JP2005138369A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2005138369A
JP2005138369A JP2003375932A JP2003375932A JP2005138369A JP 2005138369 A JP2005138369 A JP 2005138369A JP 2003375932 A JP2003375932 A JP 2003375932A JP 2003375932 A JP2003375932 A JP 2003375932A JP 2005138369 A JP2005138369 A JP 2005138369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
component
polymer
recording material
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003375932A
Other languages
English (en)
Inventor
Kyoko Chiga
京子 千賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003375932A priority Critical patent/JP2005138369A/ja
Publication of JP2005138369A publication Critical patent/JP2005138369A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

【課題】 使用環境の湿度変動の影響を受けることなく、安定して高濃度の発色画像を形成することができる感熱記録材料を提供する。
【解決手段】 成分(a)と、該成分(a)と反応して発色させる成分(b)と、両成分(a)及び(b)を隔離する隔離膜とを有する感熱記録材料において、上記隔離膜を形成するポリマーの含水率が3.0質量%以下であることを特徴とする感熱記録材料。上記隔離膜を形成するポリマーのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上であることが好ましい。また、上記隔離膜が、成分(a)或いは成分(b)のいずれか一方を内包するマイクロカプセルを形成してなる態様が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は感熱記録材料に関し、特に、環境湿度の変動に拘わらず安定した高発色濃度を示す感熱記録材料に関する。
感熱記録方法は、(1)現像が不要である、(2)支持体が紙の場合に材質が普通紙に近い、(3)取り扱いが容易である、(4)発色濃度が高い、(5)記録装置が簡便で信頼性が高く安価である、(6)記録時の騒音が少ない、(7)メンテナンスが不要である、等の多数の利点があることから、近年、広汎な分野で利用されている。
この感熱記録方式に用いられる感熱記録材料としては、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との発色反応、或いはジアゾ化合物とカプラーとの発色反応等を利用したものがよく知られている。この様な感熱記録材料においては、その保存安定性を向上させ地肌被りを抑制する為に、互いに反応して発色する2成分(a)と(b)を隔離して保持する、特に両成分の一方をマイクロカプセルに内包し、他方を乳化分散物として含む形態の感熱記録層が、支持体上に設けられている。
上記マイクロカプセルの形成方法については、従来より種々の方法、例えば、親水性壁形成材料のコアセルベーションを利用した方法(例えば、特許文献1参照)や、界面重合法(例えば、特許文献2〜4参照)、ポリマー析出による方法(例えば、特許文献5参照)、イソシアネート−ポリオール壁材を用いる方法(例えば、特許文献6参照)、イソシアネート壁材を用いる方法(例えば、特許文献7参照)、尿素−ホルムアルデヒド系或いは尿素−ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁材を用いる方法(例えば、特許文献8参照)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂或いはヒドロキシブロビルセルロース等の壁材を用いる方法(例えば、特許文献9参照)、モノマーの重合によるin situ 法(例えば、特許文献10参照)、電解分散冷却法(例えば、特許文献11参照)、及びスプレードライング法(例えば、特許文献12参照)、等が知られている。
具体的には、上記の界面重合法による方法では、芯を成す物質が疎水性有機溶媒に溶解ないし分散された油相を、水溶性高分子等を含む水相中に投入し、ホモジナイザー等の高速攪拌によって乳化分散した後、昇温して油滴界面で高分子形成反応を生起させることにより、高分子物質からなるカプセル壁を形成することでマイクロカプセル化することができる。この界面重合法は、保存性能の良好なマイクロカプセルを比較的に短時間で且つ均一な粒径にて得ることができる等の利点から広汎に利用されている。
しかしながら、感熱記録材料は、成分(a)とこれと反応して発色させる成分(b)とを隔離状態で含有し、加熱時にこれら2成分を接触させ反応して発色画像を形成するものであり、一般に上記2成分の一方をマイクロカプセルに内包することで隔離状態を保持しているが、この様な感熱記録材料は多様な環境条件下で使用されるものであり、特に湿度の影響を受けて印画した際の発色濃度が変動するという問題があった。上述した壁材の中でも、イソシアネート−ポリオール系壁材、或いはイソシアネート−ポリアミン系壁材を用いるマイクロカプセルにおいて、上記湿度の影響による発色濃度のバラツキは顕著である。
例えば、感熱記録層用のマイクロカプセル壁に多用されている、三井武田ケミカル(株)製の商品名「タケネートD110N」をもとに作製したポリウレタン−ウレア膜の温度23℃湿度80%RHにおける平衡含水率は約4%であり、該壁材を用いた感熱記録材料の発色濃度への影響に対して改善が求められている。
水分や湿度に対する耐性を高める技術として、アミノ樹脂よりなる第1次壁とカチオン性ポリアミド−エピハロヒドリン樹脂及びポリスチレンスルホン酸のポリイオンコンプレックスよりなる第2次壁との2重壁構造のマイクロカプセルが提案されている(例えば、特許文献13参照)。しかしながら、これらの技法は画像形成に用いるには製造適性が充分ではないという問題があり、良好な製造適性を保持しながら耐湿性が改善される技術が求められている。
一般に、感熱記録材料のマイクロカプセルは、常温ではカプセル壁の物質隔離作用によりカプセル内外の物質の接触が妨げられ、ある値以上に熱及び/又は圧力が加えられた場合のみ、カプセル内外の物質の接触が可能となるものである。この現象は、カプセル壁の材質、カプセル内の芯物質(カプセルに内包される物質)、カプセル壁への添加剤等を適宜に選択することにより、カプセルの物性を変化させることである程度コントロールすることが可能であるが、実用的な画像形成に適用できる発色性能を保持しながら、発色感度の変動(濃度のバラツキ)まで抑制することはこれまで困難とされていた。
米国特許第2800457号明細書 米国特許第3287154号明細書 英国特許第990443号明細書 特公昭38−19574号公報 米国特許第3418250号明細書 米国特許第3796669号明細書 米国特許第3914511号明細書 米国特許第4001140号明細書 米国特許第4025455号明細書 特公昭36−9168号公報 英国特許第952807号明細書 米国特許第3111407号明細書 特開平5−7767号公報
上述した様に、特にマイクロカプセル化に界面重合法を採用する場合に、マイクロカプセルを形成するためのカプセル壁材としてイソシアネート化合物を用いた時、形成されたマイクロカプセル壁の物性の湿度依存が大きかった。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、使用環境の湿度変動の影響を受けることなく安定して高発色濃度を呈示することができる感熱記録材料を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 成分(a)と、該成分(a)と反応して発色させる成分(b)と、両成分(a)及び(b)を隔離する隔離膜とを有する感熱記録材料において、上記隔離膜を形成するポリマーの含水率が3.0質量%以下であることを特徴とする感熱記録材料。
<2> 前記隔離膜を形成するポリマーのガラス転移温度(Tg)が、40℃以上であることを特徴とする上記<1>に記載の感熱記録材料。
<3> 前記隔離膜を形成するポリマーが、3次元架橋構造を有することを特徴とする上記<1>又は<2>のいずれかに記載の感熱記録材料。
