JP2005144211A - 複合半透膜及びその製造方法ならびに流体分離素子の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
高温安定性と高いイオン分離性能を併せ有する複合半透膜および流体分離素子を提供する。
【解決手段】
少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成する複合半透膜に対し、前記多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、前記架橋ポリアミドの薄膜層に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施す。
【選択図】なし
高温安定性と高いイオン分離性能を併せ有する複合半透膜および流体分離素子を提供する。
【解決手段】
少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成する複合半透膜に対し、前記多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、前記架橋ポリアミドの薄膜層に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施す。
【選択図】なし
Description
本発明は、浄水場における飲料水の製造や工業排水などの処理、海水やかん水からの淡水の製造などに好適に用いることができる液体分離用複合半透膜、特に、高温において長期にわたって安定した性能を有する耐熱性の複合半透膜およびその製造方法に関するものである。
近年、世界的な水不足・水質悪化などの水環境問題の深刻化に伴い、浄水場などにおける飲料水の製造や海水・かん水の淡水化に分離膜を用いたプロセスが普及しつつある。中でも、海水淡水化については、蒸留法や電気透析法など従来の方法に加えて省エネルギー性や省資源性、省スペース性に優れた逆浸透膜プロセスの適用が進められている。一方で、既存のプラントのリハビリによる長寿命化やプロセス改良による処理能力の向上の要求も年々高まり、特に、省エネルギーという観点から、原海水をより有効に活用する高回収率可能なプロセスの出現が望まれている。一般に、原海水から淡水を採取して海水が濃縮されるにつれて、海水中に含まれるイオン成分の濃度は高まり、供給水(海水)側と透過水(淡水)側との水の濃度差によって、蒸気圧の低下、浸透圧の上昇、濃度分極の増大などを引き起こす。したがって、海水から淡水を効率的に分離するためには、より大きなエネルギー(例えば、蒸発法の場合はより高い温度)を加えなければならない。しかしながら、海水を高度に濃縮すると、硫酸マグネシウムや炭酸カルシウムといったスケール成分が溶解度を超えて濃縮海水の流路や膜面などに析出し、システムの運転を継続できなくなる。
この課題を解決するために、蒸発法や海水淡水化逆浸透膜プロセスの原水を、ナノろ過膜で前処理することによってスケール成分である多価イオンを除去し、回収率を高めようという試みがなされている(特許文献1、2)。この方法は、一価イオンをある程度透過させ、多価イオンを選択的に除去することによって、浸透圧や濃度分極による分離効率低下も抑えられるため、エネルギーコストの低いスケール除去方法といえる。さらに、ナノろ過膜によって塩分をある程度除去することで後段の脱塩行程への負荷を低減できるため、プロセス全体としてのエネルギーコストを最適化することが可能であり、インテグレーテッドプロセスとして注目されている。
ところで、このような海水淡水化プロセスの多くは中東やカリブなど温度の高い地域で数多く運転されており、夏季には40℃程度まで温度が上昇する。また、特に中東で多く運転されている蒸発法の前処理に用いる場合は、熱交換用に使用した清澄な海水を利用することが試みられており、さらに高温(〜50℃)での安定性能発現が求められている(特許文献3)。
しかしながら、ナノろ過膜は、従来、上水処理における農薬などの有害成分除去や硬水の軟水化など、比較的低濃度の原水を処理するために開発されてきた経緯があり、特に、高温での運転を意図されていなかったため、高温で運転すると透水性や脱塩性能が著しく低下し、長期にわたって安定した性能を発現することはできなかった。とくに、脂肪族系ポリアミド膜は、イオン分離性能が芳香族系よりも優れている反面高温耐久性が低く、実用性が低かった。
特開平8−206460号公報
米国特許第6508936号明細書
欧州特許第1206414号明細書
本発明は、上記のような問題点を解決し、高温安定性と高いイオン分離性能を併せ有するナノろ過膜およびその使用方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための本発明は、下記(1)〜(12)を特徴とするものである。
(1)少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成する複合半透膜の製造方法であって、前記多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、前記架橋ポリアミドの薄膜層に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施すことを特徴とする複合半透膜の製造方法。
(2)前記加熱処理が前記薄膜層に加熱水を接触するものである、上記(1)記載の複合半透膜の製造方法。
(3)80℃〜100℃の範囲内でかつ1時間〜3時間の範囲内で前記加熱処理を施す、上記(1)または(2)記載の複合半透膜の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの方法によって得られた複合半透膜。
(5)前記薄膜層が、ピペラジンおよびその誘導体を主成分とするとともに、次の(I)に示される成分ならびに次の(II)および/または(III)で示される酸成分を構成成分として含有している、上記(4)記載の複合半透膜。
(1)少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成する複合半透膜の製造方法であって、前記多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、前記架橋ポリアミドの薄膜層に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施すことを特徴とする複合半透膜の製造方法。
(2)前記加熱処理が前記薄膜層に加熱水を接触するものである、上記(1)記載の複合半透膜の製造方法。
