JP2013069762A - 銅導電膜の製造方法及びそれにより得られた印刷銅パターン - Google Patents

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高明 納堂
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Abstract

【課題】 酸化銅粒子を含むペーストの銅導体インクの導電性を低下させることなく、基板と銅導体インクから得られる銅導電膜との接着性を発現する銅導電膜の製造方法と、それにより得られる印刷銅パターンを提供する。
【解決手段】 粗化面を有する基板上に、酸化銅ナノ粒子を含むペーストを堆積させ、前記堆積層をギ酸ガス処理により銅膜にする銅導電膜の製造方法。粗化面を有する基板の算術平均粗さRaとペーストに含まれる酸化銅粒子の一次粒径の比率(Ra/一次粒径)が1.5以上であると好ましく、さらに、ペーストが、粒子組成の90質量%以上が酸化銅(I)または酸化銅(II)からなる酸化銅ナノ粒子を含み、粒子を分散液中に分散させた液状組成物であると好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、密着性に優れた粗化基板上への銅導電膜の製造方法と、それにより得られる印刷銅パターンに関し、これにより銅電路、伝熱路またはめっきのシード層として利用可能な銅膜を提供するものである。
金属パターンを形成する手法として、サブトラクティブ法やセミアディティブ法に代表されるように、フォトレジストを形成してエッチング工程により不必要な部位を除去する方法が現在広く採用されている。
一方、省資源化のために必要な部分のみに材料を供給して金属パターンを形成する手法として印刷法、例えばインクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、ディスペンサ、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、転写印刷、ソフトリソグラフ、ディップペンリソグラフ、粒子体積法、カンマコーター、スリットコーター、ダイコーター、スプレーコーター、スピンコーター、ディップコーター、電着塗装など着目されている。このような方法は、現行のフォトリソグラフィー技術を利用した導体路形成方法と比較して、工程の簡略化及びそれに伴う製造コストの低減が可能で、且つ、多品種少量生産に適していることから、新たな回路形成方法としてエレクトロニクス分野を中心に幅広い分野において注目されている。
導電性ペーストの導電材料として、従来、性能や物理的な信頼性から金や銀などの貴金属粉末類の使用が主流を成してきた。しかし、今日ではコストダウンの観点から卑金属粉末類を用いた導電材料の開発が積極的に行われており、特にコスト面やマイグレーション耐性の観点から、銅を導電材料とした導電ペーストが望まれる。
例えば、ポリマー型導電ペーストは粒径数μmの微小な粒子からなる銅粉に樹脂成分を適宜配合してなるものであり、焼成または固化させ導電膜として導電性を発揮する。このようなペーストは比較的低温で導電性が得られ、バインダ樹脂の接着力により基材と接着させることが可能であるが、金属粒子間の物理的接触により導通を得ているので、低体積抵抗率化が課題であった。一方、焼成型導電ペーストは450〜950℃の高温で導電材料を焼結し金属結合を形成させるため、金属と同程度の電気特性が得られるが、有機基板へ適用できない。
上記のような従来の導電性ペーストに対し、最近では低温条件下で融着が進む特徴をもつ金属ナノ粒子を導電材料とした導電ペーストが開発されている。しかし、これらの導電性ペーストは、金属ナノ粒子の高い表面エネルギーをコントロールして粒子同士の凝集を防ぐ目的で、低体積抵抗率化の阻害要因となる表面保護剤や分散剤の働きを有する有機物を含有している。このため熱処理(200〜300℃)やプラズマ処理などでこれら有機物を除去する必要があり、使用できる基板に制約が生じると共に操作が煩雑になるという課題があった(特許文献1参照)。また、金属ナノ粒子ペーストでは、バインダ樹脂は含まれておらず基材との接着性が課題となっていた。このように、導電性ペーストにおいて低体積抵抗率、200℃以下での低温導体化処理、基材との接着性が求められている。
発明者らはこれまでの検討から、酸化銅粒子の堆積層をギ酸含有不活性ガス中で140〜200℃に加熱することにより、低抵抗の銅膜が得られることを見出している(特許文献2参照)。しかし、該ペーストを導体化して配線として使用する場合,生成した金属銅層と基板との密着性の向上が課題であった。
特開2009−105039号公報 国際公開第11/034016号パンフレット
