JP2005138255A - 吸着装置 - Google Patents

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Kazuoki Komiyama
和興 込山
Takashi Koizumi
孝 小泉
Yoshinori Kawamura
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Abstract

【課題】 吸着対象の反吸着部材側にある追加吸着対象をも確実に吸着できる。
【解決手段】 枚葉搬送部14では、吸着パッド24から配管34へ空気が吸引されることで、吸着パッド24に合紙20が吸着される。この際に、合紙20の吸着パッド24による吸着部分に、吸着パッド24の穿孔針30によって貫通孔36が形成される。このため、合紙20がもともと空気を通過させないものであっても、貫通孔36を介して合紙20を空気が通過でき、これにより、吸着パッド24が、合紙20のみならず、合紙20の下層の印刷版12をも確実に吸着することができる。したがって、印刷版12を吸着して持ち上げ搬送するのに必要な吸着力を印刷版12に発生させることができ、これにより、吸着パッド24が、印刷版12を持ち上げることができると共に、印刷版12を持ち上げ搬送する途中で落下させてしまうことを防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸着対象を吸着する吸着装置に関する。
搬送機構(例えば、特許文献1参照)としては、現在、印刷版と印刷版を保護する合紙とを二重吸着(同時吸着)して持ち上げ(ピックアップ)搬送するものが開発されつつある。このような搬送機構は、例えば吸着パッド(真空吸着パッド)を備えており、吸着パッドが合紙に接触された状態で吸着パッドから空気が吸引されることで、吸着パッドが合紙のみならず合紙を介して印刷版をも吸着する。これにより、吸着パッドが移動されることで、合紙及び印刷版が持ち上げ搬送される構成である。
ここで、このような搬送機構では、合紙がある程度以上の通気性を有していることが大前提であり、これにより、吸着パッドが合紙のみならず印刷版をも吸着できる。
しかしながら、このような搬送機構において、合紙が、ラミネートされたものの如く通気性がない場合や、通気性が極度に悪い場合には、吸着パッドの吸着力が合紙に遮られて印刷版に及び難くなる。このため、吸着パッドにより合紙及び印刷版を二重吸着して持ち上げ搬送しようとしても、印刷版を吸着して持ち上げ搬送するのに必要な吸着力を印刷版に発生させることができなくなり、これにより、吸着パッドが、印刷版を持ち上げることができなくなったり、印刷版を持ち上げ搬送する途中で落下させてしまうという問題がある。
特開2000−351460公報
本発明は上記事実を考慮し、吸着対象の反吸着部材側にある追加吸着対象をも確実に吸着することができる吸着装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の吸着装置は、流体が吸引されることで吸着対象を吸着する吸着部材と、前記吸着対象の前記吸着部材による吸着部分に孔を形成することで前記孔を介して前記吸着対象を流体が通過可能になる孔形成手段と、を備えている。
請求項2に記載の吸着装置は、請求項1に記載の吸着装置において、前記孔形成手段に設けられ、前記吸着対象に当接することで前記孔形成手段が前記吸着対象から突き出ることを抑制する当接部材を備えた、ことを特徴としている。
請求項3に記載の吸着装置は、請求項2に記載の吸着装置において、前記当接部材は、前記吸着対象への当接面に凹凸を有する、ことを特徴としている。
請求項1に記載の吸着装置では、吸着部材から流体が吸引されることで、吸着部材が吸着対象を吸着する。
ここで、吸着対象の吸着部材による吸着部分に孔形成手段によって孔が形成されることで、孔を介して吸着対象を流体が通過可能になる。このため、吸着対象がもともと流体を通過させないものであっても、孔を介して吸着対象を流体が通過でき、これにより、吸着部材が、吸着対象のみならず、吸着対象の反吸着部材側にある追加吸着対象をも確実に吸着することができる。
請求項2に記載の吸着装置では、孔形成手段に設けられた当接部材が吸着対象に当接することで、孔形成手段が吸着対象から突き出ることが抑制されるため、孔形成手段が追加吸着対象に損傷を与えることを抑制できる。
