JP2017507673A - アウレオバシジウム プルランス(aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成する方法 - Google Patents

アウレオバシジウム プルランス(aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017507673A
JP2017507673A JP2016571480A JP2016571480A JP2017507673A JP 2017507673 A JP2017507673 A JP 2017507673A JP 2016571480 A JP2016571480 A JP 2016571480A JP 2016571480 A JP2016571480 A JP 2016571480A JP 2017507673 A JP2017507673 A JP 2017507673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactone
medium
pentyl
culture
pyran
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016571480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6524114B2 (ja
Inventor
アルファン,ヴェロニク
アルシュラ,アラン
ブークリ−ウザン,エヴァ
クルボアジェ−デゾール,エリーゼ
ラヴォワーヌ−アンヌゲール,ソフィー
Original Assignee
キャラボット
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by キャラボット filed Critical キャラボット
Publication of JP2017507673A publication Critical patent/JP2017507673A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6524114B2 publication Critical patent/JP6524114B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P17/00Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
    • C12P17/02Oxygen as only ring hetero atoms
    • C12P17/06Oxygen as only ring hetero atoms containing a six-membered hetero ring, e.g. fluorescein
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/64Fats; Fatty oils; Ester-type waxes; Higher fatty acids, i.e. having at least seven carbon atoms in an unbroken chain bound to a carboxyl group; Oxidised oils or fats
    • C12P7/6409Fatty acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

