JP2005139574A - 編地端部除去装置及びそれを有する丸編機 - Google Patents

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Abstract

【構成】ストライパー(16)を装備した丸編機における編地端部除去装置(30)である。この装置(30)は、編地の編成部(10)と編地(F)に張力を掛けて引き下げる送出しローラ(26)との間に配置された幅出し装置(20)の一端に設けた少なくとも2個の切断手段(31)と、切断された編地端部(F1)を編地本体から分離するための除去手段とを有する。前記除去手段は、編機の外部に編地端部を吸引し排出する装置(32,33)でもよいし、編地端部を編機の内部で編地本体とは別に収納する装置でもよい。前記切断手段は、ロータリーカッター(31)でもよいし、はさみ型カッターでもよい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ストライパーを装備した丸編機で製造した編地から編糸の切り換え部(編地端部)を除去する装置に関する。またその装置を有する丸編機に関する。
ストライパーを装備した丸編機で製造した編糸の切り換え部(編地端部)を除去する装置として、編地が編成される際に生じる、切り換えられた糸端を自動的に切断し、そして刈り込むことが出来る糸端刈取装置がある。この先行技術として、例えば下記の特許文献1がある。
また、筒状の編地を編機上で開反し、1枚の編地の状態で貯蔵する装置として、本出願人自身が出願した開反装置がある。この先行技術として、例えば下記の特許文献2がある。
そして、2つの刃部が取り付けられた丸編機として、円筒状の編地の両側部を2つの刃部により開反し、別々の編地として巻き取る開反巻取り装置付き編組機がある。この先行技術として、例えば下記の特許文献3がある。
特公昭62−11105公報 特開平8−60501公報 特公平3−70026公報
ストライパーを装備した丸編機で製造した編地には、ストライパーによって糸が切り換えられた際に生じる糸の端が、筒状の編地の内側に自由に延びており、この切り換えられた糸端の長さは不都合に長い。そのために、従来から、編機から編地を取り出した後で、その編地からその切り換え部を除去していた。従って、この除去作業が通常より余分な工程になるために、編地を仕上げ加工するコストを増加させていた。
さらに、前述のように編糸の切り換え部では、切り換えられた糸端が筒状の編地の表面に延び、その状態で扁平状に巻き取れば、切り換え部が嵩高くなり、通常、編糸の切り換え部は編地ロールの片側に位置しているために、図5に示すように、編地ロールFの片側F3が鼓状になって正常に巻き取られなかった。
本発明の編地端部除去装置は、ストライパーを装備した丸編機における編地端部除去装置であって、編地の編成部と編地に張力を掛けて引き下げる送出しローラとの間に配置された幅出し装置の一端に設けた少なくとも2個の切断手段と、切断された編地端部を編地本体から分離するための除去手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の丸編機は、そのような編地端部除去装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、切断された編地端部を編地本体から分離するので、編地を加工する後工程において切り換え部を削除する工程を削減し、編地の加工費用を軽減できる。
さらに、少なくとも2個の切断手段の間隔を調整することで、所望する編地幅に編機上で加工することが可能になる。
また、ストライパーを装備した丸編機で製造した編地は、巻き取る際に、編糸の切り換え部である編地ロールの片側のみが鼓状になって異常に膨らみ所定の大きさまで編地ロールを巻き取ることができなかったが、通常の編機と同様に編地ロールの左右の大きさを均一に、所定の大きさまで巻き取ることが可能になる。
前記除去手段は、編機の外部に編地端部を吸引し排出する装置でもよいし、編地端部を編機の内部で編地本体とは別に収納する装置でもよい。一般的には風綿等の発生・蓄積防止の見地から前者が好ましい。
前記切断手段が、ロータリーカッターでもよいし、はさみ型カッターでもよい。一般的には前者が好ましい。前記切断手段の2個の切断手段の間の距離が調節可能とすることが好ましい。
また、編地を切断手段へ案内する編地案内手段を設けるのが好ましい。そのような編地案内手段としては、例えばカッターガイドとテープユニットのいずれか、又は、その双方を使用することができる。
図1は、ストライパーを装備した丸編機の編成部10および幅出し装置20を示した側面図である。