請求項3に記載の吸着装置では、当接部材が吸着対象への当接面に凹凸を有するため、吸着部材が吸着対象を吸着する際に当接部材が吸着対象に当接する場合でも、当接部材と吸着対象との間に隙間が存在する。これにより、吸着部材により吸引される吸着対象の面積が当接部材によって減少することを抑制でき、吸着部材の吸着力が当接部材によって弱められることを抑制できる。
図2には、本発明の吸着装置が適用されて構成された実施の形態に係る印刷版自動露光装置10が側面図にて示されている。
本実施の形態に係る印刷版自動露光装置10は、追加吸着対象としてのフォトポリプレートやサーマルプレート等の印刷版12(図3参照)における支持体12A上の画像記録面12B(例えば乳剤面)に画像を露光(記録)するものである。
印刷版自動露光装置10の後側部位には、枚葉搬送部14が設けられている。枚葉搬送部14には、カセット16が設けられており、カセット16は、上面が開放された直方体箱状とされて装置設置面に対し平行に配置されると共に、上部における角部にさばき板18が設けられている。なお、本実施の形態では、カセット16を一段のみ設けた構成としたが、カセット16を複数段積み重ねて引き出し式に設けた構成としてもよい。
図3に示す如く、カセット16には、複数の印刷版12が収容されており、複数の印刷版12は、それぞれの画像記録面12Bが下向きとされた状態で積み重ねられている。各印刷版12の直上には、吸着対象としての薄膜シート状の合紙20が配設されており、これにより、合紙20と印刷版12とが交互に積層されている。合紙20は印刷版12と同一サイズとされており、合紙20によってその上層の印刷版12の画像記録面12Bが保護されている。
カセット16の上方には、一対のレール(図示省略)が設けられており、一対のレールは、カセット16の左右方向両側上方において、前後方向に平行に配置されている。一対のレールにはプレート(図示省略)が架け渡されており、プレートはカセット16の後端部上方において左右方向に平行に配置されている。プレートは、一対のレールに沿って前後方向へ略水平移動可能とされると共に、基点22を中心に回動可能とされている。
プレートには、吸着部材としての吸着パッド24(真空吸着パッド)が複数取り付けられており、複数の吸着パッド24はカセット16の左右方向に沿って所定のピッチ間隔で配置されている。複数の吸着パッド24は基点22に吊り下げ支持されており、複数の吸着パッド24は基点22の真下に配置されている。ここで、複数の吸着パッド24は、プレートが前後方向へ移動されることで前後方向へ移動可能とされると共に、プレートが回動されることで回動可能とされている。
図1に示す如く、吸着パッド24の下部には、円錐台筒状の吸着スカート26(吸盤)が設けられており、吸着スカート26はゴム製とされて弾性を有している。ここで、吸着パッド24(吸着スカート26)は、下端においてカセット16内の最上層の合紙20に接触する。
吸着スカート26の上部には円筒状のベース筒28(吸盤ベース)の下部が固定されており、ベース筒28は、側壁の肉厚が厚くされて、内孔の径が小さくされている。また、ベース筒28の内孔は吸着スカート26の内孔に連通されている。
ベース筒28の下面には、孔形成手段としての微細な穿孔針30の基端(上端)が複数固定されており、複数の穿孔針30はベース筒28の下面に略均等に配置されている。各穿孔針30は、それぞれベース筒28から下方へ突出しており、先端(下端)が円錐状に尖った形状とされている。
ベース筒28の下面には、当接部材としての円環板状のストッパ部材32が固定されており、ストッパ部材32は、剛性を有する円環板状とされて、内孔がベース筒28及び吸着スカート26の内孔に連通されている。ストッパ部材32には各穿孔針30が貫通されており、ストッパ部材32の下面と各穿孔針30の先端との距離は、合紙20の肉厚と同一とされている。ストッパ部材32は、多孔質材料により構成されるか、あるいは、下面が所謂プラス処理または塗装処理等されており、これにより、ストッパ部材32の下面全体は細かい凹凸を有している。
ベース筒28の上面には配管34の一端が固定されており、配管34は吸着パッド24(吸着スカート26、ベース筒28及びストッパ部材32の内孔)に連通されている。配管34の他端は、例えば真空ポンプ等の吸引機構(図示省略)に接続されており、吸引機構が駆動されることで、吸着パッド24から配管34へ空気(流体)が吸引されて、吸着パッド24にカセット16内の最上層の合紙20が吸着される。この際、吸着スカート26が弾性変形することで当該合紙20に密着され、これにより、吸着パッド24内への空気の漏れ(リーク)が防止される。