本発明は、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成する方法に関する。本発明は、本方法が以下のステップ:アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97(CBS−KNAW Fungal Biodiversity Centre, Uppsalalaan 8, 3584 CT Utrecht, Netherlandsから入手)、またはその関連株の前培養を行うステップと、前記前培養から得た接種物から、少なくとも3日間にわたり20〜40℃の温度での発酵により培養物を生成して、炭素供給源と、窒素供給源と、無機塩溶液と、2〜100mMの濃度のカルシウム供給源とを含む滅菌水性生成培地で代謝物を生成するステップと、前記発酵期間の後に、前記生成した代謝物を、(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン(または(R)−(−)−マッソイアラクトン)および/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンを含むラクトン混合物に変換するステップとを含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の株から、ラクトン、より詳しくは、(R)−(−)−マッソイアラクトンと一般に知られている(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンを生成する方法に関する。
一般的に、ラクトンは、ヒドロキシ酸の環化(またはラクトン化)から得られる酸素複素環である。主なラクトンは、4〜12個の炭素原子の環を含む。その多様性は、これら分子のキラリティー、側基の性質、および側鎖または環の不飽和の有無により起こる(Dufosse et al., Importance des lactones dans les aromes alimentaires : structure, distribution, proprietes sensorielles et biosynthese, 1994)。
ラクトンは、様々な食品および飲料に含まれている芳香族の化合物である。
特に、マッソイアラクトンには関心が集まっている。これは、様々な割合のエナンチオマー混合物の形態で見出されている。誤解を避けるために、特段他の記載がない限り、本願で使用される用語マッソイアラクトンには、両方の形態が包有されると意図される。
以下の化学構造
Figure 2017507673
を有する、(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンまたはココラクトンとしても知られている(R)−(−)−マッソイアラクトンに、特に関心が集まっている。
マッソイアラクトンは、特にインドネシアで見出されているクリプトカリヤ マソイア ツリー(Cryptocaria massoia tree)由来の樹皮油から得られたアルキルラクトンである(Abe et al., Studies on the Essential Oil of Masooi, 1937; or Rali et al., Comparative chemical analysis of the essential oil constituents in the bark, heartwood and fruits of Cryptocarya massoy (Oken) Kosterm. (Lauraceae) from Papua New Guinea, 2007)。
たとえば、マッソイアラクトンは、クリプトカリヤ マソイア ツリー(Cryptocaria massoia tree)由来の樹皮抽出物としてCharabotから市販されている。
また、この化合物は、甘しょ糖蜜;(Hashizume et al., Constituents of Cane Molasses, 1968)、乾燥タバコ、およびモクセイ(Osmanthus fragrans)のエッセンシャルオイルの成分としても見出すことができる。
マッソイアラクトンは、主に、ココナッツの甘く、クリーミー、ミルキー、および蝋様の芳香を有すると表されるその匂い、ならびにクリーム状でわずかにフルーティなココナッツフレーバーとして表される味で知られている。この作用のため、たとえば食品などの幅広い分野で、マッソイアラクトンはその固有の特徴により幅広く使用されている。
また、マッソイアラクトンは、抗真菌剤としての用途(米国特許第6060507号)、または昆虫を誘引して胞子の分散を促進する役割(Nago et al., An ecological role of volatiles produced by Lasiodiplodia theobromae, 1994)が知られている。
マッソイアラクトンは、一般的に、クリプトカリヤ マソイア(Cryptocaria massoia)からの抽出または合成により製造される。
しかしながら、現在の植物をベースとした生成方法はしばしば、多くの木を伐採することとなり、大規模な供給に適してはいない。さらに、このような方法は、皮をはぐ工程で木が高頻度で枯れるという点で環境上の制約を受け、天然産物に基づく製造コストは非常に高くなる
よって、マッソイアラクトンは、その代わりに、ラセミ型(たとえばGarnero et al., Flavouring substances: design of 6−alkyl−(and 6,6−dialkyl−)5,6−dihydro−2−pyrones, 1986; or JP 63−57583, JP 63−215676, JP 63−222164)またはエナンチオマー型(たとえばYu et al., Enantioselective total synthesis of 6R−(−)massoialactone, 1993; Takano et al., An enantiospecific route to (6R)−(−)−massoialactone and (4R,6R)−(+)−4−hydroxy−6−pentylvalerolactone, 1992; Bennett et al., Total syntheses of natural (+)−(4R,6R)−4−hydroxy−6−pentylvalerolactone and of (−)−(6R)−massoialactone, 1991; Pirkle et al., Enantiomerically pure lactones, 1980;特許文書JP02059564; Hoeyer et al., A convenient synthesis of homochiral delta alkylated alpha,beta unsaturated delta−lactone, 1991; Fehr et al., Novel approach to the synthesis of 6−substitutated 5,6−dihydro−2(2H)−pyranones, 1981; and Pan et al., An efficient and stereoselective synthesis of ( )−massoialactone, 1996;またはJPH0259564)の両方で化学合成することができる。
しかしながら、マッソイアラクトンの匂いは、(R)−(−)−型マッソイアラクトンと(S)−(+)−型マッソイアラクトンとの間で異なることに留意することが重要である。実際に、(S)−(+)−型マッソイアラクトンは、バター状の匂いを有するが、(R)−(−)−型マッソイアラクトンは、特徴的なココナッツの芳香を有する(Nohira et al., Optical Resolution of Fragrant Lactones, 2000)。結果として、必要要件を満たすために、光学純度の高い(R)−(−)−マッソイアラクトンの製造に適した方法を使用することが非常に重要である。
しかしながら、特に出発物質の選択および高い光学純度の(R)−(−)−型マッソイアラクトンを得るための各ステップに関連する制約により、このような合成方法を開発および使用することは、相対的に費用がかかる。
さらに、化学合成により得ることは、消費者の需要をますます満たさなくなる。
代わりの解決策:一般的なラクトン、より詳しくは、生物工学的な工程による(R)−(−)−マッソイアラクトンの生成が必要とされている。たとえば、脂肪酸をラクトンに生体内変化または生体内転換する微生物細胞および酵素を使用することが可能である。この主題に関する様々な試験および特許文書が公表されている。
特許文書JP3779751は公知であり、微生物の培養物、より詳しくは海洋微生物のエクソフィアラ・ピシフィラ(Exophiala pisciphila)N1−10102(日本の発酵研究所(Fermentation Research Institute)(工業技術院)でP−14232の下で登録)の培養物から(R)−(−)−マッソイアラクトンを製造する単純な方法を開示している。このような方法は、反応培地中での(R)−(−)−マッソイアラクトンの生成、および分離ステップによる(R)−(−)−マッソイアラクトンの回収に適している。使用される培養培地は、L−アスパラギンなどの窒素の供給源、グルコースなどの炭素の供給源、および塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二水素カリウムなどの無機質を含むが、カルシウムを含まず、pH6〜7、22〜27℃で5〜10日間培養した後、培地を、メタノールなどの溶媒の存在下で硫酸などの酸により酸性化し、加熱すると反応培地中に(R)−(−)−マッソイアラクトンが得られる。
同様に、この文書で開示された、得られた収量は、1.4mg/100ml、すなわち、14mg/lにすぎない。
Priceらの刊行物((アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 NRRL 50380, 2013により産生された新規の細胞外リアモシン(liamocin)(マンニトール油))の構造上の特徴)もまた公知であり、これは、5%(重量/体積)のスクロースを含む培地中のアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 NRRL 50380の培養物から抽出したリアモシンからマッソイアラクトンを得る方法を開示している。リアモシンは、メチルエチルケトンを使用して抽出され、最高収量は6日目に得られ、収量は0.5〜0.6gのマンニトール油(リアモシン)/lである。次に、塩酸の存在下で、無水メタノールでメタノリシスを行い、遠心分離して、重い白色の沈殿物を除去し、マッソイアラクトンを含むメタノール可溶性画分を回収した後に、マッソイアラクトンが得られる。
