JP2014123033A - 基材とレンズ状粒子との複合材料及びその製造方法 - Google Patents

基材とレンズ状粒子との複合材料及びその製造方法 Download PDF

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裕也 神田
Hirotsuyo Mizoguchi
大剛 溝口
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Nobuyoshi Yamaoka
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【課題】高意匠なデザインを表示させることが可能な基材とレンズ状粒子との複合材料を提供する。
【解決手段】基材と、該基材表面上の一部に形成されたレンズ状粒子とを備え、該レンズ状粒子が形成された基材表面部分を部位(A)とし、該レンズ状粒子が形成されていない基材表面部分を部位(B)とする複合材料であり、前記レンズ状粒子が、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物から得られ、前記部位(A)の光沢度が、入射角20°〜85°に亘って、前記部位(B)の光沢度の値より20%以上低いことを特徴とする複合材料である。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材とレンズ状粒子との複合材料及び該複合材料の製造方法に関し、特には、高意匠なデザインを表示させることが可能な複合材料に関するものである。
従来、ステンレス、アルミニウム、チタニウムといった金属板は、物理的に研磨したり、化学薬品でエッチング処理を行ったりすることで、該金属板の表面にデザインが施された表示物が付与されている。特に高意匠なデザインが要求される場合には、エッチング処置を行い特定の金属板表面を溶解し、金属板上に凹面を形成することで精細な模様が形成される。エッチング処理は、化学薬品により金属板表面を腐食し加工する処理方法であり、具体的には、最初に金属板表面のエッチングを行わない部位をマスキングしたうえで、腐食液(エッチング液)を用いてマスキングされていない金属板表面部位を溶解することにより金属板表面に凹面を形成する方法である。金属板の種類によって、適切なエッチング液が選択され、塩酸、硝酸、硫酸銅、それらの混合液などの化学薬品が用いられる。一方、ガラス板表面にデザインを施す際にも、同様に、マスキング工程及びその後の化学薬品によるエッチング工程を含むエッチング処理をガラス板表面に行うことで、ガラス表面に凹面を形成することが可能である。例えば、特許文献1では、石英ガラスの表面処理に、フッ酸がエッチング液として使用されている。また、エッチング液を使用する代わりに、砂などの研磨剤を高速で基材に衝突させて基材に精細な模様を形成する方法としてサンドブラスト処理がある。研磨剤としては、砂の他、アルミナ、シリカなど多様な粒子が使用される。具体的には、エッチング処理と同様に、基材表面をマスキングしておいて、マスキングされていない部位に粒子を衝突させて表面を削る方法である。このように高意匠なデザインを金属板やガラス板表面に形成する場合、マスキング工程とエッチング工程又はサンドブラスト工程とを行う必要があり、表示物中の解像度は、マスキングパターンの精度や削り深さに依存する。このため、高解像度の画像などを形成するには、レーザー照射装置、サンドブラスターなどの大規模な設備導入や、マスキング剤の選定など熟練した加工技術が必要である。また、処理後のエッチング液やマスキング剤は、産業廃棄物となり、環境負荷が大きいため課題となっている。
一方で、基材表面上にレンズ状粒子を形成させることにより凹凸面を形成する技術が報告されている。例えば、特許文献2には、LCD用スペーサー、光拡散シートや防眩フィルムに適した特異な形状を有する樹脂粒子及びその製造方法が記載されている。また、特許文献3には、特定のアスペクト比を有する微粒子を基材上に配置することによって、光透過性に優れた光学フィルム及びその製造方法が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載の樹脂粒子及び特許文献3に記載の光学フィルムは、専ら光学的な特徴を発現することを目的としており、高意匠なデザインを表示することを目的としていない。
特開2005−53730号公報 特開2004−27008号公報 特開2010−78889号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、高意匠なデザインを施すことが可能な基材とレンズ状粒子との複合材料を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高意匠なデザインを施すことが可能な基材とレンズ状粒子との複合材料の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物から得られるレンズ状粒子を基材表面上の一部に形成させる際に、レンズ状粒子が形成される基材表面部分の光沢度と他の基材表面部分の光沢度を調整することによって、基材表面上に高意匠なデザインを表示できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の複合材料は、基材と、該基材表面上の一部に形成されたレンズ状粒子とを備え、該レンズ状粒子が形成された基材表面部分を部位(A)とし、該レンズ状粒子が形成されていない基材表面部分を部位(B)とする複合材料であり、前記レンズ状粒子が、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物から得られ、前記部位(A)の光沢度が、入射角20°〜85°に亘って、前記部位(B)の光沢度の値より20%以上低いことを特徴とする。