(3)80℃〜100℃の範囲内でかつ1時間〜3時間の範囲内で前記加熱処理を施す、上記(1)または(2)記載の複合半透膜の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの方法によって得られた複合半透膜。
(5)前記薄膜層が、ピペラジンおよびその誘導体を主成分とするとともに、次の(I)に示される成分ならびに次の(II)および/または(III)で示される酸成分を構成成分として含有している、上記(4)記載の複合半透膜。
(6)pH6.5、全溶質濃度4.5重量%の模擬海水を透過流束0.5m3/m2・日で透過させたときの塩化物イオン阻止率が60%以下であるとともに硫酸イオン阻止率が90%以上である、上記(4)または(5)記載の複合半透膜。
(7)少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成した複合半透膜を筐体内に配置した流体分離素子の処理方法であって、前記多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、流体分離素子に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施すことを特徴とする流体分離素子の処理方法。
(8)前記加熱処理が加熱水を接触するものである、上記(7)記載の流体分離素子の処理方法。
(9)80℃〜100℃の範囲内でかつ1時間〜3時間の範囲内で前記加熱処理を施す、上記(7)または(8)記載の流体分離素子の処理方法。
(10)前記薄膜層が、ピペラジンおよびその誘導体を主成分とするとともに、次の(I)に示される成分ならびに次の(II)および/または(III)で示される酸成分を構成成分として含有している、上記(7)〜(9)のいずれかに記載の流体分離素子の処理方法。
(11)上記(4)〜(6)のいずれかの複合半透膜もしくは上記(7)〜(10)のいずれかの処理を施した流体分離素子と、脱塩装置とを備えてなることを特徴とする淡水製造装置。
(12)供給水を上記(4)〜(6)のいずれかの複合半透膜もしくは上記(7)〜(10)のいずれかの処理を施した流体分離素子で処理して透過水と濃縮水とに分離し、得られた透過水をさらに脱塩して淡水を得ることを特徴とする淡水製造方法。
なお、本発明において、多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態とは、過剰な多官能アミンと多官能ハロゲン化物との重縮合反応が進行していない状態をいい、たとえば、一定の重縮合反応が進行した後に洗浄を行って膜面に残存していた過剰な多官能アミンと多官能ハロゲン化物とを除去した状態などをいう。
本発明により、高温海水処理において実用的な、高いイオン除去性能を長期間発揮することができる優れた複合半透膜を提供することができ、より高効率の海水淡水化システムを提供可能となった。
本発明は、少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成する複合半透膜に実施されるものであって、多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、架橋ポリアミドの薄膜層に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施すことを特徴とする。すなわち、本発明においては、少なくとも使用最高温度以上の熱処理を施して膜特性を変化させるということと中東やカリブ海諸国での海水淡水化に用いられるということを加味し、また、被処理液体が海水などの水系液体であり、不必要な加熱は膜の劣化・分解などの性能低下を引き起こすということを加味して、60〜100℃の範囲内での加熱処理が必要であり、さらに、加熱処理の時間としては、本発明の効果を発現するため15分以上である必要がある。
ここで、加熱処理の条件に関し、60℃以上で長時間加熱処理を行えば膜特性が変化して高温で安定した性能を発現することができるが、たとえば加熱水を用いて3時間を超えて加熱処理を行うと加熱処理温度に関係なく長期性能安定性がやや低下するということが確認できたたので、3時間以内で処理を完了させられる温度、すなわち、80〜100℃の範囲で加熱処理を施すことが好ましい。そして、この温度範囲で加熱処理を施す場合には、特に良好な高温安定性能を得るため1時間以上の処理を施すことが好ましい。したがって、加熱処理は、80℃〜100℃の範囲内でかつ1時間〜3時間の範囲内であることが好ましい。
そして、本発明においては、膜面へのファウリング抑制という観点から、上述の処理によって複合半透膜に下記性能を付与することが好ましい。すなわち、膜面へのファウリング抑制という観点からは、透過流束0.5m3/m2・日で運転されることが好ましいが、処理水が海水の場合、この運転条件において塩化物イオン阻止率が20%以上60%以下であるとともに硫酸イオン阻止率が90%以上であることが好ましい。これは、ほとんどすべてのイオンを除去するため原水の浸透圧が有効圧力を減少させる逆浸透膜よりも、低圧で多価イオンを除去しながら一価イオンを透過させる上述の性能を有する膜のほうが、浸透圧によるエネルギーロスを最小限に抑えることができ、エネルギー的メリットを出すことができるからである。したがって、透過流束0.5m3/m2・日という運転条件において塩化物イオン阻止率が20%以上60%以下であるとともに硫酸イオン阻止率が90%以上であることが好ましい。
また、本発明において加熱処理が施される複合半透膜は、薄膜層が脂肪族アミンを主成分としたポリアミドであることが好ましい。脂肪族アミンを主成分とした膜においては、構造が剛直な芳香族系アミンよりもフレキシブルで本発明の効果が大きい。中でも、ピペラジンおよびその誘導体を主成分とするとともに、次の(I)に示される成分ならびに次の(II)および/または(III)で示される酸性分を構成成分として含有するポリアミド膜が好ましい。
架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成するにあたっては、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させる。具体的には、支持体上に、多官能アミンを含有する水溶液を塗布した後、多官能酸ハロゲン化物を含有する、水と非混和性の有機溶媒溶液をさらに塗布し、支持体上で多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させる。