本発明の目的は、酸化銅粒子を含むペーストの銅導体インクの導電性を低下させることなく、基板と銅導体インクから形成される銅導電膜との接着性を発現する銅導電膜の提供と、該銅導電膜を用いた導伝路や伝熱路またはめっきのシード層、電磁波シールド層として利用する印刷銅パターンを有する配線板を提供することである。
本発明者らは、バインダ樹脂が含まれない銅導体インクと基板との接着性について、検討した結果、基板の算術平均粗さに対し,特定範囲に含まれる酸化銅粒子を用いることで接着性を大幅に向上できることを見出した。
本発明は、(1)粗化面を有する基板上に、酸化銅粒子を含むペーストを堆積させ、前記堆積層をギ酸ガス処理により銅膜にする銅導電膜の製造方法に関する。
また、本発明は、(2)粗化面を有する基板の算術平均粗さRaとペーストに含まれる酸化銅粒子の一次粒径の比率(Ra/一次粒径)が1.5以上である請求項1に記載の銅導電膜の製造方法に関する。
また、本発明は、(3)酸化銅粒子の堆積に印刷法を使用する上記(1)または(2)に記載の銅導電膜の製造方法に関する。
また、本発明は、(4)堆積の際に銅膜をパターニングし銅パターンとした上記(1)から(3)のいずれかに記載の銅導電膜の製造方法に関する。
また、本発明は、(5)ペーストが、粒子組成の90質量%以上が酸化銅(I)または酸化銅(II)からなる酸化銅粒子を含み、該粒子を分散液中に分散させた液状組成物である上記(1)から(4)のいずれかに記載の銅膜の製造方法に関する。
また、粗化面を有する基板上に、酸化銅ナノ粒子を含むペーストを堆積させ、さらに、この上に前記酸化銅ナノ粒子より平均粒径の大きい酸化銅粒子を堆積させ、前記堆積層をギ酸ガス処理により銅膜にする上記(1)から(5)のいずれかに記載の銅導電膜の製造方法としてもよい。
また、本発明は、(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の銅導電膜の製造方法により得られる印刷銅パターンに関する。
本発明にかかる銅導電膜の製造方法により作製される銅導電膜の製造方法によれば、導電性を低下させることなく、銅導電膜と基板との密着性に優れた銅導電膜の金属パターンを得ることが出来る。
実施例1で得られた銅導電膜(導体層)の断面SIM(走査イオン顕微鏡)写真である。 実施例1で得られた電気めっきした銅導電膜(導体層)の断面SIM(走査イオン顕微鏡)写真である。
(酸化銅粒子堆積層)
酸化銅粒子堆積層は、酸化銅からなる粒子を含む粒子の堆積した層からなり、酸化銅は、酸化第一銅及び/又は酸化第二銅であることが好ましい。銅系粒子堆積層に含まれる酸化銅の割合は、緻密な銅導電膜を形成するために質量比で10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、70質量%以上であることが特に好ましく、80質量%以上であることが極めて好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。酸化銅の割合が10質量%未満であると、緻密な銅導電膜が生成できないため、好ましくない。
酸化銅からなる粒子以外の粒子としては、酸化銅やギ酸銅の分解に対し触媒活性を有する金属成分、例えば銅、白金、パラジウム、ロジウム、金、銀、ニッケルなどを含んでいても良い。
また、該酸化銅粒子堆積層から、ギ酸を含むガス処理により生成される金属銅導電膜の緻密性向上や内部応力の調整、銅系粒子堆積層外への金属銅の析出抑制など様々な目的に応じて、該銅系粒子堆積層に有機系や無機系、金属塩等の添加剤を含んでいても良い。該添加剤としては、例えば、2,2´−ビピリジル、エチルセルロース、メルカプトこはく酸、メルカプトトリアゾール、オルトフェナントリン、フェロシアン化カリウム、ベンゾチアゾール、チアゾール、ニコチン酸、ベンゾトリアゾール、ポリ硫化カリウム、8−アザグアニン、8−アザキサンチン、8−アザヒポキサンチン、アデニン、8−アザアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、ノルボルナジエン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、シアン化ナトリウム、クプロン、硫化カリウム、硫化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ゲルマニウム酸ナトリウム、二酸化ゲルマニウム、スズ酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、メタバナジン酸ナトリウム、五酸化バナジウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ニッケル、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、ギ酸銅、酢酸銅、ほう酸、しゅう酸カリウム、チオ尿素、アリルチオ尿素、チオリンゴ酸、チオグリコール酸、チオシアン酸、グリコール酸、炭酸ナトリウム、硝酸カリウム及び鉛塩類が挙げられるが、これらに限定されない。
