JP2005145529A - 電子部品キャリアーテープ用カバーフィルムの基材 - Google Patents

電子部品キャリアーテープ用カバーフィルムの基材 Download PDF

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Abstract

【課題】 ブロッキングを解消し、優れた特性を有するカバーフィルムの基材を提供する。
【解決手段】 電子部品キャリアテープのカバーフィルムとして使用される基材であって、粘着テープとの粘着力が2.4N/cm以下である帯電防止層を二軸延伸ポリエステルフィルムの一方の面に設けてなることを特徴とするカバーフィルム用基材であり、帯電防止層の表面固有抵抗(23℃、50%RH環境下)は、1×1013Ω/□以下であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子部品等を収納するキャリアテープの蓋材として用いられるカバーフィルムの基材に関する。
電子機器の小型化に伴い、使用される電子部品についても小型化が進んでいる。このような電子機器の組立工程においては、プリント基板上に小型電子部品を自動的に実装しており、小型電子部品は、順次供給できるように、テーピング包装されている。
このようなテーピング包装として、電子部品キャリアテープが使用されることが多い。この電子部品キャリアテープは、例えば特許文献1にあるように、一定間隔で電子部品を収納するくぼみが形成されたキャリアテープ本体と、当該キャリアテープ本体の上面に、長さ方向に沿って両端部分がヒートシールされたカバーフィルムとから構成されるものである。
このカバーフィルムとしては、二軸延伸ポリエステルフィルム等の二軸延伸フィルムからなる基材層と、当該基材層に設けたポリオレフィン系樹脂からなる中間層と、当該中間層上に設けたヒートシール層とからなる三層構成とし、ヒートシール層には、小型電子部品を静電気から保護する目的で、帯電防止性能を持たせたものが一般的に用いられている。中間層として、ヒートシール能がある樹脂を用い、二軸延伸ポリエステルフィルムとヒートシール層の二層構成としたものも知られている。
実装に際しては、高速にてカバーフィルムを剥がし、小型電子部品を取り出すが、キャリアテープが振動することなく、均一にカバーフィルムを剥離するためには、ポリオレフィン系樹脂の厚い層があることが好ましい。
このカバーフィルムのヒートシール層としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル系樹脂共重合体、エチレン−アクリル系樹脂共重合体等のエチレン系共重合樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂等が使われている。低温でかつ高速なヒートシール性を求めると、ロール状に巻き上げたカバーフィルムを保管している時に、ブロッキングが発生するという問題が発生する。
特開2001−106256号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、ブロッキングを解消し、優れた特性を有するカバーフィルムの基材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなるフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、電子部品キャリアテープのカバーフィルムとして使用される基材であって、粘着テープとの粘着力が2.4N/cm以下である帯電防止層を二軸延伸ポリエステルフィルムの一方の面に設けてなることを特徴とするカバーフィルム用基材に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムに用いるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
本発明のポリエステルとしては、代表的には、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられるが、その他に上記の酸成分やグリコール成分を共重合したポリエステルであってもよく、必要に応じて他の成分や添加剤を含有していてもよい。
これらポリエステルには、フィルムの走行性を向上する等の目的で、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を含有させることができる。これら粒子の粒径や量は目的に応じ適宜決めることができる。また、適宜各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を加えることもできる。
本発明のフィルムの製膜方法としては、通常知られている製膜法でよく、特に制限はない。例えば、押出機より溶融押し出して得た未延伸フィルムを、まず、ロール延伸法により、60〜120℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得、次いで、テンター内で先の延伸方向とは直角方向に80〜130℃で2〜6倍に延伸し、さらに、150〜250℃で1〜600秒間熱処理を行う逐次二軸延伸製膜方法でよい。また、未延伸フィルムを縦、横に同時に延伸し、その後テンターにて熱処理する同時二軸延伸製膜方法でもよい。また、本発明の製膜方法は、複数台の押し出し機を使った多層フィルムであってもよい。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、9〜75μmの範囲が好ましい。
本発明では、帯電防止層を設けるが、帯電防止剤として、広く用いられる低分子量のアニオン系帯電防止剤を用いると、ポリエステルフィルムをロール状に巻いた状態で、帯電防止剤が反対面に転移し、ポリオレフィン樹脂との接着性を阻害したり、カバーフィルムを加工後に巻き上げた際に帯電防止剤がヒートシール層に転移し、ヒートシール力の振れとなったりする可能性がある。このような帯電防止剤の転移を防止するには、高分子量アニオン性化合物が良い。また、カチオン系帯電防止剤の場合も、高分子量カチオン性化合物を用いることが望ましい。
