JP2005140947A - 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フラーレン類を用いた高感度な感光体。
【解決手段】 電荷発生層あるいは感光層にフラーレン類と同時に正孔輸送剤および電子輸送材料を同時に含有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 電荷発生層あるいは感光層にフラーレン類と同時に正孔輸送剤および電子輸送材料を同時に含有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は電子写真感光体並びに該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
従来電子写真感光体に、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導性物質が広く用いられていた。一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体としては、ポリ-N-ビニルカルバゾールや2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールのような低分子の有機光導電性物質を用いたもの、更には、かかる有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。
一方で近年、C60やC70といったフラーレン類の半導体物性に注目した研究が広くなされている。例えばUSP5,250,378号には、フラーレン類が光導電機能を有することが報告されており、また特開平9-73180には、更に高効率な電荷発生効率を有する光導電層を具現化する方法が開示されている。
フラーレン類を電荷発生物質として効率良く機能させるために、特定の結晶状態で利用することが重要である。しかしながら、結晶状態でフラーレン類を用いて電子写真感光体を作成するには、感光層を形成する際の作成条件により結晶状態が変化してしまい、該電子写真感光体の電子写真特性が大幅に変化する問題となっている。
以上の問題点を鑑み、本発明は、電子写真に於いて、製造が容易で、かつ高感度を有する電子写真感光体を安定的に提供すること、該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真感光体を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、感光層中に電荷発生物質としてフラーレン類を含有する際、正孔輸送剤及び電子輸送剤を同時に該フラーレン類とを、感光層に含有することで電荷発生効率が向上することを見出した。これは光照射によりフラーレン類から発生した電荷対が、フラーレン類近傍に局在する正孔輸送材料及び電子輸送材料により、速やかに分離されることで高感度が実現されているものと予想される。ここで用いることのできる電子輸送剤の還元電位は-0.2から-1.2Vの範囲が好ましく、より好ましくは-0.5から-0.8Vの範囲である。正孔輸送材料の酸化電位は0.5から1.0Vの範囲が好ましく、より好ましくは0.6から0.9Vの範囲である。正孔輸送材料としては広く公知の材料を用いることが可能であるが、より好ましくは一般式(I)で示されるポリシラン化合物が挙げられる。ここで用いるポリシランとして特公平9-325507に示されるものが知られている。
また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジから構成される。
また、本発明は前記本発明の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
フラーレンとは、12個の五員環と2個以上の六員環からなる、C24以上のサイズの球殻状に閉じた炭素分子の総称である。一般的にはC60以上の大きさの分子をフラーレンと呼ぶ。本発明において用いられるフラーレンとして、一般的なC60の他、C70、C76、C82といった構成炭素数の多い高次フラーレンを用いることも可能である。また、これら球殻状のものの他に、円柱形のナノチューブや、球殻状で更に多重化したバッキーオニオンといったものがフラーレン類として挙げることが出来る。一方、これらフラーレンを元にした、フラーレン化合物や、フラーレンを形成する炭素で形成される籠の中に金属原子等を内包するフラーレンも、フラーレン類として挙げることが出来る。
本発明の電子写真感光体の構成は、導電性支持体上に感光層として電荷発生物質及び正孔輸送物質、電子輸送物質を含有することを特徴とし、該感光層のみで用いる単層形態、あるいは更に電荷輸送層を積層した形態のいずれの場合も可能である。これらのいずれの電子写真感光体に耐摩耗性能、環境特性の向上を目的として保護層を設けることが可能である。
次に本発明による電子写真感光体を具体的に説明する。本発明の電子写真感光体の構成は、導電性支持体上に形成された感光層中に電荷発生物質としてフラーレン類およびその誘導体の少なくとも一種と正孔輸送材料、電子輸送材料を含有した、所謂単層型感光体、あるいは前述感光層を電荷発生層とし、別途電荷輸送層を形成した機能分離型(積層型)感光体のいずれの構成をとることも可能である。
単層の感光層では光キャリアの生成と移動が同一層内で行なわれ、また感光層そのものが表面層となる。一方積層の感光層では、光キャリアを生成する電荷発生層と生成したキャリアが移動する電荷輸送層とが積層された構成をとる。積層感光層において表面側の層となるのは、電荷発生層または電荷輸送層のどちらでもよい。また、単層、積層どちらの場合においても、感光層の上層に保護層を設けることが可能であり、この場合保護層が表面層となる。