編成部10には、回転シリンダー11が配置され、回転シリンダーの外周には、垂直方向に多数の針溝12が形成されている。各針溝には垂直方向に活動自在な編針が収納されている。
回転シリンダー11と対向するカムホルダー13には編針を制御する制御カムが配置されている。
編成時に編針と協働するシンカーは水平方向に配置されたシンカーダイヤル14において半径方向に摺動自在である。シンカーはシンカーキャップに配置されているシンカーカムによって制御される。
回転シリンダー11の下部には、これと一体的に取り付けられた駆動ギア15があり、編機に配置されている駆動モータから変速装置を介して、駆動ギアを駆動している。
シリンダーの内側上方にはストライパー16が装備されている。ストライパーは、ストライパーダイヤル17に取り付けられている。
ストライパーダイヤル17には、その下方に幅出し装置20を垂下するためにホルダー21が固定されている。幅出し装置20は編機の回転と共に回転自在である。幅出し装置20としては、カドラテックス(英名:CADRATEX)と呼ばれる装置(日本特許第1314009号)を使用するのが好ましい。
前記ギアリング15には、巻き取りアーム22が少なくとも2個固定されている。巻き取りアーム22によって編地ガイド23,24および巻き取り装置が編機の回転と同速に回転している。編地ガイド23,24は、編地を開布するために使用している。
図1に示すように、編機の編成部10の下方で、かつ送出しローラ26の上方に編地端部除去装置30が配置されている。編地端部除去装置30は、図2(a)(b)に示すように、幅出し装置20の端部に配置された2個のロータリーカッター31と、丸編地Fの内側に配置された吸引開口部33を有する。
編成部10から編み下げられた丸編地Fは、前記巻き取りアーム22に固定されているT字型編地ガイド27によって、「く」字型断面(見る位置によっては逆「く」字型断面)に押し曲げられ、丸編地の内側に配置された幅出し装置20に沿って送出しローラ26まで斜め方向に進む。この状態で編地にはテンションが付与されている。図3に示すように、送出しローラ26の上部に配置されたカッターガイド28にはV字型の切り欠き部29が設けられ、切り欠き部の中心付近には円盤状のロータリーカッター31が設けられている。編地はV字型の端部29aと幅出し装置20の間を通ってカッター31まで案内される。
ストライパー16を装備した丸編機に必要な編糸の切り換え部分(図4(a)におけるF1に相当する)では、一般に、針を回転シリンダー11から適当な本数毎に抜き取って2重編みの際に編針に掛かる負担を軽減している。このため、その部分は製品として使用できずに切り取って排除しなければならない。一般的に切り換え部分の編地幅は、編機の機構、編組織、編地の密度、使用する糸によって、編糸の切り換え部の幅は異なり、60から120mmである。したがって、少なくとも2個のロータリーカッター31を上記の間隔で調整可能に配置するのが好ましい。具体的には、図2(a)に示すように、ロータリーカッター31を駆動しているモータ34の取り付け部を幅出し装置20にスライド可能に取り付けている。さらに好ましくは、2個のロータリーカッターの間隔を調整した後、編地とカッターの位置関係を補正するために、ロータリーカッターは、図3の矢印方向に移動可能に取り付けられている。ロータリーカッター31は幅出し装置20に取り付けることにより、編み地幅を調整する時は、幅出し装置20の動きに連動するので改めて再調整をしなくてよい。
前記切り取られた切り換え部分(編地端部)F1は、リングブロア32の吸引開口部33から吸引され、引き込まれて、編機の中心部を経由して外部に排出し、機外の収納箱(図示せず)に収納される。
切り換え部分F1の編地幅が、60から120mmの場合、吸引開口部33の直径は50mm程度が好ましい。また、リングブロア32は、吸い込み特性(最大特性)出力が1.3KW、静圧15.2KPa、(定格値)風量2.0m3/minの仕様が好ましい。
次に、ロータリーカッター31の外側に配置された編地案内手段であるテープユニット40について、図1及び図4(b)に基づいて説明する。
テープユニット40は少なくとも1個がロータリーカッター31の外側で巻き取り装置に固着されている。好ましくは対面する側にもう1個を取り付ける。テープユニット2個で編み始めの編地を引き下げることで、編地はほぼ水平状態を保ちながら送出しローラまで移動する。