(酸化銅粒子)
銅酸化物粒子としては、酸化第一銅、酸化第二銅あるいはその混合物からなる球状、塊状、針状あるいは、板状の粒子であり、一例として、水溶性の銅錯体を水に溶解した銅錯体溶液にpH調整剤を添加し、60℃以上に加熱処理することにより製造できる。また、CIKナノテック株式会社製の気相蒸発法により作製された酸化銅ナノ粒子や日清エンジニアリング株式会社製のプラズマ炎法により合成された酸化銅ナノ粒子、ケミライト工業株式会社製の板状酸化銅粒子、株式会社パルメソ製のパルス細線放電法により合成された酸化銅ナノ粒子のような市販品として入手可能なものを用いてもよい。
酸化銅粒子はペーストの保存安定性及び緻密な銅導電膜を形成するという観点から一次粒径が1〜10000nmであることが好ましい。更に、5000nm以下であることがより好ましく、3000nm以下であることがさらに好ましい。なお、粒子の一次粒径とは、一般的に、一次粒子の数平均粒子径である。数平均粒子径は、例えば、レーザー回折散乱法により求めることが可能である。
基材上に形成する銅化銅粒子堆積層の厚みは、該銅系粒子堆積層に含まれる酸化銅が還元され金属銅が生成するときの体積収縮を考慮し、生成する金属銅導電膜の厚みよりも厚く形成する必要がある。よって、銅系粒子堆積層の厚みは、0.01μm以上であることが好ましい。銅系粒子堆積層の厚みが0.01μm未満であると、生成する金属銅膜に欠損を生じる可能性があるため好ましくない。また、厚すぎると酸化銅の還元が不十分になるおそれがあるため、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、50μm以下が特に好ましい。
続いて、銅化銅粒子堆積層(銅系粒子堆積層)の形成方法について詳細に説明する。
(銅化銅ナノ粒子堆積層(銅系粒子堆積層)の形成方法)
銅系粒子堆積層は、銅系粒子を含む分散液(ペースト)を調製し、該分散液を塗布液として基材上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。なお,銅系粒子を含む分散液とは、酸化銅の粒子を含む分散液(ペースト)のことである。
前記分散液中の銅系粒子の濃度は、塗布あるいは印刷手法に使用できる粘度、分散性から主に制約を受け、固形分として5〜90質量%とすることが好ましく、10〜85質量%とすることがより好ましく、10〜80質量%とすることがさらに好ましい。
分散は、超音波分散機、ビーズミルなどのメディア分散機、ホモミキサーやシルバーソン攪拌機などのキャビテーション攪拌装置、アルティマイザーなどの対向衝突法、クレアSS5などの超薄膜高速回転式分散機、自転公転式ミキサなどを用いて行うことができるが、所望の粒子分散性を得られる方法であればこれらに限定されない。
該分散液の分散媒としては、銅系粒子を分散可能であれば良く、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テルピネオール、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、炭酸プロピレン、シクロヘキサノン、アニソール、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの分散媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、分散液の表面張力や粘度を調整するための調整剤を含んでも良い。
酸化銅粒子堆積層(銅系粒子堆積層)は、上記方法で調整した銅系粒子を含む分散液を調製し、該分散液を塗布液として基材上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
酸化銅粒子堆積層(銅系粒子堆積層)のパターニングに用いる印刷法は、該銅系粒子堆積層を、基材の任意の場所に付着させられる手法であれば良く、このような手法として、インクジェット印刷、静電誘引法によるインクジェット印刷(一般にスーパーインクジェットとも呼ばれる)、ジェットディスペンサ、ディスペンサ、ニードルディスペンサ、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、転写印刷、ソフトリソグラフ、ディップペンリソグラフ、粒子堆積法、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ、電着塗装を用いることができるが、これらに限定されない。また、必要に応じて、従来技術であるフォトレジスト法を用いて、印刷法で形成したパターンをさらにパターニングしても良い。
