JP5447961B2 - 金属銅膜の製造方法及び金属銅パターン - Google Patents

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Description

本発明は、金属銅膜の製造方法及び金属銅パターンに関する。
金属銅は高い電気伝導性と熱伝導性を有し、導体配線材料、熱伝達材料、熱交換材料、放熱材料として広く用いられている。
一方、インクジェット、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、ディスペンサ、有版印刷はフォトレジスト工程を用いることなく任意の形状に液状の材料を塗布できるため、オンデマンド生産、省力化、省材料化、低コスト化の点から注目されている。特に、非接触で成形可能なインクジェット、ジェットディスペンサでは、段差や曲面、小面積への印刷が可能であり、有版印刷では不可能なパターン形成が可能である。
このような手法に用いられる金属銅層を生成するインク(以降、銅インク)では、酸化物の除去および処理時の酸化防止の目的から還元雰囲気での導体化処理が必要である。ギ酸ガス中での加熱処理は、生成した金属銅層の緻密性、低体積抵抗率、樹脂基板へのダメージが少ない、銅インク層深部の還元性が良好であるという利点がある。なお、ギ酸を用いた処理としては、はんだ接合装置及びはんだ接合方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ギ酸ガス中での加熱処理では、銅インク層に十分な量のギ酸ガス還元に触媒作用を有する金属(以降、触媒金属)が含まれていない場合には、銅インクの塗布部以外にも金属銅が析出し(以降、銅フリ)配線間の短絡を引き起こすことが課題となる。これに対し、銅インク中あるいは銅インクに隣接してPd、Cu、Au、Ag、Rhといった金属を導入することで、銅インクのギ酸還元に対して触媒性を示し銅インクがその場で導体化する速度を増し周囲への銅の析出を無くすことができる。しかし、この手法では銅インク中に分散の困難な金属成分を導入するか、あらかじめあるいは銅インクの塗布後に金属成分を導入するプロセスを加える必要がある。さらに、銅インク中にPd、Au、Ag、Rhのような異種金属成分が導入される場合、生成する金属銅膜は合金となり、抵抗の増加や信頼性の低下が発生する可能性がある。
処理方法で銅フリを抑制すること可能であれば、銅インクに含まれるあるいは隣接する触媒金属成分を減らす、あるいは無くすことが可能となり、銅インクを安価に、分散性良く作製でき、導体化後のCu導体層の特性を上げることが可能となる。
特許第3350529号公報
すなわち本発明は、銅フリの発生が少ない、金属銅膜の製造方法及び金属銅パターンを提供するものである。
発明者らは、銅酸化物粒子堆積層をギ酸ガス処理した際の銅フリに対し鋭意検討をおこない、以下の条件で銅フリを抑制できることを見出した。すなわち、ギ酸のないガス雰囲気で処理温度(140℃以上)まで予備加熱した後に、更に低濃度(0.02g/L以下)のギ酸ガスを含む窒素雰囲気下140℃以上で処理し、その後、高濃度(0.1g/L以上)のギ酸ガスを含む窒素雰囲気下140℃以上で処理する。あるいは、低濃度(0.02g/L以下)のギ酸ガスを含む窒素雰囲気下140℃以上で処理し、その後、高濃度(0.1g/L以上)のギ酸ガスを含む窒素雰囲気下140℃以上で処理する。これらの条件で、銅酸化物粒子堆積層の銅フリの発生を抑えて、良好な金属銅膜が得られることがわかった。
本発明は以下の通りである。
(1) 金属銅膜となる層として銅酸化物粒子堆積層を基板表面に形成する工程と、0.1g/L以上の高濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で加熱処理する工程とを有する金属銅膜の製造方法であって、前記加熱処理工程の前に、ギ酸ガスを含まないガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で予備加熱する工程、及び/又は、0.02g/L以下の低濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で予備加熱する工程を行うことを特徴とする金属銅膜の製造方法。
(2) ギ酸ガスを含まないガス雰囲気が、不活性ガス雰囲気中、又は、減圧下であることを特徴とする前記の金属銅膜の製造方法。
(3) 銅酸化物粒子堆積層の銅酸化物が、酸化第一銅及び/又は酸化第二銅であることを特徴とする前記の金属銅膜の製造方法。
