸化防止の観点からさらに不活性ガスを含むことが好ましい。不活性ガスの種類は特に限定されず、通常用いられる不活性ガスから適宜選択することができる。不活性ガスとして具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス類、窒素ガス、二酸化炭素ガスなどを挙げることができる。これらの不活性ガスは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記還元ガスは、本発明の効果を損なわない範囲で炭素数が1〜8の1価のアルコールや炭素数が2〜8のエーテルなどのその他の化合物を含んでいてもよい。前記還元ガスがその他の化合物を含む場合のその他の化合物の濃度は、例えば0.001g/L以上0.05g/L以下とすることができる。
(還元ガスの調製方法)
前記還元ガスの調製方法は特に制限されず、通常用いられる方法から適宜選択することができる。例えば前記還元ガスは、以下のような方法で調製することができるが、これらに限定されない。
(1)液状のギ酸と液状の多価アルコールを混合して混合液体とし、前記不活性ガスをバブリングさせることで還元ガスを調製する方法。
(2)液状のギ酸と液状の多価アルコールを混合して得た混合液体の温度又は圧力を調整して、還元ガスを調製する方法。
(3)液状のギ酸及び液状の多価アルコールを各々任意の方法でガス化して、被処理物に導く流路内等で適宜混合して還元ガスを調製する方法。
<銅層の製造方法>
本発明の銅層の製造方法は、絶縁層上に銅酸化物堆積層を形成する工程と、前記銅酸化物堆積層を、前記還元ガスを含むガス雰囲気中で加熱処理する工程とを有し、必要に応じてその他の工程を有する。
前記還元ガスを含むガス雰囲気中で熱処理することにより、導電性、緻密性及び平滑性に優れた銅層を形成することができる。
[銅酸化物堆積層形成工程]
前記銅酸化物堆積層形成工程では、絶縁層上に銅酸化物堆積層を形成する。前記絶縁層としてはその上に銅酸化物堆積層を形成可能であれば特に制限はなく、配線回路基板に通常用いられる絶縁層から目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、ガラス基板、セラミック基板等の無機絶縁基板、ポリイミド基板、PEEK基板、エポキシ基板、フェノール樹脂基板等の有機絶縁基板などが挙げられる。
また絶縁層の層厚は特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、0.5μm〜5mmとすることができ、1μm〜50μmであることが好ましい。また形状も特に制限されず、板状、フィルム状等のいずれでもよい。
銅酸化物堆積層は、例えば、銅酸化物粒子と分散媒とを含む液状組成物(以下、「インク組成物」ともいう)を前記絶縁層上に付与することで形成することができる。
(インク組成物)
前記インク組成物は、少なくとも1種の銅酸化物粒子と、分散媒とを含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。具体的には、例えば特開2011−238737号に記載のものを好適に使用することができる。前記銅酸化物粒子は、少なくとも銅酸化物を含む。前記銅酸化物としては、酸化第一銅及び酸化第二銅が挙げられる。前記銅酸化物粒子は酸化第一銅及び酸化第二銅の少なくとも一方を含んでいればよく、酸化第一銅からなる粒子であっても、酸化第二銅からなる粒子であっても、酸化第一銅及び酸化第二銅を含む粒子のいずれであってもよい。さらに銅酸化物粒子は金属銅をコアとし酸化銅をシェルとするコアシェル粒子であってもよい。
銅酸化物粒子は、銅酸化物に加え必要に応じてその他の金属成分を含んでいてもよい。その他の金属成分としては、コバルト、ニッケル、銀、金、モリブデン、マンガン、マグネシウム、鉄及びこれらの酸化物等を挙げることができる。
銅酸化物粒子における銅酸化物の含有率は特に制限されない。形成される銅層の導電性及び緻密性の観点から、インク組成物全体の85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。また銅酸化物粒子が酸化第一銅及び酸化第二銅を含む場合、銅酸化物粒子における酸化第一銅及び酸化第二銅のそれぞれの含有比率は特に制限されない。