帯電防止層の表面固有抵抗は、1×1013Ω/□以下が良く、好ましくは1×1012Ω/□以下である。表面固有抵抗が1×1013Ω/□を超えると、帯電防止性能が劣り、工程での不具合を改善できないことがある。
本発明の帯電防止層は、上記のように帯電防止剤の転移が少ないか、ないことが特徴であるが、同時にヒートシール層とのブロキングを生じてはいけない。ブロッキングの生じない目安として、粘着テープのセロテープ(登録商標)との剥離力が2.4N/cm以下、好ましくは2.0N/cm以下、さらに好ましくは1.7N/cm以下である。この値が2.4N/cmを超えると、ブロキング性改良効果は出ない。
このような特性を満たす帯電防止剤としては、例えば、4級アンモニウム塩基を有する化合物がある。これは、分子中の主鎖や側鎖に、4級アンモニウム塩基を含む構成要素を持つ化合物を指す。そのような構成要素としては、例えば、ピロリジウム環、アルキルアミンの4級化物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。さらに、これらを組み合わせて、あるいは他の樹脂と共重合させても構わない。また、これらの4級アンモニウム塩の対イオンとなるアニオンとしては例えば、ハロゲン、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、硝酸等のイオンが挙げられる。
また、本発明においては、4級アンモニウム塩基を有する化合物は高分子化合物であることが望ましい。分子量が低すぎる場合は、帯電防止層からヒートシール層へ静防剤が転移し、所望のヒートシール効果がでないことが懸念される。このような不具合を生じないためには、4級アンモニウム塩基を有する化合物の数平均分子量が、通常は1000以上、さらには2000以上、特に5000以上であることが望ましい。また一方で、かかる化合物は分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎる等の不具合を生じる場合がある。そのような不具合を生じないためには、数平均分子量が500000以下であることが好ましい。
セロテープの粘着剤との剥離力を2.4N/cm以下とするには、帯電防止剤の選択が重要なだけではなく、剥離力をより小さくするには、ポリオレフィン系樹脂および/またはフッ素系樹脂を積極的に配合することが有効である
ポリオレフィン系樹脂やフッ素系樹脂としては、帯電防止剤と同様に転移の少ないもの、好ましくは転移の無い物を配合する。ポリオレフィン等としては、例えば、次の(1)〜(5)に記載の化合物を基本骨格として有する化合物を挙げることができる。そして、ポリオレフィン等は、水に溶解または分散させて用いられる。
(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン系不飽和炭化水素の単独または共重合体からなるワックス、樹脂、ゴム状物。該当する化合物としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体等が挙げられる。
(2)上記のα−オレフィンの2種以上と共役または非共役ジエンとのゴム状共重合体。該当する化合物としては、例えば、エチレン−プロピレン−ブダジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1,5−ヘキサジエン共重合体、イソブテン−イソブレン共重合体等が挙げられる。
(3)上記のα−オレフィンと共役または非共役ジエンとの共重合体。該当する化合物としては、例えば、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−エチリデンノルボルネン共重合体等が挙げられる。
(4)上記のα−オレフィン(特にエチレン)と酢酸ビニルとの共重合体およびその完全もしくは部分ケン化物。
(5)上記のα−オレフィンの単独または共重合体に上記の共役もしくは非共役ジエンまたは酢酸ビニル等をグラフトさせたグラフト重合体およびその完全もしくは部分ケン化物。
上記のポリオレフィン等を水に溶解または分散させ、かつ、凝集が起こらないように安定化させるためには、従来公知の界面活性剤を併用することもできるし、水溶性ポリエステル等の親水性ポリマーを分散化の際に共存させる方法も有効である。また、ポリオレフィン等の骨格に共重合またはグラフト等により、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基、ポリエーテル、アルキロールアミド基やそれらの塩類等の親水性基を有するビニル化合物を導入することにより水溶化または水分散化を容易にすることもできる。
特に好ましいポリオレフィン等は、上記の親水性基を有するビニル化合物を導入することにより、界面活性剤や他の親水性ポリマーを使用せずに、水に分散または溶解したソープレスあるいは自己乳化型のポリオレフィン等である。
フッ素含有する高分子成分としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンなどを単量体とするフルオロオレフィン系共重合樹脂、ヒドロキシ基含有のフッ素樹脂共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系化合物または他の単量体とをグラフト重合してなるフッ素系共重合樹脂、パーフルオロアルキル基を有するビニル重合体等が挙げられる。中でもフルオロオレフィン系共重合樹脂が好ましい。具体的にはクロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンまたはフッ化ビニリデン等の含フッ素ビニル単量体類が約20〜約60モル%、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等の各種のカルボン酸ビニルエステル類が30〜70モル%およびマレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステルが5〜35モル%からなる共重合樹脂が具体的なものとして例示することができる。
