JP2005148515A - 光反射フィルムおよびそれを用いた面光源 - Google Patents

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Abstract

【課題】 正面輝度向上性、輝度ムラ改善性に優れる光反射フィルムを提供する。
【解決手段】 85°鏡面光沢度が10以下であることを特徴とする光反射フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、反射部材用に使用される光反射フィルムの改良に関し、さらに詳しくは面光源の反射板として好適な光反射フィルムであって、より明るく、かつ照明効率に優れた面光源を得ることのできる、光反射フィルムおよびそれを用いた面光源に関するものである。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して、それを使用して光を照射することにより表示が可能となっている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、サイドライト型、つまり画面に対し側面から光を照射するタイプのバックライト(電飾用光源)が適用されている(特許文献1)。
一般的に、このサイドライト型バックライトでは、乱反射面が少なくても一面に設けられた透明板からなる導光板と呼ばれる板のエッジから冷陰極線管を照明光源とし、光を均一に伝播・拡散する導光板を利用し液晶ディスプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されている。この照明方法において、より光を効率的に活用するため、冷陰極線管の周囲および、導光板の側面のうち冷陰極管を有さない側面には白色フィルムや白色テープ等からなるリフレクターが設けられ、更に導光板から拡散された光を液晶画面側に効率的に反射させるために導光板の乱反射面の下には反射板と呼ばれる反射層が設けられている。これにより冷陰極線管からの光のロスを少なくし、液晶画面を明るくする機能を付与している。
一方、液晶テレビのような大画面用では、エッジライト方式では画面の高輝度化が望めないことから直下型ライト方式が採用されてきている。この方式は、液晶画面の下部に冷陰極線管を並列に設けるもので、反射板の上に平行に冷陰極線管が並べられる。反射板は平面状もしくは、冷陰極線管の部分を半円凹状に成形したものなどが用いられる。
このような液晶画面用の面光源に用いられるリフレクターや反射板(面光源反射部材と総称する)には、薄膜であることと同時に高い反射機能が要求され、従来、白色顔料を添加したフィルムや内部に微細な気泡を含有させたフィルムが単独で、もしくはこれらのフィルムと金属板、プラスチック板などとを張り合わせたものが使用されてきた。特に内部に微細な気泡を含有させたフィルムを使用した場合には、輝度の向上効果や均一性に優れることから広く使用されている。かかる微細な気泡は、樹脂にそれとは非相溶な成分(ボイド核剤)を含有せしめ、一方向以上に延伸させることにより得ることができる。このような内部に微細な気泡を含有したフィルムは特許公報などに開示されている(特許文献2)。
ところで、液晶画面の用途は、従来からのノート型パソコンに加えて、近年では据置型のパソコンやテレビ、携帯電話のディスプレイなど、様々な機器に採用されており、需要は急速に増大している。一方、液晶画面の画像も、より高精細なものが求められるのに伴い、液晶画面の明るさを増して画像をより鮮明に、より見やすくする改良が進められており、照明光源(例えば、蛍光管管)もより高輝度、高出力のものとなってきている。
しかしながら、面光源反射部部材である反射板やリフレクターとして上記フィルムを用いた場合には、期待されたほど正面輝度は向上しない。ボイド核剤を単純に増量した反射フィルムやボイド核剤を2種以上用いた反射フィルム等(特許文献3)も提案されているが、バックライト正面輝度の飛躍的な向上にはつながっていない。
また、直下型バックライトでは、その構造上、画面上で光源の直上に当る位置と、そうでない位置で、大きな輝度差が生じやすく、輝度ムラとして認識されやすいという課題もある。このため、一般に光出射面に非常に強い光拡散性を有する半透明の乳白板(いわゆる光拡散板)を用い、可能な限り輝度ムラを低減させている。この光拡散板は、有機、無機の微粒子などの光散乱物質を混入させた厚さ数mmのアクリルやポリカーボネートなどからなる樹脂板が用いられている。
しかしながら、かかる光拡散板の全光線透過率はせいぜい60%程度であるため、光拡散板の使用によって液晶画面の輝度(明るさ)が不足し、さらには照明光源からの光の伝達ロスによって照明の効率が低下する等の問題が指摘されていた。
このような問題に対し、光反射フィルムを光源の配置に合わせて変形させ、光の光出射方向を制御することにより、輝度ムラ低減を狙ったものも提案されている(例えば特許文献4、5)が、これらの加工に非常に大掛かりな装置を必要すると同時に、一枚一枚加工する必要があることから生産性の点で課題があり、結果的に高コストになっていた。加えて、変形後の反射板の取扱い性が良くないことや、バックライト全体の薄膜化に寄与しないこと、さらには、輝度ムラ改善効果が費用に対して低いことも問題となっている。