前記銅酸化物粒子の粒子形状は特に制限されず、略球状、扁平状、針状、ブロック状、板状、および鱗片状等が挙げられる。中でも分散性の観点から、略球状、針状及びブロック状の少なくとも1種であることが好ましい。
銅酸化物粒子の粒子径は特に制限されない。中でも一次粒子の数平均粒子径が1nm〜1000nmであることが好ましく、還元ガス処理により銅層を形成する際に、処理速度を速める観点から、1nm〜500nmであることがより好ましく、銅層の平滑性の観点から、10nm〜100nmであることがさらに好ましい。なお、銅酸化物粒子の粒子径は、50個の銅酸化物粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡を用いた観察により測定して得た平均値とすることができる。
前記銅酸化物粒子は、例えば、シーアイ化成株式会社製の気相蒸発法により作製された酸化銅ナノ粒子や日清エンジニアリング株式会社製のプラズマ炎法により合成された酸化銅ナノ粒子のような市販品として入手可能なものを用いてもよい。
前記インク組成物を絶縁層上に付与して銅酸化物堆積層を形成する方法は、銅酸化物堆積層を絶縁層上の任意の場所に任意の形状で形成可能な手法であれば特に制限はない。このような手法として、インクジェット法、スーパーインクジェット法、スクリーン印刷法、転写印刷法、オフセット印刷法、ジェットプリンティング印刷法、ディスペンサ法、ジェットディスペンサ法、ニードルディスペンサ法、カンマコータ法、スリットコータ法、ダイコータ法、グラビアコータ法、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法、ソフトリソグラフ法、ディップペンリソグラフ法、粒子堆積法、スプレーコータ法、スピンコータ法、ディップコータ法、電着塗装法等を挙げることができる。中でも、インクジェット法、スーパーインクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ジェットプリンティング法、ディスペンサ法、ニードルディスペンサ法、カンマコータ法、スリットコータ法、ダイコータ法及びグラビアコータ法からなる群より選択される少なくとも1種の方法であることが好ましい。
前記絶縁層上に形成される銅酸化物堆積層の形状は特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。また前記銅酸化物堆積層の層厚は特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば0.2μm〜50μmとすることができ、導電性及び接続信頼性の観点から0.8μm〜20μmであることが好ましい。
[還元ガス処理工程]
前記銅層の製造方法は、前記銅酸化物堆積層を、前記還元ガスを含むガス雰囲気中で加熱処理する還元ガス処理工程を有する。上記のようにして絶縁層上に形成された銅酸化物堆積層を、ギ酸と多価アルコールを含む還元ガスの存在下で加熱処理することで、導電性、緻密性及び平滑性に優れる銅層が形成される。
前記還元ガス処理工程における処理温度は、銅酸化物が還元される温度である120℃以上であることが好ましく、反応速度を速める観点から、140℃以上がより好ましい。処理温度の上限は、絶縁層の耐熱温度により規定されるが、250℃以下であることが好ましい。また、被処理物に対する還元ガス処理をなるべく均一な状態で進行させるため、処理温度は、140℃から190℃であることがより好ましく、平滑性に優れた銅層を得る観点から、150℃から190℃であることが更に好ましい。また、処理圧力は、特に制約なく、大気圧、減圧、加圧いずれの条件でもよい。
処理時間は、通常、5分〜180分間であり、タクトタイムを低減し、効率のよい生産条件とするために、10分〜120分間が好ましい。