尚、前記の印刷法により作製された銅導電膜は、印刷金属パターンとして使用できる。さらに、本発明の銅導電膜の製造方法により作製された、銅導電膜は、例えば、導体配線(導伝路)、バンプ、熱伝導路やめっきのシード層として好適であり、さらに、放熱性が要求される熱交換機、放熱装置や電磁波シールド層等に使用可能である。
該分散液(ペースト)を塗布し、酸化銅粒子(銅系粒子)堆積層を形成するための下地となる基材は、粗化面を有する基板がよく、鉄、銅、金、銀、ニッケル、コバルト、クロムなどの金属及びこれらの金属を含んだ合金、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、繊維強化樹脂、粒子充填樹脂、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、架橋ポリビニル樹脂などのプラスティック、ガラス、セラミックスやその他の複合材料などが挙げられる。例えば、市販のビルドアップ材やガラスエポキシ基板などが挙げられるが、これらに限定されない。
前記の粗化面を有する基板は、銅箔の導体損失が少なく、基板と銅導電膜の密着力の低下を損なうことのない範囲として基板の算術平均粗さRaが0.05μm以上、5.0μm以下が望ましく、0.05μm以上、3.0μm以下がより好ましく、0.05μm以上、2.0μm以下が最も好ましい。
更に、導体層/基板間の接着力を確保するために、粗化面を有する基板とCuペーストに含まれる酸化銅粒子の一次粒径の比率(算術平均粗さRa/酸化銅粒子の一次粒径(長径))が1.5以上であることが好ましく、3以上であることが更に好ましい。
続いて、銅系粒子堆積層から、ギ酸ガスを含むガス処理により生成される金属銅導電膜の生成方法について詳細に説明する。
(ギ酸ガス処理)
金属銅導電膜の生成方法は、ガス状のギ酸を含むガスにより処理することを特徴とする。ガスはギ酸ガス単独で用いても良く、キャリアーガスとの混合ガスとして用いても良い。該キャリアーガスは、ギ酸及び有機溶剤と反応しないガスであり、且つ銅系粒子分散液及び/又は銅系粒子堆積層に含まれる酸化銅、分散媒、表面調整剤、添加剤及び生成する金属銅と反応しないガスであることが好ましい。例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガス、窒素、二酸化炭素などが挙げられるが、これらに限定されない。
ギ酸ガス単独で用いる場合は、液状のギ酸を加熱、あるいは減圧してガス状にして、被処理物(銅系粒子堆積層、以下同様。)に導く方法が挙げられるが、これに限定されない。キャリアーガスとの混合ガスとして用いる場合は、(A)液状のギ酸をキャリアーガスでバブリングして、キャリアーガスと共に混合ガスを被処理物に導く。(B)液状のギ酸を加熱、あるいは減圧してガス状にして、ガス流路内でキャリアーガスと混合して混合ガスとし、該混合ガスを被処理物に導く等の方法が挙げられるが、これらに限定されない。
また、ガス状のギ酸を含むガスとして、アルコール、ケトン、エステルなどの有機溶剤との混合ガスとして用いても良い。該混合ガスの作製方法は、(1)液状のギ酸と液状の有機溶剤を混合して混合液体とし、加熱、あるいは減圧してガス状にして、被処理物に導く。または、該混合液体をキャリアーガスでバブリングして、キャリアーガスと共に混合ガスを被処理物に導く。(2)液状のギ酸と液状の有機溶剤を別々に加熱、あるいは減圧してガス状にして、ガス流路内で混合して混合ガスとし、被処理物に導く。または、それぞれの液体をキャリアーガスでバブリングして、キャリアーガスと共に流路内で混合して混合ガスとし、被処理物に導く等の方法が、挙げられるが、これらに限定されない。
液状のギ酸が被処理物に付着すると、被処理物の温度は、ギ酸の沸点付近まで下がり、還元が進行せず、酸化銅の一部はギ酸に溶け出し、堆積層の流失や塗布部位外への銅の析出が起こるなどの問題が生じるため、液状のギ酸が被処理物に付かないようにすることが好ましい。このためには、被処理物の温度を少なくともギ酸の沸点(大気圧;100.75℃)よりも高い温度にする。
(ガス処理の前処理)
ガス処理の前処理として、ギ酸ガスの加熱による爆発を防止するため、空気中に含まれる酸素を除去する必要がある。酸素を除去する方法としては、窒素や二酸化炭素などの無酸素ガスを通じて除去する方法が好ましい。また、印刷形成した銅系粒子堆積層に分散媒が残存する場合、該分散媒を除去することが好ましい。除去方法としては、加熱除去、減圧除去、無酸素ガスを通じての除去などが挙げられるが、これらに限定されない。
(ガス処理条件)