本発明の複合材料の好適例において、前記レンズ状粒子は、平均高さが1μm〜100μmで且つ平均直径が1μm〜1000μmである。
また、本発明の複合材料の製造方法は、インクジェットプリンタによって、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を基材表面上の一部に吐出し、次いで、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を硬化させ、レンズ状粒子を形成させることを特徴とする。
本発明の複合材料によれば、高意匠なデザインを表示させることが可能な基材とレンズ状粒子との複合材料を提供することができる。
本発明の複合材料の製造方法によれば、高意匠なデザインを表示させることが可能な基材とレンズ状粒子との複合材料の製造方法を提供することができる。また、本発明の複合材料の製造方法では、インクジェットプリンタを用いて活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を基材表面上の一部に吐出すればよく、エッチング処理及びサンドブラスト処理のための大規模設備が不要であるため、これら処理の優れた代替技術となる。更に、エッチング液やマスキング剤の使用及び基材の研磨が不要であるため、環境負荷が低い。
レンズ状粒子の一例の模式的平面図である。 図1に示すレンズ状粒子の模式的側面図である。 実施例1の複合材料の基材表面上に施されるデザインを示す。 実施例1の複合材料の平面図を示す。 比較例1の複合材料の基材表面上に施されるデザインを示す。 比較例1の複合材料の平面図を示す。
以下に、本発明の複合材料を詳細に説明する。本発明の複合材料は、基材と、該基材表面上の一部に形成されたレンズ状粒子とを備え、該レンズ状粒子が形成された基材表面部分を部位(A)とし、該レンズ状粒子が形成されていない基材表面部分を部位(B)とする複合材料であり、前記レンズ状粒子が、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物から得られ、前記部位(A)の光沢度が、入射角20°〜85°に亘って、前記部位(B)の光沢度の値より20%以上低いことを特徴とする。
本発明の複合材料は、レンズ状粒子が形成された基材表面部分(部位A)の光沢度が、入射角20°〜85°に亘って、レンズ状粒子が形成されていない基材表面部分(部位B)の光沢度の値より20%以上低いことを要する。上記特定した入射角の範囲に亘って部位Aの光沢度が部位Bの光沢度の値より20%以上低いと、光沢度の差が顕著になり、基材表面上に高意匠なデザイン、具体的にはエッチング調のデザインを表示させることができる。一方、部位Aの光沢度の値と部位Bの光沢度の値の差が20%未満であると、光沢度の差が小さすぎるため、基材表面上に高意匠なデザインを表示することができない。本発明の複合材料においては、レンズ状粒子に対する光散乱によって、レンズ状粒子が形成された基材表面部分(部位A)の光沢度を容易に調整できるため、入射角20°〜85°に亘って部位Aの光沢度を部位Bの光沢度の値より20%以上低くすることが可能である。なお、本発明において、光沢度とは、JIS Z 8741に準拠して測定される鏡面光沢度を意味する。
本発明の複合材料を構成するレンズ状粒子は、平面部と曲面部とからなるレンズ形状を有する限り制限されるものではないが、具体例としては、図1及び2に示されるような、平面部(底面部分)1aと曲面部1bとからなるレンズ状粒子が挙げられる。なお、図1は、本発明の複合材料を構成するレンズ状粒子の一例の模式的平面図であり、図2は、図1に示すレンズ状粒子の模式的側面図である。
本発明の複合材料において、レンズ状粒子は、平均高さが1μm〜100μmで且つ平均直径が1μm〜1000μmであることが好ましい。レンズ状粒子の平均高さ及び平均直径が上記特定した範囲内であれば、映り込みを防止することができ、更には、目視による官能評価において、優れた意匠性を表面凹凸に付与することができる。また、レンズ状粒子の平均高さが1μm未満で且つ平均直径が1μm未満では、光の散乱効果が得られ難くなるため、防眩効果を発揮し難く、また、光沢度の調整が困難な場合がある。一方、レンズ状粒子の平均高さが100μmを超え且つ平均直径が1000μmを超えると、意匠性を低減し、所望の外観が得られない恐れもある。なお、レンズ状粒子の平均高さは、1μm〜50μmの範囲が好ましく、2μm〜30μmの範囲が更に好ましい。また、レンズ状粒子の平均直径は、10μm〜500μmの範囲が好ましく、200μm〜300μmの範囲が更に好ましい。