前記還元ガス処理工程を行う環境としては、不活性ガスで置換された環境であることが好ましい。不活性ガスとしては、還元ガスに含まれるギ酸及び多価アルコール等や、銅酸化物堆積層に含まれる酸化銅粒子及び分散媒等、並びに生成する金属銅と反応しないガスであれば特に制限されない。例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス、窒素、二酸化炭素などが挙げられ、これらのうち1種を単独で、もしくは2種以上を併用することもできる。
また前記還元ガス処理工程を行なう環境は、真空に近い減圧環境とすることもまた好ましい。減圧環境とすることで、還元ガスに含まれるギ酸及び多価アルコールと反応するガスや、銅酸化物堆積層に含まれる酸化銅及び分散媒や、金属銅と反応するガスを除去することができる。
本発明においては特殊な圧力環境無しに、簡便に処理できる点から、前記の不活性ガスでの置換環境がより好ましい。
前記還元ガス処理工程のガス雰囲気におけるギ酸の濃度は、銅層の製造条件等に応じて適宜選択できる。中でも生成する銅層の緻密性及び導電性の観点から、還元ガス処理を行なう処理槽内で0.05g/L以上2.14g/L以下であることが好ましい。また銅層の形成促進と所望の形状の銅層を得る観点から、ギ酸の濃度は0.05g/L以上1.5g/L以下であることがより好ましい。さらに常圧(1×10Pa)下で銅層を効率的に製造し、生成する銅層をより厚くする観点から、ギ酸の濃度は0.10g/L以上1.0g/L以下であることがさらに好ましく、0.10g/L以上0.60g/L以下であることが特に好ましい。還元ガス中のギ酸の濃度が前記範囲であることで、還元ガスの液状化物中のギ酸が銅酸化物堆積層又は銅層に付着することを抑制できる。
前記還元ガス処理工程のガス雰囲気にギ酸を導入する方法としては、所望の濃度となるように調製したギ酸ガスを、還元ガス処理工程を行なう処理槽に導入する方法を挙げることができる。ギ酸ガスの発生方法としては、例えば窒素等の前記不活性ガスを液体のギ酸中にバブリングする方法を挙げることができる。
またギ酸ガスの発生方法においては、前記不活性ガスをバブリングするときに、ガス発生場所の圧力や温度を調整して、ギ酸ガス中のギ酸濃度を調整することができる。また、ギ酸ガスの導入方法としては、ガス発生場所よりもギ酸処理工程を行う処理槽側を陰圧にして、圧力差で導くこともできるし、ギ酸中にバブリングさせた不活性ガスをそのままキャリアガスとして処理槽に導くこともできる。
前記還元ガス処理工程のガス雰囲気における多価アルコールの濃度は、銅層の製造条件等に応じて適宜選択できる。中でも生成する銅層の導電性及び平滑性の観点から、還元ガス処理を行なう処理槽内で0.001g/L以上3.0g/L以下であることが好ましい。また多価アルコール添加による効果をより高く得る観点から、0.005g/L以上2.5g/L以下であることがより好ましい。さらに常圧下で銅層を効率的に製造する観点から、多価アルコールの濃度は0.1g/L以上1.5g/L以下であることがさらに好ましく、0.01g/L以上1.2g/L以下であることが特に好ましい。還元ガス中の多価アルコール濃度が前記範囲であることで、還元ガスの液状化物中の多価アルコールが銅酸化物堆積層又は銅層に付着することを抑制できる。
前記還元ガス処理工程のガス雰囲気に多価アルコールを導入する方法としては、(1)液状のギ酸と液状の多価アルコールを混合して混合液体とし、前記不活性ガスをバブリングさせることでガス状にして処理槽に導く方法、(2)液状の多価アルコールの温度又は圧力を調整して、ガス状にして処理槽に導く方法、(3)液状のギ酸及び液状の多価アルコール物を各々任意の方法でガス化し、処理槽に導く流路内で適宜混合して、処理槽に導く方法、(4)あらかじめ被処理物である銅酸化物堆積層が形成された絶縁層とともに処理槽内に、被処理物に触れないように液状の多価アルコールを配置し、蒸発させる方法等が挙げられるが、これに限定されない。
