JP4909348B2 - 食酢の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食酢の製造方法に関し、詳しくは短時間、且つ、高効率に多品種の食酢を製造する方法に関するものである。
一般に、食酢の製造法は、発酵液表面に酢酸菌を増殖させて発酵させる表面発酵法と、空気(酸素)を通気して攪拌などによって気泡を微細化して発酵液全体に空気(酸素)を供給して発酵させる深部発酵法とに大別されるが、発酵効率の点からは、表面発酵法に比して、深部発酵法が優れているとされている。
ただ、深部発酵法においても、発酵に使用する酢酸菌を増殖させ、発酵可能な種酢発酵液を作成するには時間を要する。酢酸菌を毎回添加増殖させる回分式は、その発酵誘導期によって全体の発酵時間が長くなり、その発酵効率は大きく低下することとなる。そこで、種酢発酵液の調製回数が少なくてすむ、連続式や回分式連続の発酵が主として使用されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、深部発酵法は、単品種の食酢を大量に製造する酢酸発酵には適しているが、品種切替による発酵停止と再稼動を繰り返す多品種の生産には、発酵効率が大きく低下するため、適さないとされている。
しかしながら、近年では、調味用途に加え、食酢の飲用用途の普及により、消費者嗜好の多様化、需要量の季節変化が拡大してきている。そのため、深部発酵法の優れた発酵効率を生かしつつ、短時間に効率よく多品種の食酢を製造する方法の開発が望まれていた。
特公昭47−22799号公報
本発明は、近年における多様な食酢の市場ニーズと需要変化に対応するために、深部発酵法の優れた発酵効率を活かしつつ、多品種の食酢を効率よく、且つ、短時間に製造する手段を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、多品種の食酢を効率よく、且つ、短時間に製造することのできる方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記の課題を克服するために鋭意検討を重ねた結果、複数の深部発酵槽を発酵液移動ができるように配管などで連結した配置とし、酢酸菌の培養液である種酢発酵液の深部発酵槽間の移動開始から10分以内(高酸度発酵菌の場合では1分以内)に、通気を開始し、食酢発酵原料の添加を再開することで、酢酸菌の酢酸発酵活性が保持され、発酵誘導期を短縮(例えば10時間以内)できることを見出した。
また、本発明者は、多品種の食酢発酵に共通して使用可能な種酢発酵液を設定して、その種酢発酵液に添加する食酢発酵原料を変更することで、発酵ロット毎に品種を替えて多品種を生産でき、市場ニーズ、需要変化に対応したフレキシブルな食酢製造が可能となることを見出した。
つまり、発酵に必要な酢酸発酵活性を保持した種酢発酵液を継続して製造し、これを別の深部発酵槽に移動し、目的とする食酢の発酵原料を加えて酢酸発酵を継続、完結することで、酢酸菌増殖を待つ長い発酵誘導期を必要としない、短時間で効率的な、多品種に対応した酢酸発酵が可能となった。
本発明者は、通気停止により死滅するとされる深部発酵用酢酸菌について、その液移動の過程において、無通気による死滅やダメージを発生させないため、酢酸菌の死滅及び酢酸発酵活性の保持条件について鋭意検討を行った。
その結果、本発明者は、発酵中の含気泡種酢発酵液が移動途中で気泡の抜けがない配管やホースで移動させることにより、液移動時に含気泡種酢発酵液への新たな通気は停止するものの、空気(酸素)気泡から溶存酸素供給が継続され、瞬間全死滅は起こらないことを見出した。また、酢酸菌の無通気時間の影響は、液移動開始から10分以内(高酸度発酵菌では1分以内)に通気再開をすれば、その酢酸菌の死滅抑制が図れ、また酢酸菌の酢酸発酵活性の低下が防止できることを突き止めた。
以上により、本発明者は深部発酵法においても、多品種の食酢生産を短時間、且つ、効率的に製造できる方法を見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、請求項1に係る本発明は、深部培養用の発酵槽を用いて発酵する食酢の製造方法において、発酵槽として、発酵菌となる酢酸発酵液(以下、種酢発酵液と記載。)を発酵する第一の発酵槽と、第一発酵槽内の液を移動できるように第一発酵槽と連結配置されている1基以上の第二発酵槽とを用い、第一発酵槽において種酢発酵液を発酵する工程と、第一発酵槽中の種酢発酵液の生酸速度(酢酸換算)が0.5g/L/hr以上となった段階で第二発酵槽へ種酢発酵液の送液を行う工程と、前記送液の開始から10分以内に第二発酵槽において通気を開始する工程と、第二発酵槽にて製造する食酢品種に合わせた発酵原料を種酢発酵液に添加して酢酸発酵を行う工程と、を有することを特徴とする食酢の製造方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、第二発酵槽の内の1基にて、2種類以上の食酢品種を製造することを特徴とする、請求項1に記載の食酢の製造方法を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、2基以上の第二発酵槽にて、2種類以上の食酢品種を製造することを特徴とする、請求項1に記載の食酢の製造方法を提供するものである。