さらに、Kurosawaらの刊行物(Aureobasidium sp. 1994による、アラビトールおよびマンニトールのポリオール脂質の3,5−ジヒドロキシデカノイルおよび5−ヒドロキシ−2−デセノイルのエステルの細胞外集積)が公知である。この刊行物により、多くのアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株が、炭酸カルシウムCaCOを含む培地で大量のポリ(β−L−リンゴ酸)を産生することが開示されている。この刊行物は、培養培地においてCaCOの非存在下で、これらの株が、ポリ(リンゴ酸)の代わりに重油などの細胞外脂質を産生することを明らかにしている。この刊行物は、より詳しくは、脱イオン水中に12%のグルコース、0.15%のNaNO、0.10%のKNO、0.005%のKHPO、0.02%のMgSO・7HO、2ppmのZnSO・7HO、および0.02%の酵母抽出物を含むが、炭酸カルシウムCaCOを含まない培地で、25℃、7日間のアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 A−21Mの培養から、(+)−3−ヒドロキシデカン−5−オリドおよびR−(−)−マッソイアラクトンを得ることを説明している。脂質を含む35gの重油を、メチルエチルケトンで抽出する。約10gの脂質を、水酸化ナトリウムNaOHを添加することによりけん化し、次に硫酸HSOを添加することによって加水分解することにより、約4gの脂肪酸を回収する。最終的に、化合物(+)−3−ヒドロキシデカン−5−オリドおよびR−(−)−マッソイアラクトンを、エーテルを用いた抽出により回収する。
しかしながら、この方法で得たR−(−)−マッソイアラクトンの収量は、この方法により単離した脂質を含む重油35gと比較して低いと推測され得る。この文書に記載される結果に基づくと、R−(−)−マッソイアラクトンの収量は1.3g/lである。
上記の観点から、本発明が取り組む1つの問題は、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の株から、ラクトン、より詳しくはこのような用途に適したR−(−)−マッソイアラクトンを生成する代替的な方法であって、実行が簡単であり、費用がかからず、十分な再現性を有し、持続可能かつ天然の資源に由来し、生産性が高い(対象となるラクトンの量および生成率の増加)、代替方法を開発することである。
よって、本発明は、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成する方法であって、以下のステップ:
アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97(CBS−KNAW Fungal Biodiversity Centre, Uppsalalaan 8, 3584 CT Utrecht, Netherlandsから入手)、またはその関連株の前培養を行うステップと、
前培養から得た接種物から、少なくとも3日間にわたり20〜40℃の温度での発酵により培養物を生成して、
炭素供給源と、
窒素供給源と、
無機塩溶液と、
2〜100mMの濃度のカルシウム供給源と
を含む滅菌水性生成培地で代謝物を生成するステップと、
発酵期間の後に、生成した代謝物を、(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンを含むラクトン混合物に変換するステップと
を含むことを特徴とする、方法に関する。
本発明および本発明からもたらされる利点は、添付の図面を参照して、以下の説明および非限定な実施形態を読むことにより、より明確に理解されるものである。
本出願人によりGenBank(登録商標)データベースに登録され、またはシークエンシングされたβチューブリン遺伝子の部分配列に基づくアウレオバシジウム属の系統樹(ClustalW(商標)およびiTol(商標)で構築)を表す。 25℃で培養した異なるアウレオバシジウム株を用いた、本発明に係る方法の実施例による、ラクトン生成のモニタリングを表すヒストグラムである。 30℃で培養した異なるアウレオバシジウム株を用いた、本発明に係る方法の同一の実施例による、ラクトン生成のモニタリングを表すヒストグラムである。 アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97に関する、本発明に係る方法の実施例による、ラクトン生成に及ぼす培養ステップの温度の効果を表すグラフである。 アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97に関する、本発明に係る方法の実施例による、ラクトン生成に及ぼす炭素供給源の効果を表すグラフである。 アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97に関する、本発明に係る方法のいずれかの実施例による、ラクトン生成、生産性、およびグルコース消費のモニタリングを表すグラフである。 アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97に関する、本発明に係る方法の実施例による、ラクトン生成および生産性に及ぼす培養ステップの最中の培地へのグルコースの逐次的な添加の効果を表すグラフである。
この説明では、特段他の記載がない限り、ある区間が与えられる場合、上記区間の上限および下限を含むことが理解される。
本発明に係る方法は、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成するために使用される。
本発明に係る方法は、培養物の再現性および生成される代謝物の解析を可能にするように開発された。アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)は、子嚢菌タイプの多形型偏在性真菌である。この真菌は、多くの場合は黒酵母型であり、変化した単細胞型(酵母、分芽胞子、厚膜胞子型の細胞)、および出芽により個々の菌糸が単細胞を生成する糸状菌糸型を含む、複雑な生殖サイクルを有する。これらの異なる生理的状態は、培養条件(炭素および窒素の供給源、pH、酸素、および無機塩濃度など)により様々な比率で共存する。
本出願人は、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)、より具体的にはアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97(CBS−KNAW Fungal Biodiversity Centre, Uppsalalaan 8, 3584 CT Utrecht, Netherlandsから入手)、またはそれらの関連株の生殖サイクルを制御することを試みた。
本発明に係るアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)細胞株 CBS 771.97に対する関連株との文言は、CBS771.97細胞株と同一のクレードに属するアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株を指す。系統発生学的な用語では、クレードは、単系統のグループを形成する、すなわち、共通の祖先を有し、そのすべての子孫を含むグループを形成する一連の生物により定義される。このように、同一のクレードの種は、常に、クレード外の別の種よりも互いに近縁である。同一のクレードのメンバーは、共通の祖先から受け継がれた、グループ全体に固有の少なくとも1つの特徴を有する。異なるクレードにおけるアウレオバシジウム株の分布は、Manitchotpisit ら(Multilocus phylogenetic analyses, pullulan production and xylanase activity of tropical isolates of Aureobasidium pullulans, 2009; Heavy oils produced by Aureobasidium pullulans, 2011; and ポリ(β−L−malic acid) production by diverse phylogenetic clades of Aureobasidium pullulans, 2012)により定義されるものに加えて、そのβチューブリン遺伝子(BT2)配列の類似性のパーセンテージに基づくものである。そのため、同一のクレードに属するアウレオバシジウム株は、別のクレードに属する株よりもβチューブリン遺伝子配列に関して大きい相互類似性を有する。
本発明の範囲内で、本出願人は、Manitchotpisitらにより定義された基準を適用して関連株を決定し、この分類に基づき、CBS771.97は、クレード番号7に属する。
クレード番号7に属するCBS771.97株に関連する株の非限定的な例には、図1に表されるアウレオバシジウム属の株RSU28、CU3、DOUG、NRRLY−6220、RSU25、BM1、RSU16が挙げられ得る。
本発明によると、より均質な培地で作用させることが可能であり、よって十分な再現性にとってより好ましい酵母型を得ることが、特に有益である。発酵の再現性に関して有意な影響を有する糸状菌型は、扱いがかなり困難である。さらに、糸状菌型は、ラクトン前駆体代謝物をごくわずかしか産生しないか、または全く産生しない。
各培養物で同一の生理的な状態で同一量の細胞のバッチ(接種物)から開始することができるように、前培養ステップを導入した。実際に、特に単一のステップで同調的な増殖を得ることは事実上不可能である。前培養ステップは、微生物学において比較的慣習的な実務であるが、各ステップのそれぞれの持続期間、ならびに前培養の培地および温度の選択は、発達させる菌型、好ましくは糸状菌型に関連する酵母型を制御するために、本発明により使用されるアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97またはその関連株に適合させた。