さらに、吸着パッド24に当該合紙20が吸着される際には、ストッパ部材32の下面が当該合紙20の上面に当接するまで複数の穿孔針30が下降されることで、各穿孔針30によって当該合紙20の吸着パッド24による吸着部分に孔としての微細な貫通孔36が形成される。これにより、各貫通孔36を介して当該合紙20を空気が通過可能になり、吸着パッド24の吸着力が各貫通孔36を介して当該合紙20の下層(直下)の印刷版12にも及ぶことで、吸着パッド24に当該合紙20及び印刷版12が対になって二重吸着(同時吸着)される。またこの際には、ストッパ部材32の下面が当該合紙20の上面に当接することで、各穿孔針30が当該合紙20の下面から突き出ることが抑制される。
また、複数の吸着パッド24は、複数の系統に分類されており、印刷版12及び合紙20のサイズに基づいて、系統を選択して吸着パッド24に吸着機能を持たせることで、吸着パッド24が合紙20及び印刷版12をバランスよく吸着することができる。
図2には図示しないが、上述の如く吸着パッド24に最上層の合紙20及びその下層の印刷版12が吸着された際には、少なくとも当該合紙20及び印刷版12が上記カセット16のさばき板18を通過するまで、複数の吸着パッド24が上方へ上昇されて当該合紙20及び印刷版12が持ち上げられる(ピックアップされる)ことで、当該合紙20及び印刷版12よりも下層の合紙20及び印刷版12が静電気に拘らずさばかれて、合紙20及び印刷版12がカセット16から一対ずつ取り出される(枚葉される)。
その後、プレートが基点22を中心に図2の反時計回り方向へ回動されつつ一対のレールに沿って前方へ移動されることで、吸着パッド24の下端(合紙20及び印刷版12の吸着点)が所謂サイクロイド曲線を描きながら移動されて、合紙20及び印刷版12が搬送される。吸着パッド24の回動は、プレートが180°回動した際に停止され、これにより、合紙20及び印刷版12の上部では、下側が合紙20かつ上側が印刷版12となる。
枚葉搬送部14の前方(吸着パッド24の移動停止位置の前方)には、一対の搬送ローラ42が設けられている。一対の搬送ローラ42は上下方向において互いに対向しており、吸着パッド24の移動によって搬送された合紙20及び印刷版12は、一対の搬送ローラ42間へ受け渡されると共に吸引機構の駆動が停止されて吸着パッド24への吸着を解除されることで、一対の搬送ローラ42の駆動力(回転力)によって略前方へ搬送される。
下側の搬送ローラ42の前方近傍には、巻掛ローラ56が設けられている。巻掛ローラ56の前方には一対の案内ローラ46が設けられており、前側の案内ローラ46は、後側の案内ローラ46より下方に配置される(合紙20及び印刷版12の搬送面より下側に退避される)と共に、後側の案内ローラ46と前後方向において互いに対向する位置に移動可能とされている。一対の案内ローラ46の下方には一対の排出ローラ48が設けられており、一対の排出ローラ48は前後方向において互いに対向している。後側の案内ローラ46と後側の排出ローラ48との間には一対の小ローラ50が設けられており、一対の小ローラ50は互いに離間している。
巻掛ローラ56、後側の案内ローラ46、後側の排出ローラ48及び一対の小ローラ50には無端帯状のベルト54が巻き掛けられており、ベルト54は全体として略L字状のループを形成して、図2の矢印Aの方向へ駆動される。これにより、合紙20及び印刷版12がベルト54によって略前方へ搬送される。
前側の案内ローラ46(逆転ローラ)及び前側の排出ローラ48には、無端帯状のベルト52が巻き掛けられており、ベルト52は図2の矢印Fの方向へ駆動される。
合紙20及び印刷版12の後端が前側の案内ローラ46上を通過する直前には、前側の案内ローラ46が後側の案内ローラ46と前後方向において互いに対向する位置に移動されることで、合紙20がベルト52との摩擦力により一対の案内ローラ46間に引き込まれる。これにより、合紙20のみが、図2の鎖線矢印Bに沿って、ベルト52及びベルト54と共に搬送されて、一対の排出ローラ48へ送られることで、一対の排出ローラ48下方の廃棄ボックス(図示省略)へ廃棄される。また、合紙20が一対の案内ローラ46間に引き込まれた際には、前側の案内ローラ46が、後側の案内ローラ46より下方に移動(退避)される。
一方、合紙20が剥離された印刷版12は、引き続きベルト54によって沿って略前方(図2の矢印Cの方向)へ搬送される。