ここで、支持体は、実質的には分離性能を有さない層であり、実質的に分離性能を有する架橋ポリアミドの薄膜層に機械的強度を与えるために設けられるもので、布帛や不織布などの基材上に微多孔性支持膜を形成したものなどが用いられる。
支持体としては、ミリポア社製”ミリポアフィルターVSWP”(商品名)や、東洋濾紙社製”ウルトラフィルターUK10”(商品名)のような各種市販材料から選択することもできるが、通常は、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って製造できる。
基材の素材としては、ポリスルホン、ポリアミド、ポリエステル、酢酸セルロース、硝酸セルロースやポリ塩化ビニル等のホモポリマーあるいはブレンドしたものが通常使用されるが、化学的、機械的、熱的に安定性の高い、ポリスルホンを使用するのが好ましい。
微多孔性支持膜の素材としては、特に限定されず、例えば、ポリスルホン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン等のホモポリマーまたはコポリマーを単独あるいはブレンドして使用することができる。これらの素材の中では化学的、機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易であることから、ポリスルホンが好ましく使用される。
微多孔性支持膜の構造としては特に限定されず、膜の表面から裏面にわたって孔径が均一な微細な孔を有する構造であっても、片面に緻密で微細な孔を有し、その面からもう一方の面まで徐々に孔径が大きくなるような孔を有する非対称構造であってもよい。緻密な微細孔の大きさは100nm以下であることが好ましい。例えば、ポリスルホン素材の微多孔性支持膜を形成する場合、ポリスルホンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液を、密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それをドデシル硫酸ソーダ0.5重量%およびDMF2重量%を含む水溶液中で湿式凝固させることによって、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有した微多孔性支持膜が得られる。
支持体の厚みは、複合半透膜の強度や透水性能、扱いやすさ、モジュール加工のしやすさという観点から、1μm〜数mmの範囲内であるのが好ましく、10〜数100μmの範囲内であるのがより好ましい。
一方、多官能アミンの水溶液については、多官能アミンの濃度が0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15重量%である。
そして、本発明においては、多官能アミンとして少なくとも脂肪族アミンを含んでいることが必要である。芳香族アミンによる架橋ポリアミドの薄膜層は、もともと耐熱安定性に優れるため、また、イオン分離性能に劣っているので、本発明における加熱処理の効果を発現することはできない。ただし、脂肪族アミンと芳香族アミンを混合して用いることは、本発明の主旨に反するものではない。
脂肪族多官能アミンとして、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、2,3,5−トリメチルピペラジン、2,5−ジエチルピペラジン、2,3,5−トリエチルピペラジン、2−n−プロピルピペラジン、2,5−ジ−n−ブチルピペラジンなどが例示される。
また、脂肪族アミンと芳香族アミンを混合して用いる場合、芳香族アミンとしては、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、1、3、5−トリアミノベンゼン、そのN−アルキル化物としてN、N−ジメチルメタフェニレンジアミン、N、N−ジエチルメタフェニレンジアミン、N、N−ジメチルパラフェニレンジアミン、N、N−ジエチルパラフェニレンジアミンなどが例示され、特にオルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、1、3、5−トリアミノベンゼンおよびその混合物などが例示される。
また、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液について、多官能酸ハロゲン化物の濃度は特に限定されるものではないが、少なすぎると分離機能層である薄膜層の形成が不十分となり欠点になる可能性があり、多すぎるとコスト面から不利になるため、0.01〜1.0重量%程度の範囲が好ましい。有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多官能酸ハロゲン化物を溶解し微多孔性支持膜を破壊しないことが必要であり、重縮合反応により架橋ポリマを形成し得るものであればいずれであっても良い。このような有機溶媒の代表例としては、液状の炭化水素、トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられるが、オゾン層を破壊しない物質であることや入手のしやすさ、取り扱いの容易さ、取り扱い上の安全性を考慮するとオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、1−デセンなどの単体あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
また、多官能酸ハロゲン化物としては、たとえば、トリメシン酸ハライド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ハライド、トリメリット酸ハライド、ピロメリット酸ハライド、イソフタル酸ハライド、テレフタル酸ハライド、ナフタレンジカルボン酸ハライド、ジフェニルジカルボン酸ハライド、ピリジンジカルボン酸ハライド、ベンゼンジスルホン酸ハライド、クロルスルホニルイソフタル酸ハライドなどの芳香族酸ハライドを用いることができる。また、シクロヘキサントリカルボン酸ハライド、シクロヘキサンジカルボン酸ハライドなどの脂肪族酸ハライドも用いることができる。なかでも、製膜溶媒に対する溶解性や得られる複合半透膜の特性を考慮すると、イソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、トリメシン酸クロライドおよびこれらの混合物を用いることが好ましい。