また、本発明に係る方法の第1のステップでは、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97またはその関連株の前培養物を、たとえば、−80℃で保存したこの株のクライオチューブを使用して生成する。
前培養ステップは、好ましくは、麦芽抽出物、たとえば、Malt Extract Fluka(商標)n°70167(Sigma−Aldrich)またはMalt Extract(商標)(MP Biomedicals)、および好ましくはペプトン、たとえばBacto(商標)ペプトン(Difco)に基づく培地、またはYNB(「酵母用ニトロゲンベース」)培地、たとえばDifco(商標)酵母用ニトロゲンベースから選択される固体培地および/または液体培地で行われる。
好ましくは、前培養ステップは、微生物の発達状態を制御し、再現性を保証するための固体培地における少なくとも1つの第1の前培養ステップと、微生物を液体培地に適合させて、培養のために微生物の型(特に酵母)および細胞の産生を制御することができる、液体培地における少なくとも1つの第2の前培養のステップとを含む。
例として、前培養ステップは、好ましくは以下のステップ:
アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97またはその関連株のクライオチューブを使用して、麦芽抽出物ペプトン寒天チューブに接種し、コロニーが出現するまで25℃でインキュベートするステップと、
このチューブを使用して、麦芽抽出物ペプトン寒天を含むペトリ皿に画線で接種し、24時間25℃でインキュベートするステップと、
ペトリ皿で増殖した後、クローンを液体麦芽抽出物のチューブに接種し、200rpmで攪拌しながら25℃で約18時間インキュベートするステップと
を含む。
この有益な前培養ステップは、後に、液体生成培地中、および本発明により定義される条件下で、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97またはその関連株の発酵培養ステップのため、バイオリアクター/発酵槽のフラスコに接種するために使用される。
明らかに、培養条件の制御を最適化して、生成される代謝物の量を増加させるために適した、1リットルから1000リットルのバイオリアクター/発酵槽で培養ステップが実行される限り、求める接種物の量/体積を得るために、前培養ステップを複数回行ってもよい。
次に、前培養から得た接種物を使用して、培養物を、少なくとも3日間20℃〜40℃の温度で発酵により生成し、、炭素供給源、窒素供給源、無機塩溶液、およびカルシウム供給源、および任意にビタミン供給源を含む滅菌水性生成培地中で、代謝物、より詳しくはスクロ脂質(sucrolipid)を生成する。
好ましくは、液体生成培地に接種したアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97またはその関連株の前培養物の体積は、生成培地および接種物を含む培養培地の初期光学密度(OD)0.5〜2、より好ましくは0.5の初期ODに関連する。
接種物の体積は、好ましくは、培養培地の体積の3〜10%である。
発酵培養ステップは、好ましくは25℃〜35℃、より好ましくは28℃〜30℃、たとえば30℃で行われる。
さらに、発酵培養ステップは、好ましくは、3〜20日間、より好ましくは5〜18日間、さらにより好ましくは7〜15日間、たとえば7日間、10日間、12日間、14日間、または15日間攪拌しながら行われる。
例示的な例では、生成培地を10%となるように充填した300mlのバッフルフラスコで発酵を行う場合、ここでの攪拌は、およそ140rpmで一定である。発酵槽では、攪拌は、たとえばおよそ500rpmであり得る。
好ましくは、エアレーションは影響を有し、たとえば、バイオリアクター/発酵槽での培養の最中で0.5vvmの範囲にあってもよい。
しかしながら、選択される攪拌速度およびエアレーションは、各発酵槽の形状に依存する。そのため、発酵槽/バイオリアクターでは、当業者は、フラスコと少なくとも等価の酸素供給を得るために、エアレーションおよび攪拌のパラメータを調節するよう注意する。
本発明に係るアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97またはその関連株の発酵による培養ステップで使用される滅菌水性生成培地は、炭素供給源、窒素供給源、無機塩溶液、カルシウム供給源、および任意にビタミン供給源を含む。
フラスコまたはバイオリアクター/発酵槽に、滅菌水性培地、次に接種物を充填して、培養培地を形成する。
本発明に係る方法の一実施形態では、その後、生成培地をさらに添加することなく発酵を行う。
本発明に係る方法の1つの好ましい実施形態では、生産性を維持かつ最適化するために、培養ステップの最中に生成培地、より具体的には炭素供給源を逐次的に添加する。
本発明に係る培養ステップで使用される水性生成培地は、好ましくは、15〜18メガオーム、好ましくは18メガオームの伝導率を有する超純水で調製される。
また、本発明に係る培養ステップで使用される生成培地は、コンタミネーションのリスクを減らすために滅菌されている。
炭素供給源は、好ましくは、単独または併用で、グルコース、マンノース、スクロース、キシロース、マルトース、フルクトース、およびグリセロールから選択され、好ましくはグルコースである。
炭素供給源は、グルコースに関して、好ましくは30〜150g/l、たとえば、45、60、75、90、または120g/l、より好ましくは60g/lの濃度で使用される。
窒素供給源は、好ましくは、単独、または併用で、硝酸アンモニウムNHNO、硝酸ナトリウムNaNO、硫酸アンモニウム(NHSO、ペプトン(たとえばBacto(商標)ペプトン(Difco))、または天然のアミノ酸から選択され、好ましくは硝酸アンモニウムNHNOである。
窒素供給源は、好ましくは0.1%〜1%(重量/体積)、たとえば0.1%、0.2%、または0.5%、より好ましくは0.1%のNHNOの濃度で使用される。
溶液中の無機塩は、好ましくは、単独または併用で、マグネシウム、リン酸塩、カリウム、ナトリウム、塩化物、硫酸イオンから選択される。
例として、無機塩溶液は、KHPO、KCl、MgSO、およびHClの混合物である。
また、本発明に係る培養ステップで定義かつ使用される滅菌した水性生成培地はカルシウム供給源、好ましくは生成培地中で2〜100mM、より好ましくは50mMの濃度のカルシウム供給源をも含む。
カルシウム供給源は、好ましくは、酸性条件下で可溶化して即座に無機塩溶液に添加される、少なくとも1つの微量元素を含む少なくとも98%純粋な沈殿炭酸カルシウムCaCO、または微量元素溶液の存在下の塩化カルシウムCaClから選択される。CaCOが、たとえば100%純粋で使用され、微量元素を含まない限り、少なくとも1つの微量元素と併用して使用される。
カルシウム供給源に関連する微量元素は、好ましくは、単独または併用で、マンガン、銅、コバルト、鉄、亜鉛、ストロンチウム、鉛、水銀、塩素、ホウ素、モリブデンおよびイオウ、たとえば鉄および/またはマンガンから選択される。
生成培地中の単独または併用での微量元素の濃度は、好ましくはおよそ0.1mM以下である。
対象のアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)CBS 771.97株またはその関連株の特定の選択に加え、従来技術との1つの主要かつ本質的な差異は、好ましくは、生成培地における少なくとも1つの微量元素、好ましくはマンガンの存在下でCaCOまたはCaClの形態のカルシウム供給源の使用である。実際に、CaCOの存在がポリリンゴ酸の生成を増大させるが、生成される対象の脂質の量が減少する、引用された従来技術とは異なり、本発明に係る方法で、本出願人は、代謝物、より詳しくはスクロ脂質、結果的にラクトン、より詳しくは、(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン(または(R)−(−)−マッソイアラクトン)および/またはヒドロキシラクトン、すなわち(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンの生成における、この化合物の本質的で予想外の役割を実証した。
よって、カルシウムの作用は、本発明に係る方法では予期しないものであり、従来技術における既知のCaCOの役割とは反対であった。
本発明に係る一実施形態の1つの好ましい例では、98%以上の純度を有する沈殿CaCO(Rectapur(商標)Prolabo No.22296.294)の最適な濃度の試験により、低濃度(0.02%)で収量を上げることがすでに可能であること、およびより高濃度(0.5%)で、その後(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンに変換されるラクトン前駆体を含む対象の油相の沈殿の原因となる可能性がさらに最も高いことを決定することができた。これら前駆体の存在は例証されたものである。また、ラクトンは、特に長期間保存される場合、少量で自然発生的に形成されることが可能である。
好ましくは、生成培地はビタミン供給源をさらに含む。
ビタミン供給源は、好ましくは、酵母抽出物、たとえばBacto(商標)酵母抽出物(Difco)またはビタミンB複合体から選択される。
ある体積のアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)CBS 771.97またはその関連株の前培養物が接種される、本発明に係る特に好ましい生成培地の非限定的な例として、
炭素供給源は、超純水で調製し、115℃で滅菌した65g/lのグルコースであり、
窒素供給源および無機塩溶液は、超純水で調製し、120℃で滅菌されており、1g/LのNHNO、0.1g/LのKHPO、0.5g/LのKCl、0.2g/LのMgSO・7HO、およびさらにビタミン供給源としての0.5g/Lの酵母抽出物(Bacto(商標)酵母抽出物(Difco)の混合物を含み、ならびに
0.5%(重量/体積)のCaCO(Rectapur(商標)Prolabo No. 22296.294)は、塩酸で酸性化した約5のpHの超純水で可溶化され、次にオートクレーブによる滅菌後に無機塩溶液に添加される。