前記還元ガス処理工程は、形成される銅層の導電性、緻密性及び平滑性の観点から、還元ガス処理を行う処理槽におけるギ酸の濃度が0.10g/L以上1.0g/L以下であって、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール及び1,3−ブチレングリコールから選ばれる多価アルコールの濃度が0.01g/L以上1.5g/L以下であって、処理温度が140℃から190℃であることが好ましい。より好ましい条件は、還元ガス処理を行う処理槽におけるギ酸の濃度が0.10g/L以上0.6g/L以下であって、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール及び1,3−ブチレングリコールから選ばれる多価アルコールの濃度が0.01g/L以上1.2g/L以下であって、処理温度が150℃から190℃であることである。さらに好ましい条件は、還元ガス処理を行う処理槽におけるギ酸の濃度が0.30g/L以上0.60g/L以下であって、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール及び1,3−ブチレングリコールから選ばれる多価アルコールの濃度が0.04g/L以上1.2g/L以下であって、処理温度が150℃から190℃であることである。
前記銅層の製造方法は、前記還元ガス処理工程の前に前処理工程をさらに有することが好ましい。前処理工程としては、還元ガスを含まないガス雰囲気下で前記銅酸化物堆積層を120℃以上に予備加熱する工程を挙げることができる。前記銅酸化物堆積層を予備加熱しておくことで、前記銅酸化物堆積層上で、還元ガスが液化することを抑制できる。これにより、還元ガスの液状物が銅酸化物堆積層に触れて銅酸化物粒子の一部が液状のギ酸に溶け出して銅酸化物堆積層が流失することや、付与部以外に銅層が析出することを抑制できる。
還元ガスを含まないガス雰囲気は、その後の還元ガス処理工程を鑑みて、前記不活性ガスを含む雰囲気であることが好ましい。また前処理工程における圧力は、常圧、陽圧、陰圧のいずれでも構わない。
また前処理に用いる還元ガスを含まないガス雰囲気は、前記多価アルコールをさらに含んでいてもよい。その濃度については、特に制限しないが、その後の還元ガス処理工程を鑑みて、0.001g/L以上3.0g/L以下であることが好ましい。また還元ガス処理工程時に、多価アルコールの効果をより高く得るためには、0.005g/L以上2.5g/L以下であることがより好ましい。さらに多価アルコールの液化を抑制する観点から、0.01g/L以上1.5g/L以下であることが更に好ましい。
前記銅層の製造方法は、前記還元ガス処理工程の後に後処理工程をさらに有することが好ましい。後処理工程としては、還元ガス処理工程後に少なくともギ酸を除去する還元ガス除去工程を挙げることができる。前記還元ガス除去工程を有することで、還元ガス処理工程に用いたガス状のギ酸が形成された銅層の表面に残存することを抑制でき、銅層の腐食や変質を抑制できる。
還元ガスを除去する方法としては例えば、不活性ガスによる洗浄方法が挙げられる。具体的には還元ガス処理工程後の処理槽に不活性ガスを導入することで還元ガスを除去することができる。不活性ガスとしては既述の不活性ガスと同様のものを用いることができる。
また、上記除去工程に用いる不活性ガスは、多価アルコールを含んでいてもよい。その濃度については特に制限されない。その前の還元ガス処理工程に鑑みて、多価アルコールの濃度は0.001g/L以上3.0g/L以下とすることができる。なお、多価アルコールが銅層の変質の原因となる可能性がある場合は、多価アルコールを含まない方が好ましい。また還元ガスを除去する方法における圧力は、常圧、陽圧、陰圧のいずれでも構わない。
上記除去工程は、加熱しながら行うことが好ましい。これにより、還元ガスをより効率的に除去することができる。加熱温度としては、120℃以上が好ましい。処理温度の上限は、絶縁層の耐熱温度により規定されるが、250℃以下が好ましい。
<配線回路基板>
本発明の配線回路基板は、絶縁層上に、前記銅層の製造方法を用いて形成された銅層からなる配線パターン(以下、「回路層」ともいう)を備える。前記銅層の製造方法を用いて銅層が形成されていることで、導電性に優れた配線パターンが形成された配線回路基板を、優れた生産性で製造することができる。