なお、多官能アミン水溶液や多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液には、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との反応を妨害しないものであれば、必要に応じて、アシル化触媒や極性溶媒、酸捕捉剤、界面活性剤、酸化防止剤等の化合物が含まれていてもよい。
支持体表面への多官能アミン水溶液の被覆は、その水溶液が表面に均一にかつ連続的に被覆されればよく、公知の塗布手段、例えば、多官能アミン水溶液を支持体表面にコーティングする方法、支持体を多官能アミンに浸漬する方法等で行えばよい。多官能酸ハロゲン化物含有溶液の多官能アミン水溶液相への接触も、多官能アミン水溶液の支持体への被覆方法と同様の方法で行えばよい。
また、多官能酸ハロゲン化物を含有する、水と非混和性の有機溶媒溶液を塗布する前には、過剰に塗布した多官能アミン水溶液を自然流下や膜面乾燥等により液切りすることが好ましく、さらに反応に過剰な多官能酸ハロゲン化物含有溶液もたとえば乾燥させることが好ましい。乾燥させる場合、例えば膜表面での風速が8m/s、温度30℃の空気を1分間吹き付けたり、自然乾燥させる。そして、支持体上での重縮合反応を停止させ、残存する多官能酸ハロゲン化物及び残存する有機溶媒を除去するため、例えば、炭酸ナトリウム1重量%と、ラウリル硫酸ナトリウム0.3重量%とを含む水溶液に2分間浸漬する。さらに、例えばpHが5〜13の範囲内の塩素含有水溶液に常圧で接触させることで、膜のアミド結合を再配列させ、透水性能を向上させることも好ましい。
なお、本発明において、架橋ポリアミドの薄膜層に対する60〜100℃、15分以上の加熱処理は、上述のようにして多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で行われる。
本発明の複合半透膜は、たとえば原液流路材や透過液流路材と共に集水管の周囲に巻囲され、スパイラル状のエレメントとして使用され、浸透圧以上の圧力を負荷することで、原液を透過液と濃縮液とに分離する。複合半透膜に供給される原液は、特に制限されるものではないが、海水中の多価イオン除去に使用すると本発明の複合半透膜の効果をより発揮できるので好ましい。その際、本発明に係る複合半透膜によれば、ファウリング発生を防ぐために運転圧力を下げたり、充分な透過流束を得るために運転圧力を高める必要がない。そして、得られた透過液はスケール成分が除去されているので、たとえば海水淡水化システムに供給しても、スケール生成なしに高回収率での脱塩、淡水化が可能である。なお、海水淡水化システムの前処理として本発明の複合半透膜を用いる場合、海水淡水化システムの原水の全部を処理してもよいが、要求される水質に応じて一部を処理することにしてもよい。
次に、本発明においては、上述のように形成された複合半透膜に対してそのままの状態で加熱処理を施してもよいが、複合半透膜を筐体内に配置して流体分離素子としてから上述の加熱処理を施して高温での性能安定性を高めてもよい。すなわち、たとえば複合半透膜をスパイラル状流体分離素子とする場合、少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成した複合半透膜と、原液流路材と、透過液流路材とを含む流体分離素子に対して、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施す。なお、膜の状態で直接加熱水に浸漬して加熱処理を行っても、流体分離素子であるスパイラル型膜エレメント内部に加熱水を通水することで加熱処理を行っても、温度や処理時間などの条件と結果との関係に差は見られない。
流体分離素子としては、スパイラル状エレメントに限られるものではなく、複合半透膜の膜形態に合わして適切な形態のエレメントとすればよい。本発明の複合半透膜としては、中空糸膜、管状膜、平膜のいずれでもよく、エレメントとしては、複合半透膜の両側に実質的な液室を有し、複合半透膜の一方の表面から他方の表面に液体を加圧透過させることができるものであれば、とくに制限されるものではない。平膜の場合は、枠体で支持した複合半透膜を複数枚積層する構造のプレート&フレーム型や、上述のスパイラル型と呼ばれるタイプが一般的であり、これらのエレメントを矩形や円筒状の筐体に納めて用いる。また、中空糸膜、管状膜の場合は、複数本の複合半透膜の筐体内に配置するとともにその端部をポッティングして液質を形成してエレメントを構成する。なお、エレメントは、単体でも複数個を直列あるいは並列に接続して使用することもできる。ただし、一般的な流体分離素子は、接着剤や構成部材の高温耐久性が十分でない場合があるので、流体分離素子に対して加熱処理する場合は、流体分離素子の構成部材全体を耐熱性の高いものから選ぶ必要がある。
上述のように、本発明によって高温での性能安定性が改善された複合半透膜や流体分離素子は、たとえば海水を処理して淡水を得る脱塩装置と共に用いられる。たとえば、濁質成分を除去し殺菌した海水を本発明による複合半透膜や流体分離素子に通水して透過水と濃縮水とに分離し、その透過水をさらに蒸発装置や脱塩性能の高い逆浸透膜で処理することで淡水を得る。
本発明によって得られた複合半透膜や流体分離素子への供給水に上述の前処理を施しておくことで、複合半透膜のファウリングなどによる性能低下を防ぐことができ、処理装置の長期に渡る安定運転がさらに可能になる。具体的な前処理は、原水の性状により適宜選択すればよいが、たとえば、濁質成分が多く含まれる原水を処理する場合は、ポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤を加えた後に砂ろ過を行い、さらに例えば複数本の中空糸膜を束ねた精密ろ過膜や限外ろ過膜によるろ過を行うことが好ましい。
中空糸の膜精密ろ過膜や限外ろ過膜で前処理を施す場合は、ろ過水による逆洗や、空気によるエアーフラッシング、スクラビング洗浄を行うようにモジュール化すれば、一旦低下した膜の透水性能を回復させることができる。中空糸膜の孔径は、10μm以下であると好ましく、さらに好ましくは2μm以下である。さらに微小な固体を除去する場合には、孔径0.1μm以下のものを用いると好ましい。その素材としては、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンスルフィドスルフォン、ポリフツ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロースやセラミック等の無機素材からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいると好ましく、さらに好ましくはアクリロニトリル系共重合体やポリフツ化ビニリデンが良い。