請求項4に係る本発明は、第一発酵槽における種酢発酵に高酸度発酵菌を使用し、第一発酵槽から第二発酵槽への種酢発酵液の送液開始から1分以内に第二発酵槽において通気を開始することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の食酢の製造方法を提供するものである。
請求項5に係る本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造された食酢を提供するものである。
本発明によれば、深部発酵法によって、多品種の食酢を効率的でフレキシブルに発酵生産することができる。
すなわち、本発明は、発酵に必要な酢酸発酵活性を保持した種酢発酵液を継続して製造し、これを別の深部発酵槽に移動し、目的の食酢発酵原料を加えて酢酸発酵を継続し完結することで、酢酸菌増殖を待つ長い発酵誘導期を必要とせず、短時間、且つ、効率的に多品種の酢酸発酵が可能な、食酢の製造を可能とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は食酢の製造方法に関し、深部培養用の発酵槽を用いて発酵する食酢の製造方法において、発酵槽として、種酢発酵液を発酵する第一の発酵槽と、第一発酵槽内の液を移動できるように第一発酵槽と連結配置されている1基以上の第二発酵槽とを用い、第一発酵槽において種酢発酵液を発酵する工程と、第一発酵槽中の種酢発酵液の生酸速度(酢酸換算)が0.5g/L/hr以上となった段階で第二発酵槽へ種酢発酵液の送液を行う工程と、前記送液の開始から10分以内に第二発酵槽において通気を開始する工程と、第二発酵槽にて製造する食酢品種に合わせた発酵原料を種酢発酵液に添加して酢酸発酵を行う工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明の食酢の製造方法は、多品種の食酢発酵生産に関するものである。食酢としては、一般的に食されている食酢を特に制限なく対象とすることができる。例えば、穀物酢、米酢、米黒酢、りんご酢、ぶどう酢、など醸造酢が挙げられる。
本発明で用いられる酢酸菌としては、食酢の発酵生産に用いられる通常の酢酸菌であればよく、特に制限はない。例えば、アセトバクター属の酢酸菌が用いられ、アセトバクター・アセチIFO3281(Acetobacter aceti IFO3281)株、アセトバクター・アセチIFO3283(Acetobacter aceti IFO3283)株などが有効に使用される。また、高酸度発酵菌では、例えばアセトバクター・アルトアセチゲネス(Acetobacter altoacetigenes)MH−24(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(旧名称:通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所、旧住所:日本国茨城県筑波郡谷田部町東1丁目1番地3号)に1984年2月23日付で受託番号FERM BP−491として寄託されている。)が挙げられる。
これらの酢酸菌をアルコール及び酢酸菌の栄養源等を含有する原料液が入った深部発酵槽に接種して、増殖させて酢酸発酵活性を有する種酢発酵液の調製のための培養を開始する。
すなわち、酢酸菌を接種した後、アルコール又はアルコール水溶液を添加していき、酢酸濃度(以後、酸度と記載する。)を上げていくのが望ましい。
一般的には、アルコール又はアルコール水溶液を、酸度とアルコール濃度の和が6〜10%程度となるように添加し、酸度が5〜9重量/容量%で、且つ、アルコール濃度が0.3〜0.5容量/容量%程度となった時点で、得られた発酵液を種酢発酵液として使用するのがよい。
種酢発酵液には、例えばペプトンや酵母エキスなどの微生物エキス、或いはフラクトースや蔗糖などの糖類を添加することも可能であり、米、小麦、コーンなど各種穀物の糖化液、酒粕抽出液、果汁及び/又はその他の原料液を適宜希釈調製して使用しても良い。
また、種酢発酵液は、多品種の食酢に共通して使用することができるように、その原料組成を調整すれば更に好ましい。例えば、スピリッツビネガーに用いられるアルコールとペプトンや塩類からなる種酢発酵液は、アルコールを使用する米酢、りんご酢、粕酢などの品種の製造に利用できる。