<4> 前記隔離膜が、成分(a)或いは成分(b)のいずれか一方を内包するマイクロカプセルを形成してなることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれかに記載の感熱記録材料。
本発明によれば、使用環境の湿度変動の影響を受けることがなく、発色濃度のバラツキが低く抑制された、安定して高濃度に発色する記録画像を形成することができる感熱記録材料を提供することができる。

本発明の感熱記録材料は、互いに接触すると速やかに反応して呈色する2種の成分(a)及び(b)を隔離膜を介在させて含む構成をなし、該隔離膜を形成するポリマーの含水率が3.0質量%以下であることを特徴とする。
この様に本発明の感熱記録材料は、含水率が3.0質量%以下の隔離膜によって発色成分を隔離しているので、該隔離膜を形成するポリマーのガラス転移温度(Tg)の湿度依存性を極めて低く制御することができる。これに依り、本発明の感熱記録材料は環境湿度の影響を受け難く、湿度変動に起因する発色濃度のバラツキを効果的に抑制して安定した高発色濃度を呈示でき、また地肌被りも長期に亙り抑制できる。
以下、本発明の感熱記録材料について、その主要な構成要件を詳細に説明するが、本発明はこれらの説明事項に限定されるものではない。
(隔離膜を形成するポリマー)
本発明の感熱記録材料において、成分(a)及び(b)を非接触状態に保持する為の隔離膜を形成するポリマーとしては、その含水率が3.0質量%以下のものであれば、特に制限はなく、如何なるポリマーでも使用できる。
ここで本明細書において、上記の含水率は、JISK0068の化学製品の水分試験方法に準拠して、カールフィッシャー法によって求められる平衡含水率を意味する。具体的には、温度23℃で湿度80%RHの環境下に10時間以上かけて調湿したポリマー試料の質量を正確に秤量し、次いで、カールフィッシャー水分計(例えば、三菱化成(株)製の自動水分測定装置「KF−05型」)を用いて、試料に含まれる水分(質量)を求め、(水分量÷試料質量)×100をこの試料の含水率(質量%)とした。この含水率の定義と測定法については、例えば「高分子工学講座14、高分子材料試験法」(高分子学会編、地人書館)に詳しい。
本発明の感熱記録材料の隔離膜として用いられる、含水率が3.0質量%以下のポリマー(以下、これを「疎水性ポリマー」と謂うことがある。)は、水分の吸収ないし吸着が殆ど無いもしくは極めて低い高分子化合物であり、天然高分子でも合成高分子でもよく、透明ないし半透明で無色の高分子化合物が好ましい。
この様な疎水性ポリマーの構造としては、縮合重合で得られるポリマーでも、付加重合から得られるポリマーでも、ラジカル重合で得られるポリマーでもよい。また、線状高分子でも分岐高分子でもよく、単独重合体でも共重合体(ランダム、ブロック、グラフト)でもよく、2次元ないし3次元の架橋高分子でもよい。
本発明の上記疎水性ポリマーに使用可能なモノマー単位としては、疎水性以外には特に制限はなく、任意のモノマーが使用できる。
以下に、疎水性ビニルモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
上記ビニルモノマー群としては、例えば、オレフィン類、スチレン類及びその誘導体、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、その他の重合性単量体等が挙げられる。
上記オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、シクロペンタジエン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、ブタジエン、ペンタジエン、イソプレン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
上記スチレン及びその誘導体としては、スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、1,4−ジビニルベンゼン、等が挙げられる。
上記ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。
上記ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等が挙げられる。
その他の重合性単量体としては、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、等が挙げられる。
以上のモノマーを組み合わせた(共)重合により合成される、本発明の疎水性ポリマーの中でも、主単量体成分がアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、置換スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、オレフィン等の単独重合体又は共重合体からなるものが、隔離膜としての物性及び低含水率に優れるので、好ましく選択される。
また、本発明の疎水性ポリマーの他の1種として、縮合重合で得られるポリマーが挙げられ、例えば、ポリエステル系ポリマー等が好ましい。具体的には、多価カルボン酸類と多価アルコール類から構成され、単独或いは2種類以上のモノマーを組み合わせて縮合重合させたポリエステル樹脂等が好適に挙げられる。
上記多価カルボン酸類としては、特に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等で示される芳香族多価カルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸等が挙げられ、これらは金属塩、アンモニウム塩等としても使用できる。
上記多価アルコール類としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエルスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、ビスフェノールA、ラクトン系ポリエステル、ポリオール類等で示される脂肪族多価アルコール類、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類等が挙げられる。
また、上記多価カルボン酸類と多価アルコール類との単独、或いは2種以上を組み合わせて縮重合させたポリエステル樹脂は、通常知られている末端封止可能な化合物を用いて、高分子鎖の末端の極性基を封止したものを使用することもできる。
本発明の感熱記録材料の隔離膜として用いられる疎水性ポリマーは、温度23℃湿度80%RHにおける平衡含水率が3質量%以下である。この様に平衡含水率が3質量%以下であると、該疎水性ポリマーから形成される隔離膜の、環境湿度の変動が小さく物性及び耐性の湿度依存性が抑制され、感熱感度の変動等が改善される。この平衡含水率が3質量%を超えると、環境湿度による悪影響が無視できない程度に大きくなる。本発明に用いる疎水性ポリマーの平衡含水率は、環境湿度の悪影響を更に低減するために、2.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、特に0.5質量%以下が最も好ましい。
また、本発明の隔離膜として用いられる疎水性ポリマーは、感熱記録材料としての保存安定性を改善し地肌被りを抑制する為に、そのガラス転移温度(Tg)が40℃以上のものが好ましい。該ガラス転移温度(Tg)としては、更に保存安定性と地肌被りを向上させる為に、45℃以上の疎水性ポリマーがより好ましく、特にTgが50℃以上の疎水性ポリマーが好ましい。該ガラス転移温度(Tg)の上限には特に制限はないが、通常の感熱記録材料の用途では約180℃程度で十分である。
尚、本明細書においては、共重合体の場合のガラス転移温度(Tg)としては、実測するのが難しい場合には、下記の式に従って算出されるTgを目安とすることができる。
1/Tg=Σ(xi/Tgi
上式において、共重合体ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー単位が共重合しているとする。xiはi番目のモノマーの質量分率(但し、Σxi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度表示)であり、Σはi=1からnまでの和をとる。各モノマーの単独重合体のガラス転移温度(Tgi)の値は、例えば、J.Brandrup,E.H.Immergut著「Polymer Handbook」(3rd Edition、Wiley−Interscience社、1989年))に記載された値等を採用することができる。