また、原水中にバクテリアや藻類などの微生物が多く含まれる場合は、殺菌剤を添加することも好ましい。殺菌には塩素を用いることが好ましく、たとえば塩素ガスや次亜塩素酸ナトリウムを遊離塩素として1〜5mg/lの範囲内となるように原水に添加するとよい。この場合、なるべく原水の流れる方向に関して上流側で添加することが好ましい。この塩素は、あまり残留濃度が高いと複合半透膜を劣化させるため、膜の原水入口側近傍にて残留塩素濃度を測定し、この測定値に基づいて塩素ガスや次亜塩素酸ナトリウムの添加量を制御したり、亜硫酸水素ナトリウムなどを添加し還元するとよい。
さらに、原水中にフミン質や水溶性高分子など溶解性の有機物が多く含まれる場合には、塩素ガスや次亜塩素酸ナトリウムの添加によりそれら有機物を分解したり、活性炭ろ過により除去すればよい。また、溶解性の無機物が多く含まれている場合は、有機系高分子電解質やヘキサメタ燐酸ソーダなどのキレート剤を添加したり、イオン交換樹脂などを用いて溶解性イオンと交換したりするとよい。鉄やマンガンが可溶な状態で存在しているときは、曝気酸化ろ過法や接触酸化ろ過法などを用いることが好ましい。
また、本発明における脱塩装置は特に限定されるものではなく、逆浸透膜装置、蒸発法装置、電気透析装置、凍結脱塩装置などが挙げられる。この中でも、処理効率向上のためにスケール発生が問題になっている逆浸透膜装置や蒸発法装置への適用が特に好ましい。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例において除去率は次式により求めた。
除去率(%)={1−(透過液中の溶質濃度)/(供給液中の溶質濃度)}×100
原水および透過水中の溶質濃度のうち、陽イオンはICP発光分析装置、また、陰イオン濃度の測定はイオンクロマトグラフ法で行った。
原水および透過水中の溶質濃度のうち、陽イオンはICP発光分析装置、また、陰イオン濃度の測定はイオンクロマトグラフ法で行った。
また、透過流束は単位時間(日)に単位面積(m2)当たりの膜を透過する透過水量(m3/m2・日)で求めた。
<参考例>
実施例および比較例において使用した繊維補強ポリスルホン微多孔性支持膜(支持体)は、以下の手法により製造した。
<参考例>
実施例および比較例において使用した繊維補強ポリスルホン微多孔性支持膜(支持体)は、以下の手法により製造した。
タテ30cmヨコ20cmの大きさのポリエステル繊維からなるタフタ(タテ糸、ヨコ糸とも30本の単糸よりなる16.665テックスのマルチフィラメント糸、織密度タテ3543本/m、ヨコ2638本/m、厚さ160μm)をガラス板上に固定し、その上にポリスルホン(ユニオン・カーバイト社製のUdel(登録商標)−P3500)の15重量%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を200μmの厚みで室温(20℃)でキャストし、ただちに純水中に室温で浸漬して5分間放置することによって繊維補強ポリスルホン微多孔性支持膜(以下FR−PS支持体と略す)を作製する。このようにして得られたFR−PS支持体(厚さ210〜215μm)の透過流束は、圧力0.1MPa、温度25℃で測定して1.7m3/m2・日であった。
<実施例1>
参考例によって得られるFR−PS支持体に、ピペラジン0.8重量%、1,3−ビス(4−ピペリジル)プロパン0.2重量%、界面活性剤(日本乳化剤(株)製ニューコール271A)0.5重量%、リン酸三ナトリウム1.0重量%を含有した水溶液を塗布し、エアーナイフで液切りした後、120℃の温風で40秒間風乾した。その後、トリメシン酸クロライドを0.3重量%のデカン溶液を塗布し、その後、100℃の熱風で5分間熱処理し、反応を進行させてから、炭酸ナトリウム5.0重量%とドデシル硫酸ナトリウム0.1重量%からなるアルカリ水溶液を塗布して、反応を停止させた。このようにして得られた複合半透膜を85℃の温水で2時間浸漬処理した。
<実施例1>
参考例によって得られるFR−PS支持体に、ピペラジン0.8重量%、1,3−ビス(4−ピペリジル)プロパン0.2重量%、界面活性剤(日本乳化剤(株)製ニューコール271A)0.5重量%、リン酸三ナトリウム1.0重量%を含有した水溶液を塗布し、エアーナイフで液切りした後、120℃の温風で40秒間風乾した。その後、トリメシン酸クロライドを0.3重量%のデカン溶液を塗布し、その後、100℃の熱風で5分間熱処理し、反応を進行させてから、炭酸ナトリウム5.0重量%とドデシル硫酸ナトリウム0.1重量%からなるアルカリ水溶液を塗布して、反応を停止させた。このようにして得られた複合半透膜を85℃の温水で2時間浸漬処理した。
次に、加熱処理後の複合半透膜を次のように評価した。すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理した。その結果、運転圧力は1.7MPa、イオンクロマトグラフで測定した塩化物イオン除去率は30%、硫酸イオン除去率は99.5%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.5MPa、塩化物イオン除去率は29%、硫酸イオン除去率は99.2%と、イオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、運転圧力は、1.7MPaとほぼ初期値を維持し、イオン除去性能も初期値から変化しなかった。
<実施例2>
反応停止後の加熱処理を70℃の温水で5時間浸漬処理するとした以外は、実施例1と同様に複合半透膜を得て評価した。4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.6MPa、塩化物イオン除去率は31%、硫酸イオン除去率は99.5%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.4MPa、塩化物イオン除去率は29%、硫酸イオン除去率は99.4%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、運転圧力は、1.7MPaと実施例1と同様にほぼ初期値を維持し、イオン除去性能も初期値から変化しなかった。
<実施例3>