特開昭63−62104号公報(特許請求の範囲) 特開平6−322153号公報(第0010欄、実施例1) 特開2001−288291号公報(請求項5、第0007欄、第0027欄、第0031欄、実施例1〜3) 特開平2001−318614号公報(請求項1、第0012欄、第0013欄、第0037欄、図1) 特開平2002−82624号公報(請求項1、第0009欄、第0023欄、第0025欄、図1、図2)
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑み大掛かりな加工を必要とせず、低コストで、高反射性を維持しつつ、正面輝度を向上せしめる効果や輝度ムラ改善効果を有する反射板をフィルムを得ることによって、より明るく、かつ輝度ムラのない鮮明な液晶画像を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、85°鏡面光沢度が10以下であり、かつ光反射率が80%以上であることを特徴とする光反射フィルムおよびそれを用いた面光源をその骨子とするものである。
本発明の光反射フィルムは85°鏡面光沢度が10以下であり、かつ光反射率が80%以上であることから、正面輝度向上性、輝度ムラ改善性に優れており、液晶画面をるく照らし、液晶画像をより鮮明かつ見やすくできる。
本発明の光反射フィルムは、85°鏡面光沢度が10以下であり、かつ光反射率が80%以上であることが必要である。
85°鏡面光沢度は10以下であることが必要である。より好ましくは7以下であり、さらに好ましくは5以下である。下限は特に設定されるものではないが、測定上は0が下限となる。
85°鏡面光沢度をかかる範囲にした本発明の光反射フィルムを用いることにより、サイドライト型バックライトでは正面輝度が、直下型バックライトでは輝度ムラが大幅に改善される。かかる効果が発現される詳細な理由については未だ不明であるが、本発明者らは次のように考えている。
まず、サイドライト型について述べる。サイドライト型では、上述したように導光板の表面から光が観察者方向へ出射される。しかし、光は導光板の表面からのみ出射されるわけではなく、裏面からも出射される。そのため、サイドライト型では、裏面から出射する光を反射板で観察者方向へ反射させ、光を有効に活用している。
しかし、本発明者の測定によれば、導光板裏面から光反射フィルムへ出射される光線の出射角は非法線方向へ非常に偏っている。具体的には、導光板に対して垂直方向へ出射される光は僅かであり、大部分が導光板の垂直方向に対してかなり大きな角度(60〜85°)を有して出射される。そのため、光反射フィルムがもしこれらの光線を鏡面反射的に反射してしまったならば、その反射光はやはり導光板の垂直方向(観察者方向)に対してかなり大きな角度を有すると考えられる。つまり、光反射性能がいかに高くとも、正面輝度の向上には寄与しないのである。一方、光反射フィルムが非鏡面反射的に、即ち拡散反射的に入射光線を反射した場合、拡散反射された光線の一部が正面方向へと出射されると考えられ、正面輝度が向上すると考えられる。
ここで、前述した通り、導光板裏面より光反射フィルムへ入射される光の大部分は、光反射フィルムの法線方向に対して60°〜85°程度傾いた状態で光反射フィルムへ入射される。そのため、光反射フィルムの85°鏡面光沢度がより低いほど、入射角度85°付近の光に対する光拡散性は高いことになり、正面輝度向上効果が発現されるものと推察される。
次に、直下型について述べる。まず、輝度ムラとは蛍光管直上の輝度と蛍光管間の輝度が異なることにより生じる現象である。バックライトを正面から観察すると(バックライト背面板に対して法線方向から観察すると)蛍光管の直上は蛍光管自体が発光体であるために非常に高輝度となる。一方、蛍光管間には当然のことながら、発光体は存在せず、光反射フィルムが存在するのみであり、輝度は蛍光管直上と比較して著しく低い。ここで蛍光管間の輝度(即ち蛍光管間に位置する光反射フィルムの輝度)は、主に近接する蛍光管から光反射フィルムへ入射する光がどの程度観察者方向へ反射(拡散反射)されるかで決定されると推察される。
ここで、蛍光管から、蛍光管間に位置する光反射フィルムへ、いかなる角度で入射されるのかということについて、種々のバックライトについて調査したところ、光反射フィルムの法線方に対して60°〜85°程傾いた角度で入射するバックライトが多いこととが分かった。
そのため、光反射フィルムの85°鏡面光沢度がより低いほど、85°付近の角度で入射する光線に対する拡散反射性は高いと考えられ、正面輝度向上効果および輝度ムラ改善効果が発現されるものと推察される。
尚、本発明は、サイドライト型では導光板裏面から出射光の出射角度が導光板法線方向から大きく傾いている程、高い正面輝度向上性が期待され、また、直下型についても蛍光管から蛍光管間に位置する光反射フィルムへの出射光の出射角度が光反射フィルムの法線方向から大きく傾いている程、高い輝度ムラ改善性が期待できる。具体的には、上述した出射角度が60°以上でより高い効果が発現され、85°以上で特に高い効果が発現される。
一方、市販の白色フィルム(E60L,E20(以上、東レ(株))、WS−100,WS−180(三井化学(株))、MC−PET(古河電工(株))など)について85°鏡面光沢度を測定したところ10よりも非常に高い数値を示した。また、これらフィルムを後述する方法で実際にバックライトへ組み込み、正面輝度や輝度ムラを観察したところ、充分な正面輝度向上性や輝度ムラ改善性はみられなかった。その理由の詳細は不明であるが、これらフィルムは高光反射性の発現にのみ重点を置いているためと考えられる。