本発明の電子写真感光体の導電性支持体は、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウムなどの金属や合金、あるいは前記金属の酸化物、カーボン、導電性高分子などが使用可能である。形状は円筒状、円柱状などのドラム形状と、ベルト状、シート状のもののいずれも可能である。前記導電性材料は、そのまま成形加工される場合、塗料として用いられる場合、蒸着される場合や、エッチング、プラズマ処理により加工される場合もある。塗料の場合、支持体は前記金属、合金はもちろん、紙、プラスチック等も用いることが可能である。
更に、支持体上に支持体支持体のムラや欠陥の被覆及び画像入力がレーザー光の場合には散乱による干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。これは、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物等の導電性粉体を、バインダー樹脂中に分散して形成することができる。
また、導電性支持体あるいは導電層と感光層との間に下引き層を設けてもよい。下引き層は、界面での電荷注入制御や接着層として機能する。下引き層は、主にバインダー樹脂から成るが、前記金属や合金、またはそれらの酸化物、塩類、界面活性剤などを含んでもよい。下引き層を形成するバインダー樹脂の具体例としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂などが挙げられる。下引き層の膜厚は、好ましくは0.05〜7μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。
本発明における感光層が機能分離型の感光層の層構成である場合には電荷発生層および電荷輸送層を積層する。しかしながら、成膜する順序は特に制限されるものではない。
本発明において電荷発生物質として、少なくとも一種類以上のフラーレン類が用いられており、同時に他の電荷発生材料と共に用いられてもよい。
同時に用いることのできる電荷発生材料としては一般に、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属および結晶系、具体的には例えばα、β、γ、εおよびX型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、およびキノシアニンなどが挙げられる。
電子輸送材料の例としては、パラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロルアニル、ブロモアニル、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントンなどの電子吸引性物質等が挙げられる。
正孔輸送材料の例としては、ピレン系物、N−アルキルカルバゾール系化合物、ヒドラゾン系化合物、N,N−ジアルキルアニリン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、スチルベン系化合物、ポリシラン化合物等が挙げられる。
また、これら電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質以外に、バインダー樹脂を用いることも可能である。結着樹脂の具体例として、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミドーイミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアルルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂等が挙げられる。
本発明に用いられる正孔輸送材料及び電子輸送材料の酸化還元電位は以下の方法により測定される。
(酸化還元電位の測定法)
飽和カロメル電極を参照電極とし、0.1N−(n−Bu)4 N+ ClO4 -アセトニトリル溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、得られた電流−電位曲線がピークを示したときの電位を還元電位とした。詳しくは、サンプルを、0.1N−(n−Bu)4 N+ ClO4-アセトニトリル(酸化電位測定時)/ジクロロメタン(還元電位測定時)溶液に10mmol%程度の濃度になるように溶解する。そしてこのサンプル溶液に作用電極によって電圧を加え、電圧を高電位から低電位に直線的に変化させた時の電流変化を測定し、電流−電位曲線を得る。この電流−電位曲線において電流値がピーク(ピークが複数ある場合には、最初のピークE1、E2を得て、以下の計算式により酸化還元電位を求めた。
酸化還元電位=(E1+E2)/2 (V)
-0.2から-1.2Vの還元電位を有する化合物、および0.5から1.0Vの酸化電位を有する化合物の好ましい例を、測定した還元電位の値と共に表1及び表2に示す。
飽和カロメル電極を参照電極とし、0.1N−(n−Bu)4 N+ ClO4 -アセトニトリル溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、得られた電流−電位曲線がピークを示したときの電位を還元電位とした。詳しくは、サンプルを、0.1N−(n−Bu)4 N+ ClO4-アセトニトリル(酸化電位測定時)/ジクロロメタン(還元電位測定時)溶液に10mmol%程度の濃度になるように溶解する。そしてこのサンプル溶液に作用電極によって電圧を加え、電圧を高電位から低電位に直線的に変化させた時の電流変化を測定し、電流−電位曲線を得る。この電流−電位曲線において電流値がピーク(ピークが複数ある場合には、最初のピークE1、E2を得て、以下の計算式により酸化還元電位を求めた。
酸化還元電位=(E1+E2)/2 (V)
-0.2から-1.2Vの還元電位を有する化合物、および0.5から1.0Vの酸化電位を有する化合物の好ましい例を、測定した還元電位の値と共に表1及び表2に示す。