反応停止後の加熱処理を60℃の温水で2時間浸漬処理するとした以外は、実施例1と同様に複合半透膜を得て評価した。4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.4MPa、塩化物イオン除去率は27%、硫酸イオン除去率は99.4%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.2MPa、塩化物イオン除去率は26%、硫酸イオン除去率は99.4%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、運転圧力は、1.6MPaと運転圧力はやや上昇したが、イオン除去性能は初期値から変化しなかった。
<実施例4>
反応停止後の加熱処理を85℃の温水で30分浸漬処理するとした以外は、実施例1と同様に複合半透膜を得て評価した。4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.3MPa、塩化物イオン除去率は22%、硫酸イオン除去率は99.4%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.0MPa、塩化物イオン除去率は20%、硫酸イオン除去率は99.3%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、運転圧力は、1.6MPaと運転圧力はやや上昇したが、イオン除去性能は初期値から変化しなかった。
<実施例5>
反応停止後に加熱処理を施さず、得られた複合半透膜を原液流路材、透過液流路材と共に集水管の周囲に巻囲し、直径10cm、全長1m、有効膜面積6.5m2のスパイラル型エレメント(流体分離素子)を得た。このエレメントに、原水として85℃の温水を圧力0.2MPa、流量5L/分で2時間通水し、加熱処理を施した。
<実施例2>
反応停止後の加熱処理を70℃の温水で5時間浸漬処理するとした以外は、実施例1と同様に複合半透膜を得て評価した。4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.6MPa、塩化物イオン除去率は31%、硫酸イオン除去率は99.5%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.4MPa、塩化物イオン除去率は29%、硫酸イオン除去率は99.4%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、運転圧力は、1.7MPaと実施例1と同様にほぼ初期値を維持し、イオン除去性能も初期値から変化しなかった。
<実施例3>
反応停止後の加熱処理を60℃の温水で2時間浸漬処理するとした以外は、実施例1と同様に複合半透膜を得て評価した。4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.4MPa、塩化物イオン除去率は27%、硫酸イオン除去率は99.4%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.2MPa、塩化物イオン除去率は26%、硫酸イオン除去率は99.4%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、運転圧力は、1.6MPaと運転圧力はやや上昇したが、イオン除去性能は初期値から変化しなかった。
<実施例4>
反応停止後の加熱処理を85℃の温水で30分浸漬処理するとした以外は、実施例1と同様に複合半透膜を得て評価した。4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.3MPa、塩化物イオン除去率は22%、硫酸イオン除去率は99.4%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.0MPa、塩化物イオン除去率は20%、硫酸イオン除去率は99.3%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、運転圧力は、1.6MPaと運転圧力はやや上昇したが、イオン除去性能は初期値から変化しなかった。
<実施例5>
反応停止後に加熱処理を施さず、得られた複合半透膜を原液流路材、透過液流路材と共に集水管の周囲に巻囲し、直径10cm、全長1m、有効膜面積6.5m2のスパイラル型エレメント(流体分離素子)を得た。このエレメントに、原水として85℃の温水を圧力0.2MPa、流量5L/分で2時間通水し、加熱処理を施した。
次に、このようにして得られた複合半透膜エレメントを次のように評価した。すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整したものを原水として、濃縮水流量が20L/分、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理した。その結果、運転圧力は、1.8MPa、イオンクロマトグラフで測定した塩化物イオン除去率は26%、硫酸イオン除去率は99.0%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は、1.5MPa、塩化物イオン除去率は23%、硫酸イオン除去率は99.0%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れていた。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、25℃に温度を下げたところ、運転圧力は、1.9MPaと実施例1と同様にほぼ初期値を維持し、イオン除去性能も初期値から変化しなかった。
<比較例1>
反応停止後に加熱処理を施さなかった以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製し、次のように評価した。すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は0.9MPa、塩化物イオン除去率は9%、硫酸イオン除去率は99.3%であった。また、この膜を25℃で実施例1と同じ圧力1.7MPaに上げて運転したところ、塩化物イオン除去率は33%と、実施例1と同等まで上がったが、透過流束は1.05m3/m2・日となり、ファウリング危険領域の透過流束であった。つづいて、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は、0.8MPa、塩化物イオン除去率は8%、硫酸イオン除去率は99%となり、硫酸イオン阻止率は実施例と同等であったものの、塩化物イオン阻止率が非常に低かった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、25℃に温度を下げたところ、イオン除去性能は初期値から変化しなかったが、運転圧力は、2.2MPaまで上昇した。この膜を実施例1と同じ運転圧力1.7MPaにしたところ、塩化物イオン除去率は5%、硫酸イオン除去率は98%に低下した。