絶縁層及び銅層の材料及び製造方法については既述の通りである。
前記配線回路基板は、回路層が絶縁層の片面にのみ設けられていてもよく、また両面に設けられていてもよい。また前記配線回路基板は、絶縁層上に形成された回路層上に絶縁層と回路層とが少なくとも1層ずつさらに積層されてなる多層配線回路基板であってもよい。なお、前記配線回路基板が複数の回路層を有する場合、少なくとも1つの回路層が前記銅層の製造方法で形成されていればよい。
前記配線回路基板について図面を参照しながら説明する。図18は配線回路基板20の一例を示す概略断面図である。配線回路基板20は、絶縁層2と、絶縁層2の両面に設けられた2つの回路層6と、絶縁層2を貫通して前記2つの回路層6を接続するスルーホール8とを有する。回路層6は前記銅層の製造方法を用いて形成された銅層からなるものであっても、絶縁層2上に設けられた金属箔をエッチング処理して形成されたものであってもよい。
さらに配線回路基板20においては、絶縁層2の一方の面上の回路層6の上に絶縁層4が設けられ、絶縁層4上に回路層10が設けられて多層配線回路基板となっている。回路層10は前記銅層の製造方法を用いて形成された銅層からなるものであっても、絶縁層4上に設けられた金属箔をエッチング処理して形成されたものであってもよい。また回路層10は絶縁層4を貫通するスルーホール12を介して回路層6と接続していてもよい。
また配線回路基板20の他方の面上の2つの回路層6は、前記銅層の製造方法を用いて形成された銅層からなる回路層14で接続されていてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(絶縁体インクの調製方法及び絶縁層基板の作製)
エチレングリコール鎖変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「EXA4822」、大日本インキ化学工業株式会社製、Mw=1800)28.9gと、硬化剤であるビスフェノールAノボラック樹脂(商品名「VH−4170」、大日本インキ化学工業株式会社製)8.6gと、硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京応化工業株式会社製)0.03gと、シリコーン系表面調整剤(商品名「BYK307」、BYK Chemie社製)0.05gとを、溶媒であるγ‐ブチロラクトン(25℃における蒸気圧:340Pa)112.5gに溶解させて、粘度が10.6mPa・s、表面張力が25.0mN/mである絶縁体インクを得た。なお、粘度は、音叉型振動式粘度計(「SV‐10」、エーアンドディー社製)を用い、25℃の条件で測定して得られた値であり、表面張力は、白金プレート法による表面張力計(「CBVP−Z」、協和界面科学株式会社製)を用い、25℃の条件で測定して得られた値である。
大きさ2.6cm×3.8cmのガラス板上に、インクジェット印刷装置(株式会社マイクロジェット社製,Nano Printer 1000)を用いて絶縁体インクを全面に付与した。付与された絶縁体インクを180℃で30分のホットプレート加熱により硬化して、絶縁層基板を得た。
(銅酸化物堆積層の形成)
銅酸化物粒子(NanoTek CuO、CIKナノテック株式会社製、比表面積12m2/g、一次粒子径75nm、酸化銅)32.5gと、プロピレンカーボネート(25℃における蒸気圧:40Pa)68.3gと、スルホラン(25℃における蒸気圧:0.83Pa)29.2gとを混合し、超音波ホモジナイザ(株式会社日本精機製作所製、US−600CCVP)で出力600W、振動数19.5kHz、振幅値26.5μmで5分間処理した。50mlの遠心沈殿管に35g秤量し、2500回転で5分間遠心分離処理を行い、その上澄みを銅酸化物堆積層を形成するためのインク組成物とした。
得られたインク組成物は、粘度が9.0mPa・s、表面張力が47.0mN/mであった。また、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(ベックマンコールター株式会社製、LS 13 320)で粒度分布測定を行ったところ、体積平均粒子径80nm、最大粒子径350nmの良好な分散性の液状組成物であった。