本発明に用いる疎水性ポリマーとしては、必要に応じて2種以上を併用してもよい。ガラス転移温度の異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合にも、上式で算出した質量平均Tgが40℃以上に入ることが望ましい。
以下に、本発明の隔離膜に好適に用いられる疎水性ポリマーの具体例とそのガラス転移温度(Tg)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(P1)ポリ(4−ビフェニルアクリレート) Tg=110℃
(P2)ポリ(t−ブチルアクリレート) Tg=107℃
(P3)ポリ(2−クロルアクリレート) Tg=53℃
(P4)ポリ(2−ナフチルアクリレート) Tg=85℃
(P5)ポリ(ベンジルメタクリレート) Tg=54℃
(P6)ポリ(t−ブチルメタクリレート) Tg=118℃
(P7)ポリ(4−t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート)Tg=83℃
(P8)ポリ(エチルメタクリレート) Tg=65℃
(P9)ポリ(iso−プロピルメタクリレート) Tg=81℃
(P10)ポリ(メチルメタクリレート) Tg=105℃
(P11)ポリ(フェニルメタクリレート) Tg=110℃
(P12)ポリ(スチレン) Tg=100℃
(P13)ポリ(2−エチルスチレン) Tg=103℃
(P14)ポリ(2−エトキシメチルスチレン) Tg=74℃
(P15)ポリ[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン)]
Tg=130℃
(P16)ポリ(2−メチルスチレン) Tg=136℃
(P17)ポリ(4−プロポキシスチレン) Tg=70℃
(P18)ポリ(4−アセチルスチレン) Tg=116℃
及び、上記ポリマーの構造単位(モノマー)の任意の組合せからなる共重合体。
また、本発明の感熱記録材料の隔離膜として用いる疎水性ポリマーは、緻密で強度のある隔離膜とする為に、該隔離膜を形成するポリマーが、3次元架橋構造を有するものが好ましい。ここで、上記の3次元架橋構造の中には、2次元架橋構造が混在していてもよい。
前述した付加重合法でポリマー隔離膜を形成する場合、上記の3次元架橋構造を有する隔離膜は、分子内に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマーを含めて共重合することで形成される。この様な多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール等の多価アルコール類のアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類;レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール等の多価フエノール類やビスフエノール類のアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類;並びに、アクリレート又はメタクリレート末端エポキシ類、アクリレート又はメタクリレート末端ポリエステル類、等が挙げられる。
また、前述した縮合重合法でポリマー隔離膜を形成する場合、上記の3次元架橋構造を有する隔離膜は、分子内に3個以上の官能基を有する多価カルボン酸類及び/又は多価アルコール類を含ませて縮重合することで形成される。
本発明の隔離膜の形成に用いる疎水性ポリマーの使用量としては、所要の隔離性能を得られる範囲内で特に制限はないが、発色成分の全量に対して、5〜500質量%程度、好ましくは10〜300質量%程度が目安となる。
(発色成分系)
本発明に用いられる発色成分系は、実質的に無色の成分(a)と該成分(a)と反応して発色させる実質的に無色の成分(b)との組合せ、所謂、2成分型の組合せからなる発色成分系であり、貯蔵安定性及び地肌被り等を向上させる観点より、両成分(a)或いは(b)のいずれかが本発明のマイクロカプセルに内包されている形態を取ることが望ましい。
この様な2成分型の発色成分系としては、例えば、下記の(ア)〜(ツ)の組合せが挙げられる。以下の各組合せにおいて、前者は成分(a)を後者は成分(b)を示す。
(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ。
(イ)ジアゾニウム塩化合物とカップリング成分(以下、適宜「カプラー化合物」と称する。)との組合せ。
(ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機酸金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の還元剤との組合せ。
(エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長鎖脂肪酸鉄塩と、タンニン酸、没食子酸、サリチル酸アンモニウム等のフェノール類との組合せ。
(オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫化物との組合せ、又は前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組合せ。
(カ)銀、鉛、水銀、ナトリウム等の硫酸塩等の重金属硫酸塩と、ナトリウムテトラチオネート、チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。
(キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,4−ヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機酸金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪酸第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシルカルバミド誘導体との組合せ。
(コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチオ尿素誘導体との組合せ。
(サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂肪族重金属塩とジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛との組合せ。
(シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのようなオキサジン染料を形成するもの。
(ス)ホルマザン化合物と還元剤及び/又は金属塩との組合せ。
(セ)保護された色素(又はロイコ色素)プレカーサと脱保護剤との組合せ。
(ソ)酸化型発色剤と酸化剤との組合せ。
(タ)フタロニトリル類とジイミノイソインドリン類との組合せ。(フタロシアニンが生成する組合せ。)
(チ)イソシアナート類とジイミノイソインドリン類との組合せ(着色顔料が生成する組合せ)。
(ツ)顔料プレカーサーと酸又は塩基との組合せ(顔料が形成する組合せ)。
上記の中でも、本発明の発色成分としては、(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ、及び(イ)ジアゾニウム塩化合物とカップリング成分との組合せが、好ましい。特に成分(a)として、(ア)の電子供与性染料前駆体、或いは(イ)のジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセルに内包する態様が好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる上記(ア)及び(イ)の各発色成分系について詳しく説明する。
(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合せ
本発明に用いられる電子供与性染料前駆体としては、エレクトロンを供与して、或いは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有する実質的に無色の化合物であり、特に、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、電子受容性化合物と接触した時に、速やかにこれらの部分骨格が開環もしくは開裂する化合物が好適に挙げられる。
上記電子供与性染料前駆体の例としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ピリジン系化合物、ピラジン系化合物等が挙げられる。