本発明で使用する深部発酵槽の通気方法においては、従来公知の方法が採用でき、何ら制限がない。例えば、空気、酸素ガスなどの酸素を含む気体を通気管により供給する方法などが挙げられる。
通気量は、発酵状況に応じて適宜設定すればよく、例えば、0.02〜1vvm(通気容量/発酵液量/分)の通気量で、発酵液の下部に供給し、これを攪拌機で微細化、拡散させ、発酵液中の溶存酸素が0.2〜8ppm程度で維持されるように制御すれば良い。
また、本発明に使用する深部発酵槽については特に制限が無く、従来から深部発酵による食酢発酵に使用されているものであればよい。例えば、一般的な通気攪拌型の深部発酵装置を使用することができる。
請求項1に係る本発明は、このような深部培養用の発酵槽(深部発酵槽)を用いて発酵する食酢の製造方法において、発酵槽として、種酢発酵液を発酵する第一の発酵槽と、第一発酵槽内の液を移動できるように第一発酵槽と連結配置されている1基以上の第二発酵槽とを用いる。
ここで、種酢発酵液を発酵する第一発酵槽と、発酵原料を種酢発酵液に添加して酢酸発酵を行う第二発酵槽とは、特に専用の発酵槽として設ける必要はない。例えば、1基の発酵槽をあるときには第一発酵槽として、別のときには第二発酵槽として用いてもよい。
ここで請求項2に記載したように、第二発酵槽の内の1基において、ある品種の食酢の製造が終了して引きおろした後、新たに種酢発酵液を引き込み、別品種の食酢の製造を開始することで、1基の第二発酵槽で複数の食酢を製造することができる。なお、この場合の第二発酵槽は、1基のみ設置してもいいし、2基以上設置しても構わない。
また、請求項3に記載したように、第二発酵槽を複数(2基以上)設置した場合は、同一の種酢発酵液から異なった品種の食酢を同時に製造することができる。
本発明における第一発酵槽と第二発酵槽は、ポンプと配管やホース類を介して相互にその発酵槽内容液を移動できるように連結設備されている。連結の方法や使用するポンプ等は特に限定しないが、一方の発酵槽内の液を移動開始してから10分以内(高酸度発酵菌を用いる場合は1分以内)に、もう一方の発酵槽において通気が開始できる状態であればよい。
例えば、発酵槽間で送液する液量が5kLの場合では、50kL/hr程度のポンプ能力以上で送液すれば、およそ6分で送液が完了し通気が開始できる。なお、液の移動が全て完了する前に、通気を開始しても何ら問題はない。
本発明では、まず第一発酵槽で種酢発酵液を培養する。
種酢発酵液は、液移動後の酢酸発酵を開始するのに必要な酢酸菌量と菌活性を得るために、種酢発酵液の生酸速度(酢酸換算)が0.5g/L/hr以上、好ましくは1.0g/L/hr以上、となる段階まで培養する。
次に、このように第一発酵槽中の種酢発酵液の生酸速度(酢酸換算)が0.5g/L/hr以上、好ましくは1.0g/L/hr以上、となった段階で、種酢発酵液を第二発酵槽に送液する(液移動する)。この送液のときには通気は行われない。
そして、液移動から発酵開始までの種酢発酵液中の酢酸菌の活性が低下しないようにするため、送液の開始(液移動開始)から10分以内に、好ましくは6分以内に、第二発酵槽において通気を開始(再開)する。なお、請求項4に記載したように、特に高酸度発酵菌では、送液の開始(液移動開始)から1分(60秒)以内に、好ましくは40秒以内に、第二発酵槽において通気を開始(再開)する。
さらに、第二発酵槽において、送液された種酢発酵液に、製造する食酢品種、つまり製造したい品種の発酵原料を添加し、発酵を開始し、酢酸発酵を行うものである。なお、必要に応じて、第二発酵槽において通気が開始できる必要量の発酵原料を、先入れしておいてもよい。
ここで言う高酸度発酵菌とは、高酸度、すなわち、高濃度の酸存在下で発酵する能力を有し、高酸度発酵に利用される菌を意味する。
例えば、高濃度の酢酸の存在下で発酵できる酢酸菌を挙げることができ、特に酢酸濃度15%以上の高酸度発酵が可能な酢酸菌が好ましい。このような高酸度発酵菌としては、例えば、アセトバクター・ポリオキソゲネス、グルコンアセトバクター・エンタニイ、グルコンアセトバクター・ヨーロッパエウスなどが挙げられ、具体的にはアセトバクター・アルトアセチゲネスMH−24(FERM BP−491)などを挙げることができる。
以上の方法により、所定の酢酸濃度まで発酵が進行した時点で発酵を終了し、発酵槽から取り出された食酢発酵液は、酢酸菌の除去、熟成、清澄化処理及び殺菌工程を経て、食酢としての製品化が可能となる。
このような製法で食酢を製造することにより、長い発酵誘導期を必要とせず、効率良く、短時間に多品種の食酢を安定して製造することができる。