<比較例2>
反応停止後に加熱処理を85℃温水に5分浸漬するとした以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製し、次のように評価した。すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理した。その結果、運転圧力は1.0MPa、塩化物イオン除去率は10%、硫酸イオン除去率は99.3%であった。また、この膜を25℃で実施例1と同じ圧力1.7MPaに上げて運転したところ、塩化物イオン除去率は34%と、実施例1と同等まで上がったが、透過流束は0.99m3/m2・日となり、ファウリング危険領域の透過流束であった。つづいて、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は、0.9MPa、塩化物イオン除去率は9%、硫酸イオン除去率は99%となり、硫酸イオン阻止率は実施例と同等であったものの、塩化物イオン阻止率が非常に低かった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、25℃に温度を下げたところ、イオン除去性能は初期値から変化しなかったが、運転圧力は、2.1MPaまで上昇した。この膜を実施例1と同じ運転圧力1.7MPaにしたところ、塩化物イオン除去率は6%、硫酸イオン除去率は98%に低下した。
<比較例3>
反応停止後に50℃の温水で5分間浸漬処理した以外は比較例1と同様にして複合半透膜を作製し、評価した結果、比較例1と比べて変化がなかった。
<比較例4>
エレメントにした後に加熱処理を施さなかった以外は実施例3と同様に複合半透膜エレメントを作製し、次のように評価した。すなわち、すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整したものを原水として、濃縮水流量が20L/分、実施例3と同じ運転圧力1.8MPaで処理運転したところ、塩化物イオン除去率は25%と、実施例と同等まで上がったが、透過流束は0.95m3/m2・日となり、ファウリング危険領域の透過流束であった。つづいて、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.0MPa、塩化物イオン除去率は7%、硫酸イオン除去率は98.5%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、イオン除去性能は初期値から変化しなかったが、運転圧力は、2.4MPaまで上昇した。この膜を実施例1と同じ運転圧力1.7MPaにしたところ、塩化物イオン除去率は6%、硫酸イオン除去率は96%に低下した。
<比較例5>
参考例によって得られるFR−PS支持体を、m−フェニレンジアミン3.0wt%水溶液中に1分間浸漬した。該支持体を垂直方向にゆっくりと引上げ、支持体表面から余分な水溶液を取除いた後、全酸クロライド濃度0.1wt%、組成としてトリメシン酸クロライドとトリメリット酸クロライド無水物のモル比を5:5としたデカン溶液を、表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に膜を垂直にして余分な溶液を液切りして除去した後、膜面に残った溶媒を蒸発させるために膜表面での風速が8m/s、温度30℃の空気を1分間吹き付けた。この膜を炭酸ナトリウムの1wt%と、ラウリル硫酸ナトリウム0.3wt%とを含む水溶液に2分間浸漬して反応を停止させた後、十分に水洗した。つづいて、90℃、2分間熱水洗浄した後、pH7,500ppmの塩素濃度の水溶液に2分間浸漬して複合半透膜を得た。このようにして得られた複合半透膜を85℃の温水で2時間浸漬処理した。
<比較例1>
反応停止後に加熱処理を施さなかった以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製し、次のように評価した。すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は0.9MPa、塩化物イオン除去率は9%、硫酸イオン除去率は99.3%であった。また、この膜を25℃で実施例1と同じ圧力1.7MPaに上げて運転したところ、塩化物イオン除去率は33%と、実施例1と同等まで上がったが、透過流束は1.05m3/m2・日となり、ファウリング危険領域の透過流束であった。つづいて、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は、0.8MPa、塩化物イオン除去率は8%、硫酸イオン除去率は99%となり、硫酸イオン阻止率は実施例と同等であったものの、塩化物イオン阻止率が非常に低かった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、25℃に温度を下げたところ、イオン除去性能は初期値から変化しなかったが、運転圧力は、2.2MPaまで上昇した。この膜を実施例1と同じ運転圧力1.7MPaにしたところ、塩化物イオン除去率は5%、硫酸イオン除去率は98%に低下した。
<比較例2>
反応停止後に加熱処理を85℃温水に5分浸漬するとした以外は実施例1と同様にして複合半透膜を作製し、次のように評価した。すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理した。その結果、運転圧力は1.0MPa、塩化物イオン除去率は10%、硫酸イオン除去率は99.3%であった。また、この膜を25℃で実施例1と同じ圧力1.7MPaに上げて運転したところ、塩化物イオン除去率は34%と、実施例1と同等まで上がったが、透過流束は0.99m3/m2・日となり、ファウリング危険領域の透過流束であった。つづいて、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は、0.9MPa、塩化物イオン除去率は9%、硫酸イオン除去率は99%となり、硫酸イオン阻止率は実施例と同等であったものの、塩化物イオン阻止率が非常に低かった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、25℃に温度を下げたところ、イオン除去性能は初期値から変化しなかったが、運転圧力は、2.1MPaまで上昇した。この膜を実施例1と同じ運転圧力1.7MPaにしたところ、塩化物イオン除去率は6%、硫酸イオン除去率は98%に低下した。