本発明に用いられる電荷発生物質の含有量は、感光層中0.1〜70質量%であることが好ましい。
本発明に用いられる正孔輸送材料及び電子輸送材料は、上記測定法によって測定されたものであり、正孔輸送材料の酸化電位が0.5から1.0V、電子輸送材料の還元電位が-0.2から-1.2Vであるような化合物であれば特に限定されるものではない。但し、成膜性や均一性の点から有機溶剤に溶解性を示し、結着樹脂に均一に溶解するものが好ましい。電荷輸送材料の添加量は結着樹脂に対して0.1〜200質量%であることが好ましく、特には10〜100質量%であることが好ましい。なお、電荷輸送材料における正孔輸送材料および電子輸送材料の比率は特に限定されるものではない。
感光層のみで構成される単層感光体の膜厚は、8〜40μmが好ましく、より好ましくは12〜30μmである。電荷発生物質や電荷輸送物質等の光導電性材料を好ましくは10〜100質量%含有するが、より好ましくは30〜100質量%である。
電荷輸送機能を有する感光層と、機能分離された電荷輸送層を形成する場合、感光層の膜厚は0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmである。
電荷輸送層は正孔輸送材料あるいは電子輸送材料からなり、それらを同時に含有することも可能である。また、同時にバインダー樹脂を用いることも可能である。これら正孔輸送材料、電子輸送材料、バインダー樹脂として前述材料がそれぞれ使用することが可能である。
機能分離された電荷輸送層の膜厚は、8〜40μmが好ましく、より好ましくは12〜30μmである。電荷輸送物質を好ましくは10〜100質量%含有するが、より好ましくは30〜100質量%である。電荷輸送材料における正孔輸送材料および電子輸送材料の比率は特に限定されるものではない。
本発明の電子写真感光体には耐摩耗性能、環境特性の向上を目的として保護層を設けることが可能である。保護層を設ける場合、その膜厚は0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜7μmである。保護層は電荷発生物質または電荷輸送物質を含有してもよい。更に保護層中に金属及びその酸化物、窒化物、塩、合金やカーボン等の導電性材料を含有してもよい。かかる金属種としては、鉄、銅、金、銀、鉛、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモン、インジウムなどが挙げられる。具体的には、ITO、TiO2、ZnO、SnO2 、Al2 O3等が使用可能である。導電性材料は微粒子状のものを保護層中に分散させるが、その粒子径は好ましくは0.001〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmのものが用いられ、その保護層への添加量は、好ましくは1〜70wt%、より好ましくは5〜50wt%である。分散剤としてチタンカップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性などを用いてもよい。
感光層を構成する各層には、酸化防止剤や光劣化防止剤等各種添加剤を用いてもよい。また、表面層にはその滑性や撥水性を改善する目的で各種フッ素化合物やシラン化合物、金属酸化物等あるいはそれらの微粒子等を含有してもよい。これらの分散性を改善する目的で分散剤や界面活性剤を用いてもよい。表面層におけるこれら添加物の含有量は好ましくは1〜70wt%、より好ましくは5〜50wt%である。
本発明の電子写真感光体の製造方法としては、蒸着、塗布等の方法が用いられる。塗布による方法は、薄膜から厚膜まで広い範囲で、しかもさまざまな組成の膜が形成可能である。具体的には、バーコーター、ナイフコーター、浸漬塗布、スプレー塗布、ビーム塗布、静電塗布、ロールコーター、アトライター、粉体塗布などで塗布される。いずれの場合も、溶剤を同時に用いる際には、用いるフラーレン類に対する溶解度への配慮が必要となる。
次に、本発明のプロセスカートリッジ並びに電子写真装置について説明する。図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過程で一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段3(不図示)からの露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー画像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段9にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図に示すように、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
本発明の電子写真感光体は、電荷発生物質としてフラーレン類を用い、電荷分離機能を高める目的で、正孔輸送材料及び電子輸送材料を同時に含有することで、高感度を可能とし、その際、フラーレン類の結晶性を操作することが高感度化に大きく寄与することを示した。また、フラーレン類を用いた光導電体は400〜600nmと、従来の電子写真感光体より短波長側での感度に優れ、赤色あるいは赤外光を用いる電子写真装置と比較し、より解像度の高い電子写真装置に適用することが可能となるという顕著な効果を奏する。
(実施例1)
本実施例における電子写真感光体は以下の通りである。まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、レゾール型フェノール樹脂25部、メチセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。上記塗料をφ30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
