JP2005137208A - クエン酸含有食酢の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クエン酸含有食酢の製造において、特別な処理を必要とせずに、容易、かつ効率的にクエン酸含有食酢を製造する方法を提供し、さらに、クエン酸濃度1重量/容量%以上の高濃度のクエン酸を含有する新規な食酢を効率良く発酵生産する方法を提供する。
【解決手段】 深部培養法によるクエン酸を含有する食酢の製造において、初発クエン酸濃度を0.5重量/容量%以下として発酵を開始し、その後、発酵液のクエン酸濃度の上昇速度が1時間当り2.0重量/容量%以下となるようにして発酵液中にクエン酸含有液を添加すること、を特徴とする1重量/容量%以上のクエン酸を含有する食酢の製造方法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クエン酸含有食酢の製造に関し、詳しくはクエン酸による酢酸発酵阻害を起こさずに酢酸発酵を行い、短時間、かつ高効率にクエン酸含有食酢を製造する方法に関するものである。
食酢はエタノールを含有する液を、酢酸菌を用いて酢酸発酵することにより、酢酸を生成させて製造される伝統的な酸性調味料である。食酢は、主要な有機酸成分として酢酸を含有するが、酢酸は独特の鋭い酸味や強い刺激臭があるために、その酸味を抑制しかつ刺激臭の少ないものに改善する必要がある。
酸性調味料としては柑橘系果汁や梅果汁なども利用されているが、これらに含まれるクエン酸は爽やかで切れの良い酸味を有し、刺激臭も少ないことから、クエン酸を含有させた食酢が望まれていた。
一方、食酢の発酵は発酵液表面に酢酸菌を増殖させて発酵させる表面発酵法と、空気(酸素)を通気して攪拌などによって気泡を微細化して発酵液全体に空気(酸素)を供給して発酵させる深部培養法による発酵方法とに大別されるが、発酵効率の点からは深部培養法による発酵方法が優れているとされている。
深部培養法によるクエン酸含有食酢の製造例としては、例えばクエン酸含有の焼酎粕を原料の一部に使用した食酢の製法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、クエン酸含有の焼酎粕からの醸造酢の製造において、発酵中にアルコール含有液を添加してより高い酢酸濃度の食酢を製造しようとした例もある(例えば、非特許文献1参照)。また、泡盛蒸留粕を利用した食酢及びその製造方法も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、柑橘系果汁を用いて酢酸発酵を行なうクエン酸含有果実酢の製造例があり(例えば、特許文献2参照)、また、ミカンを原料としたクエン酸含有食酢の製造例も知られている(例えば、非特許文献2参照)。
一般的にクエン酸は酢酸菌による酢酸発酵を阻害することから、例えば、特許文献1においてはクエン酸耐性の酢酸菌を用いて製造せざるを得ず、また、特許文献2においては、柑橘系果汁由来のクエン酸の濃度をなるべく低くする必要があり、果汁中のクエン酸含量を低減もしくは完全に除去する減酸処理を実施しなければならない。
しかし、これらの工夫によっても食酢中のクエン酸濃度は約1重量/容量%未満と低いものであり、さらに、その発酵速度はさほど速くなく、効率の良いものではなかった。
以上の如く、深部培養法による高濃度のクエン酸を含有する食酢を製造するにあたり、クエン酸の酢酸菌に対する発酵阻害を回避し、効率良く製造する方法の開発が望まれていた。
特開2001−190266号公報 特開平11−146781号公報 特開2002−153254号公報 「生物工学会誌、80巻、9号、p.417−423、2002年」 「近畿大学農業総合研究所報告、7巻、p.119−129、1999年」
本発明は、クエン酸含有食酢の製造において、クエン酸耐性酢酸菌を使用することや、原料中のクエン酸を除去する減酸処理工程を行なうなど、特別な処理を必要とせずに、容易、かつ効率的にクエン酸含有食酢を製造する方法を提供することにある。