このようにして製造された食酢を提供するのが、請求項5に係る本発明であり、多品種の食酢が提供される。
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例1〔種酢発酵液の調製〕
アセトバクター・アセチIFO3281(Acetobacter aceti IFO3281)株を、3.0容量/容量%になるようアルコール(エタノール)を添加した殺菌済みの804培地(ポリペプトン10g、酵母エキス10g、グルコース10g/L)で、30℃、200rpmの条件下で48時間、振とう培養し、前培養液を得た。
得られた前培養液1000mlを、酢酸菌の栄養源、アルコール3.0容量/容量%、及び酢酸0.5重量/容量%からなる2000mlの培養液を有する深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)に投入し、温度30℃、回転数500rpm、通気量0.2vvmで深部培養して、種酢発酵液の発酵を開始した。
発酵開始より菌の増殖が認められた後、酸度とアルコール濃度の和が8%の組成液を流加しつつ発酵を継続した。
発酵が進行し、最終的に酸度7.0重量/容量%でアルコール濃度0.3重量/容量%程度で、生酸速度(酢酸換算)が0.5g/L/hrとなった段階で種酢発酵液として、以下の試験(実施例1、3)に供した。
製造例2〔高酸度発酵菌を用いた種酢発酵液の調製〕
高酸度発酵菌アセトバクター・アルトアセチゲネスMH−24(FERM BP−491)を、深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)中の酸度7.0重量/容量%、アルコール3.0容量/容量%、酵母エキス(アサヒビール社製)0.2重量/容量%、グルコース0.2重量/容量%の組成の培養液4000mlに添加し、温度30℃、回転数500rpm、通気量0.15vvmで深部培養して、種酢発酵液の発酵を開始した。
菌の増殖が認められ、また、発酵液中のアルコール濃度が2.0容量/容量%となった段階で、酸度3.0重量/容量%、アルコール55容量/容量%、酵母エキス(アサヒビール製)0.2重量/容量%、グルコース0.2重量/容量%の組成液を流加し、発酵液のアルコール濃度が2.5〜3.0容量/容量%の範囲になるように制御しつつ発酵を継続した。
発酵が進行し、酸度9.5重量/容量%となった段階で、ガスクロマトグラフによりアルコール濃度を測定し、酸度とエタノール濃度の合計が12%となるように前記組成液の添加量を調整した。この発酵液の生酸速度(酢酸換算)が1.5g/L/hrになった段階で種酢発酵液として、以下の試験(実施例2)に供した。
実施例1〔種酢発酵液の送液開始から通気開始までの時間と発酵誘導期〕
発酵槽として、種酢発酵液を発酵する第一の発酵槽と、第一発酵槽内の液を移動できるように第一発酵槽と連結配置されている第二発酵槽とを用いた。
すなわち、前記製造例1で用いた深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)を第一発酵槽とし、これを別に用意した、第二発酵槽としての深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)とホース及びポンプで発酵液が移動可能な状態に連結し、第一発酵槽中の種酢発酵液1.5Lを、これと連結した、第二発酵槽としての深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)にポンプ送液した。
上記した如き発酵槽を用い、アセトバクター・アセチIFO3281(Acetobacter aceti IFO3281)の前記製造例1で調製した種酢発酵液の送液(移動)を開始してから通気開始までの時間による、発酵誘導期(時間)について調べた。
その結果は表1の通りであり、種酢発酵液の送液を開始してから通気開始までの時間が10分以内であれば、5時間程度以内の短い発酵誘導期であることが確認できた。
なお、本実施例には記載していないが、生酸速度(酢酸換算)が0.3g/L/hrの種酢発酵液を用いて同様の実験を行った場合は、10分以内に通気を再開しても発酵誘導期が10時間を超えてしまい好ましくないことを確認した。
Figure 0004909348
実施例2〔高酸度発酵菌を用いた種酢発酵液の送液開始から通気開始までの時間と発酵誘導期〕
実施例1で用いたと同じ発酵槽を用い、高酸度発酵菌アセトバクター・アルトアセチゲネスMH−24(FERM BP−491)の前記製造例2で調製した種酢発酵液の送液(移動)を開始してから通気開始までの時間による、発酵誘導期(時間)について調べた。
その結果は表2の通りであり、高酸度発酵菌を用いた場合には、種酢発酵液の送液を開始してから通気開始までの時間が1分(60秒)以内であれば、発酵誘導期は10時間程度以内に抑制できることが確認できた。