ガスによる処理温度は、金属銅が析出する温度である120℃以上であり、反応速度の点から140℃以上が好ましい。処理温度の上限は、基材の耐熱温度により規定されるが、250℃以下であることが好ましく、200℃以下がより好ましい。また、処理圧力は、特に制約なく、大気圧、減圧、加圧いずれの条件でも良い。また、ガスによる処理時間は、5〜180分間が好ましく、10〜180分間がより好ましい。処理時間が5分より短いと、金属銅が析出しない恐れがあるため好ましくなく、180分より長いとガスの消費量が多くなるため好ましくない。
(ガス処理の後処理)
処理に用いたギ酸等が金属銅表面に残存すると金属銅の腐食の原因となる可能性が高いことから、ガス処理後にギ酸の除去工程を設けても良い。ギ酸ガスを含むガスの除去方法としては、窒素などの無酸素ガス気流下での加熱、減圧下での加熱、あるいは水洗を用いることができる。無酸素ガス気流下での加熱としては、ギ酸ガス処理槽内でギ酸ガスを含まない無酸素ガスを供給しての加熱、無酸素ガスオーブン、無酸素ガス気流での熱源による加熱を用いることができる。減圧下での加熱としては、減圧槽内でガス処理した場合にはギ酸ガスの供給を停止しての減圧加熱、減圧オーブンを用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(Cuペーストの調製)
ポリ容器に酸化銅粒子(一次粒径70nmの球状粒子)25g量を秤量し、固形分50質量%となるようにテルピネオール25gを加え混合液を得た。これを株式会社シンキー製攪拌機(あわとり練太郎 ARE−310)で攪拌した後、水浴で冷却しながら株式会社日本精機製作所製超音波ホモジナイザ(US−600CCVP)を用いて、超音波端子出力600W/振動数19.5kHz/振幅26.5μmで途中スパチュラを用いて攪拌しながら合計7分間分散処理した。分散処理後、ナイロンメッシュ(目開き100μm)を用いて異物を除去し、蓋付きのポリ瓶に内容物を移し、銅ペーストを得た。
(基板)
セミアディティブ対応絶縁フィルム「AS−Z3」(日立化成工業株式会社製、商品名)付基板に粗化処理を施し、印刷対象とした。
(基板の作製)
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.4mm、両面粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製MCL−E−679FG(商品名))の両面に、絶縁樹脂フィルムAS−Z3(日立化成工業株式会社製、商品名)を樹脂面が内側になるように重ね、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(株式会社名機製作所製、商品名)を用いて温度90℃、圧力0.5MPaの条件で積層した。次に、絶縁樹脂フィルムAS−Z3から支持体フィルムをはがした後、180℃、60分間の条件で硬化することによって、AS−Z3付基板を得た。
(基板の粗化処理)
上記で得られたAS−Z3付基板を粗化処理するために、膨潤液としてスウェリングディップセキュリガントP(アトテック社製、商品名)500mL/L、NaOH3g/Lの水溶液を作製し、80℃で10分間浸漬処理した。次に、粗化液として、コンセントレートコンパクトCP(アトテック社製、商品名)640mL/L、NaOH40g/Lの水溶液を作製し、80℃で15分間浸漬処理した。引き続き、中和液として、リダクションソリューションセキュリガントP(アトテック社製、商品名)100mL/L、硫酸50mL/Lの水溶液を作製し、40℃で5分間浸漬処理した。次いで流水で水洗した後、80℃で15分乾燥させた。基板の算術平均粗さは株式会社菱化システム製三次元非接触表面形状計測システム(Vert Scan2.0)を用いて測定した。得られた基板の算術平均粗さは0.11μmであった。
(印刷方法)
粗化処理を施したAS−Z3付基板上に、スクリーン印刷機を用いて、調製したCuペーストを塗布した。180℃のホットプレート上で15分間乾燥させ、1cm×1cmのパターンを得た。
(導体化手法)
洗気瓶にギ酸を約100mL入れ、窒素をバブリングすることでギ酸飽和窒素ガスの発生装置とした。洗気瓶はあらかじめ窒素を5分以上流通させ、内部の空気を窒素で置換した。セパラブルフラスコの底部に処理温度の均一化を目的にアルミ板を敷き、この上に試験片を設置することで処理槽とした。また、アルミ板上にガラス基板とクロメルアルメル熱電対をセットし、この温度を試験片の温度とした。ガス流量はニードルバルブ付きパージ流量計で調整した。