本発明において、レンズ状粒子の高さとは、図2に示されるように、平面部1aからのレンズ状粒子の高さHであり、レンズ状粒子の直径とは、平面部外周上の2点を結ぶ最大距離である。例えば、図1に示されるように、平面部が長径Dと短径dの楕円形状である場合、長径Dが、レンズ状粒子の直径となる。なお、上記平面部の形状は、特に限定されず、楕円形状でもよいし、円形状であってもよい。
例えば、上記レンズ状粒子の平面部を円形状にすることで、レンズ状粒子の形状を半球状にすることができるが、本発明において、レンズ状粒子の形状は、これに限定されるものではない。図2に示す平面部と曲面部のなす角αは、1度から179度までの幅があり、この角度が小さい程、レンズ状粒子が扁平形状に近くなり、一方、大きくなる程、レンズ状粒子が球状に近くなる。
本発明の複合材料において、上記レンズ状粒子は、基材表面に配置されるが、このレンズ状粒子が配置された領域(即ち、部位A)における基材1平方インチ当たりのレンズ状粒子の個数は、50〜360000であることが好ましい。該レンズ状粒子が基材1平方インチ当たり50個未満では、光の散乱効果が十分に得られず、防眩効果を発揮し難く、また、光沢度の調整が困難になる恐れもある。また、該レンズ状粒子が基材1平方インチ当たり360000個を超えても、レンズ状粒子同士が近づき過ぎるために十分な光の散乱効果が得られず、レンズ状粒子が形成されていない基材表面部分(部位B)と光沢度の差が小さくなり、高意匠なデザインを表示できない場合がある。
本発明の複合材料において、上記レンズ状粒子は、本発明の目的を損なわない範囲で、基材の屈曲の程度や表面積に応じて自由に配置できる。具体的には、複数のレンズ状粒子が、独立して配置されてもよいし、接触して配置されてもよい。
本発明の複合材料において、上記レンズ状粒子が配置された基材面における部位Aの占有面積は、該基材面の面積の99%以下であることが好ましい。該部位Aの占有面積が99%を超えると、レンズ状粒子同士が近づき過ぎるために十分な光の散乱効果が得られず、レンズ状粒子が形成されていない基材表面部分(部位B)との光沢度の差が小さくなり、高意匠なデザインを表示できない場合がある。
本発明の複合材料において、上記レンズ状粒子は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物から得られることを要する。なお、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物とは、活性エネルギー線、例えば紫外LED、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の光源から発せられる紫外線を照射することで速やかに硬化するインクジェットプリンタ用のインク組成物を意味する。インクジェット塗装方式にて、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を吐出し、その液滴が基材に着弾した直後、速やかにこれを硬化させることで、所望の直径及び高さを有するレンズ状粒子を得ることが可能である。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、活性エネルギー線の照射により速やかに硬化できるインクであれば特に際限なく適用可能であるが、硬化性、粘度及び耐候性の観点から、官能基数が1〜2のラジカル重合性モノマー(a)、光重合開始剤(b)及び光安定剤(c)を含有することが好ましい。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物において、上記ラジカル重合性モノマー(a)は、官能基数が1〜2であることを要し、この官能基数が1〜2のラジカル重合性モノマー(a)の含有量は、該インク組成物中60〜98.9質量%であることが好ましい。ラジカル重合性モノマー(a)の含有量が60質量%未満では、インクの粘度を低下させるのに溶剤等を添加することが必要となり、活性エネルギー線照射により硬化したレンズ状粒子の内部に溶剤が残留するため、乾燥性が悪く、揮発する溶剤により環境への負荷も大きくなる。一方、ラジカル重合性モノマー(a)の含有量が98.9質量%を超えると、光重合開始剤の含有量が低くなり過ぎるため、活性エネルギー線照射時に硬化不良となる。なお、本発明において、官能基とは、ラジカル重合可能な官能基を指す。
また、上記ラジカル重合性モノマー(a)は、分子中のヘテロ原子の合計原子量Hwと該ラジカル重合性モノマー(a)の分子量Mwの比(Hw/Mw)が0.35未満であることが好ましい。Hw/Mwが0.35未満であると、ピエゾ方式によるインクジェットプリンタにおいて良好な吐出が得られる粘度にインク組成物を調整することができる。ここで、ヘテロ原子とは、炭素及び水素以外の元素の原子を意味する。