また、上述した光拡散性に着目し、光沢度を規定した例もあるが(特許公報第3018539号)、当該特許に示されている要件を満たしても85°鏡面光沢度が10以下になるとは限らず、さらに実施例等に示されているフィルムについて再度作成し、85°鏡面光沢度を測定したところ、何れも10よりも非常に高い数値を示した。これは、60°程度の鏡面光沢度を低くするには、単に表面のつや消し処理等行えば達成することができるが、入射角が80°以上となると正反射光強度が異常に大きくなるシーン現象等が発生するため、単に表面を荒らすなどつや消し処理を行っただけでは85°以上の鏡面光沢度も低くなるわけではないためと考えられる。そのため、以上のフィルムは本発明でねらいとする光反射板用途では不充分と言わざるを得ないものであった。
85°鏡面光沢度を10以下とするためには、例えばフィルムの一方の表面に低光沢性粒子を有する低光沢層を積層することによって達成することができる。かかる低光沢層を設けることにより、光反射フィルムへ入射した光が効率的に拡散反射し、85°鏡面光沢度を効率的に小さくすることができる。
低光沢層の形成方法としては、例えばバインダー樹脂に低光沢性粒子を添加した塗剤をフィルムの少なくとも一方の面にコーティングする方法を好適に用いることができる。以下、当該方法において、好ましく用いられるバインダー成分と低光沢性粒子について述べる。
バインダー成分は特に限定されるものではないが、有機成分を主体とする樹脂が好ましく、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても、あるいは2種以上の共重合体もしくは混合物としたものを用いてもよい。中でもポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂を用いることが耐熱性、透明性の点から好ましい。
一方、低光沢性粒子は、例えばシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等を好適に用いることができる。ここで、低光沢性粒子としてシリカやアルミナを用いる場合は、凝集体であるものを用いることが好ましい。凝集体を用いることによって、塗布層表面に特定の形状が形成されないためか、低光沢を達成することが可能となる。中でも凝集シリカは塗液中での分散性や安定性に優れている点から特に好ましい。
以下、特に好ましい例として凝集シリカについて述べる。
凝集シリカの平均粒子径(レーザー法)は特に限定されないが、0.1〜50μmであることが低光沢性発現の点から好ましく、より好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは5〜15μmである。粒径が0.1μmより小さいと、光の波長に比して著しく小さいために充分な低光沢性が発現されないことがある。また、50μmよりも大きいと、低光沢層の層厚の増大を招くことがあり、結果として光反射フィルム全体の厚膜化につながり、好ましくないことがある。また、細孔容積は0.2〜4ml/gであることが好ましく、より好ましくは0.4〜3ml/g、さらに好ましくは0.8〜2ml/gである。一方、平均細孔径は1〜50nmであることが好ましく、より好ましくは3〜35nm、さらに好ましくは5〜25nmである。細孔容積や平均細孔径をかかる範囲内とすることにより、細孔内においても、光がさらに散乱されるためか、より高い低光沢性を発現させることができる。一方、上記範囲外の場合は、充分な低光沢性が発現されないことや、粘度が高くなり過ぎて塗布性に欠けるなどの不都合が起こることがある。
低光沢性粒子は単一成分であってもよいし、2種以上の成分を併用してもよい。
低光沢層中における低光沢性粒子の含有量は粒子種や塗液中の分散性等にも依存するため一義的に限定することはできないが、一般に40重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。40重量%以下の場合は低光沢性が充分に発現されないことがある。また、含有量の上限は特に限定されるものではないが、300重量%以上であると、塗布性に劣ることがある。
尚、塗布の手段としては、例えばグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピングなどの方法を用いることができる。また、塗布後に低光沢層を硬化する場合、その硬化方法は、公知の方法をとりうる。例えば熱硬化、あるいは紫外線、電子線、放射線などの活性線を用いる方法、さらにはこれらの組み合わせによる方法などが適用できる。このとき、架橋剤などの硬化剤を併用することが好ましい。また、低光沢層を設けるタイミングとしては、光反射層製造時に塗布(インラインコーティング)してもよいし、結晶配向完了後の光反射層上に塗布(オフラインコーティング)してもよい。
また、塗液中には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加物、たとえば架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、有機の滑剤、有機、無機の微粒子、充填剤、耐光剤、帯電防止剤、核剤、染料、分散剤、カップリンブ剤などが添加されていてもよい。