さらなる例では、カルシウム供給源が、微量元素を含む溶液中のCaClである場合、カルシウム供給源は、超純水で調製され、0.2μmの滅菌性フィルターを介してろ過することにより滅菌されている。
よって、液体培地におけるこの培養ステップは、バイオマス(細胞)および代謝物の生成を可能にする。
培養ステップの間に生成される代謝物は、本質的にスクロ脂質である。本出願人は、特に、ジヒドロキシデカン酸モノマーに基づくスクロ脂質の生成、より具体的には、21種の代謝物、特にハリメシン、ハリメシン−アラビトール、ハリメシン−マンニトールおよびエキソフィリン−マンニトールの生成を同定した。
本発明に係る方法では、発酵期間の後、生成される代謝物を、(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンを含むラクトン混合物に変換する。より詳しくは、酸性または塩基性培地中へ加水分解することにより、または生成されるスクロ脂質をモノマーに酵素的に加水分解することより、およびガスクロマトグラフィーによるアッセイに適している(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンを含むラクトン混合物を得るために代謝物を環化することにより、生成される代謝物をラクトン混合物に変換する。
1つのみのアリコートが抽出される限り、生成されるスクロ脂質の量と共に増加する培地の不均質による結果の再現性に関する問題を回避するために、標的のラクトンを得るために培養培地全体を処置することが得策である。
あるいは、細胞培地全体を、好ましくは遠心沈降させて、上清を除去し、細胞および生成されるスクロ脂質を含む回収されたペレットを処理して標的のラクトンを得てもよい。実際に、変換物は、スクロ脂質の生成物から分離されており、よってこれらのステップは、好ましくは2つの異なる場所で行うことができる。さらに、処理される体積は少なく、よって、面倒な機器を必要とすることが少ない。
培養培地全体、または好ましくは遠心沈降後のペレット上で、発酵期間の後に生成された代謝物質を変換する第1の様式では、たとえば、4Nの水酸化ナトリウムNaOHを添加することによるスクロ脂質のけん化を行って、次に、たとえば50%の硫酸HSOを添加し、たとえば90℃で4時間加熱することにより酸性化する。(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン(または(R)−(−)−マッソイアラクトン)およびヒドロキシラクトン、すなわち(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンの混合物が得られ、混合物の比率は、酸の濃度、温度、および加熱時間により変動する。(R)−(−)−マッソイアラクトン/ヒドロキシラクトンの比率は、酸の濃度、加熱の温度および/または時間が増加すると増加する。さらに、ヒドロキシラクトンは、一般的に、処置の後に存在したままであり、好ましくは、対象の(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンへと脱水させることができる。
発酵期間の後、生成される代謝物を変換する第2の好ましい様式では、培養培地を、たとえば50%の硫酸HSO(最終規定度 1.2N)、クエン酸、または酒石酸を添加することにより直接酸性化し、たとえば12時間〜24時間、90℃〜110℃に加熱する。スクロ脂質の加水分解(モノマー形成)を同時に行い、次に形成されたモノマーのラクトン化および脱水を行って、対象の(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン(または(R)−(−)−マッソイアラクトン)を得る。3つの反応は同時に行われる。ヒドロキシラクトンは、反応条件(温度、酸の規定度、時間)が十分ではない場合に存在し得る。(R)−(−)−マッソイアラクトン/ヒドロキシラクトンの比率は、酸の濃度、加熱の温度および/または時間が増加すると増加する。ヒドロキシラクトンが処理後も存在したままである場合、好ましくは、対象の(R)−(−)−マッソイアラクトンに脱水してもよい。さらにより好ましくは、この変換様式は、ペレットに適用される。
生成される代謝物を変換する第3の様式では、発酵期間の後、培養培地および遠心沈降後に得たペレットを、溶媒を用いて抽出する。例として、媒体が酸性化されない限り酢酸エチルが使用され、これは、スクロ脂質が酢酸エチルでは安定ではあるが、ラクトンは安定ではないためである。次に溶媒を蒸発させて、抽出したスクロ脂質を使用して、けん化、酸性化、および加熱を、第1の実施形態に従って行うか、または酸性化および加熱を第2の実施形態に従って直接行う。同様に、約250℃で熱変換を行うことも可能である。
さらなる変換様式も想定され得る。たとえば、生成した代謝物を含むペレットを、超臨界COで抽出して、対象の(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン(または(R)−(−)−マッソイアラクトン)を直接得てもよい。
そのため、選択される変換条件により、(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンの混合物が得られる限り、本発明に係る方法は、得られたヒドロキシラクトンを、たとえば、有機溶媒に可溶化した後に酸の存在下で同物質を脱水することにより、対象の(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンに変換するステップをさらに含む。
最終的に、たとえばメチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、および炭酸ジメチルなどの有機溶媒を用いた抽出、次に蒸留を行うことにより、または超臨界COでの抽出により、または水蒸気蒸留により、得られた対象の(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンを単離する
よって、このような使用に適している、対象の(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン(または(R)−(−)−マッソイアラクトン)を回収する。
よって、本発明に係る方法は、クリプトカリヤ マソイア ツリーの樹皮油から得られる(R)−(−)−マッソイアラクトンに忠実な特徴的なココナッツミルクおよび果肉の芳香を有する(R)−(−)−マッソイアラクトンを得るのに適している。よって、本発明に係る方法を使用して生成される(R)−(−)−マッソイアラクトンは、食品、飲料、またはその他の香味料または香料などとしての使用に適している。さらに(R)−(−)−マッソイアラクトンは、本発明に係る方法による生物学的な工程により、市場の需要に応じるために適した大量で、環境上の制約を満たす方法に従い低コストで生成される。
本発明に係る、ラクトン、特には(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン(または(R)−(−)−マッソイアラクトン)を生成する方法の利点は、本明細書中以下の実施例の結果により証明され、図2〜7に示す。
実施例1
本発明に係る生成方法の例示的な例として、本出願人は、試験した様々な入手可能な株によるラクトンに関する生産性を決定するために、十分な再現性を得るために本発明により開発された生成の操作条件により、異なるクレードのアウレオバシジウムの様々な株を比較試験でスクリーニングした。
よって、本出願人は、以下の表1に列挙されるように、複数のアウレオバシジウム株を購入した。
Figure 2017507673
この試験において具体化される本発明に係る方法の例となる操作条件は、以下により詳しく記載されており、スクリーニングした全ての株で同一である。
前培養物を、スクリーニングした細胞株の各クライオチューブから以下のステップにより生成した:
ステップ1:麦芽抽出物ペプトン寒天チューブ(固体ME培地:MEA Fluka(商標))に接種し、25℃でインキュベートしてコロニーが現れるまで増殖させた。
ステップ2:このチューブを使用して、固体ME培地(MEA Fluka(商標))を含むペトリ皿に画線で接種し、ペトリ皿に25℃で24時間接種した。
ステップ3:ペトリ皿で増殖した後、クローンを5mlの液体麦芽抽出物チューブ(液体ME培地)に接種し、200rpmで攪拌しながら25℃で18時間インキュベートした。
翌日、同一の株を含むすべてのチューブを合わせて、光学密度(OD)の読み取りを行った。
次に、この方法で生成される前培養物を、次の発酵培養ステップのためにフラスコに接種するために使用する。この試験では、接種物の大きさを、培養物の初期OD値:0.5を得るために固定する。
スクリーニングした各株の増殖に基づき、フラスコあたり接種した前培養物の体積は、以下の表2に示されるようにわずかに変動する。
Figure 2017507673
このように、各株で生成された前培養物を使用して、各株について決定された体積(表2参照)の前培養物を、
超純水で調製し、115℃で別々に滅菌した60g/lのグルコースからなる炭素供給源と、
超純水で調製し、120℃で滅菌した窒素供給源および無機塩供給源であって、
NHNO:1g/L;
KHPO:0.1g/L;
KCl:0.5g/L;
MgSO 7HO:0.2g/L;
を含む、窒素供給源および無機塩供給源と、
ビタミン供給源としての0.5g/lの酵素抽出物(Bacto(商標)酵母抽出物(Difco))と、
pHおよそ5で、塩酸で酸性化した超純水に可溶化され、即座に塩溶液に添加した5g/lの沈殿炭酸カルシウムCaCO(Rectapur(商標)Prolabo No. 22296.294)と
を含む生成培地30mlを含む300mlのバッフルフラスコに接種する。
次に、様々なスクリーニングした株の培養ステップを、25℃および30℃の2つの発酵温度で行う。
よって、フラスコを、攪拌(140rpm)しながら25℃および30℃で並行してインキュベートする。
試験した各株に関して、生成される総ラクトン、すなわち(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンの混合物の収量を決定するために、培養の3日目、5日目、および7日目にフラスコを停止する。