上記フタリド系化合物としては、例えば、米国再発行特許第23024号、米国特許第3491111号、同第3491112号、同第3491116号及び同第3509174号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジエチルアミノ−o−ブトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(p−ジエチルアミノ−o−ブトキシフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(p−ジプロピルアミノ−o−メチルフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−5−アザ(又は−6−アザ、又は−7−アザ)フタリド等が挙げられる。
上記フルオラン系化合物としては、例えば、米国特許第3624107号、同第3627787号、同第3641011号、同第3462828号、同第3681390号、同第3920510号、同第3959571号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、2−(ジベンジルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピペリジノアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(3,4−ジクロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン等が挙げられる。
上記フェノチアジン系化合物としては、例えば、ベンゾイルロイコンメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー等が挙げられ、ロイコオーラミン系化合物としては、例えば、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられ、ローダミンラクタム系化合物としては、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(p−ニトリノ)ラクタム等が挙げられる。また、スピロピラン系化合物としては、例えば、米国特許第3971808号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等が挙げられ、ピリジン系、ピラジン系化合物類としては、例えば、米国特許第3775424号、同第3853869号、同第4246318号に記載の化合物が挙げられ、フルオレン系化合物としては、例えば、特開昭63−094878号等に記載の化合物が挙げられる。
カラー感熱記録材料とする場合には、シアン、マゼンタ、イエローから選ばれる1つ以上の発色色素用の電子供与性無色染料が用いられる。シアン、マゼンタ、イエロー発色としては、米国特許第4800149号等に記載のものを使用でき、更にイエロー発色色素用電子供与性無色染料としては、米国特許第4800148号等に記載のものも使用でき、シアン発色色素用電子供与性無色染料としては、特開平63−53542号等に記載のものも使用できる。
本発明の感熱記録層としては、上記電子供与性無色染料の含有量は、記録層中に0.01g/m2以上が好ましく、0.05〜5g/m2がより好ましく、0.1〜3g/m2が更に好ましい。電子供与性無色染料の含有量を特に上記範囲にすると、充分な発色濃度が得られると共に、塗布適性の劣化を招くこともない。多層記録層の場合には、上記範囲で電子供与性無色染料を含有する記録層の複数枚を積層して構成するのがよい。
次に、上述の電子供与性無色染料と反応して発色させる電子受容性化合物について詳述する。
本発明で用いる電子受容性化合物としては、特開平4−226455号に記載の3−ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸、特開昭63−173682号に記載のヒドロキシ基を有する安息香酸のメタアクリロキシエチルエステル、アクリロキシエチルエステル、同59−83693号、同60−141587号、同62−99190号に記載のヒドロキシ基を有する安息香酸とヒドロキシメチルスチレンとのエステル、欧州特許29323号に記載のヒドロキシスチレン、特開昭62−167077号、同62−16708号に記載のハロゲン化亜鉛のN−ビニルイミダゾール錯体、同63−317558号に記載の電子受容性化合物等を参考にして合成できる化合物等が挙げられる。これらの中でも、特に3−ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸が好ましい。
上記3−ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸の具体例としては、例えば、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸エステルビニルフェネチルエステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸ビニルフェニルプロピルエステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(2−アクリロイルオキシエチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(2−メタクリロイルオキシエチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(2−アクリロイルオキシプロピル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(2−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(3−アクリロイルオキシプロピル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(4−アクリロイルオキシブチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(4−メタクリロイルオキシブチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(5−アクリロイルオキシペンチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(5−メタクリロイルオキシペンチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(6−アクリロイルオキシヘキシル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(8−アクリロイルオキシオクチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(8−メタクリロイルオキシオクチル)エステル等;
スチレンスルホニルアミノサリチル酸、ビニルベンジルオキシフタル酸、β−メタクリロキシエトキシサリチル酸亜鉛、β−アクリロキシエトキシサリチル酸亜鉛、ビニロキシエチルオキシ安息香酸、β−メタクリロキシエチルオルセリネート、β−アクリロキシエチルオルセリネート、β−メタクリロキシエトキシフェノール、β−アクリロキシエトキシフェノール、β−メタクリロキシエチル−β−レゾルシネート、β−アクリロキシエチル−β−レゾルシネート、ヒドロキシスチレンスルホン酸−N−エチルアミド、β−メタクリロキシプロピル−p−ヒドロキシベンゾエート、β−アクリロキシプロピル−p−ヒドロキシベンゾエート、メタクリロキシメチルフェノール、アクリロキシメチルフェノール、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、β−メタクリロキシエトキシ−ジヒドロキシベンゼン、β−アクリロキシエトキシ−ジヒドロキシベンゼン、γ−スチレンスルホニルオキシ−β−メタクリロキシプロパンカルボン酸;
γ−アクリロキシプロピル−α−ヒドロキシエチルオキシサリチル酸、β−ヒドロキシエトキニルフェノール、β−メタクリロキシエチル−p−ヒドロキシシンナメート、β−アクリロキシエチル−p−ヒドロキシシンナメート、3,5ジスチレンスルホン酸アミドフェノール、メタクリロキシエトキシフタル酸、アクリロキシエトキシフタル酸、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸、アクリロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸、3−β−ヒドロキシエトキシフェノール、β−メタクリロキシエチル−p−ヒドロキシベンゾエート、β−アクリロキシエチル−p−ヒドロキシベンゾエート、β’−メタクリロキシエチル−β−レゾルシネート、β−メタクリロキシエチルオキシカルボニルヒドロキシ安息香酸、β−アクリロキシエチルオキシカルボニルヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジ−β−メタクリロキシエチルアミノサリチル酸、N,N’−ジ−β−アクリロキシエチルアミノサリチル酸、N,N’−ジ−β−メタクリロキシエチルアミノスルホニルサリチル酸、N,N’−ジ−β−アクリロキシエチルアミノスルホニルサリチル酸、及びこれらの金属塩(例えば、亜鉛塩等)、等が好適に挙げられる。