なお、上記ラジカル重合性モノマー(a)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、上記ラジカル重合性モノマー(a)のうち官能基数が1である1官能モノマーの具体例としては、ステアリルアクリレート、アクリロイルモルホリン、トリデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、イソアミルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、EO変性2−エチルヘキシルアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、2−(2’−ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、EO変性フェノールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、EO変性ノニルフェノールアクリレート、及びPO変性ノニルフェノールアクリレート等が挙げられる。これらの中で、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート及びフェノキシエチルアクリレートが好ましい。なお、これら1官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記ラジカル重合性モノマー(a)のうち官能基数が2である2官能モノマーの具体例としては、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジアクリレート、及びEO変性ビスフェノールFジアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレートが好ましい。なお、これら2官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物においては、硬化性や印刷膜の強度を上げるため、上記ラジカル重合性モノマー(a)以外にも、アクリレートオリゴマーや官能基を3つ以上有する3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーを使用してもよい。アクリレートオリゴマーとして具体的には、アミノ樹脂アクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエポキシアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリエステルアクリレート、及びポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。なかでも、耐候性や密着性の観点から、ポリウレタンアクリレートが好ましい。
上記アクリレートオリゴマーの具体例としては、ビームセット502H、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575、ビームセットAQ−17(荒川化学工業社製)、UA−306H、UA−306I、UA−510H、UF−8001G(共栄社化学社製)、CN929、CN940、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J75、CN964、CN964A85、CN964E75、CN965、CN965A80、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN966R60、CN968、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN982P90、CN983、CN985B88、CN989、CN991、CN996、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9178、CN9788、CN9893(サートマー社製)、U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−1100H、UA−53H、UA−33H、U−200PA、UA−4200、UA−122P(新中村化学工業社製)、ニューフロンティアR−1214、ニューフロンティアR−1301、ニューフロンティアR−1304、ニューフロンティアR−1306X、ニューフロンティアR−1150D(第一工業製薬社製)、EBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL270、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL294、EBECRYL1290、EBECRYL4820、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8402、(ダイセル・サイテック社製)、UV−1700B、UV−7600B、UV−7605B、UV−6630B、UV−7000B、UV−7461TE、UV−3000B、UV−3310B、UV−3520TL、UV−3700B(日本合成化学社製)、アートレジンUN−333、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5500、UN−5507、UN−6060P、UN−6200、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HC、UN−904(根上工業社製)等が挙げられる。なお、これらアクリレートオリゴマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート変性アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。