上記分子内にフッ素を含有する重合体は水分散体として塗布液とすることが好ましく、水分散体とする方法は、例えばカルボキシル基の一部を塩基性化合物で中和させた後、水性媒体中に分散する方法、アニオン型、カチオン型、両性型、非イオン型などの界面活性剤を乳化剤として水媒体中で乳化重合する方法等がある。
本発明では帯電防止層として帯電防止剤の他に、ポリオレフィン系樹脂および/またはフッ素系樹脂を配合してもよいが、さらに帯電防止層中には、必要に応じて上記以外の水溶性または水分散性のバインダー樹脂の1種もしくは2種以上を併用し塗布性の向上を図ってもよい。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン等が挙げられる。
さらに本発明では、帯電防止層に架橋反応性化合物を含んでいてもよい。架橋反応性化合物は、帯電防止層を構成する成分化合物の官能基と架橋反応することで、転移性を防止できる。また架橋剤の添加で塗布層の固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度が改良される。本発明で用いる架橋剤としては、メラミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤がある。メラミン系架橋剤としては、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化したメラミン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できる。エポキシ系架橋剤としては、水溶性あるいは水溶化率50%以上のエポキシ基を持つ化合物であればよい。
本発明の帯電防止層には必要に応じ、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子、等の添加剤の少なくとも1種を含有していてもよい。
帯電防止層の厚さは乾燥厚さで、通常0.003〜1.5μm、好ましくは0.005〜0.5μmの範囲である。帯電防止層の厚さが0.003μm未満の場合は、十分な性能が得られない恐れがあり、1.5μmを超えるとフィルム同士のブロッキングが起こりやすくなる。
なお、このカバーフィルムとしては、先述のように二軸延伸ポリエステルフィルムにポリオレフィン系樹脂からなる中間層を設けている旨説明したが、この積層には、経済的に有利な押し出しラミネート法が採用されている。しかし、両者の接着性は乏しく、押出ラミ時にアンカーコート剤をコートし、その後押出ラミする方法が一般的ある。このアンカー剤としては、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、有機チタネート系、ポリブタジエン系等のアンカー剤があり、ラミネート工程内にて有機溶剤を用いて塗布し、乾燥炉にて乾燥させている。このため、乾燥炉の運転費用や、作業環境を良くする為の換気設備等が必要であり、コスト高となる問題がある。
この問題の解決方法として、二軸延伸ポリエステルフィルムの製膜時にプライマー処理する方法があるが、本発明の帯電防止層は、製膜時に設けたプライマー層とのブロキングをも抑制する効果を発揮できる。
プライマーコート層のコート剤としては、有機シラン化合物が好ましく、例えば、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等を用いることができ、これらの混合物や縮合反応物であってもよい。コート剤の代表的な例としては、例えば下記一般式(1)または(2)で表されるシランカップリング剤を挙げることができる。
XRSi(OR …(1)
(XR)(YR)Si(OR …(2)
(上記式中、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基やメトキシアルキル基等の置換アルキル基であり、RおよびRはそれぞれ独立して、プロピレン基等のアルキレン基であり、XおよびYはそれぞれ独立して有機官能基である)
上記一般式において、XやYの有機官能基としては、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基およびグリシジル基が好ましい例である。また。有機官能基としては、N―β(アミノエチル)アミノ基のような置換アミノ基やポリエチレンイミンのように、置換されたものであってもよい。
有機官能基を有するシランカップリング剤の具体例としては、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好ましく例示される。これらは一種または二種以上、必要によっては、官能基を持たないアルコキシシランを含めた混合物や縮合物を用いることができる。
本発明におけるプライマーコート層は、アルコール溶媒で希釈して用いることができるが、水系であることが好ましく、その際には、コート性を改善する目的で各種の界面活性剤を配合することができる。また、必要に応じて水溶性または水分散性のバインダー樹脂の1種もしくは2種以上を併用し塗布性の向上を図ってもよい。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン等が挙げられる。また、本発明のコート剤には、コート面の滑り性確保する目的で、無機粒子や有機の粒子を加えても構わない。
ポリエステルフィルムに帯電防止剤をコートする方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター、バーコーター等のような技術が挙げられる。