本実施例における電子写真感光体は以下の通りである。まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、レゾール型フェノール樹脂25部、メチセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。上記塗料をφ30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
次に、N-メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、下引き層用塗料を調製した。上記塗料を前記導電層上に浸漬塗布し、100℃で20分間乾燥して、膜厚0.6μmの下引き層を形成した。
次に電荷発生物質として炭素数60で構成される純度99%のフラーレンC601質量部、表1記載の化合物[A1]50質量部、表2記載の化合物[B4]50質量部、下記構造式の繰り返し単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量22000)100質量部
をクロロベンゼン800部に溶解した単層感光体用塗料を調製した。この塗料を前記下引き層上に浸漬塗布し、120℃で60分間熱風乾燥して、膜厚20μmの感光層を形成し、電子写真感光体を作成した。
作成した電子写真感光体について、その電子写真特性を、ジェンテック社製ドラム試験機シンシア91を用いて評価を行う。作成した感光ドラムを20rpmで回転し、スコロトロン帯電器で帯電を行う。その際、帯電電位-700Vとなるようにスコロトロン帯電器のグリッド印加電圧を調整する。露光はハロゲンランプをダイクロックミラーで425nmに単色光化したものを用いる。表3にグリッド印加電圧および半減露光量E1/2を記載する。
(実施例2)
実施例1において、電荷発生物質を純度99%のフラーレン混合物(炭素数60:78部、炭素数70:21部)に代えた以外は、実施例1と同様に感光体を作成、評価を行った。なお、露光には500nmの単色光を用い、その結果を表3に記載する。
実施例1において、電荷発生物質を純度99%のフラーレン混合物(炭素数60:78部、炭素数70:21部)に代えた以外は、実施例1と同様に感光体を作成、評価を行った。なお、露光には500nmの単色光を用い、その結果を表3に記載する。
(実施例3〜5)
実施例2において、化合物[A1]を[A8]〜[A10]に代えた以外は、実施例1と同様に感光体を作成、評価を行い、その結果を表3に記載する。
実施例2において、化合物[A1]を[A8]〜[A10]に代えた以外は、実施例1と同様に感光体を作成、評価を行い、その結果を表3に記載する。
(比較例1)
実施例1と同様に、アルミシリンダー上に導電層、下引き層を形成する。
実施例1と同様に、アルミシリンダー上に導電層、下引き層を形成する。
次に電荷発生物質として炭素数60で構成される純度99%のフラーレンC601質量部、表2記載の化合物[B4]100質量部、下記構造式の繰り返し単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量22000)100質量部
をクロロベンゼン800部に溶解した単層感光体用塗料を調製した。この塗料を前記下引き層上に浸漬塗布し、120℃で60分間熱風乾燥して、膜厚20μmの感光層を形成し、電子写真感光体を作成した。実施例1と同様に評価を行い、その結果を表3に記載する。
(実施例6)
実施例1と同様に、アルミシリンダー上に導電層、下引き層を形成する。
実施例1と同様に、アルミシリンダー上に導電層、下引き層を形成する。
次に炭素数60で構成される純度99%のフラーレンC602質量部、表1記載の化合物[A1]0.5質量部、表2記載の化合物[B1]0.5質量部、下記構造式の繰り返し単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量22000)1質量部
をクロロベンゼン150部に溶解した単層感光体用塗料を調製した。この塗料を前記下引き層上に浸漬塗布し、120℃で60分間熱風乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として表2記載の化合物[B1]10質量部、下記構造式の繰り返し単位を有する前記ポリカーボネート10質量部をクロロベンゼン60部に溶解した電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃で60分間熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成し、実施例1と同様に評価し、その結果を表3に記載する。
(実施例7〜15)
実施例6において、化合物[B1]を[B2]〜[B10]に代えた以外は、実施例6と同様に感光体を作成、評価を行い、その結果を表3に記載する。
実施例6において、化合物[B1]を[B2]〜[B10]に代えた以外は、実施例6と同様に感光体を作成、評価を行い、その結果を表3に記載する。
(実施例16)
実施例6の電荷発生層において、化合物[B1]を下記化合物(質量平均分子量75,000)に代えた以外、実施例6と同様に感光体を作成、評価を行い、その結果を表3に記載する。
実施例6の電荷発生層において、化合物[B1]を下記化合物(質量平均分子量75,000)に代えた以外、実施例6と同様に感光体を作成、評価を行い、その結果を表3に記載する。
(比較例2)
実施例6において、炭素数60で構成される純度99%のフラーレンC602質量部、下記構造式の繰り返し単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量22000)2質量部