また、本発明の光反射フィルムは、光反射率が80%以上あることが必要である。より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。光反射率が高い程、バックライトの正面輝度は高くなるためである。光反射率が80%未満である場合は、面光源に組み込んだ場合に、輝度特性に乏しくなることがある。尚、上限は特に規定されるものでないが、色調の点から150%以下であることが好ましい。
上述した低光沢層を設けることによっても、光反射率を80%以上とすることは可能であるが、より高い光反射率を達成するために、本発明の光反射フィルムは以下に述べるような光反射層を有することが好ましい。かかる光反射層を設けることによって、光反射率85%以上を達成することができる。また、該光反射層上の少なくとも一方の側に上述した低光沢層を設けることにより、85°鏡面光沢度を7以下とすることも併せて可能とすることもできる。光反射層の存在が、低光沢性に寄与する明確な理由は不明であるが、(i)光反射層も一定の光拡散性を有しており、かかる光拡散性が低光沢性に寄与するため(ii)光反射層が後述するように熱可塑性樹脂から構成されることが多いため、上述した低光沢層を均一かつ密着性良く設けることができ、低光沢層による低光沢性能が充分に発現されることなどが主な理由と本発明者らは考えている。
光反射層として好適に用いられる具体例としては(イ)多量の微細気泡を有する層(ロ)アルミや銀などから構成される金属板(ハ)フィルムの表面等への金属蒸着層(ニ)異なる屈折率を有する透明樹脂層が交互に多層積層されている層などが挙げられる。
本発明の光反射フィルムでは、中でも(イ)の手法を好適に用いることができる。微細な気泡は光反射性に優れることから、微細な気泡を有する層を設けることにより、光反射フィルムの光反射性を飛躍的に向上させることができ、バックライトの輝度特性をより大とすることができる。
多量の微細気泡を有する光反射層の形成法としては、例えば、
(1) 光反射層内部にボイド核剤を含有せしめ、それを少なくとも一方向に延伸することにより内部に微細な気泡(ボイド)を生成させる方法、
(2) 炭酸ガスなどの気体を注入して押出発泡させることにより、内部に気泡を形成させる方法、
(3) 二成分以上のポリマー、有機物、もしくは無機物を混合し、溶融押出しした後、溶媒抽出により、少なくても一成分を溶解させることより、内部に気泡を形成させる方法、
(4) 中空粒子を添加し、溶融押出しすることによって、気泡を形成させる方法、
などが挙げられる。
ここで、フィルム内部の気泡の形状は、フィルム面方向に対して伸長されている楕円状、すなわち、扁平形状であることが光反射性の点から望ましい。気泡の形状を扁平にすることで、フィルム厚み方向に多数の気泡を形成させることが可能となり、光反射性を飛躍的に向上させることができるためである。さらにフィルム内部の気泡は各々が独立していることが、光反射性およびバックライト輝度特性の点より好ましい。
従って、本発明においては、微細な独立扁平気泡を数多く形成させることできる(1)の手法を用いることが特に好ましい。(1)の手法は延伸中に光反射フィルムを構成する樹脂成分とボイド核剤の界面で剥離が起こることを利用して、扁平気泡(ボイド)を生成させる手法である。
さらに、当該手法では(i)二軸延伸することによって、気泡占有体積を増大させ、厚み当りの気泡数を増大させること(ii)膜厚を増大させること(iii)以下の述べるボイド核剤の添加量を増大させることの少なくとも一つ以上の処置を取ることにより光反射率を90%以上とすることができる。ここで、光反射率90%以上を達成するために必要な(ii)や(iii)の措置における具体的な膜厚やボイド核剤の添加量は、マトリックス樹脂およびボイド核剤の種類や延伸条件等によっても異なるため、一義的に示すことはできないが、一般的に膜厚であれば100μm以上、ボイド核剤の添加量であれば10重量%以上とすることにより達成することができる。
以下、(1)の手法で好適に用いることができる樹脂成分およびボイド核剤について詳述する。まず、光反射層を構成する主たる樹脂は特に限定されるものではないが、可視光領域に吸収を有しないものが好ましい。また、当該手法ではフィルム内部の気泡と樹脂との気固界面にて光を反射させることにより、光反射性を発現させるため、固相を形成する樹脂成分の屈折率は、気相の屈折率との差が大であることが好ましい。屈折率差が小であると、気固界面での反射があまり起こらず、結果として所望の光反射効果が得られない。気体および真空の屈折率は実質1.0であることから、実質的に有効な光反射性を得るためには、樹脂成分の屈折率は1.4以上であることが好ましく、より好ましくは1.5以上である。かかる条件を満たす樹脂の例としては、ポリオレフィンやポリエステル等が挙げられる。中でも寸法安定性、機械特性、ハンドリング特性(取扱い性)が良好でかつ高い屈折率を有する樹脂として、芳香族ポリエステルが好適に用いられる。
