JP2005146371A - フレキシブル基板のエッチング方法 - Google Patents

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裕寿 遠藤
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Abstract

【課題】フレキシブル基板に均一に効率よくエッチング液を噴射し、疲労したエッチング液を残留させることなくエッチングをし、テープ中央部と周辺部でのエッチング状態を均一にすることを可能とする。
【解決手段】ロール3に案内支持されて搬送される帯状のフレキシブル基板1に、エッチング液を供給ポンプを介してスプレーで噴射するエッチング方法において、エッチング中のフレキシブル基板1の搬送高さにロール3の高低により凹凸を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種電子機器などに使用されるTABテープを含めたフレキシブル基板の製造方法、特にフレキシブル基板にエッチング液をスプレーして不要な銅を除去し配線を形成する方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高機能化を実現するための高密度実装性が強く求められている。このため最近はTAB(Tape Automated Bonding)テープ等のフレキシブル基板にも微細な配線形成が要求されるようになってきた。このフレキシブル基板の製造工程の中でも、導体パターンの形成を行うエッチング工程は重要である。
図4は従来のエッチング方法の概念を示すものである。まずスクリーン印刷法や写真・現像法などによりエッチングレジストを形成した連続して繋がるフレキシブル基板1を、搬送方向に平行または垂直に配管されたノズルパイプ2の下方において、搬送ロール3上で矢印Fで示す搬送方向に所定の速度で搬送し、フレキシブル基板1の上面に塩化第二鉄などのエッチング液4をスプレーノズル5から噴射し、エッチングを行う。この際、スプレーノズル5は搬送方向に対し所定の角度で配置あるいはノズルパイプ2を所定の角度で揺動させながらエッチングを行う。
エッチング終了後、フレキシブル基板上に残留しているエッチング液を除去し、レジストを剥膜してフレキシブル基板に導体パターンを形成している。
しかし、従来のエッチング方法には、精度良く、均一なエッチングを行う上で種々の問題があった。
例えば、プリント配線板上面においては、プリント配線板中央部分にエッチング劣化したエッチング液が滞留しやすく、プリント配線板周辺部分ではエッチング劣化したエッチング液が直ちに流れ落ちるため滞留することがなく、プリント配線板上面の中央部分と周辺部分ではエッチング状態に大きな差が生じる。 そこで、プリント配線板の搬送方向に対して任意の方向より気体を連続噴射しながら導体パターンを形成するプリント配線板のエッチング方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、上方に配置されたエッチング液吐出ノズルからエッチング液がかかると、吐出圧でフィルムがエッチングプレート上に押し付けられ、フィルムの搬送が円滑に行えない。そこで、エッチングプレートから走行面側に潤滑用液体を噴出しつつ、フィルムキャリアテープを走行させてエッチング処理を行うことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、テープの幅が70mm幅のように広くなるにつれて、エッチング液吐出ノズルによる吐出範囲に、例えば、エッチング液吐出ノズルが二列配置されている場合には、テープ幅の中央部分において重なり部分が生じて、配線パターンの線幅の仕上がりが、テープの幅方向の中央部分では太くなり、ノズルの中心部分で細くなり、テープの幅方向端部にいくにしたがってまた太くなり不均一となってしまう。 そこで、エッチング液をフィルム上面に吐出するエッチング液吐出ノズルを、フィルムの搬送方向に対して垂直な方向であるフィルムの幅方向に往復揺動して、エッチング処理することが知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、エッチング部分である窪みにエッチング液が溜まるのは不都合であるとして、フィルムキャリアテープ支持面を回転状に横振動せしめて、テープ状のエッチング液を揺動させる方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開平5−121858号公報 特開2001−185586号公報 特開2001−156117号公報 特開平7−273153号公報
しかしながら、テープ幅が広くなるにつれ、精度良く、均一なエッチングを行うことがますます重要な技術となる。
特に広幅TABテープの場合、特許文献1の従来技術において指摘されている問題が顕著となる。すなわち、図4において、フレキシブル基板の中央部分には疲労したエッチング液が残留しやすく、また残留したエッチング液の範囲は随時変化する。新たなエッチング液がスプレーにより供給されても疲労したエッチング液上に噴射された部分はエッチングの進行が妨げられしまう。一方、疲労したエッチング液が無い部分例えばフレキシブル基板の幅方向両端部では、疲労したエッチング液は直ちに流れ落ちるため残留することがなく、エッチングの進行が妨げられない。この傾向はフレキシブル基板の幅に比例し、フレキシブル基板幅が広がるほどエッチング状態の不均一現象は顕著となる。この結果テープ中央部分と周辺部分ではエッチング状態に大きな差が生じ、精度良く、均一なエッチングを行うことが困難であった。