前側の案内ローラ46の前方には、搬送ガイドユニット70が設けられており、搬送ガイドユニット70は、平板状の給版ガイド72及び排版ガイド74を有している。給版ガイド72と排版ガイド74とは互いの相対位置関係が横V字型とされており、搬送ガイドユニット70は後端部を中心として所定角度回動する構造とされている。ここで、ベルト54によって略前方へ搬送される印刷版12は、給版ガイド72上に搬送される。
搬送ガイドユニット70の前方には、上側においてパンチ部76が設けられている。ここで、搬送ガイドユニット70が回動されて給版ガイド72がパンチ部76に対応(対向)されることで、給版ガイド72上の印刷版12の前端部がパンチ部76内に搬送されて、パンチ部76によって印刷版12の前端部に例えば円孔と長孔等の所定数のパンチ孔(図示省略)が穿孔される。パンチ部76での処理が終了すると、印刷版12が給版ガイド72上へ戻される。
搬送ガイドユニット70の前方には、下側において露光部78が設けられている。露光部78は円柱状の回転ドラム80を備えており、回転ドラム80は図2の矢印D及び矢印Eの方向へ回転可能とされている。ここで、パンチ部76から給版ガイド72上へ印刷版12が戻されると、搬送ガイドユニット70が回動されて給版ガイド72が露光部78に対応される(回転ドラム80の接線方向に対向される)ことで、回転ドラム80の周面上に印刷版12の前端が搬送されて、印刷版12が位置決めされる。
回転ドラム80の周面には、印刷版12の前端が搬送される位置において、板状の前端チャック82が設けられている。前端チャック82は、回転ドラム80に回転自在に支持されると共に、前端チャック82の前側には回転ドラム80の周面から離間される方向へ弾性力が付与されている。
前端チャック82の上方には装着ユニット84が設けられており、装着ユニット84には伸縮ロッド84Aが設けられている。ここで、装着ユニット84の伸縮ロッド84Aが伸長されて前端チャック82の前側が押圧されることで、前端チャック82の後端が上記弾性力に抗して回転ドラム80の周面から離間している。これにより、上述の如く給版ガイド72から回転ドラム80の周面上に搬送される印刷版12の前端が前端チャック82の後端と回転ドラム80の周面との間に挿入され、この状態で上記印刷版12の位置決めが行われる。
また、上記印刷版12の位置決めが終了した後には、装着ユニット84の伸縮ロッド84Aが引き戻されて前端チャック82前側の押圧が解除されることで、前端チャック82の後端が上記弾性力により印刷版12の前端を回転ドラム80の周面に押し付けて、回転ドラム80の周面に印刷版12の前端が固定される。さらに、回転ドラム80の周面に印刷版12の前端が固定されると、回転ドラム80が図2の矢印Dの方向へ回転されて、印刷版12が回転ドラム80の周面に巻き付けられる。
回転ドラム80の周面近傍には、装着ユニット84よりも図2の矢印Dの方向側において、円柱状のスクイズローラ86が配設されている。スクイズローラ86は、回転ドラム80側へ移動されることで、回転ドラム80に巻き付けられる印刷版12を回転ドラム80へ向けて押圧しつつ回転され、印刷版12を回転ドラム80の周面に密着させる。
回転ドラム80の外周近傍には、装着ユニット84よりも図2の矢印Eの方向側において、後端チャック着脱ユニット88が配設されている。後端チャック着脱ユニット88には後端チャック90が保持されており、回転ドラム80に巻き付けた印刷版12の後端が後端チャック着脱ユニット88に対向すると、後端チャック着脱ユニット88が後端チャック90を回転ドラム80側へ移動させて回転ドラム80の所定の位置に装着すると同時に、後端チャック着脱ユニット88から後端チャック90が離脱される。これにより、後端チャック90が印刷版12の後端を押し付けて、回転ドラム80の外周に印刷版12の後端が固定される。
このように、前端チャック82及び後端チャック90によって印刷版12の前端及び後端が回転ドラム80に固定されると、後端チャック着脱ユニット88及びスクイズローラ86が回転ドラム80から離間された後に、回転ドラム80が所定の回転速度で同方向へ高速回転される。
回転ドラム80周面の後側近傍には、記録ヘッド92が配設されており、記録ヘッド92は、高速回転される回転ドラム80に向け、この回転ドラム80の回転に同期させて、読み込まれた画像データに基づいて変調した光ビームを照射し、これにより、印刷版12が画像データに基づいて露光される。この露光処理は、回転ドラム80を周方向へ高速で回転させながら(主走査)、記録ヘッド92を回転ドラム80の軸方向へ移動させる(副走査)、所謂走査露光である。