(4) 銅酸化物粒子堆積層を基板表面に形成する工程において、前記銅酸化物粒子堆積層が印刷によりパターニングされて形成されることを特徴とする前記の金属銅膜の製造方法。
(5) パターニングに用いられる印刷(印刷法)が、インクジェット、スーパーインクジェット、スクリーン印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング印刷、ディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、及びグラビアコータからなる群より選択される何れか1種である、前記の金属銅膜の製造方法。
(6) 金属銅膜からなる金属銅パターンにおいて、前記金属銅膜が前記の金属銅膜の製造方法により製造されてなることを特徴とする金属銅パターン。
金属銅パターンとして、導体配線、金属銅バンプ、熱伝導路などが挙げられ、接合であってもよい。
本発明によれば、特殊な触媒金属を含むインクや触媒金属を付与する工程を設けること無く、印刷性、基板への密着性がよく、低体積抵抗率で、深部まで金属化された良好な金属銅膜、及び該金属銅膜を基板へのダメージがなく深部まで還元して製造し得る、銅フリの発生が少ない、金属銅膜の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、特殊な触媒金属を含むインクや触媒金属を付与する工程を設けること無く、基板への密着性に優れ、低体積抵抗率で、基板へのダメージのない印刷形成した金属銅パターンを提供することができる。
(A)は、実施例1のCuインク印刷パターン試験片の図面代用写真であり、(B)は、比較例1のCuインク印刷パターン試験片の図面代用写真である。 (A)は、実施例2のCuインク印刷パターン試験片の図面代用写真であり、(B)は、比較例2のCuインク印刷パターン試験片の図面代用写真であり、(C)は、比較例3のCuインク印刷パターン試験片の図面代用写真であり、(D)は、比較例4のCuインク印刷パターン試験片の図面代用写真である。
本発明の金属銅膜の製造方法は、金属銅膜となる層として銅酸化物粒子堆積層を基板表面に形成する工程と、0.1g/L以上の高濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で加熱処理する工程とを有する金属銅膜の製造方法であって、前記加熱処理工程の前に、ギ酸ガスを含まないガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で予備加熱する工程、及び/又は、0.02g/L以下の低濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で予備加熱する工程を行うことを特徴としている。従って、ギ酸ガスを含まないガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で予備加熱する工程と、0.02g/L以下の低濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で予備加熱する工程の両方を行ってもよい。また、本発明の金属銅膜の製造方法において、銅酸化物粒子堆積層を、ギ酸ガスを含まない雰囲気下で140℃以上に予備加熱した後、更に、0.02g/L以下の低濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中140℃以上で処理した後、0.1g/L以上の高濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中140℃以上で処理してなることが好ましい。
以下に本発明の金属銅膜の製造方法、および該金属銅膜を用いた金属銅パターンについて、それぞれ説明する。
(ギ酸ガス処理)
(予備加熱工程)
140℃未満でギ酸ガスにより銅酸化物粒子堆積層を処理するとギ酸銅の昇華が優先的に起き、生成する金属銅膜の減少や、銅フリの発生が顕著になる。このような140℃未満の温度域で銅酸化物粒子堆積層を接触させないために、ギ酸ガスを含まないガス雰囲気中で140℃以上に予備加熱することが必要である。予備加熱における、加熱温度は、140℃以上であるが、150℃以上が好ましく、160℃以上がより好ましく、また、200℃以下が好ましい。また、加熱時間は、処理温度である140℃以上に達する時間より長いことが好ましい。200℃を超えて処理しても、効果に顕著な差は無く、銅酸化物粒子堆積層を形成する基板にダメージを与えるおそれがあるため、使用できる基板が限定されるおそれもある。