配線の間隔パターン間が広い場合、例えば配線用銅厚さ18μmで配線の間隔が100μm以上の様な場合は前記課題は問題になりにくいが、配線間隔が50μm程度に狭い間隔が要求されると重要な問題となってしまう。
この問題は、上述した特許文献1〜4の技術、すなわち任意の方向より気体を連続噴射する方法(特許文献1)、潤滑用液体を噴出しながらエッチングプレートでフィルムを支持する方法(特許文献2)、エッチング液吐出ノズルをフィルムの幅方向に往復揺動させる方法(特許文献3)、フィルムキャリアテープ支持面を回転状に横振動せしめる方法(特許文献4)でも、それなりの効果が期待されるが、より簡易、且つ効果的な解決手段の提供が望まれる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、フレキシブル基板に均一に効率よくエッチング液を噴射し、疲労したエッチング液を残留させることなくエッチングし、テープ中央部と周辺部でのエッチング状態を均一にすることを可能とするフレキシブル基板のエッチング方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係るフレキシブル基板のエッチング方法は、ロールに案内支持されて搬送される帯状のフレキシブル基板に、エッチング液を供給ポンプを介してスプレーで噴射するエッチング方法において、エッチング中のフレキシブル基板の搬送高さに凹凸を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のフレキシブル基板のエッチング方法において、前記搬送中のフレキシブル基板の凸部、凸部周辺またはその両者にエッチング液をスプレーで噴射することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載のフレキシブル基板のエッチング方法において、前記搬送中のフレキシブル基板の凸部から凹部への斜面にかけて、エッチング液をスプレーで噴射することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2又は3のスプレー方法によりフレキシブル基板の上面に対して上側からスプレー噴射を行い、またフレキシブル基板の下面に対して下側からフレキシブル基板の凹部にスプレー噴射を行い、これによりフレキシブル基板の両面を同時にエッチングすることを特徴とする。
<発明の要点>
本発明においては、上記目的を達成するために、エッチング中のフレキシブル基板の搬送高さに凹凸を設け、搬送中フレキシブル基板の凸部、及び凸部周辺、または凸部から凹部への斜面にかけて、エッチング液をスプレーで噴射する。かかる方法によれば、フレキシブル基板にエッチング液を均一に効率よく噴射し、疲労したエッチング液が残留することなくエッチングをし、テープ中央部と周辺部でのエッチング状態を均一にすることができる。
本発明に使用するフレキシブル基板は連続した形状が必要である。TABテープのような連続した形状の基板、もしくはエッチングと別工程ではシート状で製造していても、シート間を接着テープなどで繋げれば採用可能である。
またエッチングに使用するスプレーノズルは、従来は円錐状に噴射するフルコーンタイプが主流であり採用可能であるが、フラットノズルのような扇状に噴射するスプレーノズルの方がより噴射場所の特定が可能であり有効である。
本発明によれば、エッチング中のフレキシブル基板の搬送高さに凹凸を設けたので、フレキシブル基板は波打って進むことになり、エッチング液をスプレーで噴射した際に、反応後のエッチング液が波状のテープキャリアの谷部に移動し、そこからロールに沿って側方に流れ落ちるため、テープキャリアの中央部に液だまりが生じなくなり、均一にエッチングすることができる。
また本発明によれば、搬送中フレキシブル基板の凸部、及び凸部周辺または凸部から凹部への斜面にかけて、エッチング液をスプレーで噴射するようにしたので、エッチング液が凹部側へのみ流れるため、エッチング液の流れをより均一化することができる。
従って、本発明によれば、疲労したエッチング液が残留することなくエッチングが行われ、テープ中央部と周辺部でのエッチング状態をより均一にすることが可能となる。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、フレキシブル基板1のロールによる搬送手段を、上側搬送ロール3−1の群と下側搬送ロール3−2の群とで構成している。上側搬送ロール3−1と下側搬送ロール3−2とは、図1の断面図で見て、基板搬送方向Fの方向に千鳥状に配列され、フレキシブル基板1はこれを縫うように波状にうねって案内支持されている。従って、エッチング中のフレキシブル基板1の搬送高さには、搬送ロール3の設置高さにより凹凸が設けられている。
この搬送中のフレキシブル基板の上方及び下方にはスプレーノズル5a、5bが配設されている。上方のスプレーノズル5aは、図1及び図2の実施形態では、搬送中のフレキシブル基板1の凸部及び凸部周辺にエッチング液をスプレーで噴射するように配置されている。一方、下方のスプレーノズル5bはフレキシブル基板1の凹部(下面から見て凸部)にスプレー噴射を行うように配置されている。