なお、これら多官能ラジカル重合性モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物において、上記光重合開始剤(b)は、活性エネルギー線を照射されることによって、上述したラジカル重合性モノマー(a)、アクリレートオリゴマー及び3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーの重合を開始させる作用を有する。また、上記光重合開始剤(b)の含有量は、該インク組成物中1〜25質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。光重合開始剤(b)の含有量が上記特定した範囲内であれば、インク組成物の硬化性を向上でき、耐候性及び耐汚染性をも向上できる。また、光重合開始剤(b)の含有量が1質量%未満では、レンズ状粒子が硬化不良となることがあり、25質量%を超えると、低温時に析出物が発生してインクの吐出が不安定になることがある。更に、光重合開始剤の開始反応を促進させるため、光増感剤等の助剤を併用することも可能である。
上記光重合開始剤(b)としては、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。
上記光重合開始剤(b)の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが、インクの硬化性の観点から好ましい。なお、これら光重合開始剤(b)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物において、上記光安定剤(c)は、紫外線を吸収し、紫外線による劣化を防止する作用を有するものであるが、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に特定量で配合されることによって、耐候性及び耐汚染性を向上させることもできる。なお、上記光安定剤(c)の含有量は、該インク組成物中0.1〜15質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることが更に好ましい。光安定剤(c)の含有量が上記特定した範囲内であれば、耐候性及び耐汚染性を向上させることができる。また、光安定剤(c)の含有量が0.1質量%未満では、充分な紫外線の吸収効果が得られず、15質量%を超えると、レンズ状粒子が硬化不良となることがある。
上記光安定剤(c)としては、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がインクの硬化性の観点から好ましい。硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光安定剤の吸収波長が出来るだけ重複しないものが好ましい。
上記光安定剤(c)の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2―ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール・コポリマー、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。なお、これら光安定剤(c)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物には、その他の成分として、体質顔料、表面調整剤、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、防錆剤、溶剤、非反応性ポリマー、充填剤、pH調整剤、消泡剤、荷電制御剤、応力緩和剤、浸透剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体等の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
上記体質顔料の具体例としては、珪砂、珪酸塩、タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、粉末状、フレーク状又はファイバー状のガラス、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂粉末等が代表的なものとして挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、上記ラジカル重合性モノマー(a)、光重合開始剤(b)及び光安定剤(c)と、必要に応じて適宜選択される各種成分とを混合し、必要に応じて、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い、得られた混合物を濾過することによって、調製できる。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、その粘度が、1mPa・s〜2000mPa・sが好ましく、1mPa・s〜100mPa・sが更に好ましく、1〜20mPa・sが特に好ましい。上記インク組成物の粘度が1mPa・s〜2000mPa・sの範囲内であれば、好適なレンズ形状、特に半球状のレンズ状粒子が更に容易に得られる。