さらに、本発明は、クエン酸濃度1重量/容量%以上の高濃度のクエン酸を含有する新規な食酢を効率良く発酵生産する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題達成のために鋭意検討した結果、発酵液中に特定濃度以上のクエン酸を一度に添加した場合、酢酸菌の活性が低下し、発酵阻害が生じることを確認した。すなわち、発酵槽内でクエン酸濃度が急激に上昇する製法では、発酵阻害が生じ、長時間の発酵期間を要してしまうことになる。これは、発酵液中の急激なクエン酸濃度の上昇が発酵阻害を起こすためと考えられ、一度にクエン酸を発酵槽内に投入する製法では、短時間、かつ効率的にクエン酸含有食酢を製造できないことを解明した。
本発明者らは、これらの知見に基づき、クエン酸による発酵阻害を生じないクエン酸濃度以下で発酵を開始し、その後、発酵の進行に応じて、特定速度以下でクエン酸含有液を連続的、または断続的に添加すれば、従来以上に短時間かつ効率的にクエン酸含有食酢を製造できることを解明した。
その結果、従来得ることができなかったようなクエン酸濃度の高い食酢の効率的な製造が可能になるとの知見を得て本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、深部培養法によるクエン酸濃度の高い食酢の製造において、クエン酸を1度に添加するのではなく、はじめに比較的低濃度のクエン酸の存在下で発酵を開始した後、クエン酸濃度を上げて発酵することにより高クエン酸含有食酢を効率的に製造する点を基本的技術思想とし、更にこれを改良、具体化したものであって、その態様のひとつとしては、次の方法が挙げられる。
深部培養法によるクエン酸を高含有する食酢の製造において、初発クエン酸濃度を1重量/容量%未満、好ましくは0.5重量/容量%以下として発酵を開始し、その後、発酵液のクエン酸濃度の上昇速度が1時間当り3.0重量/容量%以下、好ましくは2.0重量/容量%以下となるようにして発酵液中にクエン酸又はクエン酸含有液を添加すること、を特徴とする例えば2重量/容量%以上といった1重量/容量%以上のクエン酸を含有するクエン酸高含有食酢の製造方法、及び、この方法によって製造されるクエン酸高含有食酢である。
本発明により、クエン酸含有食酢を容易かつ効率的に製造する方法を提供ができる。
また、従来製造が困難とされていた高濃度のクエン酸を含有する食酢、例えば、2〜3重量/容量%以上といった、1重量/容量%以上のクエン酸を含有する食酢の効率的な製造も可能である。
これにより、酢酸以外の爽快な酸味を有するクエン酸を多く含有した新規食酢を提供することができる。
本発明によれば、クエン酸による発酵阻害を回避してクエン酸含有食酢の効率的な酢酸発酵が可能になり、耐性菌の利用や減酸処理などの前工程の必要もなく、容易かつ効率的にクエン酸含有食酢を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる酢酸菌としては、食酢の発酵生産に用いられる通常の酢酸菌であればよく、特に制限はない。例えば、アセトバクター(Acetobacter)属の酢酸菌が用いられ、アセトバクター・ヨーロペウス(Acetobacter europaeus)(例えば、「システマティック・アンド・アプライド・ミクロバイオロジー(Systematic and Applied Microbiology)」、15巻、p.386〜392、1992年参照)やアセトバクター・アルトアセチゲネスMH−24(Acetobacter altoacetigenes MH−24)株(特許生物寄託センターにFERM BP−491として寄託)などの高酸度食酢の発酵菌や、アセトバクター・アセチIFO3281(Acetobacter aceti IFO3281)株、アセトバクター・アセチIFO3283(Acetobacter aceti IFO3283)株などが有効に使用される。
これらの酢酸菌をアルコールおよび酢酸菌の栄養源等を含有する原料液が入った深部培養用の発酵タンクに接種して種菌液の調製のための培養を開始する。すなわち、酢酸菌を接種した後、アルコール又はアルコール水溶液を添加していき、酢酸濃度をあげていくのが望ましい。一般的には、アルコールまたはアルコール水溶液を、酢酸濃度とアルコール濃度の和が6〜9%程度となるように添加し、酢酸濃度が5〜8重量/容量%でアルコール濃度が0.3〜0.5容量/容量%程度となった時点で、得られた発酵液を種菌液として使用するのがよい。