芳香族ポリエステルの中でも、製膜性が良好なポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどを用いることがより好ましい。さらに、これらの中でもPET樹脂は、安価かつ入手容易であることから、最も好ましく用いることができる。
これらのポリエステルはホモポリマーであってもコポリマーであってもよいが、好ましくはホモポリマーである。コポリマーである場合の共重合成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、炭素数2〜15のジオール成分を挙げることができ、これらの例としては、たとえばイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、スルホン酸塩基含有イソフタル酸、およびこれらのエステル形成性化合物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、分子量400〜2万のポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。
これらのポリエステル樹脂中には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加物、たとえば蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、有機の滑剤、有機、無機の微粒子、充填剤、耐光剤、帯電防止剤、核剤、染料、分散剤、カップリンブ剤などが添加されていてもよい。
次に、気泡を形成するために添加されるボイド核剤について述べる。ボイド核剤は光反射層を構成する主たる樹脂と同一ではなく、かつ当該樹脂成分中に粒子状に分散し得るものであればよく、例えば無機微粒子、有機微粒子、各種熱可塑性樹脂、などが挙げられる。
ボイド核剤は、それ自体を核として気泡を形成し得るものが好ましく、たとえば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型)、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫化亜鉛、塩基性炭酸鉛、雲母チタン、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、カオリン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂などが好適に用いられる。
特に、光反射層を構成する主たる樹脂に芳香族ポリエステルを用いた場合は、ボイド核剤として炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペンテンなどを用いることが気泡生成能の点から好ましい。さらに、樹脂にPETを用いる場合は硫酸バリウム、ポリメチルペンテンなどを好適に用いることができる。
ボイド核剤は単一の成分であってもよいが、2種類以上の成分を用いてもよい。
また、かかる方法で形成される光反射層の少なくとも片面に、他の樹脂層を共押出などの方法によって、積層しても良い。かかる樹脂層を積層することにより、表面平滑性および機械的強度をフィルムに付与することができる。なお、かかる熱可塑性樹脂層にも粒子、各種成分を加えたり、微細な扁平気泡を内包せしめてもよい。
さらに、本発明の効果が失われない範囲で、光反射層の表面に、易接着性や帯電防止性等を付与するために、各種塗液を塗布したり、耐衝撃性を高めるためにハードコート層などを設けても良い。
また、電磁波遮蔽性や折り曲げ加工性付与などの目的で、フィルムの一方の表面に各種紙類、各種プラスチック類、アルミニウム、銀などを貼り合わせや金属蒸着などの手法によって加えてもよい。
光反射フィルムとは、前述したように光反射のために面光源に組込まれる板状材であって、具体的には、液晶画面用のエッジライトの反射板、直下型ライトの面光源の反射板、および冷陰極線管の周囲のリフレクター等に用いられるものである。このような用途に本発明の光反射フィルムに用いる場合、画面の色調の点で反射板は白色度が高い方が好ましく、また、黄味より青みがかった色目の方が好ましい。この点を考慮して光反射フィルム中に蛍光増白剤を添加することも好ましい態様の一つである。蛍光増白剤としては市販のものを適宜使用すればよく、たとえば、“ユビテック”(チバガイギ−社製)、OB−1(イーストマン社製)、TBO(住友精化社製)、“ケイコール”(日本曹達社製)、“カヤライト”(日本化薬社製)、“リューコプア”EGM(クライアントジャパン社製)などを用いることができる。
本発明の光反射フィルムのみかけの比重は、0.1以上1.5未満が好ましい。さらに好ましくは0.3以上1.3未満である。比重が0.1未満の場合にはフィルムとしての機械的強度が不十分であったり、折れやすく取り扱い性に劣るなどの問題が生じる場合がある。一方、1.5を越える場合には光反射層中の気相の占有率が低すぎて光反射率が低下し、輝度が不十分になることがある。
本発明における光反射フィルムの厚みは10〜2000μmが好ましく、20〜1000μmがより好ましく、さらに好ましくは30〜500μmである。厚みが10μm未満の場合、フィルムの平坦性を確保することが困難となり、面光源として用いた際に、明るさにムラが生じやすい。一方、2000μmより厚い場合、光反射フィルムとして液晶ディスプレイなどに用いた場合、厚みが大きくなりすぎることがある。