次に、各フラスコの発酵培地を、4NのNaOHを添加することにより一晩けん化し、次に、50%のHSOで酸性化し、最終的に1時間90℃に加熱する。
生成されるラクトン混合物を、メチルt−ブチルエーテルを用いて抽出することにより回収する。
有機相を、生成されるラクトンの定量的解析のためガスクロマトグラフィーに注入する。
この試験の範囲内の異なるアウレオバシジウム株のスクリーニングで得た結果のすべてを、以下の表3に記録する。
Figure 2017507673
上記の表3に列挙した比較試験の結果を、図2および3により、より具体的に示す。
図2は、25℃の発酵により試験したアウレオバシジウムの各株による、3日間、5日間、および7日間の培養後に生成されるラクトン、すなわち(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンの混合物の収量のモニタリングをヒストグラムの形態で表す。
また、図3は、30℃の発酵により試験したアウレオバシジウムの各株による、3日間、5日間、および7日間の培養後に生成されるラクトン、すなわち(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンの混合物の収量をヒストグラムの形態で表す。
このことから、本発明に係る方法を使用して試験した各株によるラクトンの生成を評価する。
よって、本発明に係る方法の培養ステップの最中の発酵温度を上げる作用を、生成されるラクトンの収量の観点からすべての株で試験した。
この目的のために、試験したすべての株のうち、特に図2および3に例示されるように、株CBS771.97が、25℃または30℃かどうかにかかわらず、D3から(D5およびD7でも同様)、最も多くのラクトン生成を有することが判明することに留意されたい。
25℃の発酵では、生成されるラクトンの収量は、株CBS771.97では他の株と比較して、D3およびD5で少なくとも3倍多く、D7では少なくとも2倍多い。
同様に、収量の差異は、30℃の発酵ではさらに顕著であり、生成されるラクトンの収量は、株CBS771.97に関して、他の株と比較してD3では少なくとも10倍多く、D5では少なくとも5倍多く、D7では少なくとも7倍多い。
また、一部の株が、生成の観点から温度に非感受性であることも観察される。これは、たとえば、試験した2つの発酵温度のいずれでもスクロ脂質、よってラクトンを生成しない株CBS117.466、または、最小量のラクトンを生成し、25℃および30℃で同様である、株CBS123.33に当てはまる。
さらに、一部の株では発酵温度を上昇させると、ラクトン収量に負の作用を有するように思われる。これは、発酵温度を25℃から30℃に増加させると生成に対して顕著な効果を及ぼす株CBS147.97で明確に観察される。実際に、この株は、収量がD7で最大2.8g/lである25℃と比較して30℃ではもはやラクトンを生成しない。たとえば株CBS584.75などのさらなる株もまた温度の上昇に感受性があり:D7で25℃と比較して30℃で6倍少ないラクトンを生成する。さらに、この負の作用は、D3から顕著である。また、株CBS585.75は、温度の上昇が、総ラクトンの収量に関して負の作用を有する株の群に属する。
しかしながら、驚くべきことであり、有益なことに、温度の上昇の正の作用は、株CBS771.97に限って観察され、25℃と比較して30℃での発酵でさらに多くのラクトンを生成し、スクリーニングしたすべての株と異なり、D7で22.6%有意に増加する。
よって、CBS771.97またはその関連株(クレード番号7)の特異性が、本発明に係る方法により観察される。
実施例2
ラクトン収量に関する本発明に係る方法での発酵温度を上昇させる効果に関する追加的な試験を、上記の比較試験と同一の操作条件に基づき、対象の株、すなわち、より具体的にはアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)CBS 771.97に関して、より詳しく行った。
この追加的な試験で得られた生成されるラクトンの収量を、以下の表4に列挙して、図4に示し、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株CBS 771.97に関する本発明に係る方法の例により、ラクトン生成に及ぼす培養ステップの温度の効果を表す。
Figure 2017507673
得られた結果に基づき、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株CBS 771.97を使用して生成されるラクトンの収量に関して、25℃および35℃と比較して、30℃に発酵温度を上昇させる正の効果がD3から観察され、特にD7では、それぞれ32.4%および183・7%の有意な増加を伴う。
さらに、この追加的な試験で得た収量は、類似の培養条件下で、25℃および30℃で得た生成されたラクトンの収量が、この追加的な試験で得た結果と、この株CBS771.97に関して実施例1の比較試験で得た結果との間で、25℃では、単に8.3%(D3)および1%(D7)変化し、30℃ではD3で同一であり、D7ではわずか6.9%変化するという点において本発明による方法の再現性が十分であることを証明する。
よって、本出願人により使用され、特に水性生成培地中のカルシウムの存在下での操作条件は、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97による、スクロ脂質、したがってラクトン、特に(R)−(−)−マッソイアラクトンの生成を促進する。よって、当業者により一般的に行われる操作からなる本発明に係る方法で使用される操作条件は、実行することが非常に容易である。
さらに、本発明に係る方法は、十分な再現性を有し、かつ、ラクトン、特に(R)−(−)−マッソイアラクトンの生産性の向上(形成されたラクトンの量および生成比率の向上)させる。この目的のため、この株CBS771.97またはその関連株では、生成される代謝物は、好ましくは、ピークに達した後に迅速に分解されず、(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン(または(R)−(−)−マッソイアラクトン)および/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンに変換され得ることが注目される。
また、本出願人は、図5に示されるように、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97を使用して本発明に係る方法の一例に従うラクトンの生成に及ぼす、炭素供給源の効果も証明した(実施例3)。
実施例3
ラクトン生成に及ぼす炭素供給源の効果を、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97を使用して、25℃で培養することにより実施例1の操作条件に基づき試験した。これを、図5により詳しく示す。
図5では、試験した炭素供給源のうち、アラビノースおよびガラクトース(45g/l)は、本発明に係る方法により有意なラクトン生成に適していないことが観察される。また、得られた収量も、60または75g/lのアラビノースまたはガラクロースの濃度で同様であるかまたはより低いことに留意することが重要である。
他方で、60または75g/lの濃度のグリセロール、フルクトース、マルトース、キシロース、スクロース、グルコース、およびマンノースから選択される本発明に係る方法の生成培地の炭素供給源は、25℃での発酵による6日間の培養の後、グリセロールでは、少なくとも2g/lの生成ラクトンの有意な収量がもたらされ、同様に、マンノースではD6で最大11g/lの収量がもたらされた。
得られた結果に基づき、好ましくは使用される炭素供給源は、費用あたり生成される代謝物(生成されるラクトン)の割合が最良である60g/lのグルコースである。
実施例4:
また、本出願人は、図6に示されるように、20日間の培養にわたる25℃での培養により、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97を使用した実施例1の操作条件に基づくラクトンの生成、生産性、およびグルコースの消費をモニタリングした。
7日間の培養後、ラクトン生成は、およそ9g/lでピークに達した。測定誤差を考慮すると、プラトーは、7日間〜10日間の間に存在すると考えることができる。
生産性を考慮すれば、5日目でピークに達し、その後低下する。
培養培地からのグルコースの消失は、生産性の低下と同時であると考えられる。
実施例5
この目的のために、本発明に係る方法の1つの好ましい実施形態では、培養ステップの最中の、生成培地、より具体的には炭素供給源、特にはグルコースの逐次的な添加を、第4の前培養ステップを導入することにより、実施例1の操作条件に基づきアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97を使用して試験した。ステップ3における前培養は、3つのフラスコに接種するために使用されるが、これを2つの1L発酵槽での前培養として使用する。次に培養ステップを、0.5vvmのエアレーションおよび500rpmの攪拌を伴いながら、15日間の培養期間にわたり、発酵槽中28℃で行う。
第1の発酵槽では、炭素供給源、より具体的にはグルコースは、生成培地(60g/l)から得られる。第2の発酵槽では、生成培地中に最初に含まれる60gに加えて、500g/lの滅菌水溶液の形態のグルコース30gを、それぞれ、D3およびD7に培養ステップの最中に添加した。
ラクトンの生成およびグルコース消費のモニタリングを、図7により詳しく示す。
よって、グルコースを逐次的に添加すると、経時的に生成されるラクトンの量の増加が観察され、これは、培養ステップの最中にグルコースを添加しなかった場合よりも量が多く、生成が迅速である。同様にD7では、生成されるラクトン量の38%の増加が観察され、D12では増加は57%である。
よって、培養ステップの最中の、生成培地、より具体的には炭素供給源、特には、たとえばグルコースの逐次的な添加は、より長期間、すなわちこの実施例では5日超のより長い期間にわたり高い生産性を維持するのに適切である。
明らかに、本発明は、上記に提示される実施形態および実施例に限定されるものではなく、当業者は、定例的な操作により、明白に描写されていないさらなる実施形態を作製することができ、それらも本発明の広い範囲に含まれる。