<比較例3>
反応停止後に50℃の温水で5分間浸漬処理した以外は比較例1と同様にして複合半透膜を作製し、評価した結果、比較例1と比べて変化がなかった。
<比較例4>
エレメントにした後に加熱処理を施さなかった以外は実施例3と同様に複合半透膜エレメントを作製し、次のように評価した。すなわち、すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整したものを原水として、濃縮水流量が20L/分、実施例3と同じ運転圧力1.8MPaで処理運転したところ、塩化物イオン除去率は25%と、実施例と同等まで上がったが、透過流束は0.95m3/m2・日となり、ファウリング危険領域の透過流束であった。つづいて、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.0MPa、塩化物イオン除去率は7%、硫酸イオン除去率は98.5%と、実施例1同様にイオン分離特性に優れた膜であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、イオン除去性能は初期値から変化しなかったが、運転圧力は、2.4MPaまで上昇した。この膜を実施例1と同じ運転圧力1.7MPaにしたところ、塩化物イオン除去率は6%、硫酸イオン除去率は96%に低下した。
<比較例5>
参考例によって得られるFR−PS支持体を、m−フェニレンジアミン3.0wt%水溶液中に1分間浸漬した。該支持体を垂直方向にゆっくりと引上げ、支持体表面から余分な水溶液を取除いた後、全酸クロライド濃度0.1wt%、組成としてトリメシン酸クロライドとトリメリット酸クロライド無水物のモル比を5:5としたデカン溶液を、表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に膜を垂直にして余分な溶液を液切りして除去した後、膜面に残った溶媒を蒸発させるために膜表面での風速が8m/s、温度30℃の空気を1分間吹き付けた。この膜を炭酸ナトリウムの1wt%と、ラウリル硫酸ナトリウム0.3wt%とを含む水溶液に2分間浸漬して反応を停止させた後、十分に水洗した。つづいて、90℃、2分間熱水洗浄した後、pH7,500ppmの塩素濃度の水溶液に2分間浸漬して複合半透膜を得た。このようにして得られた複合半透膜を85℃の温水で2時間浸漬処理した。
次に、加熱処理後の複合半透膜を次のように評価した。すなわち、NaCl=30.762g/l, Na2SO4=5.151g/l, KCl=0.949g/l, NaHCO3=0.252g/l, MgCl2=6.521g/l, CaCl2=1.475g/lの組成で全溶質濃度が4.5%の模擬海水をpH6.5、25℃に調整し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理した。その結果、運転圧力は1.8MPa、イオンクロマトグラフで測定した塩化物イオン除去率は42%、硫酸イオン除去率は96.5%であった。また、模擬海水を45℃に昇温し、透過流束が0.5m3/m2・日となるように処理したところ、運転圧力は1.6MPa、塩化物イオン除去率は39%、硫酸イオン除去率は97.0%であった。さらに、このまま45℃で同じ透過流束に制御しながら、4週間運転した後、温度を25℃に下げたところ、運転圧力は2.0MPaと初期値に比べ、やや圧力が上昇したが、イオン除去性能も初期値から変化しなかった。
<比較例6>
得られた複合半透膜を85℃の温水に2時間浸漬処理しない他は比較例5と同様に複合半透膜を得て、評価したところ、比較例5と同じ結果となり、熱処理の効果は見られなかった。
<比較例6>
得られた複合半透膜を85℃の温水に2時間浸漬処理しない他は比較例5と同様に複合半透膜を得て、評価したところ、比較例5と同じ結果となり、熱処理の効果は見られなかった。
本発明による複合半透膜、流体分離素子は、高温安定性と高いイオン分離性能を併せ有するので、水温の高い中東やカリブ海諸国での海水淡水化に特に好適に用いることができる。
Claims (12)
- 少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成する複合半透膜の製造方法であって、前記多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、前記架橋ポリアミドの薄膜層に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施すことを特徴とする複合半透膜の製造方法。
- 前記加熱処理が前記薄膜層に加熱水を接触するものである、請求項1記載の複合半透膜の製造方法。
- 80℃〜100℃の範囲内でかつ1時間〜3時間の範囲内で前記加熱処理を施す、請求項1または2記載の複合半透膜の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかの方法によって得られた複合半透膜。
- pH6.5、全溶質濃度4.5重量%の模擬海水を透過流束0.5m3/m2・日で透過させたときの塩化物イオン阻止率が60%以下であるとともに硫酸イオン阻止率が90%以上である、請求項4または5記載の複合半透膜。
- 少なくとも脂肪族アミンを含む多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合反応させた架橋ポリアミドの薄膜層を支持体上に形成した複合半透膜を筐体内に配置した流体分離素子の処理方法であって、前記多官能アミンと前記多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応が停止している状態で、流体分離素子に対して60〜100℃の範囲内でかつ15分以上の加熱処理を施すことを特徴とする流体分離素子の処理方法。
- 前記加熱処理が加熱水を接触するものである、請求項7記載の流体分離素子の処理方法。
- 80℃〜100℃の範囲内でかつ1時間〜3時間の範囲内で前記加熱処理を施す、請求項7または8記載の流体分離素子の処理方法。
- 請求項4〜6のいずれかの複合半透膜もしくは請求項7〜10のいずれかの処理を施した流体分離素子と、脱塩装置とを備えてなることを特徴とする淡水製造装置。
- 供給水を請求項4〜6のいずれかの複合半透膜もしくは請求項7〜10のいずれかの処理を施した流体分離素子で処理して透過水と濃縮水とに分離し、得られた透過水をさらに脱塩して淡水を得ることを特徴とする淡水製造方法。
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