次に本発明の光反射フィルムの製造方法について、その一例を説明するが、かかる例に限定されるものではない。
主押し出し機、副押し出し機を有する複合製膜装置において、必要に応じて十分な真空乾燥を行った光反射層を構成する主たる樹脂成分のチップとボイド核剤を混合したものを加熱された主押し出し機に供給する。ボイド核剤の添加は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押し出し機に供給するなどしてもよい。また、フィルム強度を付与する熱可塑性樹脂層を積層するために、必要に応じて十分な真空乾燥を行った熱可塑性樹脂のチップ、無機粒子および蛍光増白剤を加熱された副押し出し機に供給する。
このようにして各押し出し機に原料を供給し、Tダイ複合口金内で主押し出し機のポリマーの片面に副押し出し機のポリマーが来るように積層(A/BもしくはA/B/A)してシート状に共押し出し成形し、溶融積層シートを得る。
この溶融積層シートを、冷却されたドラム上で密着冷却固定化し、未延伸積層フィルムを作製する。この時、均一なフィルムを得るために静電気を印加してドラムに密着させることが望ましい。その後、必要により延伸工程、熱処理工程等を経て目的の光反射フィルムを得る。
延伸の方法は特に問われないが、長手方向の延伸と巾方向の延伸を分離して行う逐次二軸延伸法や長手方向の延伸と巾方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法がある。逐次二軸延伸の方法としては、例えば、上記の未延伸積層フィルムを加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に延伸し、次いで冷却ロール群で冷却する。
続いて長手方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながら加熱されたテンターに導き、長手方向に垂直な方向(横方向あるいは幅方向)に延伸を行うことができる。
同時二軸延伸の方法としては、例えば、上記の未延伸積層フィルムの両端をクリップで把持しながら加熱されたテンターに導き、巾方向に延伸を行うと同時にクリップ走行速度を加速していくことで、長手方向の延伸を同時に行う方法がある。この同時二軸延伸法は、フィルムが加熱されたロールに接触することがないため、フィルム表面に光学的な欠点となるキズが入らないという利点を有する。
こうして得られた二軸延伸積層フィルムに平面安定性、寸法安定性を付与するため、引き続いてテンター内で熱処理(熱固定)を行い、均一に徐冷後、室温付近まで冷却した後、巻き取ることにより、微細な気泡を有するフィルム(光反射層)を得ることができる。
次に凝集シリカおよび適当なバインダー成分を適当な溶剤中に分散させる。ここで、本発明の光反射フィルムとする第一の方法として、凝集シリカの平均粒子径は5〜10μm程度であることが好ましい。かかる範囲の粒子を用いると、可視光線を効率良く散乱させることができるためか、85°鏡面光沢度をより低くすることができる。
また、本発明の光反射フィルムとする第二の方法として、凝集シリカの細孔容積が1〜1.5程度であり、かつ平均細孔径が10〜25μmであることが好ましい。細孔容積および平均細孔径をかかる範囲とすると、細孔部でも可視光がさらに散乱されるためか、85°鏡面光沢度をより低くすることができる。
さらに、本発明の光反射フィルムとする第三の方法として、凝集シリカの添加量はバインダーの固形分に対して80〜120%であることが好ましい。添加量をかかる範囲にすることにより、良好な塗布性を維持しつつ、低光沢性を発現させることができる。
この溶剤を先ほど巻き取ったフィルム上に塗布する。塗液を乾燥すると、光反射率が80%以上でかつ85°鏡面光沢度が10以下である光反射フィルムを得ることができる。
特に、上記方法で光反射層を設け、さらに上述した“本発明の光反射フィルムとする第一、第二、第三の方法”を採用した低光沢層を設けることにより、85°鏡面光沢度が5以下である光反射フィルムを得ることが可能となる。
[特性の測定方法および評価方法]
以下の各測定は室温下(20℃〜30℃)で、高湿条件下(相対湿度80%以上)を避け、大気圧下、かつ大気中で行うものとする。
(1)85°鏡面光沢度
スガ試験機(株)製のハンディ型光沢度計No.CG1450を用いて、85°鏡面光沢度を測定した。測定は添付の標準板で標準合わせをした後、光反射フィルムの両表面について行い、より低い値を当該光反射フィルムの85°鏡面光沢度とした。測定は平坦な机上で行うものとし、測定フィルムを測定機の間には隙間を生じさせないものとする。また、非測定面側に、即ち、測定フィルムの下側にはケンラン黒紙を敷設するものとする。
(2)光反射率
分光光度計U−3410((株)日立製作所)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で560nmの光反射率を求めた。尚、光反射率は光反射フィルムの両面について求め、より高い数値を当該光反射フィルムの光反射率とする。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740を用いた。
(3)バックライト正面輝度