アルミ板の上に試験片をセットしたセパラブルフラスコに窒素を15分以上流通させて内部の空気を窒素で置換し、200℃のオイルバスで15分間加熱して試験片の温度が175℃一定になった後、ギ酸飽和窒素ガスをこの処理槽に通じ導体化処理した。処理後、試験片に残留したギ酸を除去することを目的に、窒素ガスを流しながら200℃のオイルバスで15分間加熱した。その後、処理槽を水浴で15分間冷却した後、試験片を取り出した。得られた導体化層の表面抵抗は8.0×10−2Ω/□であった。得られた銅導電膜(導体層)の断面SIM写真を図1に示した。
(密着力評価手法)
硫酸100mL/L、硫酸銅70g/L、NaCl0.1g/L、カッパーグリム(メルテックス製)5mL/Lの水溶液720mLに空気を72mL/min流通させ、めっき液とした。これに0.8Aの電流を流しながら導体化手法を用いて得られた該導体化層サンプルを、55分間浸漬処理し、3分間超純水で水洗した後、80℃で10分間乾燥して密着力評価用サンプルを得た。得られた銅導電膜(導体層)の断面SIM写真を図2に示した。
導体層/基板間の密着力は小型卓上試験機EZ−s(株式会社島津製作所製、商品名)を用いて、試験速度を50mm/minに制御しながら引っ張り試験を行い、ピール強度を測定した。ピール強度は0.061kN/mであった。
(実施例2)
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.4mm、両面粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製MCL−E−679FG(商品名))の両面に、絶縁樹脂フィルムABF GX−13(味の素株式会社製、商品名)を樹脂面が内側になるように重ね、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(株式会社名機製作所製、商品名)を用いて温度100℃、圧力0.5MPaの条件で積層した。次に、支持体フィルムをはがした後、170℃、30分の条件で硬化することによって、GX−13付基板を得た。基板の粗化処理は粗化液への浸漬時間を25分とした以外は(実施例1と同様に実施した。基板の算術平均粗さは0.48μmであった。
Cuペーストの調製は酸化銅粒子に長粒状粒子(短径70nm、長径200nm)を用いたこと以外は実施例1と同様にペーストを調製し、基板に塗布、導体化し試験サンプルを得た。
導体化層の表面抵抗は2.3×10−1Ω/□であった。ピール強度は0.069kN/mであった。
(実施例3)
(実施例2と同様の条件で基板を作製した。Cuペーストは(実施例1)と同様に調製し、印刷、導体化した。基板の算術平均粗さは0.48μmで,ピール強度は0.141kN/mであった。
(比較例1)
印刷基板を粗化処理をしなかったこと以外は(実施例1と同様の条件で印刷、導体化し銅導電膜を形成した。粗化処理しない絶縁フィルムの算術平均粗さは0.012μmで、導体化層の体積抵抗率は1.6×10−7Ω・mであった。ピール強度は0.015kN/mであった。
(比較例2)
印刷基板を粗化処理しなかったこと以外は(実施例2)と同様の条件で印刷、導体化し銅導電膜を形成した。粗化処理をしないフィルムの算術平均粗さは0.23μmで、ピール強度は0.027kN/mであった。
実施例1〜4、比較例1〜2の算術平均粗さRaと、密着性のプル強度の評価結果をまとめて表1に示した。
Figure 2013069762
表1より、Ra/粒径(長径)の比率が1.5以上で導体層/基板間の密着力が高くRa/粒径(長径)が6.0以上の実施例3は、特に密着力に優れる。
以上説明したように、本発明にかかる銅導電膜の製造方法により作製される銅導電膜の製造方法によれば基板との密着性が優れた銅導電膜の金属パターンを得ることが出来る。

Claims (6)

  1. 粗化面を有する基板上に、酸化銅粒子を含むペーストを堆積させ、前記堆積層をギ酸ガス処理により銅膜にする銅導電膜の製造方法。
  2. 粗化面を有する基板の算術平均粗さRaとペーストに含まれる酸化銅粒子の一次粒径の比率(Ra/一次粒径)が1.5以上である請求項1に記載の銅導電膜の製造方法。
  3. 酸化銅粒子の堆積に印刷法を使用する請求項1または請求項2に記載の銅導電膜の製造方法。
  4. 堆積の際に銅膜をパターニングし銅パターンとした請求項1から請求項3のいずれかに記載の銅導電膜の製造方法。
  5. ペーストが、粒子組成の90質量%以上が酸化銅(I)または酸化銅(II)からなる酸化銅粒子を含み、該粒子を分散液中に分散させた液状組成物である請求項1から請求項4のいずれかに記載の銅導電膜の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の銅導電膜の製造方法により得られる印刷銅パターン。
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