実施例6において、炭素数60で構成される純度99%のフラーレンC602質量部、下記構造式の繰り返し単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量22000)2質量部
をクロロベンゼン150部に溶解した単層感光体用塗料を用いた以外は、実施例6と同様に感光体を作成、評価を行い、その結果を表3に記載する。
(実施例17)
次に感光体表面に保護層を設けた。下記構造式のアクリル系モノマー60部、
次に感光体表面に保護層を設けた。下記構造式のアクリル系モノマー60部、
分散前の平均粒径が400nmの酸化スズ超微粒子60部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)50部、光重合開始剤としての2−メチルチオキサントン20部、メタノール400部をサンドミルにて、66時間分散を行った。
この分散液を用いて、実施例1の電子写真感光体上に浸漬塗布法により、膜を形成し、高圧水銀灯にて、150W/cm2の光強度で、20秒間、光硬化を行い、その後に120℃で、1時間、熱風乾燥して、保護層を形成した。この時得られた保護層の膜厚は3μmであった。また、保護層用分散液の分散性は良く、保護層表面はムラの無い均一な面であった。作成した感光体を、実施例1と同様に評価を行い、その結果を表3に記載する。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光部
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光手段
11 プロセスカートリッジ
12 レール
L レーザー光(走査露光光)
2 軸
3 帯電手段
4 露光部
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光手段
11 プロセスカートリッジ
12 レール
L レーザー光(走査露光光)
Claims (8)
- 導電性支持体上に感光層を形成し、該感光層中に少なくとも電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料を含有し、電荷発生材料としてフラーレンまたはその誘導体を少なくとも一種含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 感光層が電荷発生層及び電荷輸送層に機能分離されており、該電荷発生層中に少なくとも正孔輸送材料、電子輸送材料を、電荷発生材料としてフラーレンまたはその誘導体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 含有するフラーレンまたはその誘導体が炭素数60からなるフラーレンC60または炭素数70からなるフラーレンC70あるいはそれらの混合物である請求項1又は2記載の電子写真感光体。
- 感光層中に含有する電子輸送材料の還元電位が-0.2乃至-1.2Vの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3記載の電子写真感光体。
- 感光層中に含有する正孔輸送材料の酸化電位が0.5乃至1.0Vの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至6いずれか記載の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至7いずれか記載の電子写真感光体を有することを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003376544A JP2005140947A (ja) | 2003-11-06 | 2003-11-06 | 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003376544A JP2005140947A (ja) | 2003-11-06 | 2003-11-06 | 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置 |
Publications (1)
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ID=34687545
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JP2003376544A Withdrawn JP2005140947A (ja) | 2003-11-06 | 2003-11-06 | 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1867472A3 (de) * | 2006-06-02 | 2008-01-09 | InovisCoat GmbH | Verbundmaterial und Verfahren zum Herstellen eines derartigen Verbundmaterials |
WO2009104571A1 (ja) * | 2008-02-22 | 2009-08-27 | 富士電機デバイステクノロジー株式会社 | 電子写真感光体およびその製造方法、それを使用した電子写真装置 |
-
2003
- 2003-11-06 JP JP2003376544A patent/JP2005140947A/ja not_active Withdrawn
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WO2009104571A1 (ja) * | 2008-02-22 | 2009-08-27 | 富士電機デバイステクノロジー株式会社 | 電子写真感光体およびその製造方法、それを使用した電子写真装置 |
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