評価用に用意した直管一灯型サイドライト式バックライト(対角線35.8cm(14.1インチ型))を用い、低光沢面が観察者方向となるように光反射フィルムを組み込んだ。ここで、バックライト上には拡散シート、プリズムシート等のシートは全く載せていない。測定は、点灯1時間後の正面輝度を求めることによって行った。輝度はトプコン社製のBM−7を用いて正面輝度を測定した。また、測定点は以下のようにして決定した。バックライト面の長辺の一方の辺を辺方向に3等分し、各等分点から該長辺に対して垂直に対峙するもう一方の長辺へ直線を引く。次いで、短辺についても同様に直線を引く。すると、長辺から引いた直線と短辺から引いた直線の交点が4つ存在することになる。測定はかかる4つの交点上で行い、輝度の単純平均を求め、バックライト正面輝度とした。
(4)輝度ムラ
輝度ムラは以下の通り測定した。
まず、バックライトに低光沢面が観察者方向となるように光反射フィルムを組み込む。使用したバックライトは評価用に用意した対角線50.8cm(20インチ型)の直下型バックライトである。当該バックライトは長辺に対して平行に直径2mmの蛍光管が12本、等間隔に並んでいるものである。尚、蛍光管とそれに隣接する蛍光管の平均距離は26mm、蛍光管と光反射フィルムの平均距離は3mmである。バックライトに光拡散板を搭載し、バックライト点灯から1時間経過後に、目視により輝度ムラを判定した。判定基準は、輝度ムラが全く見られないものを◎、僅かに見られるものを○、若干見られるものを△、はっきり見られるものを×とした。
以下、本発明を以下の実施例および比較例を用いて説明するが、特にこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
押出し機にPETのみを供給し、所定の方法により鏡面のキャストドラム上で冷却して単層シートを作製した。この単層シートを温度85℃で長手方向に3.2倍に延伸し、続いてテンターにて95℃の予熱ゾーンを通して105℃で巾方向に3.3倍に延伸した。さらに225℃にて30秒間熱処理し、膜厚200μmの透明フィルムを得た。かかる単層透明フィルムの一方の表面に以下の塗剤を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布した。塗布後、120℃で2分間乾燥することにより、単層透明層に低光沢層が形成された光反射フィルムを得た。
(低光沢層形成塗剤)
バインダー;ユーダブルUVG13(固形分40%、日本触媒(株)製):10重量部
硬化剤;スミジュールN3200(住化バイエルウレタン(株)製):0.5重量部
低拡散粒子(凝集シリカ);サイロホービック4004(富士シリシア(株)製、平均粒子径8μm、細孔容積1.25ml/g、平均細孔径17nm):10重量部
溶剤;トルエン:12重量部
得られた光反射フィルムの85°鏡面光沢度は8.3、光反射率は85%、正面輝度は1020cd/m2、輝度ムラは○であった。このように、本発明の光反射フィルムは高い正面輝度特性および輝度ムラ改善性を示し、実用性に優れた光反射フィルムが得られた。
(実施例2)
光反射層として、厚み0.5mmのステンレス板を用い、一方の表面に以下の塗剤を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布した。塗布後、120℃で2分間乾燥することにより、光反射層上に低光沢層を形成し、光反射フィルムを得た。
(低光沢層形成塗剤)
バインダー;ユーダブルUVG13(固形分40%、日本触媒(株)製):10重量部
硬化剤;スミジュールN3200(住化バイエルウレタン(株)製):0.5重量部
低拡散粒子(凝集シリカ);サイロホービック4004(富士シリシア(株)製、平均粒子径8μm、細孔容積1.25ml/g、平均細孔径17nm):10重量部
溶剤;トルエン:12重量部
得られた光反射フィルムの85°鏡面光沢度は8.9、光反射率は96%、正面輝度は1120cd/m2、輝度ムラは○であった。このように、本発明の光反射フィルムは高い正面輝度特性および輝度ムラ改善性を示し、実用性に優れた光反射フィルムが得られた。
(実施例3)
主押出し機に、光反射層を構成する主たる樹脂成分としてPETを89重量%、ボイド核剤としてポリメチルペンテンを10重量%、分散剤としてポリエチレングリコールを1重量%混合したペレットを供給し、また、主押出し機とは別に副押出し機を用い、この副押出し機に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を86重量%、炭酸カルシウムを14重量%を混合したペレットを供給し、所定の方法により、主押出し機に供給した成分層の両側表層に副押出し機に供給した成分層を有するよう溶融3層積層共押出しを行い、静電印加法により鏡面のキャストドラム上で冷却して3層積層シートを作成した。この積層シートを温度87℃で長手方向に3.2倍に延伸し、続いてテンターにて95℃の予熱ゾーンを通して110℃で巾方向に3.2倍に延伸した。さらに225℃にて30秒間熱処理し、膜厚200μmの積層フィルムからなる微細な気泡を多量に含む光反射層を得た。かかる光反射層の一方の表面に以下の塗剤を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布した。塗布後、120℃で2分間乾燥することにより、光反射層に低光沢層が形成された光反射フィルムを得た。
(低光沢層形成塗剤)