上記の他、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ペントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体等も挙げることができる。これらの化合物は、例えば、特公昭40−9309号、特公昭45−14039号、特開昭52−140483号、特開昭48−51510号、特開昭57−210886号、特開昭58−87089号、特開昭59−11286号、特開昭60−176795号、特開昭61−95988号等に記載されている。具体例としては、下記化合物を挙げることができる。
上記フェノール誘導体としては、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
上記サリチル酸誘導体としては、例えば、4−ペンタデシルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サリチル酸、5−オクタデシルサリチル酸、5−α−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサリチル酸、3−α−メチルベンジル−5−tert−オクチルサリチル酸、5−テトラデシルサリチル酸、4−ヘキシルオキシサリチル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル酸、4−デシルオキシサリチル酸、4−ドデシルオキシサリチル酸、4−ペンタデシルオキシサリチル酸、4−オクタデシルオキシサリチル酸等、及びこれらの亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩等が挙げられる。
本発明の感熱記録層としては、上記電子受容性化合物の含有量は、電子供与性無色染料1質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、3〜20質量部が更に好ましい。電子供与性無色染料の含有量を特に上記範囲にすると、充分な発色濃度が得られると共に、感度の低下や塗布適性の劣化を招くこともない。
(イ)ジアゾニウム塩化合物とカップリング成分の組合せ
本発明に用いるジアゾニウム塩化合物としては、Ar−N2 +・X-〔Arは芳香族環基を表し、X-は酸アニオンを表す。〕で表される化合物が挙げられる。このジアゾニウム塩化合物は加熱により後述するカプラー化合物と速やかにカップリング反応を起こして発色し、また光によって分解する性質を有する化合物である。これらはAr(芳香族環基)部分の置換基の位置や種類によって、その最大吸収波長を制御することが可能である。
上記式中のArは、置換又は無置換のアリール基を表す。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられ、これら置換基は、更に置換されていてもよい。
上記アリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基、等が挙げられる。
また、これらの基は、さらに、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
本発明の感熱記録層としては、上記ジアゾニウム塩化合物の含有量は、記録層中に0.01〜3g/m2が好ましく、0.02〜1.0g/m2がより好ましい。ジアゾニウム塩化合物の含有量を特に上記範囲にすると、充分な発色性が得られると共に、感度が低下したり、定着時間を長くする必要が生じることもない。
次に、上述のジアゾニウム塩化合物と反応して発色させるカプラー化合物について詳述する。
本発明に用いるカプラー化合物は、塩基性雰囲気及び/又は中性雰囲気で上記のジアゾニウム塩化合物とカップリングして色素を形成するものであり、色相調整等種々の目的に応じて、複数種を併用して用いることができる。この様なカプラー化合物としては、例えば、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド;
5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾール等が挙げられる。
更に、カプラー化合物の詳細については、特開平4−201483号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平7−323660号、特開平5−278608号、特開平5−297024号、特開平6−18669号、特開平6−18670号、特開平7−316280号等の公報に記載されている。本出願人が、先に提出した特開平9−216468号、特開平9−216469号、特開平9−203472号、特開平9−319025号、特開平10−035113号、特開平10−193801号、特開平10−264532号等に記載したものも参照できる。
本発明の感熱記録層としては、上記カプラー化合物の含有量は、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。カプラー化合物の含有量を特に上記範囲にすると、発色性を向上させるうえで効果的であり、塗布適性の劣化を招くこともない。
本発明で上記カプラー化合物は、その他の成分と共に水溶性高分子を添加して、サンドミル等により固体分散して用いることもできるが、適当な乳化助剤と共に乳化し、乳化物として用いることもできる。固体分散又は乳化する方法としては、特に限定はなく、公知の方法の中から適宜に選択することができる。分散又は乳化方法の詳細については、特開昭59−190886号、特開平2−141279号、特開平7−17145号の各公報に記載されている。
また、カップリング反応を促進する目的で、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の有機塩基を用いることが好ましい。有機塩基については、特開昭57−123086号、特開昭60−49991号、特開昭60−94381号、特開平9−071048号、特開平9−077729号、特開平9−077737号等の各公報に記載されている。有機塩基の使用量は特に限定されるものではないが、ジアゾニウム塩化合物1モルに対し、1〜30モルが好ましい。
(マイクロカプセルの形成)
本発明の感熱記録材料としては、前述の含水率が3.0質量%以下である疎水性ポリマーからなる隔離膜が、成分(a)或いは成分(b)のいずれか一方を内包するマイクロカプセルを形成してなる形態を取ることが可能であり、本発明の感熱記録材料として好ましい1態様である。
この際、少なくとも、(1)成分(a)又は成分(b)のいずれか一方と、(2)疎水性モノマーの任意の組合せ、を含有する油滴を水系媒体中に分散させ、上記疎水性モノマーの重合により油滴界面にマイクロカプセル壁を形成する方法が望ましい。上記疎水性モノマーの重合は、公知の重合方法を適宜に選択することができるが、中でもラジカル重合法や界面重縮合法が好ましい。
感熱記録材料等において好適に用いることができるマイクロカプセルとしては、常温では、カプセル壁の物質隔離作用によりカプセル内外の物質の接触が妨げられ、ある値以上に熱及び/又は圧力が加えられた場合に、カプセル内外の物質の接触が可能となる様なものが挙げられる。この現象は、カプセル壁の材質、カプセル内の芯物質(カプセルに内包される物質)、添加剤等を適宜に選択することによって、カプセルの特性の変化として自由に広汎に制御することができる。
本発明のマイクロカプセルは、芯物質を疎水性の有機溶媒に溶解または分散させて調製した油相を、水相に投入し乳化分散した後、重合して形成される。この際、上記油相を乳化分散する水相には、水溶性高分子等を溶解した水溶液を使用する。水相に含まれる水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
本発明において、発色成分を含有するマイクロカプセルを形成する際、内包する発色成分は、該カプセル中に溶液状態で存在していても、固体状態で存在していてもよい。
感熱記録材料等を作製する場合において発色成分を溶液状態でカプセルに内包させる場合には、発色成分である例えば電子供与性無色染料やジアゾニウム塩化合物等を有機溶媒に溶解した状態でカプセル化すればよい。