前記の方法により作製された絶縁層基板の絶縁層上に、インクジェット印刷装置(株式会社マイクロジェット社製、Nano Printer 1000)を用いて、上記で得られたインク組成物を付与し、1cm×1cm、膜厚約5μmのパターンを形成した。85℃で15分のホットプレート加熱により乾燥し、絶縁層上に銅酸化物堆積層が形成された評価用試験片を得た。
(還元ガス処理による銅層の作製)
上記で得られた絶縁層上に形成された銅酸化物堆積層を、以下のようにして還元ガス処理して、銅層を形成した。
洗気瓶にギ酸の水溶液を約100ml入れ、窒素をバブリングすることでギ酸飽和窒素ガスの発生装置とした。用いた発生装置の温度を表1に示す。水溶液中のギ酸の添加量は、表2のギ酸濃度になるように窒素のバブリング量を調整し得られる量とした。なお、ギ酸濃度は、ギ酸の飽和蒸気圧曲線により算出した値を使用した。
オイルバスで加熱した容量2Lの平底セパラブルフラスコの底部に処理温度の均一化を目的として銅板を敷き、これを処理槽とした。ギ酸飽和窒素ガスの発生装置と処理槽とをポリテトラフルオロエチレンチューブで接続して、ギ酸飽和窒素ガスを処理槽内に導入できるようにした。なお、ギ酸飽和窒素ガス流量はニードルバルブ付きパージ流量計で、表1に示すガス流量となるように調整した。
銅板の上に評価用試験片をセットした。このとき銅板側が還元ガス処理時の加熱面となるため、評価用試験片を下面から加熱する場合には、評価用試験片のガラス基板側を銅板側にして置いた。また評価用試験片を上面から加熱する場合は、銅板の上に厚さ0.8mmのガラス板をさらに置き、その上に、評価用試験片の銅酸化物堆積層側を銅板に向けて置いた。
処理槽に窒素ガスを15分通気させて内部の空気を窒素置換した。あらかじめ200℃に熱したオイルバスで15分間加熱した(前処理工程)。
その後、表1に示す処理圧力下で、ギ酸飽和窒素ガスを所定の流量で処理層内に通気し、また後述のようにしてアルコールを処理槽内に導入しながら60分間加熱処理した(還元ガス処理工程)。還元ガス処理工程におけるギ酸濃度及びアルコールの濃度を表2に示す。
加熱処理後、窒素ガスを15分通気させた(後処理工程)。
なお、銅板上のガラス基板表面にクロメルアルメル熱電対をセットし、この温度を評価用試験片の温度とした。
アルコールの導入は、マイクロシリンジに表2に記載のアルコールを約12ml入れ、還元ガス処理の処理槽とポリテトラフルオロエチレンチューブで接続して行なった。アルコールの添加量は、添加したアルコールが瞬時に気化する前提で、表2のアルコール濃度になるように調整した量とした。
なお、処理槽内に評価用試験片をセットする前に上記接続を行い、上記銅板上に直径約2.5cmのアルミカップを設置し、そのアルミカップ上にアルコールが滴下するようにマイクロシリンジに接続したポリテトラフルオロエチレンチューブの処理槽側の口の位置を調整した。
評価用試験片をセットした処理槽内にギ酸飽和窒素ガスを通気するのとほぼ同時にマイクロシリンジの押し出しを開始し、加熱処理の終了後に押し出しを停止した。アルコールは、アルミカップ上に滴下後に又は処理槽内への導入とほぼ同時に揮発し、ガス状で処理層内に導入することができた。
以上のようにして得られた銅層について、以下の評価を行なった。評価結果を表2に示す。また併せて評価用試料片のFIB加工後のSIM断面観察像を図1に示した。図1に示すように、評価用試料片上には銅層1が、緻密且つ平滑に形成されていた。
(銅層の緻密性)
上記処理後の評価用試験片について、FIB(集束イオンビーム)装置により切削加工して得られた断面をSIM(走査イオン像、2万倍)観察した。
観察された断面において、金属銅の占める面積が、基板の面に並行な方向5μmの距離に亘って銅層の断面積の95%以上となる部分の銅層の平均膜厚を測定し、以下の評価基準に従って銅層の緻密性を評価した。なお、平均膜厚は銅層の膜厚をSIMから5点測定し、その算術平均として求めた。
〜評価基準〜