図2(b)に示すように、テープユニット40は、ケース43内に設けられた支持軸44に巻き取り付勢する巻き取りバネ45の一方を固着し、巻き取りバネの他の一方には巻き取りバネによって巻き取り付勢されるように巻き回したテープ41が取り付けられている。前記テープの他の一方は前記ケースに設けられ開口部から伸縮自在に取り出し可能になっている。さらにそのテープ端には、編地を引掛けるためのフック状の部材42が設けられている。
編地Fの編み始め、または糸切れなど異常現象によって編地が編み針から外れた後の修復作業で編み始められた編地端F2(図4(b))が編成部より少なくとも5cm程度編み下がった時点で前記フック部材42に引掛ける。編地端F2はテープ41の巻き取り付勢によって後述するカッターガイド付近まで引き下げられる。フック部材42の先端は下向きになっているために、カッターガイドに編地Fが到着すると自動的に、フック部材42から編地は外れる。
このように、編地Fを編み始め、または糸切れなど異常現象によって編地が編み針から外れた後でも、案内部材によってロータリーカッター31まで案内される。
好ましい実施例に基づき本発明を説明してきたが、本発明はさらに様々な変形が可能である。
例えば、上記説明では、ストライパー16を装備したシングルニット丸編機を説明したが、ストライパーを装備したダブルニット丸編機においても、同様に編地端部除去装置を設置することが可能である。
切断手段としては、ロータリーカッターの他に、はさみのように切り取るものを使用しても同様の効果が得られる。
また、切り取られた編糸の切り換え部F1を編地本体Fと分離し収納する別の方法として、通常の編地と同じように送出しローラ26を経由して、編地ロールとともに巻き取る、あるいは編機の下部に設けた収納箱に収納することも可能である。
さらに、弾性力のある糸と添え編みされた編地を編む場合や合成繊維を使用した場合に発生するセンターマークと呼ばれている編み傷が発生する場合には、切り換え部F1を切断除去後に、開布し、巻き取ることも可能である。
ストライパーを装備した丸編機の編成部および幅出し装置を示した側面図である。 幅出し装置、編地端部除去装置、テープユニットの配置を示す(a)平面図と(b)側面図である。 カッターユニットの拡大側面図である。 編地拡布状態を示す(a)斜視図と(b)側面図である。 巻取編地ロールの従来例を示す斜視図である。
符号の説明
10 編成部
11 回転シリンダー
16 ストライパー
17 ストライパーダイヤル
20 幅出し装置
23,24 編地ガイド
27 T字型編地ガイド
28 V字型カッターガイド
30 編地端部除去装置
31 ロータリーカッター
32 リングブロア
33 吸引開口部
40 テープユニット
F 編地本体
F1 編糸の切り換え部
F2 編地端

Claims (10)

  1. ストライパー(16)を装備した丸編機における編地端部除去装置(30)であって、
    編地の編成部(10)と編地(F)に張力を掛けて引き下げる送出しローラ(26)との間に配置された幅出し装置(20)の一端に設けた少なくとも2個の切断手段(31)と、
    切断された編地端部(F1)を編地本体から分離するための除去手段(32,33)と
    を有する編地端部除去装置。
  2. 前記除去手段が、編機の外部に編地端部(F1)を吸引し排出する装置(32,33)である請求項1に記載の装置。
  3. 前記除去手段が、編地端部(F1)を編機の内部で編地本体(F)とは別に収納する装置である請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記切断手段が、ロータリーカッター(31)である請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記切断手段の2個の切断手段(31)の間の距離が調節可能である請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
  6. 編地(F)を切断手段(31)へ案内する編地案内手段を設けた請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記編地案内手段が、カッターガイド(28)である請求項6に記載の装置。
  8. 前記編地案内手段が、テープユニット(40)である請求項6に記載の装置。
  9. 前記編地案内手段が、カッターガイド(28)及びテープユニット(40)である請求項6に記載の装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の編地端部除去装置を有する丸編機。

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