上記有機溶媒としては、一般に、高沸点溶媒の中から適宜に選択することができ、リン酸エステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリルエタン、常温で固体の化合物、オリゴマーオイル、ポリマーオイル等が用いられる。
具体的には、特開昭59−178451〜同59−178455号、同59−178457号、同60−242094号、同63−85633号、特開平6−194825号、同7−13310号〜同7−13311号、同9−106039号の各公報及び特開昭63−045084号(←特願昭62−75409号)明細書に記載の有機溶剤が挙げられる。
また、カプセル化の際には、上記の有機溶媒を使用せずに、いわゆるオイルレスカプセルとしてもよい。
上記有機溶媒の使用量としては、発色成分100質量部に対し、1〜500質量部が好ましい。
また、カプセルに内包しようとする発色成分の上記有機溶媒に対する溶解性が低い場合には、更に補助溶剤として、溶解性の高い低沸点溶媒を併用することもできる。また、有機溶媒を使用せずに低沸点溶媒だけを使用することもある。
上記低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド等が挙げられる。
上記水相中に上記油相を投入した後、ホモジナイザー等の攪拌手段により乳化分散を行うが、上述の水相に添加される水溶性高分子は、分散を均一且つ容易にし得る保護コロイドとしての作用を有すると共に、乳化分散した分散体を安定化させる分散媒としても作用する。上記保護コロイドとして含有させる水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができる。
上記アニオン性高分子としては、天然或いは合成のいずれのものも用いることができ、例えば、−COO−、−SO2−等の連結基を有するものが挙げられる。
具体的には、アラビヤゴム、アルギン酸、ベクチン等の天然物;カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、硫酸化セルロース、リグニンスルホン酸等の半合成品;無水マレイン酸系(加水分解物を含む)共重合体、アクリル酸系(メタクリル酸系)重合体および共重合体、ビニルベンゼンスルホン酸系重合体および共重合体、カルボキシ変成ポリビニルアルコール等の合成品が挙げられる。
上記ノニオン性高分子としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。
上記両性高分子としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体等が挙げられ、中でも、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコールが好ましい。
上記水溶性高分子は、0.01〜10質量%の水溶液として用いられる。
また、乳化分散を更に均一に行い、より安定な分散液とするために、油相或いは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加することができる。
上記界面活性剤としては、公知の乳化用界面活性剤の中から適宜選択することができ、例えば、アニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記の様に保護コロイドと作用し、沈殿や凝集を起こさないものを適宜に選択して使用することができる。
具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
上記界面活性剤の添加量としては、油相質量に対し、0.1%〜5%が好ましく、0.5%〜2%が更に好ましい。
乳化分散後は、疎水性モノマーの重合により油滴界面にポリマー成分からなるカプセル壁を形成する。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を低下させたり、十分な攪拌を行う等の必要がある。また、反応中に、別途、凝集防止用の分散物を添加してもよい。
通常、数時間反応を行うことにより、発色成分を内包するマイクロカプセルを得ることができる。
本発明を感熱記録材料等に用いる場合、マイクロカプセルの平均粒子径としては、20μm以下が好ましく、高解像度を得る観点から、5μm以下がより好ましい。また、形成したマイクロカプセル径が小さすぎると、一定固形分に対する表面積が大きくなり多量の壁材が必要となることから、上記平均粒子径は0.1μm以上であることが好ましい。
上記疎水性モノマーの重合における反応温度は、重合方法や疎水性モノマーの種類等によっても異なるが、通常は20〜100℃程度が好ましく、50〜80℃程度がより好ましい。また、該重合の反応時間も同様に重合方法や疎水性モノマーの種類等によって異なるが、通常は1〜15時間程度が好ましく、3〜10時間程度がより好ましい。
ラジカル重合法によりカプセル壁を形成する場合、一般的に重合開始剤を用いることが望ましい。上記重合開始剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤、及びレドックス開始剤等のいずれも用いることができ、具体的には以下の化合物が好適に挙げられる。
上記光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、アクリドン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類等の芳香族ケトン類;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインおよびベンゾインエーテル類;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二重体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二重体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二重体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二重体等の2,4,6−トリアリールイミダゾール二重体;四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等のポリハロゲン化合物;特開昭59−133428号、特公昭57−1819号、特公昭57−6096号、米国特許第3615455号明細書に記載の化合物;
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(P−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン等の特開昭58−29803号記載のトリハロゲン置換メチル基を有するS−トリアジン誘導体;
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリ−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルバーオキシ)ヘキサン、ターシャリ−ブチルバーオキシベンゾエート、a,a’−ビス(ターシャリ−ブチルバーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリイブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の特開昭59−189340号記載の有機過酸化物;
米国特許第4743530号明細書に記載のアジニウム塩化合物;トリフェニールブチールボレートのテトラメチルアンモニウム塩、トリフェニールブチールボレートのテトラブチルアンモニウム塩、トリ(P−メトキシフェニール)ブチールボレートのテトラメチルアンモニウム塩等のヨーロッパ特許第0223587号明細書に記載の有機ホウ素化合物;その他ジアリールヨードニウム塩類や鉄アレン錯体等が挙げられる。
また、2種又はそれ以上の光重合開始剤を組み合せて用いる手法も知られており、これらも本発明に利用することができる。