このような種菌液を、予めアルコールや酢酸菌の栄養源を含有する原料液が入ったクエン酸含有食酢の発酵を行わせる発酵タンクに移植して発酵を開始する。
この場合の種菌液中の酢酸菌の活性は極力高いものを用いるのが望ましく、また移植中に種菌液の酢酸菌の活性が低下しないように留意する必要がある。
このようにしてクエン酸含有食酢を製造するための発酵を行わせるが、本発明では、酢酸発酵時に添加するクエン酸含有液にアルコールを含有させてもよい。アルコールを含有させる場合、クエン酸含有液のアルコール濃度は、目的とする食酢の酢酸濃度に合わせて調整することができる。一方、クエン酸含有液にアルコールを含有させない場合は、酢酸発酵に必要なアルコールを発酵タンク内に前もって添加しておくか、または、クエン酸含有液とは別にアルコール又はアルコール水溶液を添加するのが好ましい。クエン酸含有液、またはアルコールを含有するクエン酸含有液を添加する場合のいずれにおいても、発酵液中のアルコール濃度は4〜6%程度が好ましい。
なお、上記の種菌液そのものを原料液として利用し、これにクエン酸含有液またはアルコール含有クエン酸含有液を添加しつつ、発酵を継続させることも可能である。
クエン酸の原料としては、レモン、ライム等の香酸柑橘類の果汁およびその加工物、焼酎粕の蒸留残渣液などのクエン酸を含有するものがよく、また結晶クエン酸などを用いてもよく、結晶又は非結晶クエン酸の水溶液を用いてもよい。
クエン酸含有食酢製造のための酢酸発酵は、深部培養用の発酵タンクで、25〜38℃で実施される。
深部培養用の発酵タンクの通気方法においても、従来公知の方法が採用でき、何ら制限がない。例えば、空気、酸素ガスなどの酸素を含む気体を通気管を通じて供給する方法などが挙げられる。通気量は、発酵状況に応じて適宜設定すればよく、例えば0.02〜1vvm(通気容量/発酵液量/分)の通気量で、発酵液の下部に供給し、これを攪拌機で微細化・拡散させ、発酵液中の溶存酸素が0.2〜8ppm程度で維持されるように制御すれば良い。
発酵タンクについても特に制限はなく、従来から深部培養による食酢の発酵に使用されているものであればよく、例えば一般的な通気攪拌型の深部発酵装置を使用することができる。
また、発酵形式についても、回分発酵法、半連続発酵法、二段発酵法など、従来から実施されてきた各種の方式を採用することができる。
上記で得られた種菌液を、深部培養用の発酵タンクに、活性を低下させないようにしながら投入し、クエン酸含有食酢の発酵を開始する。
このとき、種菌液のクエン酸濃度と発酵タンク内の原料液のクエン酸濃度の差は1.0重量/容量%未満、好ましくは0.5重量/容量%以内とすることが、効率良い発酵をおこなわせる上で好ましい。
なお、種菌液の接種方法の一例としては、種菌液を別の発酵タンクに移動せずに、深部培養で発酵している発酵タンクに対してクエン酸含有液を添加して発酵を開始することも可能である。
このようにして発酵を開始し、その後、発酵の進行に応じて、発酵液中の酢酸濃度の上昇等が認められたら、クエン酸含有液またはアルコール含有クエン酸含有液を適時添加することになるが、その添加方法は、連続的、もしくは断続的添加のいずれでもよい。
ただし、このときの添加速度は、発酵液中のクエン酸濃度の上昇が、3重量/容量%/時間以下となるように制御して添加するのが好ましく、さらに好ましくは、2重量/容量%/時間以下となるようにして添加するのが良い。なお、このときのクエン酸の全添加量は、1〜10重量/容量%、好ましくは1〜7重量/容量%とするのが良い。
これらの速度以上でクエン酸濃度を上昇させると、酢酸菌にクエン酸の阻害効果が発生し、その結果発酵時間が長期化して効率が悪くなるので好ましくない。
なお、本発明ではクエン酸濃度を中心に、各種成分濃度を測定し管理しながら発酵を継続させる必要があり、測定の方法としては、例えばクエン酸濃度については、食品分析用酵素試薬により測定する方法などが採用される。
食品分析用酵素試薬を用いてクエン酸濃度を測定する際は、例えば、クエン酸用F−キット(r−biopharm社製)を用い、紫外部吸光度測定して算出した。