Claims (13)

  1. アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成する方法であって、以下のステップ:
    アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97(CBS−KNAW Fungal Biodiversity Centre, Uppsalalaan 8, 3584 CT Utrecht, Netherlandsから入手)、またはその関連株の前培養を行うステップと、
    前記前培養から得た接種物から、少なくとも3日間にわたり20〜40℃の温度での発酵により培養を行って、
    炭素供給源と、
    窒素供給源と、
    無機塩溶液と、
    2〜100mMの濃度のカルシウム供給源と
    を含む滅菌水性生成培地で代謝物を生成するステップと、
    前記発酵期間の後に、前記生成した代謝物を、(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンおよび/または(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンを含むラクトン混合物に変換するステップと
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記得た(4R,6R)−4−ヒドロキシ−6−ペンチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オンを、脱水により(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンに変換するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 有機溶媒での抽出後の蒸留により、または超臨界COでの抽出により、または水蒸気蒸留により、前記得た(R)−5,6−ジヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オンを単離するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記前培養のステップを、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97またはその関連株を含むクライオチューブを用いて、麦芽抽出培地またはYNB(「酵母用ニトロゲンベース」)培地から選択される固体培地および/または液体培地で行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ある体積の前記アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)株 CBS 771.97またはその関連株の前培養物を、培養培地の初期光学密度(OD)が0.5〜2、好ましくは0.5の初期ODとなるように前記生成培地に接種することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記接種物の体積が、前記培養培地の体積の3〜10%であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記発酵培養ステップを、25〜35℃、好ましくは28〜30℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記発酵培養ステップを、3〜20日間、好ましくは7〜15日間攪拌しながら行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記生成培地中のカルシウム濃度が50mMであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記カルシウム供給源が、酸性条件下で可溶化され、無機塩溶液に即座に添加される少なくとも1つの微量元素を含む少なくとも98%の純度の沈殿炭酸カルシウムCaCO、または微量元素溶液の存在下の塩化カルシウムCaClから選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記微量元素が、単独または併用で、マンガン、銅、コバルト、鉄、亜鉛、ストロンチウム、鉛、水銀、塩素、ホウ素、モリブデン、および硫黄から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記炭素供給源が、単独または併用で、グルコース、マンノース、スクロース、キシロース、マルトース、フルクトース、およびグリセロールから選択され、好ましくはグルコースであり、
    前記窒素供給源が、単独または併用で、硝酸アンモニウムNHNO、硝酸ナトリウムNaNO、硫酸アンモニウム(NHSO、ペプトン、または天然のアミノ酸から選択され、好ましくは硝酸アンモニウムNHNOであり、
    前記溶液中の無機塩が、単独または併用で、マグネシウム、リン酸塩、カリウム、ナトリウム、塩化物、硫酸イオンから選択される
    ことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記生成培地がビタミン供給源をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
JP2016571480A 2014-02-27 2015-02-26 アウレオバシジウム プルランス(aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成する方法 Active JP6524114B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR14/00499 2014-02-27
FR1400499A FR3017878B1 (fr) 2014-02-27 2014-02-27 Procede de production de lactones a partir d'une souche d'aureobasidium pullulans
PCT/FR2015/000042 WO2015128552A1 (fr) 2014-02-27 2015-02-26 Procédé de production de lactones a partir d'une souche d'aureobasidium pullulans