Figure 0004909348
実施例3〔米酢、粕酢及びりんご酢の発酵〕
前記製造例1で調製したアセトバクター・アセチIFO3281(Acetobacter aceti IFO3281)の発酵液を種酢発酵液とし、前記製造例1で用いた深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)を第一発酵槽とし、これを別に用意した、第二発酵槽としての3基の深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)とホース及びポンプで発酵液が移動可能な状態に連結した。
この状態で、以下のようにして、米酢、粕酢、りんご酢をそれぞれ製造した。
(1)米酢の発酵
種酢発酵液1.5Lを、米酢用に用意、連結した、第二発酵槽としての深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)の1基にポンプ送液した。送液開始から通気攪拌開始までの所要時間は3分であった。
米酢用の発酵原料液として、アルコール濃度が5.0容量/容量%、酸度3.0重量/容量%の米糖化液を適宜希釈したものを用意し、3.5Lを添加して発酵した。この時の添加速度は10時間かけて3.5Lを添加した。
発酵温度は30℃であり、酸度7.0重量/容量%、残留アルコール0.3容量/容量%となるまで発酵を行った。発酵開始後の発酵誘導期は存在せず、25時間で発酵を終了した。
(2)粕酢の発酵
種酢発酵液1.5Lを粕酢用に用意、連結した、第二発酵槽としての深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)の別の1基にポンプ送液した。送液開始から通気攪拌開始までの所要時間は5分であった。
粕酢用の発酵原料液として、アルコール濃度が15.0容量/容量%、酸度2.0重量/容量%の酒粕抽出液を適宜希釈したものを用意し、3.5Lを添加して発酵した。この時の添加速度は30時間かけて3.5Lを添加した。
発酵温度は30℃であり、酸度6.0重量/容量%、残留アルコール0.3容量/容量%となるまで発酵を行った。発酵開始後の発酵誘導期は存在せず、40時間で発酵を終了した。
(3)りんご酢
種酢発酵液1.5Lを粕酢用に用意、連結した、第二発酵槽としての深部培養用の発酵タンク(10L容量:ミツワ理化学工業社製)のさらに別の1基にポンプ送液した。送液開始から通気攪拌開始までの所要時間は10分であった。
りんご酢用の発酵原料液として、アルコール濃度が7.0容量/容量%、酢酸濃度が2.0重量/容量%のりんご果汁を適宜希釈したものを用意し、3.5Lを添加して発酵した。この時の添加速度は25時間かけて3.5Lを添加した。
発酵温度は30℃であり、酸度8.0重量/容量%、残留アルコール0.3容量/容量%となるまで発酵を行った
発酵開始後の発酵誘導期は3時間存在したが、48時間で発酵を終了した。
これらの結果より、本発明によれば、発酵誘導期を10時間以内に抑えて食酢を製造することができることが分かった。
以上のことから、本発明によれば、発酵槽の台数に合わせて、多品種の食酢を同時に又は順次に、短時間で、効率よく製造できることが明らかとなった。
本発明によれば、短時間で効率よく、深部発酵法による多品種食酢の発酵生産が可能となった。
従って、近年における多様な食酢の市場ニーズと需要変化に対応したフレキシブルな食酢製造が可能となり、食品産業において有効に利用することができる。

Claims (2)

  1. 深部培養用の発酵槽を用いて発酵する食酢の製造方法において、発酵槽として、発酵菌となる酢酸発酵液(以下、種酢発酵液と記載。)を発酵する第一の発酵槽と、第一発酵槽内の液を移動できるように第一発酵槽と連結配置されている2基以上の第二発酵槽とを用い、第一発酵槽において種酢発酵液を発酵する工程と、第一発酵槽中の種酢発酵液の生酸速度(酢酸換算)が0.5g/L/hr以上となった段階で第二発酵槽へ種酢発酵液の送液を行う工程と、前記送液の開始から10分以内に第二発酵槽において通気を開始する工程と、第二発酵槽にて製造する食酢品種に合わせた発酵原料を種酢発酵液に添加して酢酸発酵を行う工程と、を有し、第一の発酵槽における同一の種酢発酵液から、2基以上の第二発酵槽にて2種類以上の食酢品種を製造することを特徴とする食酢の製造方法。
  2. 第一発酵槽における種酢発酵に高酸度発酵菌を使用し、第一発酵槽から第二発酵槽への種酢発酵液の送液開始から1分以内に第二発酵槽において通気を開始することを特徴とする、請求項1に記載の食酢の製造方法。
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