ギ酸ガスを含まないガス雰囲気としては、その後導入するギ酸が可燃性であることから酸素を含まないガスが望ましく、そのようなガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガスのような不活性ガスを用いることができる。なお、ギ酸ガスを含まないガス雰囲気とは、ギ酸ガスが、例えば、ガスクロマトグラフまたは、水にガスを通した後水の滴定を行う測定方法により検出できない状態であり、通常、1000ppm未満である。また、減圧下で予備加熱を行っても良い。なお、減圧下とは、通常、100000Pa以下であり、80000Pa以下が好ましい。
(ギ酸ガス)
処理ガスとしてはギ酸を用いることができる。ホルムアルデヒドおよびメタノールは酸化されるとギ酸となるため、ホルムアルデヒドおよびメタノールも使用可能である。例えば、ホルムアルデヒドを導入した場合、酸化銅を還元する反応によりギ酸が発生し、結果としてギ酸ガスと同様の効果が得られる。
液状のギ酸をキャリヤガスに混合し、沸点(100.75℃)である100℃以上に加熱、減圧あるいはこれらを組み合わせてガス状にした後、被処理物(銅酸化物粒子堆積層)に導くことが好ましい。また、液状のギ酸が被処理物(銅酸化物粒子堆積層)に付着すると被処理物の温度はギ酸の沸点である100℃に下がり、導体化が進行せず、銅酸化物の一部はギ酸銅に溶け出し、銅(I or II)元素含有インクの流失や塗布部以外への銅の析出が起こるため、液状のギ酸が被処理物(銅酸化物粒子堆積層)に付かないようにすることが好ましい。このため、被処理物の配置や、高めの温度設定などを行うよう工夫する。
(処理条件)
ギ酸による処理濃度は、まず不活性ガス等のキャリヤガスにより0.02g/L以下の低濃度にギ酸ガスを希釈するか、減圧下でギ酸ガスの単位体積中に含まれるギ酸分子の濃度0.02g/L以下の状態で、140℃以上に加熱処理した後、ギ酸濃度を0.1g/L以上の高濃度にして140℃以上に加熱処理することが好ましい。この二段階のギ酸濃度による処理では、低濃度のギ酸ガスによる処理により、銅酸化物粒子堆積層中に銅フリを作ることなく金属銅が生成し、その後、高濃度のギ酸ガスと接触させることにより、銅酸化物粒子堆積層は前段で生成した金属銅を触媒として、銅フリの発生を生じること無く、速やかに金属銅膜に転換される。
また、低濃度のギ酸ガスによる処理の場合、ガス濃度は、0.02g/L以下であるが、0.01g/L以下が好ましく、加熱温度は、140℃以上であり、160℃以上が好ましく、また処理時間は、3〜60分が好ましく、5〜30分がより好ましい。
また、高濃度のギ酸ガスによる処理の場合、ガス濃度は、0.1g/L以上であるが、0.15g/L以上が好ましく、また、0.2g/L以下が好ましい。
なお、前記の二段階のギ酸濃度による処理を行う前に、ギ酸ガスを含まないガス雰囲気中で140℃以上に予備加熱しても良い。
ギ酸処理可能な装置として、アユミ工業株式会社製フラックスレスリフロー装置などが挙げられる。
高濃度のギ酸ガスによる処理温度はギ酸銅の分解を進める点で140℃以上であり、ギ酸銅の昇華より分解反応が優位になる点から160℃以上が好ましい。また、通常、処理時間は、5〜120分であり、10〜40分が好ましい。処理温度の上限は基板の耐熱温度により規定され250℃以上になると使用できる基板はガラスやセラミック、ポリイミドやPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)など特殊なものに限られる。200℃以下であればエポキシ基板、フェノール樹脂基板などの有機絶縁基板を使用できる。
(ギ酸ガス処理の後処理)
処理に用いたギ酸が金属銅表面に残存すると金属銅の腐食の原因となることから、ギ酸ガス処理後にギ酸の除去工程を設けてもよい。ギ酸の除去方法としては、無酸素ガス気流下での加熱、減圧下での加熱、あるいは水洗を用いることができる。
無酸素ガス気流下での加熱としては、ギ酸ガス処理槽内でギ酸ガスを含まない無酸素ガスを供給しての加熱、無酸素ガスオーブン、無酸素ガス気流での熱源による加熱を用いることができる。減圧下での加熱としては、減圧槽内でギ酸ガス処理した場合にはギ酸ガスの供給を停止しての減圧加熱、減圧オーブンを用いることができる。
無酸素ガスとしては、不活性ガスのような非酸化性雰囲気にあることを意味し、実質的に酸素分子を含まないもので(酸素濃度;100ppm以下)、窒素、二酸化炭素、水蒸気、水素、希ガス族元素、などが挙げられる。
(銅酸化物粒子堆積層)
本発明で用いられる銅酸化物粒子堆積層は、通常、酸化銅(I)及び/又は酸化銅(II)からなる粒子を主成分として構成される。本発明で用いられる銅酸化物粒子堆積層は、少量であれば後述の触媒金属あるいは触媒金属の前駆体物質を粒子あるいは溶液として含んでもよい。