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017507673A true JP2017507673A (ja) 2017-03-23
JP6524114B2 JP6524114B2 (ja) 2019-06-05

Family

ID=50473531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016571480A Active JP6524114B2 (ja) 2014-02-27 2015-02-26 アウレオバシジウム プルランス(aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成する方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10196659B2 (ja)
EP (1) EP3110957B1 (ja)
JP (1) JP6524114B2 (ja)
DK (1) DK3110957T3 (ja)
FR (1) FR3017878B1 (ja)
SG (1) SG11201505325WA (ja)
WO (1) WO2015128552A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG10202011054XA (en) 2015-08-17 2020-12-30 Temasek Life Sciences Laboratory Ltd Methods for fermentative production of massoia lactone
KR102612093B1 (ko) * 2021-07-05 2023-12-12 대한민국 자일란 분해 활성을 갖는 신규 균주 아우레오바시디움 풀루란스 rg4

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08509376A (ja) * 1993-04-28 1996-10-08 ジ・アップジョン・カンパニー 化学汚染物質の微生物分解
JPH0931071A (ja) * 1995-07-18 1997-02-04 Nippon Suisan Kaisha Ltd (r)−(−)−マッソイアラクトンの製造方法・その製造物および香料組成物
JP2006094828A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Asahi Denka Kogyo Kk アウレオバシジウム培養物
WO2009049378A1 (en) * 2007-10-17 2009-04-23 Qbiotics Limited Lactone derivatives

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0633248B2 (ja) 1986-08-28 1994-05-02 長谷川香料株式会社 2−アルケン−5−オリド類の製法
JPH0780867B2 (ja) 1987-03-02 1995-08-30 長谷川香料株式会社 α,β−不飽和δ−ラクトンの製造法
JPH082891B2 (ja) 1987-03-10 1996-01-17 長谷川香料株式会社 α,β−不飽和δ−ラクトン類の製法
JPH0635456B2 (ja) 1988-08-26 1994-05-11 長谷川香料株式会社 (r)‐(‐)‐2‐デセン‐5‐オリドの製法
CA2035972C (en) * 1990-02-23 2006-07-11 Martin Karpf Process for the preparation of oxetanones
US6060507A (en) * 1994-02-07 2000-05-09 Horticulture And Food Research Institute Of New Zealand Limited Use of massoialactone for inhibition of fungal growth

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08509376A (ja) * 1993-04-28 1996-10-08 ジ・アップジョン・カンパニー 化学汚染物質の微生物分解
JPH0931071A (ja) * 1995-07-18 1997-02-04 Nippon Suisan Kaisha Ltd (r)−(−)−マッソイアラクトンの製造方法・その製造物および香料組成物
JP2006094828A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Asahi Denka Kogyo Kk アウレオバシジウム培養物
WO2009049378A1 (en) * 2007-10-17 2009-04-23 Qbiotics Limited Lactone derivatives

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BIOSCI. BIOTECH. BIOCHEM., vol. 58, no. 11, JPN6018046196, 1994, pages 2057 - 2060, ISSN: 0003926820 *

Also Published As

Publication number Publication date
DK3110957T3 (da) 2019-07-29
US10196659B2 (en) 2019-02-05
JP6524114B2 (ja) 2019-06-05
FR3017878A1 (fr) 2015-08-28
US20160362712A1 (en) 2016-12-15
FR3017878B1 (fr) 2017-12-08
EP3110957B1 (fr) 2019-04-24
EP3110957A1 (fr) 2017-01-04
WO2015128552A1 (fr) 2015-09-03
SG11201505325WA (en) 2015-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111100800B (zh) 一株酿酒酵母及其应用
JP6181972B2 (ja) 芳香族化合物の製造方法
JP6524114B2 (ja) アウレオバシジウム プルランス(aureobasidium pullulans)の株からラクトンを生成する方法
JPH0787987A (ja) ベンゼノイド前駆体の生物学的転換によるバニリンの製造方法
CN110564649B (zh) 一株产脂肪酶菌株及其应用
CN108949595B (zh) 一种产香酵母菌及其在红曲黄酒酿造中的应用
JP2010532992A (ja) 3,4−エポキシ酪酸エチルの微生物速度論的分割
JP4620404B2 (ja) 酵母変異株、グルタチオン高含有酵母の製造方法、その培養物、その分画物、酵母エキスおよびグルタチオン含有飲食品
JP2016202073A (ja) フマル酸の製造方法
JP5174430B2 (ja) 2−フェニルエチルアルコールの製造方法
CN110283733A (zh) 土星轮头酵母zjph1807及其应用
JP2009148212A (ja) マンニトールの発酵製造方法及びその実施に用いる微生物
CN110982716B (zh) 用于生产天然酪醇的菌株及天然酪醇的制备方法
RU2487931C1 (ru) ШТАММ ДРОЖЖЕЙ Yarrowia lipolytica ВКПМ Y-3753 - ПРОДУЦЕНТ ЯНТАРНОЙ КИСЛОТЫ
KR20130101348A (ko) 하이드록시 지방산으로부터 고수율의 감마-도데카락톤의 제조방법 및 그 조성물
WO2018221482A1 (ja) 糸状菌ペレットの製造方法
KR101383342B1 (ko) 효모의 베타-산화 유도에 의한 수산화 지방산으로부터 감마-데카락톤과 감마-부티로락톤의 제조방법 및 그 조성물
US20160152942A1 (en) Method for isolating highly furfural resistant strain and strain isolated by the method
JP2002253295A (ja) 微生物培養法によるr体1,2−プロパンジオールの製法
JP5709154B2 (ja) 酵母変異株
Chen et al. Effect of cultivating conditions on gamma-aminobutyric acid production by lactobacillus brevis
CN103911399A (zh) 一种微生物转化异丁香酚生产香兰素的方法
CN109136162A (zh) 一种多因素协同进化提高隐甲藻dha产量的方法
JP2014226047A (ja) 芳香族化合物の製造方法
CN111718919A (zh) 一种酯化酶生产用培养基及酯化酶粗酶制剂的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170127

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6524114

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250