印刷版12への走査露光が終了すると、後端チャック90が後端チャック着脱ユニット88に対向する位置で回転ドラム80が一時停止されて後端チャック着脱ユニット88が回転ドラム80側へ移動され、後端チャック着脱ユニット88によって回転ドラム80から後端チャック90が取り外されると同時に後端チャック着脱ユニット88に後端チャック90が保持されて、後端チャック90による印刷版12後端の固定が解除される。その後、後端チャック着脱ユニット88によって後端チャック90が回転ドラム80から離間される。
さらに、搬送ガイドユニット70が回動されて排版ガイド74が露光部78に対応された後(回転ドラム80の接線方向に対向された後)、回転ドラム80が図2の矢印Eの方向へ回転されることで、印刷版12が後端側から後方へ搬送されて排版ガイド74へ排出される。この際、装着ユニット84の伸縮ロッド84Aが伸長されて前端チャック82の前側が押圧されることで、前端チャック82の後端による印刷版12前端の固定が解除される。
また、印刷版12が排版ガイド74に送られると、搬送ガイドユニット70が回動されて、排版ガイド74から印刷版12が排出され、これにより、印刷版12が次工程の現像装置(図示省略)へ搬送される構成である。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成の印刷版自動露光装置10では、枚葉搬送部14のカセット16内に合紙20と印刷版12とが交互に積層されており、最上層の合紙20に吸着パッド24下端が接触された状態で吸引機構が駆動されると、吸着パッド24から配管34へ空気が吸引されて、吸着パッド24に当該合紙20が吸着される。この際、吸着パッド24の穿孔針30によって当該合紙20に貫通孔36が形成されることで、吸着パッド24に当該合紙20の下層の印刷版12をも吸着される。さらに、吸着パッド24が上方へ上昇されて当該合紙20及び印刷版12が持ち上げられることで、カセット16のさばき板18によって当該合紙20及び印刷版12よりも下層の合紙20及び印刷版12がさばかれて、合紙20及び印刷版12がカセット16から一対ずつ取り出される。
その後、吸着パッド24が取り付けられたプレートが基点22を中心に図2の反時計回り方向へ回動されつつ前方へ移動されることで、吸着パッド24の下端がサイクロイド曲線を描きながら移動されて、吸着パッド24に吸着された合紙20及び印刷版12が搬送される。プレートが180°回動された際には、吸着パッド24の回動が停止されて、合紙20及び印刷版12が、一対の搬送ローラ42間へ受け渡されると共に吸着パッド24への吸着を解除されることで、一対の搬送ローラ42更にはベルト54によって略前方へ搬送される。
ベルト54によって印刷版12と共に略前方へ搬送される合紙20は、ベルト52との摩擦力により一対の案内ローラ46間に引き込まれる。これにより、合紙20のみが、ベルト52及びベルト54と共に搬送されて、一対の排出ローラ48へ送られることで、廃棄ボックスへ廃棄される。
一方、合紙20が剥離された印刷版12は、ベルト54によって略前方へ搬送される。
ベルト54によって略前方へ搬送される印刷版12は、搬送ガイドユニット70の給版ガイド72に搬送され、搬送ガイドユニット70が回動されて給版ガイド72がパンチ部76に対応されることで、印刷版12の前端部がパンチ部76内に搬送される。パンチ部76内に搬送された印刷版12は、前端部にパンチ部76により所定数のパンチ孔が穿孔された後、給版ガイド72上に戻される。
さらに、搬送ガイドユニット70が回動されて給版ガイド72が露光部78の回転ドラム80に対応されることで、印刷版12が回転ドラム80へ搬送されて、位置決めされる。位置決めされた印刷版12は、前端と後端とがそれぞれ前端チャック82と後端チャック90とによって回転ドラム80の周面に固定されると共にスクイズローラ86によって回転ドラム80の周面に密着されつつ、回転ドラム80の周面に巻き付けられる。回転ドラム80の周面に印刷版12が巻き付けられると、回転ドラム80が高速回転された状態で、記録ヘッド92から光ビームが印刷版12へ照射されることで、露光処理が行われる。
露光処理が終了すると、搬送ガイドユニット70が回動されて排版ガイド74が回転ドラム80へ対応されると共に、前端チャック82及び後端チャック90による印刷版12の回転ドラム80周面への固定が解除されつつ、印刷版12が回転ドラム80から排版ガイド74へ排出される。その後、搬送ガイドユニット70が回動されて排版ガイド74から印刷版12が排出されることで、印刷版12が次工程の現像装置へ搬送される。