即ち、インク組成物の粘度が1mPa・s未満では、所望のレンズ形状、例えば半球状のレンズ状粒子を形成することが困難になる場合があり、一方で、インク組成物の粘度が2000mPa・sを超えると、インク組成物の流動性が低くなり、印刷が困難になる場合がある。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、その表面張力が、20〜40mN/mであることが好ましく、22〜35mN/mであることが特に好ましい。上記インク組成物の表面張力が20〜40mN/mの範囲内であれば、好適なレンズ形状、特に半球状のレンズ状粒子が更に容易に得られる。また、インク組成物の表面張力が40mN/mを超えると、基材に着弾させたコーティング材の接触角が170度を超える場合があり、この場合、着弾したインク組成物の形状が球状に近づくため、該インク組成物が着弾位置から移動したり、基材との密着性が低下したりする恐れがある。よって、レンズ状粒子の形状や基材上におけるレンズ状粒子の配置を制御することが困難になり得る。一方、インク組成物の表面張力が20mN/m未満では、基材に着弾させたインク組成物の接触角が20度未満になる場合があり、この場合、着弾したインク組成物の形状が平板形状に近づくため、レンズ状粒子の形状や基材上におけるレンズ状粒子の配置を制御することが困難になり得る。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、種々のインクジェットプリンタに使用することができる。インクジェットプリンタとしては、例えば、荷電制御方式又はピエゾ方式によりインク組成物を噴出させるインクジェットプリンタを挙げることができる。また、高意匠なデザインを形成する観点から、ピエゾ方式によるインクジェットプリンタが特に好ましい。
本発明の複合材料において、上記基材は、自動車又は鉄道車両用基材や、サインディスプレイ等の屋外用基材等が挙げられ、具体的には、鉄、ステンレススチール、アルミ、ブリキ等の金属類、プラスチック類、ガラス類、セラミックス類及び紙類、並びにそれらの表面に塗膜が設置されたもの(例えば、表面を樹脂でコーティングした紙等)が挙げられる。基材に塗膜が設置される場合、該塗膜の形成には、塗料業界で通常使用される樹脂を結合剤とする各種の溶剤系又は水系塗料等が使用される。
また、レンズ状粒子の形状や基材上におけるレンズ状粒子の配置を制御し易くするためには、塗膜が設置された基材を使用することが好ましい。塗膜が設置された基材を使用することで、インクジェットインク組成物を好適な接触角(例えば、20〜170度)で基材上に着弾させることが容易になる。該塗膜としては、微細な凹凸構造を有する塗膜、接触角を調整する目的の添加剤や官能基を有する樹脂が含まれる塗膜等が好適に挙げられるが、これに限定されるものではない。
次に、本発明の複合材料の製造方法を詳細に説明する。本発明の複合材料の製造方法は、インクジェットプリンタによって、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を基材表面上の一部に吐出し、次いで、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を硬化させ、レンズ状粒子を形成させることを特徴とする。
上記インクジェットプリンタは、ピエゾ方式によるインクジェットプリンタが好ましく、通常使用されるピエゾ方式インクジェットプリンタを用いることができる。ピエゾ方式によるインクジェットプリンタを用いる場合、特定の平均直径及び平均高さを有するレンズ状粒子を容易に作製でき、更には、意匠性を向上させることもできる。
本発明の複合材料の製造方法において、プリンタのヘッドと基材間の距離やインクジェットインク組成物の吐出量は、ノズルの性能や、目的とするレンズ状粒子の直径に応じて調整すればよい。また、基材表面に対するインクジェットインク組成物の吐出量や印刷濃度(この場合、基材に塗着するインクジェットインク組成物の面積割合)を変化させることで、レンズ状粒子を所望の位置に必要な量配置できるため、多様なデザインに対応可能である。
また、本発明の複合材料の製造方法においては、基材上に印刷された活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物(印刷物)に、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ又は紫外線LED等を用いて紫外光等の活性エネルギー線を照射し、該印刷物を化学反応(硬化)させて、上記レンズ状粒子が形成される。該活性エネルギー線の波長は、光重合開始剤の吸収波長と重複していることが好ましく、活性エネルギー線の主波長が360〜425nmであることが好ましい。
特に、レンズ状粒子を基材に精度よく配置するためには、基材上に着弾した活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の形状が変化する前に硬化させるのが好ましい。例えば、インクジェットインク組成物が基材に着弾した直後に紫外光を照射した場合、凸部の高さが高く、レンズ径は小さく保たれるので、より球状に近いレンズ状粒子を形成可能である。逆に、インクジェットインク組成物が基材に着弾してから時間を経た後に紫外光を照射した場合、凸部の高さが低く、レンズ径は大きくなるため、平坦なレンズ状粒子を形成可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<インクの調製例>