また、酢酸濃度については、常法による中和滴定法により求めた滴定値を酢酸濃度として算出する。すなわち、測定用試料として食酢(発酵液)5mlをビーカーにとり、1N水酸化ナトリウムを用い、フェノールフタレンを指示薬として中和滴定し、得られた滴定量(ml)を1.2倍して酢酸濃度換算した値を酢酸濃度とし、重量/容量%で表わした。
なお、クエン酸を含有する発酵液の場合は、上記のごとくにして求めたクエン酸濃度を上記の酢酸濃度から差し引いて、酢酸濃度とした。
また、アルコール濃度を測定する必要がある場合は、例えば、島津製作所製ガスクロマトグラフィー(GC−17A)で、GLサイエンス製カラム(TC−WAX:0.53mm×30m)を用い、ディテクション220℃、カラム温度40℃で5分間保持し、4℃/分の条件で220℃で10分間保持する測定条件で、試料1μlを用いる方法などが例示される。
以上の方法で、所定の酢酸濃度まで発酵が進行した時点で発酵を終了し、発酵タンクから取り出されたクエン酸含有食酢発酵液は、以下所定の方法で、酢酸菌の除去、熟成、清澄化処理、殺菌工程を経て、クエン酸含有食酢として製品化可能となる。
このような製法でクエン酸含有食酢を製造すれば、クエン酸の発酵阻害を回避して効率良くクエン酸含有食酢を製造可能となる。また、本製法により、従来法では不可能であった1重量/容量%以上の高濃度のクエン酸を含有する食酢を、短時間、かつ効率的に製造することができる。このようにして、本発明によれば、クエン酸濃度が2重量/容量%以上、酢酸濃度が3重量/容量%以上、例えば4〜10重量/容量%程度の食酢を効率的に製造することができる。
以下、本発明の実施例について述べる。
初発クエン酸濃度の決定
(1)種菌液の調製
発酵タンク内に投入する酢酸菌の前培養を行なった。
アセトバクター・アセチIFO3281(Acetobacter aceti IFO3281)株を、3%容量/容量なるようアルコール(エタノール)を添加した殺菌済みの804培地(ポリペプトン10g、酵母エキス10g、グルコース10g/リッター)で30℃、200rpmの条件下で48時間、振とう培養し、前培養液を得た。
得られた前培養液100mlを、酢酸菌の栄養源、アルコール3容量/容量%、および酢酸0.5重量/容量%からなる200mlの原料液を有する深部培養用の発酵タンク(10L容量:千代田製作所社製TBR2−3)に投入し、30℃、500rpm、0.2vvmで深部培養して、種菌液調製用の発酵を開始した。
発酵開始より、酢酸濃度とアルコール濃度の和が6%となるようにアルコール水溶液を700ml添加しつつ発酵を継続させ、最終的に酢酸濃度5.3〜5.5重量/容量%でアルコール濃度0.3〜0.5容量/容量%程度となった段階で種菌液として、以下の試験に供した。なお、種菌液用発酵タンクから深部培養用の発酵タンクへの種酢の移動は、送液ポンプを使用して約3秒間かけて行った。
(2)初発クエン酸濃度の影響
リンゴ7倍濃縮果汁(オーストリア産)を9.3重量/容量%使用し、これにアルコールを4.4重量/容量%になるように添加した培地を製造した。これに対して、クエン酸結晶(磐田工業社製)を用いて、クエン酸濃度が0、0.5、1、2、4重量/容量%なるように調整し、これらを、深部培養用の発酵タンク(10L容量:千代田製作所社製、TBR2−3型)にそれぞれ900mlずつ投入した。
それぞれの発酵タンクに対し、上記方法により調製した種菌液の生産速度は、0.1重量/容量%/時間であったが、該種菌液100mlづつを、活性を低下させないよう通気しながら添加し、総量で1000mlとして接種を終了し、その後30℃、500rpm、0.2vvmの条件下で、深部培養法による酢酸発酵を開始した。
その後、アルコール濃度が0.3容量/容量%以下になるまで発酵を行なった。
発酵液中のクエン酸濃度が0重量/容量%、および0.5重量/容量%では、発酵開始時から酢酸を生成し、その生酸速度は種菌液と同じ0.1重量/容量%/時間であった。