上記2種以上の光重合開始剤の組合せの例としては、(イ)2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体とメルカプトベンズオキサゾール等との組合せ、(ロ)米国特許第3427161号明細書に記載の4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノン又はベンゾインメチルエーテルとの組合せ、(ハ)米国特許第4239850号明細書に記載のベンゾイル−N−メチルナフトチアゾリンと2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−トリアゾールとの組合せ、(ニ)特開昭57−23602号明細書に記載のジアルキルアミノ安息香酸エステルとジメチルチオキサントンとの組合せ、(ホ)特開昭59−78339号明細書の4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノンとポリハロゲン化メチル化合物との3種の組合わせ、等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、特開昭62−143044号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号等に記載の有機ボレート化合物、或いはカチオン性色素から得られる分光増感色素系ボレート化合物等が挙げられる。
また、前記の熱重合開始剤としては、取扱い性や入手性の観点からアゾ系熱重合開始剤が好ましく、具体的には、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル(AIVN)、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩、1,1’アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、等が好適に挙げられる。
また、重合に際してはメルカプト化合物等に代表される公知の連鎖移動剤を併用することにより共重合体の末端部の組成や分子量を制御してもよい。
更に、前記のレドックス開始剤としては、例えば、過酸化水素−Fe2+塩、過硫酸塩−NaHSO3、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン、等が挙げられる。
更に、下記に示す化合物等が挙げられる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
Figure 2005138369
Figure 2005138369
上述した重合開始剤の添加量としては、疎水性モノマーの100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。
上記界面重合法は、短時間内に均一な粒径のカプセルを形成することができ、本発明のマイクロカプセル液を感熱記録材料等に適用した場合に、優れた生保存性を得ることができる。
以下、界面重合法を例に本発明のマイクロカプセルの形成方法(マイクロカプセル化)について具体的に説明する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、本実施例中の「部」及び「%」は、特に断わりのない限り全て「質量部」及び「質量%」を表す。
[実施例1]
(発色剤(a)層と隔離膜の形成)
厚さ130μmのトリアセチルセルロースの支持体の上に、下記化合物(1)で表される成分(a)の酢酸エチル溶液を、乾燥後の層厚が約3μmとなる様にスピンコート法で塗布し乾燥させ、電子供与性無色染料からなる発色剤(a)層を形成した。その上に、隔離膜としてポリスチレン(Tg=103℃)の酢酸エチル溶液を、乾燥後の膜厚が約5μmとなる様に塗布し乾燥させた。ここで、上記ポリスチレンの温度23℃/湿度80%RHにおける平衡含水率は0.13%である。
Figure 2005138369
(電子受容性化合物乳化分散液の調製)
酢酸エチル16.5部に、電子受容性化合物として、下記構造式(3)で表される化合物22.0部、下記構造式(4)で表される化合物8.0部、下記構造式(5)で表される化合物2.6部、下記構造式(6)で表される化合物2.6部、及び下記構造式(7)で表される化合物0.5部、並びに下記構造式(8)で表される紫外線吸収剤4.0部、トリクレジルフォスフェート1.0部、及びマレイン酸ジエチル0.5部を添加して、温度70℃に加温して溶解させた。この溶液を、水67部、8%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の「PVA217C」)55部、15%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の「PVA205C」)19.5部、下記構造式(9)で表される化合物の2%水溶液11部、及び下記構造式(10)で表される化合物の2%水溶液11部を混合した水相中に添加した後、日本精機(株)製の「エースホモジナイザー」を用いて回転数10000rpmで平均粒径が0.7μmになる様に乳化分散して、電子受容性化合物の乳化分散物を得た。
Figure 2005138369
Figure 2005138369
(保護層用塗布液の調製)
(1)保護層用ポリビニルアルコール溶液の調製
ビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(電気化学工業(株)製の「EP−130」)160部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルの混合液(東邦化学工業(株)製の「ネオスコアCM−57」、54%水溶液)8.74部、及び水3832部を混合し、温度90℃で1時間かけて均一に溶解して、保護層用ポリビニルアルコール溶液を得た。
(2)保護層用顔料分散液の調製
硫酸バリウム(堺化学工業(株)製の「BF−21F」、硫酸バリウム含有量93%以上)8部に、陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(花王(株)製の「ポイズ532A」、40%水溶液)0.2部、及びイオン交換水11.8部を混合し、ダイノミルにて分散して保護層用顔料分散液を作製した。この硫酸バリウム分散液45.6部に対して、コロイダルシリカ(日産化学(株)製の「スノーテックスO」、20%水分散液)8.1部を添加して、保護層用顔料分散液を得た。
(3)保護層用マット剤分散液の調製
小麦澱粉(新進食料工業(株)製の「小麦澱粉S」)220部に、1,2−ベンズイソチアゾリン−3(2H)−オンの水分散物(I.C.I(株)製の「PROXEL B.D」)3.81部、及び水1976.19部を混合して均一に分散し、保護層用マット剤分散液を得た。
(4)保護層用塗布ブレンド液の調製
上記の保護層用ポリビニルアルコール溶液1000部に、フッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製の「メガファックF−120」、5%水溶液)40部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製、2.0%水溶液)50部、上記保護層用顔料分散液49.87部、上記保護層用マット剤分散液16.65部、及びステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂(株)製の「ハイドリンF115」、20.5%水溶液)48.7部を均一に混合して、目的の保護層用塗布ブレンド液を得た。
(感熱記録材料の作製)
前記で支持体上に形成した発色剤(a)層及び隔離膜の上に、上記で得られた電子受容性化合物の乳化分散物を、コーティングバーを用いて、乾燥後の固形分塗布量が7.4g/m2となる様に塗布し乾燥した。更に、その上に上記で得られた保護層用塗布ブレンド液を、乾燥後の固形分塗布量が1.4g/m2となる様に塗布し乾燥して、目的とする本発明の感熱記録材料(1)を作製した。
[実施例2]
実施例1において、隔離膜の形成で用いたポリスチレンの酢酸エチル溶液の代りに、ポリメチルメタクリレート(Tg=88℃)の塩化メチレン溶液を用いて塗布したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料(2)を作製した。ここで、上記ポリメチルメタクリレートの温度23℃/湿度80%RHにおける含水率は2.1質量%である。
[実施例3]
(電子供与性染料内包マイクロカプセル液の調製)
塩化メチレン22.0部に、成分(a)として下記構造式(1)で表される電子供与性無色染料5.2部、下記構造式(2)で表されるオイル成分4.0部、メタクリル酸メチル82.2部、エチレングリコールジメタクリレート1.6部、及び2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部を溶解させた。この溶液を、1.5%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の「PVA217C」)585部に投入して、日本精機(株)製の「エースホモジナイザー」を用いて、回転数5000ppmで5分間かけて乳化分散した。得られた乳化分散液を窒素置換した後、温度60℃で6時間かけて反応させ、平均粒径約0.2μmの電子供与性染料を内包したマイクロカプセル液を得た。ここで、上記のメタクリル酸メチルとエチレングリコールジメタクリレートからなるポリマーの温度23℃/湿度80%RHにおける含水率は2.0%である。