バインダー;ユーダブルUVG13(固形分40%、日本触媒(株)製):10重量部
硬化剤;スミジュールN3200(住化バイエルウレタン(株)製):0.5重量部
低拡散粒子(凝集シリカ);サイロホービック100(富士シリシア(株)製、平均粒子径2.5μm、細孔容積1.60ml/g、平均細孔径21nm):5重量部
溶剤;トルエン:11重量部
得られた光反射フィルムの85°鏡面光沢度は6.9、光反射率は97%、正面輝度は1160cd/m2、輝度ムラは◎であった。このように、本発明の光反射フィルムは高い正面輝度特性および輝度ムラ改善性を示し、実用性に優れた光反射フィルムが得られた。
(実施例4)
実施例3で得られた積層フィルムからなる光反射層に、以下の塗剤を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布した。塗布後、120℃で2分間乾燥することにより、光反射層上に低光沢層を形成し、光反射フィルムを得た。
(低光沢層形成塗剤)
バインダー;ユーダブルUVG13(固形分40%、日本触媒(株)製):10重量部
硬化剤;スミジュールN3200(住化バイエルウレタン(株)製):0.5重量部
低拡散粒子(凝集シリカ);サイロホービック4004(富士シリシア(株)製、平均粒子径8μm、細孔容積1.25ml/g、平均細孔径17nm):10重量部
溶剤;トルエン:12重量部
得られた光反射フィルムの85°鏡面光沢度は4.8、光反射率は96%、正面輝度は1200cd/m2、輝度ムラは◎であった。このように、本発明の光反射フィルムは高い正面輝度特性および輝度ムラ改善性を示し、実用性に優れた光反射フィルムが得られた。
(実施例5)
実施例3で得られた積層フィルムからなる光反射層に、以下の塗剤を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布した。塗布後、120℃で2分間乾燥することにより、光反射層上に低光沢層を形成し、光反射フィルムを得た。
(低光沢層形成塗剤)
バインダー;ユーダブルUVG13(固形分40%、日本触媒(株)製):10重量部
硬化剤;スミジュールN3200(住化バイエルウレタン(株)製):0.5重量部
低拡散粒子(凝集シリカ);サイロホービック4004(富士シリシア(株)製、平均粒子径8μm、細孔容積1.25ml/g、平均細孔径17nm):12重量部
溶剤;トルエン:15重量部
得られた光反射フィルムの85°鏡面光沢度は3.7、光反射率は96%、正面輝度は1230cd/m2、輝度ムラは◎であった。このように、本発明の光反射フィルムは高い正面輝度特性および輝度ムラ改善性を示し、実用性に優れた光反射フィルムが得られた。
(比較例1)
実施例3で得られた積層フィルムからなる光反射層に一切の塗剤を塗布せず、光反射フィルムをした。
得られた光反射フィルムの光反射率は97%であったが、85°鏡面光沢度は72.3、正面輝度は880cd/m2、輝度ムラは△であった。
(比較例2)
実施例3で得られた積層フィルムからなる光反射層に、以下の塗剤を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布した。塗布後、120℃で2分間乾燥することにより、光反射フィルムを得た。
(塗剤)
バインダー;ユーダブルUVG13(固形分40%、日本触媒(株)製):10重量部
硬化剤;スミジュールN3200(住化バイエルウレタン(株)製):0.5重量部
溶剤;トルエン:10重量部
得られた光反射フィルムの85°鏡面光沢度は110.2、光反射率は98%、正面輝度は750cd/m2、輝度ムラは×であった。
(比較例3)
実施例3で得られた積層フィルムからなる光反射層の一方の表面に、以下の塗剤を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布した。塗布後、120℃で2分間乾燥することにより、光反射フィルムを得た。
(塗剤)
バインダー;ユーダブルUVG13(固形分40%、日本触媒(株)製):10重量部
硬化剤;スミジュールN3200(住化バイエルウレタン(株)製):0.5重量部
低拡散粒子(凝集シリカ);サイロホービック603(富士シリシア(株)製、平均粒子径6.5μm、細孔容積0.44ml/g、平均細孔径2.5nm):5重量部
溶剤;トルエン:11重量部
得られた光反射フィルムの85°鏡面光沢度は21.1、光反射率は96%、正面輝度は960cd/m2、輝度ムラは△であった。
(比較例4)
ケンダン黒厚紙の表面を#240の紙やすりで20回擦り、光反射シートとした。
得られたシートの85°鏡面光沢度は1.7、光反射率は1.3%、正面輝度は240cd/m2、輝度ムラは×であった。
本発明の光反射フィルムは、面光源に用いられる他に、受容紙等の印刷用部材やクッション性を必要とする緩衝材などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。

Claims (2)

  1. 85°鏡面光沢度が10以下であり、かつ光反射率が80%以上であることを特徴とする光反射フィルム。
  2. 請求項1に記載の光反射フィルムを用いたことを特徴とする面光源。
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