A:銅層の膜厚が0.8μm以上であった。
B:銅層の膜厚が、0.4μm以上0.8μm未満であった。
C:銅層の膜厚が、0.4μmに満たなかった。
(銅層の平滑性)
上記銅層の緻密性の評価において、測定された膜厚の最大値と最小値の差として膜厚差を算出し、その平均膜厚に対する比率について、下記評価基準に従って、銅層の平滑性を評価した。
〜評価基準〜
A:膜厚差が平均膜厚の10%以下であった。
B:膜厚差が平均膜厚の10%を超え20%以下であった。
C:膜厚差が平均膜厚の20%を超えていた。
(銅層の導電性)
上記銅層の緻密性の評価における平均膜厚と、四探針法微小抵抗測定装置(Loresta MCP−T610、三菱化学株式会社製)にて測定した表面抵抗率とを用いて、銅層の体積抵抗率を算出した。得られた体積抵抗率をバルク銅の体積抵抗率(1.7μΩ・cm)で除した数値を用い、下記評価基準に従って銅層の導電性を評価した。
〜評価基準〜
AA:銅層の体積抵抗率がバルク銅の体積抵抗率の3倍以下(5.1μΩ・cm以下)であった。
A:銅層の体積抵抗率がバルク銅の体積抵抗率の3倍を超え、20倍以下(34μΩ・cm以下)であった。
B:銅層の体積抵抗率がバルク銅の体積抵抗率の20倍を超え、1000μΩ・cm以下であった。
C:銅層の体積抵抗率が1000μΩ・cmを超えていた。
[実施例2〜実施例15、比較例1〜比較例3]
実施例1において、還元ガスの発生条件及び還元ガス処理工程における還元ガス処理の条件を表1及び表2に示したようにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、銅層を形成し、同様にして評価した。評価結果を表2に示す。また併せて実施例2〜実施例15で得られた評価用試料片のFIB加工後のSIM断面観察像を図2〜図15に、比較例1及び比較例3で得られた評価用試料片のFIB加工後のSIM断面観察像を図16、図17にそれぞれ示した。
表2より、本発明の銅層の製造方法によれば、緻密性、平滑性及び導電性に優れる銅層を形成できることがわかる。
図1〜図15に示すように、本発明の銅層の製造方法で調製された評価用試料片上には銅層1が、緻密且つ平滑に形成されていた。
1 銅層
2、4 絶縁層
6、10、14 回路層
8、12 スルーホール
20 配線回路基板

Claims (6)

  1. ギ酸と、少なくとも1種の多価アルコールとを含み、銅析出法により行われる銅層の製造に用いられる還元ガス。
  2. 絶縁層上に銅酸化物堆積層を形成する工程と、
    前記銅酸化物堆積層を請求項1に記載の還元ガスを含むガス雰囲気中で加熱処理する工程と、を有する銅層の製造方法。
  3. 加熱処理温度が120℃以上である請求項2に記載の銅層の製造方法。
  4. 前記ガス雰囲気は、不活性ガスを含み、前記ギ酸の濃度が0.05g/L以上2.14g/L以下で、前記多価アルコールの濃度が0.001g/L以上3.0g/L以下である請求項2又は請求項3に記載の銅層の製造方法。
  5. 前記絶縁層上に銅酸化物堆積層を形成する工程は、銅酸化物粒子及び分散媒を含むインク組成物を、インクジェット法、スーパーインクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ジェットプリンティング印刷法、ディスペンサ法、ニードルディスペンサ法、カンマコータ法、スリットコータ法、ダイコータ法及びグラビアコータ法からなる群より選択される少なくとも1種の方法で前記絶縁層上に付与することを含む請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の銅層の製造方法。
  6. 絶縁層上に、銅層で構成される配線パターンを備える配線回路基板の製造方法であって、前記銅層を請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の銅層の製造方法により形成する工程を含む、配線回路基板の製造方法
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