一方、発酵液中のクエン酸濃度が1重量/容量%、2重量/容量%、4重量/容量%の各試験区では、発酵開始後、酢酸を全く生成しない期間(誘導期)が存在した。この誘導期は、クエン酸濃度が高いほど長いことがわかった。また、生酸停止期間後、酢酸を生成し始めてからの生酸速度は、0から0.1重量/容量%/時間まで徐々に増加し、発酵を終了した。
これらの結果を、表1(初発クエン酸濃度の影響)に示す。
Figure 2005137208
表1より、発酵液中のクエン酸濃度が1重量/容量%以上になると、クエン酸による発酵阻害が生じるのがわかる。
発酵タンク内に、一度に0.5重量/容量よりも高濃度のクエン酸を添加すると、酢酸を全く生成しない期間が発生し、また生産速度も低下するので、発酵開始から終了までの時間が長くなることがわかった。また、発酵時間が長くなれば、連続通気によるアルコールの飛散度合いも大きかった。
これらのことから、初発のクエン酸濃度としては、1重量/容量%未満、好ましくは0.7重量/容量%以下、更に好ましくは0.5重量/容量%以下が好ましいことがわかった。
クエン酸の添加速度
リンゴ7倍濃縮果汁(オーストリア産)を9.3重量/容量%使用し、これにアルコールを4.4重量/容量%になるように添加し、さらに結晶クエン酸(磐田工業社製)4.4重量/容量%となるように添加してクエン酸含有アルコール水溶液を作製した。
深部培養用の発酵タンク(10L容量:千代田製作所社製TBR2−3)に、実施例1と同様にして調製した種菌液(生酸速度は0.1重量/容量%/時間)を、通気下で活性を低下させずに、100mlづつ投入し、30℃、500rpm、0.2vvmの条件下で酢酸発酵を開始した。
この深部培養用の発酵タンクに、上述したクエン酸含有アルコール水溶液900mlを適時添加していき、総量を1000ml(クエン酸濃度は4重量/容量%)にした。すなわち、クエン酸含有アルコール水溶液900mlを、それぞれ1、2、3、および4時間(添加速度は、それぞれ900ml/時間、450ml/時間、300ml/時間、225ml/時間 )で添加し、添加後の発酵液中のアルコール濃度が、0.3容量/容量%以下になるまで発酵を行った。なお、このような方法で発酵液中に添加されるアルコールは、各試験区ともに4容量/容量%であった。
以上の結果を表2(クエン酸添加速度の影響)に示した。
Figure 2005137208
その結果、1時間で900mlを添加した場合、添加終了後に、酢酸を全く生成しない期間が発生し、生産速度も低下するために、発酵期間が長くかかり、効率が悪いことが確認できた。
しかし、1時間あたりのクエン酸濃度上昇が3重量/容量%以下、好ましくは2重量/容量%以下、更に好ましくは1.8重量/容量%以下では、添加終了後に酢酸を生成しない期間は存在せず、発酵期間も短くでき、効率良くクエン酸含有食酢を発酵生産可能なことが判明した。
以上の結果より、クエン酸含有食酢の製造において、発酵液中のクエン酸の濃度上昇が、1時間あたり2重量/容量%以下になるよう、クエン酸含有水溶液を添加していく製法により、従来以上に短時間、かつ効率的に製造可能であることが確認できた。そして、このようにしてクエン酸含量4.0重量/容量%、酢酸含量4.0重量/容量%の食酢を得た。

Claims (4)

  1. 深部培養法によるクエン酸を含有する食酢の製造において、初発クエン酸濃度を1重量/容量%未満として発酵を開始し、その後、発酵液のクエン酸濃度の上昇速度が1時間当り3重量/容量%以下となるように発酵液中にクエン酸又はクエン酸含有液を添加すること、を特徴とする1重量/容量%以上のクエン酸を含有する食酢の製造方法。
  2. 初発クエン酸濃度を0.5重量/容量%以下とし、発酵液のクエン酸濃度の上昇速度が1時間当り2.0重量/容量%以下となるようにクエン酸又はクエン酸含有液を添加すること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. クエン酸又はクエン酸含有液を連続的又は断続的に発酵液に添加すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で製造してなる、1重量/容量%以上のクエン酸を含有する高クエン酸含有食酢。
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