(感熱記録材料の作製)
濃度30%に調整した上記電子供与性染料内包マイクロカプセル液8.7部、濃度22%の上記電子受容性化合物の乳化分散物7.3部、濃度15%のポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の「PVA205C」)6.1部、及び水2.3部を混合して、感熱記録層用塗布液を得た。この塗布液を、厚さ198μmのWP紙の支持体に、コーティングバーを用いて、上記電子供与性染料の固形分塗布量が0.25g/m2となる様に塗布し乾燥させた。更に、その上に前記保護層用塗布ブレンド液を、固形分塗布量が1.4g/m2となる様に塗布し乾燥させて、目的とする本発明の感熱記録材料(3)を得た。
[比較例1]
実施例1において、隔離膜の形成で用いたポリスチレンの酢酸エチル溶液の代りに、ポリビニルアルコールの水溶液を用いて塗布したこと以外は、実施例1と同様にして比較例の感熱記録材料(3)を作製した。ここで、上記ポリビニルアルコールの23℃/80%RHにおける含水率は5質量%以上である。
[比較例2]
(電子供与性染料内包マイクロカプセル液の調製)
酢酸エチル16.2部に、成分(a)として下記構造式(1)で表される電子供与性無色染料6.8部、下記構造式(2)で表されるオイル成分5.4部、カプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(三井武田ケミカル(株)製の「タケネートD110N」、75%酢酸エチル溶液、)14.3部を溶解させた。この溶液を、水8.5部と8%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の「PVA217C」)51.5部と下記化合物(2)で表される界面活性剤の10%水溶液0.4部との混合液中に投入して、温度42℃で日本精機(株)製の「エースホモジナイザー」を用いて、回転数7000ppmで10分間かけて乳化分散した。得られた乳化分散液に、0.2%ジエチレントリアミン水溶液61.1部を加え、温度42℃で攪拌しながら30分間保温した後、温度65℃に加温して3時間かけて反応させ、その後、固形分濃度が30%になる様に加水して、平均粒径約0.5μmの電子供与性染料を内包したマイクロカプセル液を得た。ここで、上記のキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物からなるポリマーの温度23℃/湿度80%RHにおける含水率は約4.0%である。
上記で得られた電子供与性染料内包マイクロカプセル液を用いて、実施例3と同様にして比較例の感熱記録材料(4)を作製した。
Figure 2005138369
(試験評価)
上記で得られた各感熱記録材料のサンプルを、温度23℃/湿度20%RH及び温度23℃/湿度80%RHの環境条件の下にそれぞれ個別に一晩放置した後、各サンプルについて保護層の表面から静発色試験器を用いて10秒間加熱した所、各加熱温度に対応する濃度のシアン色が得られた。このシアン発色部分の濃度をX−rite(X−rite社製)を用いて測定し、その最大濃度の50%に相当する濃度が得られる加熱温度(T50)の環境湿度条件による差(即ち、80%RH保管品におけるT50−20%RH保管品におけるT50)を算出した。この算出した温度差の結果を下記の表1に示す。上記の加熱温度(T50)の差が小さい程、環境湿度による発色濃度のバラツキが低く抑制されていることを意味する。
Figure 2005138369
感材の形態を同じくする感熱記録材料(1〜2)と感熱記録材料(4)、及び、感熱記録材料(3)と感熱記録材料(5)を比較する。
上記の表1に示す様に、成分(a)及び(b)を隔離する隔離膜を形成するポリマーの含水率が3.0質量%以下である本発明の感熱記録材料(1〜3)は、湿度に影響される発色濃度のバラツキが低く抑制されていることが分かった。一方、隔離膜のポリマーの含水率が3.0質量%を越える比較例の感熱記録材料(4〜5)は、隔離膜における物質透過性能(同濃度を得るのに要する熱量)が湿度差で大きくなり、発色濃度の大きなバラツキを生じた。

Claims (4)

  1. 成分(a)と、該成分(a)と反応して発色させる成分(b)と、両成分(a)及び(b)を隔離する隔離膜とを有する感熱記録材料において、上記隔離膜を形成するポリマーの含水率が3.0質量%以下であることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記隔離膜を形成するポリマーのガラス転移温度(Tg)が、40℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記隔離膜を形成するポリマーが、3次元架橋構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記隔離膜が、成分(a)或いは成分(b)のいずれか一方を内包するマイクロカプセルを形成してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
JP2003375932A 2003-11-05 2003-11-05 感熱記録材料 Pending JP2005138369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003375932A JP2005138369A (ja) 2003-11-05 2003-11-05 感熱記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003375932A JP2005138369A (ja) 2003-11-05 2003-11-05 感熱記録材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005138369A true JP2005138369A (ja) 2005-06-02

Family

ID=34687163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003375932A Pending JP2005138369A (ja) 2003-11-05 2003-11-05 感熱記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005138369A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050158548A1 (en) Microcapsule, manufacturing method thereof and recording material
JP2004337839A (ja) マイクロカプセルおよびその製造方法
JPH10114153A (ja) 熱応答性マイクロカプセル、及びそれを用いた感熱記 録材料及び多色感熱記録材料
US5202304A (en) Recording medium
JP2005138369A (ja) 感熱記録材料
JP2004338272A (ja) 感熱記録材料
JP2005230686A (ja) マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、及び感熱記録材料
JP2004361557A (ja) 記録材料
JP2004338273A (ja) 感熱記録材料
JP2006021471A (ja) マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、及び感熱記録材料
JP3683691B2 (ja) 感熱記録材料
JP4113375B2 (ja) 記録材料
JP2008031313A (ja) 熱変色性組成物及び熱変色性マイクロカプセル
JP2005199561A (ja) 感熱記録材料
JP2003001940A (ja) 記録材料
JP3749466B2 (ja) 記録材料
JPH09286171A (ja) 定着型多色感熱記録材料およびその記録方法
JP2000199952A (ja) 記録材料及び画像記録方法
JP2004034436A (ja) 感熱記録材料
JP2008055642A (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP3961705B2 (ja) 画像形成材料および画像形成方法
JP3795806B2 (ja) 感熱記録材料
JP2003001941A (ja) 記録材料
JP2004142301A (ja) マイクロカプセル及び感熱記録材料
JP2005161608A (ja) マイクロカプセル、感熱記録材料、および、マイクロカプセルの製造方法