ところで、枚葉搬送部14では、上述の如く吸着パッド24が合紙20を吸着する際に、合紙20の吸着パッド24による吸着部分に吸着パッド24の穿孔針30によって貫通孔36が形成されることで、貫通孔36を介して合紙20を空気が通過可能になる。このため、合紙20がもともと空気を通過させないもの(通気性がないものまたは通気性が極度に悪いもの)であっても、貫通孔86を介して合紙20を空気が通過でき、これにより、吸着パッド24が、合紙20のみならず、合紙20の下層の印刷版12(合紙20の反吸着パッド24側の印刷版12)をも確実に吸着することができる。したがって、印刷版12を吸着して持ち上げ搬送するのに必要な吸着力を印刷版12に発生させることができ、これにより、吸着パッド24が、印刷版12を持ち上げることができると共に、印刷版12を持ち上げ搬送する途中で落下させてしまうことを防止できる。
さらに、穿孔針30によって合紙20に貫通孔36が形成される際には、穿孔針30の基端に設けられたストッパ部材32の下面が合紙20の上面に当接することで、穿孔針30の先端が合紙20の下面から突き出ることが抑制されるため、穿孔針80が印刷版12に損傷を与えることを抑制できる。
また、本実施の形態では、カセット16に印刷版12が画像記録面12B(表面)を下向きとされた状態で収容されているため、印刷版12の吸着パッド24に吸着(吸引)される面(上面)は、反画像記録面12B側の面(裏面)である。このため、仮に穿孔針30が印刷版12に損傷を与えたとしても、この損傷が僅かであれば、印刷版12の品質上問題となることはない。
さらに、ストッパ部材32が合紙20への当接面(下面)全体に細かい凹凸を有している。このため、本実施の形態の如く吸着パッド24が合紙20を吸着する際にストッパ部材32が合紙20に当接する場合でも、ストッパ部材32と合紙20との間に隙間が存在する。これにより、吸着パッド24により吸引される合紙20の面積がストッパ部材32によって減少することを抑制できて、吸着パッド24の吸着力がストッパ部材32によって弱められることを抑制でき、したがって、吸着パッド24が合紙20及び印刷版12を二重吸着するために必要な合紙20の必要吸引面積を確保することができる。
なお、本実施の形態では、吸着パッド24に穿孔針30及びストッパ部材32を設けた構成としたが、吸着パッド(吸着部材)とは別の穿孔機構(孔形成手段)に穿孔針を設けて、吸着パッドが合紙(吸着対象)を吸着する前に、少なくとも合紙の吸着パッドによる吸着部分に穿孔針が貫通孔(孔)を形成する構成としてもよい。さらにこの場合、穿孔機構にストッパ部材(当接部材)を設けた構成としてもよい。
また、本実施の形態では、カセット16に印刷版12が画像記録面12Bを下向きとされた状態で収容されると共に印刷版12の直上に合紙20が配設されることで、合紙20が直上の印刷版12の画像記録面12Bを保護する構成としたが、カセットに印刷版(追加吸着対象)が画像記録面(表面)を上向きとされた状態で収容されると共に印刷版の直上に合紙(吸着対象)が配設されることで、合紙が直下の印刷版の画像記録面を保護する構成としてもよい。
本発明の実施の形態に係る印刷版自動露光装置における吸着パッドを示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る印刷版自動露光装置を示す概略的な側面図である。 本発明の実施の形態に係る印刷版自動露光装置におけるカセット内での印刷板及び合紙の収容状況を示す断面図である。
符号の説明
10 印刷版自動露光装置
12 印刷版(追加吸着対象)
20 合紙(吸着対象)
24 吸着パッド(吸着部材)
30 穿孔針(孔形成手段)
32 ストッパ部材(当接部材)
36 貫通孔(孔)

Claims (3)

  1. 流体が吸引されることで吸着対象を吸着する吸着部材と、
    前記吸着対象の前記吸着部材による吸着部分に孔を形成することで前記孔を介して前記吸着対象を流体が通過可能になる孔形成手段と、
    を備えた吸着装置。
  2. 前記孔形成手段に設けられ、前記吸着対象に当接することで前記孔形成手段が前記吸着対象から突き出ることを抑制する当接部材を備えた、ことを特徴とする請求項1記載の吸着装置。
  3. 前記当接部材は、前記吸着対象への当接面に凹凸を有する、ことを特徴とする請求項2記載の吸着装置。
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