図3は他の実施形態を示したもので、この例では、上方のスプレーノズル5aは、搬送中のフレキシブル基板1の凸部から凹部への斜面にかけて、エッチング液をスプレーで噴射するように配置され、また、下方のスプレーノズル5bは、フレキシブル基板1の凹部(下面から見て凸部)から凸部(下面から見て凹部)への斜面にかけて、エッチング液をスプレーで噴射するように配置されている。
<実施例1>
図1及び図2に本発明の実施例1に係るエッチング装置の断面及び斜視図を示す。
フレキシブル基板1は、基材としての厚さ25μm、幅250mmのポリイミドテープの両面に、厚さ18μmの銅配線層を設けたものであり、これに厚さ20μmの感光性レジストを、露光及び現像により配線パターンとしてエッチングにより残す部分上に設けてある。配線パターンは最小ピッチ部で配線幅30μm、配線間隔30μmの60μmピッチとする。
フレキシブル基板1をエッチングする部分のエッチング装置の隣り合う搬送ロール3の高さを順番に高低を設けた。搬送ロール3は直径20mmで高低差は搬送ロール中心で50mmとし、ロール中心の間隔は100mmとした。
スプレーノズル5は円錐状に噴射するフルコーンタイプノズルを採用し、均一な流量分布となるようフレキシブル基板1の幅方向に並べた。その際、上側に設けたノズル5aは高い側のロール3−1上の直上に、また下側に設けたノズル5bは低い側のロール3−2上の直下にエッチング液4を噴射するよう配置した。
前記フレキシブル基板1を前記装置によりエッチングを行った。上側ノズル5aより噴射されたエッチング液4は搬送ロール3−1の高い部分付近に噴射され、低い側に流れるため、劣化したエッチング液に噴射を妨げられない。また低い側に流れたエッチング液は低い側のロール3−2側に流れ、当該ロールに沿って外側に流れる。このため液だまりの量は一定に保たれる。
また、フレキシブル基板1の下側配線においても、下側に凸部となった部分にエッチング液を噴射し配線パターンを形成した。
以上の装置によりエッチングされたフレキシブル基板は、特に上側の配線において幅方向及び搬送方向において均一なエッチング寸法を得た。
<実施例2>
フレキシブル基板1に対するスプレー位置は搬送ロールの直下また直上に限らず、特に上側のスプレー位置はリール直上からどちらか片方側に移すことによりエッチング液の流れをより均一化することができる。
図3に実施例2としてこの例を示す。この実施例2では、上側のスプレーノズル5aのスプレー位置を、搬送ロール3の中心から10mm低い側の搬送ロール側に移して設けた。これによりスプレー5aから噴射されたエッチング液は一方の低い側の搬送ロール3−2のみに流れ、エッチング液の流れをより均一化することができた。
上記実施例1、2では、スプレーノズルとして、円錐状に噴射するフルコーンタイプノズルを採用したが、ノズルは他のスプレー分布形状でも採用可能である。例えば、扇状に噴射するフラットノズルを採用してもよい。
また上記実施例1、2では、ポリイミドテープからなるテープ基材の両面に銅配線層を設けたフレキシブル基板を対象としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポリイミドテープからなるテープ基材の片面に銅配線層を設けたフレキシブル基板の作製に適用することもできる。
本発明のエッチング方法の一実施例に係るエッチング装置の断面図である。 本発明のエッチング方法の一実施例に係るエッチング装置の斜視図である。 本発明のエッチング方法の他の実施例に係るエッチング装置の断面図である。 従来のエッチング方法に係るエッチング装置の概略図である。
符号の説明
1 フレキシブル基板
2 ノズルパイプ
3 搬送ロール
3−1 上側搬送ロール
3−2 下側搬送ロール
4 エッチング液
5 スプレーノズル
5a 上方のスプレーノズル
5b 下方のスプレーノズル

Claims (4)

  1. ロールに案内支持されて搬送される帯状のフレキシブル基板に、エッチング液を供給ポンプを介してスプレーで噴射するエッチング方法において、
    エッチング中のフレキシブル基板の搬送高さに凹凸を設けたことを特徴とするフレキシブル基板のエッチング方法。
  2. 請求項1記載のフレキシブル基板のエッチング方法において、
    前記搬送中のフレキシブル基板の凸部、凸部周辺またはその両者にエッチング液をスプレーで噴射することを特徴とするフレキシブル基板のエッチング方法。
  3. 請求項1記載のフレキシブル基板のエッチング方法において、
    前記搬送中のフレキシブル基板の凸部から凹部への斜面にかけて、エッチング液をスプレーで噴射することを特徴とするフレキシブル基板のエッチング方法。
  4. 請求項2又は3のスプレー方法によりフレキシブル基板の上面に対して上側からスプレー噴射を行い、またフレキシブル基板の下面に対して下側からフレキシブル基板の凹部にスプレー噴射を行い、これによりフレキシブル基板の両面を同時にエッチングすることを特徴とするフレキシブル基板のエッチング方法。
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