本発明で用いる銅酸化物を含む銅系粒子の平均一次粒径は、10〜300nmであることが好ましい。分散性の観点から、15〜200nmであるとより好ましく、良好な分散性の継続から20〜100nmであるとさらに好ましい。平均粒径は、レーザー散乱法粒度分布測定装置によって測定することができる。
本発明においては、金属銅膜となる層として銅酸化物粒子堆積層を基板表面に形成するが、使用する基板は、銅酸化物粒子堆積層が形成可能であれば特に制限はなく、例えば、前述のガラス基板、セラミック基板、あるいは、ポリイミド基板、PEEK基板、エポキシ基板、フェノール樹脂基板などの有機絶縁基板などが挙げられる。また、板状、フィルム状いずれでもよい。
(金属状の遷移金属若しくは合金、又は金属元素を含む遷移金属錯体)
触媒活性金属成分、すなわち金属状の遷移金属若しくは合金、又は金属元素を含む遷移金属錯体としては、具体的には前記遷移金属、合金、又は金属錯体が、それぞれ、Cu、Pd、Pt、Ni、Ag、Au、及びRhからなる群より選択される金属、これらの金属を含む合金、またはこれらの金属元素を含む遷移金属錯体を用いることができ、そのギ酸の分解とそれに伴う金属銅の析出に対する触媒能により銅酸化物より供給された銅元素を金属としてその表面に析出させる。なお、該遷移金属錯体を用いる場合には、ギ酸処理の前あるいはギ酸処理の初期に該遷移金属錯体が熱及び/又はギ酸の作用により分解しギ酸銅の分解に対し触媒活性金属成分が生成する場合と、該遷移金属錯体自体がギ酸銅の分解に対し触媒として働く場合とがある。
(パターニングされた金属銅パターン)
本発明のパターニングされた金属銅パターンは、銅酸化物粒子堆積層が印刷によりパターニングされており、該パターニングされた層を140℃以上において前述した処理法に従ってガス状のギ酸に接触させることで得られることを特徴としている。
すなわち、本発明のパターニングされた金属銅パターンとは、銅酸化物粒子堆積層形成用の塗布液を配線パターン状に基板上に印刷して配線パターンとなる層を形成し、その配線パターンに対し、ギ酸ガスと熱を用いて処理し金属化することにより得られるものである。
前記銅酸化物粒子堆積層のパターニングに用いる印刷法(印刷)は銅酸化物粒子堆積層を任意の場所に付着させられる手法であればよく、このような手法として、インクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサ、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ソフトリソグラフ、ディップペンリソグラフ、粒子堆積法、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ、電着塗装を用いることができ、中でも、インクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、及びグラビアコータからなる群より選択されるいずれか1種が好ましい。
以上のようにして銅酸化物粒子堆積層パターンを描画した後は、既述の本発明の製造方法と同様に処理をする。すなわち、必要に応じて乾燥させた後、形成された銅酸化物粒子堆積層パターンに対し、既述のギ酸ガスと熱によって処理を施す。すると、既述の金属銅膜の製造方法と同様に、銅酸化物粒子堆積層において金属銅が析出し金属銅の連続層となり、しかも、粒子間や層の深部においても金属銅が析出するため、緻密な銅の金属銅パターンが得られる。
従って、本発明の金属銅パターンを用いた導体配線、金属銅バンプ、熱伝導路、接合は、基板密着性に優れ、低体積抵抗率で、基板ダメージなく印刷形成し得る。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
(実施例1)
(銅導体インクの調製)
250mLのポリ容器に一次粒子径約100nmのCuO粒子を所望量秤量し、所望の固形分となるようにGBL(γ−ブチロラクトン)を加え、全量100mLの混合液を得た。株式会社日本精機製作所製超音波ホモジナイザUS−600CCVPの超音波端子を混合液中に約3cmつかるようにポリ容器の高さを調製した。混合液の入ったポリ容器を冷却しながら、出力600W、振動数19.5kHz、振幅数26.5μmで5分間分散処理を行った。分散処理後、蓋付きのポリ瓶に内容物を移し、室温(25℃)で冷却して分散液を得た。