本発明によれば、電子部品等を収納するキャリアテープにおいて、その蓋材として用いられるカバーフィルムの保存時に発生するブロキングを抑止することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を示す。
(1)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)の測定方法
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した
(2)セロテープ粘着剤との剥離強度の測定方法
粘着テープ(ニチバン製セロテープ(登録商標))を基材フィルムの帯電防止コート面に貼り付け、23℃,50%RHの測定雰囲気下で30分調湿後、300mm/分の速度で180度の角度で粘着テープを剥離するときの剥離荷重をインテスコ社製引張試験機で測定した。
(3)表面固有抵抗値の測定方法
日本ヒューレット・パッカード社製高抵抗測定器(HP4339B)および測定電極(HP16008B)を使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを十分調湿後、印可電圧100Vで1分後の塗布層の表面固有抵抗値を測定した。
以下の実施例および比較例にて使った水性塗布液原料は以下のものである。
帯電防止剤(A1):ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(平均分子量:約30000)
水性樹脂(B1):部分ケン化型ポリビニルアルコール(ケン化度:約88モル%)
水性樹脂(B2):酸化ポリエチレン水分散体(ジョンソンポリマー社製 ジョンワックス)
水性樹脂(B3):フッ素系樹脂水分散離型剤(GSIクレオス製 マックルーブ)
架橋剤(C):メトキシメチロールメラミン(大日本インキ社製、ベッカミン J101)
実施例および比較例にて使った水性塗布液の原料配合は以下とした。
塗布液(1):帯電防止剤(A1)が65部、水性樹脂(B1)が5部、架橋剤(C)が30部となる様に、濃度2.0%の水溶液を作成した。
塗布液(2):帯電防止剤(A1)が40部、水性樹脂(B2)が30部、架橋剤(C)が30部となる様に、濃度3.0%の水溶液を作成した。
塗布液(3):帯電防止剤(A1)が50部、水性樹脂(B3)が20部、架橋剤(C)が30部となる様に、濃度2.5%の水溶液を作成した。
塗布液(4):帯電防止剤(A1)が40部、水性樹脂(B1)が40部、架橋剤(C)が20部となる様に、濃度3.0%の水溶液を作成した。
通常の溶融宿重合法にて、平均粒径が2.5μmの非晶質シリカを0.18部含有する極限粘度0.66のポリエステルチップを得た。このチップを乾燥し、水分を50ppm以下としてから、295℃にて溶融し、冷却したドラム上に溶融押し出して無定型シートを得、次いで85℃〜100℃にて縦に3.5倍に延伸して縦一軸延伸フィルムを得た。縦一軸延伸フィルムに塗布液(1)をグラビアコーターにて5μmコートし、90〜120℃の雰囲気で横に4.0倍延伸し、次いで235℃にて熱処理して厚み25μmの2軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの表面抵抗は、3×10Ω/□で帯電を防止できるフィルムであった。また、セロテープ(登録商標)との剥離力は、2.3N/cmだった。
実施例1中の塗布液を前述の塗布液(2)とする以外は全く同様にしてポリエステルフィルムを得た。このフィルムの表面抵抗は、4×10Ω/□で帯電防止できるフィルムであった。また、セロテープとの剥離力は、1.7N/cmだった。
実施例1中の塗布液を前述の塗布液(3)とする以外は全く同様にしてポリエステルフィルムを得た。このフィルムの表面抵抗は、2×10Ω/□で帯電防止できるフィルムであった。また、セロテープとの剥離力は、2.3N/cmだった。
実施例2と同様にして、縦一軸延伸フィルムの面に塗布液(2)をコートし、もう一方の面に、プライマー層として、N−β(アミノエチル)γーアミノプロピルトリメトキシシランの8%エタノール溶液をグラビアコーターにて5μmコートし、90〜120℃の雰囲気で横に4.0倍延伸し、次いで235℃にて熱処理して、フィルム厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムをロール状に巻き上げた。このフィルムの表面抵抗は、4×10Ω/□で帯電防止できるフィルムであった。また、セロテープとの剥離力は、1.7N/cmだった。このフィルムは、プライマー層があるにも拘わらず、巻き出し時にブロキングや帯電がなく、良好な基材であった。
(比較例1)
実施例1にて帯電防止層をコートせず、25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このものには、帯電防止能がなくカバーフィルムの基材としては好ましくなかった。
(比較例2)
実施例1中の塗布液を前述の塗布液(4)とする以外は全く同様にしてポリエステルフィルムを得た。このフィルムの表面抵抗は、1×10Ω/□で帯電防止フィルムであった。また、セロテープとの剥離力は、2.8N/cmだった。このフィルムは、帯電防止能はあるが、ヒートシール層とにブロキング現象が見られ、好ましくなかった。
(比較例3)
実施例4にて、塗布液(2)を塗布せず、片面プライマー層のみのフィルムを得た。このものは、比較例1よりも巻特性の悪いフィルムだった。
本発明のフィルムは、電子部品等を収納するキャリアテープにおいて、その蓋材として用いられるカバーフィルムとして好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 電子部品キャリアテープのカバーフィルムとして使用される基材であって、粘着テープとの粘着力が2.4N/cm以下である帯電防止層を二軸延伸ポリエステルフィルムの一方の面に設けてなることを特徴とするカバーフィルム用基材。
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