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(官能基数2,Hw/Mw0.28)35質量部、2−フェノキシエチルアクリレート(官能基数1,Hw/Mw0.25)34.5質量部、イソボルニルアクリレート(官能基数1,Hw/Mw0.15)10質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセル・サイテック製EBECRYL4820,官能基数3)10質量部、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン0.5質量部、及び2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド10質量部を混合することによって、インクを調製した。
<実施例1>
図3に示されるデザイン1に従ってインクがステンレス基材表面に着弾するように、ピエゾ方式によるインクジェットプリンタを用いて、上記インクをステンレス基材表面に塗装した。ヘッドと基材間の距離は1mmであった。塗装後に、波長385nmのLEDランプを用い、照射条件400mJ/cmで紫外光をインクに直接照射し、これを硬化させ、レンズ状粒子が形成された塗装板を作製した。作製された塗装板の写真を図4に示す。
<比較例1>
図5に示されるデザイン2に従ってインクがステンレス基材表面に着弾するように、ピエゾ方式によるインクジェットプリンタを用いて、上記インクをステンレス基材表面に塗装した。ヘッドと基材間の距離は1mmであった。塗装後に、波長385nmのLEDランプを用い、照射条件400mJ/cmで紫外光をインクに直接照射し、これを硬化させ、レンズ状粒子が形成された塗装板を作製した。作製された塗装板写真を図6に示す。
ステンレス基材表面に形成したレンズ状粒子の平均直径及び平均高さを、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製VK−8510)で測定した。結果を表1に示す。
また、光沢度及び意匠性を以下のように評価した。結果を表1に示す。なお、比較例2には、ステンレス基材単独での結果を示す。
<意匠性>
太陽光下で基材を目視し、基材の意匠性を官能的に評価した。なお、ここでの高意匠性とは、図中に示されたデザインに従ってエッチング調のデザインが表示できることを意味する。
○ 高意匠性が確認された
× 高意匠性が確認されなかった
<光沢度>
JIS Z 8741に準拠し、ビックケミー・ジャパン株式会社製マイクロートリーグロス光沢度計を用いて、レンズ状粒子が形成された基材表面部分(部位A)及びレンズ状粒子が形成されていないステンレス基材表面部分(部位B)について20度鏡面光沢度(%)及び85度鏡面光沢度(%)を測定した。なお、部位Aと部位Bのそれぞれについて、20度鏡面光沢度では9×9mm、そして85度鏡面光沢度では7×42mmの測定面積で光沢度を測定した。また、比較例2の20度鏡面光沢度は、67%であり、85度鏡面光沢度は、109%であった。
表1から、実施例1では、部位Aの20度鏡面光沢度が10%で、85度鏡面光沢度が32%であるため、部位Aの20度鏡面光沢度は、部位Bの値より57%低く、85度鏡面光沢度は、部位Bの値より77%低いことが分かる。一方、比較例1では、部位Aの85度鏡面光沢度は、65%であり、部位Bの値より44%低いが、20度鏡面光沢度は、52%であり、部位Bの値より15%しか低下していないことが分かる。
1a 平面部
1b 曲面部
D 長径
d 短径
H 平面部からのレンズ状粒子の高さ
α 平面部と曲面部のなす角

Claims (3)

  1. 基材と、該基材表面上の一部に形成されたレンズ状粒子とを備え、該レンズ状粒子が形成された基材表面部分を部位(A)とし、該レンズ状粒子が形成されていない基材表面部分を部位(B)とする複合材料であり、前記レンズ状粒子が、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物から得られ、前記部位(A)の光沢度が、入射角20°〜85°に亘って、前記部位(B)の光沢度の値より20%以上低いことを特徴とする複合材料。
  2. 前記レンズ状粒子は、平均高さが1μm〜100μmで且つ平均直径が1μm〜1000μmであることを特徴とする請求項1に記載の複合材料。
  3. インクジェットプリンタによって、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を基材表面上の一部に吐出し、次いで、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を硬化させ、レンズ状粒子を形成させることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合材料の製造方法。
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