50mLの遠沈管に分散液を約40mL入れ、株式会社トミー精工製高速遠心機Suprema25(ロータ:NA−8)を使用し、25℃、1500rpmで5分間遠心分離処理を行い沈降粒径0.9μm以上の粒子を除去した。遠心分離後、遠沈管を静かに取り出し、沈殿物を巻き上げないよう注意しながら上液をポリスポイトで回収してCu導体インクを得た。
(Cuインク印刷パターン試験片の作製)
ガラスプレパラートに5分間UV−O照射し、Cu導体インクをインクジェット印刷し、Cuインク印刷パターン試験片を得た。
(ギ酸ガス処理)
洗気瓶にギ酸を入れ窒素を室温でバブリングしてギ酸ガスの発生装置とした。Cuインク印刷パターン試験片はオイルバスで加熱した平底のセパラブルフラスコの底に1mm厚のアルミ板を敷いた上にセットした。Cuインク印刷パターン試験片表面にクロメルアルメル熱電対をセットしサンプル温度を測定した。Cuインク印刷パターン試験片をセットしたセパラブルフラスコに窒素を流しながら200℃のオイルバスで加熱しCuインク印刷パターン試験片の温度が一定(166℃)になった後、ギ酸ガスの発生装置で発生させたギ酸ガスを含む窒素ガスをこのセパラブルフラスコに通じ、60分間処理した。
なお、ギ酸ガスを含まないガス(窒素ガス)で予備加熱したのは、室温(25℃)から166℃に加熱されるまでおよそ10分間であり、ギ酸ガスを含む窒素ガス(ギ酸ガス濃度:0.2g/L)で処理したのは166℃で60分間であった。
処理後、ギ酸ガスの発生装置をはずし、窒素のみを流しながらセパラブルフラスコを放冷し、Cuインク印刷パターン試験片が50℃以下になった後、Cuインク印刷パターン試験片を空気中に取り出した。図1(A)にその様子を観察したときの図面代用写真を示す。
体積抵抗率は四探針法低抵抗率計(ロレスタ‐GP、三菱化学株式会社製)を用いて測定した表面抵抗に膜厚を乗算して求めた。その結果、体積抵抗率は7.4×10−8Ω・mであった。
(比較例1)
実施例1と同様に調製したCuインク印刷パターン試験片を実施例1のギ酸ガス処理用の反応容器にセットし、ギ酸ガスを飽和させた窒素ガス(ギ酸ガス濃度:0.2g/L)を導入しながら室温(25℃)から160℃に加熱し、160℃に達した後60分間処理した。その結果、Cuインク印刷パターンは薄く膜厚に斑のある銅色物に変化し、周辺や反応容器の内壁に多量の銅色物が析出した。図1(B)にその様子を観察したときの図面代用写真を示す。四探針法低抵抗率計で測定した表面抵抗は測定上限以上で導通は得られなかった。
なお、比較例1と実施例1のCuインク印刷パターンの外観を比べた結果、実施例1は、ギ酸ガス処理後、Cuインク印刷パターン外にも僅かに金属銅が析出したが、比較例1と比べごく少量となった。
(実施例2)
Cuインク印刷パターン試験片は実施例1と同様に作製した。
(ギ酸ガス還元処理)
アユミ工業株式会社製フラックスレスリフロー装置を用いて、Cuインク印刷パターン試験片を導体化した。条件は、ヒーター温度200℃において、ギ酸を飽和させた窒素ガス(1.5L/min)とギ酸ガスを含まない窒素ガス(13.5L/min)との混合ガス(ギ酸ガス濃度:0.02g/L)を導入して5分間処理し、その後、ギ酸を飽和(ギ酸ガス濃度:0.2g/L)させた窒素ガス(15L/min)を導入して10分間処理した。処理中この条件では、槽内の圧力80,000Pa、Cuインク印刷試験片上の温度は180℃であった。目視観察において、銅フリの発生はほとんど無く、Cuインク印刷パターンのみが金属銅パターンに転化された。四探針法低抵抗率計で測定した表面抵抗から計算した体積抵抗率は6.4×10−8Ω・mであった。図2(A)にその様子を観察したときの図面代用写真を示す。
(比較例2)
Cuインク印刷パターン試験片は実施例1と同様に作製した。
(ギ酸ガス還元処理)
アユミ工業株式会社製フラックスレスリフロー装置を用いて、Cuインク印刷試験片を導体化した。還元条件は、ヒーター温度200℃において、ギ酸を飽和させた窒素ガス(1.5L/min)とギ酸ガスを含まない窒素ガス(13.5L/min)との混合ガス(ギ酸ガス濃度:0.02g/L)を導入して10分間処理した。処理中この条件では、槽内の圧力80000Pa、Cuインク印刷試験片上の温度180℃であった。目視観察において、銅フリの発生はほとんど無く、Cuインク印刷パターンの一部が金属銅色に転化した。四探針法低抵抗率計で測定した表面抵抗は測定上限以上で導通は得られなかった。図2(B)にその様子を観察したときの図面代用写真を示す。
(比較例3)
Cuインク印刷パターン試験片は実施例1と同様に作製した。
(ギ酸ガス還元処理)
アユミ工業株式会社製フラックスレスリフロー装置を用いて、Cuインク印刷試験片を導体化した。条件は、ヒーター温度200℃において、ギ酸を飽和させた窒素ガス(ギ酸ガス濃度:0.2g/L)を15L/minの条件で導入して10分間処理した。処理中この条件では、槽内の圧力80000Pa、Cuインク印刷試験片上の温度は180℃であった。目視観察において、Cuインク印刷パターンの外に銅フリが発生した。また、Cuインク印刷パターンの一部が金属銅色に転化した。四探針法低抵抗率計で測定した表面抵抗は測定上限以上で導通は得られなかった。図2(C)にその様子を観察したときの図面代用写真を示す。
(比較例4)
Cuインク印刷パターン試験片は実施例1と同様に作製した。
(ギ酸ガス還元処理)
アユミ工業株式会社製フラックスレスリフロー装置を用いて、Cuインク印刷試験片を導体化した。条件は、ヒーター温度200℃において、ギ酸を飽和させた窒素ガス(ギ酸ガス濃度:0.2g/L)を15L/minの条件で導入して20分間処理した。処理中この条件では、槽内の圧力80000Pa、Cuインク印刷試験片上の温度は180℃であった。目視観察において、Cuインク印刷パターンの外に銅フリが多量に発生した。また、Cuインク印刷パターンの全部が金属銅色に転化したが、金属銅膜厚は斑があり、きわめて薄く裏面が透けて見えた。四探針法低抵抗率計で測定した表面抵抗は測定上限以上で導通は得られなかった。図2(D)にその様子を観察したときの図面代用写真を示す。
0.1g/L以上の高濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中でCuインク印刷パターン(銅酸化物粒子堆積層)を140℃以上で加熱処理する前に、ギ酸ガスを含まないガス雰囲気中(窒素ガスなど)で140℃以上で予備加熱するか、あるいは、0.02g/L以下の低濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中(窒素ガスとギ酸ガスの混合ガスなど)で、140℃以上で予備加熱することにより、体積抵抗率が低く良好な導電性で、かつ、銅フリの少ないCuインク印刷パターンが得られることがわかった。
1、4・・・・Cuインク印刷パターンから転化された金属銅パターン
5、6・・・・Cuインク印刷パターンから一部が金属銅に転化された金属銅パターン
2、7、9・・Cuインク印刷パターン外に発生した銅フリ
3、8・・・・Cuインク印刷パターンの転化時に薄くなった金属銅パターン

Claims (6)

  1. 金属銅膜となる層として銅酸化物粒子堆積層を基板表面に形成する工程と、0.1g/L以上の高濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で加熱処理する工程とを有する金属銅膜の製造方法であって、前記加熱処理工程の前に、ギ酸ガスを含まないガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で予備加熱する工程、及び/又は、0.02g/L以下の低濃度のガス状のギ酸を含むガス雰囲気中で前記銅酸化物粒子堆積層を140℃以上で予備加熱する工程を行うことを特徴とする金属銅膜の製造方法。
  2. ギ酸ガスを含まないガス雰囲気が、不活性ガス雰囲気中、又は、減圧下であることを特徴とする請求項1に記載の金属銅膜の製造方法。
  3. 銅酸化物粒子堆積層の銅酸化物が、酸化第一銅及び/又は酸化第二銅であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属銅膜の製造方法。
  4. 銅酸化物粒子堆積層を基板表面に形成する工程において、前記銅酸化物粒子堆積層が印刷によりパターニングされて形成されることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の金属銅膜の製造方法。
  5. パターニングに用いられる印刷(印刷法)が、インクジェット、スーパーインクジェット、スクリーン印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング印刷、ディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、及びグラビアコータからなる群より選択される何れか1種である、請求項4に記載の金属銅膜の製造方法。
  6. 金属銅膜からなる金属銅パターンにおいて、前記金属銅膜が請求項4または5に記載の金属銅膜の製造方法により製造されてなることを特徴とする金属銅パターン。
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